JP2620500B2 - 磁気抵抗センサ及びその製造方法 - Google Patents

磁気抵抗センサ及びその製造方法

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JP2620500B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に磁気媒体に記録
された情報信号を読出すための磁気トランスデューサに
関し、特に、改良されたセンサの伝導部(リード)を有
する磁気抵抗読取りトランスデューサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術における磁気トランスデュー
サは高い線密度である磁気媒体表面からデータを読出し
できる磁気抵抗(MR)センサ、又はヘッドとされてい
る。MRセンサは磁気抵抗の材料で作られた読取り素子
によって磁束の大きさと方向を検知し、読取り素子の抵
抗変化によって磁界の信号を検出する。電気伝導部はM
Rセンサを増幅器及び検出回路に結合し、検知電流とバ
イアス電流をMRセンサに供給して抵抗変化の検出を行
い、MR読取り素子の線形動作点を設定する。
【0003】一般に伝導部は、よく知られている良導体
である低抵抗率の材料で構成される。例えば、Nomura等
に付与された米国特許第4622613号は伝導部が
銅、金及び銀で形成されたMRセンサを記述する。Kamo
等に付与された米国特許第4663684号は伝導部が
金又はアルミニウムで形成されたMRセンサを記述す
る。
【0004】他の例では伝導部は多層構造を利用してい
る。米国特許第4503394号は伝導部が2層で形成
されるMRセンサを開示する。第1の層がCr、Mo、
Ti、及び第2の層がAl、Au、Pt、Pdで構成す
るグループから選択された材料で形成される。米国特許
第4914538号は薄膜の上部層を有するタングステ
ンの薄膜から成る伝導部を持つMRセンサを開示する。
これは二者択一的にタングステンの薄膜を上部層又は下
部層にすることもでき、何れの場合でも薄膜の上部層或
は下部層はTi、Ta、Cr、Zr、Hf及びTiWか
ら成るグループから選択された材料で構成する。
【0005】MRセンサの伝導部の応用では材料が、例
えば、半導体デバイスのような他の相互接続の導体との
比較において非常に厳しい必要条件に直面する。これは
伝導部がスライドするエアー・ベアリング面(ABS)
で露出するので、引き続くプロセスで頻繁に生ずるヘッ
ドとディスクとの接触における苛酷な機械的環境、及び
化学的腐食が生じる厳しい腐食環境、更に悪動作環境に
おける実際の使用等に対する保護が少ないからである。
従って、伝導部はMRセンサがインストールされるディ
スク・ファイルの動作寿命中に発生するディスクとの頻
繁な接触に耐える十分な機械的安定性、及び腐食環境に
耐える十分な化学的安定性を持つ必要がある。同時係属
中の1992年 1月21日出願、米国特許出願第822776
号はセンサの製造プロセス中及びセンサの使用寿命中に
おいて安定した適切な特性をもたらす伝導部の構造と材
料を用いたMRセンサを開示する。
【0006】米国特許第4622613号は伝導部がス
ライドするABSで露出しないMRセンサ、すなわち、
ヘッドを開示する。伝導部が露出しないのでMRセンサ
は、スライドするABSと媒体とのインタフェースの環
境に関連する機械的及び腐食の問題を防止或は最小にす
る。開示されたMRヘッドは一方のエッジがヘッド(ス
ライダ)のABSで露出し、他方のエッジはヘッド・エ
アー・ベアリング面から離れて配置された、ストライプ
形状に形成されたMR素子を有する。伝導部又は電極は
ヘッド表面で伝導部の部分が露出しないように、ヘッド
のABSから離れて配置されたMRストライプのエッジ
部と電気的且つ物理的に接触するように形成される。し
かしながら、MR素子と伝導部間の接触面が小さいため
