JP2738051B2 - 車両用内燃機関の制御装置 - Google Patents

車両用内燃機関の制御装置

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JP2738051B2
JP2738051B2 JP22062089A JP22062089A JP2738051B2 JP 2738051 B2 JP2738051 B2 JP 2738051B2 JP 22062089 A JP22062089 A JP 22062089A JP 22062089 A JP22062089 A JP 22062089A JP 2738051 B2 JP2738051 B2 JP 2738051B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、燃料カット気筒の点火プラグへの印加電圧
を抑制して、該点火プラグが破壊するのを防止する車両
用内燃機関の制御装置に関する。
[従来の技術] 従来より、車両用内燃機関の制御装置の一つとして、
車両の減速運転時に内燃機関への燃料供給を停止して燃
費を向上させる、所謂燃料カット制御を実行するものが
ある。また燃料カット制御によれば内燃機関の出力トル
クを抑制できるので、車両加速時に駆動輪に加速スリッ
プが発生した場合にもこうした燃料カット制御を行なう
ことで、駆動輪の駆動トルクを低減して、加速スリップ
を抑制することも考えられている(例えば特開昭58−84
36号)。
ところで燃料カット制御が実行されると、内燃機関の
気筒内には燃料が供給されなくなるため、内燃機関の各
気筒に設けられた点火プラグを放電させるのに必要な要
求電圧が燃料供給時より上昇する。また燃料カット制御
実行時には点火プラグを放電させても気筒内で燃料の燃
焼が起らないので、点火プラグの温度が低下し、要求電
圧は更に高くなる。一方点火プラグは、気筒内に燃料が
供給されているときに放電し得る要求電圧を基準に設計
されており、その耐圧はこの要求電圧より若干高めに設
定されている。このため上記のように燃料カット制御に
よって点火プラグの要求電圧が高くなると、点火プラグ
に印加される電圧が耐圧以上となって、点火プラグが破
壊することがある。
また点火プラグの要求電圧は、点火プラグのギャップ
部出力(即ち,シリンダ内圧力)に応じて変化し、シリ
ンダ内圧力が高い程大きくなるため、車両加速時に燃料
カットを行なう上述の加速スリップ制御装置において特
にプラグ破壊が発生し易くなる。つまり燃費向上のため
に車両減速時に実行される燃料カット制御は、通常、ス
ロットルバルブが全閉状態であるときに実行され、シリ
ンダ内圧力も低いことから、点火プラグの要求電圧もあ
まり大きくならず、プラグ破壊は発生し難いのである
が、車両加速時には、スロットルバルブが大きく開かれ
ており、吸気管圧力,延いてはシリンダ内圧力が大きく
なるので、こうした車両加速時に燃料カットを行なう加
速スリップ制御が実行されると、点火プラグの要求電圧
が非常に大きくなり、この結果プラグ破壊が発生し易く
なってしまうのである。
そこで従来より、こうしたプラグ破壊の問題を解決す
るために、例えば特開昭62−170754号公報に開示されて
いる如く、点火装置に点火プラグへの印加電圧を抑制す
る点火カット回路を設け、燃料カット時にはこの点火カ
ット回路を作動して、点火プラグが放電(即ち点火)す
るのを禁止することが考えられている。
[発明が解決しようとする課題] ところが上記のように点火カット回路を点火装置に設
けた場合、その回路が正常に作動している場合には、問
題なく点火プラグの破壊を防止することができるのであ
るが、点火カット回路に断線・短絡等の故障が生じ、点
火カット回路が正常に作動しなくなると、点火プラグに
は放電のための高電圧が印加されるようになり、この結
果点火プラグが破壊してしまう。
そこで本発明は、点火カット回路によって燃料カット
時のプラグ破壊を防止する装置において、点火カット回
路の故障を速やかにしかも正確に検出して、点火カット
回路故障時の対応処置を的確にとることができるように
することを目的としてなされた。
[課題を解決するための手段] 即ち上記目的を達するための本発明は、第1図に例示
する如く、 車両の所定の運転条件下で内燃機関EGの全気筒又は特
定気筒への燃料供給を停止する燃料カット制御を行なう
燃料カット制御手段M1と、 内燃機関EGの回転に同期した所定の点火タイミングで
点火コイルICの一次巻線L1を所定期間通電し、通電後、
該一次巻線L1に生ずるフライバック電圧により点火コイ
ルICの二次巻線L2に発生する高電圧を、各気筒の点火プ
ラグPに印加する点火装置M2と、 該点火装置M2に設けられ、上記燃料カット制御による
燃料供給停止気筒の点火タイミング毎に上記点火コイル
ICの一次巻線L1に生ずるフライバック電圧を抑制し、燃
料供給停止気筒の点火プラグPへの印加電圧を抑制する
点火カット回路M3と、 上記燃料カット制御実行時に、上記点火コイルICの一
次巻線電圧VL1を検出し、該電圧VL1が所定電圧以上であ
る場合に、上記点火カット回路M3の故障を判定する故障
判定手段M4と、 を備えたことを特徴とする車両用内燃機関の制御装置
を要旨としている。
[作用] 以上のように構成された本発明の車両用内燃機関の制
御装置では、点火装置M2が、内燃機関EGの回転に同期し
