JP3170924B2 - 反応染料組成物およびそれを用いて染色または捺染する方法 - Google Patents
反応染料組成物およびそれを用いて染色または捺染する方法Info
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Description
液に対して優れた溶解性および安定性を有する反応染料
組成物およびそれを用いて繊維材料、特にセルロース系
繊維材料またはセルロース系繊維を含有する繊維材料を
均一に染色または捺染する方法に関する。
などの染色および捺染に多用されている。また、それら
の繊維材料を染色または捺染する方法としては、吸尽染
色法、一浴パジング法、コールドバッチアップ法または
一相捺染法などの種々の方法が行われている。これらの
方法によって斑のない均一な染色および捺染を達成する
ためには、染料溶液、パジング液および捺染色糊の調整
にあたって、十分な溶解性を有し、また染料の析出ある
いはゲル化などがない安定性の良好な反応染料が必要と
されている。例えば、コールドパッチアップ染色では、
パジング液の調整にあたっては、苛性ソーダ、炭酸ソー
ダ、第三燐酸ソーダ、硅酸ソーダなどのアルカリを含む
水溶液が用いられているが、パジング中に染色浴の中で
染料が析出あるいはゲル化などの性状変化を起こさずに
染色が完了できることが好ましい。また近年の染色工場
の自動化に伴い、染料を計量の容易な水溶液の状態にし
て貯蔵しているが、この場合、反応染料を用いてセルロ
ース系繊維などを濃色に染色または捺染するためには、
貯蔵している染料水溶液が可能な限り高い染料濃度であ
ることが望ましく、このため反応染料には高い溶解度が
要求されている。さらには染料水溶液が0.1重量%以
下の比較的希薄な染料濃度から50重量%以上の高い染
料濃度のいずれの濃度においても長期間の貯蔵中、特に
寒冷条件においても染料が析出あるいはゲル化などの性
状変化を起こさずに安定であることが望ましい。このよ
うなことから、アントラキノン系染料の場合、特開昭5
5−107582号公報、特開昭60−108472号
公報などで溶解性の改良方法が提案されている。
れている特定のアントラキノン系反応染料を用いて染色
または捺染をする場合には、それらの反応染料の水また
は水性アルカリ液に対する溶解性がまだ不十分であり、
また溶液の安定性も十分ではないなどの問題があり、溶
解性が良好であり、かつ溶液の安定性の良好な染料を開
発する技術が強く要望されている。
水性アルカリ液に対して優れた溶解性を有し、また、水
溶液状態にした場合の貯蔵中や染色または捺染の途中に
染料の析出などがない安定な染料溶液が得られ、染色ま
たは捺染において均一で濃い染色物または捺染物が得ら
れる特定のアントラキノン系反応染料組成物を得る目的
で鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
(I)
び遊離酸の形で式(II)
んでなることを特徴とする反応染料組成物およびそれを
用いてセルロース系繊維材料またはセルロース系繊維材
料を含有する繊維材料を染色または捺染する方法を提供
する。
トラキノン系反応染料はすでに特公昭35−10632
号公報で公知である。
で示されるアントラキノン系反応染料は、遊離酸の形で
またはその塩の形で存在し、特に、アルカリ金属塩およ
びアルカリ土類金属塩、さらにはナトリウム塩、カリウ
ム塩、リチウム塩が好ましい。
トラキノン系反応染料と式(II)で示されるアントラ
キノン系反応染料との混合重量比は99:1〜1:99
が好ましく、更に好ましくは90:10〜10:90で
ある。
される染料および式(II)で示される染料および必要
に応じて食塩や無水芒硝などの無機塩、アルキル化され
ていてもよいナフタレンスルホン酸のホルムアルデヒド
縮合物などの分散剤、ε−カプロラクタム、ポリオキシ
エチレン誘導体、ナフタレン誘導体、アントラキノン誘
導体などの溶解向上剤、粉塵飛散防止剤、燐酸塩類、酢
酸塩類などのpH安定剤、ポリ燐酸塩などの硬水軟化
剤、消泡剤、水、その他、公知の染色助剤などを公知の
方法で混合することによって得ることができる。混合は
特に限定されるものではなく、染色に用いられる前に予
め行ってもよいし、また染色時に混合しても、さらには
反応染料の製造時に行っても差し支えない。ε−カプロ
ラクタムなどの溶解向上剤を用いる場合、その使用量は
染料混合物に対して30重量%以下が好ましく、さらに
は20重量%以下が好ましい。