に余計な製造上の問題が生じ、MR素子と伝導部間の電
気的接触の信頼性は低い。一方、伝導部とMR素子間と
の接触面が十分に大きい場合は製造及び信頼性の問題を
避けられるが、MR素子上で重なる伝導部の長さはセン
サの最小高さを限定するので、高密度データ記録アプリ
ケーションにおいて高レベルの読出し信号を与えるセン
サの能力を制限する。電気的接触の信頼性を改良するた
めに、伝導部が金属の導体層によって重ねられるように
金属導体層がMRストライプの主の表面に形成される。
金属の導体層がスライドするABSで露出されるので、
MRヘッド面が硬質合金だけで構成されるように金属の
導体層はかなり硬い金属で製造しなければならない。
【0007】実用的なMR読取りセンサを得るために克
服すべき上述の機械的及び材料の問題に加えて、MRセ
ンサの動作中に発生する信号雑音は、読出される記憶デ
ータの正確な検出を可能にする高S/N比を得るために
最小にされなければならない。MRセンサの雑音の主要
素はMRセンサの全抵抗である。MRセンサの雑音を最
小にするには、MR読取り素子の抵抗と伝導部の抵抗と
を含むMRセンサの全抵抗を最小にすることが望まし
い。
【0008】伝導部の抵抗を最小にするための従来の方
法には、伝導部の厚みを厚くして伝導部全体の断面積を
広くする方法、及び低抵抗率を有する伝導性材料を利用
する方法がある。これら2つの方法には限界がある。伝
導部の厚さの増加はヘッド又はスライドするABS及び
その周辺において伝導部とMR素子との段高さを増加さ
せ、製造上の困難さを増し、ABSと媒体とのインタフ
ェースでの機械的問題を悪化させる。また、この増加し
た段高さはMR素子の第2のシールド・ギャップの段の
包み込みの問題、誘導書込み素子の成膜表面の曲率の増
加の問題を生じさせることになる。低抵抗率の材料の使
用においては、スライドするABSで露出する全てのセ
ンサの材料が満足すべき多くのかなり厳しい機械的、電
気化学的必要条件を満たす、新しい伝導部の材料の選択
問題が生じる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はMR伝
導部の抵抗が最小の伝導部を有する磁気抵抗センサを提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、磁気抵
抗(MR)読取りトランスデューサ機構はMR層と複数
の電気伝導部とで構成する。電気伝導部は離隔した位置
でMR層に直接又は間接的に電気的に接続される。伝導
部は、従来技術で知られているようにMR層の端部領域
上に重なり、スライドするABSに延びている適切な材
料で形成された主の又は第1の電流搬送部と、スライド
するABSから離れた位置にあり、主の伝導部に重なっ
て形成する第2の電流搬送部とで構成する。1つ以上の
伝導層を主の伝導部に加えると伝導部の断面積を増加さ
せるので、その結果、伝導部全体の抵抗を実質的に減少
させる。電流搬送用の第2の層に利用される材料は、低
抵抗率の伝導材料から選択される。一方、第2の伝導層
は主の電流搬送伝導部と同一材料にすることができる。
これは第2の伝導層はスライドするABSで露出しない
ので機械的、電気化学的な必要条件が本質的に減らされ
ることになり、適切な伝導部の材料を得る伝導性材料の
選択範囲が広くなる。例えば、銅(Cu)は従来技術に
おいて、一般に使われた金(Au)の約1/2である抵
抗率の伝導層をもたらす適切な選択である。必要なら
ば、第2の伝導層は2つのタンタル層(Ta)層のよう
な、2つの保護層に挟まれる伝導層を有する多層構造と
することができ、後で行われるセンサ処理工程から伝導
性の材料を保護する。例としてTa/Cu/Ta層の構
造が有る。1つ以上の伝導層をスライドするABSから
離れた位置にある主な伝導部上に重ねて形成すると、伝
導部全体の抵抗を減らす一方で、ヘッド表面周辺で増加