た所定の点火タイミングで点火コイルICの一次巻線L1を
所定期間通電することにより、通電後、該一次巻線L1に
生ずるフライバック電圧によって点火コイルICの二次巻
線L2に高電圧を発生させ、これを各気筒の点火プラグM4
に印加することにより、内燃機関EGに供給された燃料混
合気を点火させる。
また次に車両が所定の運転状態となって燃料カット制
御の実行条件が成立すると、燃料カット制御手段M1が、
内燃機関E/Gの全気筒又は特定気筒への燃料供給を停止
する。すると点火装置M2に設けられた点火カット回路M3
が、この燃料カット制御による燃料供給停止気筒の点火
タイミング毎に点火コイルICの一次巻線L1に生ずるフラ
イバック電圧を抑制し、燃料供給停止気筒の点火プラグ
Pへの印加電圧を抑制する。この結果燃料カット停止気
筒の点火プラグには放電に必要な高電圧が印加されず、
点火プラグの放電が禁止される。つまり燃料カットによ
って点火プラグPの要求電圧が高くなった場合には、点
火プラグPに点火のための要求電圧を印加するのを禁止
し、プラグ破壊を防止する。
また燃料カット制御手段M1により燃料カット制御が実
行されると、故障判定手段M4が作動して、点火コイルIC
の一次巻線電圧VL1を検出し、その検出電圧VL1が所定電
圧以上であれば点火カット回路M3の故障を判定する。つ
まり点火カット回路M3が故障して、点火コイルICの一次
巻線L1に生ずるフライバック電圧を抑制できなくなる
と、点火カット回路M3がその旨を速やかに検出する。こ
の結果点火プラグPに、プラグ破壊が生ずるような高電
圧が印加されるような場合には、その旨を速やかに検出
して、点火カット回路M3の故障に伴う対応処置を的確に
とることができるようになる。
[実施例] 以下に本発明の実施例を図面と共に説明する。
まず第2図は、4気筒内燃機関2を動力源とするフロ
ントエンジン・リヤドライブ(FR)方式の車両に本発明
を適用した実施例の車両用内燃機関制御装置全体の構成
を表わす概略構成図である。
図に示す如く、内燃機関2の吸気通路2aには、その上
流から、吸入空気を浄化するエアクリーナ4、後述の加
速スリップ制御実行時にモータ6を介して開閉されるサ
ブスロットルバルブ8、車両運転者が操作するアクセル
ペダル10に連動して開閉されるスロットルバルブ12、吸
気の脈動を抑えるサージタンク14、及び内燃機関2の各
気筒に燃料を噴射供給する燃料噴射弁16が備えられ、排
気通路2bには、排気浄化のための三元触媒18が備えられ
ている。
また内燃機関2には、その運転状態を検出するための
センサとして、吸入空気の温度(吸気温)を検出する吸
気温センサ20、サブスロットルバルブ8の開度を検出す
るサブスロットル開度センサ22、スロットルバルブ12の
開度を検出するスロットル開度センサ24、サージタンク
14内の圧力(吸気圧)を検出する吸気圧センサ26、排気
中の酸素濃度から内燃機関2に供給された燃料混合気の
空燃比を検出する空燃比センサ28、冷却水温を検出する
水温センサ30、イグナイタ32により生成された点火のた
めの高電圧を各気筒の点火プラグ34に分配するディスト
リビュータ36に設けられ,内燃機関2の30℃A毎にパル
ス信号を発生する回転角センサ38、及び、同じくディス
トリビュータ36に設けられ,内燃機関2の2回転に一回
の割でパルス信号を発生する気筒判別センサ40、が備え
られている。
これら各センサの内、サブスロットル開度センサ22以
外のセンサからの検出信号は、内燃機関制御回路50に入
力される。
内燃機関制御回路50は、上記各センサからの検出信号
に基づき内燃機関2の運転状態に応じた最適な燃料噴射
量及び点火時期を算出し、その算出結果に応じて燃料噴
射弁16を駆動すると共にイグナイタ32に点火信号を出力
することにより、燃料噴射量及び点火時期を制御するた
めのもので、予め設定された制御プログラムに従って機
関制御のための各種演算処理を実行するCPU50a、CPU50a
で演算処理を実行するのに必要な制御プログラムや初期
データが予め記録されたROM50b、同じくCPU50aで演算処
理を実行するのに用いられるデータが一時的に読み書き
されるRAM50c、上記各センサからの検出信号を入力する
ための入力インターフェイス50d、CPU50aでの演算結果
に応じて燃料噴射弁16及びイグナイタ32に制御信号を出
力するための出力インターフェイス50e、これら各部を
結ぶバス50f等により、数値の論理演算回路として構成
されている。
次にサブスロットル開度センサ22からの検出信号は、
スロットル開度センサ24,吸気圧センサ26,回転角センサ
38からの検出信号と共に加速スリップ制御回路60に入力
される。また加速スリップ制御回路60には、これら内燃
機関2の運転状態を検出するセンサからの検出信号の他
に、当該車両の左右前輪(従動輪)70FL,70FRの回転速
度を検出する左右の従動輪速度センサ72FL,72FR、内燃
機関2のクランク軸2cの回転が変速機74,ディファレン
シャルギヤ76等を介して伝達される左右後輪(駆動輪)
70RL,70RRの回転速度を検出する左右の駆動輪速度セン
サ72RL,72RRからの検出信号も入力される。
加速スリップ制御回路60は、これらセンサからの検出
信号に基づき駆動輪70RL,70RRの加速スリップを検出し
