JP3172383B2 - 自動車内装用表面材およびその製造法 - Google Patents
自動車内装用表面材およびその製造法Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のドアトリムや
天井トリム、シートカバーなどの自動車の内装に用いる
自動車内装用表面材およびこれを安価に量産できる自動
車内装用表面材の製造法に関するものである。
天井トリム、シートカバーなどの自動車の内装に用いる
自動車内装用表面材およびこれを安価に量産できる自動
車内装用表面材の製造法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】この種自動車内装用表面材としては、実
開平１ー１０３４００号公報などに見られるように、ボ
リューム感とクッション性に優れたポリウレタンフォー
ムの表面に編地や織地などのファブリック表皮材をラミ
ネートした積層表皮材が多く用いられてきたが、この種
積層表皮材においてはポリウレタンフォームの強度が不
十分なため、必然的にファブリック表皮材として強度的
に優れた良質のものが使用されることとなりこれがコス
ト高になるという問題点があるとともに、ポリウレタン
フォームは廃棄公害上或いはリサイクリング上の問題点
もあった。
開平１ー１０３４００号公報などに見られるように、ボ
リューム感とクッション性に優れたポリウレタンフォー
ムの表面に編地や織地などのファブリック表皮材をラミ
ネートした積層表皮材が多く用いられてきたが、この種
積層表皮材においてはポリウレタンフォームの強度が不
十分なため、必然的にファブリック表皮材として強度的
に優れた良質のものが使用されることとなりこれがコス
ト高になるという問題点があるとともに、ポリウレタン
フォームは廃棄公害上或いはリサイクリング上の問題点
もあった。
【０００３】このような問題を解決するため、最近では
ポリウレタンフォームの代わりに繊維ウェブをワディン
グ材としてこれに表皮材を接着一体化した自動車内装用
表面材も実開平５ー１５８９９号公報や、特開平４ー３
３２５９０号公報などによって提案されているが、繊維
ウェブに表皮材を接着一体化したものは繊維ウェブの表
面の毛羽立ちのために自動車用として必要な接着強度を
得ることが難しく、また、多量の接着剤を使用した場合
には接着剤により風合いが損なわれるという問題点があ
り、さらに、繊維ウェブとして低融点繊維フィラメント
を用いた場合にはヒートセットにより固化して表面材と
してのしなやかさに劣るという問題点もあった。
ポリウレタンフォームの代わりに繊維ウェブをワディン
グ材としてこれに表皮材を接着一体化した自動車内装用
表面材も実開平５ー１５８９９号公報や、特開平４ー３
３２５９０号公報などによって提案されているが、繊維
ウェブに表皮材を接着一体化したものは繊維ウェブの表
面の毛羽立ちのために自動車用として必要な接着強度を
得ることが難しく、また、多量の接着剤を使用した場合
には接着剤により風合いが損なわれるという問題点があ
り、さらに、繊維ウェブとして低融点繊維フィラメント
を用いた場合にはヒートセットにより固化して表面材と
してのしなやかさに劣るという問題点もあった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来の問題点を解決して、廃棄公害上或いはリサイクリ
ング上の問題があるうえに強度的にも問題のあるポリウ
レタンフォームを使用することなく繊維系のワディング
材を使用し、しかも、自動車用として必要な表皮材との
十分な接着強度を有しているうえに、優れた風合いを確
保することができ、また、繊維ウェブとして低融点繊維
フィラメントを用いたにもかかわらずしなやかな感触を
確保することができ、更には生産コストも極めて安価な
自動車内装用表面材と、このような自動車内装用表面材
を量産できる自動車内装用表面材の製造法を提供するこ
とを目的として完成されたものである。
従来の問題点を解決して、廃棄公害上或いはリサイクリ
ング上の問題があるうえに強度的にも問題のあるポリウ
レタンフォームを使用することなく繊維系のワディング
材を使用し、しかも、自動車用として必要な表皮材との
十分な接着強度を有しているうえに、優れた風合いを確
保することができ、また、繊維ウェブとして低融点繊維
フィラメントを用いたにもかかわらずしなやかな感触を
