JP3173206B2 - テープフィーダ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電子部品実装装置に使用
されるテープフィーダに係り、詳しくは電子部品封入テ
ープから剥離されたカバーテープを巻取るための巻取り
リールを不要にできるテープフィーダに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】電子部品を基板に搭載するための手段と
して、テープフィーダに装備された電子部品封入テープ
をピッチ送りして、この電子部品封入テープに封入され
た電子部品を電子部品実装装置の移載ヘッドへ向って搬
送し、移載ヘッドによりこの電子部品をピックアップし
て基板に移送搭載する手段が広く実施されている。

【０００３】従来のテープフィーダは、例えば特開昭６
２−１４６８６１号公報に示されるように、供給リール
の装着部と、スプロケット等から成るテープのピッチ送
り手段と、ベーステープのポケットに収納された電子部
品を移載ヘッドのノズルに真空吸着してピックアップで
きるように、カバーテープをベーステープから剥離する
ためのカバーテープの剥離手段と、剥離されたカバーテ
ープを巻き取る巻取りリールと、この巻取りリールを回
転させる駆動手段等から構成されていた。

【０００４】この種従来のテープフィーダにおいては、
供給リールに巻回された電子部品封入テープが無くなっ
たならば、テープフィーダをこれがセットされたテーブ
ルから取りはずしてテープフィーダに新たな供給リール
を装着するとともに、巻取りリールに巻取られたカバー
テープを巻取りリールから除去しなければならない。し
かしながらカバーテープは巻取りリールに強く巻取られ
ているため巻取りリールから簡単に取りはずしにくく、
このため従来、カバーテープはナイフより切断するなど
して巻取りリールから除去しなければならないなど、巻
取りリールからの除去作業は甚だ面倒であった。

【０００５】そこで本出願人は、先に巻取りリールを不
要にできるテープフィーダを提案した（特開平４−７６
９９７号）。このものは、テープフィーダにカバーテー
プ７ａ（符号は同公報援用）の回収室９を設け、剥離部
１２で剥離されたカバーテープ７ａを回転子１３ａ，１
３ｂにより巻上げて回収室９に回収するようになってい
る。

【０００６】回転子１３ａ，１３ｂを回転させるための
駆動手段は、電子部品封入テープ７の送行路にスプロケ
ット１１を設け、このスプロケット１１と一方の回転子
１３ａに伝動用のベルト１４を調帯して構成されてお
り、レバー４０の揺動によりスプロケット３２、３３が
ピッチ回転して電子部品封入テープ７がピッチ送りされ
ると、電子部品封入テープ７に係合するスプロケット１
１や回転子１３ａ，１３ｂが同時に回転し、カバーテー
プ７ａを回転子１３ａ，１３ｂにより巻上げて剥離部１
２から剥離させながら、収納室９に送り込むようになっ
ている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな従来の構成ではスプロケット１１やベルト１４など
の伝動機構が複雑であり、しかも回転子１３ａ，１３ｂ
は電子部品封入テープ７の送行にともなうスプロケット
１１の回転に駆動されて回転するよう構成されているの
で、十分に大きな回転力すなわちカバーテープ７ａの巻
上げ力を得にくいという問題点があった。因みに、回転
子１３ａ，１３ｂはその回転力によりカバーテープ７ａ
を強く巻上げて電子部品封入テープ７のベーステープか
ら剥離するものであり、カバーテープをベーステープか
ら確実に剥離させるためには強い回転力を必要とする。

【０００８】そこで本発明は、簡単な構成によりカバー
テープを電子部品封入テープのベーステープから剥離さ
せて回収部に回収することができるテープフィーダを提
供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】このために本発明のテー
プフィーダは、電子部品封入テープの送行を案内するガ
イド部と、このガイド部の後部に設けられた前記電子部
品封入テープの供給リールと、前記ガイド部の前部に設
けられて前記電子部品封入テープをピッチ送りするピッ
チ送り手段と、前記供給リールと前記ピッチ送り手段の
間に設けられて前記ガイド部上を送行される前記電子部
品封入テープのカバーテープを剥離する剥離手段と、こ
の剥離手段で剥離されたカバーテープを巻上げる回転子
と、前記回転子で巻上げられたカバーテープを回収する
回収部とを備え、前記回収部が、カバーテープが導入さ
れる開口部が開口された回収箱と、この回収箱が着脱自
在に装着される装着部とから構成し、前記回収部にカバ
ーテープを切断するカッターを設けた。

