JP3172250B2 - ポリイソブチレンに基づくブロツクコポリマー - Google Patents

ポリイソブチレンに基づくブロツクコポリマー

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JP3172250B2 JP11674092A JP11674092A JP3172250B2 JP 3172250 B2 JP3172250 B2 JP 3172250B2 JP 11674092 A JP11674092 A JP 11674092A JP 11674092 A JP11674092 A JP 11674092A JP 3172250 B2 JP3172250 B2 JP 3172250B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は、ポリイソブチレン及びアニオ
ン重合性モノマーのポリマーの直鎖ブロック及び星形ブ
ロックコポリマーに関する。特に本発明は、1−3個の
末端活性部分を持つポリイソブチレンと、適したモノマ
ーのアニオン重合によって製造したリビングポリマーの
反応による、ポリイソブチレンのブロック及びアニオン
重合性モノマーのポリマーのブロックを持つブロックコ
ポリマーの製造に関する。この方法で製造した直鎖ブロ
ック又は3分枝星形ブロックコポリマーは、リビングポ
リマーの性質に依存してゴム弾性を示すかあるいはゴム
弾性と熱可塑性の両方を示す。
【0002】
【発明の背景】イソブチレンの末端官能基化ポリマー
は、ポリイソブチレンのブロック及びアニオン重合性モ
ノマーの種々のポリマーのブロックを持つブロックコポ
リマー製造の原料となる点で非常に興味深い。ポリイソ
ブチレンとポリブタジエンのブロックコポリマーは、非
相溶性のブチルゴムとポリブタジエンを相溶化する方法
を与え、それによりタイヤトレッドとして使用する組成
物の配合においてブチルゴムの独特の性質の利点を与え
るので興味深い。ポリイソブチレンとポリスチレン、ポ
リ−アルファ−メチルスチレン又はスチレン−インデン
コポリマーのブロックコポリマーは、ゴム弾性及び熱可
塑性の両方を示し、室温では加硫ゴムのように挙動し、
高温では熱可塑性ポリマーのように挙動するので、興味
深い。従ってこのような材料は、プラスチックのように
熔融押し出しすることができ、冷却するとその有利なゴ
ム状の特徴を保持している。ポリイソブチレンとアクリ
レートモノマーのポリマーのブロックコポリマーは、ア
クリレート熱可塑性樹脂の耐衝撃性を強化する又は改良
する手段となるので興味深い。従ってポリイソブチレン
とアニオン重合性モノマーのポリマーとのブロックコポ
リマーの製造に適した末端官能基を持つポリイソブチレ
ンの開発は有利であろう。アニオンと、特にリビングポ
リマーアニオンと求核置換反応を容易に行う末端官能基
はアリルハロゲンである。
【0003】
【先行技術の説明】U.S.特許3,374,786
(Walden等)は、カルボキシ、ヒドロキシ又はエ
ポキシ官能基で停止したポリイソブチレン、及び該官能
基末端ポリイソブチレンと同一の官能基で停止したポリ
ブタジエンを含む物質、該末端官能基のための架橋剤、
及び粒子状無機酸化剤の架橋性組成物を開示している。
【0004】U.S.特許4,316,973(Ken
nedy)は、イニファー(inifer)及び炭素数
が約4−約12のカチオン重合性オレフィンモノマーか
ら少なくとも2個の末端不飽和を持つポリマーが形成さ
れ、イニファーの一般式はAYnであり、ここでAは芳
香族部分又は脂肪族部分、例えば炭素数が3−約20の
直鎖又は分枝鎖であることができ、Y成分は次式
【0005】
【化1】 であり、ここでR及びR1は水素、メチル又はフェニル
であることができ、Aが芳香族部分である場合R及びR
1は同一であることができ、Aが脂肪族部分である場合
R及びR1のひとつがフェニルでなければならず、Xは
F,Cl又はBrであり、nは2−6の整数であること
を開示している。
【0006】U.S.特許4.908,421(Mis
hra等)は、第3ハロゲン末端を有するポリイソブチ
レン製造のためのリビングカーボカチオン重合法におい
て、適した反応容器にイソブチレン、有機ペルオキシ化
合物及びルイス酸を導入し、約−80℃−約0℃の温度
でイソブチレンを重合させる段階を含み、有機ペルオキ
シ化合物を有機ペルオキシド及び過酸化水素、ペルオキ
シカーボネート、アゾペルオキシ化合物及びペルオキシ
エステルから成る群より選ぶことを特徴とする方法を開
示している。
【0007】U.S.特許4,910,261(Kas
zas等)は、数平均分子量に対する重量平均分子量が
1.5かそれ以下のポリイソブチレン中間ブロック及び
部分的に環化した重合ジエン末端ブロックから成る3ブ
ロックコポリマーを開示している。
【0008】U.S.特許4,910,321(Ken
nedy等)は、イソブチレンのリビングカーボカチオ
ン重合のための有機カルボン酸又はエステル開始剤及び
ルイス酸を含む開始剤系を用いることにより、第3塩素
末端ポリイソブチレンを製造することができることを開
示している。
【0009】U.S.特許4,929,683(Ken
nedy等)は、ルイス酸と共に有機第3エステル開始
剤に基づく開始剤系を使用するイソブチレンのリビング
カーボカチオン重合により、第3塩素末端を持つポリイ
ソブチレンを製造することができることを開示してい
る。
【0010】U.S.特許4,943,616(Mis
hra等)は、適した反応容器にモノマー材料、ルイス
酸及び有機ポリオキシ化合物を導入し、約−80℃−約
0℃の温度でモノマー材料を重合してブロックコポリマ
ーを製造する段階を含む、ポリイソブチレンと重合ジオ
レフィンモノマー又は重合ビニリデン芳香族モノマーの
ブロックコポリマーを製造するための重合法において、
イソブチレン及びジオレフィン又はビニリデン芳香族モ
ノマーを順に加えることによりモノマーを装填し、有機
ペルオキシ化合物をイソブチレン1モル当たり約10-4
−約10-1モルの量で装填することを特徴とする方法を
開示している。
【0011】U.S.特許4,946,899(Ken
nedy等)は、次式
【0012】
【化2】
【0013】[ここで、R1,R2及びR3はアルキル、
アリール又はアラルキル基であり、同一又は異なること
ができ、Xはカルボキシル、アルコキシル、ヒドロキシ
ル又はハロゲン基であり、iは正の全数である]の開始
剤、錫、チタン、アルミニウム、ほう素の金属ハライド
から選んだ金属ハライド及び少なくとも1種類の炭化水
素又はハロゲン化炭化水素から形成した混合溶媒、なら
びにXがヒドロキシル又はハロゲンの場合は供与体数が
15−50の電子対供与溶媒を含む無水系中、約−10
℃−90℃の温度でイソブチレンを重合させ、該イソブ
チレンの重合によりリビングポリマーを形成した後、該
系に供与体数が15−50の電子対供与溶媒を加え、そ
の後少なくとも1種類のスチレン、ハロ及びアルキルス
チレン、インデン及びアルキル化インデンを加え、該モ
ノマーを重合させて直鎖又は星形ブロックコポリマーを
形成することによる、イソブチレン及び少なくとも1種
類のスチレン、ハロ又はアルキルスチレン、インデン及
びアルキル化インデンの直鎖又は星形ブロックコポリマ
ーの製造法を開示している。
【0014】
【発明の概略】1−3個の末端アリルハロゲン官能基を
持つポリイソブチレンとリビングポリマーの反応によ
り、ポリイソブチレンのブロック及びアニオン重合性モ
ノマーのポリマーのブロックを有する直鎖ブロック又は
3分枝星形ブロックコポリマーを製造する方法の提供
が、本発明の目的である。
【0015】1−3個の末端アリルハロゲン官能基を有
する新規ポリイソブチレンの提供が、本発明の別の目的
である。
【0016】1−3個の末端アリルハロゲン官能基を持
つ新規ポリイソブチレンの合成法の提供が、本発明のさ
らに別の目的である。
【0017】従って特徴のひとつとして本発明は、ポリ
イソブチレンのブロック及びアニオン重合性モノマーの
ポリマーのブロックを有する直鎖ブロック及び3分枝星
形ブロックコポリマーの製造法において: i)不活性有機溶媒中に、数平均分子量が約4,000
−約60,000であり、1−3個の末端アリルハロゲ
ンを有するポリイソブチレンを溶解した溶液において、
該ハロゲンを塩素及び臭素から成る群より選び、該溶液
中のポリイソブチレンの量が不活性有機溶媒100重量
部当たり約1−約10重量部であることを特徴とする第
