JP3171411B2 - エンジンの出力制御装置の異常処理装置 - Google Patents

エンジンの出力制御装置の異常処理装置

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JP3171411B2
JP3171411B2 JP25925392A JP25925392A JP3171411B2 JP 3171411 B2 JP3171411 B2 JP 3171411B2 JP 25925392 A JP25925392 A JP 25925392A JP 25925392 A JP25925392 A JP 25925392A JP 3171411 B2 JP3171411 B2 JP 3171411B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、吸気通路に配置され
たスロットル弁の開閉制御によりエンジン出力を制御す
るエンジンの出力制御装置において、そのスロットル弁
制御系の異常時の処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、エンジンの吸気通路に、ステ
ッピングモータ等の電動アクチュエータにより駆動され
て吸気通路を開閉する電気スロットル弁を単独に、又は
アクセルペダルに連動する機械スロットル弁と直列に配
設し、この電気スロットル弁を開閉制御することによ
り、エンジンへの吸気流量を調整してその出力トルクの
増大を制限するようにしたエンジンの出力制御装置は知
られている。
【0003】この種エンジンの出力制御装置において、
制御系の異常時に対処するようにしたものとして、従
来、例えば実開平3―23628号公報に示されるよう
に、エンジンの出力トルクを制限してトラクションコン
トロールを行っている最中に、システム系の異常が判定
されたときには、トルクダウン量を減少させるようにし
たものが知られている。
【0004】また、実開平3―23630号公報に示さ
れるものでは、トラクションコントロール中にその制御
不可能の信号が出力されたとき、トラクションコントロ
ールの作動を直ちに停止させないで遅延させるようにな
されている。
【0005】さらに、特開平2―301630号公報に
は、トラクション制御系の異常時にはエンジンのトルク
ダウン制御によるトラクションコントロールを禁止する
ようにすることが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平2―301
630号公報に示される従来例のように、トラクション
制御系の異常時にエンジン出力のトルクダウン制御を禁
止するようにすると、その禁止直後に駆動車輪のスリッ
プが発生した場合、トルクダウン制御の禁止に伴ってス
リップを終束できないので、このトルクダウン制御が禁
止されたことを車両の運転者が判断できないときには、
運転者はトルクダウン制御を行っているにも拘らずスリ
ップが発生したと違和感を持ち、そのスリップに対し運
転者の対応が遅れるという問題がある。
【0007】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、スロットル弁制御系に異常が生じたと
きの処理動作を改良することで、その異常に対し運転者
が違和感を持つことなく対応できるようにすることにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明では、上記した従来例において、
異常発生時にトラクションコントロールの停止を遅延さ
せるという考え方を利用し、スロットル弁制御系の異常
時には、その異常状態を運転者に警告するとともに、ト
ルクダウン制御の作動開始を禁止することを所定時間だ
け遅延させるようにした。
【0009】すなわち、この発明では、図1に示すよう
に、エンジン1への吸気流量を調整するスロットル弁1
3と、駆動車輪のスリップが発生したときに上記スロッ
トル弁13を閉じて吸気流量を減少させるトルクダウン
制御手段41と、上記スロットル弁13の制御系に異常
が生じたことを判定する異常判定手段42とを備え、ス
ロットル弁制御系の異常時に上記トルクダウン制御手段
41の作動を禁止するようにしたエンジンの出力制御装
置の異常処理装置が前提である。
【0010】さらに、上記異常判定手段42の出力を受
け、車両の運転者にスロットル弁制御系の異常を示す警
