JPH05101342A - 磁気抵抗効果型ヘツド - Google Patents

磁気抵抗効果型ヘツド

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JPH05101342A
JPH05101342A JP25501091A JP25501091A JPH05101342A JP H05101342 A JPH05101342 A JP H05101342A JP 25501091 A JP25501091 A JP 25501091A JP 25501091 A JP25501091 A JP 25501091A JP H05101342 A JPH05101342 A JP H05101342A
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film
magnetoresistive
bias
magnetic
head
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JP25501091A
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Hideo Tanabe
英男 田辺
Masahiro Kitada
正弘 北田
Noboru Shimizu
昇 清水
Naoki Koyama
直樹 小山
Isamu Yuhito
勇 由比藤
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】磁気抵抗効果型ヘッド17は、再生ヘッド部1
3で、二つの導体層を磁気抵抗効果膜6の上下両面に設
け、さらに二つの磁区安定化用バイアス膜7を磁気抵抗
効果膜6の上下両面に磁気抵抗効果膜6の感磁部を除く
任意の個所に設けて、放熱効果を増し磁気抵抗効果膜6
の磁化容易軸方向の磁区安定化バイアス磁界強度を増
し、再生ヘッド部13の上あるいは下に電磁誘導型の記
録ヘッド部16を構築した。 【効果】通電による磁気抵抗効果膜の温度上昇を非常に
低く抑えるため高電流化によるヘッドの高出力化が可能
になり、エレクトロマイグレーションの抑制によりヘッ
ドの通電寿命を増すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高密度磁気記録再生に好
適な磁気ヘッドに係り、特に、高寿命,低ノイズの再生
専用の磁気抵抗効果型ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の高密度磁気記録再生に用いられて
いる磁気抵抗効果型ヘッドでは、磁気抵抗効果膜に検出
電流を流し、かつ、磁気抵抗効果膜の抵抗変化を検出す
るための導体層は、例えば、特開平2−108213 号公報に
記載のように磁気抵抗効果膜の上面あるいは下面のいず
れか片方の面に形成されていた。また、バルクハウゼン
ノイズ抑止のための磁区安定化バイアス磁界印加用の反
強磁性体膜あるいは永久磁石膜などの磁区安定化用バイ
アス膜も、例えば、特開平2−68706号あるいは特開平2
−220213 号公報に記載のように磁気抵抗効果膜の上面
あるいは下面のいずれか片方の面に形成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】磁気記録の高密度化が
益々進むにつれて記録トラック幅およびトラックピッチ
も益々小さくなり、これに対応して磁気ヘッドの構造も
変えていく必要がある。再生専用の磁気抵抗効果型ヘッ
ドにも、狭トラック化が進むにつれてオフトラックノイ
ズを極力低下させるために記録媒体に対抗する磁気抵抗
効果膜の長さを短くすると同時に、磁気抵抗効果膜上に
形成する導体膜の面積も狭めていく必要がある。しか
し、このように磁気抵抗効果膜上に形成する導体膜の面
積が狭くなると、導体膜と磁気抵抗効果膜との接触面積
も減少するので、導体膜による放熱効果が低下し磁気抵
