JPH08111007A - 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果型磁気ヘッド及びその製造方法

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JPH08111007A
JPH08111007A JP6245884A JP24588494A JPH08111007A JP H08111007 A JPH08111007 A JP H08111007A JP 6245884 A JP6245884 A JP 6245884A JP 24588494 A JP24588494 A JP 24588494A JP H08111007 A JPH08111007 A JP H08111007A
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film
magnetic
magnetoresistive
magnetoresistive effect
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JP6245884A
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Inventor
Susumu Soeya
進 添谷
Yasunari Tajima
康成 田島
Takao Imagawa
尊雄 今川
Katsuya Mitsuoka
勝也 光岡
Hiroshi Fukui
宏 福井
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】狭トラック構造とでき、高出力と、バルクハウ
ゼンノイズレスと、磁気抵抗効果膜と信号取り出し電極
との接触抵抗の低減と、各素子間の素子抵抗のバラツキ
低減とを同時に実現できる磁気抵抗効果型磁気ヘッドを
提供する。 【構成】下部ギャップ膜20上に両端にテ−パ−形状を
所持させた軟磁性膜30と第一の非磁性スペ−サ−層と
の2層膜を形成し、この2層膜上と下部ギャップ膜20
上とを覆って磁気抵抗効果膜50を形成し、磁気抵抗効
果膜50感磁部両端に大きな接触面積を保って、電極を
兼ねた一対の硬磁性層60と一対の信号取り出し電極7
0とを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録装置、特に、
磁気ディスク装置に用いられる磁気抵抗効果を利用した
磁気抵抗効果型磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術として、特開平3−12531
1号に、軟磁性膜と非磁性スペ−サ−層と磁気抵抗効果
膜との3層膜より構成される磁気抵抗センサ層両端部に
電気的、磁気的連続性を保ちながら一対の硬磁性層を形
成することが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高出力、ノイズレスと
する磁気抵抗効果型磁気ヘッドを形成するためには、磁
気抵抗効果型磁気ヘッドを磁気抵抗変化曲線の線形領域
で動作させる技術と、バルクハウゼンノイズを抑止する
技術を同時に満足させることが重要である。
【0004】この目的を満足させるため、従来技術とし
ては、磁気抵抗センサ層両端部に配置された一対の硬磁
性層により、磁気抵抗効果膜、軟磁性膜に縦バイアス磁
界が印加でき、これら強磁性膜の磁壁発生を防止でき、
バルクハウゼンノイズを抑止できる。さらに、磁気抵抗
センサ層両端部にのみ硬磁性層を配置しているので、磁
気抵抗センサ層の感磁部では、磁気抵抗効果膜と軟磁性
膜の磁気モ−メントとは比較的自由に回転でき、磁気抵
抗効果型磁気ヘッドを線形領域で動作させることがで
き、高感度となる。
【0005】しかし、ますます高くなる記録密度で記録
された磁気記録媒体の磁性面から高い感度でデ−タを読
み取ることができる磁気抵抗効果型磁気ヘッドを形成
し、かつ、それらの量産性ならびに信頼性を確保するた
めには、狭トラック幅構造とでき、さらに狭トラック幅
構造としても、バルクハウゼンノイズを抑止する技術
と、磁気抵抗効果型磁気ヘッドを線形領域で動作させる
ための磁気抵抗効果膜に横バイアス磁界を印加する技術
と、磁気抵抗センサ層中央領域と信号取り出し電極との
接触抵抗の低減と、各磁気抵抗効果型磁気ヘッド間での
素子抵抗のバラツキを低減できる技術が望まれる。
【0006】本発明の目的は、主に、磁気抵抗センサ層
中央領域と信号取り出し電極との接触抵抗の低減するこ
とができ、高出力、バルクハウゼンノイズレスを実現し
た磁気抵抗効果型磁気ヘッドを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、基板上の下部磁気シールド膜上に
下部ギャップ膜を形成し、この下部ギャップ膜上に磁気
抵抗センサ中央部に軟磁性膜と非磁性スペ−サ−層との
2層膜を順次形成し、この2層膜を覆って磁気抵抗効果
膜を形成し、この磁気抵抗効果膜上に少なくとも電極を
兼ねる一対の導電性を所持する硬磁性層とこの一対の硬
磁性層上に一対の信号取り出し電極を形成して磁気抵抗
効果型磁気ヘッドを形成する。この軟磁性膜と非磁性ス
ペ−サ−層との2層膜の両端部はテ−パ−形状を所持す
るよう形成するのが望ましい。
【0008】或いは、この磁気抵抗効果膜上の硬磁性層
の代わりに一対の導電性の反強磁性膜を形成しても良
い。
【0009】さらに、この磁気抵抗効果膜と一対の導電
性反強磁性膜の間の磁気抵抗効果膜の感磁部両端に一対
の強磁性膜を形成しても良い。ここで、少なくとも上記
一対の強磁性膜と一対の導電性反強磁性膜とは、真空中
で連続形成しなければならない。さらに、上記強磁性膜
はNiFe合金膜で形成するのが望ましい。
【0010】また、上記非磁性スペ−サ−層は第1及び
第2の非磁性スペ−サ−層とから構成しても良い。磁気
抵抗センサ中央部に軟磁性膜と第1の非磁性スペ−サ−
層との2層膜を順次形成し、この2層膜を覆って第二の
非磁性スペ−サ−層と磁気抵抗効果膜とを順次形成す
る。この第二の非磁性スペ−サ−層と磁気抵抗効果膜と
は、真空中で連続形成するのが望ましい。さらに、第一
の非磁性スペ−サ−層と第二の非磁性スペ−サ−層との
材料は同一種類の膜であるのが望ましく、Ta膜で形成
されるのが最も良い。
【0011】また、基板上の下部磁気シールド膜上に反
強磁性層を形成し、この反強磁性層上の磁気抵抗センサ
中央部に非磁性膜と軟磁性膜と非磁性スペ−サ−層との
3層膜を順次形成し、この3層膜と3層膜が配置されて
ない上記反強磁性層とを覆って磁気抵抗効果膜を形成
し、この磁気抵抗効果膜上に少なくとも一対の信号取り
出し電極を形成して磁気抵抗効果型磁気ヘッドを形成す
ることにより、上記目的は達成できる。上記非磁性膜と
軟磁性膜と非磁性スペ−サ−層との3層膜の両端部はテ
−パ−形状を所持するよう形成するのが望ましい。さら
に、上記反強磁性層は絶縁性反強磁性であるNiO膜で
形成するのが望ましい。
【0012】さらに、この磁気抵抗効果膜と一対の信号
取り出し電極の間の磁気抵抗効果膜上の感磁部両端に一
対の強磁性膜を形成しても良い。
【0013】或いは、上記強磁性膜は、磁気抵抗センサ
中央部に形成する非磁性膜と軟磁性膜と非磁性スペ−サ
−層と強磁性層との4層膜として順次形成しても良い。
ここで、この4層膜と4層膜が配置されていない上記反
強磁性層とを覆って磁気抵抗効果膜を形成する。この4
層膜の両端部はテ−パ−形状を所持するよう形成するの
が望ましい。
【0014】さらに、磁気抵抗効果膜と一対の信号取り
出し電極との間に一対の強磁性膜を形成しても良い。
【0015】
【作用】本発明における磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、
下部ギャップ膜20上に形成される軟磁性膜と非磁性ス
ペ−サ−層とからなる2層膜を覆い、両端が下部ギャッ
プ膜20と接触するよう磁気抵抗効果膜を形成し、この
磁気抵抗効果膜上に大きな接触面積を保ち、導電性のあ
