JPH08221715A - 磁気抵抗効果型磁気ヘッド - Google Patents

磁気抵抗効果型磁気ヘッド

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JPH08221715A
JPH08221715A JP2948095A JP2948095A JPH08221715A JP H08221715 A JPH08221715 A JP H08221715A JP 2948095 A JP2948095 A JP 2948095A JP 2948095 A JP2948095 A JP 2948095A JP H08221715 A JPH08221715 A JP H08221715A
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film
magnetic
magnetoresistive
magnetoresistive effect
layer
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JP2948095A
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English (en)
Inventor
Susumu Soeya
進 添谷
Takao Imagawa
尊雄 今川
Koichi Nishioka
浩一 西岡
Katsuya Mitsuoka
勝也 光岡
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気抵抗効果膜の磁壁発生防止と横バイアス
磁界印加の容易を両立でき、狭トラックとしても、バル
クハウゼンノイズレスかつ高出力とできる磁気抵抗効果
型磁気ヘッドを提供すること。 【構成】 磁気抵抗センサ層30を、軟磁性膜31/反
強磁性膜32/非磁性スペーサー層31/磁気抵抗効果
膜34の順に形成し、該磁気抵抗センサ層30の両端部
に電気的、磁気的連続性を保ちながらを隔離して配置さ
れた硬磁性層40を設け、この硬磁性層40により磁気
抵抗効果膜34にバイアスフラックスを与えると共に、
軟磁性膜31と反強磁性膜32の交換結合により軟磁性
膜31に長手方向と直角方向に一方向異方性を与えるも
の。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ディスク装置等の
磁気記録装置に好適な磁気抵抗効果型磁気ヘッドに係
り、特に、バルクハウゼンノイズを抑制し、且つ磁気応
答特性を向上することができる磁気抵抗効果型磁気ヘッ
ドに関する。
【0002】
【従来技術】一般に磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、磁気
抵抗効果型膜の電気抵抗が磁気ディスクからの磁界に応
じて変化する特性を利用し、該磁気抵抗効果膜に検出電
流を印加した状態で磁気ディスクと相対的に移動させる
ことにより、前記磁気抵抗効果膜に流れる検出電流の抵
抗値変化を検出してデータ再生を行うものである。
【0003】従来技術による磁気抵抗効果型磁気ヘッド
としては、例えば特開平3−125311号公報に記載
されている如く、磁気抵抗効果膜を実質的に中心の能動
領域みに設け、この能動領域の左右に硬磁性バイアス膜
を構成する端部領域を配置することによって、磁気抵抗
センサ中に縦方向バイアス磁界を発生させるものが提案
されている。即ち、前記公報には、磁気抵抗センサ層両
端部に電気的及び磁気的連続性を保ちながら硬磁性層を
形成することが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術による磁
気抵抗効果型磁気ヘッドは、磁気抵抗センサ層両端部に
