JPH07176021A - 磁気抵抗効果型磁気ヘッド - Google Patents

磁気抵抗効果型磁気ヘッド

Info

Publication number
JPH07176021A
JPH07176021A JP31960193A JP31960193A JPH07176021A JP H07176021 A JPH07176021 A JP H07176021A JP 31960193 A JP31960193 A JP 31960193A JP 31960193 A JP31960193 A JP 31960193A JP H07176021 A JPH07176021 A JP H07176021A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
magnetic
magnetoresistive effect
magnetoresistive
effect
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31960193A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasunari Tajima
康成 田島
Takao Imagawa
尊雄 今川
Susumu Soeya
進 添谷
Shigeru Tadokoro
茂 田所
Eiji Ashida
栄次 芦田
Moriaki Fuyama
盛明 府山
Tetsuo Kobayashi
哲夫 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP31960193A priority Critical patent/JPH07176021A/ja
Publication of JPH07176021A publication Critical patent/JPH07176021A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Heads (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 再生感度を向上させると同時にバルクハウゼ
ンノイズを低減する。また、磁気ヘッドの構造を安定に
形成することにある。 【構成】 磁気抵抗効果を用いて磁気信号を電気信号に
変換する磁気抵抗効果膜40と、この磁気抵抗効果膜4
0に信号を検出するための電流を流す一対の電極60
と、磁気抵抗効果膜40の磁区を制御するための磁区制
御膜45とを備え、磁気抵抗効果膜40と磁区制御膜4
5の間の感磁部に、磁気抵抗効果膜40と磁区制御膜4
5の間の磁気的な結合を分離するための分離膜32と、
分離膜32を被覆する磁気抵抗効果膜34からなる多層
膜30を配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気抵抗効果を用いて
磁気信号を電気信号に変換する磁気抵抗効果型磁気ヘッ
ドに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気抵抗効果を用いて磁気信号を電気信
号に変換するためには磁気抵抗効果膜が用いられる。磁
気抵抗効果膜を用いるにあたっては、磁気抵抗効果膜の
中に生ずる磁壁を無くすことが有効と考えられ、以下に
示す様な技術が考えられている。 磁気抵抗効果膜の片
側全面に反強磁性膜を設け、この反強磁性膜と磁気抵抗
効果膜との界面で生じる磁気的な結合を利用する技術
(米国特許第4103315号)や磁気抵抗効果膜の上側両端
部にFeMn合金などの反強磁性体で構成される磁区制
御層を形成し、この反強磁性膜と磁気抵抗効果膜との界
面で生じる交換結合を利用する技術(米国特許第466368
5号)などである。交換結合を詳細に説明すると、反強
磁性膜と強磁性膜との界面付近における反強磁性のスピ
ンの向きに強磁性膜のスピンの向きを一致させることを
いい、その結果、強磁性膜に付与される縦バイアス磁界
の大きさを結合磁界という。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、磁気