る一対の硬磁性層と一対の信号取り出し電極とを密着形
成している。これにより、磁気抵抗効果膜と信号取り出
し電極との間の接触抵抗を低減できる作用がある。
【0016】磁気抵抗効果膜上の感磁部両端に配置した
一対の硬磁性層は、磁気抵抗効果膜の感磁部に縦バイア
ス磁界を与えており、バルクハウゼンノイズを抑止する
作用をする。さらに、この縦バイアス磁界は軟磁性膜に
も伝わり、磁気ヘッド動作時、軟磁性膜の磁区を安定化
させる作用がある。
【0017】一対の硬磁性層と磁気抵抗効果膜とは、強
磁性−強磁性の交換結合を形成し、磁気抵抗効果膜に磁
気ヘッド長手方向の一方向異方性を与えている。この一
方向異方性も、磁気抵抗効果膜の感磁部に縦バイアス磁
界として伝わり、バルクハウゼンノイズを抑止する作用
をする。さらに、この一方向異方性は、軟磁性膜にも縦
バイアス磁界として伝わり、磁気ヘッド動作時、軟磁性
膜の磁区を安定化させる作用がある。
【0018】上記軟磁性膜と非磁性スペ−サ−層との2
層膜の両端部をテ−パ−形状を所持するよう形成してい
るので、非磁性スペ−サ−層上に形成される磁気抵抗効
果膜と非磁性スペ−サ−層との密着性がよくなり、各磁
気抵抗効果型磁気ヘッド間の素子抵抗のバラツキを低減
できる作用がある。
【0019】磁気抵抗効果膜の感磁部には、硬磁性層を
配置していないので、磁気抵抗効果膜と軟磁性膜との磁
気モ−メントは比較的自由に回転できる。これにより、
磁気抵抗効果型磁気ヘッドを線形領域で動作させること
が容易とでき、磁気抵抗効果型磁気ヘッドを高出力とで
きる作用がある。
【0020】また、磁気抵抗効果膜上に一対の硬磁性層
の代わりに、一対の導電性反強磁性膜を形成しても良
く、磁気抵抗効果膜上に形成した一対の導電性反強磁性
膜は、その下の磁気抵抗効果膜と反強磁性−強磁性の交
換結合を形成し、磁気抵抗効果膜に磁気ヘッド長手方向
の一方向異方性を与えている。この一方向異方性は、磁
気抵抗効果膜の感磁部に縦バイアス磁界として伝わり、
バルクハウゼンノイズを抑止する作用をする。さらに、
この一方向異方性は軟磁性膜にも縦バイアス磁界として
伝わり、磁気ヘッド動作時、軟磁性膜の磁区を安定化す
る作用をする。
【0021】さらに、磁気抵抗効果膜と一対の導電性反
強磁性膜との中間に一対の強磁性膜を形成する場合、一
度大気に触れた磁気抵抗効果膜上に、一対の強磁性膜と
一対の導電性反強磁性膜とを形成することになる。磁気
抵抗効果膜上に直接一対の導電性反強磁性膜を形成する
場合は、磁気ヘッド製造工程上、磁気抵抗効果膜面が一
度大気にさらされることは避けられない。この場合、磁
気抵抗効果膜と導電性反強磁性膜との交換結合を確保す
るため、真空中で磁気抵抗効果膜の酸化層をイオンエッ
チング等の技術により除去し、ただちに同一真空中で導
電性反強磁性膜を形成するプロセスが必要である。反強
磁性膜と強磁性膜との交換結合は弱く、真空中で清浄な
界面を保ちながら磁気抵抗効果膜上に導電性反強磁性膜
を形成しないと、交換結合が得られないからである。し
かし、この酸化層をイオンエッチング等の技術により除
去する工程は薄い磁気抵抗効果膜を除去してしまう危険
が伴い、また、除去膜厚の制御が難しい短所がある。し
かし、一度大気に触れた磁気抵抗効果膜上に、一対の強
磁性膜と一対の導電性反強磁性膜とを形成する場合、磁
気抵抗効果膜と強磁性膜との強磁性−強磁性の交換結合
は非常に強く、真空中で連続形成しなくてもこの交換結
合は容易に確保できる。その上方の一対の強磁性膜と一
対の導電性反強磁性膜とは真空中で連続形成しなければ
ならないことは言うまでもなく、磁気ヘッド製造工程
上、このプロセスは可能である。ここで、一対の導電性
反強磁性膜と一対の強磁性膜との交換結合により、一対
の強磁性膜に一方向異方性が与えられる。さらに、この
一対の強磁性膜と磁気抵抗効果膜との交換結合により、
磁気抵抗効果膜に一方向異方性が与えられる。磁気抵抗
効果膜と一対の強磁性膜に与えられた一方向異方性は、
磁気抵抗効果膜の感磁部に縦バイアス磁界として伝わ
り、バルクハウゼンノイズを抑止する作用をする。さら
に、一対の強磁性膜は、磁気抵抗効果膜の感磁部に与え
る縦バイアス磁界の大きさをコントロ−ルできる作用も
ある。
【0022】さらに、下部ギャップ膜上に形成された軟
磁性膜と第一の非磁性スペ−サ−層とからなる2層膜を
覆い、両端が下部ギャップ膜と接触するよう第二の非磁
性スペ−サ−層を形成し、第二の非磁性スペ−サ−層上
に磁気抵抗効果膜を真空中で連続形成する。この場合、
磁気ヘッド製造工程上、第一の非磁性スペ−サ−層であ
るTa膜面は一度大気にさらされることは避けらない。
第一の非磁性スペ−サ−層である一度大気に触れたTa
膜上に、磁気抵抗効果膜を形成する場合よりも、この一
度大気に触れたTa膜上に第二の非磁性スペ−サ−層で
あるTa膜と磁気抵抗効果膜とを真空中で連続形成する
ことにより、磁気抵抗効果膜の結晶性、電気的、磁気的
特性はより優れたものとなる。これにより、磁気抵抗効
果型磁気ヘッドをさらに高出力とできる作用があった。
ここで、第一の非磁性スペ−サ−層と第二の非磁性スペ
−サ−層とは、同一種類の材料とするのが望ましく、T
a膜とするのが最も良かった。これは、Ta膜上の磁気
抵抗効果膜の結晶性、電気的、磁気的特性は優れてお
り、磁気抵抗効果型磁気ヘッドを高出力とできる作用が
あるからである。
【0023】また、反強磁性層上の中央部に非磁性膜と
軟磁性膜と第一の非磁性スペ−サ−層とからなる3層膜
を形成し、この3層膜を覆い、両端が反強磁性層と接触
するよう磁気抵抗効果膜を形成し、この磁気抵抗効果膜
上に大きな接触面積を保ち、一対の信号取り出し電極を
密着形成する。ここで、反強磁性層はNiOで形成する
のが望ましい。反強磁性層を絶縁性のNiOとすること
により、磁気抵抗効果膜の分流比が向上し、磁気抵抗効
果型磁気ヘッドを高出力とできる。NiOは反強磁性膜
であるにもかかわらず、一度大気に触れたNiO上に磁
気抵抗効果膜を形成しても、反強磁性−強磁性の交換結
合が維持できる作用がある。非磁性膜と軟磁性膜と第一
の非磁性スペ−サ−層とからなる3層膜が配置されてい
ない反強磁性層とその上方に形成される磁気抵抗効果膜
との交換結合により、磁気抵抗効果膜に一方向異方性が
与えられる。この一方向異方性は、磁気抵抗効果膜の感
磁部に縦バイアス磁界として伝わり、バルクハウゼンノ
イズを防止する作用をする。 また、磁気抵抗効果膜と
一対の信号取り出し電極との間に一対の強磁性膜を形成
することにより、さらに、磁気抵抗効果膜とその上方に
形成される一対の強磁性膜との交換結合により一対の強
磁性膜に一方向異方性が与えられる。磁気抵抗効果膜と
一対の強磁性膜に与えられた一方向異方性は、磁気抵抗
効果膜の感磁部に縦バイアス磁界として伝わり、バルク
ハウゼンノイズを抑止する作用をする。 また、非磁性
スペ−サ−層であるTa膜を直接覆って磁気抵抗効果膜
を形成するよりは、非磁性スペ−サ−層であるTa膜上
に強磁性層であるNiFe合金を形成し、NiFe合金
膜上に磁気抵抗効果膜を形成する方が、磁気抵抗効果膜
の結晶性、電気的、磁気的特性が向上する作用があっ
た。これにより、磁気抵抗効果型磁気ヘッドを高出力と
できる作用がある。
【0024】さらに、本発明では、磁気抵抗効果型磁気
ヘッドのトラック幅は、磁気抵抗効果膜上に配置した硬
磁性層、反強磁性層、強磁性層とその上方に形成した信
号取り出し電極とからなる層の一対の層間距離によっ
て、ほぼ決まっている。
【0025】本発明によると、トラック幅を著しく狭く
形成することが容易とできる作用がある。しかも、バル
クハウゼンノイズの防止と、磁気ヘッド動作時の軟磁性
膜の磁区安定性と、接触抵抗の低減と、各磁気抵抗効果
型磁気ヘッド間の素子抵抗のバラツキ低減とを同時に満
足でき、さらに、磁気抵抗効果型磁気ヘッドを線形領域
で動作させることが容易とできるため、信頼性、量産性
を確保した高出力、バルクハウゼンノイズレスの高密度
磁気記録対応の磁気抵抗効果型磁気ヘッドを提供できる
作用がある。