告手段43と、上記異常判定手段42の出力を受け、ス
ロットル弁制御系の異常時には上記トルクダウン制御手
段41の作動開始の禁止を所定時間遅延させる第1遅延
手段44とを設ける。
【0011】請求項2の発明では、上記請求項1の発明
の構成において、異常判定手段42の出力を受け、第1
遅延手段44によるトルクダウン制御手段41の作動開
始禁止の遅延中にトルクダウン制御により駆動車輪のス
リップが終束しないときには、エンジン1の出力を制限
するようにエンジン1の燃料供給系又は点火系の少なく
とも一方を制御するフェイルセイフ手段45を設ける。
【0012】請求項3の発明では、異常判定手段42の
出力を受け、スロットル弁制御系の異常時にはトルクダ
ウン制御手段41の作動終了後、所定時間が経過するま
での間、トルクダウン制御手段41の作動開始の禁止を
遅延させる第2遅延手段46を設ける。
【0013】
【作用】上記の構成により、請求項1の発明では、スロ
ットル弁13の制御系に異常が生じると、そのことが異
常判定手段42により判定され、この異常判定手段42
からの出力を受けた警告手段43により車両の運転者に
スロットル弁制御系の異常が警告される。また、これと
同時に、異常判定手段42からの出力を受けて第1遅延
手段44が作動し、トルクダウン制御手段41の作動開
始の禁止が所定時間遅延される。換言すると、警告手段
43により運転者が異常状態を認識するのに足りる所定
時間が経過するまでの間は、トルクダウン制御手段41
が作動開始して駆動車輪のスリップを防止できることと
なり、スリップの発生による運転者の違和感を防止し
て、その良好な対応を行わせることができる。
【0014】請求項2の発明では、トルクダウン制御手
段41の作動開始禁止の遅延中にトルクダウン制御によ
り駆動車輪のスリップが終束しないときには、フェイル
セイフ手段45が作動して、エンジン1の出力を制限す
るようにエンジン1の燃料供給系又は点火系の少なくと
も一方が制御されるので、エンジン1のトルクダウン制
御を確実に行って駆動車輪のスリップをさらに有効に防
止することができる。
【0015】請求項3の発明では、スロットル弁制御系
の異常時、異常判定手段42からの出力を受けて第2遅
延手段46が作動し、トルクダウン制御手段41の作動
終了後、所定時間が経過するまで、トルクダウン制御手
段41の作動開始の禁止が遅延される。このため、車両
が低μ路から高μ路に移った後、直ちに低μ路に進入し
てスリップが発生した場合等であっても、所定時間の
間、エンジン1のトルクダウン制御を実行させて駆動車
輪のスリップを防止することができ、運転者の違和感を
防止して、その良好な対応を行わせることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図5は本発明の実施例の全体構成を示す。同図に
おいて、1は車両に搭載されたエンジンで、シリンダ2
を有するシリンダブロック3と、その上面に組み付けら
れたシリンダヘッド4と、シリンダ2内に往復動可能に
嵌挿されたピストン6と、このピストン6をクランク軸
(図示せず)に連結するコネクティングロッド7とを備
え、シリンダ2内にピストン6及びシリンダヘッド4に
より囲まれる燃焼室8が形成されている。
【0017】9は上記燃焼室8に吸気(空気)を供給す
る吸気通路で、この吸気通路9の上流端はエアクリーナ
10に接続されている。吸気通路9には、吸入空気量を
検出するエアフローメータ11と、吸気通路9を絞る副
スロットル弁としての電気スロットル弁13(本発明で
いうスロットル弁を構成している)及び主スロットル弁
としての機械スロットル弁12と、燃料を噴射供給する
インジェクタ14とが上流側から順に直列に配設されて
いる。15は機械スロットル弁12の下流側に形成され
たサージタンク、16は吸気通路9の燃焼室8への開口
部を開閉する吸気弁である。また、17は燃焼室8内の
吸気に点火する点火プラグ、18は上記燃焼室8内の排
気ガスを排出する排気通路で、その燃焼室8への開口部
は排気弁19により開閉される。
【0018】上記機械スロットル弁12は常時は閉じて
いるもので、その支持軸12aはリンクやワイヤ等の連
結機構20を介してアクセルペダル21に連結されてお
り、アクセルペダル21の踏み操作に応じて機械スロッ
トル弁12の開度を増大させてエンジン1の燃焼室8へ