得るために、必要に応じて、他の染料と混合して使用す
ることができる。また、混合して使用する染料として
は、特に制約はなく、公知の反応染料を用いることがで
きるが、好ましくは反応基としてスルファトエチルスル
ホン基、ビニルスルホン基、モノクロロトリアジン基、
モノフルオロトリアジン基、ジクロロトリアジン基、モ
ノピリジニオ(ヒドロキシカルボニルまたはアミノカル
ボニル置換を含む)トリアジン基、ジフルオロモノクロ
ロピリミジン基、または、トリクロロピリミジン基の少
なくとも1種を少なくとも1つ以上を有する染料、ある
いは、Sumifix 、Sumifix Supra 、Remazol 、Levafix
、Procion 、Cibacron、Basilen 、Drimarene 、Kayac
ion、Kayacelon React などの冠称名で市販されている
染料が好ましい。
いて特に限定されるものではなく公知の形態でよく、粉
末状であっても顆粒状であっても、また、液体状であっ
ても差し支えない。本発明の反応染料組成物が水性液体
組成物の時、染料混合物の含有量は水性液体組成物に対
して、通常5〜50重量%である。この場合、無機塩の
含有量は水性液体組成物に対して30重量%以下が好ま
しく、より好ましくは20重量%以下、さらに好ましく
は10重量%以下である。
としては、特に限定されるものではないが、木綿、リネ
ン、麻、ジュート、ラミー繊維、ビスコース人絹、ベン
ベルグなどの天然あるいは再生セルロース繊維が例示さ
れる。また、セルロース系繊維を含有する繊維材料とし
ては、木綿/ポリエステル混紡品、木綿/ナイロン混紡
品、木綿/羊毛混紡品などが例示される。
しては、公知の方法でよいが、吸尽染色方法では、無水
芒硝や食塩などの公知の無機中性塩および、炭酸ソー
ダ、重炭酸ソーダ、苛性ソーダ、苛性カリ、第三燐酸ソ
ーダあるいは市販されている合成アルカリ剤などの公知
の酸結合剤を単独に、あるいは併用して染色する方法が
例示されるが、染色助剤としてはこれらに限定されな
い。この際に用いる無機中性塩や酸結合剤の使用量につ
いても制約はないが、少なくとも1g/L以上が好まし
く、また、200g/L以上用いてもよい。また、これ
らの無機中性塩や酸結合剤の染浴への投入は一度に行っ
てもよいし、また、常法により分割して投入してもよ
い。また、その他、均染剤、緩染剤、浴中柔軟剤などの
染色助剤を公知の方法で併用してもよいが、染色助剤と
しては特にこれらのものに限定されない。また、染色温
度は通常30〜95℃であるが、特に好ましくは60〜
95℃である。コールドバッチアップ染色法では、無水
芒硝や食塩などの公知の無機中性塩および、苛性ソーダ
や硅酸ソーダなどの公知の酸結合剤を用いてパジング
後、密閉包装材料中に一定温度で放置して染色する方法
が例示される。連続染色法では、炭酸ソーダや重炭酸ソ
ーダなどの公知の酸結合剤を染料パジング液に混合し、
公知の方法でパジング後、乾熱または蒸熱により染色す
る一浴パジング法、および、染料パジング後、無水芒硝
や食塩などの公知の無機中性塩および、苛性ソーダや硅
酸ソーダなどの公知の酸結合剤をパジングし、公知の方
法で乾熱または蒸熱により染色する二浴パジング法など
が例示される。捺染法では、重炭酸ソ−ダなどの公知の
酸結合剤を含む捺染ぺ−ストを印捺後、乾熱または蒸熱
により捺染する一相捺染法および、捺染ぺ−ストを印捺
後、食塩などの無機中性塩および苛性ソ−ダや硅酸ソ−
ダなどの公知の酸結合剤を含む80℃以上の高温溶液中
に投入して捺染する二相捺染法などが例示される。本発
明において採用される染色および捺染方法としてはこれ
らのほかに、インクジェット方式による方法なども挙げ
ることができ、何んら制限されるものではない。
性アルカリ液に対して優れた溶解性を有し、さらに5重
量%以下であって、たとえば0.1重量%以下の希薄な
染料濃度から50重量%以上の高い染料濃度のいずれの
濃度水溶液の状態においても長期間にわたり安定性の良
好な反応染料組成物が得られ、染色または捺染において
均一で濃い染色物または捺染物が得られる。
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、例中、部および%はそれぞれ重量部および重
量%を意味する。
(2)
させた後、25℃に冷却し、さらに水を加えて全量を2
5℃で1Lに調整した。得られた染料溶液は結晶析出な
どのない澄んだ溶液であった。 (b) さらにこの染料溶液は−5℃で3カ月間保存後