抗効果膜の通電寿命特性が劣化する、という問題があ
る。また、導体膜と磁気抵抗効果膜との接触面積が減少
することにより、熱の変動などによる両者の界面におけ
る接触抵抗の変動も大きくなり、抵抗ノイズの増加を招
く、という問題もある。さらに、バルクハウゼンノイズ
抑止のためにトラック部(感磁部)以外の磁気抵抗効果
膜上に形成される反強磁性体膜あるいは永久磁石膜など
からなる磁区安定化用バイアス膜と磁気抵抗効果膜との
接触面積も減少せざるを得なくなるので、実効的な磁区
安定化バイアス磁界強度が低下してバルクハウゼンノイ
ズの抑止ができなくなる、という問題がある。
【0004】本発明の目的は、これらの問題を解決し高
密度磁気記録再生に好適な高寿命で、低ノイズの磁気抵
抗効果型ヘッドを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、上述した問
題を解決するために次のような手段を用いた。まず、磁
気抵抗効果膜の放熱効果の低下による通電寿命特性の劣
化および接触抵抗の変動増大による抵抗ノイズの増加を
防ぐために、導体層を磁気抵抗効果膜の両面に設け前記
導体層と前記磁気抵抗効果膜との接触面積を極力増大す
るようにした。さらにまた、バイアス磁界強度の低下に
よるバルクハウゼンノイズの増加を防ぐために、磁区安
定化用のバイアス膜も感磁部を除く任意の個所で前記磁
気抵抗効果膜の両面に積層し、バイアス膜と磁気抵抗効
果膜との接触面積を増加して実質的にバイアス磁界強度
を倍増するようにした。
【0006】
【作用】通電により磁気抵抗効果膜の感磁部で発生した
熱は、磁気抵抗効果膜の上部および下部に積層された絶
縁層と磁気シールド層とを通じて放散するものと、磁気
抵抗効果膜上に設けられた導体層を通じて放散するもの
とがあり、これらの熱の放散が大きい程、感磁部での温
度上昇は低くなり素子の通電寿命特性は向上することに
なる。ところで、このような熱放散は絶縁層,磁気シー
ルド層および導体層の熱伝導率が高い程大きくなるが、
この中でも導体層の熱伝導率は最も高いので導体層を通
じての熱放散の効果がかなり大きく、通電寿命特性に及
ぼす導体層の影響は無視できない。導体層が磁気抵抗効
果膜の両面に設けられた場合は、感磁部で発生した熱が
両面の導体層を通して効率良く逃げることができるの
で、片面に設けられた場合よりも放熱の効果は大幅に増
大し、磁気抵抗効果膜の通電寿命特性の大幅な向上に繋
がる結果になる。また、導体層と磁気抵抗効果膜との界
面では両者が真空を破ることなく連続的に形成されてい
ないために接触抵抗を持つが、磁気抵抗効果膜あるいは
導体層の温度が上昇したり変動したりするとこの抵抗も
上昇,変動し、ヘッドの抵抗ノイズの上昇あるいは変動
の原因になる。
【0007】しかし、上述したように、導体層が磁気抵
抗効果膜の両面に設けられた場合には、熱は両面の導体
層を通して効率良く逃げることができるので導体層と磁
気抵抗効果膜との接触部における温度の上昇あるいは変
動を極力抑えることが可能になる。したがって、これが
原因で起こる抵抗ノイズの上昇あるいは変動も抑制する
ことができる。
【0008】一方、バルクハウゼンノイズの抑止は、磁
気抵抗効果膜上の感磁部を除く任意の個所に設けられ
た、磁区安定化用バイアス膜と磁気抵抗効果膜との間の
交換相互作用あるいは磁気的相互作用の結果生じる磁化
容易方向のバイアス磁界の作用によって、磁気抵抗効果
膜が単磁区化されるか膜中の磁壁が固着されるためにな
されるが、このようなバルクハウゼンノイズ抑止効果は
バイアス磁界強度に比例して強まる。そして、バイアス
磁界強度は磁気抵抗効果膜と磁区安定化用バイアス膜と
の接触部の面積にほぼ比例して増大する。したがって、
逆に接触面積が低下すればバイアス磁界強度も減少し、
単磁区化および磁壁の固着に必要な最低限の磁界強度を
も下回る結果になり、バルクハウゼンノイズの抑止が不
可能になる。磁区安定化用バイアス膜を磁気抵抗効果膜