1溶液を準備し、 ii)段階(i)の不活性有機溶媒と同一であることも
同一でないこともできる不活性溶媒中に、数平均分子量
が約4,000−約60,000のアルカリ金属末端リ
ビングポリマーを溶解した該第1溶液と混和性の溶液に
おいて、該第2溶液中の該リビングポリマーの量が不活
性有機溶媒100重量部当たり約1−約15重量部であ
り、該リビングポリマーが共役ジオレフィン、ビニル芳
香族モノマー、アクリレート及びこれらの混合物から成
る群より選んだモノマーのアニオン重合により製造され
たものであることを特徴とする第2溶液を準備し、 iii)ポリイソブチレンの該第1溶液とリビングポリ
マーの該第2溶液を、ポリイソブチレンの1モルあたり
リビングポリマー1−3モルの割合で、約10℃−約8
0℃の温度で約30分−約24時間混合し、 iv)溶液から段階iii)の生成物を回収する段階を
含むことを特徴とする方法を提供する。
【0018】もうひとつの特徴において、本発明は1−
3個の、塩素及び臭素から成る群より選んだ末端アリル
ハロゲンを有するポリイソブチレンを提供する。
【0019】さらに別の特徴において、本発明は1−3
個の末端アリル塩素を有するポリイソブチレンの製造法
において: i)不活性有機溶媒の体積当たり0−約10体積%の水
を分散させた不活性有機溶媒中に、1−3個の末端不飽
和を持つポリイソブチレンを溶解した溶液を形成し、 ii)該ポリイソブチレン溶液に、所望量の塩素化を行
うのに十分な量の塩素分子を、光の非存在下又はほとん
ど非存在下で約0℃−約50℃の温度にて、約2−約1
5分の反応時間で加え、1−3個の末端不飽和を持つポ
リイソブチレンをアリル位で塩素化し、 iii)生成する塩化水素の中和に十分な量のアカリ
性溶液を(ii)からの溶液に加え、 iv)1−3個の末端アリル塩素を持つポリイソブチレ
ンを溶液から回収する段階を含むことを特徴とする方法
を提供する。
【0020】本発明のもうひとつの特徴は、1−3個の
末端アリルハロゲンを有し、該ハロゲンを塩素及び臭素
から成る群より選ぶポリイソブチレンの製造法におい
て: i)不活性有機溶媒中に溶解した、1−3個の末端不飽
和を持つポリイソブチレンの溶液を形成し、 ii)該ポリイソブチレン溶液に、N−クロロアミド及
びN−ブロモアミドから成る群より選んだハロゲン化剤
1−3個の末端アリルハロゲンを形成するのに必要
量で加え、 iii)得られた溶液を光の非存在下又はほとんど非存
在下で約15℃−約35℃の温度とし、1−3個の末端
不飽和を持つ該ポリイソブチレンをアリル位でハロゲン
化し、 iv)1−3個の末端アリルハロゲンを有し、該ハロゲ
ンを塩素及び臭素から成る群より選んだポリイソブチレ
ンを溶液から回収する段階を含むことを特徴とする方法
の提供である。
【0021】本発明は、ポリイソブチレン及びアニオン
重合性モノマーのポリマーの直鎖及び3分枝星形ブロッ
クコポリマーの製造法を提供する。1−3個の末端アリ
ルハロゲンを有する新規ポリイソブチレンを合成するこ
とができる方法の発見の結果、本方法の開発が起こっ
た。非常に活性なアリルハロゲン部分を有するこのポリ
イソブチレンはリビングポリマーと容易に反応して前記
のブロックコポリマーを与える。
【0022】1−3個の末端アリルハロゲンを有するポ
リイソブチレンの製造は、1−3個の第3ハロゲン末端
を有するポリイソブチレンを合成し、その脱ハロゲン化
水素により末端不飽和を有するポリイソブチレンを得、
それをハロゲン化して前記の1−3個の末端アリルハロ
ゲンを有するポリイソブチレンを得る段階を含む、3段
階法により行う。
【0023】第3ハロゲン末端を有するポリイソブチレ
ンは、種々の開始剤をルイス酸と共に用いたイソブチレ
ンのカーボカチオン重合により製造することができる。
【0024】U.S.特許4,316,973において
Kennedyは、一般式がAYnの開始剤をルイス酸
と共に用いて第3ハロゲン末端ポリイソブチレンを製造
することができることを開示している。開始剤のA成分
は、芳香族部分又は脂肪族部分、例えば炭素数が3−約
20の直鎖又は分枝鎖であることができ、Y成分は次式
【0025】
【化3】 であり、ここでR及びR1は水素、メチル又はフェニル
であることができ、Aが芳香族部分である場合R及びR
1は同一であることができ、Aが脂肪族部分である場合
R及びR1のひとつがフェニルでなければならず、Xは
F,Cl又はBrであり、nは2−6の整数である。
【0026】U.S.特許4,929,683において
Kennedy等は、ルイス酸と共に有機第3エ−テル
開始剤に基づく開始剤系を使用するイソブチレンのリビ
ングカーボカチオン重合により、第3塩素末端を持つポ
リイソブチレンを製造することができることを開示して
いる。
【0027】さらにKennedy等はU.S.特許
4,910,321において、有機カルボン酸又はエス
テル開始剤及びルイス酸を含む開始剤系をイソブチレン
のリビングカーボカチオン重合に用いることによって
も、第3塩素末端ポリイソブチレンを製造することがで
きることを開示している。
【0028】U.S.特許4.908,421におい
て、イソブチレンのリビングカーボカチオン重合によ
る、第3ハロゲン末端を有するポリイソブチレン製造が
開示されている。この方法は、適した反応容器にイソブ
チレン、有機ペルオキシ化合物及びルイス酸を導入し、
約−80℃−約0℃の温度でイソブチレンを重合させる
段階を含む。この方法で使用するのに適した有機ペルオ
キシ化合物は有機ペルオキシド及び過酸化水素、ペルオ
キシカーボネート、アゾペルオキシ化合物及びペルオキ
シエステルから成る群より選び;好ましい有機ペルオキ
シ化合物は−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒド
ロペルオキシド、−ジクミルヒドロペルオキシド、ト
リフェニルメチルヒドロペルオキシド及び2,5−ジメ
チル−2,5−ビス(ベンジルペルオキシヘキサン)か
ら成る群より選ぶ。
【0029】U.S.特許4,943,616におい
て、前記の方法が電子供与体数が少なくとも約22で約
50以下である電子供与体を添加する段階をさらに含む
と、第3ハロゲン末端を有し、数平均分子量に対する重
量平均分子量の比率が約1.6以下のポリイソブチレン
を製造することができることをさらに開示している。し
かし、有機ペルオキシ化合物をペルオキシエステル及び
ペルオキシカーボネートから成る群より選ぶとそのよう
な方法により製造される第3ハロゲン末端を有するポリ
イソブチレンの数平均分子量に対する重量平均分子量の
比率は約1.4以下になるので、方法で電子供与体を用
いる利点はほとんどない。
【0030】第3ハロゲン末端ポリイソブチレン製造の
ための上記方法のすべてにおいて、第3ハロゲン末端ポ
リイソブチレンの構造は、開始剤が最初に持っている官
能部位の数に直接依存し、一官能基開始剤は直鎖末端一
官能基ポリイソブチレンを与え、二官能基開始剤は直鎖
末端二官能基ポリイソブチレンを与え、三官能基開始剤
は三官能基末端を有する分枝ポリイソブチレンを与え
る。開始剤の官能基が同一である場合、開始剤及び得ら
れる末端官能基性ポリイソブチレンは対称である。
【0031】本発明の1−3個の末端アリルハロゲンを
有するポリイソブチレンの製造の場合、基本となる第3
ハロゲン末端ポリイソブチレンの製造は、前記方法のい
ずれによっても行うことができる。有機ペルオキシ化合
物開始剤をルイス酸と共に含む開始剤系の使用により第
3ハロゲン末端ポリイソブチレンを製造するのが好まし
い。t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペル
オキシド、p−ジクミルヒドロペルオキシド、トリフェ
ニルメチルヒドロペルオキシド、1,3,5−トリス
[α−(tert−ブチルペルオキシ)イソプロピル]
ベンゼン及び2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾ
イルペルオキシヘキサン)から成る群より選んだ有機ペ
ルオキシ化合物を四塩化チタンと共に含む開始剤系の利
用により製造するのがより好ましい。本発明のブロック
コポリマーのポリイソブチレンブロックが約1.6かそ
れ以下の比較的狭い分子量分布を持つために、2段階で
1−3個の末端アリルハロゲンを有するポリイソブチレ
ンに変換され、それが今度はリビングポリマーと反応し
て前記のブロックコポリマーを与える基となる第3ハロ