て、加速スリップを抑制するための内燃機関2の制御量
(具体的にはサブスロットルバルブ8の開度と内燃機関
2の燃料カット気筒数)を算出し、その算出結果に応じ
て、モータ6を介してサブスロットルバルブ8の開度を
制御すると共に、内燃機関制御回路6に燃料カット制御
の指令信号を出力することにより内燃機関制御回路6側
で燃料カット制御を実行させる、加速スリップ制御を実
行する。尚この加速スリップ制御回路60は、内燃機関制
御回路50と同様、CPU60a,ROM60b,RAM60c,入力インタフ
ェース60d,出力インタフェース60e,バス60f等からなる
論理演算回路として構成されている。
このように内燃機関制御回路50は、加速スリップ制御
回路60からの指令によって内燃機関2の燃料カット制御
を実行するのであるが、燃料カットが実行されている気
筒(燃料カット気筒)に対して通常の点火制御を実行し
ていると、ディストリビュータ36を介して点火プラグ34
に印加されるイグナイタ32からの電圧が通常より著しく
高くなり、点火プラグ34の破損等の問題が発生する。
そこで本実施例では、内燃機関制御回路50の出力イン
タフェース50e内に燃料カット気筒の点火タイミングで
点火カット信号を出力する点火カット信号出力回路を設
けると共に、イグナイタ32内にこの点火カット信号を受
けて燃料カット気筒の点火プラグ32への印加電圧を抑制
する点火カット回路を設け、これら両回路の動作によっ
て、燃料カット気筒の点火プラグ34にプラグ破損を生ず
るような高電圧が印加されるのを防止するようにされて
いる。
ここでまず内燃機関制御回路50の出力インタフェース
50e内に設けられる点火カット信号出力回路80は、第3
図に示す如く、内燃機関2の各気筒に対応する複数(本
実施例では内燃機関2が4気筒なので4個となる)の点
火カット信号生成回路81〜84と、これら各点火カット信
号生成回路81〜84から出力される点火カット信号をイグ
ナイタ32に出力するためのオア回路ORと、により構成さ
れている。尚各点火カット信号生成回路81〜84には、燃
料カット実行時に後述の処理によって各気筒の燃料噴射
量設定タイミングでCPU50aから出力される気筒毎の燃料
カット信号が各々入力されると共に、回転角センサ38か
ら内燃機関2の30℃A毎に出力される30℃A信号が入力
される。
次に各点火カット信号生成回路81〜84は、第4図に示
す如く構成されている。図に示す如く、各点火カット信
号生成回路81〜84では、燃料カット信号がフリップフロ
ップ回路FF1のセット端子Sに反転入力され、このフリ
ップフロップFF1の出力信号と30℃A信号とがアンド回
路ANDに入力される。またアンド回路ANDからの出力信号
はバイナリカウンタCNTのクロック端子CLOCKに入力され
る。次にバイナリカウンタCNTのカウント値はコンパレ
ータCMP1及びCMP2に夫々入力され、予め設定された基準
値と大小比較されるう。そしてこれら各コンパレータCP
M1及びCMP2からの出力信号は、夫々、フリップフロップ
回路FF2のセット端子S及びリセット端子Rに入力され
る。またコンパレータCMP2からの出力信号は、フリップ
フロップFF1のリセット端子Rにそのまま入力されると
共に、バイナリカウンタCNTのリセット端子Rに反転入
力される。
このように構成された各点火カット信号生成回路81〜
84では、第5図に示す如く、対応する気筒の燃料噴射量
設定タイミングで当該気筒が燃料カット中である旨を表
す燃料カット信号が入力されると、その立下がり時点t1
で、フリップフロップ回路FF1の出力端子QがHighレベ
ルとなる。このフリップフロップ回路FF1からの出力パ
ルスは、30℃A信号と共にアンド回路ANDに入力され、
アンド回路ANDからの出力がバイナリカウンタCNTのクロ
ック端子CLOCKに入力されるため、バイナリカウンタCNT
のクロック端子CLOCKには、時点t1からフリップフロッ
プ回路FF1がリセットされるまでの間、30℃A信号が入
力される。従ってバイナリカウンタCNTは、時点t1で30
℃A信号をカウントし始めることとなり、バイナリカウ
ンタCNTのカウント値は、燃料カット信号入力後の内燃
機関2の回転角度を表わす値となる。
次にこのバイナリカウンタCNTからの出力は、コンパ
レータCMP1及びCMP2にて予め設定された基準値と夫々大
小比較される。コンパレータCM1及びCM2は、バイナリカ
ウンタCNTのカウント結果に基づき、点火カット信号の
出力開始タイミング及び出力終了タイミングを夫々検出
するためのもので、これら各コンパレータCM1及びCM2の
基準値には、各タイミングに対応したカウント値が設定
されている。このためコンパレータCM1及びCM2からは、
点火カット信号の出力開始タイミング及び出力終了タイ
ミングを表すパルス信号が出力される。そしてこれら各
信号がセット端子S及びリセット端子Rに夫々入力され
るフリップフロップ回路FF2からは、出力開始タイミン
グから出力終了タイミングまでの間Highレベルとなるパ
ルス信号が出力され、このパルス信号が、当該気筒に対
する点火カット信号として、前述のオア回路ORに入力さ
れる。尚、上記各コンパレータCM1及びCM2は、点火カッ
ト信号の出力開始タイミング及び出力終了タイミングを
検出するためのものであるが、各基準値には、点火時期