の両面に設けることで磁気抵抗効果膜とバイアス膜との
接触面積は倍になるので、実効的なバイアス磁界強度も
倍になる。このため、片面のみに積層したバイアス膜で
バルクハウゼンノイズの抑止がきかなくなった場合で
も、なお、十分にバルクハウゼンノイズ抑止効果が期待
できることになる。
【0009】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳しく説明す
る。 (実施例1)図1は本発明の一実施例による磁気抵抗効
果型ヘッドの媒体対抗面側からみた断面図を示したもの
である。本実施例では、まずジルコニアなどの絶縁体か
らなるしかるべき厚さの基板1上に平坦化用の厚付けさ
れたアルミナからなる絶縁層2を介して下部磁気シール
ド層3を1〜3μm積層し、フォトリソグラフィとドラ
イエッチ法により所定の形状に加工した後、次にギャッ
プ長を形成するアルミナからなる絶縁層4を0.05〜
0.4μm積層した。いずれの層もスパッタ法によって
作製した。本実施例ではとくに言及しない限り以下に述
べる絶縁層としてはすべてアルミナ膜を使用したが、ア
ルミナ以外のその他の絶縁体であるシリカあるいはチタ
ニアなどを絶縁層として用いても特に問題はない。
【0010】次いで、下部電極5を形成するためのNb
/Auなどからなる導体層をスパッタ法あるいは蒸着法
により積層し、フォトリソグラフィとドライエッチ法に
より所定の電極形状に加工した後、磁気抵抗効果膜6と
磁区安定化用バイアス膜7とを、やはり、スパッタ法あ
るいは蒸着法により連続積層し、フォトリソグラフィと
ドライエッチ法により、まず、磁気抵抗効果膜6の所定
の形状に加工した。さらに続いて磁気抵抗効果膜6の中
央部の磁区安定化用バイアス膜7を除去し、両端にのみ
バイアス膜7を残すように、フォトリソグラフィとドラ
イエッチ法あるいはウェットエッチ法によりバイアス膜
7を加工した。その後、通常のバイアス磁界印加用のシ
ャント膜8をスパッタ法あるいは蒸着法により積層し、
フォトリソグラフィとドライエッチ法により磁気抵抗効
果膜6と同様の形状に加工した。ただし、シャント膜を
積層する場合、磁気抵抗効果膜6との接触を良くするた
めにダメージを与えず膜もほとんどエッチングしない程
度に磁気抵抗効果膜6の表面をスパッタエッチ法などに
よりクリーニングする必要がある。
【0011】本実施例では、これらの磁気抵抗効果膜
6,磁区安定化用バイアス膜7およびシャントバイアス
膜8としてパーマロイ膜,FeMnRu膜およびNb膜
を使用しているが、この他、例えば、パーマロイ膜の代
わりにNiCo合金膜あるいはNiFeCo合金膜,F
eMnRu膜の代わりにCoPtなどの永久磁石膜,N
b膜の代わりにNb合金膜あるいはTi膜などを用いて
も何ら差し支えない。この後、上部電極9を形成するた
めにNb/Auなどからなる導体層をスパッタ法あるい
は蒸着法により積層し所定の電極形状に加工したが、こ
の際に上部電極9は下部電極5と短絡させることが必要
である。それから、絶縁層10を0.05〜0.4μm ,上
部磁気シールド層11を1〜3μmスパッタ法などで積
層し、最後に保護と平坦化を目的として絶縁膜12を厚
付けしエッチバック法で平坦化して再生ヘッド部13の
作製をした。さらに引き続き、この平坦化した絶縁層1
2の上に下部磁極14および上部磁極15からなる記録
ヘッド部16を作製し、複合ヘッドの形で磁気抵抗効果
型ヘッド17の作製を終了した。
【0012】本実施例による磁気抵抗効果型ヘッド17
は記録ヘッド部16から電磁誘導を利用して磁気記録媒
体に信号を書き込み、該信号を再生する場合には再生ヘ
ッド部13で信号を読み出す。この信号を読み出す場
合、まず、上部電極9および下部電極5を通して磁気抵
抗効果膜6とシャントバイアス膜8にセンス電流を流
し、センス電流を調節して、シャントバイアス膜8に流
れる電流の作る磁界で磁気抵抗効果膜6中の磁化の向き
が電流方向に対して約45度の角度となるような最適バ