する伝導部とMR素子との段高さを最小にする。
【0011】
【実施例】本発明は、図1で示されるように磁気ディス
ク記憶装置として実施されることを記述しているが、本
発明は、例えば磁気テープ記録装置を始めとする他の磁
気記録装置にも適用できることは明らかである。少くと
も1つの回転可能な磁気ディスク12は、スピンドル1
4で支持されてディスク駆動モータ18によって回転す
る。各ディスクの磁気記録媒体は、磁気ディスク12の
同心のデータ・トラック(図示なし)の環状パターンの
形式である。
【0012】少なくとも1つのスライダ13が磁気ディ
スク12上に位置し、各スライダ13は1つ以上の磁気
読取り/書込みセンサ又はヘッド21を支える。ディス
クが回転すると、ヘッド21がデータを記憶しているデ
ィスク面22の異なる部分をアクセスできるようにスラ
イダ13はディスク上を半径方向に往復運動する。各ス
ライダ13はサスペンション15によってアクチュエー
タ・アーム19に取付けられている。サスペンション1
5はスライダ13をディスク面22に対して押付けでき
るように、僅かな、ばね力を与える。各アクチュエータ
・アーム19はアクチュエータ手段27に取付けられて
いる。図1で示されるアクチュエータ手段はボイス・コ
イル・モータ(VCM)である。VCMは固定磁界内に
おいてコイル可動であり、コイル動作の方向及び速さは
供給される電流によって制御される。
【0013】ディスク記憶装置の動作中、ディスク12
の回転はスライダ13とディスク面22との間にエアー
・ベアリングを発生する。エアー・ベアリングはサスペ
ンション15の僅かなばね力と釣り合って、スライダ1
3をディスク面から少しだけ離して維持し、動作中に一
定の間隔を保たせる。
【0014】ディスク記憶装置の様々な構成要素は、制
御装置29によって生成される信号によって動作中に制
御される。これらの信号には、例えばアクセス制御信
号、内部クロック信号があり、構成要素には論理制御回
路、記憶手段、マイクロプロセッサ等が含まれる。制御
装置29は制御信号を発生し、ライン23のモータ制御
信号及びライン28のヘッド位置制御信号を始めとする
様々な装置の動作を制御する。ライン28の制御信号は
所定の現在のプロファイルを知らせ、選択されたスライ
ダ13を関連するディスク12の所定のデータ・トラッ
クに最適に移動させて位置づかせる。読取り及び書込み
信号は記録チャネル回路25によって読取り/書込みヘ
ッド21と連絡する。
【0015】上記の典型的な磁気ディスク記憶装置の説
明及びそれに伴う図1の図解は説明用のためだけであ
る。ディスク記憶装置が多数のディスクとアクチュエー
タとを有し、各アクチュエータが多数のスライダを支え
るのは明らかである。
【0016】ここで図2、図3及び図4を参照するに、
本発明の好ましい実施例が米国特許第4663685号
記載の磁気抵抗読取りセンサで例示されている。磁気抵
抗(MR)読取りセンサ30は、適切な基板(図示な
し)上に形成された適切な磁気抵抗特性を持つ強磁性体
の層32を有する層構造から成る。MRセンサ30は2
つの領域に区分できる。データの実際の検知が行われる
中央活性領域34と端部領域33である。端部領域33
が長さ方向のバイアス及び活性中央領域34が横方向の
バイアスである領域33と34は従来技術で知られてい
る方法とは異なる方法でバイアスされる。端部領域33
の長さ方向のバイアスは、MR層32と直接的な物理的
接触において形成されるバイアス層35によって作り出
される。バイアス層35は反強磁性材料又は硬質強磁性
材料の何れかで構成される。活性領域34の横方向のバ
イアスは薄膜非磁性スペーサ層39によってMR層32
から分離されている軟質磁性薄膜層37によって作り出
される。MR層32と軟質磁性薄膜層37の分離目的
は、中央活性領域内においてMR層32と軟質磁性バイ