ゲン末端ポリイソブチレンが約1.6かそれ以下の比較
的狭い分子量分布を持つことが重要である。従って有機
ペルオキシド又は有機ヒドロペルオキシドを四塩化チタ
ンと共に含む開始剤系を用いたイソブチレン重合により
基になる第3塩素末端ポリイソブチレンを製造する場
合、方法においてジメチルスルホキシド及びジエチレン
グリコールジメチルエーテル(ジグライム)のひとつか
ら選んだ電子供与体も使用するのが好ましい。
【0032】方法において製造される第3塩素末端ポリ
イソブチレンの数平均分子量Mnは約500の低分子量
から500,000かそれ以上の高分子量であることが
でき、分子量は最初のペルオキシ化合物濃度に対する最
初のモノマー濃度の比率により制御する。脱塩化水素反
応又はハロゲン化反応の間に鎖の分断が起こるように見
えないので、従ってこの基本となる第3塩素末端ポリイ
ソブチレンから2段階反応により得られる、1−3個の
末端アリルハロゲンを有するポリイソブチレンもその数
平均分子量は約500−約500,000である。基本
となる第3塩素末端ポリイソブチレンの数平均分子量及
び従って1−3個の末端アリルハロゲンを有するポリイ
ソブチレンの数平均分子量は約750−約150,00
0であることが好ましい。
【0033】1−3個の末端アリルハロゲンを有するポ
リイソブチレンを、ポリイソブチレン及びアニオン重合
性モノマーのポリマーのブロックコポリマーを製造する
本発明の方法で使用する場合、ポリイソブチレンの数平
均分子量は約4,000−約60,000であることが
好ましい。なぜなら、1−3個の末端アリルハロゲンを
有するポリイソブチレンの分子量が約4,000以下で
あると、アニオン重合性モノマーのポリマーと共に形成
するブロックコポリマーは可溶化剤として効果がなく、
1−3個の末端アリルハロゲンを有するポリイソブチレ
ンの分子量が約60,000以上の場合はブロックコポ
リマーを与えるアニオン重合性モノマーのポリマーとの
カップリング反応が高収率反応でない。従って1−3個
の末端アリルハロゲンを有するポリイソブチレンを製造
する基本となる第3ハロゲン末端ポリイソブチレンの数
平均分子量は約4,000−約60,000でなければ
ならない。基本となる第3ハロゲン末端ポリイソブチレ
ンの数平均分子量及び従って1−3個の末端アリルハロ
ゲンを有するポリイソブチレンの数平均分子量は約7,
500−約40,000であることがより好ましい。
【0034】第3ハロゲン末端ポリイソブチレンの末端
不飽和を有するポリイソブチレンへの変換の基本的反応
は、脱ハロゲン化水素のひとつであり、2つの異なる方
法により行うことができる。
【0035】ひとつの方法では、前記の方法のいずれか
ひとつにより製造した第3ハロゲン末端ポリイソブチレ
ンを適した不活性有機溶媒に溶解して2−15重量%の
溶液を得る。適した不活性有機溶媒は、ヘキサン又はヘ
プタンなどの飽和脂肪族炭化水素;トルエン又は混合キ
シレンなどの芳香族炭化水素;シクロヘキサン又はメチ
ルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;又はテトラヒ
ドロフランなどの環状エーテルであることができる。こ
のポリマー溶液に、第3ハロゲン末端ポリイソブチレン
の第3ハロゲン官能基1モルに対して約3−約10モル
のカリウム第3ブトキシドを加え、反応混合物を約2−
約24時間加熱還流してイソプロピリデン末端ポリイソ
ブチレンのみを得る。この生成物が形成された証拠は2
00MHz1HNMRスペクトルによって与えられ、ス
ペクトルはそれぞれ4.65ppm及び4.85ppm
にオレフィン炭素原子に結合する2個のプロトンによる
2本の一重線を示す。脱ハロゲン化水素の前記の方法の
場合、飽和脂肪族炭化水素又は脂環式炭化水素などの非
極性溶媒を使用すると約2−約6時間以内に完全な脱ハ
ロゲン化水素を行うことができるので、そのような溶媒
を選ぶのが好ましい。テトラヒドロフランなどの極性溶
媒からのイソプロピリデン末端ポリイソブチレンの回収
は、減圧下における極性溶媒の除去、その後ヘキサン又
はシクロヘキサンなどの非極性有機液体へのポリマーの
溶解、蒸留水によるポリマー溶液の何回もの洗浄、及び
最後に濾過、溶媒の蒸発及び真空下の乾燥などの従来の
方法による分離により行う。非極性溶媒からのイソプロ
ピリデン末端ポリイソブチレンの回収の場合はもちろん
蒸留水で洗浄する前に非極性有機液体を除去する必要が
ない。
【0036】第3ハロゲン末端ポリイソブチレンは、約
150℃−約220℃の温度で約5−約15時間加熱す
ることにより脱ハロゲン化水素することもできる。この
方法を用いて、イソブチリデン末端ポリイソブチレン及
びイソプロピリデン末端ポリイソブチレンの両方の混合
物が、約45:55から約15:85の比率で形成され
る。この生成物の混合物の形成の証拠は、200MHz
1HNMRスペクトルにより与えられ、スペクトルはそ
れぞれ4.65ppm及び4.85ppmにイソプロピ
リデン基(−C(CH3)=CH 2)の1個の炭素原子上
の2個のオレフィン性プロトンによる2本の一重線、な
らびに5.15ppmにイソブチリデン基(−CH=C
(CH32)の1個のオレフィン性プロトンによる1本
の一重線を示す。
【0037】第3ハロゲン末端ポリイソブチレンの脱ハ
ロゲン化水素のための前記方法のいずれの場合も鎖の分
断は観察されず、従って得られるイソプロピリデン及び
イソブチリデン末端ポリイソブチレンの数平均分子量は
基本となる第3ハロゲン末端ポリイソブチレンの数平均
分子量と同程度である。
【0038】本発明の意図する1−3個の末端アリルハ
ロゲンを有するポリイソブチレンは、前記の脱ハロゲン
化水素法の生成物のいずれかをハロゲン化することによ
り;すなわちイソプロピリデン末端ポリイソブチレンの
みのハロゲン化又はイソプロピリデン及びイソブチリデ
ン末端ポリイソブチレンの混合物のハロゲン化により製
造することができる。
【0039】適した塩素化剤には、塩素分子又は有機塩
素化合物が含まれ、その代表的な例にはN−クロロコハ
ク酸イミド、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダ
ントイン及びN−クロロ−N−シクロヘキシルベンゼン
スルホンアミドが含まれるがこれに限られるわけではな
く;1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン
が好ましい有機塩素化合物である。
【0040】適した臭素化剤には有機臭素化合物が含ま
れ、その代表的な例にはN−ブロモコハク酸イミド、
1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン及び
N−ブロモカプロラクタムが含まれるがこれに限られる
わけではなく、好ましい有機臭素化合物は1,3−ジブ
ロモ−5,5−ジメチルヒダントインである。
【0041】本発明のアリル塩素末端ポリイソブチレン
の好ましい製造法は、適した不活性溶媒に末端不飽和を
持つポリイソブチレンを溶解して3−15重量%の溶液
を得る段階が含まれる。適した不活性有機溶媒は、ヘキ
サン又はヘプタンなどの飽和脂肪族炭化水素;トルエン
又は混合キシレンなどの芳香族炭化水素;シクロヘキサ
ン又はメチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;又
はクロロホルム、四塩化炭素などの上記炭化水素のハロ
ゲン化誘導体であることができる。末端不飽和を持つ基
本となるポリイソブチレンの塩素化の間に生成される塩
化水素の除去を容易にするために約10体積%の水をこ
のポリマー溶液に分散させる。このポリマー溶液に、好
ましくはクロロホルム又は四塩化炭素などの適した溶媒
に溶解した所望量の塩素化を達成するのに十分な量の塩
素分子を、撹拌しながら加える。1個の末端不飽和(イ
ソプロピリデン官能基又はイソプロピリデン及びイソブ
チリデン官能基の両方の混合物)を持つポリイソブチレ
ンは1モル当量の塩素分子を必要とし、2個の末端不飽
和を持つポリイソブチレンは2モル当量の塩素分子を必
要とし、3個の末端不飽和を持つ分枝ポリイソブチレン
は3モル当量の塩素分子を必要とする。反応は光の非存
在下、又はほとんど非存在下で行うのが好ましい。塩素
化反応は約0℃−約50℃、好ましくは約15℃−約3
5℃の温度範囲で行うことができる。約2−15分の反
応時間の後、アルカリ性試薬の溶液、好ましくは約10
重量%の水酸化ナトリウム水溶液又は約10重量%の水