【0026】
【実施例】図1は、本発明の一実施例である第1の実施
例の磁気抵抗効果型磁気ヘッド100の概略構造を示す
拡大斜視図である。尚、図1では、右側半分の領域で、
上部ギャップ膜80と上部磁気シ−ルド層90の図示を
省略した。
【0027】本実施例では、非磁性基板1の上に、下部
磁気シ−ルド層10が形成され、この下部磁気シ−ルド
層10の上に下部ギャップ膜20が形成され、この下部
ギャップ膜20上の磁気抵抗センサ中央部に、両端部に
テ−パ−形状を所持して軟磁性膜30と第一の非磁性ス
ペ−サ−層40が順次形成される。この軟磁性膜30と
第一の非磁性スペ−サ−層40よりなる2層膜上を覆
い、両端が下部ギャップ膜20と接触するよう磁気抵抗
効果膜50が形成される。この磁気抵抗効果膜50上の
磁気抵抗効果膜の感磁部510を除く両端に一対の硬磁
性層60が形成され、この一対の硬磁性層60上に一対
の信号取り出し電極70が形成される。上記各膜、各層
を覆って上部ギャップ膜80が形成され、この上部ギャ
ップ膜80の上に上部磁気シ−ルド層90が形成され
る。
【0028】各層、各膜の作用、材料などを次に説明す
る。上部、下部磁気シ−ルド層90、10は、磁気抵抗
効果膜50に、必要信号以外の磁界が影響するのを防止
し、磁気抵抗効果型磁気ヘッド100の信号分解能を高
める作用を行なう。その材料は、NiFe合金、Co系
の非晶質等の軟磁性であり、膜厚はおおよそ0.5〜3
μmである。
【0029】上記磁気シ−ルド層90、10に隣接し
て、軟磁性膜30と、第一の非磁性スペ−サ−層40
と、磁気抵抗効果膜50と、一対の硬磁性層60と、一
対の信号取り出し電極70とを挾み込むように配置され
る上部、下部ギャップ膜80、20は、これら各膜、各
層と上部、下部磁気シ−ルド層90、10とを電気的、
磁気的に隔離する作用をし、ガラス、アルミナ等の非磁
性、絶縁物よりなる。上部、下部ギャップ膜80、20
の膜厚は、磁気抵抗効果型磁気ヘッド100の再生分解
能に影響するため、磁気ヘッドに望まれる記録密度に依
存し、通常は、0.4〜0.1μmの範囲である。
【0030】磁気抵抗効果膜50は、記録媒体の磁化の
方向によって、その電気抵抗が変化し、磁気信号を電気
信号に変換する。磁気抵抗効果膜50は、NiFe合
金、NiCo合金、NiFeCo合金などのような、強
磁性薄膜で形成される。その膜厚は、約0.01〜0.
045μmである。
【0031】一対の信号取り出し電極70は、磁気抵抗
効果膜50の電気抵抗を検出するために、磁気抵抗効果
膜50に十分な電流(1×106〜2×107A/c
2)を流す。信号取り出し用電極70は、通常、電気
抵抗が小さい銅や、金、Taなどの薄膜が用いられる。
【0032】非磁性スペ−サ−層40と軟磁性膜30と
は、磁気抵抗効果型磁気ヘッドを線形領域で動作できる
よう、磁気抵抗効果膜50に横バイアス磁界を印加する
作用をする。第一の非磁性スペ−サ−層40は、第一の
非磁性スペ−サ−層40に流れる電流によって生じる横
バイアス磁界を、磁気抵抗効果膜50に印加する。材料
としては、Ti、Nb、Ta、Mo、Wなどの金属が用
いられる。第一の非磁性スペ−サ−層40は、膜厚と比
抵抗を調節して設計する。軟磁性膜30は、磁気抵抗効
果膜50に流れる電流によって発生する磁界を効率良
く、横バイアス磁界として磁気抵抗効果膜50に印加す
る。軟磁性膜30の材料としては、比抵抗が大きく、軟
磁気特性を持つ結晶質のNiFe系合金や、Co系非晶
質合金、強磁性合金に酸化物等を散在させたの強磁性体
が用いられる。
【0033】次に、本発明において、狭トラック幅構造
とでき、さらに狭トラック幅構造としても高出力と、バ
ルクハウゼンノイズレスと、磁気抵抗効果膜と信号取り
出し電極との接触抵抗の低減と、各磁気抵抗効果型磁気
ヘッド間の素子抵抗のバラツキ低減とを同時に実現でき
る磁気抵抗効果型磁気ヘッドの主要な各膜、各層、各形
状の機能を説明する。
【0034】図4は本発明の第1の実施例の磁気抵抗効
果型磁気ヘッド100の主要な機能を示す拡大断面図で
ある。尚、図4では、非磁性基板1と、下部磁気シ−ル
ド層10と、上部ギャップ膜80と、上部磁気シ−ルド
層90とを省略した。
【0035】磁気抵抗効果膜50と導電性のある一対の
硬磁性層60とは、大きい接触面積を保ちながら密着形
成しているのでこれらの接触抵抗を低減でき、磁気抵抗
効果膜50と信号取り出し電極との接触抵抗を低減でき
る。さらに、軟磁性膜30と、第一の非磁性スペ−サ−
層40との2層膜の両端にはテ−パ−形状を所持させて
いる。そのため、この2層膜上の磁気抵抗効果膜50に
は段切れがなく、2層膜上に磁気抵抗効果膜50を密着
形成できる。これにより、各磁気抵抗効果型磁気ヘッド
間の素子抵抗のバラツキを低減できる。磁気抵抗効果膜
50の感磁部の両端に形成した一対の硬磁性層60は、
図中矢印に示す方向に磁気抵抗効果膜50の感磁部に縦
バイアス磁界を与え、バルクハウゼンノイズを抑止す
る。さらに、この縦バイアス磁界は軟磁性膜30にも与
えられ、磁気ヘッド動作時の軟磁性膜30の磁区を安定
化させる。さらに、磁気抵抗効果膜50と一対の硬磁性
層60とは、磁気抵抗効果膜50の感磁部の両端で交換
結合を形成しており、図中矢印で示した方向に磁気抵抗
効果膜50に一方向異方性を与えている。本発明では、
軟磁性膜30と第一の非磁性スペ−サ−層40との2層
膜の両端にテ−パ−形状を所持させているため、この一
方向異方性も縦バイアス磁界として有効に磁気抵抗効果
50の感磁部と軟磁性膜30とに伝わり、バルクハウゼ
ンノイズの抑止と、磁気ヘッド動作時の軟磁性膜30の
磁区の安定化に貢献している。本発明によると、硬磁性
層60の材料としては、CoPt、CoCr、CoCr
Pt、CoCrTa合金膜等が良い。さらに、磁気抵抗
効果膜50上では、硬磁性層60と信号取り出し電極7
0とからなる層の一対の層間距離を狭く形成することが
容易であり、狭トラック幅構造に形成できる。さらに、
図4に示すように、磁気抵抗効果膜50の感磁部は、硬
磁性層60によって直接磁区制御していないため、感磁
部の磁気抵抗効果膜50と軟磁性膜30の磁気モ−メン
トとは比較的自由に回転できる。そのため、図4の下図
に示すように、感磁部では磁気抵抗効果膜50への横バ
イアス磁界の印加が容易とでき、磁気抵抗変化曲線の線
形領域で動作させるよう設計できる。本発明によると、
所望の面記録密度に応じ、トラック幅と、磁気抵抗効果
膜50と第一の非磁性膜40と軟磁性膜30との膜厚t
と非抵抗と、軟磁性膜30と第一の非磁性スペ−サ−層
40との2層膜の両端のテ−パ−角度と、一対の硬磁性
層60の磁気抵抗効果膜50に対する磁化比硬磁性層
(Brth)/磁気抵抗効果膜(BstMR)と、軟磁性膜
30の磁気抵抗効果膜50に対する磁化比軟磁性膜(B
stSAL)/磁気抵抗効果膜(BstMR)と、通電電流等
を最適に設計することにより、磁気抵抗効果型磁気ヘッ
ドを磁気抵抗変化曲線の線形領域でバルクハウゼンノイ
ズレスで動作させることができる。
【0036】図6は、磁気抵抗効果膜50上の感磁部の
両端に、第一の実施例における硬磁性層60の代わり
に、電極を兼ねる一対の導電性反強磁性膜65を形成し
た本発明の第2の実施例2の磁気抵抗効果型磁気ヘッド
102の主要な機能を示す拡大断面図である。
【0037】磁気抵抗効果膜50と導電性反強磁性膜6
5とは、大きな接触面積を保ちながら密着形成している
のでこれらの接触抵抗を低減でき、磁気抵抗効果膜50
と信号取り出し電極70との接触抵抗を低減できる。磁
気抵抗効果膜50の感磁部の両端に形成した一対の導電
性反強磁性膜65は、その下側の磁気抵抗効果膜50と
交換結合を形成し、図中矢印で示す方向に磁気抵抗効果
膜50に一方向異方性を与えている。本発明によると、
一対の導電性反強磁性膜65の材料としては、磁気抵抗
効果膜50とするNiFe合金膜上にエピタキシャル成
長する、FeMn合金、FeMnPd合金、FeMnP
t合金、FeMnRh合金、FeMnIr合金、FeM