【００１０】

【作用】上記構成によれば、カバーテープを回転子で巻
き上げながら回収部に回収することができる。またカバ
ーテープを回収部に回収したならば、回収部に設けられ
たカッターでカバーテープを切断し、回収箱を装着部か
ら取り外すことができる。

【００１１】

【実施例】次に、図面を参照しながら本発明の実施例を
説明する。

【００１２】図１はテープフィーダの全体側面図であ
る。１は長板状のガイド部であり、その上部にはブラケ
ット２が立設されている。ブラケット２の後部には供給
リール３が軸部４に回転自在に軸着されている。またガ
イド部１の前部には、スプロケット５と爪車６がピン７
に同軸的に軸着されている。

【００１３】供給リール３には電子部品封入テープ８が
巻回されている。電子部品封入テープ８は、ベーステー
プ８ａの上面にカバーテープ８ｂを貼着して構成されて
おり、ベーステープ８ａのポケットに電子部品が収納さ
れている。電子部品封入テープ８はスプロケット５に調
帯されており、後述する手段によりスプロケット５がピ
ッチ回転すると、供給リール３から導出されてガイド部
１上を送行される。９は電子部品封入テープ８のガイド
ローラである。１１は電子部品実装装置の本体（図示せ
ず）に備えられた移載ヘッドであって、電子部品封入テ
ープ８に備えられた電子部品１３をノズル１２に真空吸
着してピックアップし、基板（図外）に移送搭載する。

【００１４】１４は板状の駆動子であって、ガイド部１
に立設されたフレーム１５にピン１６を介して軸着され
ている。この駆動子１４の下端部にはピン１７を介して
ロッド１８が軸着されている。また前記スプロケット５
のピン７には揺動レバー１９が軸着されており、ロッド
１８の先端部はピン２１によりこの揺動レバー１９の後
端部に軸着されている。揺動レバー１９には爪２２が軸
着されており、この爪２２は爪車６の外周部の爪部６ａ
に係合している。２３は電子部品実装装置の本体側に設
けられた押圧ロッドである。

【００１５】図示しない駆動手段に駆動されてこの押圧
ロッド２３が上下動作を行うことにより駆動子１４の右
肩部１４ａを押圧し、また押圧を解除すると、駆動子１
４はピン１６を中心に左右に揺動し、これにけん引され
てロッド１８はその長手方向に往復動する。すると揺動
レバー１９はピン７を中心に揺動し、爪車６は爪２２に
押されて矢印方向にピッチ回転し、スプロケット５も爪
車６と一体的にピッチ回転して電子部品封入テープ８を
ピッチ送りする。すなわちスプロケット５、爪車６、揺
動レバー１９等は電子部品封入テープ８のピッチ送り手
段を構成している。

【００１６】図１において、２４はガイド部１上に設け
られた剥離爪であって、供給リール３とスプロケット５
の間に配設されており、ベーステープ８ａの上面に貼着
されたカバーテープ８ｂを折り返しながら剥離すること
により、ベーステープ８ａのポケットに収納された電子
部品１３を移載ヘッド１１がピックアップできるように
露呈させる。

【００１７】次に図２及び図３を参照しながら、カバー
テープ８ｂの回収機構を説明する。前記ブラケット２の
前部には爪車３１がピン３０に軸着されている。またこ
のピン３０には第１の回転子４４が軸着されている。３
２はこのピン３０に同軸的に軸着された揺動レバーであ
って、その中央部には爪３３が軸着されている。爪車３
１の内側面にはその円周方向に沿って爪部３４が形成さ
れており、この爪部３４に爪３３の先端部が係合してい
る。