酸化カリウム水溶液をポリマー溶液に加え、過剰の塩素
及び塩素化反応中に形成した塩化水素を中和する。約1
0分後、ポリマー溶液を水で十分洗浄し、無機塩を除去
し、溶媒の蒸発及び真空下における乾燥によりポリマー
を回収する。ポリマーがわずかに可溶性である、メタノ
ール、イソプロパノール又はアセトンなどの過剰の有機
液体を用いた凝集によっても、アリル塩素末端ポリイソ
ブチレンを回収することができる。
【0042】基本となるイソプロピリデン末端ポリイソ
ブチレン又は基本となるイソプロピリデン末端及びイソ
ブチリデン末端ポリイソブチレンの混合物のハロゲン化
も、基本となるポリイソブチレンと有機ハロゲン化剤と
の反応により行うことができる;この場合ハロゲン化は
塩素化又は臭素化である。適した不活性有機溶媒、好ま
しくはジクロロメタン、クロロホルム又は四塩化炭素中
で、所望量のハロゲン化を行うのに十分な量の有機ハロ
ゲン化剤を、基本となるポリイソブチレンの溶液に加え
る。反応は約15℃−約35℃の温度で、あるいは別の
場合約50℃−約90℃のより高温で有機ペルオキシド
などの遊離ラジカル開始剤の存在下で行うことができ
る。反応を遊離ラジカルの非存在下又は存在下で行った
場合、反応時間が約10分から約2時間に伸ばすことが
できる。そのようにして製造したアリルハロゲン末端ポ
リイソブチレンの単離は前文に記載した要領で行う。
【0043】前記方法のいずれかによる、基本となるイ
ソプロピリデン末端ポリイソブチレン又は基本となるイ
ソプロピリデン末端又はイソブチリデン末端ポリイソブ
チレンの混合物のハロゲン化は、1−3個の末端アリル
ハロゲンを有し、数平均分子量が末端不飽和ポリイソブ
チレンと同程度、従って基本となる第3ハロゲン末端ポ
リイソブチレンの数平均分子量と同程度であるポリイソ
ブチレンを与える。
【0044】理論に束縛されることを望んではいない
が、有機ラジカル開始剤の非存在下における、基本とな
る末端不飽和ポリイソブチレンの塩素分子による塩素化
又は有機塩素あるいは有機臭素化合物による塩素化又は
臭素化は、主にイオン機構によって起こり、正に帯電し
た塩素又は臭素原子が二重結合に付加し、続いてプロト
ンが負に帯電した化学種により引き抜かれると思われ
る。負に帯電した化学種は、塩素化剤が塩素分子の場合
は塩素アニオンであり、塩素化又は臭素化剤が有機塩素
化合物又は有機臭素化合物の場合は有機塩素化学種又は
有機臭素化学種である。このためにアリル位が塩素又は
臭素で置換された二重結合が移動し、それにより本発明
の1−3個の末端アリル塩素を有するポリイソブチレン
が得られる。
【0045】本発明のアリル塩素又はアリル臭素末端ポ
リイソブチレンの形成の証拠は、NMRスペクトル分析
により与えられる。二官能基性イソプロピリデン末端ポ
リイソブチレンの分子塩素化により得られた生成物の2
00MHz1HNMRスペクトルは、4.95ppm及
び5.25ppmに2個のオレフィン性プロトン−CH
2−C(CH2Cl)=CH 2による2本の一重線を示
し、4.05ppmに塩素と同一炭素に結合したメチレ
ンプロトン−CH2−C(CH 2Cl)=CH2による1
本の一重線を示す。イソプロピリデン末端ポリイソブチ
レン及びイソブチリデン末端ポリイソブチレンの60:
40の混合物の分子塩素化による生成物の200MHz
1HNMRスペクトルは、4.05ppm,4.20p
pm,4.95ppm及び5.25ppmに6:2:
7:3の比率で4本の一重線を示し、これらは2−クロ
ロメチル−2−プロペニル末端ポリイソブチレンにおけ
る2個のオレフィン性プロトン−CH2−C(CH2
l)=CH 2、及び塩素と同一炭素に結合したメチレン
プロトン−CH2−C(CH 2Cl)=CH2、ならびに
1−クロロ−2−メチル−2−プロペニル末端ポリイソ
ブチレンにおける2個のオレフィン性プロトン−CHC
l−C(CH3)=CH 2、及び塩素と同一炭素に結合し
たメチンプロトン−CHCl−C(CH3)=CH2に帰
することができる。1.3−ジブロモ−5,5−ジメチ
ルヒダントインを用いた二官能基性イソプロピリデン末
端ポリイソブチレンの臭素化によって得た生成物の20
0MHz1HNMRスペクトルは、4.0ppm,4.
95ppm及び5.30ppmに3本の一重線を示し、
これは2個のオレフィン性プロトン−CH2−C(CH2
Br)=CH 2、及び臭素と同一炭素に結合したメチレ
ンプロトン−CH2−C(CH 2Br)=CH2に帰する
ことができる。
【0046】本発明のポリイソブチレン及びアニオン重
合性モノマーのポリマーの直鎖ブロック及び3分枝星形
ブロックコポリマーの製造は、前記の1−3個の末端ハ
ロゲンを有するポリイソブチレン、及び共役オレフィ
ン、ビニル芳香族モノマー、アクリレートならびにその
混合物から成る群より選んだモノマーのアニオン重合に
より製造したリビングポリマーの反応により行う。アニ
オン重合性モノマーのリビングポリマーとの反応に使用
する1−3個の末端ハロゲンを有するポリイソブチレン
は、1−3個の末端アリル塩素を有するポリイソブチレ
ンであることが好ましい。
【0047】リビングポリマーは、同業者に周知の方法
を使用して製造することができる。アニオン重合性モノ
マーの重合の開始に使用する開始剤は、バリウム、リチ
ウム、マグネシウム、ナトリウム及びカリウムから成る
金属の群から選ぶことができ;リチウム及びマグネシウ
ムが最も普通に使用される金属である。しかし有機リチ
ウム化合物がそのような重合における使用に好ましい開
始剤であり、式R−Liにより表され、ここでRは炭素
数が1−約20、好ましくは1−約10のヒドロカルビ
ル基である。好ましい有機リチウム化合物のいくつかの
代表的例には、メチルリチウム、エチルリチウム、イソ
プロピルリチウム、−ブチルリチウム、sec−ブチ
ルリチウム、−ヘキシルリチウム、−オクチルリチ
ウム、フェニルリチウム、1−ナフチルリチウム及び
−トリルリチウムが含まれ;sec−ブチルリチウムが
開始剤として最も好ましい。
【0048】有機リチウム開始剤の使用量は、製造する
ポリマーに望まれる分子量、ならびに使用する重合温度
に依存して変わる。所望の分子量のポリマーの製造に必
要な有機リチウム化合物の正確な量は、同業者が容易に
知ることができる。しかし一般的に100重量部のモノ
マー当たり約0.1−約2重量部の有機リチウム開始剤
を、本発明の方法で使用するリビングポリマーの製造に
使用する。
【0049】1−3個の末端アリルハロゲンを有するポ
リイソブチレンと反応させるために本発明を行う場合に
使用するリビングポリマーは、数平均分子量が約4,0
00−約60,000の範囲内でなければならない。そ
のようなポリマーの数平均分子量は約7,500−約4
0,000の範囲内であることが非常に好ましい。なぜ
なら、アニオン重合性モノマー又はモノマーの混合物か
ら製造したリビングポリマーの数平均分子量が約4,0
00以下の場合、1−3個の末端アリルハロゲンを有す
るポリイソブチレンとの反応で製造されるブロックコポ
リマーは有効な相溶剤とならず、リビングポリマーの数
平均分子量が約60,000以上の場合、アリルハロゲ
ン末端ポリイソブチレンとの反応は効率の高い方法とな
らないからである。
【0050】モノマーの種類に依存してゴム弾性又は熱
可塑性リビングポリマーを、前記の有機金属触媒を用い
た不飽和モノマーのアニオン重合により製造することが
できる。ゴム弾性又はゴム状ポリマーは、有機金属触媒
系を用いたジエンモノマーの重合により得ることができ
る。この方法で重合することができるジエンモノマー
は、共役ジオレフィンであることができ;炭素数が4−
8の共役ジオレフィンが一般に好ましい。有機リチウム
化合物を用いてアニオン重合することができる共役ジオ
レフィンの代表的例には1,3−ブタジエン、イソプレ
ン、1,3−ペンジエン、2,3−ジメチル−1,3−
ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン及び2,
3−ジメチル−1,3−ブタジエンが含まれるがこれら
に限られるわけではない。ビニル置換芳香族モノマーも
1種類かそれ以上の共役オレフィンと共重合させてゴム
状ランダム又はブロックコポリマーを与えることがで
き;炭素数が約8−約20のビニル置換芳香族モノマー
が好ましい。使用することができるそのようなビニル置
換芳香族モノマーの代表的例には、スチレン、α−メチ
ルスチレン、種々のアルキルスチレン、p−メトキシス