nRu合金、FeMnOs合金、FeMnRe合金、F
eMnCr合金や、NiFe合金膜と大きな交換結合を
形成できるTbFe合金、GdCo合金や、NiFe合
金膜上に準エピタキシャル成長するCrMnPt合金、
CrMnPd合金、CrMnRh合金、CrMnRu合
金や、CoMn合金、NiMn合金、NiMnFe合金
などが良い。さらに、磁気抵抗効果膜50上では、導電
性反強磁性膜65と信号取り出し電極70とからなる層
の一対の層間距離を狭く形成することが容易であり、狭
トラック幅構造に形成できる。
【0038】図8は、第2の実施例における磁気抵抗効
果膜50と一対の導電性反強磁性膜65との間に一対の
強磁性膜51を形成する本発明の第3の実施例の磁気抵
抗効果型磁気ヘッド104の主要な機能を示す拡大断面
図である。
【0039】磁気抵抗効果膜50と一対の強磁性膜51
とは、大きな接触面積を保ちながら密着形成しているの
でこれらの接触抵抗を低減でき、磁気抵抗効果膜50と
信号取り出し電極70との接触抵抗を低減できる。磁気
抵抗効果膜50の感磁部の両端に形成した一対の導電性
反強磁性膜65はその下側の一対の強磁性膜51と交換
結合を形成し、図中矢印に示す方向に一対の強磁性膜5
1に一方向異方性を与える。さらに、一対の強磁性膜5
1は、その下側の磁気抵抗効果膜50と交換結合を形成
し、図中矢印に示す方向に磁気抵抗効果膜50に一方向
異方性を与える。軟磁性膜30と第一の非磁性スペ−サ
−層40との2層膜の両端にテ−パ−形状を所持させて
いるため、強磁性膜51と磁気抵抗効果膜50の感磁部
の両端に与えられた一方向異方性は、有効に磁気抵抗効
果50の感磁部に縦バイアス磁界として伝わり、バルク
ハウゼンノイズを抑止する。さらに、この縦バイアス磁
界は、軟磁性膜30にも伝わり、磁気ヘッド動作時の軟
磁性膜30の磁区を安定化させる。一対の強磁性膜51
の材料としてはNiFe合金膜等のFCC構造を有する
強磁性合金膜で形成するのが望ましい。一対の導電性反
強磁性膜65の材料としては、強磁性膜51とするNi
Fe合金膜上にエピタキシャル成長する、FeMn合
金、FeMnPd合金、FeMnPt合金、FeMnR
h合金、FeMnIr合金、FeMnRu合金、FeM
nOs合金、FeMnRe合金、FeMnCr合金や、
NiFe合金膜と大きな交換結合を形成できるTbFe
合金、GdCo合金や、NiFe合金膜上に準エピタキ
シャル成長するCrMnPt合金、CrMnPd合金、
CrMnRh合金、CrMnRu合金や、CoMn合
金、NiMn合金、NiMnFe合金などが良い。さら
に、磁気抵抗効果膜50上では、強磁性膜51と導電性
反強磁性膜65と信号取り出し電極70とからなる層の
一対の層間距離を狭く形成することが容易であり、狭ト
ラック幅構造に形成できる。 図5は、上記第1〜第3
の実施例における軟磁性膜30と第一の非磁性スペ−サ
−層40とからなる2層膜を覆い、両端部が下部ギャッ
プ膜20と接触するように第二の非磁性スペ−サ−層4
1が形成され、この上に磁気抵抗効果膜50を形成して
いる本発明の第4〜第6の実施例の磁気抵抗効果型磁気
ヘッド101、103、105の主要な機能を示す拡大
断面図である。
【0040】第4〜第6の実施例において、第二の非磁
性スペ−サ−層41と磁気抵抗効果膜50は真空中で連
続形成される。第一の非磁性スペ−サ−層40と第二の
非磁性スペ−サ−層41とは、同一材料とするのが望ま
しく、Ta膜で形成するのが最も良かった。Ta膜上の
磁気抵抗効果膜50の結晶性は優れており、磁気抵抗効
果膜50の電気的、磁気的特性が向上するからである。
本実施例では、磁気ヘッド製造工程上、一度大気に触れ
た第一の非磁性スペ−サ−層40とするTa膜上に第二
の非磁性スペ−サ−層41とするTa膜と磁気抵抗効果
膜50とを真空中で連続形成している。一度大気に触れ
た第一の非磁性スペ−サ−層40とするTa膜上の磁気
抵抗効果膜50よりも、真空中で連続形成した第二の非
磁性スペ−サ−層とするTa膜上の磁気抵抗効果膜50
の電気的、磁気的特性の方がさらに優れていた。これに
より、磁気抵抗効果型磁気ヘッドをさらに高出力とでき
る。しかし、磁気抵抗センサ中央部の層数を増やすこと
は、磁気抵抗効果膜50への分流比を低下させることに
もなる。そのため、実施例2では第一の非磁性スペ−サ
−層40とするTa膜と、第二の非磁性スペ−サ−層4
1とするTa膜とをかなり薄く設計する等の手段が必要
がある。
【0041】本発明における他の実施例である第7の実
施例である磁気抵抗効果型磁気ヘッド106の主要な機
能を示す拡大断面図を図10に示す。尚、図10でも、
非磁性基板1と、下部磁気シ−ルド層10と、上部ギャ
ップ膜80と、上部磁気シ−ルド層90とを省略した。
【0042】非磁性基板1と、下部磁気シ−ルド層10
上に反強磁性膜65上に非磁性膜42と軟磁性膜30と
第一の非磁性スペ−サ−層40との3層膜を順次形成す
る。この3層膜上とを覆い、両端が反強磁性膜65と接
触するよう磁気抵抗効果膜50を形成する。この磁気抵
抗効果膜50上の感磁部の両端に一対の信号取り出し電
極70を形成している。磁気抵抗効果膜50と信号取り
出し電極70とは、大きい接触面積を保ちながら密着形
成しているので、これらの接触抵抗を低減できる。さら
に、非磁性膜42と軟磁性膜30と第一の非磁性スペ−
サ−層40との3層膜の両端にはテ−パ−形状を所持さ
せている。そのため、この3層膜上の磁気抵抗効果膜5
0は段切れがなく、3層膜上に磁気抵抗効果膜50を密
着形成できる。これにより、各磁気抵抗効果型磁気ヘッ
ド間の素子抵抗のバラツキを低減できる。さらに、磁気
抵抗効果膜50の中央部両端では磁気抵抗効果膜50と
反強磁性層65とは交換結合を形成し、図中矢印に方向
に磁気抵抗効果膜50に一方向異方性を与えている。非
磁性膜42と軟磁性膜30と第一の非磁性スペ−サ−層
40との3層膜の両端にテ−パ−形状を所持させている
ため、この一方向異方性は縦バイアス磁界として有効に
磁気抵抗効果膜50の感磁部に伝わり、バルクハウゼン
ノイズを抑止する。さらに、この縦バイアス磁界は、軟
磁性膜30にも伝わり、磁気ヘッド動作時の軟磁性膜3
0の磁区を安定化させる。反強磁性層65の材料として
は、NiOが望ましい。反強磁性層65を絶縁性のある
NiOで形成することにより、磁気抵抗効果膜50への
分流比が向上し、磁気抵抗効果型磁気ヘッドを高出力と
できることはいうまでもない。磁気ヘッド製造工程上、
磁気抵抗効果膜50と接するNiO膜面が一度大気にさ
らされることは避けられないが、NiOは、一度大気に
さらされても磁気抵抗効果膜50と交換結合を確保でき
る特徴がある。さらに、磁気抵抗効果膜50上では、一
対の信号取り出し電極70間の距離を狭く形成すること
が容易であり、狭トラック幅構造に形成できる。さら
に、磁気抵抗効果膜50の感磁部は、直接磁区制御して
いないため、非磁性膜42によって、軟磁性膜30と反
強磁性層65との交換結合を遮断しているため、感磁部
の磁気抵抗効果膜50と軟磁性膜30の磁気モ−メント
とは比較的自由に回転できる。そのため、磁気抵抗効果
膜50への横バイアス磁界の印加が容易とでき、磁気抵
抗効果型磁気ヘッドを磁気抵抗変化曲線の線形領域で動
作させるよう設計できる。本発明によると、所望の面記
録密度に応じ、トラック幅と、磁気抵抗効果膜50と第
一の非磁性膜40と軟磁性膜30と非磁性膜42の膜厚
tと非抵抗と、非磁性膜42と軟磁性膜30と第一の非
磁性スペ−サ−層40との3層膜の両端のテ−パ−角度
と、軟磁性膜30の磁気抵抗効果膜50に対する磁化比
軟磁性膜(BstSAL)/磁気抵抗効果膜(BstMR)
と、通電電流等を最適に設計することにより、磁気抵抗
効果型磁気ヘッドを磁気抵抗変化曲線の線形領域でバル
クハウゼンノイズレスで動作させることができる。
【0043】また、上記第7の実施例における磁気抵抗
効果型磁気ヘッド106の磁気抵抗効果膜50上の感磁
部の両端に一対の強磁性膜51を形成した、図11に示
すような、第8の実施例である磁気抵抗効果型磁気ヘッ