確保することができ、更には生産コストも極めて安価な
自動車内装用表面材と、このような自動車内装用表面材
を量産できる自動車内装用表面材の製造法を提供するこ
とを目的として完成されたものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明は、高融点繊維フィラメントからな
る高融点ウェブ表層と低融点繊維フィラメントからなる
低融点ウェブ裏層とが針刺加工により絡合一体化される
とともに低融点ウェブ裏層がヒートセットされているワ
ディング材の高融点ウェブ表層側に表皮材を無数の点状
接着部を介して接着一体化してあることを特徴とする自
動車内装用表面材と、このような自動車内装用表面材を
安価に量産するための方法である、高融点繊維フィラメ
ントからなる高融点ウェブ表層と低融点繊維フィラメン
トからなる低融点ウェブ裏層とを重ねて表側からの針刺
加工により両者を絡合一体化したうえ高融点繊維フィラ
メントが溶融されることのない低融点繊維フィラメント
のヒートセット温度で低融点ウェブ裏層をヒートセット
するとともに低融点ウェブ裏層の裏側より突出した無数
のフィラメントの端部を玉縁状の係止端に溶融固化させ
て高融点ウェブ表層と低融点ウェブ裏層とが積層一体化
されたワディング材とし、次いで、このワディング材の
表面に表皮材を接着一体化することを特徴とする自動車
内装用表面材の製造法とよりなるものである。
めになされた本発明は、高融点繊維フィラメントからな
る高融点ウェブ表層と低融点繊維フィラメントからなる
低融点ウェブ裏層とが針刺加工により絡合一体化される
とともに低融点ウェブ裏層がヒートセットされているワ
ディング材の高融点ウェブ表層側に表皮材を無数の点状
接着部を介して接着一体化してあることを特徴とする自
動車内装用表面材と、このような自動車内装用表面材を
安価に量産するための方法である、高融点繊維フィラメ
ントからなる高融点ウェブ表層と低融点繊維フィラメン
トからなる低融点ウェブ裏層とを重ねて表側からの針刺
加工により両者を絡合一体化したうえ高融点繊維フィラ
メントが溶融されることのない低融点繊維フィラメント
のヒートセット温度で低融点ウェブ裏層をヒートセット
するとともに低融点ウェブ裏層の裏側より突出した無数
のフィラメントの端部を玉縁状の係止端に溶融固化させ
て高融点ウェブ表層と低融点ウェブ裏層とが積層一体化
されたワディング材とし、次いで、このワディング材の
表面に表皮材を接着一体化することを特徴とする自動車
内装用表面材の製造法とよりなるものである。
【０００６】
【作用】このような自動車内装用表面材は、自動車のド
アトリムや天井トリムの内張材やシートカバーとして従
来のこの種自動車内装用表面材として使用した場合、外
観上は従来のこの種自動車内装用表面材と変わることが
ないものであるが、褥材としてポリウレタンフォームの
代わりに用いられている繊維系のワディング材は表面側
となる高融点繊維フィラメントからなる高融点ウェブ層
と裏面側となる低融点繊維フィラメントからなる低融点
ウェブ層とからなるものであって、ベース層としてポリ
ウレタンフォームを用いたものに比べても何等遜色のな
いボリューム感を発揮するとともに、表面側にヒートセ
ットされない高融点繊維フィラメントが存在するため十
分なしなやか感を発揮することとなり、また、表面側か
らの針刺加工により前記高融点繊維フィラメントが低融
点繊維フィラメントに絡合一体化されることによりヒー
トセット後に高融点繊維フィラメントが低融点繊維フィ
ラメントにしっかりと固定されたものとなるため、フィ
ラメントのほつれがなくなり極めて強固な接着強度が得
られることとなる。
アトリムや天井トリムの内張材やシートカバーとして従
来のこの種自動車内装用表面材として使用した場合、外
観上は従来のこの種自動車内装用表面材と変わることが
ないものであるが、褥材としてポリウレタンフォームの
代わりに用いられている繊維系のワディング材は表面側
となる高融点繊維フィラメントからなる高融点ウェブ層
と裏面側となる低融点繊維フィラメントからなる低融点
ウェブ層とからなるものであって、ベース層としてポリ
ウレタンフォームを用いたものに比べても何等遜色のな
いボリューム感を発揮するとともに、表面側にヒートセ
ットされない高融点繊維フィラメントが存在するため十
分なしなやか感を発揮することとなり、また、表面側か