制御によって内燃機関制御回路6から当該気筒の点火の
ために出力される点火信号(図に示すS)の前後所定期
間の間点火カット信号を出力できるように、燃料カット
信号入力後の30℃A信号のカウント値が設定されてい
る。
次にコンパレータCMP2からの出力パルスはフリップフ
ロップFF1のリセット端子に入力されるため、フリップ
フロップFF1の出力端子Qは、フリップフロップFF1で点
火カット信号の出力終了タイミングが検出された時点t3
でLowレベルとなり、この時点t3でバイナリカウンタCNT
への30℃A信号の入力、即ちバイナリカウンタCNTのカ
ウント動作が停止される。
またコンパレータCMP2からの出力パルスはバイナリカ
ウンタCNTのリセット端子Rに反転入力されるため、バ
イナリカウンタCNTは、コンパレータCMP2の出力パルス
の立下がり時点t4でリセットされ、次に燃料カット信号
が入力されたときのカウント動作のために初期化され
る。
このように各点火カット信号生成回路81〜84では、対
応する気筒が燃料カット中である旨を表す燃料カット信
号が入力されると、その後当該気筒の点火のために出力
される点火信号と同期して、その点火信号より大きいパ
ルス幅の点火カット信号が生成され、点火カット信号出
力回路80からは、この生成された各気筒毎の点火カット
信号がオア回路ORを介して出力される。
次に上記点火カット信号出力回路80からの点火カット
信号を受けて、燃料カット気筒の点火プラグ34への印加
電圧を抑制する点火カット回路90を備えたイグナイタ32
は、第6図に示す如く構成されている。
周知のようにイグナイタ32には、内燃機関制御回路50
から出力される点火信号によって点火コイル92の一次巻
線92aを通電する点火回路94が備えられ、通電後一次巻
線92aに生ずるフライバック電圧によって点火コイル92
の二次巻線92bに発生した高電圧を、ディストリビュー
タ36を介して各気筒の点火プラグ34に印加することによ
り、点火プラグ34を放電させるようにされている。そこ
で本実施例の点火カット回路90は、点火回路94の作動に
よって点火コイル92の一次巻線92aに生ずるフライバッ
ク電圧を抑制することにより、燃料カット気筒の点火プ
ラグ34への印加電圧を抑えて、点火プラグ34の放電を禁
止するようにされている。即ち点火カット回路90は、一
端が点火回路94から点火コイル92の一次巻線92aまでの
信号線路に接続された抵抗器Rと、点火カット信号出力
回路80からの点火カット信号によりON状態となって抵抗
器Rの他端を接地するトランジスタTr1と、から構成さ
れている。
このような点火カット回路90を備えた本実施例のイグ
ナイタ32においては、点火カット回路90に点火カット信
号が入力されていない場合には、点火回路94からの点火
信号によって点火コイル92の通電制御が従来通りなさ
れ、点火コイル92の二次巻線92bに生ずる高電圧により
点火プラグ34が放電される。
即ち、第7図に実線で示す如く、イグナイタ32に点火
信号が入力されると、点火回路94が作動して点火コイル
92の一次巻線92aを通電し、点火コイル92の一次巻線電
流I1が除々に増大する。次に点火信号が入力されなくな
ると、点火回路94が作動を停止して点火コイル92の一次
巻線電流I1が遮断されるが、通電によって点火コイル92
に蓄えられた磁気エネルギによって一次巻線92aに大き
なフライバック電圧が発生し、一次巻線電圧V1が上昇す
る。すると点火コイル92の二次巻線92bには一次巻線電
圧V1によって高電圧が誘起され、この誘起された二次巻
線電圧V2が点火プラグ34の要求電圧V20FFに達して、点
火プラグ34が放電される。
ところが点火カット回路90に点火カット信号が入力さ
れている場合には、トランジスタTr1がオン状態となっ
て点火コイル92の一次巻線92aは抵抗器Rを介して接地
されるため、第7図に一点鎖線で示す如く、一次巻線92
aに生ずるフライバック電圧が抑制される。このため、
点火カット信号入力時には、点火コイルの二次巻線電圧
V2が燃料カット時の要求電圧V2F/Cに達することはな
く、点火プラグ34の放電が禁止される。
ところで点火カット回路90が正常に作動している場合
には、上記のように点火コイル92の一次巻線電圧V1を抑
制して、点火プラグ34に放電のための高電圧(要求電圧
V2F/C)が印加されるのを防止することができるのであ
るが、点火カット回路90が故障して、点火カット信号に
よって一次巻線電圧V1を抑制することができなくなる
と、第7図に点線で示す如く、点火コイル92の一次巻線
電圧V1は、二次巻線電圧V2が点火プラグ34の要求電圧V2
F/Cに達するまで上昇する。つまり、点火カット回路90
が故障すると、点火コイル92の一次巻線電圧V1は点火プ
ラグ34が放電するまで上昇するので、点火プラグ34には
耐圧以上の高電圧が印加されることとなり、場合によっ
てはプラグ破壊を生ずることがある。
そこで本実施例のイグナイタ32には、点火カット回路
90の故障を検出する故障検出回路96が設けられている。
故障検出回路96は、点火コイル92の一次巻線電圧V1が所
定電圧V10以上となったときに点火カット回路90の故障
を表す信号(故障信号)を出力するコンパレータにより
構成されている。つまり第7図に示す如く、内燃機関2
の通常運転時には一次巻線電圧V1は点火プラグ34の要求