イアス状態にして置くことが必要である。
【0013】この状態に磁気記録媒体に書き込まれた、
方向の異なる信号磁界が磁気抵抗効果膜6に入ると、そ
の強度に応じて磁化は回転し角度が45度から増大,減
少する。この角度の変化に対応して磁気抵抗効果膜6の
抵抗が減少,増大するため、この抵抗変化を電圧変化と
して検出することで信号の読み出しができる。そして、
この電圧変化、すなわち、出力は磁気抵抗効果膜に流す
電流に比例して増大する。ところで、このような再生動
作を行っている間、センス電流のジュール熱により磁気
抵抗効果膜6とシャントバイアス膜8の温度が上昇する
が、その温度は上部電極9および下部電極5を通して、
さらには絶縁層4を通して逃げる熱量と発熱量とのバラ
ンスで、ある一定値,定常状態に落ち着く。しかし、電
流を流しすぎるとこの温度が高くなりすぎて磁気抵抗効
果膜6の磁化変化に対する抵抗変化量が小さくなるため
逆に出力が低下し、またエレクトロマイグレーションが
加速されるため通電寿命も低下することになるので、膜
の温度はできるだけ低くする方が良い。
【0014】一方、磁気抵抗効果膜6には端部に設けた
磁区安定化用バイアス膜7との間の交換相互作用により
磁化容易軸方向にバイアス磁界が働いており、この効果
によって膜中はほぼ単磁区状態が保たれる。このため、
この状態で信号の書き込み,読み出し動作を行ってもバ
ルクハウゼンノイズは抑止されるが、磁化容易軸方向の
バイアス磁界が弱まると単磁区状態が崩れ、磁区の発
生,消滅によってバルクハウゼンノイズが発生する。し
たがって、この磁化容易軸方向のバイアス磁界の強度は
ある程度の大きさが必要である。
【0015】本実施例による磁気抵抗効果型ヘッド17
の動作は以上説明した通りであるが、本実施例の磁気抵
抗効果型ヘッド17によれば次のような効果がある。上
述したように上部電極9および下部電極5の二つの電極
が磁気抵抗効果膜の両面に設けられているので、これら
の電極を通してのジュール熱の逃げ量は従来の片面にの
み電極が設けられていた場合に比較して倍となる。この
ため磁気抵抗効果膜およびシャントバイアス膜の温度上
昇は従来の場合の半分以下となる。このように通電によ
る温度上昇を非常に低く抑えることができるので、ヘッ
ドの高電流化による高出力化が可能になり、エレクトロ
マイグレーションの加速も抑制できるのでヘッドの通電
寿命も増加する。
【0016】また、磁気抵抗効果膜およびシャントバイ
アス膜の温度上昇を低く抑えることにより、磁気抵抗効
果膜とシャントバイアス膜との界面における接触抵抗の
温度変化も抑制できるので、接触抵抗の上昇,変動によ
る抵抗ノイズの発生を抑える効果もある。とくに、これ
らの効果は、狭トラック化が進んだ場合に磁気抵抗効果
膜の両面に電極を設けることで磁気抵抗効果膜と電極と
の接触面積を広く取れるので十分発揮される。
【0017】なお、上述した実施例の場合にはバイアス
磁界法としてシャントバイアス法を利用しているが、と
くにバイアス法に限ったものではない。ソフトフィルム
バイアスを併用しても、またソフトフィルムバイアス法
単独に代えても、あるいは永久磁石バイアス法などその
他のバイアス法を用いても本発明の効果は変わらない。
【0018】(実施例2)図2は本発明の他の実施例に
よる磁気抵抗効果型ヘッドの媒体対抗面側からみた断面
図を示したものである。本実施例では、まずジルコニア
などの絶縁体からなるしかるべき厚さの基板1上に、厚
付けされるアルミナ絶縁層2,下部磁気シールド層3お
よびギャップ長を形成するアルミナ絶縁層4をスパッタ
法などによって積層するところまでは実施例1の磁気抵
抗効果型ヘッド17と同様である。また、本実施例でも
絶縁層としてアルミナ膜を使用したが、アルミナ以外の
その他の絶縁体であるシリカあるいはチタニアなどを絶
縁層として用いても特に問題はない。
【0019】次いで、本実施例では下部電極5は形成せ
ずに下部の磁区安定化用バイアス膜7′をその結晶性を