の吸気流量を増加させるようになっている。
【0019】一方、電気スロットル弁13は図外のリタ
ーンスプリングにより常時は全開位置に回動付勢されて
保持されるもので、その支持軸13aには連結機構22
を介して電動アクチュエータとしてのステッピングモー
タ23が連結されており、例えば車両の発進時にトラク
ションコントロールを行うためにエンジン1の出力トル
クを下げるときには、ステッピングモータ23の作動に
より電気スロットル弁13の開度を小さくしてエンジン
1の燃焼室8への吸気流量を減少させるようにしてい
る。
【0020】上記電気スロットル弁13のステッピング
モータ23はスロットル弁コントロールユニット26に
より制御されるようになっている。このスロットル弁コ
ントロールユニット26は、上記点火プラグ17による
点火時期及びインジェクタ14による燃料噴射量を含む
エンジン1の各種状態量を制御するためのエンジンコン
トロールユニット27と、車両の制動時に車輪(図示せ
ず)のロックによる滑りを防止しながら制動するととも
に、車両の加速時等で駆動車輪(例えば後輪)のスリッ
プが発生したときに駆動車輪を制動し又はエンジン1の
出力トルクを低下させてスリップを抑制するためのAB
S/TRCコントロールユニット28とに対し信号の授
受可能に接続されている。また、上記エンジンコントロ
ールユニット27はABS/TRCコントロールユニッ
ト28と信号の授受可能に接続されている。
【0021】上記スロットル弁コントロールユニット2
6及びABS/TRCコントロールユニット28には、
電気スロットル弁13の開度を検出する電気スロットル
開度センサ31の出力信号が入力されている。
【0022】また、エンジンコントロールユニット27
には、上記エアフローメータ11の出力信号と、機械ス
ロットル弁12の開度を検出する機械スロットル開度検
出手段としての機械スロットル開度センサ32の出力信
号と、エンジン1のクランク軸の回転に基づいてエンジ
ン回転数を検出するクランク角センサ33の出力信号
と、エンジン1の温度としての冷却水温度を検出する水
温センサ30の出力信号とが少なくとも入力され、その
他、図示しないが例えば大気圧信号、吸気温度の信号、
オルタネータ等の電気負荷信号、車載空気調和機の作動
状態を示すエアコン信号、スタータの作動信号、イグニ
ッションキースイッチの信号等の各種の信号が入力され
ている。
【0023】さらに、ABS/TRCコントロールユニ
ット28には、上記機械スロットル開度センサ32及び
水温センサ30の各出力信号と、車両の駆動車輪の回転
数を検出する駆動車輪速度センサ34の出力信号と、非
駆動車輪の回転数を検出する非駆動車輪速度センサ35
の出力信号と、トラクションコントロールの実行を停止
するためのTRC/OFFスイッチ36の出力信号とが
入力されている。また、このABS/TRCコントロー
ルユニット28は、ブレーキペダル24aを有するブレ
ーキ装置24の制動油圧を制御するためのアクチュエー
タ37と、トラクションコントロールが実行されている
ことを点灯表示するTRCインジケータランプ38と、
トラクションコントロールが異状状態にあることを示す
TRCワーニングランプ39とに少なくとも接続されて
いる。
【0024】ここで、上記コントロールユニット26〜
28において電気スロットル弁13の制御系に異常が生
じたときに行われる制御動作について図2及び図3によ
り説明する。図2はトラクションコントロール開始前に
電気スロットル弁13の制御系に異常が生じたときの信
号処理動作を示し、スタート後の最初のステップS1で
電気スロットル弁13の制御系の異常を示すフェイルか
どうかを判定する。
【0025】この電気スロットル弁13の制御系の異常
としては、特に、電気スロットル開度センサ31の異
常、電気スロットル弁13の連結機構22やリターンス
プリングの異常、スロットル弁コントロールユニット2
6の異常等が重要であり、電気スロットル開度センサ3
1の異常を検出する場合、電気スロットル弁13の回動
角全体に対し電気スロットル開度センサ31の出力電圧
レベルのレンジ全体を使わず、電気スロットル弁13が
全閉又は全開になってもセンサ26の出力電圧はレンジ
両端の電圧にならないようにしておくことで、センサ2
6の出力電圧がレンジ両端の電圧を示したときに断線、
接触不良、ショート等の異常と判定するようにしてい