【００１８】また揺動レバー３２の先端部にはローラ３
５が軸着されている。前記駆動子１４の左肩部１４ｂと
揺動レバー３２はスプリング３６で結合されており、ロ
ーラ３５は駆動子１４の左肩部１４ｂの下面に弾接して
いる。したがって上述したように押圧ロッド２３が上下
動作をして駆動子１４がピン１６を中心に左右に揺動す
ると、揺動レバー３２はピン３０を中心に揺動し、爪３
３に押されて爪車３１は前記スプロケット５と一緒に矢
印方向にピッチ回転する。

【００１９】４１は押圧レバーであって、ピン４２によ
りブラケット２の前部上端に軸着されている。４３は線
ばねであって、そのばね力により押圧レバー４１を反時
計方向に弾発している。この押圧レバー４１の先端部に
は第２の回転子４５が軸着されている。上述のように押
圧レバー４１は線ばね４３で弾発されることにより、第
２の回転子４５は第１の回転子４４に強く押圧される。
また剥離爪２４で剥離されたカバーテープ８ｂは第１の
回転子４４と回転子４５の間を通っている。

【００２０】上述のように爪車３１がピッチ回転する
と、第１の回転子４４も矢印方向にピッチ回転する。す
るとカバーテープ８ｂは第１の回転子４４と第２の回転
子４５の摺接摩擦により矢印方向へ強制的に巻き上げら
れ、ベーステープ８ａに貼着されたカバーテープ８ｂは
剥離爪２４に折り返されてベーステープ８ａから剥離さ
れる。ここで、第１の回転子４４と第２の回転子４５に
よるカバーテープ８ｂの巻上げ量を、スプロケット５に
よるカバーテープ８ａの送り量よりも若干大きくしてお
けば、カバーテープ８ｂは緊張状態で強く巻き上げら
れ、剥離爪２４により確実にベーステープ８ａから剥離
される。

【００２１】なおカバーテープ８ｂは合成樹脂フィルム
にて形成されており、若干の伸縮ができる。また大きな
摺接摩擦力が得られるように、第１の回転子４４と第２
の回転子４５の周面はローレット目を形成するなどして
粗面加工が施されているが、更に大きな摺接摩擦力が得
られるように回転子としてはギヤなどを使用してもよ
い。

【００２２】また押圧レバー４１には上方へ突出する突
出部４１ａが形成されている。電子部品封入テープ８を
このテープフィーダにセットするときには、図示するよ
うにこの突出部４１ａに指先を当て、線ばね４３のばね
力に抗して押圧レバー４１を上方へ回転させることによ
り、第２の回転子４５を第１の回転子４４から離せば、
カバーテープ８ｂを第１の回転子４４と第２の回転子４
５の間に挿通することができる。

【００２３】図２において、ブラケット２には箱型の装
着部５１が取付けられている。この装着部５１には回収
箱５２が着脱自在に装着されている。回収箱５２は、本
体ケース５２ａにキャップケース５２を着脱自在に装着
して構成されており、したがって回収箱５２は、これに
回収されたカバーテープが飛び出さない有蓋構造になっ
ている。５３は装着部５１の内面に設けられた板ばねで
あって、回収箱５２の外面に弾接することにより、装置
の運転中に回収箱５２ががたつくのを防止する。回収箱
５２の側面にはカバーテープ８ｂが導入される開口部５
４が開口されており、第１の回転子４４と第２の回転子
４５が回転することにより巻上げられたきたカバーテー
プ８ｂはこの開口部５４から回収箱５２の内部に回収さ
れる。この開口部５４の上部にはカッター５５が装着さ
れており、回収箱５２に回収されたカバーテープ８ｂを
取り出すために回収箱５２を装着部５１から取りはずす
ときは、カバーテープ８ｂはこのカッター５５で切断さ
れる。

【００２４】このテープフィーダは上記のような構成よ
り成り、次に取扱い動作を説明する。図１において、押
圧ロッド２３が上下動作をして駆動子１４の右肩部１４
ａを押圧すると、駆動子１４はピン１６を中心に左右に
揺動し、これに連動して揺動レバー１９も揺動し、スプ
ロケット５はピッチ回転して電子部品封入テープ８はガ
イド部１上をピッチ送りされる。