アス層37との間の磁気交換結合を防止することにあ
る。電気伝導部41は第1の又は主の電流搬送伝導部3
8と第2の電流搬送伝導層36とを有する。伝導層36
はMRセンサ30を外部回路(図1に示される)に結合
する主の伝導部38の主要な表面部に付着されている。
主の伝導部38はセンサ端部領域33のMR素子32に
重なってセンサABS面31に延びる。第2の伝導層3
6は主の伝導部38に重なり、且つ物理的に接触するよ
うに付着され、センサのABS 31(図3、図4に図
示)から奥まった又は離れた位置44から延びている。
ここにおける第2の伝導層36の唯一の必要条件は、A
BSから十分に離れてABSで露出しないこと、及びセ
ンサ面31から離れた位置44から延びてMR層32に
重ならないようにすることである。本実施例では主の伝
導部は長さ方向のバイアス層35に対して物理的に接触
するように付着されるが、しかし、他の実施例において
は主の伝導部はMR層32と直接に物理的に接触してい
る。主の伝導部38の内部のエッジ間に配置されたMR
層32の部分は、活性領域34の部分を有し、出力信号
が発生する。
【0017】図3の説明を続けるに、出力信号is はM
Rセンサ30に対して電気的に接続されている伝導部4
1を利用して検知手段43に出力する。上記出力信号i
s は検知手段43を使用可能にし、例えば、磁気媒体に
以前に記録されたデータからMRセンサ30によって捉
えられた、磁界から生じる中央領域34の抵抗変化を求
めるようにする。バイアス・ソース45も又、伝導部4
1に接続されてバイアス電流を供給する。バイアス電流
は軟質磁性バイアス層37と結合されて従来技術で知ら
れている方法で活性領域34の横方向のバイアスを作り
出す。一般に、検知手段43とバイアス・ソース45
は、読取り/書込みの記録チャネル回路25(図1に示
される)に組込まれる。
【0018】本発明による伝導部41の主の伝導部38
の構造は、例えば、Au、金−ニッケル(AuNi)又
はアルミニウム(Al)を始めとする適切な電気材料の
単一の層であることができる。代替として主の伝導部3
8は、主の電流搬送層47とこれを覆う粘着性の上部層
49との多層化層とすることができる。例えば、電流搬
送層47の材質はルテニウム(Ru)、イリジウム(I
r)又はロジウム(Rh)であり、上部層49はチタン
(Ti)又はTaである(図4参照)。主の伝導部38
として使用に適し、多層化された伝導部の他の実施例
は、前述の米国特許出願及び米国特許第4914538
号で記述されているので参照されたい。
【0019】Ru、Ir又はRhだけの薄膜の伝導部は
信頼性が高いことがわかっている。主の電流搬送層の片
側又は両側の粘着層は、ある動作環境において高信頼性
を与える。Ru、Ir及びRhの3つの全ての材料は伝
導部38、41として適切な材料である。これは、これ
らの材料が卓越した硬さ、耐腐食性及び隣接する層に対
してよく混じり合う傾向が多少あるからである。Ru、
Ir及びRhの硬さと機械的強さは、掻きキズ及び汚れ
(電気的短絡)を始めとする機械的損傷に対して保護を
与え、センサ面31での露出における適切な材料とな
る。
【0020】前述のように伝導部41の第2の伝導層3
6はセンサのABS 31から離れた位置に置かれた位
置44から延びているので、スライドするABS/ディ
スクとのインタフェースにおける苛酷な環境に露出され
ない。従って、伝導部41のステップ高さ、すなわち厚
さは2つのより小さい段に分けることができ、第2の段
は主の伝導部38のエッジ及びABS 31に対して間
隔がある。この間隔のためにヘッド表面31の形態は、
伝導部41と同じ厚みの伝導部を有するセンサと比較し
た場合、より滑らかである。第2のギャップの材料(図
示なし)による被覆が等しく成膜され、伝導部とシール
ド間の絶縁がより大となる。更に、第2の伝導層36の
段高さがABS 31に現れないので第2の伝導層36
