JP3169595B2 - 磁気抵抗効果型ヘッド - Google Patents

磁気抵抗効果型ヘッド

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁気ディスク装置、あるいはVTR等の磁気記
録装置の信号再生用磁気抵抗効果型ヘッドにおける電極
材料、およびその構造に関するものである。
〔従来の技術〕
従来の磁気抵抗効果型ヘッドは、例えば第3図に示す
ような構造となっている。この種の磁気抵抗効果型ヘッ
ドとしては、例えば特開昭60−163222が挙げられる。磁
気抵抗効果型ヘッドは、基板1上に形成された下部シー
ルド膜2,第1ギャップ層3,磁気抵抗効果膜4,該磁気抵抗
効果膜4の両側に形成された信号検出用電極5a,5b、図
示していないが該磁気抵抗効果膜4上に形成された第2
ギャップ層、および上部シールド膜より構成されてい
る。
該磁気抵抗効果膜4へのバイアス磁界印加法として
は、例えば該磁気抵抗効果膜4上に導体層を積層したシ
ャントバイアス法が挙げられる。磁気抵抗効果型ヘッド
においては信号検出用電極5a,5bの間隔がトラック幅、
すなわち信号磁界検知部となる。
磁気抵抗効果ヘッドは信号磁界に対する磁気抵抗効果
膜4の電気抵抗の変化を、信号検出用電極5a,5b間に一
定直流電流を流しておくことにより電圧として検出す
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来ヘッドにおいては、信号検出用電極5a,5bの
側面が摺動面に露出している。このため、ヘッド使用中
に信号検出用電極5a,5bが腐食し、信頼性が低下する問
題があった。また、狭トラック時における信号検出用電
極の形成方法についても配慮されていなかった。
本発明は、耐食性に優れ、かつ狭トラックな加工が可
能な信号検出用電極材料、構造を有する磁気抵抗効果型
ヘッドの提供を目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために本発明においては、信号検
出用電極材料として耐食性に優れ、かつ微細加工が可能
な反応性プラズマエッチングでパターン化可能な材料を
用いるようにしたものである。この種の材料としてはN
b、Taあるいはこれらの材料を主とする合金が挙げられ
る。また、加工性、電流密度分布を考慮して少なくとも
磁気抵抗効果膜上に形成されている信号検出用電極材料
は、上記材料のうちの1つのみとした。
上記信号検出用電極材料は比抵抗が大きい。このため
上記信号検出用電極材料のみで電極5a,5bを構成すると
電気抵抗が増加してしまい、発熱,ノイズの原因とな
る。本発明においては磁気抵抗効果膜上以外の領域に形
成されている信号検出用電極は比抵抗の小さいCu,Al、
およびその合金薄膜、あるいは上記Nb等の薄膜との積層
構造とした。
〔作用〕
第1図を用いて説明する。基本的構造は第3図に示し
た従来の磁気抵抗効果型ヘッドと同じである。
本発明においては摺動面に露出する信号検出用電極材
料として前述したNb、Taあるいはそれらを主とする合金
を用いた。これらの材料は耐食性に優れているととも
に、Cl系,F系ハロゲンガスを反応ガスとした反応性プラ
ズマエッチングで加工可能である。それによって、狭ト
ラックで、信頼性の高い磁気抵抗効果型ヘッドを提供で
きる。
また、信号検出用電極5a,5b上に積層された薄膜はCu,
Al、あるいはそれらの合金で形成されている。これによ
り信号検出用電極の電気抵抗を下げることができ、発
熱,ノイズを低下できる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
〔実施例1〕 第1図を用いて述べる。基板1にはAl2O3・TiC板を用
いた。基板1上に下部シールド膜2、および第1ギャッ
プ層3を積層する。成膜にはスパッタリング法を用い
た。下部シールド膜2はNiFe合金で、膜厚は1μmであ
る。また、第1ギャップ層3はSiO2で、膜厚は0.3μm
である。続いて磁気抵抗効果膜4となるNiFe合金薄膜を
蒸着法で堆積する。膜厚は0.04μmとした。磁気抵抗効
果膜4は通常のホトリソグラフィ技術により幅(トラッ
ク幅方向の長さ)30μm,高さ(トラック幅方向に対し垂
直方向の長さ)10μmの長方形状にパターニングし、そ
の後、信号検出用電極5a,5bを形成した。信号検出用電
極5a,5bの材料としてはNbを用いた。
信号検出用電極5a,5bの形成は以下の方法で行なっ
た。磁気抵抗効果4の表面をわずかにスパッタクリーニ
ングした後、Nb膜を堆積する。スパッタクリーニングは
磁気抵抗効果膜4と信号検出用電極5a,5bとの電気的接
続を良好にするため行なう。Nb膜の厚さは0.2μmであ
る。Nb膜のパターニングは平行平板型反応性プラズマエ
ッチング法で行なった。反応ガスはCF4+4%O2ガスで
ある。パターニング時のマスクはホトレジスト膜であ
る。トラック幅は2μmである。この際、磁気抵抗効果
膜4へのダメージが懸念されるが、磁気抵抗効果膜4で