る。また、連結機構22のはずれやリターンスプリング
の折損等の異常に対しては脱調判定の検出、つまり電気
スロットル開度センサ31のセンサ値からの換算ステッ
プ数と、ステッピングモータ23の実際のステップ数と
の差から異常を検出する。さらに、スロットル弁コント
ロールユニット26の異常検出(誤信号等)はABS/
TRCコントロールユニット28からの目標開度の要求
値、トラクション有効信号等と電気スロットル弁13の
実開度等とを比較し、要求値と実際値との不一致から異
常を検出するようにしている。従って、ハーネスや各セ
ンサ等の異常の検出は上記いずれかの方法により行うこ
とができる。
【0026】この他、電気スロットル弁13の制御系の
異常としては、電気スロットル弁13が全閉位置になっ
たことを検出するアイドルスイッチ(図示せず)の異
常、ステッピングモータ23の異常、車載バッテリの異
常、ABS/TRCコントロールユニット28の異常、
エンジンコントロールユニット27の異常、水温センサ
30の異常、機械スロットル開度センサ32の異常、ク
ランク角センサ33の異常等が挙げられる。
【0027】上記ステップS1 の判定がNOのときに
は、ステップS2 でトラクション制御を許可した後、終
了する。一方、判定がYESのときには、ステップS3
においてトラクション制御を実行しているかどうかを判
定する。この判定がYESのときには、ステップS4 で
電気スロットル弁13が目標開度にあるか否かを判定
し、この判定がNOのときには後述のステップS8 に、
またYESのときにはステップS9 にそれぞれ進む。ス
テップS3 の判定がNOのときにはステップS5 に進
み、トラクション制御実施信号が出力されているか否か
を判定し、この判定がNOのときには、ステップS6 で
タイマによる所定時間t1 が経過中かどうかを判定す
る。この判定がYESのときにはステップS5 に戻る
が、NOになると、ステップS13に進む。
【0028】上記ステップS5 の判定がYESのときに
は、ステップS7 においてタイマによる所定時間t1 が
経過中かどうかを判定する。この判定がNOのときには
上記ステップS13に進むが、判定がYESのときにはス
テップS8 に進み、電気スロットル弁13が作動可能か
どうかを判定し、この判定が「電気スロットル弁作動可
能」のYESのときには、ステップS9 に進んで駆動車
輪のスリップが終束したか否かを判定する。ステップS
8 ,S9 の判定がいずれもNOのときにはステップS10
において、エンジン1の燃料供給系及び点火系の制御に
よりエンジン1の出力トルクの増大を制限するバックア
ップ制御を行う。具体的には、このバックアップ制御で
は、エンジン1の点火時期をリタードさせてその出力ト
ルクを低下させ、同時にインジェクタ14からの燃料噴
射量を増量させて排気ガス温度を低下させる。尚、車速
が所定の車速以上にならないように、点火時期及び燃料
噴射量を予め設定した固定値に変更するようにしてもよ
い。
【0029】このステップS10の後は、ステップS9 の
判定がYESのときと共にステップS11に進み、トラク
ションコントロールの有効信号がOFF状態になったか
どうかを判定し、この判定がNOのときにはステップS
12で機械スロットル弁12が全閉状態になったかどうか
を判定し、この判定がNOのときにはステップS11に戻
る。ステップS11,S12の判定がYESのときにはいず
れもステップS13に進み、しかる後、ステップS13で上
記TRCワーニングランプ39を点灯させ、次のステッ
プS14で電気スロットル弁13の制御系をシステムダウ
ンさせた後、終了する。
【0030】一方、図3はトラクションコントロール開
始後に電気スロットル弁13の制御系に異常が生じたと
きの信号処理動作を示し、スタート後の最初のステップ
S21で電気スロットル弁13の制御系に上記の如き異常
が生じて、その異常を示すフェイルかどうかを判定す
る。このステップS21の判定がNOのときには、ステッ
プS22でトラクション制御を許可した後、終了する。判
定がYESのときには、ステップS23においてトラクシ
ョン制御を実行しているかどうかを判定する。この判定
がYESのときには、ステップS24で電気スロットル弁
13が目標開度にあるか否かを判定し、この判定がNO
のときには後述のステップS28に、またYESのときに
はステップS29にそれぞれ進む。ステップS23の判定が
