JP3169274B2 - 積層型多孔性フィルム - Google Patents

積層型多孔性フィルム

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JP3169274B2 JP24126292A JP24126292A JP3169274B2 JP 3169274 B2 JP3169274 B2 JP 3169274B2 JP 24126292 A JP24126292 A JP 24126292A JP 24126292 A JP24126292 A JP 24126292A JP 3169274 B2 JP3169274 B2 JP 3169274B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層型多孔性フィルム
に関し、詳しくは、引張り強度および粘着テープ剥離耐
性の優れた積層型多孔性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、水滴は通さないが水蒸気等の気体
を通過させる程度の微細孔を有する多孔性フィルムが提
案されている。斯かる多孔性フィルムは、その特性を活
かし、例えば、レインコート、スポーツウェア、使い捨
てオムツ、生理用品等に広く使用されている。
【0003】上記の多孔性フィルムは、合成樹脂に炭酸
カルシウム、タルク、クレー等の無機質充填剤を混入し
て延伸し、フィルムに細かい亀裂を生ぜしめることによ
って得られる。そのため、多孔性フィルム自体の強度が
弱く、不織布などの支持体との複合材として各種製品に
利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、支持体
との複合化により製品自体のコスト及び製造コストが高
くなる。また、使用時の問題として、一旦、多孔性フィ
ルムに固定した粘着テープを剥がす際に多孔性フィルム
が破れ易いという欠陥がある。例えば、使い捨てオムツ
には、一般に、ファスニングテープが付帯され、このテ
ープを使用してオムツを固定するが、動きの大きい赤ち
ゃんの身体にフィットさせるためにはしばしば固定し直
さなければならない。その際、従来の多孔性フィルムの
場合、粘着テープを剥がす際に多孔性フィルム自体が破
れ易い。本発明は、上記実情に鑑みなされたものであ
り、その目的は、引張り強度および粘着テープ剥離耐性
の優れた積層型多孔性フィルムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、内層および外層とこれらの間に位置する中間層とか
ら成り、内層および外層は、少なくとも充填剤を含有す
るポリオレフィン樹脂を少なくとも一軸方向に延伸して
得られた多孔性フィルムから構成され、中間層は、少な
くとも充填剤を含有するポリアミド系樹脂のフィルムか
ら構成されていることを特徴とする積層型多孔性フィル
ムに存する。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
積層型多孔性フィルムは、内層および外層とこれらの間
に位置する中間層とから成る。斯かる積層型多孔性フィ
ルムは、次のような知見に基づいて完成されたものであ
る。すなわち、従来、多孔性フィルム自体を積層化する
ことは、多孔性フィルムの特長である透湿性を損うと考
えられていた。しかしながら、充填剤を含有するポリオ
レフィン樹脂にて構成される多孔性フィルムで内外層を
形成し、少なくとも充填剤を含有するポリアミド系樹脂
で中間層を形成した積層型多孔性フィルムは透湿性が損
なわれることなく、多孔性フィルム自体の強度が向上
し、且つ、内外層の粘着テープ剥離に対する抵抗性が著
しく向上して粘着テープの剥離時に破れることがない。
【0007】先ず、内層および外層について説明する。
本発明における内層および外層は、少なくとも充填剤を
含有するポリオレフィン樹脂を少なくとも一軸方向に延
伸して得られる多孔性フィルムから構成される。ポリオ
レフィン樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、
線状低密度ポリエチレン、分岐状低密度ポリエチレン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、超低密度(密度:0.
910g/cm3 以下)ポリエチレン又はそれらの混合
物などが挙げられる。
【0008】線状低密度ポリエチレンとは、エチレンと
他のα−オレフィンとの共重合体であり、例えば、エチ
レンと他のα−オレフィンとを中低圧法高密度ポリエチ
レン製造に使用されるチーグラー型触媒またはフィリッ
プス型触媒を用いて共重合することにより得られる重合
体である。α−オレフィンとしては、1−ブテン、1−
ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1
−ペンテン等が挙げられる。α−オレフィンの共重合量
は、4〜17重量%、好ましくは5〜15重量%であ
る。
【0009】分岐状低密度ポリエチレンとは、エチレン
ホモポリマー及びエチレンと他の共重合成分との共重合
体である。他の共重合成分としては、酢酸ビニル、エチ
ルアクリレート、メチルアクリレート等のビニル化合
物、ヘキセン、プロピレン、オクテン、4−メチルペン
テン−1等の炭素数3以上のオレフィン類などが挙げら
れる。他の共重合成分の共重合量は、0.5〜18重量
%、好ましくは2〜10重量%である。分岐状低密度ポ
リエチレンは、通常の高圧法(1000〜3000kg
/cm2 )に従い、酸素、有機過酸化物などのラジカル
発生剤を使用したラジカル重合法により製造することが
出来る。
【0010】本発明においては、特に、次の(1)〜
(3)に記載のポリオレフィン樹脂が好適に使用され
る。 (1)密度が0.91〜0.965g/cm3 、好まし
くは0.91〜0.95g/cm3 、特に好ましくは
0.915〜0.940g/cm3 であり、メルトイン
デックス(MI)が2g/10分以下、好ましくは0.