も染料の析出およびゲル化がなく安定であった。 (c) 上で得られた染料組成物100gを熱湯で溶解
させた後、25℃に冷却した。この染料溶液にアルギン
酸ソーダ1g、メタニトロベンゼンスルホン酸ソーダ1
0gおよび炭酸ソーダ10gを添加し、さらに水を加え
て全量を25℃で1Lとした直後にこの液をパジング液
として用いて木綿織物をパジングした。パジングした木
綿織物を120℃で2分間乾燥し、次いで100℃で1
0分間スチーミングし染料を固着させた。得られた染色
物を常法で洗浄して未固着染料を取り除き、その後乾燥
して仕上げた。得られた染色物は斑のない均一で鮮明な
濃い青色であった。 (d) (c)項で得た染料溶液を25℃で放置したと
ころ、8時間後も染料溶液中に染料の析出は認められず
安定であった。
形で式(2)で示される染料10部およびε−カプロラ
クタム5部、燐酸二ナトリウム2部および無水芒硝3部
を十分混合した。 (a) 上で得られた染料組成物250gを熱湯で溶解
させた後、25℃に冷却し、さらに水を加えて全量を2
5℃で1Lに調整した。得られた染料溶液は結晶析出な
どのない澄んだ溶液であった。 (b) さらにこの染料溶液は−5℃で3カ月間保存後
も染料の析出およびゲル化がなく安定であった。 (c) 上で得られた染料組成物100gを熱湯で溶解
させた後、25℃に冷却し、これに50度ボーメの硅酸
ソーダ150gおよび32.5%の苛性ソーダ水溶液2
5mLを添加し、さらに直ちに水を加えて全量を25℃
で1Lに調整した。その直後に、この染料溶液を用いて
木綿織物を公知の方法によりパジングし、直ちに巻き上
げ、ポリエチレンフィルムで密閉して20℃の室内に2
0時間放置後、染色物を常法で洗浄して未固着染料を取
り除き、その後乾燥して仕上げた。得られた染色物は斑
のない均一で鮮明な濃い青色であった。 (d) (c)項で得た染料溶液を25℃で放置した
が、120分間後も染料溶液中に染料の析出は認められ
ず安定であった。
形で式(2)で示される染料45部およびナフタレンス
ルホン酸とホルムアルデヒド縮合物(ナトリウム塩)2
0部を十分混合した。 (a) 上で得られた染料組成物200gを熱湯で溶解
させた後、25℃に冷却し、さらに水を加えて全量を2
5℃で1Lに調整した。得られた染料溶液は結晶析出な
どのない澄んだ溶液であった。 (b) さらにこの染料溶液は−5℃で3カ月間保存後
も染料の析出およびゲル化がなく安定であった。 (c) 上で得られた染料組成物50gを熱湯で溶解さ
せた後、25℃に冷却した。この染料溶液にアルギン酸
ソーダ1gを添加し、さらに水を加えて全量を25℃で
1Lとした直後にこの液をパジング液として用いて木綿
織物をパジングした。パジングした木綿織物を120℃
で2分間乾燥した。次いで食塩250g、32.5%の
苛性ソーダ水溶液30mLおよびメタニトロベンゼンス
ルホン酸ソーダ10gを添加した全量が1Lの水溶液を
パジング液として用いて、上で染料をパジングした木綿
織物をパジングし、さらにこの木綿織物を100℃で1
分間スチーミングし染料を固着させた。得られた染色物
を常法で洗浄して未固着染料を取り除き、その後乾燥し
て仕上げた。得られた染色物は斑のない均一で鮮明な濃
い青色であった。
形で式(2)で示される染料80部および燐酸二水素ナ
トリウム/トリポリ燐酸ナトリウムの緩衝剤3部を十分
混合した。 (a) 上で得られた染料組成物300gを熱湯で溶解
させた後、25℃に冷却し、さらに水を加えて全量を2
5℃で1Lに調整した。得られた染料溶液は結晶析出な
どのない澄んだ溶液であった。 (b) さらにこの染料溶液は−5℃で3カ月間保存後
も染料の析出およびゲル化がなく安定であった。 (c) 上で得られた染料組成物100gを熱湯で溶解
させた後、25℃に冷却した。この染料溶液にアルギン
酸ソーダ1g、メタニトロベンゼンスルホン酸ソーダ1
0gおよび炭酸ソーダ10gを添加し、さらに水を加え
て全量を25℃で1Lとした直後にこの液をパジング液
として用いて木綿織物をパジングした。パジングした木
綿織物を120℃で2分間乾燥し、次いで100℃で1
0分間スチーミングし染料を固着させた。得られた染色
物を常法で洗浄して未固着染料を取り除き、その後乾燥
して仕上げた。得られた染色物は斑のない均一で鮮明な
濃い青色であった。 (d) (c)項で得た染料溶液を25℃で放置した
が、8時間後も染料溶液中に染料の析出は認められず安
定であった。
形で式(2)で示される染料35部、ε−カプロラクタ
ム15部、燐酸二水素ナトリウム(二水塩)0.68部