あるNiFe膜は上記エッチング法ではほとんどエッチング
されず、磁気特性の劣化はみられなかった。
信号検出用電極5a,5bを形成後、磁気抵抗効果膜4上
以外の信号検出用電極5a,5b上に低電気抵抗膜6を形成
する。これは、上記Nb膜のみで信号検出用電極5a,5bを
形成すると電極5a,5bの電気抵抗が大きくなりすぎ、発
熱,ノイズの原因となるためである。ここでは低電気抵
抗膜6としてCuを用いた。Cu合金,Al,Al合金でも有効で
ある。膜厚は1μmとした。さらに、これらパターン上
に第2ギャップ層(SiO2、膜厚0.3μm)第2ギャップ
層内にあってバイアス磁界を印加するためのソフト膜上
部シールド膜(NiFe,膜厚1μm)(以上は図示省略)
を形成した。
以上により本発明による磁気抵抗効果型ヘッドが形成
される。本磁気抵抗効果型ヘッドにおいては、記録媒体
との摺動面に露出する材料はAl2O3・TiC,SiO2,NiFe,Nb
である。これらの材料はいずれも高い耐食性を有してお
り、ヘッド使用中に腐食しヘッドの信頼性を低下させる
可能性が著しく小さい。例えば、相対湿度80%,温度60
℃の恒温恒湿槽に5000時間放置した後においても、再生
出力値の低下は3%未満であった。これに対し、信号検
出用電極5a,5bとしてCuを用いたヘッドにおいては、100
時間で著しい腐食が生じ、使用できない状態に至った。
また、信号検出用電極5a,5bのパターニングに微細加
工に優れた反応性プラズマエッチング法を用いることが
できる。このため、狭トラックな加工にも有利で、サブ
ミクロンのトラック幅をもつヘッドも作製可能であっ
た。
〔実施例2〕 実施例1で述べたNb以外の材料でも同様の効果が得ら
れる。Nb以外の材料としてはTaあるいはそれらを主とす
る合金がある。TaはNbと同様にCF4を主とする反応ガス
でパターニングが可能である。ヘッド構造も第1図に示
したものと同じでよい。しかし、磁気抵抗効果膜4が非
常に薄いことから、第2図に示すように磁気抵抗効果膜
表面に保護膜7をあらかじめ形成しておくことが望まし
い。ここでは保護膜7としてSiO2、Al2O3膜を用いた。
膜厚は0.1μmとした。なお、この保護膜7が第2ギャ
ップ層の1部を兼ねることも可能である。
〔発明の効果〕
本発明によれば、記録媒体との摺動面に露出する信号
検出電極を、高耐食性で微細加工に優れた反応性プラズ
マエッチング法で加工可能な材料で形成する。これによ
り狭トラックで高い信頼性をもつ磁気抵抗効果型ヘッド
を作製できる。
【図面の簡単な説明】
第1図,第2図は本発明の実施例になる磁気ヘッドの要
部斜視図、第3図は従来の磁気ヘッドの要部斜視図。 1……基板、2……下部シールド膜、3……第1ギャッ
プ層、4……磁気抵抗効果膜、5a,5b……信号検出用電
極、6……低電気抵抗膜、7……保護膜。
フロントページの続き (72)発明者 小山 直樹 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭64−17215(JP,A) 特開 昭59−71117(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気抵抗効果膜と、該磁気抵抗効果膜に電
    流を流すために該磁気抵抗効果膜の両側に形成された一
    対の電極とを有し、該電極のうち摺動面に露出する部分
    がNb、Taあるいはこれらの材料を主とする合金により形
    成されていることを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッド。
  2. 【請求項2】下部シールド膜、該下部シールド膜上に形
    成された下部ギャップ膜、該下部ギャップ膜上に形成さ
    れた磁気抵抗効果膜、該磁気抵抗効果膜に電流を流すた
    めに該磁気抵抗効果膜の両側に形成された一対の電極
    と、前記磁気抵抗効果膜上に形成された上部ギャップ膜
    と、該上部ギャップ膜上に形成された上部シールド膜と
    を有し、前記電極のうち摺動面に露出する部分がNb、Ta
    あるいはこれらの材料を主とする合金により形成されて
    いることを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッド。
  3. 【請求項3】前記電極は信号検出用電極であることを特
    徴とする請求項1または2に記載の磁気抵抗効果型ヘッ
    ド。
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JP2620500B2 (ja) * 1992-10-02 1997-06-11 インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレイション 磁気抵抗センサ及びその製造方法
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