NOのときにはステップS25に進み、トラクション制御
実施信号が出力されているか否かを判定し、この判定が
NOのときには、ステップS26でタイマによる所定時間
t2が経過中かどうかを判定する。この判定がYESの
ときにはステップS25に戻るが、判定がNOになるとス
テップS33に進む。
【0031】上記ステップS25の判定がYESのときに
は、ステップS27においてタイマによる所定時間t2 が
経過中かどうかを判定する。この判定がNOのときに
は、上記ステップS33に進むが、判定がYESのときに
はステップS28に進み、電気スロットル弁13が作動可
能かどうかを判定し、この判定が「電気スロットル弁作
動可能」のYESのときには、ステップS29に進んで駆
動車輪のスリップが終束したか否かを判定する。ステッ
プS28,S29の判定がいずれもNOのときにはステップ
S30において、エンジン1の燃料供給系及び点火系の制
御によりエンジン1の出力トルクの増大を制限するバッ
クアップ制御を行う。
【0032】このステップS30の後、ステップS29の判
定がYESのときと共にステップS31に進み、トラクシ
ョンコントロールの有効信号がOFF状態になったかど
うかを判定し、この判定がNOのときにはステップS32
で機械スロットル弁12が全閉状態になったかどうかを
判定し、この判定がNOのときにはステップS31に戻
る。ステップS31,S32の判定がYESのときにはいず
れもステップS33に進み、TRCワーニングランプ39
を点灯させ、ステップS34で電気スロットル弁13の制
御系をシステムダウンさせた後、終了する。
【0033】以上の制御フローにおいて、ステップS2
,S22により、駆動車輪のスリップが発生したときに
電気スロットル弁13を閉じて吸気流量を減少させるよ
うにしたトルクダウン制御手段41が構成されている。
【0034】また、ステップS1 ,S21により、電気ス
ロットル弁13の制御系に異常が生じたことを判定する
異常判定手段42が構成されている。
【0035】さらに、ステップS14,S34により、電気
スロットル弁13の制御系の異常時に上記トルクダウン
制御手段41の作動を禁止するようになされている。
【0036】また、ステップS13,S33により、上記異
常判定手段42の出力を受け、TRCワーニングランプ
39を点灯して車両の運転者に電気スロットル弁13の
制御系の異常を示すようにした警告手段43が構成され
ている。
【0037】ステップS6 ,S7 により、上記異常判定
手段42の出力を受け、電気スロットル弁13の制御系
の異常時には上記トルクダウン制御手段41の作動開始
の禁止を所定時間t1 だけ遅延させるようにした第1遅
延手段44が構成される。
【0038】ステップS10により、異常判定手段42の
出力を受け、第1遅延手段44によるトルクダウン制御
手段41の作動開始禁止の遅延中にトルクダウン制御に
より駆動車輪のスリップが終束しないときには、エンジ
ン1の出力を制限するために点火時期をリタードするよ
うに点火系を制御するフェイルセイフ手段45が構成さ
れている。
【0039】また、ステップS26,S27により、異常判
定手段42の出力を受け、電気スロットル弁13の制御
系の異常時にはトルクダウン制御手段41の作動終了
後、所定時間t2 が経過するまで、トルクダウン制御手
段41の作動開始の禁止を遅延させるようにした第2遅
延手段46が構成されている。
【0040】したがって、上記実施例においては、電気
スロットル弁13の制御系が正常であるとき、アクセル
ペダル21の踏み操作により機械スロットル弁12を開
いてエンジン1の出力トルクを増大させる車両の発進時
にトラクションコントロールが行われ、駆動車輪のスリ
ップが発生したときには、そのスリップの発生を駆動車
輪と非駆動車輪との速度差に基づいて検出し、電気スロ
ットル弁13を閉じてエンジン1への吸気流量を抑制
し、エンジン1の出力トルクの増大を制限することによ
り、駆動車輪のスリップが防止される。
【0041】そして、図4(a)に示すように、このよ
うなトラクションコントロール開始前に、上記電気スロ
ットル弁13の制御系において、電気スロットル開度セ
ンサ31の信号の断線、接触不良、ショート、或いは連
結機構22やリターンスプリングの折損、又はスロット
ル弁コントロールユニット26の異常等が生じると、そ