らの針刺加工により前記高融点繊維フィラメントが低融
点繊維フィラメントに絡合一体化されることによりヒー
トセット後に高融点繊維フィラメントが低融点繊維フィ
ラメントにしっかりと固定されたものとなるため、フィ
ラメントのほつれがなくなり極めて強固な接着強度が得
られることとなる。
【０００７】
【実施例】次に、本発明を用いた自動車用シートカバー
を実施例として詳細に説明する。図中１は、高融点繊維
フィラメント３ａからなる高融点ウェブ表層３と、低融
点繊維フィラメント４ａからなる低融点ウェブ裏層４と
を積層一体化した２層構造からなる繊維系のワディング
材、２はその表面に接着一体化された表皮材である。図
示の実施例ではワディング材１は高融点ウェブ表層３の
表側から針刺加工が施されて高融点繊維フィラメント３
ａが低融点繊維フィラメント４ａに絡合一体化されると
ともに低融点ウェブ裏層４がヒートセットされて低融点
ウェブ裏層４の低融点繊維フィラメント４ａに入り込ん
だ高融点繊維フィラメント３ａの低融点繊維フィラメン
ト４ａに対する絡合をより強固なものとして単に両者を
混合したワディング材の場合に生ずるフィラメントのほ
つれや抜け落ちが確実に防止されるのである。なお、５
はワディング材１と表皮材２とを接着するための接着剤
である。
を実施例として詳細に説明する。図中１は、高融点繊維
フィラメント３ａからなる高融点ウェブ表層３と、低融
点繊維フィラメント４ａからなる低融点ウェブ裏層４と
を積層一体化した２層構造からなる繊維系のワディング
材、２はその表面に接着一体化された表皮材である。図
示の実施例ではワディング材１は高融点ウェブ表層３の
表側から針刺加工が施されて高融点繊維フィラメント３
ａが低融点繊維フィラメント４ａに絡合一体化されると
ともに低融点ウェブ裏層４がヒートセットされて低融点
ウェブ裏層４の低融点繊維フィラメント４ａに入り込ん
だ高融点繊維フィラメント３ａの低融点繊維フィラメン
ト４ａに対する絡合をより強固なものとして単に両者を
混合したワディング材の場合に生ずるフィラメントのほ
つれや抜け落ちが確実に防止されるのである。なお、５
はワディング材１と表皮材２とを接着するための接着剤
である。
【０００８】また、図２に示されるように、前記針刺加
工されてワディング材１の裏面側に突出した高融点繊維
フィラメント４ａの先端部を加熱し、溶融固化させて玉
縁状の係止部６を形成することもでき、この場合には係
止部６の存在によって高融点繊維フィラメント３ａの抜
けが防止され更に強固な接着強度の確保ができるここと
なり好ましい。
工されてワディング材１の裏面側に突出した高融点繊維
フィラメント４ａの先端部を加熱し、溶融固化させて玉
縁状の係止部６を形成することもでき、この場合には係
止部６の存在によって高融点繊維フィラメント３ａの抜
けが防止され更に強固な接着強度の確保ができるここと
なり好ましい。
【０００９】また、図３に示されるように、ワディング
材１の裏面側に高密度不織布構造表層７を積層したもの
とすることもでき、この場合にはワディング材１の強度
がより向上するとともに高融点繊維フィラメント４ａの
先端部が高密度不織布構造表層７に絡合して抜け落ちが
なくなり、より強固な接着強度の確保ができるこことな
る。なお、この場合に高融点繊維フィラメント４ａの先
端部を図２に示したような玉縁状の係止部６としてもよ
いことは勿論である。このような高密度不織布構造表層
７としては、スパンボンドと称されて市販されている耐
摩耗性のよいポリプロピレン系繊維、ポリエステル系繊
維、ポリアミド系繊維などよりなる厚み０．３〜２mm、
目付５〜２００ｇ／m2程度の不織布シートを用いるのが
一般的であるが、針刺加工により前記のような構成をと
ることができる材料であれば、このようなものに限定さ
れることはない。
材１の裏面側に高密度不織布構造表層７を積層したもの
とすることもでき、この場合にはワディング材１の強度
がより向上するとともに高融点繊維フィラメント４ａの
先端部が高密度不織布構造表層７に絡合して抜け落ちが
なくなり、より強固な接着強度の確保ができるこことな
る。なお、この場合に高融点繊維フィラメント４ａの先
端部を図２に示したような玉縁状の係止部６としてもよ
いことは勿論である。このような高密度不織布構造表層
７としては、スパンボンドと称されて市販されている耐
摩耗性のよいポリプロピレン系繊維、ポリエステル系繊