制御するために必要なNiFe膜などの下地膜6′と一
緒に連続してスパッタ法あるいは蒸着法により積層し、
フォトリソグラフィとドライエッチ法により所定の形状
に加工した。それから後は実施例1の磁気抵抗効果型ヘ
ッド17の構造および作製方法も全く同様であり、磁気
抵抗効果膜6,磁区安定化用バイアス膜7,バイアス磁
界印加用シャント膜8さらに上部電極9,絶縁層10,
上部磁気シールド層11、最後に平坦化絶縁膜12を厚
付けして再生ヘッド部13の作製をした。さらに引き続
き、絶縁層12の上に下部磁極14および上部磁極15
からなる記録ヘッド部16を作製し、複合ヘッドの形で
磁気抵抗効果型ヘッド17の作製を終了した。
【0020】なお、本実施例でも、これらの磁気抵抗効
果膜6,磁区安定化用バイアス膜7およびシャントバイ
アス膜8としてパーマロイ膜,FeMnRu膜およびN
b膜を使用しているが、この他、例えば、パーマロイ膜
の代わりにNiCo合金膜あるいはNiFeCo合金
膜,FeMnRu膜の代わりにCoPtなどの永久磁石
膜,Nb膜の代わりにNb合金膜あるいはTi膜などを
用いても何ら差し支えない。
【0021】一方、本実施例による磁気抵抗効果型ヘッ
ド17の動作,作用も実施例1の磁気抵抗効果型ヘッド
17と同様で、記録ヘッド部16から電磁誘導を利用し
て磁気記録媒体に信号を書き込み、この信号を再生する
場合には再生ヘッド部13で信号を読み出す。この信号
を読み出す場合、まず上部電極9を通して磁気抵抗効果
膜6とシャントバイアス膜8にセンス電流を流し、セン
ス電流を調節して、シャントバイアス膜8に流れる電流
の作る磁界で磁気抵抗効果膜6中の磁化の向きが電流方
向に対して約45度の角度となるような最適バイアス状
態にして置く。この状態に磁気記録媒体に書き込まれ
た、方向の異なる信号磁界が磁気抵抗効果膜6に入る
と、磁化の角度の変化に対応して磁気抵抗効果膜6の抵
抗が減少,増大するため、この抵抗変化を電圧変化とし
て検出することでこの信号の読み出しができる。そし
て、この電圧変化、すなわち、出力は磁気抵抗効果膜に
流す電流に比例して増大する。
【0022】このような再生動作を行っている間、セン
ス電流のジュール熱により磁気抵抗効果膜6とシャント
バイアス膜8の温度が上昇するが、その温度は上部電極
9と絶縁層4を通して逃げる熱量と発熱量とのバランス
で、ある一定値,定常状態に落ち着く。しかし、電流を
流しすぎるとこの温度が高くなりすぎて磁気抵抗効果膜
6の磁化変化に対する抵抗変化量が小さくなるため逆に
出力が低下し、また、エレクトロマイグレーションが加
速されるため通電寿命も低下することになる。他方、磁
気抵抗効果膜6には、本実施例の場合はその両面の端部
に設けた磁区安定化用バイアス膜7および7′との間の
交換相互作用により磁化容易軸方向にバイアス磁界が働
いており、この効果によって膜中はほぼ単磁区状態が保
たれる。このため、この状態で信号の書き込み,読み出
し動作を行ってもバルクハウゼンノイズは抑止される
が、磁化容易軸方向のバイアス磁界が弱まると単磁区状
態が崩れ磁区の発生,消滅によってバルクハウゼンノイ
ズが発生する。したがって、この磁化容易軸方向のバイ
アス磁界の強度はある程度の大きさが必要である。
【0023】本実施例による磁気抵抗効果型ヘッド17
の動作も以上説明した通りであるが、本実施例の磁気抵
抗効果型ヘッド17によれば次のような効果がある。上
述したように磁区安定化用バイアス膜7および7′の二
つの磁区安定化用バイアス膜が磁気抵抗効果膜の両面に
設けられているので、これらのバイアス膜と磁気抵抗効
果膜との交換相互作用の結果生じる磁化容易軸方向のバ
イアス磁界強度は従来の片面にのみバイアス膜が設けら
れていた場合に比較して倍となる。このため磁気抵抗効
果膜の感磁部にかかる磁化容易軸方向バイアス磁界強度
も従来の場合に比較して倍になる。このように磁化容易
軸方向バイアス磁界強度を倍にすることにより、磁気抵