の異常判定に伴ってTRCワーニングランプ39が点灯
して、車両の運転者に電気スロットル弁13の制御系の
異常が警告される。また、これと同時に、異常判定時か
らタイマが所定時間t1 をカウントして、そのタイマの
カウントアウトがなされるまでの間、トルクダウン制御
の開始の禁止が遅延される。このため、TRCワーニン
グランプ39の点灯により運転者が電気スロットル弁1
3の制御系の異常状態を認識するのに足りる所定時間が
経過するまでの間に駆動車輪のスリップが生じて、トル
クダウン制御の有効信号が出力されると、トルクダウン
制御が開始されて電気スロットル弁13の開度が全閉に
なり、エンジン1の出力トルクが制限されて駆動車輪の
スリップを防止することができる。よって、制御系の異
常発生時に直ちにトルクダウン制御を禁止する場合のよ
うに駆動車輪のスリップが発生して運転者が違和感を持
つのを防止し、その良好な対応を行わせることができ
る。
【0042】また、上記のようなトルクダウン制御の開
始の禁止を所定時間t1 だけ遅延させている間に、トル
クダウン制御の実行によっても駆動車輪のスリップが終
束しないときには、エンジン1の点火時期がリタードさ
れてその出力トルクが制限される。このため、エンジン
1のトルクダウン制御を確実に行って駆動車輪のスリッ
プをさらに有効に防止することができる。
【0043】これに対し、図4(b)に示すように、ト
ラクションコントロール開始後に電気スロットル弁13
の制御系に異常が生じると、このときにも異常判定に伴
ってTRCワーニングランプ39が点灯して、車両の運
転者に電気スロットル弁13の制御系の異常が警告され
る。これと同時に、トラクションコントロールの終了に
より電気スロットル弁13の開度が全閉になった時点か
らタイマが所定時間t2 をカウント開始し、そのカウン
トが終了するまでの間、トルクダウン制御の開始の禁止
が遅延される。このため、このため、車両が低μ路から
高μ路に移った後、直ちに低μ路に進入して駆動車輪の
スリップが発生した場合等であっても、上記所定時間t
2 が経過するまでの間は、エンジン1のトルクダウン制
御を実行させて駆動車輪のスリップを防止することがで
き、運転者の違和感を防止して、その良好な対応を行わ
せることができる。
【0044】尚、上記実施例では、電気スロットル弁1
3によるトルクダウン制御でも駆動車輪のスリップが終
束しないときに、点火時期のリタードによりエンジン1
の出力トルクを制限するようにしているが、インジェク
タ14からの燃料噴射量を制御して同じ目的を達成する
ようにしてもよく、さらには点火時期制御及び燃料噴射
量制御の双方を組み合わせてもよい。
【0045】また、上記実施例では、電気スロットル弁
13が機械スロットル弁12に対し吸気通路9の上流側
に配置されている場合を示したが、逆に吸気通路9の下
流側に配置されていてもよく、上記実施例と同様の作用
効果が得られる。また、電気スロットル弁13のみが単
独に吸気通路9に配置されているエンジンに対しても本
発明を適用することができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よると、駆動車輪のスリップが発生したときに、エンジ
ンへの吸気流量を調整するスロットル弁を閉じて吸気流
量を減少させるトルクダウン制御を行い、スロットル弁
の制御系に異常が生じたときには、トルクダウン制御を
禁止するようにしたエンジンの出力制御装置において、
スロットル弁制御系の異常時にはそのことを車両の運転
者に警告するとともに、トルクダウン制御の開始の禁止
を所定時間遅延させるようにしたことにより、運転者が
スロットル弁制御系の異常状態を認識するのに必要な所
定時間が経過するまでの間、トルクダウン制御が開始し
て駆動車輪のスリップを防止でき、スリップの発生によ
る運転者の違和感を防止して、その良好な対応を行わせ
ることができる。
【0047】請求項2の発明によると、上記トルクダウ
ン制御の開始禁止を遅延している所定時間中にトルクダ
ウン制御の実行により駆動車輪のスリップが終束しない
ときには、エンジンの燃料供給系又は点火系の少なくと
も一方を制御して、その出力を制限するようにしたこと
により、エンジンのトルクダウン制御を確実に行い、駆
動車輪のスリップをより一層有効に防止することができ
る。
【0048】請求項3の発明によると、スロットル弁制
御系の異常時には、トルクダウン制御の終了後に所定時