の追加は、ABS 31での伝導部の段高さによる誘導
書込みヘッド(図示なし)の磁極端の曲率に影響を与え
ない。
【0021】第2の伝導層36が離れた位置に置かれ、
且つABS 31において露出されないので、機械的、
電気化学的必要条件が大いに減少されることから第2の
伝導層36として使用する適切な伝導性の材料の選択幅
がより広くなる。一般に、第2の伝導層36の導体に利
用される材料は良導体でなければならず、例えば、C
u、Ag、Au、AuNi及びAlを始めとする金属導
体が適切な材料である。第2の伝導層36は単一層或い
はまた多層化構造とすることができる。例えば、Ta又
はクロム(Cr)の上部層によって保護されたAu層、
又は前述のTa/Cu/Taの三層構造である。前述と
同様な方法で第2の伝導層36は伝導性材料で多重層を
構成することができ、各々の重なる層は下部層に重な
り、且つ下部層の端部からオフセット、すなわち離れて
いる。
【0022】ここで図5及び図6を参照すると、本発明
の第2の実施例が図示されている。MR読取りセンサ5
0は、該センサの中央活性領域56だけに延びて重なる
MR層54と、適切な基板51上に付着された該センサ
の各端部領域58における硬質強磁性バイアス層53と
で構成する。各端部領域58における硬質強磁性バイア
ス層53はMR層54と突き合わせ接続を形成し、MR
読取りセンサ50の長さ方向のバイアスを作り出す。電
気伝導部52は第1の又は主の電流搬送伝導部55と、
該伝導部55の主要な表面に付着された第2の電流搬送
伝導層57とで構成し、MR読取りセンサ50を外部回
路(図1で図示)と結合する。図2、図3の記述内容と
は対象的に、主の伝導部55はセンサ50の各端部領域
の硬質強磁性バイアス層53だけに重なってセンサのA
BS表面61に延び、MR層54とは重ならない。第2
の伝導層57は主の伝導部55に重なり、物理的接触す
るように成膜されており、センサのABS 61から離
れた位置63から延びている(図6で図示)。第2の伝
導層57はMR層54に対して重ならないようにセンサ
表面61から離隔した位置63から延びる。硬質強磁性
バイアス層53はMR層54に対して電気的且つ磁気的
持続性をもたらす。硬質強磁性バイアス層53は、例え
ばコバルト(Co)、Cr、コバルト−白金(CoP
t)又はCoCrPtである金属の単一層でもよいが、
タングステン(W)又はAuを始めとする下部層及び/
又は上部層を使用することが望ましい。従来技術で知ら
れるように、横方向のバイアスが中央活性領域56で必
要である。このバイアスは軟質磁性層バイアス、分流バ
イアス、バーバ磁極バイアスの構成又は他の互換性を持
つ横方向のバイアス技術によって与えられる。横方向の
構成は示されていないが、MR層54を表すブロックに
含まれている。
【0023】ここで図7乃至図14を参照するに、図5
及び図6に示すMRセンサ50の特定の実施例のMRセ
ンサ70の製造プロセスの実施例が示されている。この
製造プロセスには適切な基板(図示なし)上への成膜、
NiFe又はセンダスト(AlSiFe)等の磁性材料
の第1のシールド層71、二酸化けい素(SiO2 )又
はアルミナ(Al23)を始めとする絶縁材料の第1の
ギャップ層73、及びセンサ層75の製造工程が含まれ
る。センサ層75は軟質磁性薄膜層、非磁性スペーサ層
及びMR層を含む三層で構成する。MR層は、例えば第
1のギャップ層73上に付着されたブランケットのNi
Fe等の強磁性体の層である。次の工程では、写真製版
技術を利用して二層フォトレジスト剥離ステンシル・マ
スク77を形成し、センサ層75及び第1又は主の伝導
部81をパターン化する。ステンシル・マスク77はセ
ンサ層75の各エッジを画定し、図9で示されるように
センサ層75を製造するのに使用される。センサの三層
ブランケットの材料はサブトラクティブ法によって長さ