配置された硬磁性層を用いて磁気抵抗効果膜及び軟磁性
膜に縦バイアス磁界を印加することにより、これら強磁
性膜の磁壁発生を防止でき、バルクハウゼンノイズを減
少することができるものの、前記軟磁性膜に必要以上の
大きなバイアスフラックスが流入し、磁気抵抗効果膜へ
の横バイアス磁界印加を困難とさせ、磁気ヘッドの磁気
応答特性、いわゆる再生感度の劣化を招く可能性がある
と言う不具合があった。
【0005】例えば、前述の硬磁性層を磁気抵抗センサ
の両端に配置した磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいて
は、前記硬磁性層が発生する一方向磁束のため長手方向
のバイアスフラックスが軟磁性膜にも流入し、該軟磁性
膜の磁気モーメントが長手方向に向けられ、磁気抵抗効
果膜への横バイアス磁界印加が困難となり、磁気ヘッド
の再生感度の劣化を招く可能性があると言う不具合があ
った。
【0006】本発明の目的は、前記従来技術による不具
合を除去することであり、磁気抵抗効果膜の磁壁発生を
防止してバルクハウゼンノイズを抑止することができる
磁気抵抗効果型磁気ヘッドを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明は、磁気抵抗効果膜を含む磁気抵抗センサ層の両
端部に一方向磁束を持つ硬磁性膜を配置した磁気抵抗効
果型磁気ヘッドにおいて、前記磁気抵抗センサ層を、軟
磁性膜、反強磁性膜、非磁性スペーサー層、磁気抵抗効
果膜を順次積層して構成し、前記軟磁性膜と反強磁性膜
との交換結合により、前記軟磁性膜に長手方向と直角方
向の一方向異方性を与えることを特徴とする。
【0008】
【作用】前記特徴による磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、
硬磁性層が磁気抵抗効果膜に長手方向のバイアスフラッ
クスを与えることにより磁気抵抗効果膜の磁壁発生を防
止してバルクハウゼンノイズを抑止すると共に、軟磁性
膜と反強磁性膜との交換結合により、軟磁性膜に長手方
向と直角方向の一方向異方性を与え、軟磁性膜の磁壁の
発生を防止すると同時に磁気抵抗効果膜への横バイアス
磁界印加を容易にすることができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例による磁気抵抗効果
型磁気ヘッドを図面を参照して詳細に説明する。図1
は、本実施例による磁気抵抗効果型磁気ヘッド100の
磁気ディスク対向面の部分拡大図であり、この磁気抵抗
効果型磁気ヘッド100は、図1に示すように、非磁性
基板1上に形成されて外部磁界を遮断する下部磁気シー
ルド層10と、該下部磁気シールド層10の上に形成さ
れる下部ギャップ膜20と、該下部ギャップ膜20及び
上部ギャップ膜60間に設けられた本実施例の特徴であ
る磁気抵抗効センサ層30と、該センサ層30の両端に
配置され、該センサ層30と電気的及び磁気的な接触を
行う硬磁性層40と、外部と導通して信号を読出すため
の電極50と、前記上部ギャップ膜60を覆う様に配置
された上部磁気シールド70とを供え、前記磁気抵抗効
センサ層30が、下から順に軟磁性膜31/反強磁性膜
32/非磁性スペーサー層33/磁気抵抗効果膜34と
から構成されている。
【0010】次に前記各層及び膜の作用、材料などを説
明する。前記上部及び下部磁気シールド層70及び10
は、磁気抵抗効果膜34に、必要信号以外の磁界が影響
するのを防止することにより磁気抵抗効果型磁気ヘッド
100の信号分解能を高める作用を行なうものであり、
その材料は、NiFe合金,Co系の非晶質等の軟磁性
であり、膜厚はおおよそ0.5〜3μmが好適である。
【0011】該磁気シールド層70及び10に隣接し