1〜1g/10分の範囲の線状低密度ポリエチレン。 (2)上記と同物性の高密度ポリエチレン。
【0011】(3)密度が0.91〜0.94g/cm
3 、好ましくは0.91〜0.930g/cm3 、特に
好ましくは0.915〜0.925g/cm3 であり、
MIが2g/10分以下、好ましくは0.1〜1g/1
0分の範囲の分岐状低密度ポリエチレン。なお、本発明
におけるMIは、JIS K 6760の引用規格であ
る、JIS K 7210の表1に記載された条件4に
準拠して測定した値である。
【0012】ポリオレフィン樹脂に含有される充填剤と
しては、無機または有機の公知の充填剤を使用すること
が出来る。無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウ
ム、タルク、クレー、カオリン、シリカ、珪藻土、炭酸
マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸
バリウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化
亜鉛、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグ
ネシウム、酸化チタン、アルミナ、マイカ、アスベスト
粉、ガラス粉、シラスバルーン、ゼオライト、珪酸白土
が挙げられる。これらの中では、特に、炭酸カルシウ
ム、タルク、クレー、シリカ、珪藻土、硫酸バリウムが
好適である。
【0013】また、有機充填剤としては、例えば、木
粉、パルプ粉などのセルロース系粉末が挙げられる。充
填剤は、単独で使用しても、混合して使用してもよい。
そして、充填剤は、平均粒径が30μm以下、好ましく
は10μm以下、特に好ましくは0.8〜5μmのもの
が使用される。本発明において、充填剤は、ポリオレフ
ィン樹脂への分散性およびポリオレフィン樹脂の延伸性
などの点から、常法に従い、例えば、ステアリン酸など
の脂肪酸またはその金属塩で表面処理して使用するのが
好ましい。充填剤の添加量は、ポリオレフィン樹脂10
0重量部に対して100〜400重量部、好ましくは1
20〜300重量部である。
【0014】本発明においては、ポリオレフィン樹脂に
可塑剤やラジカル発生剤を含有させることが出来る。可
塑剤としては、特に限定されず、公知の種々のものを使
用することが出来る。例えば、フタル酸エステル系可塑
剤、リン酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル
系可塑剤などを挙げることが出来る。
【0015】可塑剤として特に好ましい化合物は、分子
内にエステル結合またはアミド結合を有し、分子量が1
00以上、好ましくは350以上、特に好ましくは35
0〜600であり、常圧での沸点が200℃以上、好ま
しくは250℃以上、特に好ましくは250〜500℃
であり、融点が100℃以下、好ましくは50℃以下、
特に好ましくは30〜−20℃である化合物である。
【0016】上記のような化合物としては、炭素数6以
上のカルボン酸と炭素数5以上のアルコールとのエステ
ル、炭素数10〜25の脂肪族アミド等を例示すること
が出来る。そして、上記のエステルにおいては、芳香族
カルボン酸と炭素数6以上の脂肪族アルコールとのエス
テルが好ましく、芳香族ジカルボン酸または芳香族トリ
カルボン酸と炭素数6〜18の脂肪族アルコールとのエ
ステルが特に好ましい。更には、芳香族ジカルボン酸と
炭素数8〜15の脂肪族アルコールとのエステル、およ
び、芳香族トリカルボン酸と炭素数6〜10の脂肪族ア
ルコールとのエステルが一層好ましい。
【0017】エステル及び脂肪族アミドの具体例として
は、ジオクチルフタレート、トリオクチルトリメリテー
ト、トリイソデシルトリメリテート、ジイソデシルフタ
レート、オレイン酸アミド及びステアリン酸アミドが挙
げられる。これらの中では、トリオクチルトリメリテー
ト及びジイソデシルフタレート特に好ましい。
【0018】ラジカル発生剤としては、例えば、半減期
1分となる分解温度が130〜300℃、好ましくは1
60〜240℃の範囲のものが好適であり、斯かるラジ
カル発生剤としては、具体的には、ジクミルペルオキシ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオ
キシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t
−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン、α、α′−ビス
(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ジベ
ンゾイルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド等
の過酸化物が挙げられる。
【0019】可塑剤の使用割合は、ポリオレフィン樹脂
100重量部に対して、1〜100重量部、好ましくは
5〜40重量部であり、ラジカル発生剤の使用割合は、
ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、0.000
1〜0.1重量部である。更に、本発明においては、ポ
リオレフィン樹脂に熱安定剤、紫外線安定剤、顔料、帯
電防止剤、蛍光剤等の公知の添加剤を本発明の効果が損
なわれない範囲で添加してもよい。
【0020】次に、中間層について説明する。本発明に
おける中間層は、少なくとも充填剤を含有するポリアミ
ド系樹脂から構成される。ポリアミド系樹脂の水蒸気透
過性は、その厚さにより変動するが、例えば、25μm
の厚さの未延伸フィルムにおいて、240〜360g/
2・24hr(40℃、90%RH)水蒸気透過性を
有するものが好適に使用される。
【0021】上記のようなポリアミド系樹脂としては、
ε−カプロラクタム等の開環重合により得られるポリア
ミド、ヘキサメチレンジアミン等とアジピン酸、セバシ
ン酸、ドデカン二酸等との重縮合により得られる脂肪族
ポリアミドが好適である。ポリアミドの具体例として
は、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,
10、ナイロン6/6,6共重合体、ナイロン6/6,
10共重合体、ナイロン12等が挙げられる。これらの
中では、ナイロン−6、ナイロン−12、ナイロン6/
6,6共重合体が好ましい。
【0022】本発明において、中間層に含有される充填
剤としては、内層および外層に添加されるものと同様の
無機または有機充填剤を使用できる。特に、炭酸カルシ
ウム、タルク、シリカ、珪藻土、硫酸バリウム等が好ま
しい。中間層における充填剤の使用割合は、ポリアミド
樹脂100重量部に対して10〜100重量部、好ま
しくは20〜60重量部である。
【0023】次に、本発明の積層型多孔性フィルムの製
造方法について説明する。本発明の積層型多孔性フィル
ムは、先ず、任意の積層法によって、上記内層、中間層
および外層から成る未延伸積層フィルム(シート)を形
成し、次いで、未延伸積層フィルムをフィルムの引取り
方向(縦方向)に一軸延伸することにより、または、縦
方向および横方向に二軸延伸することにより得られる。
未延伸積層フィルムの形成方法としては、熱接着法、押
出しラミネーション法、ドライラミネーション法、共押
出法等が挙げられ、Tダイ成形法、空冷式または水冷式
インフレーション成形法による共押出法が特に好適であ
る。
【0024】空冷式インフレーション成形法は、内層、
外層および中間層の各々の成分を押出機、バンバリーミ
キサー等の混練機で混練した後ペレット化し、次いで、
円筒状ダイにてチューブ状に押し出し、空気を封入して
膨張させて冷却させる方法である。インフレーション成
形においては、通常、ブローアップ比(BUR)を1.
5〜8、好ましくは2〜6とし、フロストラインの高さ
をダイの環状スリットの直径の2〜50倍、好ましくは
5〜20倍に調整するのがよい。
【0025】未延伸積層フィルムにおいて、各層の厚さ
は、内層および外層が各々10〜40μm、好ましくは
16〜32μm、中間層が5〜20μm、好ましくは8
〜16μmとするのがよい。
【0026】未延伸積層フィルムは、少なくとも一軸に
延伸処理されるが、製造コストの観点からは、縦方向に
一軸延伸するのが好ましい。一軸延伸には、通常、ロー
ル延伸法が用いられるが、チューブラー延伸法で行うこ
とも出来る。延伸処理は、一段または二段以上の多段で
もよい。延伸温度は、樹脂の融点より100℃程度低い
温度から融点より20℃程度低い温度、好ましくは樹脂
温度の融点より90℃程度低い温度から融点より50℃
程度低い温度でである。また、延伸倍率は、通常、1.