方向のバイアス層79及び第1の伝導部81を下層にす
る領域において除去される。サブトラクティブ法にはス
パッタリング・エッチング、イオン・ミリング又は化学
エッチング法等がある。硬質磁性のバイアス層が好まし
いが代わりに交換バイアス層でもよい。長さ方向のバイ
アス層79と第1の伝導部81は次に、図10で示され
るように金属剥離プロセスのステンシル・マスク77を
利用してブランケットの付着及びパターン化が行われ
る。ブランケットの付着中にステンシル・マスク77上
に付着された全ての磁性及び伝導性材料はステンシル・
マスクとともに除去される。この工程は剥離プロセスに
よって行われ、センサ端部領域だけに第1の伝導部81
を覆う長さ方向のバイアス層79を有するセンサ70を
作り出す。各々の長さ方向のバイアス層79は、センサ
の中央活性領域上だけに延びるセンサの三層部75と連
続する接続を有する。次に工程は図11で示されるよう
に、写真製版技術及びイオン・ミリング技術を用いてセ
ンサ・ストライプ76がパターン化する。次に第2の伝
導部83は写真製版技術、ブランケット成膜技術及び金
属剥離技術を用いて形成される。これは図12で示され
る長さ方向のバイアス層79と第1の伝導部81の形成
方法と同じである。図5及び図6で説明したように第2
の伝導部83は第1の伝導部81に重なり、第1の伝導
部上の、センサのABS 85から離れた又は奥まった
位置84から延びる。MRセンサ70の完成には、図1
3で示されるように第2のギャップ層87と第2の磁気
シールド層89がブランケット成膜によって形成され
る。次にプロセスは、誘導書込みヘッド及び他の完全な
磁気読取り/書込みトランスデューサ(図示なし)の構
成要素を形成する。
【0024】上記プロセスによって製造されたMR読取
りセンサ70が図14に示されている。図8は又、セン
サのエッジすなわち、ABSを示し、センサの表面は以
前に記録された磁気データが読出される磁気記録媒体に
対して近接した位置にある。センサ70は該センサの中
央活性領域上に延びるMR素子76と長さ方向のバイア
ス層79及び第1の伝導部81とで構成する。長さ方向
のバイアス層79はMR素子76と突き合わせ接続88
を形成し、該MR素子76と長さ方向のバイアス層に重
なる第1の伝導部81との間に電気的接続をもたらす。
長さ方向のバイアス層79はセンサ70の端部領域上に
延び、センサの動作中に長さ方向のバイアス磁界を与え
る。上述の第1の伝導部81に重なる第2の伝導部83
は、センサのABSから奥まった所に位置しているの
で、ABS/媒体表面のインターフェースにて露出され
ない。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、MR伝導部の抵抗が最
小の伝導部を有する磁気抵抗センサが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する磁気ディスク記憶装置の単純
化したブロック図である。
【図2】本発明を実施するMR読取りセンサ機構の特定
の実施例の端部図である。
【図3】図2で示されるMRセンサの平面図である。
【図4】図3のライン4−4の断面部分の図である。
【図5】本発明を実施するMR読取りセンサ機構の他の
実施例の端部を示す図である。
【図6】図5で示されるMR読取りセンサの平面図であ
る。
【図7】図5で示される特定の実施例のMR読取りセン
サの端部を示す図である。
【図8】図5で示される特定の実施例のMR読取りセン
サの端部を示す図である。
【図9】図5で示される特定の実施例のMR読取りセン
サの端部を示す図である。
【図10】図5で示される特定の実施例のMR読取りセ
ンサの端部を示す図である。
【図11】図5で示される特定の実施例のMR読取りセ
ンサの端部を示す図である。
【図12】図5で示される特定の実施例のMR読取りセ
ンサの端部を示す図である。