およびトリポリ燐酸ナトリウム6部を十分混合した。 (a) 上で得られた染料組成物150gを熱湯で溶解
させた後、25℃に冷却し、さらに水を加えて全量を2
5℃で1Lに調整した。得られた染料溶液は結晶析出な
どのない澄んだ溶液であった。 (b) さらにこの染料溶液は−5℃で3カ月間保存後
も染料の析出およびゲル化がなく安定であった。 (c) 上で得られた染料組成物100gを熱湯で溶解
させた後、25℃に冷却した。この染料溶液にアルギン
酸ソーダ1g、メタニトロベンゼンスルホン酸ソーダ1
0gおよび重炭酸ソーダ20gを添加し、さらに水を加
えて全量を25℃で1Lとした直後にこの液をパジング
液として用いて木綿織物をパジングした。パジングした
木綿織物を120℃で2分間乾燥し、次いで100℃で
10分間スチーミングし染料を固着させた。得られた染
色物は常法で洗浄して仕上げた。得られた染色物は均一
で鮮明な濃い青色であった。
形で式(2)で示される染料45部および無水芒硝0.
2部および食塩0.5部を十分混合した。 (a) 上で得られた染料組成物250gを熱湯で溶解
させた後、25℃に冷却し、さらに水を加えて全量を2
5℃で1Lに調整した。得られた染料溶液は結晶析出な
どのない澄んだ溶液であった。 (b) さらにこの染料溶液は−5℃で3カ月間保存後
も染料の析出およびゲル化がなく安定であった。 (c) 上で得られた染料組成物80g、尿素100
g、4%のアルギン酸ソ−ダ550g、熱湯250gお
よび重炭酸ソ−ダ20gからなる捺染糊を得た。得られ
た捺染糊を通常の方法で40番手シルケット加工綿ブロ
ードに印捺後乾燥し、さらに100℃で10分間スチ−
ミング処理を行った。ついで水洗、湯洗、ソ−ピング、
湯洗、水洗、乾燥して仕上げた。得られた木綿ブロード
は均一で鮮明な濃い青色であった。
Claims (3)
- 【請求項1】遊離酸の形で式(I) 【化1】 で示されるアントラキノン系反応染料および遊離酸の形
で式(II) 【化2】 で示されるアントラキノン系反応染料からなる染料混合
物を含有してなる反応染料組成物。 - 【請求項2】式(I)で示されるアントラキノン系反応
染料と式(II)で示されるアントラキノン系反応染料
との混合重量比が99:1〜1:99である請求項1に
記載の反応染料組成物。 - 【請求項3】請求項1に記載の反応染料組成物を用いて
セルロ−ス系繊維材料またはセルロ−ス系繊維を含有す
る繊維材料を染色または捺染する方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP01248093A JP3170924B2 (ja) | 1993-01-28 | 1993-01-28 | 反応染料組成物およびそれを用いて染色または捺染する方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01248093A JP3170924B2 (ja) | 1993-01-28 | 1993-01-28 | 反応染料組成物およびそれを用いて染色または捺染する方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06220352A JPH06220352A (ja) | 1994-08-09 |
JP3170924B2 true JP3170924B2 (ja) | 2001-05-28 |
Family
ID=11806560
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01248093A Expired - Fee Related JP3170924B2 (ja) | 1993-01-28 | 1993-01-28 | 反応染料組成物およびそれを用いて染色または捺染する方法 |
Country Status (1)
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CN111019389B (zh) * | 2019-12-23 | 2022-03-22 | 湖北丽源科技股份有限公司 | 一种蓝色活性染料及其制备方法 |
-
1993
- 1993-01-28 JP JP01248093A patent/JP3170924B2/ja not_active Expired - Fee Related
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