抵抗効果膜を利用して磁気信号を電気信号に変換する際
に発生するバルクハウゼンノイズの低減に有効である。
しかし、以下に示すような問題点がある。
【0004】磁気抵抗効果膜の片側全面に直接接して反
強磁性膜が形成される米国特許第4103315号の場合、磁
気抵抗効果膜には強い縦バイアス磁界が付与される。そ
の結果、バルクハウゼンノイズは完全に抑止できるもの
の、結合磁界が大きすぎるために、磁気抵抗効果膜内の
磁気モーメントが回転しにくくなり、磁気抵抗効果膜を
用いた磁気抵抗効果型磁気ヘッドの磁気応答特性、例え
ば感度が劣化する。
【0005】また、磁気抵抗効果膜の上側両端部にFe
Mn合金などの反強磁性体で構成される磁区制御層を形
成する米国特許第4663685号の場合、耐食性に劣る導電
性反強磁性体を利用しているため、加工の際に特殊な処
理等を必要とし、磁気ヘッドを製作し難い。
【0006】本発明の目的は、再生感度を向上させると
同時に、バルクハウゼンノイズを低減することにある。
【0007】また、磁気ヘッドの構造を安定に形成する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、磁気抵抗効
果を用いて磁気信号を電気信号に変換する第1の磁気抵
抗効果膜と、該第1の磁気抵抗効果膜に電流を流す一対
の電極と、前記磁気抵抗効果膜に密着して磁区を制御す
る磁区制御膜とを備えた磁気抵抗効果型磁気ヘッドにお
いて、前記一対の電極が配置された感磁部で前記第1の
磁気抵抗効果膜と前記磁区制御膜の間に、磁気的な結合
を分離する分離膜と、該分離膜を被覆する第2の磁気抵
抗効果膜とからなる多層膜を配置したことにより達成さ
れる。
【0009】上記目的は、磁気抵抗効果を用いて磁気信
号を電気信号に変換する第1の磁気抵抗効果膜と、該第
1の磁気抵抗効果膜に電流を流す一対の電極と、前記磁
気抵抗効果膜に密着して磁区を制御する磁区制御膜とを
備えた磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、前記一対の
電極が配置された感磁部で前記第1の磁気抵抗効果膜と
前記磁区制御膜の間に、磁気的な結合を分離する分離膜
と、該分離膜を被覆する第2の磁気抵抗効果膜とからな
る多層膜を複数配置したことにより達成される。 上記
目的は、磁気抵抗効果を用いて磁気信号を電気信号に変
換する磁気抵抗効果膜と、該磁気抵抗効果膜に電流を流
す一対の電極と、前記磁気抵抗効果膜に密着して磁区を
制御する磁区制御膜とを備えた磁気抵抗効果型磁気ヘッ
ドにおいて、前記一対の電極が配置された感磁部におけ
る前記磁気抵抗効果膜の厚さが感磁部以外で前記磁区制
御膜と密着している部分の前記磁気抵抗効果膜の厚さよ
りも厚いことにより達成される。
【0010】
【作用】上記構成は、多層膜を分離膜と磁気抵抗効果膜
の繰り返しからなる積層形態とすることで、それぞれの
磁気抵抗効果膜の反磁界を小さくすることができ、感磁
部の磁気抵抗効果膜の感度を向上させることができる。
【0011】また、連続積層させた多層膜中に、分離膜
を有することにより、磁区制御膜との磁気的な結合を分
離された磁気抵抗効果膜の感磁部では、磁気抵抗効果膜
の異方性磁界の増加がない。そのため、磁気抵抗効果素
子の磁気応答特性が低下することはなく、再生感度を向
上させることができる。
【0012】連続積層させた多層膜のうち、少なくとも
1つの膜に磁気抵抗効果膜を有することにより、感磁部
の磁気抵抗効果膜の総厚さよりも、感磁部以外で磁気抵
抗効果膜と磁区制御膜が直接接している領域の磁気抵抗
効果膜の厚さを薄くすることができる。該領域では磁気
抵抗効果膜の膜厚が薄いほどより強い縦バイアス磁界が
付与され、磁気抵抗効果膜の感磁部にも適度な縦バイア
ス磁界を付与でき、磁気抵抗効果膜の感磁部に磁壁が発
生するのを抑制するので、磁壁の不規則な移動が原因で
あるバルクハウゼンノイズを低減できる。
【0013】また、多層膜が磁気抵抗効果膜と分離膜の
二層からなり、さらに該分離膜を上記磁区制御膜側に有
するとする。その場合、感磁部の磁気抵抗効果膜の総厚
さを変えることなく、感磁部以外で磁気抵抗効果膜と磁
区制御膜が直接接している領域の磁気抵抗効果膜の厚さ