【図13】図5で示される特定の実施例のMR読取りセ
ンサの端部を示す図である。
【図14】図7乃至図13で示される本発明に従うMR
読取りセンサの製造プロセスの実施例を例示する図であ
る。
【符号の説明】
12 磁気ディスク 13 スライダ 14 スピンドル 15 サスペンション 18 ディスク駆動モータ 21 ヘッド 22 ディスク面 25 記録チャネル回路 29 制御ユニット 30 磁気抵抗(MR)読取りセンサ 32 MR層 33 端部領域 34 中央活性領域 43 検知手段 45 バイアス・ソース 50 MR読取りセンサ 56 中央活性領域 57 伝導層 75 センサ 77 二層フォトレジスト剥離ステンシル・マスク 79 長さ方向のバイアス層 81 第1の伝導部 83 第2の伝導部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ケニス・チン−ヤン・クン アメリカ合衆国95120、カリフォルニア 州サンホセ、パセオ・プエブロ・ドライ ブ 6168 (72)発明者 ロドニー・エドガー・リー アメリカ合衆国93907、カリフォルニア 州サリナス、ノースウッド・プレイス 17845 (72)発明者 ニール・レスリー・ロバートソン アメリカ合衆国95008、カリフォルニア 州キャンプベル、ベント・ドライブ 1125 (56)参考文献 特開 平4−3306(JP,A) 特開 平2−68706(JP,A)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成された磁気抵抗材料の層と、 相互に離隔した複数の位置で上記磁気抵抗材料の層に電
    気的に結合された複数の電気伝導リ−ド構造であって、
    各電気伝導リ−ド構造が、磁気センサの露出面に延びる
    第1の伝導層、及び該第1の伝導層に電気的且つ物理的
    に結合する第2の伝導層を有し、該第2の伝導層が上記
    第1の伝導層上の、上記露出面から離隔した位置にあ
    り、且つ上記第1の伝導層及び上記第2の伝導層の少な
    くとも一方が多層の伝導構造であるような上記複数の電
    気伝導リ−ド構造とを有し、これによって信号出力手段
    が、1対の上記電気伝導リ−ド構造間に結合されると
    き、上記磁気抵抗材料の層によって捕捉される磁界に応
    答する該磁気抵抗材料中の抵抗変化を検知できる磁気抵
    抗センサ。
  2. 【請求項2】上記複数の電気伝導リ−ド構造が、上記磁
    気センサの中央活性領域によって分離された複数の端部
    領域の磁気抵抗材料の層の上方にのみ設けられたことを
    特徴とする請求項1記載の磁気抵抗センサ。
  3. 【請求項3】上記磁気抵抗材料の層と上記第1の伝導層
    との間に電気的且つ物理的に結合する、長さ方向のバイ
    アス層を更に有することを特徴とする請求項2記載の磁
    気センサ。
  4. 【請求項4】上記長さ方向のバイアス層が上記端部領域
    のみに形成されることを特徴とする請求項3記載の磁気
    センサ。
  5. 【請求項5】上記第1の伝導層が、ルテニウム、イリジ
    ウム、及びロジウムよりなる群から選択された材料の層
    を含むことを特徴とする請求項1記載の磁気センサ。
  6. 【請求項6】上記第1の伝導層が、上記選択された材料
    の層上に、チタニウム又はタンタルの粘着層を含むこと
    を特徴とする請求項5記載の磁気センサ。
  7. 【請求項7】上記第2の伝導層が、銅、銀、金、アルミ
    ニウム、及び金ニッケル合金よりなる群から選択された
    材料の層を含むことを特徴とする請求項1記載の磁気セ
    ンサ。
  8. 【請求項8】上記第2の伝導層が、上記選択された材料
    の層上に、タンタル又はクロムの保護層を含むことを特
    徴とする請求項7記載の磁気センサ。