て、磁気抵抗センサ層30と、硬磁性層40と、信号取
り出し電極50とを挾み込むように配置される上部及び
下部ギャップ膜60及び20は、磁気抵抗センサ層30
と、上部及び下部磁気シールド層70及び10とを電気
的且つ磁気的に隔離する作用を行うためのものであり、
材質は、例えばガラス/アルミナ等の非磁性絶縁物より
成る。前記上部及び下部ギャップ膜60及び20の膜厚
は、磁気抵抗効果型磁気ヘッド100の再生分解能に影
響するため、磁気ヘッドに望まれる記録密度に依存し、
通常は、0.4〜0.1μmの範囲が好適である。
【0012】また前記磁気抵抗効果膜34は、記録媒体
(磁気ディスク)の磁化の方向によってその電気抵抗が
変化する素子であり、該膜34に検出電流を印加した状
態で記録媒体と相対的に移動させることにより磁界変化
に応じて抵抗値が変化し、この変化を電気信号として出
力するものである。この磁気抵抗効果膜34の材質は、
NiFe合金/NiCo合金/NiFeCo合金などの
ような強磁性薄膜で形成されるのが一般的であり、その
膜厚は、約0.01〜0.045μmが好ましい。
【0013】更に信号取り出し用の電極50は、前述し
た磁気抵抗効果膜34の電気抵抗を検出するために、こ
の膜34に十分な電流(例えば1×106〜2×107
/cm2)が印加されるものであって、材質は、電気抵
抗が小さい銅や金などの薄膜が用いられる。
【0014】また前記磁気抵抗センサ30を構成する非
磁性スペーサー層33及び軟磁性膜31は、磁気抵抗効
果膜34に横バイアス磁界を印加することにより磁気抵
抗効果型磁気ヘッドを高感度にする作用を行い、特に非
磁性スペーサー層33は、非磁性スペーサー層33に流
れる電流によって生じる横バイアス磁界を、磁気抵抗効
果膜34に印加する作用を持ち、材料としては、Ti,
Nb,Ta,Mo,Wなどの金属が用いられ、膜厚と比
抵抗を調節して設計される。軟磁性膜31は、磁気抵抗
効果膜34によって流れる電流によって発生する磁界を
効率良く、磁気抵抗効果膜34に印加するものであり、
材料としては、比抵抗が大きく軟磁気特性を持つ結晶質
の強磁性体やCo系非晶質合金や強磁性合金に酸化物等
を散在させたの強磁性体が用いられる。
【0015】次に、本実施例に係る磁気抵抗効果型磁気
ヘッド100のバルクハウゼンノイズを減少し且つ高感
度とするための磁気抵抗効果膜34への縦バイアス磁界
ならびに横バイアス磁界の印加を両立できる原理を図3
を参照して説明する。図3は、前記図1に示した磁気抵
抗効果型磁気ヘッドにおける硬磁性層40及び磁気抵抗
センサ層30の機能を説明するための機能図である。図
3中、硬磁性層40は、磁気抵抗効果型磁気ヘッド10
0の長手方向に着磁しており、図3矢印Aのような一方
向磁束を発生させている。この硬磁性層40より発生し
た一方向磁束は磁気抵抗効果膜34にバイアスフラック
スとして流入し、磁気抵抗効果膜34内部の磁壁発生を
防止してバルクハウゼンノイズを抑制することができ
る。しかし、この一方向磁束は軟磁性膜31にも流入
し、軟磁性膜31の長手方向と直角方向への磁気モーメ
ントの回転を困難とし、磁気抵抗効果膜34への横バイ
アス磁界印加を困難とさせてしまう。この問題に対処す
べく、本実施例では軟磁性膜31とその上方に形成した
反強磁性膜32との交換結合作用により、図3に示すよ
うに、あらかじめ軟磁性膜31の磁気モーメント(中丸
で示す)を長手方向と直角方向に向けている。即ち反強
磁性膜32は、隣合う磁性体イオンの持つスピンモーメ
ントが互いに反平行に整列しており、異方性及び磁化反
転磁界が大きく、軟磁性膜31との界面での交換結合力
によって軟磁性膜31の磁気モーメントを図示の如く方
向に予め揃えておくことにより、磁気モーメントの回転