電圧V10FFに対応した電圧V10FFまで上昇し、燃料カット
実行時に点火カット回路90が故障している時には一次巻
線電圧V1は点火プラグの要求電圧V2F/Cに対応した電圧V
1F/Cまで上昇するので、これら両電圧V10FF−V1FF/C間
の任意の値を比較基準値V10とし、一次巻線電圧V1がこ
の電圧V10以上となった場合には、点火カット回路90の
故障を表す故障信号を出力するようにされているのであ
る。尚この故障信号は、加速スリップ制御回路60に入力
される。
次に加速スリップ制御回路60において加速スリップの
検出及びこの検出結果に応じた内燃機関2の制御量の算
出を行なうために実行される加速スリップ制御処理につ
いて第8図に示すフローチャートに沿って説明する。
この加速スリップ制御処理は、加速スリップ制御回路
60にて所定時間毎の割込処理として実行される処理で、
処理が開始されるとまずステップ110を実行して、駆動
輪速度センサ72RL,72RR及び従動輪速度センサ72FL,72FR
からの検出信号に基づき、駆動輪速度VR及び車体速度VF
を夫々算出する。尚駆動輪速度VRは、左右の駆動輪速度
センサ72RL,72RRからの検出信号に基づき左右駆動輪70R
L,70RRの回転速度VRL及びVRRを夫々求め、そのいずれ
か大きい方を選択することにより設定され、また車体速
度VFは、左右の従動輪速度センサ72FL,72FRからの検出
信号に基づき左右従動輪70FL,70FRの回転速度VFL,VFR
を求め、そのいずれか大きい方を選択することにより設
定される。
次にステップ120では、ステップ110で求めた車体速度
VFと予め設定された目標スリップ率(本実施例では0.
1)とを乗ずることで、駆動輪70RL,70RRの目標スリップ
量V0を算出する。また続くステップ130では、車体速度V
Fと駆動輪速度VRとの差(=VR−VF)をとることにより
駆動輪70RL,70RRの実スリップ量Vjを算出し、続くステ
ップ140に移行して、この実スリップ量Vjとステップ120
で求めた目標スリップ量V0との偏差ΔVを算出する。
次に続くステップ150では、後述の処理で加速スリッ
プ制御開始時にセットされる制御実行フラグFSがリセッ
ト状態であるか否かを判断し、制御実行フラグFSがリセ
ット状態であれば,即ち現在加速スリップ制御が実行さ
れていなければ,続くステップ160に移行して、目標ス
リップ量V0と実スリップ量Vjとの偏差ΔV(=Vj−Vo)
が正の値となっているか否かによって、駆動輪70RL,70R
Rに加速スリップが発生したか否かを判断する。そして
ΔV>0であれば駆動輪70RL,70RRに加速スリップが発
生したと判断し、続くステップ170に移行して、制御実
行フラグFSをセットし、逆にΔV≦0であれば、駆動輪
70RL,70RRには加速スリップが発生していないと判断し
て、後述のステップ410に移行する。
ステップ170で制御実行フラグFSがセットされた場
合、或はステップ150で制御実行フラグFSが既にセット
されていると判断された場合には、続くステップ180に
移行して、左右駆動輪速度センサ72RL,72RRからの検出
信号に基づき左右駆動輪70RL,70RRの平均速度VR0を算出
すると共に、回転角センサ38及び吸気圧センサ26からの
検出信号に基づき内燃機関2の回転速度NE及び吸気圧PM
を算出する。そして続くステップ190では、ステップ180
で求めた内燃機関2の回転速度NEと駆動輪の平均速度VR
0とに基づき、内燃機関2から駆動輪までの動力伝達系
における変速比γ(=NE/VR0)を算出し、続くステップ
200に移行する。
ステップ200では、この算出された変速比γと内燃機
関2の回転速度NEとに基づき、次ステップ210以降の処
理で内燃機関2の目標トルクを算出するための積分定数
GI及び比例定数GPを算出する。尚この積分定数GI及び比
例定数GPの算出には、内燃機関2の回転速度NEと変速比
γとをパラメータとして予め設定されたマップが使用さ
れ、内燃機関2の回転速度NEが高く、変速比γが大きい
ほど、積分定数GI及び比例定数GPを大きい値に設定する
ようにされている。
即ち、車両駆動系のイナーシャは変速比γの二乗に反
比例し、変速比γが大きい程内燃機関2から駆動輪まで
の加速スリップ制御系の応答性が高くなり、また内燃機
関2の出力トルクは内燃機関2の回転速度NEに応じて変
化し、内燃機関2の回転速度NEが高い程加速スリップ制
御系の応答性が高くなるので、本実施例ではこうした加
速スリップ制御系の応答速度に応じて、制御定数,即ち
積分定数GI及び比例定数GPを設定することで、制御がハ
ンチングせず最適な応答性で加速スリップ制御のための
内燃機関2のトルク制御を実行できるようにしているの
である。
このようにステップ200にて積分定数GI及び比例定数G
Pが設定されると、続くステップ210に移行し、この設定
された積分定数GIと、ステップ140で求めた目標スリッ
プ量V0と実スリップ量Vjとの偏差ΔVと、現在の目標駆
動輪トルク積分項TSIとから、次式(1)を用いて目標
駆動輪トルク積分項TSIを更新する。
TSI=TSI−GI・ΔV …(1) また次にステップ220では、ステップ200で設定された
比例定数GPと、ステップ140で求めた目標スリップ量V0
と実スリップ量Vjとの偏差ΔVとから、次式(2)を用