ド107としても良い。ここで、磁気抵抗効果膜50上
の感磁部の両端に形成した一対の強磁性膜51は、反強
磁性層65と磁気抵抗効果膜50を介して交換結合を形
成する。この交換結合により一対の強磁性膜51には図
中の矢印に示す方向に一方向異方性が与えられる。この
一方向異方性は、磁気抵抗効果膜50の感磁部に縦バイ
アス磁界を与え、バルクハウゼンノイズの抑止に貢献す
る。
【0044】また、図12に示すように、上記第7の実
施例における磁気抵抗効果型磁気ヘッド106の3層膜
を形成する第一の非磁性スペ−サ−層40上に強磁性層
53を形成して4層膜を形成した第9の実施例である磁
気抵抗効果型磁気ヘッド107としても良い。ここで、
磁気抵抗効果膜50は、この4層膜を覆い、両端が反強
磁性層65と接触するよう形成される。第7、8実施例
のような一度大気に触れた第一の非磁性スペ−サ−層4
0とするTa膜上に磁気抵抗効果膜50を形成するより
は、第9の実施例の一度大気に触れた強磁性層53とす
るNiFe合金膜上に磁気抵抗効果膜50を形成した方
が磁気抵抗効果膜50の結晶性が向上し、磁気抵抗効果
膜50の電気的、磁気的特性が優れていた。これによ
り、磁気抵抗効果型磁気ヘッドを高出力とできる作用が
ある。一方、強磁性層53の介入は磁気抵抗センサ中央
部の層数を増やすことになり、磁気抵抗効果膜50の分
流比を低下させることにもなる。そのため、非磁性膜4
2や、第一の非磁性スペ−サ−層40や、強磁性層53
の膜厚をかなり薄くしたり、これらの非抵抗を大きめに
設計する等の手段が必要である。
【0045】さらに、図13に示すように、第9の実施
例における磁気抵抗効果膜50上の感磁部の両端に一対
の強磁性膜51と信号取り出し電極70とを形成した磁
気抵抗効果型磁気ヘッド109としても良い。
【0046】以上のように、いずれの実施例において
も、磁気抵抗効果型磁気ヘッドを狭トラック幅構造に形
成しやすく、さらに、狭トラック幅構造としても、磁気
抵抗効果型磁気ヘッドを磁気抵抗変化曲線の線形領域
で、バルクハウゼンノイズレスで動作させることができ
るため、高出力、バルクハウゼンノイズレスの磁気抵抗
効果磁気ヘッドを提供できる。さらに、磁気抵抗センサ
中央領域と信号取り出し電極70との接触抵抗の低減
と、各磁気抵抗効果型磁気ヘッド間での素子抵抗のバラ
ツキ低減とを満足できるので、高密度磁気記録に適した
量産性、信頼性のある磁気抵抗効果型磁気ヘッドを提供
できる。
【0047】また、図1と図4に記載した実施例1の磁
気抵抗効果型磁気ヘッド100の構造では、図16
(a)に示すように、硬磁性層60と信号取り出し電極
70とからなる層においてこれら一対の層間距離601
と、軟磁性膜30と第一の非磁性スペ−サ−層40との
2層膜上の磁気抵抗効果膜50の平坦領域の長さ501
とがほぼ同じ長さを有し、かつ、磁気抵抗効果膜50の
平坦領域501の両端部にこれら一対の硬磁性層60と
信号取り出し電極70とを配置しているように図示し
た。しかし、図16(b)に示すように、磁気抵抗効果
膜50の平坦領域上で、一対の層間距離601が磁気抵
抗効果膜50の平坦領域の長さ501よりも短くなるよ
う形成する方が磁気ヘッド製造工程上容易であった。こ
れにより、狭トラック幅構造の磁気抵抗効果型磁気ヘッ
ドを形成しやすいという利点がある。さらには、トラッ
ク幅の精度が向上する利点もある。
【0048】同様の理由により、本発明のいずれの実施
例においても、磁気抵抗効果膜50の平坦領域で、一対
の層間距離601が磁気抵抗効果膜50の平坦領域の長
さ501よりも短くなるよう形成するのが望ましい。
【0049】また、第1及び第4の実施例において、一
対の硬磁性層60の下地層としてCr膜を形成してもよ
く、磁気抵抗効果膜50と軟磁性膜30の位置を交換し
た磁気ヘッド構造としてもよい。
【0050】さらに、第1、第4、第7、第9の実施例
において、磁気抵抗効果膜50上にプロセス保護膜とし
てNiCr合金膜のような非磁性膜を形成してもよい。
【0051】さらに、第1〜第6の実施例において、軟
磁性膜30と第一の非磁性スペ−サ−層40との2層膜
の両端に与えるテ−パ−形状のテ−パ−角度は50°以
下とするのが望ましい。これにより、各磁気抵抗効果型
磁気ヘッド間の素子抵抗のバラツキをかなり低減するこ
とができる。
【0052】第7、8の実施例においては、非磁性膜4
2と軟磁性膜30と第一の非磁性スペ−サ−層40との
3層膜の両端に与えるテ−パ−形状のテ−パ−角度は5
0°以下とするのが望ましい。これにより、各磁気抵抗
効果型磁気ヘッド間の素子抵抗のバラツキをかなり低減
することができる。
【0053】第9の実施例においては、非磁性膜42と
軟磁性膜30と第一の非磁性スペ−サ−層40と強磁性
層53の4層膜の両端に与えるテ−パ−形状のテ−パ−
角度は50°以下とするのが望ましい。これにより、各
磁気抵抗効果型磁気ヘッド間の素子抵抗のバラツキをか
なり低減することができる。
【0054】さらに、一対の硬磁性層60の磁気抵抗効
果膜50に対する磁化比硬磁性層(Brth)/磁気抵抗
効果膜(BstMR)は、1.0〜1.3の範囲にあるの
が望ましい。
【0055】さらに、軟磁性膜30の磁気抵抗効果膜5
0に対する磁化比軟磁性膜(BstSAL)/磁気抵抗効果
膜(BstMR)は、0.4〜0.8の範囲にあるのが望
ましい。
【0056】さらに、本発明に係る磁気抵抗効果型磁気
ヘッドは、シ−ルドを備えて構成しているが、ノンシ−
ルド型磁気抵抗効果型磁気ヘッド、ヨ−クタイプ磁気抵
抗効果型磁気ヘッド、さらに、強磁性膜の磁気抵抗効果
を利用した磁気センサ−にも適用は可能である。
【0057】また、本発明に係る磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッド群、第1〜第10の実施例の磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッド100、101、102、103、104、10
5、106、107、108、109を適用した磁気デ
ィスク装置の概略構造を図2に示す。この磁気抵抗効果
型磁気ヘッドはスライダ200に搭載され、等間隔で一
軸(スピンドル201)上に積層された複数の磁気ディ
スク210に対向して設置される。このスライダ200
は、キャリッジ202に支持され、さらにこのキャリッ
ジ202はボイスコイルモータ203により駆動され
る。
【0058】本発明に係る磁気抵抗効果型磁気ヘッド
は、狭トラック幅構造に形成し易く、さらに、狭トラッ
ク幅構造としても、バルクハウゼンノイズの防止と、磁
気ヘッド動作時の軟磁性膜の磁区の安定性と、磁気抵抗
効果膜と信号取り出し電極との接触抵抗の低減と、各磁
気抵抗効果型磁気ヘッド間の素子抵抗のバラツキ低減と
を同時に満足でき、さらに、磁気抵抗効果型磁気ヘッド
を線形領域で動作させるのが容易である。そのため、再
生専用である本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッド群10
0〜109のいずれかの磁気抵抗効果型磁気ヘッドと記
録専用の電磁誘導型の薄膜磁気ヘッド125とを組み合
わせて図3のようなデュアルヘッド150を形成し、こ
のヘッドを磁気ディスク装置に搭載することにより、面
記録密度が0.3〜5Gb/in2の磁気ディスク装置
が実現できる。尚、図3では、右側半分で、磁気抵抗効
果型磁気ヘッドの上部ギャップ膜80と上部磁気シ−ル
ド層90と、電磁誘導型の薄膜磁気ヘッド125の上部
コアとコイル等の図示を省略してある。
【0059】次に、本発明の第1の実施例1である磁気
抵抗効果型磁気ヘッド100の製造方法を図1、図4、
ならびに図14、図15を用いて説明する。尚、下記の
薄膜形成方法、パタ−ニング方法は、周知の技術である
スパッタリング法、フォトリソグラフィ−の技術を用い
た。
【0060】まず、非磁性基板1上に、下部磁気シ−ル
ド層10とするNiFe合金を2μmの厚さに形成し、
その上部に、下部ギャップ膜20とするアルミナを0.