を容易にすることができる。そのため、磁気抵抗効果膜
34への横バイアス磁界の印加を容易とすることができ
る。これを図4を用いて説明する。
【0016】図4は、本実施例に係る硬磁性層40/磁
気抵抗効果膜34/軟磁性膜31の通電下での磁気モー
メントの様子を上方から示したものである。図示の如
く、硬磁性層40から磁気抵抗効果膜34に与えられる
バイアスフラックスにより、磁気抵抗効果膜34の磁壁
発生が防止でき、バルクハウゼンノイズを抑制すること
ができる。
【0017】本実施例に係る軟磁性膜31の磁気モーメ
ントは、通電していない状態かつ硬磁性層40が無い状
態では長手方向とほぼ直角方向に向いているが、本実施
例の如く硬磁性層40を磁気抵抗センサ層30両端部に
配置したことにより、硬磁性層40からのバイアスフラ
ックスが印加され、軟磁性膜31の磁気モーメントは図
示の如くある程度長手方向に傾くことになる。だが、本
実施例では軟磁性膜31に長手方向と直角方向のバイア
スフラックスを与えており、この傾きは致命的ではな
い。そして、この状態で通電すると磁気抵抗効果膜34
に流れる電流により、長手方向に傾きつつあった軟磁性
膜31の磁気モーメントはさらに直角方向に向くように
改善される。そのため、磁気抵抗効果膜34への横バイ
アス磁界印加が容易となる。図4においては、通電下で
の磁気抵抗効果膜34の磁気モーメントの方向を示して
いるが、本実施例によると、硬磁性層40の残留磁束密
度と保磁力と膜厚,あるいは軟磁性膜31の飽和磁束密
度と膜厚,あるいは反強磁性膜32の膜厚,あるいは軟
磁性膜31と反強磁性膜32の交換結合の強さを調節す
ることにより、最適横バイアス磁界を設定することがで
きる。
【0018】更に本実施例による磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッドは、軟磁性膜31が直接反強磁性膜32により磁区
制御されるため、軟磁性膜31内部の磁区が安定とな
り、軟磁性膜31の磁区の不安定性に起因する磁気抵抗
効果膜34のバルクハウゼンノイズを防止できる利点も
ある。
【0019】このように、本実施例では硬磁性層40に
より磁気抵抗効果膜34に適度なバイアスフラックスを
与え、軟磁性膜31と反強磁性膜32との交換結合によ
り軟磁性膜31に長手方向と直角方向の適度な一方向異
方性を与え、これらを組み合わせることにより、磁気抵
抗効果膜34の磁壁発生防止と磁気抵抗効果膜34への
横バイアス磁界印加の容易性を両立させている。従っ
て、磁気抵抗効果型磁気ヘッドを線形領域で動作させる
ことが可能となり、高出力及びバルクハウゼンノイズを
抑制した磁気抵抗効果型磁気ヘッドを提供することがで
きる。
【0020】次に、図1に示した磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッド100の製造方法を説明する。尚、下記の薄膜形成
法およびパタ−ニング方法は、スパッタリング法やエッ
チング法、フォトリソグラフィーの方法を用いるものと
する。まず、本製造方法は、基板1上に下部シールド膜
10とするNiFe合金を2μmの厚さに形成し、その
後、その上部に下部ギャップ膜20とするアルミナを
0.3μmの厚さに形成する。そして、この下部シール
ド膜10と下部ギャップ膜20とを所定の形状に加工す
る。次に下部ギャップ膜20上に、磁気抵抗センサ層と
する軟磁性膜31,反強非磁性スペーサー層32,非磁
性スペーサー層33,磁気抵抗効果膜34を順次真空中
で連続積層する。その後、磁気抵抗センサ層30上にレ
ジストを用いて特定のパターンを形成し、このパターン
によって、磁気抵抗センサ層30を所定の形状に加工す
る。その後、下部ギャップ膜20とこのパターンを覆う
ように硬磁性層40,信号取り出し用の電極50を形成