いて目標駆動輪トルク比例項TSPを算出する。
TSP=−GP・ΔV …(2) そして続くステップ230では、ステップ210及びステッ
プ220で求めた目標駆動輪トルク積分項TSIと目標駆動輪
トルク比例項TSPとを加算することで、制御目標となる
目標駆動輪トルクTSを決定し、ステップ240に移行す
る。
ステップ240では、上記求めた目標駆動輪トルクTSを
ステップ200で求めた変速比γで除算することにより、
駆動輪の回転トルクを目標駆動輪トルクTSに制御するの
に必要な内燃機関2の出力トルクを目標エンジントルク
TEとして算出する。そして続くステップ250では、この
算出された目標エンジントルクTEと内燃機関の回転速度
NEとに基づき、内燃機関2の出力トルクを目標エンジン
トルクに制御するためのサブスロットルバルブ8の開度
(目標スロットル開度)θTを算出する。
また次にステップ260では、内燃機関2の回転速度NE
と吸気管圧力PMとに基づき、予め設定されたマップを用
いて、内燃機関2の全気筒に燃料噴射を行った場合の内
燃機関2の出力トルクを最大エンジントルクTMAXとして
算出し、続くステップ270に移行して、この最大エンジ
ントルクTMAXと目標エンジントルクTEとから、次式
(3)を用いて、内燃機関2の出力トルクを目標エンジ
ントルクTEに制御するために燃料供給を停止すべき気筒
数(以下、気筒カット数という)NCを算出する。
NC=KC−INT{KC・TE/TMAX} …(3) 尚上式(3)において、KCは内燃機関2の気筒数を表
し、INTは{ }内の計算値の小数点以下を切り捨てた
整数を表している。
このように加速スリップ制御のための気筒カット数NC
が算出されると、続くステップ280に移行して、この算
出された気筒カット数NCが0より大きいか否か,即ち燃
料カット制御を実行するか否かを判断する。そしてNC>
0で、燃料カット制御を実行する場合には、ステップ29
0にて、イグナイタ32に設けられた故障検出回路96から
の信号に基づき点火カット回路90が故障しているか否か
を判断し、点火カット回路90が故障している場合には、
ステップ300に移行して気筒カット数NCを値0に変更
し、ステップ310に移行する。
ステップ310では、内燃機関2の回転速度NEに基づ
き、第9図に示す如きマップを用いてサブスロットルバ
ルブ8の開度の上限値θFを算出し、続くステップ320
に移行して、ステップ250で求めた目標スロットル開度
θTがこの上限値θF以上であるか否かを判断する。そ
してθT≧θFである場合には、ステップ330にて、目
標スロットル開度θTを上限値θFに変更し、ステップ
340に移行する。尚第9図に一点鎖線で示すθmaxは、サ
ブスロットルバルブ8の最大開度を表している。
ステップ340は、ステップ230にて気筒カット数NCが0
であると判断された場合、ステップ290にて点火カット
回路90が正常に動作していると判断された場合、或はス
テップ320にて目標スロットル開度θTが上限値θFよ
り小さいと判断された場合にも実行され、サブスロット
ルバルブ8の開度が目標スロットル開度θTとなるよう
にモータ6を駆動する。
このようにステップ340にて、サブスロットル開度が
目標スロットル開度θTに制御されると、続くステップ
350に移行し、今度は気筒カット数NCを内燃機関2の制
御量データとして内燃機関制御回路50に出力する。尚こ
のように気筒カット数データを出力すると、内燃機関制
御回路50側では、後述の制御量算出処理及びクランク角
割込処理により、このデータに応じた気筒数NCで燃料カ
ット制御を行ない、内燃機関2の出力トルクを抑制す
る。
次に続くステップ360では、ステップ140で求めた目標
スリップ量Voと実スリップ量Vjとの偏差ΔVが0以下で
あるか否か、即ち加速スリップが抑制されているか否か
を判断する。そしてΔV>0であれば、加速スリップが
続いているのでそのまま処理を一旦終了し、ΔV≦0で
あれば、続くステップ370に移行して、ΔV≦0の状態
を計時するためのカウンタC1をインクリメントし、続く
ステップ380に移行する。
ステップ380では、上記カウンタC1の値が所定値C0
越えたか否か,即ちΔV≦0の状態が所定時間以上経過
したか否かを判断する。ステップ380で否定判断される
と、そのまま処理を一旦終了し、そうでなければ、もは
や駆動輪70RL,70RRに加速スリップが発生することはな
いと判断して、ステップ390にてサブスロットルバルブ
8を全開状態にすべくモータ6を駆動し、続くステップ
400にて内燃機関制御回路50への気筒カット数データの
出力を停止する。そして続くステップ410〜ステップ430
では、次回の加速スリップ制御のために、カウンタC1,
制御実行フラグFS,及び目標トルク積分項TSIを初期設定
する初期化の処理を夫々実行し、処理を一旦終了する。
尚この初期化の処理は、ステップ410でカウンタC1の
値に0をセットし、ステップ420で制御実行フラグFSを
リセットし、ステップ430で目標トルク積分項TSIに初期
値TSI0をセットする、といった手順で実行される。また
この初期化の処理は、ステップ160において、偏差ΔV
が0以下で、駆動輪70RL,70RRに加速スリップは発生し
ていないと判断された場合にも実行される。
次に上記のように加速スリップ制御回路60から出力さ