維、ポリアミド系繊維などよりなる厚み０．３〜２mm、
目付５〜２００ｇ／m2程度の不織布シートを用いるのが
一般的であるが、針刺加工により前記のような構成をと
ることができる材料であれば、このようなものに限定さ
れることはない。
【００１０】なお、高融点繊維フィラメント３ａからな
る高融点ウェブ表層３と低融点繊維フィラメント４ａか
らなる低融点ウェブ裏層４とを重ねて針刺加工により両
者を絡合一体化する場合、表側から針刺加工を行えば前
記したように高融点繊維フィラメント３ａが裏側より突
出することとなるので、玉縁状の係止部６を形成するに
は高融点繊維フィラメント３ａの先端部をバーナ焼きな
どで焼成することとなるが、裏側から高融点ウェブ表層
３の中間に針先が達するように針刺加工を行えば低融点
繊維フィラメント４ａの先端部が低融点ウェブ裏層４の
裏側より突出することとなるので、玉縁状の係止部６が
低融点繊維フィラメント４ａの融点よりは高いが高融点
繊維フィラメント３ａの融点より低い温度で行う低融点
ウェブ裏層４のヒートセット加工時に形成されるので１
工程省略できることとなる。
る高融点ウェブ表層３と低融点繊維フィラメント４ａか
らなる低融点ウェブ裏層４とを重ねて針刺加工により両
者を絡合一体化する場合、表側から針刺加工を行えば前
記したように高融点繊維フィラメント３ａが裏側より突
出することとなるので、玉縁状の係止部６を形成するに
は高融点繊維フィラメント３ａの先端部をバーナ焼きな
どで焼成することとなるが、裏側から高融点ウェブ表層
３の中間に針先が達するように針刺加工を行えば低融点
繊維フィラメント４ａの先端部が低融点ウェブ裏層４の
裏側より突出することとなるので、玉縁状の係止部６が
低融点繊維フィラメント４ａの融点よりは高いが高融点
繊維フィラメント３ａの融点より低い温度で行う低融点
ウェブ裏層４のヒートセット加工時に形成されるので１
工程省略できることとなる。
【００１１】一方、繊維系のワディング材１の表面に接
着一体化されている表皮材２は、編地、織地、不織布な
どのファブリック表皮材その他廃棄公害上問題がないう
えに表皮材として必要なある程度の耐摩耗性を備えたも
のであれば種類を問わない。なお、前記の高密度不織布
構造表層７を補強シートとして積層した場合には、強度
的理由で従来は単独ではあまり使用されることのない質
量が２３０〜３６０ｇ／m2程度の低目付のファブリック
表皮材を使用しても縦、横、バイアス方向とも所要の強
度が得られるので、コスト面を考慮すればこのような低
目付のファブリック表皮材の使用も可能となる。
着一体化されている表皮材２は、編地、織地、不織布な
どのファブリック表皮材その他廃棄公害上問題がないう
えに表皮材として必要なある程度の耐摩耗性を備えたも
のであれば種類を問わない。なお、前記の高密度不織布
構造表層７を補強シートとして積層した場合には、強度
的理由で従来は単独ではあまり使用されることのない質
量が２３０〜３６０ｇ／m2程度の低目付のファブリック
表皮材を使用しても縦、横、バイアス方向とも所要の強
度が得られるので、コスト面を考慮すればこのような低
目付のファブリック表皮材の使用も可能となる。
【００１２】また、ワディング材１と表皮材２とを接着
する接着剤５は、両者を十分な接着強度で接着するもの
であれば水溶性のものやホットメルト型のものなどその
種類は特に限定されるものではないが、作業環境上の問
題を考慮すれば、アクリルー酢酸ビニル共重合物のエマ
ルジョンなどの水溶性接着剤を用いることが好ましい。
なお、実施例ではこの接着剤を用いてワディング材１と
表皮材２とは無数の点状接着部５ａにおいて接着一体化
するものとしてあり、この場合には接着剤の使用量は全
面接着でないために全面接着に比べてエマルジョンタイ
プで５０〜８０％、ホットメルトタイプで２０〜７０％
でよく、しかも十分な接着強度が得られることになると
ともに、接着剤によって表皮材２の風合いが損なわれる
こともないので好ましい。
する接着剤５は、両者を十分な接着強度で接着するもの
であれば水溶性のものやホットメルト型のものなどその
種類は特に限定されるものではないが、作業環境上の問
題を考慮すれば、アクリルー酢酸ビニル共重合物のエマ
ルジョンなどの水溶性接着剤を用いることが好ましい。
なお、実施例ではこの接着剤を用いてワディング材１と
表皮材２とは無数の点状接着部５ａにおいて接着一体化