し、その後、レジストパターンを剥離する。その後、信
号取り出し電極50及び磁気抵抗効果膜34上に、上部
ギャップ膜60と上部シールド膜70とを形成して、磁
気抵抗効果型磁気ヘッドの作成を完了する。この磁気抵
抗効果型磁気ヘッドは、その形成後に上位置に(書込み
用の)電磁誘導型磁気ヘッドを形成し、デュアルヘッド
として磁気ディスク装置200に搭載する。
【0021】本実施例によると、少なくとも磁気ヘッド
製造工程中、磁気抵抗効果膜34にバイアスフラックス
を供給するための硬磁性層40の着磁工程を含む必要が
ある。この着磁は、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの長手方
向に行なわれ、硬磁性層40の材料にもよるが数キロエ
ルステッドの磁界を印加すればよい。着磁工程は、硬磁
性層40形成後、磁気ヘッド製造工程途中で行ってもよ
く、磁気ヘッド形成後に行ってもよい。更に、本実施例
によると、少なくとも磁気ヘッド製造工程中、軟磁性膜
31に長手方向と直角方向の一方向異方性を与えるた
め、長手方向と直角方向の直流磁界を印加しながら、少
なくとも反強磁性膜32のネール温度以上に加熱し、そ
の磁界を印加したまま室温まで冷却する工程が含まれな
ければならない。この工程は反強磁性膜32形成後、磁
気ヘッド製造工程途中で行なってもよいが、望ましく
は、デュアルヘッド形成完了後が良い。
【0022】本実施例に係る磁気抵抗効果型磁気ヘッド
の硬磁性層40の材料としては、CoCr、CoPt、
CoCrPt、CoCrTaなどのCo合金系の永久磁
石膜が良い。残留磁束密度ならびに保磁力等の調整は、
膜中の非磁性Cr、Pt、Ta等の含有量を適度とする
ことにより容易に調整可能である。また反強磁性膜32
の材料としては、FeMn合金、FeMnPd合金、F
eMnPt合金、FeMnRh合金、FeMnIr合
金、FeMnRu合金、FeMnOs合金、FeMnR
e合金、FeMnCr合金、TbFe合金、TbFe合
金、GdCo合金、CrMnPt合金、CrMnPd合
金、CrMnRh合金、CrMnRu合金、CoMn合
金など導電性反強磁性膜が良い。さらには、軟磁性膜3
1をFCC構造のNi系合金膜で形成し、反強磁性膜を
FeMn系合金膜で形成し、熱処理によりこれらの界面
に生じるNiMn系の反強磁性を利用しても、交換結合
は獲得でき軟磁性膜31へ長手方向と直角方向の一方向
異方性を与えることができる。
【0023】さらに、本発明によると磁気抵抗効果膜3
4のプロセスダメ−ジを保護するため、磁気抵抗効果膜
34の上方に非磁性で非抵抗の大きな膜Ta、NiCr
合金等を形成してもよく、硬磁性層40の下地層として
Cr、Ta、W、Au等を形成してもよい。
【0024】図5は、本発明の第2の実施例である磁気
抵抗効果型磁気ヘッド101の機能構成を示している。
この磁気抵抗効果型磁気ヘッド101では、各膜/各層
は非磁性スペーサー層33を省略している以外は前述の
実施例による磁気ヘッド100と同じ構成及び機能を担
っている。
【0025】本実施例による磁気抵抗効果型磁気ヘッド
101では、反強磁性膜32が非磁性スペーサー層の役
割をも果たしている。この場合、磁気抵抗効果膜34の
磁気モーメントの回転を容易とするため、磁気抵抗効果
膜34と反強磁性膜32との間に生じる交換結合を回避
しなければならない。本実施例によると、軟磁性膜31
と反強磁性膜32を真空中で連続形成後、反強磁性膜3
2を一度大気にさらし、反強磁性膜32膜面に酸化物を
作らせることにより、磁気抵抗効果膜34と反強磁性膜
32との交換結合を回避している。
【0026】従って、本構造でも硬磁性層40からの適
度なバイアスフラックスと、軟磁性膜31と反強磁性膜