れる気筒カット数データを受けて燃料カット制御を実行
する内燃機関制御回路50にて実行される機関制御のため
の制御量算出処理及びクランク角割込処理について、第
10図及び第11図に示すフローチャートに沿って説明す
る。
まず第10図は、内燃機関制御回路50において、内燃機
関2の燃料噴射制御及び点火時期制御を行なうための内
燃機関2の制御量,即ち燃料噴射量及び点火時期,を算
出するために実行される制御量算出処理を表している。
この制御量算出処理は、内燃機関制御回路50にて内燃機
関2の始動後繰り返し実行される処理で、処理が開始さ
れると、まずステップ510にて、内燃機関2の回転速度N
Eと吸気管圧力PMとに基づき、予め設定されたマップを
用いて基本燃料噴射量τoを算出し、続くステップ520
にて、吸気温センサ20,空燃比センサ28,水温センサ30等
からの検出信号に基づき、燃料噴射量の暖機補正、空燃
比補正等を行なうための周知の各種燃料補正係数Kτを
算出し、続くステップ530にて、この算出された各種燃
料補正係数Kτと基本燃料噴射量τoとを乗算する、と
いった手順で燃料噴射弁16からの燃料噴射量τを算出す
る。
このように燃料噴射量τが算出されると、今度はステ
ップ540に移行して、加速スリップ制御回路60からの気
筒カット数データが入力されているか否かを判断する。
そして気筒カット数データが入力されていれば、続くス
テップ550に移行して、この入力データNCに基づき燃料
カット制御を行なうべき気筒を設定した後、ステップ56
0に移行し、気筒カット数データが入力されていなけれ
ばそのままステップ560に移行する。
ステップ560では、内燃機関2の回転速度NEと吸気管
圧力PMとに基づき、予め設定されたマップを用いて基本
点火時期θoを算出する。そして続くステップ570で
は、吸気温センサ20,水温センサ30等からの検出信号に
基づき、点火時期の暖機補正等を行なうための周知の各
種点火補正量θxを算出し、続くステップ580に移行し
て、この算出された各種点火補正量θxをステップ570
で算出した基本点火時期θoに加算することにより内燃
機関2の点火時期θを決定し、再度ステップ510に移行
する。
次に第11図は、内燃機関制御回路50において、回転角
センサ38からの検出信号に基づき内燃機関2の所定回転
角度毎に実行されるクランク角割込処理を表わしてい
る。この処理は制御量算出処理で算出された内燃機関2
の制御量,即ち燃料噴射量τ及び点火時期θに基づき、
出力インタフェース50e内の図示しないタイマ回路に、
各気筒の燃料噴射弁16の開・閉弁時刻をセットすると共
に、イグナイタ32への点火信号の出力開始及び停止時刻
をセットし、図示しない駆動回路を介して燃料噴射弁16
及びイグナイタ32を実際に駆動させるための処理であ
る。
図に示す如くこのクランク角割込処理が開始される
と、まずステップ610を実行して、現在燃料噴射量の設
定タイミングであるか否かを判断し、現在燃料噴射量の
設定タイミングであれば、続くステップ620に移行し
て、現在燃料噴射量の設定タイミングとなっている気筒
が前述のステップ550にて設定された燃料カット気筒で
あるか否かを判断する。そしてこのステップ620で、現
在燃料噴射量の設定タイミングとなっている気筒が燃料
カット気筒ではないと判断されると、ステップ630に移
行して、制御量算出処理で算出された燃料噴射量τに基
づき、特定気筒の燃料噴射弁16の開・閉弁時刻をセット
し、ステップ650に移行する。
一方ステップ620で現在燃料噴射量の設定タイミング
となっている気筒が燃料カット気筒であると判断される
と、ステップ640に移行する。そしてステップ640では、
現在燃料噴射量の設定タイミングとなっている気筒が燃
料カット中である旨を表す燃料カット信号を気筒毎に出
力し、続くステップ650に移行する。
次にステップ650では、現在点火時期の設定タイミン
グであるか否かを判断する。そして現在点火時期の設定
タイミングであれば、続くステップ660に移行して、制
御量算出処理で算出された点火時期θに基づき、イグナ
イタ32への点火信号の出力開始及び停止時刻をセット
し、当該処理を一旦終了する。
以上詳述したように、本実施例では、加速スリップ制
御回路60において、加速スリップ制御のために燃料カッ
トを行なう気筒数が算出され、その気筒数を表す気筒カ
ット数データが内燃機関制御回路50に入力されると、内
燃機関制御回路50は、その気筒カット数データに応じて
燃料カット気筒を設定し、燃料カット気筒の燃料噴射量
設定タイミングで、燃料噴射量τを設定するのを中止し
て、燃料カット気筒への燃料供給を禁止する。また内燃
機関制御回路50においては、燃料カット気筒の燃料噴射
量設定タイミングでCPU50aが燃料カット信号を出力し、
出力インタフェース50eに設けられた点火カット信号出
力回路80が、この燃料カット信号を受けて、燃料カット
気筒の次の点火タイミングと同期したタイミングで点火
カット信号を出力するため、イグナイタ32に設けられた
点火カット回路90が作動して、燃料カット気筒の点火タ
イミングで点火コイル92の一次巻線92aに発生するフラ
イバック電圧を抑制し、燃料カット気筒の点火プラグ34
に高電圧が印加されるのを防止する。
またこの燃料カット制御実行時に、点火カット回路90
が故障している場合には、点火カット回路90の作動によ