2〜8倍、好ましくは1.5〜4.5倍である。
【0027】本発明においては、多孔性フィルムの各層
間の分離を防止するために、内層および外層と中間層の
間に接着性樹脂から成る接着層を設けるか、または、接
着性樹脂を内外層および/または中間層に含有させるの
が好ましい。接着性樹脂としては、酸変性ポリオレフィ
ン等が挙げられ、具体的には、0.1〜1重量%の無水
マレイン酸などで変性されたポリプロピレン、線状低密
度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン等が使用され
る。
【0028】上記の接着層の厚さは、2.5〜10μ
m、好ましくは4〜8μmである。また、接着性樹脂を
内外層および/または中間層に含有させる場合の接着性
樹脂の量は、ポリオレフィン樹脂または水蒸気透過性樹
脂100重量部に対して各々50〜200重量部、好ま
しくは80〜150重量部、または、10〜50重量
部、好ましくは15〜40重量部である。
【0029】本発明の積層型多孔性フィルムにおいて、
フィルム全体の厚さは、50μm以下、好ましくは15
〜35μmである。内層および外層の厚さは異なっても
よいが、同じ厚さであるのが好ましい。中間層の厚さ
は、フィルム全体の厚さの5〜40%、好ましくは10
〜30%である。本発明の積層型多孔性フィルムの透湿
度は、1000〜5300g/m2 ・24Hr、好まし
くは1500〜4300g/m2 ・24Hrである。
【0030】本発明の積層型多孔性フィルムは、従来の
多孔性フィルムに比し、フィルム自体の強度が大幅に向
上しており、且つ、積層型であるのでポリオレフィン樹
脂から形成される内層および外層の強度、具体的には、
内層または外層の表面に接着した粘着テープの端部を内
層または外層に対して垂直方向に剥離した際の強度が極
めて良好である。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、以下の諸例にお
いて使用した各ナイロン(NY)の融点は次の通りであ
る。 NY−6:224℃ NY−6/6,6共重合体:198℃ NY−12:178℃
【0032】また、フィルムの性能評価は下記の方法に
よって行った。 (a)粘着テープによる剥離性 12mm幅のセロハンテープ(ニチバン(株)製)を積
層型多孔性フィルムの外層表面に貼布し、セロハンテー
プの端を180°反対側に引っぱり、多孔性フィルムの
破れ性と層間剥離性を調べた。 (b)透湿性 ASTM 882−64 Tに準じて測定した。
【0033】実施例1 (1)内層および外層 密度が0.920g/cm3 、MIが1.0g/10分
の線状低密度ポリエチレン樹脂100重量部、密度が
0.924g/cm3 、MIが2.0g/10分の分岐
状低密度ポリエチレン樹脂13重量部、トリメリット酸
エステル系可塑剤(三菱化成ビニル(株)製、商品名
「ダイヤサイザーD−1174」)13重量部およびス
テアリン酸で表面処理した平均粒径0.9μmの炭酸カ
ルシウム190重量部をヘンシェルミキサー中で混合し
た後、二軸混練機で180℃にて混練造粒した。得られ
た造粒物316重量部に対し、接着性樹脂として、無水
マレイン酸で0.45重量%変成した超低密度ポリエチ
レン(密度:0.892g/cm3 、MI:2.0g/
10分)135重量部を添加し、混合攪拌した。
【0034】(2)中間層 ナイロン−6樹脂100重量部とステアリン酸で表面処
理した平均粒径0.9μmの炭酸カルシウム50重量部
をヘンシェルミキサー中で混合した後、二軸混練機で2
50℃にて混練造粒した。
【0035】(3)積層型多孔性フィルムの製造 押出機として、内層および外層の直径が50mm、中間
層の直径が40mmの2種3層インフレーション装置を
用い、上記(1)及び(2)で調製した造粒物を以下の
表1に示す共押出条件にてインフレーション成形し、厚
さ60μmの2種3層の未延伸フィルム(積層シート)
を製造した。
【0036】
【表1】 内・外層のシリンダー温度:160−180−180℃ 中間層のシリンダー温度 :230−230−230℃ 内・外層のヘッド温度 :180℃ 中間層のヘッド温度 :230℃ ダイ温度 :230℃ ダイの環状スリットの直径:100mm ブロー比 :2.5 折り径 :390mm 引取り速度 :10m/min
【0037】上記の積層シートを引取り方向にスリット
し、ロール延伸機を用い、以下の表2の延伸条件で一軸
延伸し、積層型多孔性フィルムを得た。
【表2】延伸温度:70℃ 延伸倍率:2.5倍 延伸速度:11.0m/min