32との交換結合により生じる長手方向と直角方向の適
度な一方異方性との組合せにより、バルクハウゼンノイ
ズレス及び横バイアス磁界印加を両立でき、磁気抵抗効
果型磁気ヘッドを線形領域で動作させることが可能とな
り、高出力及びバルクハウゼンノイズを抑制した磁気抵
抗効果型磁気ヘッドを提供することができる。
【0027】図6は、本発明の第3の実施例である磁気
抵抗効果型磁気ヘッド102の機能的構成を示す図であ
る。本実施例による磁気抵抗効果型磁気ヘッド102
は、前記第1の実施例で説明した磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッド100と比較すると、磁気抵抗センサ層30の形成
順序を逆転させ、下から磁気抵抗効果膜34,非磁性ス
ペーサー層33,反強磁性膜32,軟磁性膜31の順で
形成している点が異なり、これ以外は、各膜各層の構成
ならびに機能も前記磁気ヘッド100と同様である。
【0028】本実施例による磁気抵抗効果型磁気ヘッド
102においても、硬磁性層40からの適度なバイアス
フラックスと、軟磁性膜31と反強磁性膜32との交換
結合により生じる長手方向と直角方向の適度な一方向異
方性との組合せにより、バルクハウゼンノイズレスと横
バイアス磁界印加を両立でき、磁気抵抗効果型磁気ヘッ
ドを線形領域で動作させることが可能となり、高出力及
びバルクハウゼンノイズを抑制した磁気抵抗効果型磁気
ヘッドを提供することができる。尚、前述の図5及び6
を参照した実施例中では、理解を容易にするため非磁性
基板1/下部シールド膜10/上部ギャップ膜60/上
部シールド膜70を省略して説明しているが、本来はこ
れら層及び膜も含まれることは言うまでもない。
【0029】また、前記実施例に係る磁気抵抗効果型磁
気ヘッドは、シールド膜を備えて構成しているが、本発
明はノンシールド型磁気抵抗効果型磁気ヘッドやヨーク
タイプ磁気抵抗効果型磁気ヘッドや、更に強磁性膜の磁
気抵抗効果を利用した磁気センサ−にも適用することが
できる。
【0030】次に前記実施例で説明した磁気抵抗効果型
磁気ヘッドを搭載する磁気ディスク装置について図2を
参照して説明する。図2は、この磁気ディスク装置20
0の概略構造を示す斜視図である。この磁気ディスク装
置200の概略構造は、等間隔でスピンドル202に積
層された複数の磁気ディスク204a〜204eと、該
スピンドル202を回転駆動するスピンドルモータ20
3と、キャリッジ206に保持され、磁気ディスク上を
移動する磁気ヘッド205a及び205bと、このキャ
リッジ206を駆動するボイスコイルモータ213を構
成するマグネット208及びボイスコイル207と、こ
れらを支持するベース201とを備える。前記磁気ヘッ
ド群は、例えば符号205aがデータ用磁気ヘッド、符
号205bがサーボ信号を読出す位置決め用磁気ヘッド
を構成し、各磁気ディスク204a〜204e対応に位
置づけられているものとする。
【0031】また本磁気ディスク装置は、磁気ディスク
制御装置などの上位装置212から送出される信号に従
って、ボイスコイルモータ213を制御するボイスコイ
ルモータ制御回路209を備えている。また、上位装置
212から送られてきたデ−タを書き込み方式に対応
し、磁気ヘッドに印加すべき電流に変換する機能と、磁
気ディスク204aなどから送られてきたデ−タを増幅
し、ディジタル信号に変換する機能とを持つライト/リ
ード回路210を備え、このライト/リード回路210
は、インタ−フェイス211を介して、上位装置212
と接続されている。
【0032】次に、この磁気ディスク装置200の動作
を読みだしの場合を例として説明する。まず、本磁気デ
ィスク装置200は、上位装置212からインタ−フェ