【００２５】また図２において、駆動子１４が揺動する
ことにより、揺動レバー３２も揺動し、爪車３１はピッ
チ回転する。すると第１の回転子４４もピッチ回転し、
第１の回転子４４と第２の回転子４５の摺動摩擦力によ
りカバーテープ８ｂは巻き上げられ、その巻き上げ力に
よりカバーテープ８ｂは剥離爪２４によりベーステープ
８ａから剥離され、回収箱５２の内部へ送り込まれる。

【００２６】カバーテープ８ｂが剥離されたことにより
露呈したベーステープ８ａの電子部品１３は、移載ヘッ
ド１１のノズル１２に真空吸着されてピックアップさ
れ、基板（図外）に移送搭載される。上述のように、ベ
ーステープ８ａをピッチ送りするためにスプロケット５
をピッチ回転させる揺動レバー１９と、カバーテープ８
ｂを巻上げるために第１の回転子４４をピッチ回転させ
る揺動レバー３２は、同一の駆動子１４により同時に駆
動されて揺動するので、単に駆動機構が簡単になるだけ
でなく、スプロケット５と第１の回転子４４を完全に機
械的に同期させてピッチ回転させることができる。しか
も第１の回転子４４は揺動レバー３２を介して駆動子１
４により直接駆動されて回転するので、強い回転力が得
られ、カバーテープ８ｂを強く引っ張って剥離爪２４に
て折り返しながら確実にベーステープ８ａから剥離させ
ることができる。

【００２７】回収箱５２の内部が回収されたカバーテー
プ８ｂで満杯になったらば、回収箱５２を装着部５１か
ら取り出し、カッター５５でカバーテープ８ｂを切断し
たうえで、回収箱５２を回収する。回収箱５２は使い捨
てにして、新たな回収箱５２を装着部５１に装着しても
よいが、キャップケース５２ｂを本体ケース５２ａから
取りはずし、本体ケース５２ａ内からカバーテープ８ｂ
を取り出して回収したうえで、キャップケース５２ｂを
本体ケース５２ａに装着し、この回収箱５２を再使用し
てもよい。

【００２８】図４は回収部の他の実施例を示している。
装着部５１の外面には固定刃６１が装着されており、ま
た回収箱５２のキャップケース５２ｂの外面には可動刃
６２が設けられている。この可動刃６２はキャップケー
ス５２ｂの外面に突設された止具６３にばね材６４を介
して上下動自在に装着されている。したがって可動刃６
２の上端部を指先で押圧すると、可動刃６２はばね材６
４のばね力に抗して下降し、固定刃６１と可動刃６２に
よりカバーテープ８ｂは切断され、押圧状態を解除する
と、可動刃６２はばね材６４のばね力により上昇して原
位置に復帰する。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、回
転子によりカバーテープを巻上げながら回収部に簡単に
回収できる。またカバーテープを回収部に回収したなら
ば、回収部に設けられたカッターでカバーテープを切断
し、回収箱を装着部から取り外すことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例のテープフィーダの全体側面
図

【図２】本発明の一実施例のテープフィーダの要部側面
図

【図３】本発明の一実施例のテープフィーダの要部斜視
図

【図４】本発明の他の実施例の回収部の断面図

【符号の説明】

１ ガイド部 ３ 供給リール ５ スプロケット ８ 電子部品封入テープ ８ａ ベーステープ ８ｂ カバーテープ １４ 駆動子 ２４ 剥離爪 ４４ 第１の回転子 ４５ 第２の回転子 ５２ 回収箱

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電子部品封入テープの送行を案内するガイ
   ド部と、このガイド部の後部に設けられた前記電子部品
   封入テープの供給リールと、前記ガイド部の前部に設け
   られて前記電子部品封入テープをピッチ送りするピッチ
   送り手段と、前記供給リールと前記ピッチ送り手段の間
   に設けられて前記ガイド部上を送行される前記電子部品
   封入テープのカバーテープを剥離する剥離手段と、この
   剥離手段で剥離されたカバーテープを巻上げる回転子
   と、前記回転子で巻き上げられたカバーテープを回収す
   る回収部とを備え、前記回収部が、カバーテープが導入
   される開口部が開口された回収箱と、この回収箱が着脱
   自在に装着される装着部とから成り、前記回収部にカバ
   ーテープを切断するカッターを設けたことを特徴とする
   テープフィーダ。