チレン、1−ビニルナフタレン、4−ビニルトルエンな
どが含まれるがこれらに限られるわけではない。有機リ
チウム化合物を用いてアニオン重合することができるモ
ノマー又はモノマーの混合物は、ブタジエン、イソプレ
ン、スチレン及びこれらの混合物から選ぶのが好まし
い。アニオン重合するモノマーはブタジエンであること
がより好ましい。
【0051】金属末端ゴム状リビングホモポリマー又は
コポリマーは、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素及び芳
香族炭化水素などの不活性有機溶媒を用いた溶液重合に
より製造することができる。そのような溶液重合に使用
する溶媒は通常1分子当たり約4−約10個の炭素原子
を含み、重合条件下で液体である。適した有機溶媒のい
くつかの代表的例には単独のあるいは混合物のペンタ
ン、−ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチル
シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼ
ン、キシレンなどが含まれる。有機溶媒はヘキサン、ヘ
プタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン及びこ
れらの混合物から選ぶのが好ましい。
【0052】ポリマー鎖の共役ジオレフィン部分のビニ
ル含有量は、エーテル又は第3アミンなどの微細構造制
御剤を用いることにより制御することができる。微細構
造制御剤として使用することができるエーテルの代表的
例には、ジオキサン、テトラヒドロフラン及びその誘導
体、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレング
リコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテ
ル及びこれらの誘導体などが含まれるが、これらに限ら
れるわけではない。第3アミンの代表的例には、トリエ
チルアミン、N,N,N1,N1−テトラメチルエチレン
ジアミンなどが含まれるがこれらに限られるわけではな
い。微細構造制御剤の使用量は、目的とする共役ジオレ
フィンポリマー又は共役ジオレフィン−ビニル置換芳香
族モノマーコポリマーの微細構造に依存して変化し、有
機金属触媒1モル当たり約0.05−2,000モルの
範囲であり、約0.2−1,000モルが好ましい。
【0053】重合法は約−80℃から約150℃の範囲
内のいずれの温度でも行うことができるが、約−20℃
から約80℃の温度で重合法を行うのが好ましい。
【0054】前記のビニル置換芳香族モノマーを、前記
の実験条件下で単独で重合し、熱可塑性リビングポリマ
ーを得、それを1−3個の末端アリルハロゲンを有する
ポリイソブチレンとの反応のための本発明の方法で使用
することもできる。
【0055】アクリレートモノマーの性質に依存して、
ゴム弾性又は熱可塑性を持つリビングポリマーを、有機
金属触媒を用いたアクリレートモノマーのアニオン重合
により製造することができる。重合することができるア
クリレートモノマーの代表的例には、メチルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチ
ルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチ
ルアクリレート、ブチルメタクリレート及び−ブチル
メタクリレートが含まれるがこれらに限られるわけでは
ない。
【0056】有機金属触媒を用いてアニオン重合させる
モノマーは、少なくとも1種類のC3−C6エチレン性不
飽和エステルのC1−C2アルキルエステルであることが
好ましい。モノマーをメチルメタクリレート、メチルア
クリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレー
ト及びこれらの混合物から選ぶのがより好ましい。
【0057】アクリレートモノマーのリビングアニオン
重合で使用することができる有機金属触媒の代表的例に
は、(1−フェニル−1−メチルヘキシル)リチウム、
(1,2−ジメチルペンチル)リチウム、(1,1−ジ
フェニルヘキシル)リチウム及び(1,1−ジフェニル
−3−メチルペンチル)リチウムが含まれるがこれらに
限られるわけではない。
【0058】金属末端アクリレートリビングホモポリマ
ーは、芳香族炭化水素、環状エーテル、環状アミン及び
これらの混合物などの不活性有機溶媒中の溶液重合によ
り製造する。適した有機溶媒のいくつかの代表的例に
は、単独又は混合物のトルエン、エチルベンゼン、キシ
レン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ピリジン、ピ
ペリジンなどが含まれる。
【0059】重合速度の制御及び副反応の予防は、リチ
ウムフルオリド、リチウムクロリド、リチウムブロミド
及びリチウムテトラフェニルボレートなどのリチウム塩
を反応媒体中で使用することにより行うことができる。
リチウム塩の使用量は、1モルの有機リチウム化合物当
たり約0.5−20モルの範囲である。
【0060】重合法を行う温度は約−90℃から約−3
0℃の範囲内である。
【0061】ポリイソブチレン、及びアニオン重合性モ
ノマーのポリマーの直鎖ブロック又は3分枝星形ブロッ
クコポリマーの製造のための本発明の方法は、溶液法で
ある。アルカリ金属末端リビングポリマーとの反応の準
備として、1−3個の末端アリルハロゲンを有するポリ
イソブチレンは、ポリマー中に存在するハロゲン化によ
る不純物を除去し、アルカリ金属末端リビングポリマー
の破壊に寄与しないように、ヘキサンなどの適した無水
不活性有機溶媒に繰り返し溶解し、メタノールなどの過
剰の溶媒で凝集させることにより精製するのが好まし
い。1−3個の末端アリルハロゲンを有するポリイソブ
チレンを適した有機溶媒に溶解し、不活性有機溶媒10
0重量部当たり約1−約10重量部の該ポリイソブチレ
ンの溶液を得、続いてその溶液にアルゴン、窒素などの
不活性ガスの正圧をかけることができる。適した有機溶
媒はヘキサン又はヘプタンなどの飽和脂肪族炭化水素;
トルエン又は混合キシレンなどの芳香族炭化水素;シク
ロヘキサンなどの脂環式炭化水素;テトラヒドロフラ
ン、ジオキサンなどの環状エーテル;及びこられの混合
物であることができる。不活性有機溶媒はヘキサン、シ
クロヘキサン、メチルシクロヘキサン、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン及びこれらの混合物から選ぶのが好ま
しい。
【0062】1−3個の末端アリルハロゲンを有するポ
リイソブチレンのこの溶液に、該ポリイソブチレン溶液
と相溶性の不活性有機溶媒中のアルカリ金属末端リビン
グポリマーの溶液を撹拌しながら加える。該不活性有機
溶媒中の該アルカリ金属末端リビングポリマーの濃度
は、不活性有機溶媒100重量部当たり約1−約15重
量部である。簡便にアルカリ金属末端リビングポリマー
はそれが形成された状態で使用することができる;すな
わち方法で使用する所望の分子量及び濃度のアルカリ金
属末端リビングポリマーの溶液は、有機金属触媒を用い
た不活性有機溶媒中の不飽和モノマー又はモノマーの混
合物のアニオン重合で得られるものである。直鎖ブロッ
ク又は3分枝星形ブロックコポリマーの形成に必要なア
ルカリ金属末端リビングポリマーのモル量は、アリルハ
ロゲン末端ポリイソブチレンの構造によって決まり、1
個の末端アリルハロゲンを有するポリイソブチレンは1
モル当量のアルカリ金属末端リビングポリマーを必要と
し、2個の末端アリルハロゲンを有するポリイソブチレ
ンは2モル当量のアルカリ金属末端リビングポリマーを
必要とし、3個の末端アリルハロゲンを有するポリイソ
ブチレンは3モル当量のアルカリ金属末端リビングポリ
マーを必要とする。
【0063】アリルハロゲン末端ポリイソブチレンの溶
液にアルカリ金属末端リビングポリマーの溶液を加える
ことにより得たこの溶液をその後約10℃−約80℃の
温度で約30分−約24時間撹拌し、2種類のポリマー
系の反応が十分起きたことを確認する。
【0064】反応の効率は、反応を行った時間及び反応
を行った温度に影響されるのみでなく、溶液中のポリマ
ーの濃度及びポリマーの数平均分子量、特にアルカリ金
属末端リビングポリマーの数平均分子量の影響を受け
る。従って確実に可能な限り完全にアリルハロゲン部分