するものとしてあり、この場合には接着剤の使用量は全
面接着でないために全面接着に比べてエマルジョンタイ
プで５０〜８０％、ホットメルトタイプで２０〜７０％
でよく、しかも十分な接着強度が得られることになると
ともに、接着剤によって表皮材２の風合いが損なわれる
こともないので好ましい。
【００１３】このように構成されたものは、従来のこの
種自動車内装用表面材と同様、例えば、周知の手段によ
り任意の大きさに裁断したうえ縫製加工してシートカバ
ーとしてこれをパッド材に被覆した場合、外観上は従来
のこの種自動車内装用表面材と変わることがないもので
あるが、褥材としてポリウレタンフォームの代わりに用
いられているワディング材１は表面側となる高融点繊維
フィラメント４ａからなる高融点ウェブ表層３と裏面側
となる低融点繊維フィラメント４ａからなる低融点ウェ
ブ裏層４とからなるものであって、ベース層としてポリ
ウレタンフォームを用いたものに比べても何等遜色のな
いボリューム感を発揮するとともに、表面側にヒートセ
ットされない高融点繊維フィラメント４ａが存在するた
め十分しなやかな感触を呈することとなる。
種自動車内装用表面材と同様、例えば、周知の手段によ
り任意の大きさに裁断したうえ縫製加工してシートカバ
ーとしてこれをパッド材に被覆した場合、外観上は従来
のこの種自動車内装用表面材と変わることがないもので
あるが、褥材としてポリウレタンフォームの代わりに用
いられているワディング材１は表面側となる高融点繊維
フィラメント４ａからなる高融点ウェブ表層３と裏面側
となる低融点繊維フィラメント４ａからなる低融点ウェ
ブ裏層４とからなるものであって、ベース層としてポリ
ウレタンフォームを用いたものに比べても何等遜色のな
いボリューム感を発揮するとともに、表面側にヒートセ
ットされない高融点繊維フィラメント４ａが存在するた
め十分しなやかな感触を呈することとなる。
【００１４】また、前記のワディング材１は表面側から
の針刺加工により前記高融点繊維フィラメント３ａが低
融点繊維フィラメント４ａに絡合一体化されたものであ
り、ヒートセット後において高融点繊維フィラメント３
ａが低融点繊維フィラメント４ａにしっかりと固定され
た状態となるため、フィラメントのほつれや抜け落ちが
なくなり極めて強固な接着強度が得られることとなる。
更に、ワディング材１に対する表皮材２の接着を毛羽立
ちの多い不織布構造のものに対する面接着ではなく点接
着としておけば、両者は十分な接着強度をもって接着一
体化されるうえに、無数の点状接着部５ａにおける点接
着であることによってどのような種類の表皮材２を用い
てもその表皮材２のもつ伸縮特性や風合いが接着により
損なわれることがなく、また表皮材２がワディング材１
に対してある程度の自由度が保たれた状態で接着一体化
されることとなる。
の針刺加工により前記高融点繊維フィラメント３ａが低
融点繊維フィラメント４ａに絡合一体化されたものであ
り、ヒートセット後において高融点繊維フィラメント３
ａが低融点繊維フィラメント４ａにしっかりと固定され
た状態となるため、フィラメントのほつれや抜け落ちが
なくなり極めて強固な接着強度が得られることとなる。
更に、ワディング材１に対する表皮材２の接着を毛羽立
ちの多い不織布構造のものに対する面接着ではなく点接
着としておけば、両者は十分な接着強度をもって接着一
体化されるうえに、無数の点状接着部５ａにおける点接
着であることによってどのような種類の表皮材２を用い
てもその表皮材２のもつ伸縮特性や風合いが接着により
損なわれることがなく、また表皮材２がワディング材１
に対してある程度の自由度が保たれた状態で接着一体化
されることとなる。
【００１５】
【発明の効果】前記説明によって明らかなように、本発
明の自動車内装用表面材は廃棄公害上或いはリサイクリ
ング上の問題があるうえに強度的にも問題のあるポリウ
レタンフォームを使用することなく繊維系のワディング
材を使用し、しかも自動車用として必要な表皮材との十
分な接着強度を有しているうえに、優れた風合いを確保
することができ、また繊維ウェブとして低融点繊維フィ
ラメントを用いたにもかかわらずしなやかな感触を確保
することができ、更には生産コストも極めて安価な従来
の自動車内装用表面材には見ることのできない種々の利
点を有するもので、特に、請求項２に示すようにワディ
ング材と表皮材とが無数の点状接着部を介して接着一体