間が経過するまでの間、トルクダウン制御の開始の禁止
を遅延するようにしたことにより、車両が低μ路から高
μ路に移った後、直ちに低μ路に進入してスリップが発
生した場合等であっても、エンジンのトルクダウン制御
を実行させて駆動車輪のスリップを防止でき、運転者の
違和感を防止して、その良好な対応を行わせることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施例におけるコントロールユニット
でトラクションコントロール開始前に電気スロットル弁
制御系に異常が生じたときの信号処理動作を示すフロー
チャート図である。
【図3】コントロールユニットでトラクションコントロ
ール開始後に電気スロットル弁制御系に異常が生じたと
きの信号処理動作を示すフローチャート図である。
【図4】電気スロットル弁制御系に異常が生じたときの
各種状態量の変化を示すタイムチャート図である。
【図5】本発明の実施例の全体構成を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
1 エンジン 9 吸気通路 12 機械スロットル弁 13 電気スロットル弁(スロットル弁) 14 インジェクタ 17 点火プラグ 21 アクセルペダル 22 連結機構 23 ステッピングモータ 26〜28 コントロールユニット 30 水温センサ 31 電気スロットル開度センサ 32 機械スロットル開度センサ 39 ワーニングランプ 41 トルクダウン制御手段 42 異常判定手段 43 警告手段 44 第1遅延手段 45 フェイルセイフ手段 46 第2遅延手段 t1 ,t2 遅延時間
フロントページの続き (72)発明者 有野 和文 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−197159(JP,A) 特開 平5−99002(JP,A) 実開 昭63−104235(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 9/00 - 11/10 F02D 41/00 - 45/00 395 F02D 29/00 - 29/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンへの吸気流量を調整するスロッ
    トル弁と、 駆動車輪のスリップが発生したときに上記スロットル弁
    を閉じて吸気流量を減少させるトルクダウン制御手段
    と、 上記スロットル弁の制御系に異常が生じたことを判定す
    る異常判定手段とを備え、 スロットル弁制御系の異常時に上記トルクダウン制御手
    段の作動を禁止するようにしたエンジンの出力制御装置
    の異常処理装置において、 上記異常判定手段の出力を受け、車両の運転者にスロッ
    トル弁制御系の異常を示す警告手段と、 上記異常判定手段の出力を受け、スロットル弁制御系の
    異常時には上記トルクダウン制御手段の作動開始の禁止
    を所定時間遅延させる第1遅延手段とを設けたことを特
    徴とするエンジンの出力制御装置の異常処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1のエンジンの出力制御装置の異
    常処理装置において、 異常判定手段の出力を受け、第1遅延手段によるトルク
    ダウン制御手段の作動開始禁止の遅延中にトルクダウン
    制御により駆動車輪のスリップが終束しないときには、
    エンジンの出力を制限するようにエンジンの燃料供給系
    又は点火系の少なくとも一方を制御するフェイルセイフ
    手段を設けたことを特徴とするエンジンの出力制御装置
    の異常処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2のエンジンの出力制御装
    置の異常処理装置において、 異常判定手段の出力を受け、スロットル弁制御系の異常
    時にはトルクダウン制御手段の作動終了後、所定時間が
    経過するまでの間、トルクダウン制御手段の作動開始の
    禁止を遅延させる第2遅延手段を設けたことを特徴とす
    るエンジンの出力制御装置の異常処理装置。
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