とアルカリ金属末端リビングポリマーを反応させるため
に、アルカリ金属末端リビングポリマーの数平均分子量
が7,500かそれ以上の場合は不活性有機溶媒中のア
リルハロゲン末端ポリイソブチレンの量が不活性有機溶
媒100重量部当たり約2−約6重量部であり、金属末
端リビングポリマーの量が不活性有機溶媒100重量部
当たり約2−約6重量部であることが好ましい。なぜな
らば、より高い濃度の溶液を使用し、アルカリ金属末端
リビングポリマーの数平均分子量が7,500かそれ以
上の場合は、定量的反応が起こらない傾向があるからで
ある。例えばポリイソブチレンが2個の末端アリルハロ
ゲンを有する場合は所望の3ブロックコポリマーの他に
2ブロックコポリマーが形成される。金属末端リビング
ポリマーの数平均分子量が7,500かそれ以上の場希
薄溶液を使用してもこの問題はなくならないが、いくら
か軽減される。
【0065】反応が完結したら、適した安定剤及び酸化
防止剤をブロックコポリマーに加える。適した安定剤の
例には、ステアリン酸カルシウム及びエポキシド化大豆
油が含まれ、ブロックコポリマー100重量部当たり約
0.05−5重量部の量で使用するのが好ましい。適し
た酸化防止剤には立体障害のあるフェノールが含まれ、
ブロックコポリマー100重量部当たり約0.05−約
2重量部の量で使用するのが好ましい。
【0066】本文に開示した方法で製造した直鎖ブロッ
ク又は3分枝星形ブロックコポリマーの回収は、(i)
ポリマー溶液を蒸気と接触させて溶媒をとばし、(i
i)湿潤ポリマーにスクリーン又はフィルターを通過さ
せてポリマーを回収し、(iii)ポリマーにトンネル
乾燥機又は押し出し機を通過させる段階を含む、ポリマ
ー回収に使用される従来の方法により行うことができ
る。ブロックコポリマーは、ブロックコポリマーがわず
かに溶解性である過剰の有機液体を用いた凝集によって
回収することもでき、そのような液体の例はメタノー
ル、イソプロパノール又はアセトンである。
【0067】以下の実施例は、本発明を例示するためで
あり、その範囲を制限するものではない。他に特定しな
ければ部はすべて重量部である。
【0068】
【実施例】実施例1 以下の3段階製造法により2個の末端アリル塩素を有す
るポリイソブチレンを製造した。
【0069】機械撹拌機及びゴム栓を備えた2000m
lの2口丸底フラスコに500mlの塩化メチル、34
5mlの−ヘキサン及び2.16x10-3モルの2,
5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルペルオキシヘ
キサン)(LUPEROXR118)を装填した。−8
0℃に冷却後、1.0モルの予備冷却したイソブチレ
ン、及びその後3.24x10-2モルの四塩化チタンを
加えた。そのようにして開始した重合を完結するまで行
った。得られたポリマーを、揮発性物質の連続的蒸発、
−ヘキサンへの溶解、ルイス酸残留物などの無機残留
物のデカンテーション又は濾過、及び室温での蒸発によ
るヘキサンの除去により回収した。得られたポリマー、
二官能基性第3塩素末端ポリイソブチレンをゲル透過ク
ロマトグラフィーにより特性化し、Mnが24,000
でありMw/Mnが1.08であることが示された。
【0070】機械撹拌機を備えた1000mlの2口丸
底フラスコに、無水テトラヒドロフラン(600ml)
に溶解した前記の二官能基性第3塩素末端ポリイソブチ
レン(30gm)を装填した。カリウムt−ブトキシド
(1.40gm,1.25x10-2モル)をこの溶液に
加え、窒素の正圧をかけ、反応混合物を撹拌しながら1
6時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した
後、濾過して残留カリウムt−ブトキシドを除去し、濾
液を減圧下で濃縮した。残留ポリマーをヘキサン中に溶
解し、得られた有機溶液を水で3又は4回洗浄し、無水
硫酸マグネシウム上で乾燥した。有機溶液を減圧下で濃
縮することにより、イソプロピリデン末端ポリイソブチ
レンのみを得、それは4.65ppm及び4.85pp
mにそれぞれオレフィン炭素原子に結合した2個のプロ
トンによる2本の一重線を示す200MHz1HNMR
スペクトルにより証明された。
【0071】機械撹拌機を備えた750mlの2口丸底
フラスコに、四塩化炭素(500ml)に溶解した前記
の2官能基性イソプロピリデン末端ポリイソブチレン
(25g)を装填した。このセメントに50mlの水を
加え、得られた混合物を10分間激しく撹拌し、水をセ
メントに確実に完全に分散させた。周囲の光を排除する
ためにフラスコをアルミニウム箔で包み、四塩化炭素
(2.1ml)中の既知濃度の塩素分子の溶液(四塩化
炭素100ml当たり7gmの塩素分子)を、ポリマー
溶液に激しく撹拌しながら加えた。2分後、10重量%
の水酸化ナトリウム水溶液1.0mlを滴下して過剰の
塩素分子及び反応の間に生成された塩酸を中和した。有
機層を分離し、水で3又は4回洗浄し、無水硫酸マグネ
シウム上で乾燥した。有機溶液を減圧下で濃縮すること
により、2官能基性アリル塩素末端ポリイソブチレンを
得、続いてそれを真空炉中、約30℃−約40℃の温度
で2日間乾燥した。
【0072】アリル塩素末端ポリイソブチレンの形成の
証拠は、200MHz1HNMRスペクトルによって与
えられ、スペクトルは4.95ppm及び5.25pp
mに2個のオレフィン性プロトン−CH2−C(CH2
l)=CH 2による2本の一重線、及び4.05ppm
に塩素と同一炭素に結合したメチレンプロトン(−CH
2−C(CH 2Cl)=CH2)による1本の一重線を示
す。
【0073】このようにして、イソブチレンから第3塩
素末端ポリイソブチレンへの最初の重合に使用する開始
剤の官能基を変えることにより、1−3個のアリル塩素
を有するポリイソブチレンを製造することができる。
【0074】実施例2 ポリマーを真空炉中、180℃の温度にて16時間加熱
することにより、2官能基性第3塩素末端ポリイソブチ
レン(25g,Mn20,000)の脱ハロゲン化水素
も行い、イソプロピリデン末端ポリイソブチレン及びイ
ソブチリデン末端ポリイソブチレンの70:30の混合
物を得た。この混合生成物の形成の証拠は、200MH
1HNMRスペクトルによって与えられ、スペクトル
は4.65ppm及び4.85ppmにそれぞれイソプ
ロピリデン基(−C(CH3)=CH2)の1個の炭素原
子上の2個のオレフィン性プロトンによる2本の一重
線、及び5.15ppmにイソブチリデン基(−CH=
C(CH32)の1個のオレフィン性プロトンによる1
本の一重線を示した。
【0075】実施例3 2個の末端アリル臭素を有するポリイソブチレンの製造
を、以下の方法を用いて行った。
【0076】無水−ヘキサン(95ml)中の2官能
基性イソプロピリデン末端ポリイソブチレンの溶液を、
ねじ込みキャップを備えた200mlのびんに入れた。
この溶液にジクロロメタン(10ml)中の1,3−ジ
ブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(0.286g
m,1x10-3モル)の溶液を加え、混合物を15分間
振り、その後水(10ml)を加えて混合物をさらに1
5分間振った。水相を分離し、減圧下で大部分の有機溶
媒を除去し、メタノールを用いた凝集により臭素化ポリ
マーを回収し、真空炉中50℃の温度において24時間
乾燥した。アリル臭素末端ポリイソブチレン形成の証拠
は、200MHz1HNMRスペクトルによって与えら
れ、スペクトルは4.0ppm,4.95ppm及び
5.30ppmに、臭素と同一炭素に結合したメチレン
プロトンCH2−C(CH 2Br)=CH2)及び2個の
オレフィン性プロトン(−CH2−C(CH2Br)=
2による3本の一重線を示した。
【0077】実施例4 直鎖ポリブタジエン−ポリイソブチレン−ポリブタジエ
ン3ブロックコポリマーを以下の方法で製造した。
【0078】2個の末端アリル塩素を有し、数平均分子
量が18,000、極大分子量(M p)が18,500
であるポリイソブチレンを、実施例1に概略を示した方
法により製造した。このポリマーの試料20gを無水シ
クロヘキサン(400ml)に溶解し、溶液を窒素の正
圧下で750mlの蓋付きびんに入れた。
【0079】密閉したガラス容器中、無水及び嫌気条件
下でリチウム末端ポリブタジエンを製造した。シクロヘ
キサン(500ml)に溶解したブタジエン(20g
m,0.37モル)を、sec−ブチルリチウムの1.