抗効果膜を単磁区化しバルクハウゼンノイズを抑止する
効果は倍となり、狭トラック化が進み必然的に磁区安定
化用バイアス膜の面積が狭くなった場合でも十分にバル
クハウゼンノイズを抑止する効果がある。
【0024】なお、本実施例の場合もバイアス磁界法と
してシャントバイアス法を利用しているが、とくにバイ
アス法に限ったものではない。ソフトフィルムバイアス
を併用しても、またソフトフィルムバイアス法単独に代
えても、あるいは永久磁石バイアス法などその他のバイ
アス法を用いても本発明の効果は変わらない。
【0025】(実施例3)本実施例による磁気抵抗効果
型ヘッドは、実施例1に示した磁気抵抗効果型ヘッド1
7のように、二つの電極、下部電極5と上部電極9を磁
気抵抗効果の両面に設けるとともに、実施例2に示した
磁気抵抗効果型ヘッド17のように二つの磁区安定化用
バイアス膜7および7′をやはり磁気抵抗効果の両面の
感磁部を除く任意の個所に設けたものであり、その他の
構造と作製方法は実施例1および実施例2の磁気抵抗効
果型ヘッド17と同様である。また、その動作,作用も
実施例1および実施例2の磁気抵抗効果型ヘッド17と
同様である。したがって、それらの詳細は割愛するが、
本実施例による磁気抵抗効果型ヘッドの効果は次の通り
である。
【0026】本実施例でも上述のように下部電極5およ
び上部電極9の二つの電極が磁気抵抗効果膜の両面に設
けられているので、実施例2の場合と同様に通電による
磁気抵抗効果膜およびシャントバイアス膜の温度上昇を
非常に低く抑えることができる。したがって、ヘッドの
高電流化による高出力化が可能になり、エレクトロマイ
グレーションの加速も抑制できるのでヘッドの通電寿命
も増加する。また、磁気抵抗効果膜およびシャントバイ
アス膜の温度上昇を低く抑えることにより、磁気抵抗効
果膜とシャントバイアス膜との界面における接触抵抗の
温度変化も抑制できるので、接触抵抗の上昇,変動によ
る抵抗ノイズの発生を抑える効果もある。さらに、これ
らの効果は、とくに狭トラック化が進んだ場合に磁気抵
抗効果膜の両面に電極を設けることで磁気抵抗効果膜と
電極との接触面積を広く取れるので十分発揮される。ま
た、本実施例による磁気抵抗効果型ヘッド17では、二
つの磁区安定化用バイアス膜7および7′も磁気抵抗効
果膜の両面に設けているので、実施例2による磁気抵抗
効果型ヘッド17と同様な効果もある。すなわち、磁化
容易軸方向バイアス磁界強度を倍にすることにより、磁
気抵抗効果膜を単磁区化しバルクハウゼンノイズを抑止
する効果が倍となり、狭トラック化が進み必然的に磁区
安定化用バイアス膜の面積が狭くなった場合でも十分に
バルクハウゼンノイズを抑止することができる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、二つの電極を磁気抵抗
効果膜の両面に設けることでこれら電極を通して逃げる
熱量を大幅に増加することが可能となり、通電による磁
気抵抗効果膜およびシャントバイアス膜の温度上昇を非
常に低く抑えることができる。したがって、ヘッドの高
電流化による高出力化が可能になり、エレクトロマイグ
レーションの加速も抑制できるのでヘッドの通電寿命を
増大する効果がある。また、磁気抵抗効果膜およびシャ
ントバイアス膜の温度上昇を低く抑えることにより、磁
気抵抗効果膜とシャントバイアス膜との界面における接
触抵抗の温度変化も抑制でき、接触抵抗の上昇,変動に
よる抵抗ノイズの発生を抑える効果もある。これらの効
果は、とくに狭トラック化が進んだ場合に磁気抵抗効果
膜の両面に電極を設けることで磁気抵抗効果膜と電極と
の接触面積を広く取れるので十分発揮される。一方、二
つの磁区安定化用バイアス膜を磁気抵抗効果膜の両面に
設けることで、バイアス膜と磁気抵抗効果膜との交換相
互作用の結果生じる磁化容易軸方向のバイアス磁界強度
を従来の片面のみにバイアス膜が設けられていた場合に
比較して倍とすることができる。したがって、磁気抵抗