って点火コイル92の一次巻線電圧V1を抑制できず、点火
プラグ34にプラグ破壊を生ずるような高電圧が印加され
るようになるが、こうした異常はイグナイタ32内に設け
られた故障検出回路96によって速やかに検出され、その
旨を表す故障信号が加速スリップ制御回路60に入力され
る。すると加速スリップ制御回路60では、ステップ300
の処理により、燃料カット気筒数NCを値0に変更して、
内燃機関制御回路50側で燃料カット制御が実行されるの
を禁止する。
このため本実施例によれば、燃料カット気筒の点火プ
ラグ34に耐圧以上の高電圧が印加されるのを防止できる
だけでなく、点火カット回路90の故障時に点火プラグ34
に耐圧以上の高電圧が印加されるのも防止でき、点火プ
ラグ34を常に保護することが可能となる。
また加速スリップ制御回路60では、点火カット回路90
の故障時に加速スリップ制御のための燃料カットを禁止
した際には、ステップ310〜ステップ330の処理により、
サブスロットルバルブ8の開度の上限値θFを内燃機関
2の回転速度NEに基づき算出し、目標スロットル開度θ
Sがこの上限値θFを越えないようにしている。このた
め燃料カットの禁止によって内燃機関2の出力トルクが
大きくなり過ぎ、加速スリップ制御の制御性が低下する
のを防止することもできる。
ここで上記実施例では、加速スリップ制御のために燃
料カット制御を行なう内燃機関の制御装置について説明
したが、例えば安全性を確保するため、車速が所定速度
以上となったときに燃料カット制御を行なう装置、或は
車両の減速運転時等に燃費向上のために燃料カット制御
を行なう装置であっても、本発明を適用して、点火プラ
グを保護することができるのは勿論である。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明の車両用内燃機関の制御装
置によれば、点火カット回路によって、燃料供給停止気
筒の点火プラグにプラグ破壊を生ずるような高電圧が印
加されるのを防止して、点火プラグを保護することがで
きると共に、点火カット回路が故障して点火プラグに高
電圧が印加されるようになった場合には、故障判定手段
によってその旨を速やかに検出して、点火カット回路の
故障に伴う対応処置を的確にとることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を表わすブロック図、第2図は実
施例の車両用内燃機関制御装置全体の構成を表わす概略
構成図、第3図は内燃機関制御回路の出力インタフェー
ス内に設けられた点火カット信号出力回路の構成を表す
電気回路図、第4図は点火カット信号出力回路内に内燃
機関の各気筒毎に設けられた点火カット信号生成回路の
構成を表わす電気回路図、第5図は点火カット信号生成
回路の動作を説明するタイムチャート、第6図はイグナ
イタ32の構成を表す電気回路図、第7図はイグナイタ32
に備えられた点火カット回路の作動を説明するタイムチ
ャート、第8図は加速スリップ制御回路で実行される加
速スリップ制御処理を表すフローチャート、第9図は加
速スリップ制御処理においてサブスロットルバルブの開
度の上限値θFを算出するのに使用されるマップを表す
線図、第10図は内燃機関制御回路で実行される制御量算
出処理を表わすフローチャート、第11図は同じくクラン
ク角割込処理を表わすフローチャート、である。 M1……点燃料カット制御手段、M2……点火装置 M3……点火カット回路、M4……故障判定手段 E/G,2……内燃機関、IC,92……点火コイル L1,92a……一次巻線、L2,92b……二次巻線 32……イグナイタ、50……内燃機関制御回路 60……加速スリップ制御回路 80……点火カット信号出力回路 81〜84……点火カット信号生成回路 90……点火カット回路、94……点火回路 96……故障検出回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 43/00 301 F02D 43/00 301A 301H F02P 11/00 F02P 11/00 B 11/06 11/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の所定の運転条件下で内燃機関の全気
    筒又は特定気筒への燃料供給を停止する燃料カット制御
    を行なう燃料カット制御手段と、 内燃機関の回転に同期した所定の点火タイミングで点火
    コイルの一次巻線を所定期間通電し、通電後、該一次巻
    線に生ずるフライバック電圧により点火コイルの二次巻
    線に発生する高電圧を、各気筒の点火プラグに印加する
    点火装置と、 該点火装置に設けられ、上記燃料カット制御による燃料
    供給停止気筒の点火タイミング毎に上記点火コイルの一
    次巻線に生ずるフライバック電圧を抑制し、燃料供給停
    止気筒の点火プラグへの印加電圧を抑制する点火カット
    回路と、 上記燃料カット制御実行時に、上記点火コイルの一次巻
    線電圧を検出し、該電圧が所定電圧以上である場合に、
    上記点火カット回路の故障を判定する故障判定手段と、 を備えたことを特徴とする車両用内燃機関の制御装置。
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