化したものは、どのような種類の表皮材を用いてもその
表皮材のもつ伸縮特性や風合いが接着により損なわれる
ことがないうえ表皮材がワディング材に対してある程度
の自由度が保たれるので好ましく、また、請求項３に示
すように低融点ウェブ裏層の裏側に針刺加工により裏面
より突出された無数のフィラメントの端部を溶融固化し
た係止部が形成されているものは、係止部の抜け止め効
果により針刺加工により先端が裏側に突出する高融点繊
維フィラメントの抜けが防止されてより強固な一体化が
確保できる利点があり、さらに、請求項４に示すように
低融点ウェブ裏層の裏面に高密度不織布構造表層が添装
された状態で針刺加工が施されて係止端が高密度不織布
構造表層の裏側にあるときは、ワディング材の補強機能
を表皮材に頼る必要がないので表皮材の種類を多様化で
きることとなる。また、本発明の自動車内装用表面材の
製造法は、前記のような自動車内装用表面材を簡単な手
段で量産できるので安価に提供できる利点がある。な
お、請求項６に示すように低融点ウェブ裏層の裏面より
突出した無数のフィラメントの端部を低融点ウェブ裏層
のヒートセット後に焼成すれば、玉縁状の係止端は簡単
に得られるものであるが、特に、低融点ウェブ裏層の裏
側より突出した無数のフィラメントの端部を低融点繊維
フィラメントとしてこれを低融点ウェブ裏層のヒートセ
ット温度で玉縁状の係止端に形成するようにしておけ
ば、フィラメントの端部を玉縁状の係止端に形成する工
程が不要となるのでより工程が簡略化できて好ましい。
よって本発明は従来の問題点を一掃した自動車内装用表
面材およびこれを安価に量産できる自動車内装用表面材
の製造法として、産業の発展に寄与するところは極めて
大である。
明の自動車内装用表面材は廃棄公害上或いはリサイクリ
ング上の問題があるうえに強度的にも問題のあるポリウ
レタンフォームを使用することなく繊維系のワディング
材を使用し、しかも自動車用として必要な表皮材との十
分な接着強度を有しているうえに、優れた風合いを確保
することができ、また繊維ウェブとして低融点繊維フィ
ラメントを用いたにもかかわらずしなやかな感触を確保
することができ、更には生産コストも極めて安価な従来
の自動車内装用表面材には見ることのできない種々の利
点を有するもので、特に、請求項２に示すようにワディ
ング材と表皮材とが無数の点状接着部を介して接着一体
化したものは、どのような種類の表皮材を用いてもその
表皮材のもつ伸縮特性や風合いが接着により損なわれる
ことがないうえ表皮材がワディング材に対してある程度
の自由度が保たれるので好ましく、また、請求項３に示
すように低融点ウェブ裏層の裏側に針刺加工により裏面
より突出された無数のフィラメントの端部を溶融固化し
た係止部が形成されているものは、係止部の抜け止め効
果により針刺加工により先端が裏側に突出する高融点繊
維フィラメントの抜けが防止されてより強固な一体化が
確保できる利点があり、さらに、請求項４に示すように
低融点ウェブ裏層の裏面に高密度不織布構造表層が添装
された状態で針刺加工が施されて係止端が高密度不織布
構造表層の裏側にあるときは、ワディング材の補強機能
を表皮材に頼る必要がないので表皮材の種類を多様化で
きることとなる。また、本発明の自動車内装用表面材の
製造法は、前記のような自動車内装用表面材を簡単な手
段で量産できるので安価に提供できる利点がある。な
お、請求項６に示すように低融点ウェブ裏層の裏面より
突出した無数のフィラメントの端部を低融点ウェブ裏層
のヒートセット後に焼成すれば、玉縁状の係止端は簡単
に得られるものであるが、特に、低融点ウェブ裏層の裏
側より突出した無数のフィラメントの端部を低融点繊維
フィラメントとしてこれを低融点ウェブ裏層のヒートセ
ット温度で玉縁状の係止端に形成するようにしておけ
ば、フィラメントの端部を玉縁状の係止端に形成する工
程が不要となるのでより工程が簡略化できて好ましい。
よって本発明は従来の問題点を一掃した自動車内装用表
面材およびこれを安価に量産できる自動車内装用表面材
の製造法として、産業の発展に寄与するところは極めて
大である。
【図１】本発明の自動車内装用表面材の実施例を示す断
面図である。
面図である。
【図２】本発明の自動車内装用表面材の他の実施例を示
す断面図である。
す断面図である。
【図３】本発明の自動車内装用表面材の他の実施例を示
す断面図である。