イス211を介して読出しデータの指示が与えられる
と、位置決め用磁気ヘッド205bを用いて磁気ディス
ク204上のトラック位置(シリンダ)を検出し、この
位置を基に指示されたデ−タが記憶されているトラック
の位置に磁気ヘッド205aを位置づける様に、ボイス
コイルモータ制御回路209からの制御電流を制御し、
ボイスコイルモータ213を用いてキャリッジ206を
駆動させる。
【0033】次に、磁気ディスク装置200は、ライト
/リード回路210からの信号に従って指示された所定
の磁気ヘッドを選択し、該当トラック上の指示された領
域の先頭位置を検出後、磁気ディスク上のデ−タ信号を
読みだす。この読みだしは、ライト/リード回路210
に接続されているデ−タ用磁気ヘッド205aが、磁気
ディスク204dとの間で信号の授受を行なうことによ
り行なわれる。読みだされたデ−タは、所定の信号に変
換され、上位装置212に送出される。
【0034】特に本実施例による磁気ディスク装置は、
前記磁気ヘッド204及び205を、前述の実施例にお
ける磁気抵抗効果型磁気ヘッドと記録専用の電磁誘導型
の薄膜磁気ヘッドを組み合わせたデュアルヘッドとした
ことにより、磁気ヘッドのバルクハウゼンノイズを抑制
し、且つ高感度にできるため、例えば面記録密度が1平
方インチ当り0.3〜2 Gb(ギガバイト)/in2
磁気ディスク装置とすることができる。
【0035】尚、本発明による磁気抵抗効果型磁気ヘッ
ドは、次の実施態様とても表すことができる。 [実施態様1] 磁気抵抗効果を用いて磁気的信号を電
気的信号に変換する磁気抵抗効果膜を含む磁気抵抗セン
サ層の両端部に、電気的及び磁気的連続性を保ちながら
隔離して配置した硬磁性層を含む磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッドであって、前記磁気抵抗センサ層が軟磁性膜、反強
磁性膜、非磁性スペーサー層、磁気抵抗効果膜を順次積
層して構成されることを特徴とする磁気抵抗効果型磁気
ヘッド。[実施態様2] 上記軟磁性膜と上記反強磁性
膜の交換結合を利用し、上記磁気抵抗効果膜に横バイア
ス磁界を印加することを特徴とする磁気抵抗効果型磁気
ヘッド。
【0036】[実施態様3] 磁気抵抗効果を用いて磁
気的信号を電気的信号に変換する磁気抵抗効果膜を含む
磁気抵抗センサ層が軟磁性膜、反強磁性膜、非磁性スペ
ーサー層、磁気抵抗効果膜を順次積層して形成され、該
磁気抵抗センサ層両端部に電気的、磁気的連続性を保ち
ながら隔離して配置した硬磁性層を含む磁気抵抗効果型
磁気ヘッドの製造工程であって、少なくとも前記磁気抵
抗効果型磁気ヘッドの長手方向に対して直角方向の直流
磁界を印加しながら前記反強磁性膜のネ−ル温度以上に
加熱し、室温まで冷却する製造工程を含むことを特徴と
する磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法。
【0037】[実施態様4] 磁気抵抗効果を用いて磁
気的信号を電気的信号に変換する磁気抵抗効果膜を含む
磁気抵抗センサ層が軟磁性膜、反強磁性膜、非磁性スペ
ーサー層、磁気抵抗効果膜を順次積層して形成され、該
磁気抵抗センサ層両端部に電気的、磁気的連続性を保ち
ながら隔離して配置した硬磁性層を含む磁気抵抗効果型
磁気ヘッドの製造工程であって、少なくとも前記磁気抵
抗効果型磁気ヘッドの長手方向に前記硬磁性層を着磁す
る製造工程を含むことを特徴とする磁気抵抗効果型磁気
ヘッドの製造方法。
【0038】[実施態様5] 前記実施態様1〜4記載
の磁気抵抗効果型磁気ヘッドを搭載したことを特徴とす
る磁気ディスク装置。
【0039】
【発明の効果】以上述べた如く本発明による磁気抵抗効
果型磁気ヘッドは、硬磁性層が磁気抵抗効果膜に長手方