2μmの厚さに形成する。そして、下部磁気シ−ルド層
10と下部ギャップ膜20とを所定の形状に加工する。
次に、下部ギャップ膜20上に軟磁性膜30と第一の非
磁性スペ−サ−層40とするTa膜とを真空中で連続形
成する。次に、第一の非磁性スペ−サ−層40上の感磁
部領域に、特定のレジストパタ−ンを形成する。次に、
このレジストパタ−ンをマスク材として軟磁性膜30と
第一の非磁性スペ−サ−層40とする2層膜をイオンミ
リング等の技術により、上記2層膜の両端がテ−パ−形
状を所持するよう加工する。加工後、このレジストパタ
−ンを除去する。次に、第一の非磁性スペ−サ−層40
の膜面と2層膜のテ−パ−面とを洗浄し、第一の非磁性
スペ−サ−層40の上方に磁気抵抗効果膜50を形成す
る。次に、図14(a)に示すように、磁気抵抗効果膜
50上の感磁部領域付近に、2種類のレジストで構成さ
れる傘上の2層レジストパタ−ン700を形成する。そ
の後、図14(b)に示すようにこのレジストパタ−ン
700が配置されていない磁気抵抗効果膜50感磁部領
域の両端に、硬磁性層60と信号取り出し電極70とを
スパッタリング法により形成する。当然のことである
が、これら硬磁性層60と信号取り出し電極70とは、
レジストパタ−ン700の上方にも形成されることにな
る。これらレジストパタ−ン700上方に形成された不
要な硬磁性層60と信号取り出し電極70とは、図14
(c)に示すようにリフトオフによりレジストパタ−ン
700とともに同時に剥離すればよい。その後、磁気抵
抗効果膜50の感磁部と、一対の信号取り出し電極70
とを覆うように、上部ギャップ膜80と、この上部ギャ
ップ膜80の上方に上部磁気シ−ルド層90とを形成
し、磁気抵抗効果型磁気ヘッド100の形成を完了す
る。
【0061】さらに、本実施例によると、磁気抵抗効果
膜50の感磁部に縦バイアス磁界を付与するため、少な
くとも一対の硬磁性層60を磁気抵抗効果型磁気ヘッド
100長手方向に着磁する製造工程が含まれなければな
らない。
【0062】さらに、上記一対の硬磁性層60と一対の
信号取り出し電極70とは、コリメトスパッタリング法
により形成するのが望ましい。コリメ−トスパッタリン
グ法を用いることにより、トラック幅の精度が向上する
利点がある。
【0063】さらに、上記軟磁性膜30と第一の非磁性
スペ−サ−層40との2層膜の両端に与えるテ−パ−形
状は下記手段を用いても形成できる。磁気ヘッド製造工
程において、上記第一の非磁性スペ−サ−層40上の感
磁部領域付近に形成するレジストパタ−ンを図14
(a)に示したような傘上の2層レジストパタ−ン70
0とし、この2層レジストパタ−ン700をマスク材と
して、2層膜をイオンミリング等の技術を用いて加工し
てもよい。この手段を用いることにより、上記2層膜の
両端に、さらに低角度のテ−パ−形状を所持させること
ができる。
【0064】さらに、上記2層膜の両端に与えるテ−パ
−形状は下記手段を用いても形成できる。まず、図15
(a)に示すように、下部ギャップ膜20上の中央部両
端に、あらかじめ傘上の2層レジストパタ−ン701を
形成する。次に、図15(b)に示すように、レジスト
パタ−ン701の配置されていない下部ギャップ膜20
上の中央部に、軟磁性膜30と第一の非磁性スペ−サ−
層40との2層膜をスパッタリング法により形成する。
当然のことであるが、これら軟磁性膜30と第一の非磁
性スペ−サ−層40との2層膜は、レジストパタ−ン7
01上にも形成されることになる。これらレジストパタ
−ン701上に形成されてしまった不要な2層膜は、図
15(c)に示すように、リフトオフにより、レジスト
パタ−ン701とともに同時に剥離すればよい。この手
段を用いることにより、2層膜の両端にさらに低角度の
テ−パ−形状を所持させることができる利点がある。さ
らに、この際のスパッタリング法は、コリメ−トスパッ
タリング法が望ましい。コリメ−トスパッタリングで形
成することにより、2層膜のテ−パ−角度を任意にコン
トロ−ルできる利点がある。
【0065】本発明の第2の実施例である磁気抵抗効果
型磁気ヘッド102の製造方法において、磁気抵抗効果
膜50と導電性反強磁性膜65との交換結合を確保する
ためには、清浄な磁気抵抗効果膜50上に導電性反強磁
性膜65を形成する必要があった。本実施例によると、
磁気ヘッド製造工程でこの交換結合を獲得するために
は、少なくとも下記手段が必要である。まず、磁気抵抗
効果膜50上の感磁部領域付近に、図14(a)に示し
たような2層レジストパタ−ン700を形成する。次
に、この2層レジストパタ−ン700が配置されていな
い磁気抵抗効果膜50の感磁部領域の両端の上方に、導
電性反強磁性膜65を形成することになるが、この導電
性反強磁性膜65を形成する前に、真空中で磁気抵抗効
果膜50の表面酸化物をイオンエッチング等の技術によ
り除去し、ただちに同一真空中で導電性反強磁性膜65
を形成する手段を設けなければならない。これにより、
磁気抵抗効果膜50と導電性反強磁性膜65との清浄な
界面が獲得でき、交換結合が獲得できる。その後、導電
性反強磁性膜65上に信号取り出し電極70を形成す
る。その後、磁気抵抗効果膜50の感磁部領域に形成さ
れているレジストパタ−ン700と、レジストパタ−ン
700上に形成されてしまった不要な導電性反強磁性膜
65と信号取り出し電極70とをリフトオフによって剥
離する。次に、磁気抵抗効果膜50の感磁部と、一対の
信号取り出し電極70とを覆うように、上部ギャップ膜
80と、この上部ギャップ膜80の上方に、上部磁気シ
−ルド層90とを形成し、磁気抵抗効果型磁気ヘッド1
02の形成を完了する。
【0066】さらに、磁気抵抗効果膜50の感磁部に縦
バイアス磁界を付与するため、少なくとも導電性反強磁
性膜65のネ−ル温度以上に加熱し、磁気抵抗効果型磁
気ヘッド102長手方向に直流磁界を印加しながら室温
まで冷却する製造工程が含まれなければならない。
【0067】本発明の第3の実施例である磁気抵抗効果
型磁気ヘッド104の製造方法において、磁気抵抗効果
膜50と導電性反強磁性膜65との交換結合を獲得する
ため、一度、真空中で磁気抵抗効果膜50の表面酸化物
を除去し、その後、同一真空中でその上方に導電性反強
磁性膜65を形成する必要があった。本製造工程では、
この真空中での磁気抵抗効果膜50の表面酸化物の除去
工程は不要であり、第2の実施例に比較すると製造工程
は容易である。磁気抵抗効果膜50と一対の強磁性膜5
1との強磁性−強磁性の交換結合は強く、界面に多少の
酸化物が存在していても、この交換結合は十分に確保で
きるからである。本実施例によると、まず、磁気抵抗効
果膜50上の感磁部領域付近に図14(a)に示すよう
な2層レジストパタ−ン700を形成する。その後、こ
のレジストパタ−ン700が配置されていない磁気抵抗
効果膜50の感磁部領域の両端に、強磁性膜51と導電
性反強磁性膜65とを真空中で連続形成する。その後、
導電性反強磁性膜65上に信号取り出し電極70を形成
する。次に、レジストパタ−ン700とこのレジストパ
タ−ン700上に形成されてしまった不要な強磁性膜5
1と導電性反強磁性膜65と信号取り出し電極70とを
リフトオフする。次に、磁気抵抗効果膜50の感磁部
と、一対の信号取り出し電極70とを覆うように、上部
ギャップ膜80と、この上部ギャップ膜80の上方に上
部磁気シ−ルド層90とを形成し、磁気抵抗効果型磁気
ヘッド104の形成を完了する。
【0068】本発明の第7の実施例である磁気抵抗効果
型磁気ヘッド106の製造方法を図14、15を参照
し、図10を用いて説明する。
【0069】まず、非磁性基板1上に、下部磁気シ−ル
ド層10とするNiFe合金を2μmの厚さに形成し、
その後、その上部に、下部ギャップ膜20とするアルミ
ナを0.2μmの厚さに形成する。そして、下部磁気シ