を薄くすることができる。該領域では磁気抵抗効果膜の
膜厚が薄いほどより強い縦バイアス磁界が付与され、磁
気抵抗効果膜の感磁部にも適度な縦バイアス磁界を付与
でき、磁気抵抗効果膜の感磁部に磁壁が発生するのを抑
制するので、磁壁の不規則な移動が原因であるバルクハ
ウゼンノイズをを低減できる。
【0014】また、この場合に分離膜としてTa等の磁
気抵抗効果膜の磁気特性を改善する下地膜を選ぶことが
出来、磁気抵抗効果膜の比抵抗を低下させ通電寿命を延
長させることが可能になる。
【0015】そして、感磁部の磁気抵抗効果膜の厚さ
が、感磁部以外で磁気抵抗効果膜と磁区制御膜が直接接
して形成されている領域の磁気抵抗効果膜の厚さよりも
厚いとする。その場合、磁区制御膜と直接接して形成さ
れている部分の磁気抵抗効果膜には、強い縦バイアス磁
界が付与され、磁気抵抗効果膜の感磁部にも適度な縦バ
イアス磁界を付与でき、磁気抵抗効果膜の感磁部に磁壁
が発生するのを抑制するので、磁壁の不規則な移動が原
因であるバルクハウゼンノイズを低減できる。
【0016】磁気抵抗効果膜と磁区制御膜の間の感磁部
に連続積層された多層膜を用いことによって上記多層膜
を所定の位置に形成する際に、酸化等、外的環境に影響
を受けやすい分離膜を多層膜中の下層に形成しておくこ
とで、特性を損なうことなく磁気ヘッドを製作できる。
【0017】また、外的環境に影響を受けやすい分離膜
を、表面に出さないことで、汚染等による特性のばらつ
きのない磁気抵抗効果型磁気ヘッドを作成することがで
きる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図により説明する。
【0019】まず、本実施例の構成を説明する。
【0020】図1は本発明の実施例の構成を説明する斜
視図である。
【0021】図2は図1を磁気記録媒体に対向する面か
ら見た拡大断面図である。
【0022】本図に示すように磁気抵抗効果型磁気ヘッ
ド1は、ジルコニアなどの、セラミック基板101上に
アルミナ膜5を形成し、その上に下部シールド膜10
と、この下部シールド10の上に形成される下部ギャッ
プ膜20と、この下部ギャップ膜20の上に形成される
磁区制御膜45と、この磁区制御膜45の上に連続積層
された分離膜32と磁気抵抗効果膜34からなる多層膜
30と、この多層膜30上に多層膜30の配置されてい
ない磁区制御膜45の所定の領域を覆って形成される磁
気抵抗効果膜40と、この磁気抵抗効果膜40上に配置
されるシャント膜50とソフト膜55と、このソフト膜
55の上に形成される1対の信号検出電極60と、上記
各膜を覆うように形成される上部ギャップ膜70と、こ
の上部ギャップ膜70の上側に形成される上部シールド
膜80とから構成される。そして、磁気抵抗効果膜90
は磁気抵抗効果膜40と磁気抵抗効果膜34から構成さ
れている。
【0023】これらの構成要素のうち本発明の特徴は、
磁気抵抗効果膜40と磁区制御膜45の間に連続積層さ
せた多層膜30にある。多層膜とは、組成の違う二つ以
上の膜の積層からなるものを意味し、連続積層とはスパ
ッタリング法等で膜を作成する場合に、途中大気中に取
り出すことなく連続的に積層を行なうことをいう。
【0024】次に、本実施例の動作を説明する。
【0025】上部シールド膜80、下部シールド膜10
は、磁気抵抗効果膜90に信号以外の磁界が影響するこ
とを防止し、磁気抵抗効果型磁気ヘッド1の信号分解能
を高める。上部シールド膜80、下部シールド膜10の
材料は、NiFe合金、NiCo合金、Co系の非晶質
合金などの軟磁性であり、その膜厚はおよそ0.5〜3
μmの範囲が望ましい。
【0026】この上部シールド膜80、下部シールド膜
10に隣接して配置される上部ギャップ膜70、および
下部ギャップ膜20は磁気抵抗効果素子と、上部シール
ド膜80および下部シールド膜10を電気的、磁気的に
隔離し、酸化珪素、アルミナなどの非磁性絶縁物などよ
りなる。上部ギャップ膜70、および下部ギャップ膜2
0の膜厚は、磁気抵抗効果型磁気ヘッド1の再生分解能
に影響するため、通常0.1〜0.4μmの範囲が望ま
しい。
【0027】一対の信号検出電極60間の距離は、0.