6M溶液(0.75ml)と共に反応容器に装填した。
反応容器を60℃に加熱し、重合を6時間続けた。その
後リビングポリブタジエンの溶液のアリコートを取り、
過剰のメチルアルコールを加えることによりクエンチし
た。そのようにして得たポリブタジエンのゲル透過クロ
マトグラフィーによる分析は、ポリマーの数平均分子量
が32,000であり、極大分子量が34,000であ
ることを示した。
【0080】2個の末端アリル塩素を有するポリイソブ
チレンのシクロヘキサン溶液を、シクロヘキサンに溶解
した製造したばかりのリチウム末端ポリフダジエンを含
む反応容器に移し、混合物を50℃にて4時間激しく撹
拌した。ポリマー材料の溶液を周囲温度に冷却し、ポリ
マー100重量部当たり0.1重量部のブチル化ヒドロ
キシトルエンを安定剤として加えた。その後過剰のメタ
ノールを用いた凝集によりポリマー材料を単離し、減圧
下40℃の温度で2日間乾燥した。
【0081】そのようにして得たポリマー材料のゲル透
過クロマトグラフィーによる分析は、二様式の分子量分
布があり、少なくともポリマー材料の50%の極大分子
量が87,060であることを示しており、ポリイソブ
チレンが持つ末端アリル塩素部分の両方がリビングポリ
ブタジエンと反応してポリブタジエン−ポリイソブチレ
ン−ポリブタジエン3ブロックコポリマーが得られたこ
とを示している。ポリマー材料の50%以下は、その極
大分子量が52,000であり、ポリイソブチレンが持
つ2個の末端アリル塩素部分のひとつだけがリビングポ
リブタジエンと反応し、ポリブタジエン−ポリイソブチ
レン2ブロックコポリマーが生成されたことを示してい
る。
【0082】実施例5 実施例4に概略を示した方法を用いて、ポリブタジエン
及びポリイソブチレンの分子量を変化させて、5種類の
別のポリブタジエン及びポリイソブチレンの直鎖ブロッ
クコポリマーを製造し、結果を以下の表に示す。
【0083】
【表1】 表I 実験番号 1 2 3 4 5 ジアリルクロリド 末端PIB Mn 24,500 24,500 19,200 18,000 27,500 Mp 26,000 26,000 20,000 18,180 30,000 リチウム化PBd Mn 24,200 19,000 10,100 23,000 36,300 Mp 25,990 20,750 10,750 24,200 38,250 3ブロックコポリマーの Mp 76,470 65,000 40,540 62,800 104,110 2ブロックコポリマーの Mp 52,400 47,950 44,600 67,800 ここで、Mn=数平均分子量 Mp=極大分子量 PIB=ポリイソブチレン PBd=ポリブタジエン 表Iに示した結果を調べると、リチウム末端ポリブタジ
エンの数平均分子量が、2個の末端アリル塩素を有する
ポリイソブチレンとリチウム化ポリブタジエンの反応の
効率に与える影響が明らかになる。リチウム化ポリブタ
ジエンの数平均分子量が20,000かそれ以上である
実験番号1,2,4及び5のそれぞれにおいてゲル透過
クロマトグラフィーの結果は、ポリマー材料の2様式分
布があり、ポリブタジエン−ポリイソブチレン−ポリブ
タジエン3ブロックコポリマー及びポリブタジエン−ポ
リイソブチレン2ブロックコポリマーが形成されたこと
を示している。しかしリチウム化ポリブタジエンの数平
均分子量が10,100である実験番号3では、2個の
末端アリル塩素を有するポリイソブチレンとの定量的反
応が起こり、ポリブタジエン−ポリイソブチレン−ポリ
ブタジエン3ブロックコポリマーのみを与える。
【0084】実施例6 ブタジエンの重合に続いて約3−8重量%の量のスチレ
ンモノマーを、リビングポリブタジエンを含む反応混合
物に加え、2官能基性アリル塩素末端ポリイソブチレン
とのカップリング反応を行う前にさらに2時間重合を続
ける以外は実施例4の方法に従い、それぞれポリイソブ
チレンの中間ブロック及びポリブタジエン−ポリスチレ
ンブロックコポリマーの末端ブロックを含む4種類の5
ブロックコポリマーを製造した。下表に結果を示す。
【0085】
【表2】 表II 実験番号 1 2 3 4 ジアリルクロリド 末端PIB Mn 18,000 18,000 18,700 18,700 Mp 20,500 20,500 21,510 21,510 リチウム化PBd−PSt Mn 9,100 10,300 9,200 9,500 Mp 10,000 12,000 10,660 10,960 5ブロックコポリマーのMp 41,000 43,950 41,610 41,630 ここで、Mn=数平均分子量 Mp=極大分子量 PIB=ポリイソブチレン PBd−PSt=ポリブタジエン−ポリスチレンブロッ
クコポリマー 表IIに示したゲル透過クロマトグラフィーの結果を調
べると、それぞれ実験番号1,2,3及び4における、
数平均分子量が10,000程度のリチウム末端ポリブ
タジエン−ポリスチレンブロックコポリマーと2個の末
端アリル塩素を有するポリイソブチレンの反応は基本的
に定量的であることが明らかになる。
【0086】本発明の主たる特徴及び態様は以下の通り
である。
【0087】1.ポリイソブチレンのブロック及びアニ
オン重合性モノマーのポリマーのブロックを有する直鎖
ブロック及び3分枝星形ブロックコポリマーの製造法に
おいて: i)不活性有機溶媒中に、数平均分子量が約4,000
−約60,000であり、1−3個の末端アリルハロゲ
ンを有するポリイソブチレンを溶解した溶液において、
該ハロゲンを塩素及び臭素から成る群より選び、該溶液
中のポリイソブチレンの量が不活性有機溶媒100重量
部当たり約1−約10重量部であることを特徴とする第
1溶液を準備し、 ii)段階(i)の不活性有機溶媒と同一であることも
ないこともできる不活性溶媒中に、数平均分子量が約
4,000−約60,000のアルカリ金属末端リビン
グポリマーを溶解した該第1溶液と混和性の溶液におい
て、該第2溶液中の該リビングポリマーの量が不活性有
機溶媒100重量部当たり約1−約15重量部であり、
該リビングポリマーが共役ジオレフィン、ビニル芳香族
モノマー、アクリレート及びこれらの混合物から成る群
より選んだモノマーのアニオン重合により製造されたも
のであることを特徴とする第2溶液を準備し、 iii)ポリイソブチレンの該第1溶液とリビングポリ
マーの該第2溶液を、ポリイソブチレンの1モルあたり
リビングポリマー1−3モルの割合で、約10℃−約8
0℃の温度で約30分−約24時間混合し、 iv)溶液から段階iii)の生成物を回収する段階を
含むことを特徴とする方法。
【0088】2.第1項に記載の方法において、該ハロ
ゲンが塩素であることを特徴とする方法。
【0089】3.第2項に記載の方法において、該アル
カリ金属末端リビングポリマーがリチウム末端リビング
ポリマーであることを特徴とする方法。
【0090】4.第3項に記載の方法において、1−3
個の末端アリル塩素を有する該ポリイソブチレンの数平
均分子量が約7,500−約40,000であることを
特徴とする方法。
【0091】5.第1項に記載の方法において、アニオ
ン重合する該モノマーをC4−C8共役ジオレフィン、C
8−C20ビニル置換芳香族モノマー及びそれらの混合物
から成る群より選ぶことを特徴とする方法。
【0092】6.第5項に記載の方法において、アニオ
ン重合する該モノマーをブタジエン、イソプレン、スチ
レン及びこれらの混合物から成る群より選ぶことを特徴
とする方法。
【0093】7.第6項に記載の方法において、アニオ
ン重合する該モノマーがブタジエンであることを特徴と
する方法。
【0094】8.第1項に記載の方法において、アニオ
ン重合する該モノマーが、少なくとも1種類のC3−C6
エチレン性不飽和エステルのC1−C2アルキルエステル
であることを特徴とする方法。
【0095】9.第8項に記載の方法において、アニオ
ン重合する該モノマーをメチルメタクリレート、メチル
アクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレ
ート及びこれらの混合物から成る群より選ぶことを特徴
とする方法。
【0096】10.第1項に記載の方法において、段階
(i)及び段階(ii)の該不活性有機溶媒をC5−C8
脂肪族炭化水素、C5−C10環状炭化水素、C7−C8
香族炭化水素、C4−C5環状エステル及びこれらの混合
物から成る群より選ぶことを特徴とする方法。
【0097】11.第10項に記載の方法において、該
不活性有機溶媒をヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン及びこれらの混合物から選ぶことを特徴とする方
法。
【0098】12.第1項に記載の方法において: i)ヘキサン及びシクロヘキサンから成る群より選んだ