す断面図である。
１ ワディング材 ２ 表皮材 ３ 高融点ウェブ表層 ３a 高融点繊維フィラメント ４ 低融点ウェブ裏層 ４a 低融点繊維フィラメント ５a 点状接着部 ６ 係止部 ７ 高密度不織布構造表層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B32B 1/00 - 35/00 B60R 13/00 - 13/04 D04H 1/00 - 17/00
Claims (6)
- 【請求項１】 高融点繊維フィラメント(3a)からなる高
融点ウェブ表層(3)と低融点繊維フィラメント(4a)から
なる低融点ウェブ裏層(4) とが針刺加工により絡合一体
化されるとともに低融点ウェブ裏層(4) がヒートセット
されているワディング材(1) の高融点ウェブ表層(3) 側
に表皮材(2) を無数の点状接着部(5a)を介して接着一体
化してあることを特徴とする自動車内装用表面材。 - 【請求項２】 低融点ウェブ裏層(4) の裏側に針刺加工
により裏面より突出された無数のフィラメントの端部が
突出しその先端は溶融固化された係止部(6)に形成され
ている請求項１に記載の自動車内装用表面材。 - 【請求項３】 低融点ウェブ裏層(4) の裏面に高密度不
織布構造表層(7) が添装された状態で針刺加工が施され
て係止端(6) が高密度不織布構造表層(7) の裏側にある
請求項２に記載の自動車内装用表面材。 - 【請求項４】 高融点繊維フィラメントからなる高融点
ウェブ表層と低融点繊維フィラメントからなる低融点ウ
ェブ裏層とを重ねて表側からの針刺加工により両者を絡
合一体化したうえ高融点繊維フィラメントが溶融される
ことのない低融点繊維フィラメントのヒートセット温度
で低融点ウェブ裏層をヒートセットするとともに低融点
ウェブ裏層の裏側より突出した無数のフィラメントの端
部を玉縁状の係止端に溶融固化させて高融点ウェブ表層
と低融点ウェブ裏層とが積層一体化されたワディング材
とし、次いで、このワディング材の表面に表皮材を接着
一体化することを特徴とする自動車内装用表面材の製造
法。 - 【請求項５】 低融点ウェブ裏層の裏面より突出した無
数のフィラメントの端部を低融点ウェブ裏層のヒートセ
ット後に焼成して玉縁状の係止端に形成する請求項４に
記載の自動車内装用表面材の製造法。 - 【請求項６】 低融点ウェブ裏層の裏側より突出した無
数のフィラメントの端部を低融点ウェブ裏層のヒートセ
ット温度で玉縁状の係止端に形成する請求項４に記載の
自動車内装用表面材の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32820894A JP3172383B2 (ja) | 1994-12-28 | 1994-12-28 | 自動車内装用表面材およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32820894A JP3172383B2 (ja) | 1994-12-28 | 1994-12-28 | 自動車内装用表面材およびその製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08183124A JPH08183124A (ja) | 1996-07-16 |
| JP3172383B2 true JP3172383B2 (ja) | 2001-06-04 |
Family
ID=18207664
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32820894A Expired - Fee Related JP3172383B2 (ja) | 1994-12-28 | 1994-12-28 | 自動車内装用表面材およびその製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3172383B2 (ja) |
-
1994
- 1994-12-28 JP JP32820894A patent/JP3172383B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH08183124A (ja) | 1996-07-16 |
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