5〜10μmの範囲が望ましい。また、磁気抵抗効果膜
90の信号検出電極60間を感磁部といい、この部分で
磁気信号の読み取りを行なう。信号検出電極60は、磁
気抵抗効果膜90に充分な電流、例えば1×106〜2
×107A/cm2を流すため、通常、電気抵抗が小さい
Cu、Au、Nb、Taなどの薄膜が用いられる。
【0028】磁気抵抗効果膜90は、NiFe合金、N
iCo合金、NiFeCo合金のような、磁化の方向に
よって電気抵抗が変化する強磁性膜で形成される。その
膜厚は、約0.01〜0.045μmが望ましい。
【0029】シャント膜50、ソフト膜55は、磁気信
号を線形の電気信号とするため、磁気抵抗効果膜90に
横バイアス磁界を印加する機能をもつ。
【0030】シャント膜50は、磁気抵抗効果膜90を
高感度とするのに充分なレベルに、横バイアス磁界を印
加する働きを行なう。このバイアス印加方向は、磁区制
御膜45によって付与される方向と垂直である。横バイ
アス磁界を印加するために、シャント膜を用いる方法を
シャントバイアス法という。シャントバイアス法におい
ては、シャント膜として、磁気抵抗効果膜90上に、T
i,Nb,Ta,Mo,Wなどの薄い金属膜を形成す
る。通常その膜厚は、約0.01〜0.04μmであ
る。また、シャント膜50に流れる電流によって横バイ
アス磁界が変化するので、シャント膜50の膜厚ととも
に、比抵抗も調整することが必要である。この比抵抗の
値は、通常、磁気抵抗効果膜90の比抵抗の値の1〜4
倍程度である。
【0031】このシャントバイアス法以外に、磁気抵抗
効果膜90を高感度とするのに充分なレベルに、横バイ
アス磁界を印加する方法として、例えば、ソフト膜バイ
アス法がある。
【0032】ソフト膜バイアス法は、非磁性層を介し
て、磁気抵抗効果膜に隣接して、軟磁気特性を有する強
磁性膜を形成し、磁気抵抗効果膜に流れる電流によって
発生する磁界を効率よく、磁気抵抗効果膜に印加する方
法である。ソフト膜55としては、NiFeRu,Ni
FeTa,NiFeRh,CoZrCr,MnZnフェ
ライトなどの材料が用いられる。
【0033】これらの方法は単独で用いてもよいが、図
1のようにシャント膜50(非磁性膜)の上にソフト膜
55を形成した複合バイアス法が効果的であり、本実施
例にかかわる、磁気抵抗効果型磁気ヘッド1において
は、複合バイアス法を採用した。 磁区制御膜45は磁
気抵抗効果膜40における磁壁の発生を抑止するため、
磁気抵抗効果膜40の長さ方向の縦バイアス磁界を印加
するために特別に設けられた膜である。磁区制御膜45
としては、強磁性膜あるいは反強磁性膜がよく、さらに
磁気抵抗効果膜40への検出電流分流比を高めるため、
酸化物膜が望ましい。磁区制御効果のある酸化物膜は、
外部磁界に対する安定度、ブロッキング温度、作成し易
さから反強磁性酸化ニッケル(NiO)が望ましい。ブ
ロッキング温度とは、高温になると反強磁性膜はある温
度以上で常磁性となり、この温度以上では、反強磁性膜
と強磁性膜の界面で生じる磁気的な結合である交換結合
が消失する温度のことをいう。
【0034】磁区制御膜45の材料としては、上記Ni
Oの他、ヘマタイトでも使用できる。さらに、NiOに
Fe,Co,Niの磁性元素や希土類磁性元素Ce,P
r,Nd,Pm,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,E
r,Tmを添加しても良い。
【0035】分離膜32の材料としては、Al,Ti,
Cu,Nb,Mo,Ta,W,V,Cr,Rh,Ru,
Zr,Pd,Ag,Pt,In,Sn,Re,Os,I
r,Au,アルミナ(Al23),酸化珪素(Si
2),チタニア(TiO2),ハフニア(HfO2),
ジルコニア(ZrO2),カーボン(C)などがよい。
さらに、上記金属元素を組み合わせた2元系以上の非磁
性合金膜としてもよい。さらに、上記酸化物、及びカー
ボンに第3元素を添加した材料で構成してもよい。さら
に、Al23,SiO2,TiO2,HfO2,ZrO2
どは絶縁性を示すので、これらを分離膜32として用い
ることにより磁気抵抗効果膜90に通電できる電流密度
を大きくでき、磁気抵抗効果型磁気ヘッドを高感度とす
るのに有利である。 本実施例にかかわる多層膜30の
膜厚は、1〜30nmの範囲が望ましい。図1に示すよ
うに、磁気抵抗効果膜40は、多層膜30の上方に形成
される。磁気抵抗効果膜40は、多層膜30に乗り上げ
て形成されるため、多層膜30の膜厚が大の場合には、
磁気抵抗効果膜40に段切れが生じてしまう。このた
め、多層膜30は薄い方が望ましく、厚くても30nm
以下とすることが望ましい。さらに端部からのバイアス
磁界を有効に伝えるためには、磁気抵抗効果膜40の膜
厚を多層膜30の膜厚より大とするほうが望ましい。
【0036】次に、磁気抵抗効果型磁気ヘッド1の具体
的な製造方法について説明する。
【0037】なお、下記において、薄膜の形成およびパ