不活性有機溶媒中に、数平均分子量が約10,000−
約40,000であり、1−3個の末端アリル塩素を有
するポリイソブチレンを溶解した溶液において、該溶液
中のポリイソブチレンの量が不活性有機溶媒100重量
部当たり約2−約6重量部であることを特徴とする第1
溶液を準備し、 ii)ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン及びメチル
シクロヘキサンから成る群より選んだ不活性溶媒中に、
数平均分子量が約7,500−約40,000のリチウ
ム末端リビングポリブタジエンを溶解した溶液におい
て、該第2溶液中の該リビングポリブタジエンの量が不
活性有機溶媒100重量部当たり約2−約6重量部であ
り、該リビングポリブタジエンをブタジエンのアニオン
重合により製造することを特徴とする第2溶液を準備
し、 iii)ポリイソブチレンの該第1溶液とリビングポリ
ブタジエンの該第2溶液を、かなりの量のポリイソブチ
レン−ポリブタジエン直鎖ブロック又は3分枝星型ブロ
ックコポリマーが形成されるような相対的割合で、約1
0℃−約80℃の温度で約30分−約24時間混合し、 iv)溶液から段階iii)の生成物を回収する段階を
含むことを特徴とする方法。
【0099】13.1−3個の末端アリルハロゲンを有
するポリイソブチレンにおいて、該ハロゲンを塩素及び
臭素から成る群より選ぶことを特徴とするポリイソブチ
レン。
【0100】14.第13項に記載のポリイソブチレン
において、該アリルハロゲンが塩素であることを特徴と
するポリイソブチレン。
【0101】15.第13項に記載のポリイソブチレン
において、数平均分子量が約750−約150,000
であることを特徴とするポリイソブチレン。
【0102】16.第15項に記載のポリイソブチレン
において、該数平均分子量が約4,000−約60,0
00であることを特徴とするポリイソブチレン。
【0103】17.1−3個の末端アリル塩素を持つポ
リイソブチレンの製造法において: i)不活性有機溶媒の体積当たり0−約10体積%の水
を分散させた不活性有機溶媒中に、1−3個の末端不飽
和を持つポリイソブチレンを溶解した溶液を形成し、 ii)該ポリイソブチレン溶液に、所望量の塩素化を行
うのに十分な量の塩素分子を、光の非存在下又はほとん
ど非存在下で約0℃−約50℃の温度にて、約2−約1
5分の反応時間で加え、1−3個の末端不飽和を持つポ
リイソブチレンをアリル位で塩素化し、 iii)生成する塩化水素の中和に十分な量のアカリ
性溶液を(ii)からの溶液に加え、 iv)1−3個の末端アリル塩素を持つポリイソブチレ
ンを溶液から回収する段階を含むことを特徴とする方
法。
【0104】18.第17項に記載の方法において、該
塩素分子をクロロホルム及び四塩化炭素から選んだ有機
溶媒に溶解することを特徴とする方法。
【0105】19.第18項に記載の方法において、該
温度が約15℃−約35℃であることを特徴とする方
法。
【0106】20.第19項に記載の方法において、該
不活性有機溶媒をC6−C7飽和脂肪族炭化水素、C7
8芳香族炭化水素、C6−C7脂環式炭化水素及びC1
ロゲン化炭化水素から成る群より選ぶことを特徴とする
方法。
【0107】21.第20項に記載の方法において該不
活性有機溶媒をヘキサン、シクロヘキサン、クロロホル
ム及び四塩化炭素から成る群より選ぶことを特徴とする
方法。
【0108】22.1−3個の末端アリルハロゲンを有
し、該ハロゲンを塩素及び臭素から成る群より選んだポ
リイソブチレンの製造法において: i)不活性有機溶媒中に溶解した、1−3個の末端不飽
和を持つポリイソブチレンの溶液を形成し、 ii)該ポリイソブチレン溶液に、N−クロロアミド及
びN−ブロモアミドから成る群より選んだハロゲン化剤
1−3個の末端アリルハロゲンを形成するのに必要
量で加え、 iii)得られた溶液を光の非存在下又はほとんど非存
在下で約15℃−約35℃の温度とし、1−3個の末端
不飽和を持つ該ポリイソブチレンをアリル位でハロゲン
化し、 iv)1−3個の末端アリルハロゲンを有し、該ハロゲ
ンを塩素及び臭素から成る群より選んだポリイソブチレ
ンを溶液から回収する段階を含むことを特徴とする方
法。
【0109】23.第22項に記載の方法において、該
不活性有機溶媒をジクロロメタン、クロロホルム及び四
塩化炭素から成る群より選ぶことを特徴とする方法。
【0110】24.第23項に記載の方法において、該
ハロゲン化剤を1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒ
ダントイン及び1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒ
ダントインから成る群より選ぶことを特徴とする方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 297/02 C08F 8/24 C08F 110/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイソブチレンのブロック及びアニオ
    ン重合性モノマーのポリマーのブロックを有する直鎖ブ
    ロック及び3分枝星形ブロックコポリマーの製造法にお
    いて: i)不活性有機溶媒中に、数平均分子量が約4,000
    −約60,000であり、1−3個の末端アリルハロゲ
    ンを有するポリイソブチレンを溶解した溶液において、
    該ハロゲンを塩素及び臭素から成る群より選び、該溶液
    中のポリイソブチレンの量が不活性有機溶媒100重量
    部当たり約1−約10重量部であることを特徴とする第
    1溶液を準備し、 ii)段階(i)の不活性有機溶媒と同一であることも
    同一でないこともできる不活性溶媒中に、数平均分子量
    が約4,000−約60,000のアルカリ金属末端リ
    ビングポリマーを溶解した該第1溶液と混和性の溶液に
    おいて、該第2溶液中の該リビングポリマーの量が不活
    性有機溶媒100重量部当たり約1−約15重量部であ
    り、該リビングポリマーが共役ジオレフィン、ビニル芳
    香族モノマー、アクリレート及びこれらの混合物から成
    る群より選んだモノマーのアニオン重合により製造され
    たものであることを特徴とする第2溶液を準備し、 iii)ポリイソブチレンの該第1溶液とリビングポリ
    マーの該第2溶液を、ポリイソブチレンの1モルあたり
    リビングポリマー1−3モルの割合で、約10℃−約8
    0℃の温度で約30分−約24時間混合し、 iv)溶液から段階iii)の生成物を回収する段階を
    含むことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 1−3個の末端アリル塩素を持つポリイ
    ソブチレンの製造法において: i)不活性有機溶媒の体積当たり0−約10体積%の水
    を分散させた不活性有機溶媒中に、1−3個の末端不飽
    和を持つポリイソブチレンを溶解した溶液を形成し、 ii)該ポリイソブチレン溶液に、所望量の塩素化を行
    うのに十分な量の塩素分子を、光の非存在下又はほとん
    ど非存在下で約0℃−約50℃の温度にて、約2−約1
    5分の反応時間で加え、1−3個の末端不飽和を持つポ
    リイソブチレンをアリル位で塩素化し、 iii)生成する塩化水素の中和に十分な量のアカリ
    性溶液を(ii)からの溶液に加え、 iv)1−3個の末端アリル塩素を持つポリイソブチレ
    ンを溶液から回収する段階を含むことを特徴とする方
    法。 【請求項】 1−3個の末端アリルハロゲンを有し、
    該ハロゲンを塩素及び臭素から成る群より選んだポリイ
    ソブチレンの製造法において: i)不活性有機溶媒中に溶解した、1−3個の末端不飽
    和を持つポリイソブチレンの溶液を形成し、 ii)該ポリイソブチレン溶液に、N−クロロアミド及
    びN−ブロモアミドから成る群より選んだハロゲン化剤
    1−3個の末端アリルハロゲンを形成するのに必要
    量で加え、 iii)得られた溶液を光の非存在下又はほとんど非存
    在下で約15℃−約35℃の温度とし、1−3個の末端
    不飽和を持つ該ポリイソブチレンをアリル位でハロゲン
    化し、 iv)1−3個の末端アリルハロゲンを有し、該ハロゲ
    ンを塩素及び臭素から成る群より選んだポリイソブチレ
    ンを溶液から回収する段階を含むことを特徴とする方
    法。
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