効果膜を単磁区化しバルクハウゼンノイズを抑止する効
果が倍となり、狭トラック化が進み必然的に磁区安定化
用バイアス膜の面積が狭くなった場合でも十分にバルク
ハウゼンノイズを抑止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による磁気抵抗効果型ヘッド
の断面図。
【図2】本発明の他の実施例による磁気抵抗効果型ヘッ
ドの断面図。
【符号の説明】
1…基板、2,4,10…絶縁層、3…下部磁気シール
ド層、11…上部磁気シールド層、12…平坦化絶縁
層、13…再生ヘッド部、14…下部磁極、15…上部
磁極、16…記録ヘッド部、17…磁気抵抗効果型ヘッ
ド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小山 直樹 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 由比藤 勇 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気記録媒体からの信号磁束をその抵抗変
    化を利用して検出する磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗
    効果膜にバイアス磁界を加えるためのバイアス磁界印加
    手段と、前記磁気抵抗効果膜に検出電流を流すための導
    体層と、これらを挟むように絶縁層を介して設けられた
    磁気シールド層とからなり、前記導体層が前記磁気抵抗
    効果膜の両面に設けられてなることを特徴とする磁気抵
    抗効果型ヘッド。
  2. 【請求項2】磁気記録媒体からの信号磁束をその抵抗変
    化を利用して検出する磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗
    効果膜にバイアス磁界を加えるためのバイアス磁界印加
    手段と、前記磁気抵抗効果膜に検出電流を流すための導
    体層と、これらを挟むように絶縁層を介して設けられた
    磁気シールド層とからなり、前記磁気抵抗効果膜の感磁
    部に対して磁区安定化用の前記バイアス磁界を印加する
    ためのバイアス膜を、前記磁気抵抗効果膜の両面で前記
    感磁部以外の任意の個所に接するように設けてなること
    を特徴とする磁気抵抗効果型ヘッド。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記磁気抵抗効果膜の
    磁区安定化用バイアス膜を、前記磁気抵抗効果膜の感磁
    部以外の任意の個所に接するように設けてなる磁気抵抗
    効果型ヘッド。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記磁区安定化用バイ
    アス膜を前記磁気抵抗効果膜の両面に設けてなる磁気抵
    抗効果型ヘッド。
  5. 【請求項5】請求項1,2,3または4において、前記
    磁気記録媒体に信号を書き込むための専用の薄膜インダ
    クティブヘッドを、上部磁気シールド層の上または下部
    磁気シールド層の下に設けるか、あるいは前記上部,下
    部両磁気シールド層をコアとして利用するように設けて
    なる磁気抵抗効果型ヘッド。
  6. 【請求項6】請求項1,2,3,4または5において、
    前記バイアス膜がFeMnあるいはFeMnRuなどの
    反強磁性体膜からなる磁気抵抗効果型ヘッド。
  7. 【請求項7】請求項1,2,3,4または5において、
    前記バイアス膜がCoPtあるいはCoPtRuなどの
    永久磁石膜からなる磁気抵抗効果型ヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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