ターニングは、スパッタリング法や蒸着、エッチング、
フォトリソグラフィー法を用いて行なうことができる。
【0038】最初に、下部シールド膜10とするNiF
e合金を基板上に2μmの厚さに形成し、その後、その
上部に下部ギャップ膜20とするアルミナを0.3μm
の厚さに形成する。そして、この下部シールド膜10と
下部ギャップ膜20とを所定の形状に加工する。ここ
で、下部シールド膜10の端部は、図1に示すように、
基板面に対して傾斜するように加工する。これは、下部
シールド膜10を覆う形に形成される信号検出電極60
が、下部シールド膜10の端部で断線するのを防止する
ためである。次に、下部ギャップ膜20の上側に0.0
4〜0.2μmの磁区制御層を形成する。その上方に分
離膜32を0.001〜0.02μm、続いて磁気抵抗
効果膜34を0.001〜0.01μm形成する。そし
て、分離膜32と磁気抵抗効果膜34を所定の位置に形
成する。ここで、分離膜32と磁気抵抗効果膜34は、
少なくとも感磁部の位置に配置されるようにリフトオフ
法等により形成する。多層膜30の形成にあたっては、
磁気抵抗効果膜40の段切れを防止するため、多層膜3
0の両端部にはテーパを付与した方がよい。次に、磁気
抵抗効果膜34の上方に磁気抵抗効果膜40としてNi
Fe合金膜を0.005〜0.03μmの厚さに形成
し、続いて、シャント膜50としてNb膜を0.04μ
mの厚さに形成し、ソフト膜55とするCoZrNb膜
を0.04μmの厚さに形成する。その後、イオンミリ
ング法等の手法により、ソフト膜55,シャント膜5
0,磁気抵抗効果膜40を図1の形状に一括加工する。
その後、信号検出電極60とする金とチタンの二層膜を
0.1μmの厚さに形成した後、加工し、さらに、その
上部に上部ギャップ膜70とするアルミナを0.3μm
の厚さに形成する。次に、上部磁気シールド膜80とす
るNiFe合金膜を2μmの厚さに形成し、保護膜とし
てアルミナを形成し、磁気抵抗効果型磁気ヘッド1の作
成を完了する。
【0039】次に、本発明の他の実施例を説明する。
【0040】図3は本発明の他の実施例の構成を説明す
る断面図である。
【0041】本図に示すように磁気抵抗効果型磁気ヘッ
ド2は、ジルコニアなどの、セラミック基板101上に
Al23膜5を形成し、この上に下部シールド膜10と
してNiFe膜、下部ギャップ膜20としてAl23
を形成した。この上に、磁区制御膜45としてNiO膜
を形成し、イオンミリングにより一部を残して除去す
る。この上に、分離膜32としてTa膜、磁気抵抗効果
膜34としてNiFe膜を二度繰り返して連続積層させ
た複数の多層膜36を形成し、リフトオフ法により一部
を残して除去する。この上に磁気抵抗効果膜40として
NiFe膜、シャント膜50としてNb膜、ソフト膜5
5としてNiFeNb膜を形成し、この磁気抵抗効果膜
40、シャント膜50、ソフト膜55の三層をイオンミ
リング法により図に示したようにストライプ状にパター
ン化した。この上に、Nb、Au、Crの順に積層した
信号検出電極60を形成し、エッチングを行った。この
上に、上部ギャップ膜70としてAl23膜、上部シー
ルド80としてNiFe膜を形成した。その上に、保護
膜として図示せざるアルミナを形成し、磁気抵抗効果型
磁気ヘッド2の作成を完了する。
【0042】なお、本実施例においては多層膜30中の
分離膜32に金属系の非磁性材料としてTaを用いた。
分離膜32と磁気抵抗効果膜34を、連続積層させるこ
とにより磁気抵抗効果膜34の特性を向上させることが
できる。具体的には磁気抵抗効果膜34の比抵抗を下
げ、結晶方位を揃える等の効果があり、それによって出
力を向上させることができる。
【0043】図4は本発明の実施例の多層膜の特性を説
明する図表である。
【0044】本図は横軸に分離膜上の磁気抵抗効果膜と
してのNiFe膜厚さ、横軸に磁気抵抗効果膜としての
NiFe膜の比抵抗を示す。本図はTa膜上にNiFe
膜を形成した場合と、ガラス上にNiFe膜を形成した
場合とを示し、Ta膜の場合が比抵抗は小さい。
【0045】以上に述べた本実施例の磁気抵抗効果型磁
気ヘッドと、この磁気抵抗効果型磁気ヘッドの位置を制
御する磁気ヘッド位置制御装置と、磁気信号が書き込ま
れた磁気ディスクと、磁気ディスクを回転させるスピン
ドルとにより、再生感度が高くバルクハウゼンノイズの
小さい磁気記録装置が得られる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、感磁部の磁気抵抗効果
膜と磁区制御膜の間に、磁気的な結合を分離する分離膜
とこの分離膜を被覆する磁気抵抗効果膜とからなる多層
膜を配置したことにより、再生感度を向上させると同時
に、バルクハウゼンノイズを低減する効果が得られる。
【0047】また、材質的に不安定な分離膜を磁気抵抗
効果膜で被覆することにより、磁気ヘッドの構造を安定