−ルド層10と下部ギャップ膜20とを所定の形状に加
工する。次に、下部ギャップ膜20上に反強磁性層65
とするNiO膜を形成する。次に、反強磁性層65上の
中央部両端に、あらかじめ図15(a)に示すような2
層レジストパタ−ン701を形成する。その後、反強磁
性層65の中央領域に非磁性膜42と軟磁性膜30と第
一の非磁性スペ−サ−層40とするTa膜との3層膜を
スパッタリング法により形成する。尚、このスパッタリ
ング法はコリメ−トスパッタリング法が望ましい。当然
のことであるが、これら3層膜は、レジストパタ−ン7
01上にも形成されてしまう。これらレジストパタ−ン
701上に形成されてしまった不要な3層膜は、レジス
トパタ−ン701とともにリフトオフすればよい。その
後、第一の非磁性スペ−サ−層40とするTa膜面と3
層膜のテ−パ−表面を洗浄後、この上方に磁気抵抗効果
膜50を形成する。その後、磁気抵抗効果膜50上の感
磁部領域付近に、図14(a)に示すような2層レジス
トパタ−ン700を形成し、このレジストパタ−ン70
0が配置されていない磁気抵抗効果膜50の感磁部領域
の両端に信号取り出し電極70をスパッタリング法によ
り形成する。尚、このスパッタリング法はコリメ−トス
パッタリング法が望ましい。次に、磁気抵抗効果膜50
の感磁部領域のレジストパタ−ン700とこのレジスト
パタ−ン700の上方に形成されてしまった不要な信号
取り出し電極70とをリフトオフする。次に、磁気抵抗
効果膜50の感磁部と、一対の信号取り出し電極70と
を覆うように、上部ギャップ膜80と、この上部ギャッ
プ膜80の上方に上部磁気シ−ルド層90とを形成し、
磁気抵抗効果型磁気ヘッド106の形成を完了する。
【0070】さらに、本実施例にとると、磁気抵抗効果
膜50中央領域に縦バイアス磁界を付与するため、少な
くとも一度反強磁性層65のネ−ル温度以上に加熱し、
磁気抵抗効果型磁気ヘッド106長手方向に直流磁界を
印加しながら室温まで冷却する工程が含まれなければな
らない。
【0071】本発明の第8の実施例である磁気抵抗効果
型磁気ヘッド108の製造方法を図14、15を参照し
ながら図12を用いて説明する。
【0072】まず、非磁性基板1上に、下部磁気シ−ル
ド層10とするNiFe合金を2μmの厚さに形成し、
その後、その上部に、下部ギャップ膜20とするアルミ
ナを0.2μmの厚さに形成する。そして、下部磁気シ
−ルド層10と下部ギャップ膜20とを所定の形状に加
工する。次に、下部ギャップ膜20上に反強磁性層65
とするNiO膜を形成する。次に、反強磁性層65上の
中央部両端に、図15(a)に示すような2層レジスト
パタ−ン701を形成する。その後、反強磁性層65の
中央領域に非磁性膜42と軟磁性膜30と第一の非磁性
スペ−サ−層40とするTa膜と強磁性層53とするN
iFe合金膜との4層膜をスパッタリング法で形成す
る。尚、このスパッタリング法はコリメ−トスパッタリ
ング法が望ましい。当然のことであるが、これら4層膜
はレジストパタ−ン701上にも形成されてしまうこと
になる。これらレジストパタ−ン701上に形成された
不要な4層膜は、レジストパタ−ン701とともにリフ
トオフすればよい。次に、強磁性層53とするNiFe
膜面と4層膜のテ−パ−表面を洗浄後、この上方に磁気
抵抗効果膜50を形成する。その後、磁気抵抗効果膜5
0上の感磁部領域付近に、図14(a)に示すような2
層レジストパタ−ン700を形成し、このレジストパタ
−ン700が配置されていない磁気抵抗効果膜50の感
磁部領域の両端に信号取り出し電極70を形成する。次
に、磁気抵抗効果膜50の感磁部領域上に形成されてい
るレジストパタ−ン700とこのレジストパタ−ン70
0上に形成されてしまった不要な信号取り出し電極70
とをリフトオフする。次に、磁気抵抗効果膜50の感磁
部と一対の信号取り出し電極70とを覆うように、上部
ギャップ膜80とこの上部ギャップ膜80の上方に上部
磁気シ−ルド層90とを形成し、磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッド108の形成を完了する。
【0073】さらに、本実施例によると、磁気抵抗効果
膜50中央領域に縦バイアス磁界を付与するため、少な
くとも一度反強磁性層65のネ−ル温度以上に加熱し、
磁気抵抗効果型磁気ヘッド108長手方向に直流磁界を
印加しながら室温まで冷却する工程が含まれなければな
らない。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、磁気抵抗効果膜と信号
取り出し電極との接触抵抗が低減できる。さらに、狭ト
ラック幅構造とでき、狭トラック幅構造としても、高出
力と、バルクハウゼンノイズレスと、各磁気抵抗効果型
磁気ヘッド間の素子抵抗のバラツキ低減とを実現でき
る。
【0075】狭トラック構造としても、磁気抵抗効果型
磁気ヘッドをバルクハウゼンノイズレス、かつ、磁気抵
抗変化曲線の線形領域で動作させることが可能なため、
高い記録密度で記録された磁気ディスク面からの情報を
高感度で再生できる効果がある。さらに、磁気抵抗効果
膜と信号取り出し電極との接触抵抗の低減と、各磁気抵
抗効果型磁気ヘッド間の素子抵抗のバラツキ低減とを満
足できるため、量産性、信頼性を確保できる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッドの拡大斜視図
【図2】本発明における磁気ディスク装置の構成を示す
概略図
【図3】本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッドを適用した
デュアルヘッドの拡大斜視図
【図4】第1の実施例の主な機能を示す磁気抵抗効果型
磁気ヘッドの拡大断面図
【図5】第4の実施例の主な機能を示す磁気抵抗効果型
磁気ヘッドの拡大断面図
【図6】第2の実施例の主な機能を示す磁気抵抗効果型
磁気ヘッドの拡大断面図
【図7】第5の実施例の主な機能を示す磁気抵抗効果型
磁気ヘッドの拡大断面図
【図8】第3の実施例の主な機能を示す磁気抵抗効果型
磁気ヘッドの拡大断面図
【図9】第6の実施例の主な機能を示す磁気抵抗効果型
磁気ヘッドの拡大断面図
【図10】第7の実施例の主な機能を示す磁気抵抗効果
型磁気ヘッドの拡大断面図
【図11】第8の実施例の主な機能を示す磁気抵抗効果
型磁気ヘッドの拡大断面図
【図12】第9の実施例の主な機能を示す磁気抵抗効果
型磁気ヘッドの拡大断面図
【図13】第10の実施例の主な機能を示す磁気抵抗効
果型磁気ヘッドの拡大断面図
【図14】本発明の信号取り出し電極の形成手段を示す
【図15】本発明の軟磁性膜と非磁性スペ−サ−層との
2層膜の形成手段の代案を示す図
【図16】本発明の代案である磁気抵抗効果型磁気ヘッ
ドの主要部分の拡大断面図
【符号の説明】
1…基板 10…下部磁気シ−ルド層 20…
下部ギャップ膜 30…軟磁性膜 40…第一の非磁性スペ−サ−層 41…第二の非磁性スペ−サ−層 42…非磁性膜 50…磁気抵抗効果膜 51…強磁性膜 53…強磁
性層 60…硬磁性層 65…反強磁性層 70…信号取り
出し電極 80…上部ギャップ膜 90…上部磁気シ−ルド層 100、101、102、103、104、105、1
06、107、108、109…磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッド 150…デュアルヘッド 210…磁気ディスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 光岡 勝也 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 福井 宏 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性基板上に形成された磁気シールド膜