  9. 【請求項9】各々の多層の伝導リ−ド構造の少なくとも
    1つの層が上記磁気抵抗センサの露出面から離隔した位
    置にある、複数の多層の伝導リ−ド構造を有する磁気抵
    抗センサの製造方法であって、 上記磁気抵抗センサの中央活性領域を画定する磁気抵抗
    層を付着するステップと、 上記磁気抵抗センサの上記中央活性領域上に第1のステ
    ンシル・マスクを形成するステップと、 長さ方向のバイアス層を得るために、上記第1のステン
    シル・マスクによって覆われない上記磁気抵抗センサの
    領域の上に磁性層を付着するステップと、 上記磁性層の上に電気伝導性の第1の伝導リ−ド構造の
    層を付着するステップと、 上記中央活性領域によって分離された上記磁気抵抗セン
    サの受動の端部領域を画定する上記第1のステンシル・
    マスクを除去し、磁性材料の長さ方向のバイアス層を得
    るようにし、その上に上記受動の端部領域における第1
    の伝導リ−ド構造の層が設けられ、上記端部領域の上記
    磁性材料が上記磁気抵抗層の1つの端部との突き合わせ
    結合を形成するようにしたステップと、 上記磁気抵抗センサの上記中央活性領域と上記受動の端
    部領域の選択された部分とを覆うために第2のステンシ
    ル・マスクを形成するステップと、 上記第2のステンシル・マスクによって覆われない上記
    受動の端部領域の部分の上に、電気伝導材料の第2の伝
    導リ−ド構造の層を付着させるステップと、 上記第1の伝導リ−ド構造の層のそれぞれの上に、且つ
    上記磁気抵抗センサの露出面から離隔した位置に、上記
    第2の伝導リ−ド構造の層を画定するため、上記第2の
    ステンシル・マスクを除去するステップと、 を有する製造方法。
  10. 【請求項10】各々の多層の伝導リ−ド構造の少なくと
    も1つの層が上記磁気抵抗センサの露出面から離隔した
    位置にある、複数の多層の伝導リ−ド構造を有する磁気
    抵抗センサの製造方法であって、 磁気抵抗層を付着するステップと、 上記磁気抵抗センサの中央活性領域を覆う第1のステン
    シル・マスクを形成するステップと、 上記磁気抵抗センサの上記中央活性領域を画定するた
    め、上記第1のステンシル・マスクによって覆われない
    上記磁気抵抗層の部分を除去するステップと、 長さ方向のバイアス層を得るために、上記第1のステン
    シル・マスクによって覆われない上記磁気抵抗センサの
    領域の上に磁性層を付着するステップと、 上記磁性層の上に電気伝導性の第1の伝導リ−ド構造の
    層を付着するステップと、 上記中央活性領域によって分離された上記磁気抵抗セン
    サの受動の端部領域を画定する上記第1のステンシル・
    マスクを除去し、磁性材料の長さ方向のバイアス層を得
    るようにし、その上に上記受動の端部領域における第1
    の伝導リ−ド構造の層が設けられ、上記端部領域の上記
    磁性材料が上記磁気抵抗層の1つの端部との突き合わせ
    結合を形成するようにしたステップと、 上記磁気抵抗センサの上記中央活性領域と上記受動の端
    部領域の選択された部分とを覆うために第2のステンシ
    ル・マスクを形成するステップと、 上記第2のステンシル・マスクによって覆われない上記
    受動の端部領域の部分の上に、電気伝導材料の第2の伝
    導リ−ド構造の層を付着させるステップと、 上記第1の伝導リ−ド構造の層のそれぞれの上に、且つ
    上記磁気抵抗センサの露出面から離隔した位置に、上記
    第2の伝導リ−ド構造の層を画定するため、上記第2の
    ステンシル・マスクを除去するステップと、 を有する製造方法。
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