に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の構成を説明する斜視図であ
る。
【図2】図1を磁気記録媒体に対向する面から見た拡大
断面図である。
【図3】本発明の他の実施例の構成を説明する断面図で
ある。
【図4】本発明の実施例の多層膜の特性を説明する図表
である。
【符号の説明】
1 磁気抵抗効果型磁気ヘッド 2 磁気抵抗効果型磁気ヘッド 5 アルミナ膜 10 下部シ−ルド膜 20 下部ギャップ膜 30 多層膜 32 分離膜 34 磁気抵抗効果膜 36 複数の多層膜 40 磁気抵抗効果膜 45 磁区制御膜 50 シャント膜 55 ソフト膜 60 信号検出電極 70 上部ギャップ膜 80 上部シ−ルド膜 90 磁気抵抗効果膜 101 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田所 茂 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 芦田 栄次 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 府山 盛明 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 小林 哲夫 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気抵抗効果を用いて磁気信号を電気信
    号に変換する第1の磁気抵抗効果膜と、該第1の磁気抵
    抗効果膜に電流を流す一対の電極と、前記磁気抵抗効果
    膜に密着して磁区を制御する磁区制御膜とを備えた磁気
    抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、前記一対の電極が配置
    された感磁部で前記第1の磁気抵抗効果膜と前記磁区制
    御膜の間に、磁気的な結合を分離する分離膜と、該分離
    膜を被覆する第2の磁気抵抗効果膜とからなる多層膜を
    配置したことを特徴とする磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 磁気抵抗効果を用いて磁気信号を電気信
    号に変換する第1の磁気抵抗効果膜と、該第1の磁気抵
    抗効果膜に電流を流す一対の電極と、前記磁気抵抗効果
    膜に密着して磁区を制御する磁区制御膜とを備えた磁気
    抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、前記一対の電極が配置
    された感磁部で前記第1の磁気抵抗効果膜と前記磁区制
    御膜の間に、磁気的な結合を分離する分離膜と、該分離
    膜を被覆する第2の磁気抵抗効果膜とからなる多層膜を
    複数配置したことを特徴とする磁気抵抗効果型磁気ヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 磁気抵抗効果を用いて磁気信号を電気信
    号に変換する磁気抵抗効果膜と、該磁気抵抗効果膜に電
    流を流す一対の電極と、前記磁気抵抗効果膜に密着して
    磁区を制御する磁区制御膜とを備えた磁気抵抗効果型磁
    気ヘッドにおいて、前記一対の電極が配置された感磁部
    における前記磁気抵抗効果膜の厚さが感磁部以外で前記
    磁区制御膜と密着している部分の前記磁気抵抗効果膜の
    厚さよりも厚いことを特徴とする磁気抵抗効果型磁気ヘ
    ッド。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3項のうちの何れか
    の請求項に記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッドと、該磁気
    抵抗効果型磁気ヘッドの位置を制御する磁気ヘッド位置
    制御装置と、磁気信号が書き込まれた磁気ディスクと、
    該磁気ディスクを回転させるスピンドルとを備えたこと
    を特徴とする磁気記録装置。
JP31960193A 1993-12-20 1993-12-20 磁気抵抗効果型磁気ヘッド Pending JPH07176021A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31960193A JPH07176021A (ja) 1993-12-20 1993-12-20 磁気抵抗効果型磁気ヘッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31960193A JPH07176021A (ja) 1993-12-20 1993-12-20 磁気抵抗効果型磁気ヘッド

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07176021A true JPH07176021A (ja) 1995-07-14