    と、該磁気シールド膜上に形成されたギャップ膜と、該
    ギャップ膜上の中央部に形成され且つ軟磁性膜と該軟磁
    性膜上に形成された非磁性スペーサ膜とから構成される
    2層膜と、該2層膜を覆い且つ両端が前記ギャップ膜に
    接触するように形成された磁気抵抗効果膜と、該磁気抵
    抗効果膜上の磁気感磁部を除く両端部に形成された少な
    くとも一対の硬磁性膜と、前記硬磁性膜上に形成された
    一対の信号取り出し電極とを有することを特徴とする磁
    気抵抗効果型磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】上記硬磁性膜はCoPt或いはCoCr或
    いはCoCrPt或いはCoCrTaから構成されるこ
    とを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】非磁性基板上に形成された磁気シールド膜
    と、該磁気シールド膜上に形成されたギャップ膜と、該
    ギャップ膜上の中央部に形成され且つ軟磁性膜と該軟磁
    性膜上に形成された非磁性スペーサ膜とから構成される
    2層膜と、該2層膜を覆い且つ両端が前記ギャップ膜に
    接触するように形成された磁気抵抗効果膜と、該磁気抵
    抗効果膜上の磁気感磁部を除く両端部に形成された少な
    くとも一対の導電性反強磁性膜と、前記反強磁性膜上に
    形成された一対の信号取り出し電極とを有することを特
    徴とする磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】上記磁気抵抗効果膜上の磁気感磁部を除く
    両端部に形成され、且つ上記磁気抵抗効果膜と一対の導
    電性反強磁性膜との間に形成された少なくとも一対の強
    磁性膜を有することを特徴とする請求項3記載の磁気抵
    抗効果型磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】上記非磁性スペーサ膜は、ギャップ膜上の
    中央部に形成された上記2層膜を構成し且つ上記軟磁性
    膜上に形成された第一の非磁性スペ−サ膜と、該2層膜
    を覆い且つ両端が前記ギャップ膜に接触するように形成
    された第二の非磁性スペ−サ膜とから成り、上記磁気抵
    抗効果膜は第二の非磁性スペ−サ膜上に形成されること
    を特徴とする請求項1乃至4記載の磁気抵抗効果型磁気
    ヘッド。
  6. 【請求項6】非磁性基板上に形成された磁気シールド膜
    と、該磁気シールド膜上に形成された反強磁性膜と、該
    反強磁性膜上の中央部に形成され且つ非磁性膜と該非磁
    性膜上に形成された軟磁性膜と該軟磁性膜上に形成され
    た非磁性スペーサ膜とから構成される3層膜と、該3層
    膜を覆い且つ両端が前記反強磁性膜に接触するように形
    成された磁気抵抗効果膜と、該磁気抵抗効果膜上の磁気
    感磁部を除く両端部に形成された一対の信号取り出し電
    極とを有することを特徴とする磁気抵抗効果型磁気ヘッ
    ド。
  7. 【請求項7】上記磁気抵抗効果膜上の磁気感磁部を除く
    両端部に形成され、且つ上記磁気抵抗効果膜と一対の信
    号取り出し電極との間に形成された少なくとも一対の強
    磁性膜を有することを特徴とする請求項6記載の磁気抵
    抗効果型磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】上記反強磁性膜上の中央部に形成された非
    磁性膜と軟磁性膜と強磁性膜と非磁性スペーサ膜とから
    構成される4層膜と、該4層膜を覆い且つ両端が前記反
    強磁性膜に接触するように形成された磁気抵抗効果膜を
    有することを特徴とする請求項6乃至7記載の磁気抵抗
    効果型磁気ヘッド。
  9. 【請求項9】上記ギャップ膜上の中央部に形成され且つ
    軟磁性膜と該軟磁性膜上に形成された非磁性スペーサ膜
    とから構成される2層膜の両端がテ−パ−形状を所持す
    ることを特徴とする請求項1乃至5記載の磁気抵抗効果
    型磁気ヘッド。
  10. 【請求項10】上記反強磁性膜上の中央部に形成され且
    つ非磁性膜と該非磁性膜上に形成された軟磁性膜と該軟
    磁性膜上に形成された非磁性スペーサ膜とから構成され
    る3層膜の両端がテ−パ−形状を所持することを特徴と
    する請求項6乃至7記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
  11. 【請求項11】上記反強磁性膜上の中央部に形成された
    非磁性膜と軟磁性膜と強磁性膜と非磁性スペーサ膜とか
    ら構成される4層膜の両端がテ−パ−形状を所持するこ
    とを特徴とする請求項8記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッ
    ド。
  12. 【請求項12】非磁性基板上に磁気シールド膜を形成
    し、該磁気シールド膜上にギャップ膜を形成し、該ギャ
    ップ膜上の中央部に軟磁性膜と第一の非磁性スペーサ膜
    の2層膜を真空中で連続形成し、該2層膜の両端をテー
    パ形状に加工し、次に、該2層膜を覆い且つ両端が前記
    ギャップ膜に接触するように磁気抵抗効果膜を形成する
    ことを特徴とする磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方
    法。
  13. 【請求項13】上記ギャップ膜上の中央部に軟磁性膜と
    第一の非磁性スペーサ膜の2層膜を真空中で連続形成
    し、該2層膜の両端をテーパ形状に加工し、次に、該2
    層膜を覆い且つ両端が前記ギャップ膜に接触するように
    第二の非磁性スペーサ膜を形成し、該第二の非磁性スペ
    ーサ膜上に磁気抵抗効果膜を形成することを特徴とする
    請求項12記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方
    法。
  14. 【請求項14】上記磁気抵抗効果膜上の磁気感磁部を除
    く両端部に一対の強磁性膜と導電性反強磁性膜を真空中
    で連続形成することを特徴とする請求項12乃至13記
    載の磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
  15. 【請求項15】上記反強磁性膜はNiOから構成される
    ことを特徴とする請求項3乃至6記載の磁気抵抗効果型
    磁気ヘッド。
  16. 【請求項16】上記強磁性膜はNiFe合金から構成さ
    れることを特徴とする請求項7乃至9記載の磁気抵抗効
    果型磁気ヘッド。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09161230A (ja) * 1995-12-04 1997-06-20 Nec Corp 磁気抵抗効果ヘッド及びその製造方法
US6137663A (en) * 1996-12-24 2000-10-24 Nec Corporation Magnetic head and method for magnetic recording and playback
WO2001001395A1 (fr) * 1999-06-25 2001-01-04 Fujitsu Limited Tete magnetoresistive et dispositif de reproduction d'informations

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