向のバイアスフラックスを与えることにより磁気抵抗効
果膜の磁壁発生を防止してバルクハウゼンノイズを抑止
すると共に、更に軟磁性膜と反強磁性膜との交換結合に
より、軟磁性膜に長手方向と直角方向の一方向異方性を
与え、軟磁性膜の磁壁の発生を防止すると同時に磁気抵
抗効果膜への横バイアス磁界印加を容易にすることがで
きる。
【0040】即ち、本発明に係る軟磁性膜と反強磁性膜
との交換結合の結果生じる一方向異方性が、長手方向と
直角方向のバイアスフラックスを軟磁性膜に与え、軟磁
性膜の磁壁の発生を防止すると共に磁気抵抗効果膜への
横バイアス磁界印加を容易とし、このため磁気抵抗効果
型磁気ヘッドを線形領域で動作させることが可能とな
り、狭トラックとしても高出力、かつバルクハウゼンノ
イズを低減することができる磁気抵抗効果型磁気ヘッド
を提供すことができる。
【0041】換言すれば本発明に係る磁気抵抗効果型磁
気ヘッドは、硬磁性層により磁気抵抗効果膜にバイアス
フラックスを与え、さらに軟磁性膜と反強磁性膜との交
換結合により軟磁性膜に長手方向と直角方向の一方向異
方性を与えており、これらを組み合わせて、磁気抵抗効
果膜の磁壁発生防止と磁気抵抗効果膜への横バイアス磁
界印加の容易性を両立させることができる。
【0042】このため、本発明によれば磁気抵抗効果型
磁気ヘッドを線形領域で動作させることが可能となり、
高い記録密度で記録された情報を高出力、かつバルクハ
ウゼンノイズレスで再生できる。従って、この磁気抵抗
効果型磁気ヘッドを使用することにより面記録密度の大
きな磁気ディスク装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による磁気抵抗効果型磁
気ヘッド部分拡大断面図。
【図2】本発明による磁気抵抗効果型磁気ヘッドが適用
される磁気ディスク装置の概略図。
【図3】本発明の第一の実施例による磁気抵抗効果型磁
気ヘッドの各膜の機能を説明するための図。
【図4】図3における硬磁性膜,磁気抵抗効果型膜及び
軟磁性膜の機能を説明するための図。
【図5】本発明の第二の実施例による磁気抵抗効果型磁
気ヘッド101の機能説明図。
【図6】本発明の第三の実施例による磁気抵抗効果型磁
気ヘッド101の機能説明図。
【符号の説明】
1…基板、10…下部シールド膜、20‥下部ギャップ
膜、30‥磁気抵抗センサ層、31‥軟磁性膜、32‥
反強磁性膜、33‥非磁性スペーサー層、34‥磁気抵
抗効果膜、40‥硬磁性層、50‥信号取り出し電極、
60‥上部ギャップ膜、70‥上部シールド膜、100
‥磁気抵抗効果型磁気ヘッド、201‥ベース、202
‥スピンドル、203‥モータ、204‥磁気ディス
ク、205‥磁気ヘッド、206‥キャリッジ、207
‥ボイスコイル、208‥マグネット、209‥ボイス
コイルモータ制御回路、210‥ライト/リード回路、
211‥インタ−フェイス、212‥上位装置、213
‥ボイスコイルモータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 光岡 勝也 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気抵抗効果膜を含む磁気抵抗センサ層
    の両端部に一方向磁束を持つ硬磁性膜を配置した磁気抵
    抗効果型磁気ヘッドにおいて、前記磁気抵抗センサ層
    を、軟磁性膜、反強磁性膜、非磁性スペーサー層、磁気
    抵抗効果膜を順次積層して構成し、前記軟磁性膜と反強
    磁性膜との交換結合により、前記軟磁性膜に長手方向と
    直角方向の一方向異方性を与えることを特徴とする磁気
    抵抗効果型磁気ヘッド。
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