Family

ID=18112095

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31960193A Pending JPH07176021A (ja) 1993-12-20 1993-12-20 磁気抵抗効果型磁気ヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07176021A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6729015B2 (en) * 1998-10-08 2004-05-04 Read-Rite Smi Corporation Method of manufacturing a magnetic head device

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6729015B2 (en) * 1998-10-08 2004-05-04 Read-Rite Smi Corporation Method of manufacturing a magnetic head device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6327107B1 (en) Spin tunnel magneto-resistance effect type magnetic sensor and production method thereof
US5492720A (en) Method of manufacturing a magnetoresistive sensor
JP3004007B2 (ja) 磁気トンネル接合磁気抵抗読取りヘッド
JP3004006B2 (ja) 磁束ガイドとしての検知層を備える磁気トンネル接合磁気抵抗読取りヘッド
KR0172018B1 (ko) 자기 저항 효과 소자
US20040042127A1 (en) Spin-valve head containing partial current-screen-layer, product method of said head, and current-screen method
KR19980041787A (ko) 길이 방향 바이어스를 갖는 자기 터널 접합 장치
US6657826B2 (en) Magnetoresistive device and method of manufacturing same, thin-film magnetic head and method of manufacturing same, head gimbal assembly and hard disk drive
JPH0562130A (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘツドおよびその製造方法
JP4191574B2 (ja) 逆平行結合された導線/センサ重複領域を有する磁気抵抗センサ
JP3836294B2 (ja) 磁気ヘッド、及びこれを用いた磁気記録再生装置
JP2001184613A (ja) 磁気抵抗センサー
US6120920A (en) Magneto-resistive effect magnetic head
US6717779B2 (en) Magnetoresistive head and manufacturing method therefor
JPH08115511A (ja) フラックスガイド型gmrヘッド
JPH07176021A (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘッド
JP3677582B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド
JP3981856B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド
JP2001250205A (ja) 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
JP2755186B2 (ja) 磁気抵抗効果ヘッド
JPH06103536A (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘッド
JPH08221717A (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘッド
JPH08111007A (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及びその製造方法
JPH07254114A (ja) 磁気ヘッド
JPH08221716A (ja) 磁気ヘッド