【0038】上記の積層型多孔性フィルムは、全体厚
さ:24μm、内層の厚さ:9.6μm、中間層の厚
さ:4.8μm、外層の厚さ:9.6μm(内/中/外
の厚さ比=2/1/2)であり、その表面は、延伸ムラ
がなく綺麗であった。このフィルムの性能を表5に示
す。
【0039】実施例2〜3 実施例1にいて、内・外層に添加した充填剤の配合割合
を表5に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様に
して積層型多孔性フィルムを製造した。得られたフィル
ムの性能を表5に示す。
【0040】実施例4〜5 実施例1において、中間層の樹脂を表5に示す通りに変
更した以外は、実施例1と同様にして積層型多孔性フィ
ルムを製造した。得られたフィルムの性能を表5に示
す。
【0041】実施例6 (1)内層および外層 実施例1において、内・外層に接着性樹脂を配合しなか
った以外は、実施例1と同様にして造粒物を得た。 (2)中間層 ナイロン−6樹脂100重量部とステアリン酸で表面処
理した平均粒径0.9μmの炭酸カルシウム50重量部
をヘンシェルミキサー中で混合した後、二軸混練機で2
50℃にて混練造粒した。得られた造粒物100重量部
に対して無水マレイン酸で0.45重量%変成した超低
密度ポリエチレン(密度0.892g/cm3 、MI
2.0g/10分)を40重量部添加し、混合攪拌し
た。 (3)積層型多孔性フィルムの製造 上記(1)及び(2)で調製した造粒物を使用し、実施
例1と同一条件によって積層型多孔性フィルムを製造し
た。得られたフィルムの性能を表6に示す。
【0042】実施例7 実施例1において、実施例1において、内・外層に接着
性樹脂を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして
積層型多孔性フィルムを製造した。得られたフィルムの
性能を表6に示す。
【0043】比較例1〜2 (1)内層および外層 実施例1において、内・外層に接着性樹脂を配合しなか
った以外は、実施例1と同様にして造粒物を得た。 (2)中間層 省略した。 (3)積層型多孔性フィルムの製造 押出機として、内層および外層の直径が40mmのイン
フレーション装置を用い、上記(1)で調製した造粒物
を以下の表3に示す共押出条件にてインフレーション成
形し、1種2層の積層シートを製造した。比較例1の積
層シートの厚さは110μm、比較例2の積層シートの
厚さは60μmであった。
【0044】
【表3】 内・外層のシリンダー温度:160−180−180℃ 内・外層のヘッド温度 :200℃ ダイ温度 :200℃ ダイの環状スリットの直径:100mm ブロー比 :3.0 折り径 :390mm 引取り速度 :10m/min
【0045】上記の積層シートを引取り方向にスリット
し、ロール延伸機を用い、以下の表4の延伸条件で一軸
延伸し、積層型多孔性フィルムを得た。
【表4】延伸温度:50℃ 延伸倍率:3倍(比較例1)、2.5倍(比較例2) 延伸速度:10.0m/min
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】
【発明の効果】本発明の積層型多孔性フィルムは、従来
の多孔性フィルムに比し、良好な強度を有するため、不
織布などとの複合材とすることなく有利に使用すること
が出来る。しかも、粘着テープ剥離強度に対する抵抗性
が高く、剥離時に破れることがないため、広い範囲に適
用することが出来る。
フロントページの続き (72)発明者 為房 正明 岡山県倉敷市潮通三丁目10番地 三菱化 成株式会社水島工場内 (56)参考文献 特開 平3−53931(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08J 9/00 - 9/42

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内層および外層とこれらの間に位置する
    中間層とから成り、内層および外層は、少なくとも充填
    剤を含有するポリオレフィン樹脂を少なくとも一軸方向
    に延伸して得られた多孔性フィルムから構成され、中間
    層は、少なくとも充填剤を含有するポリアミド系樹脂の
    フィルムから構成されていることを特徴とする積層型多
    孔性フィルム。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン樹脂が、ポリオレフィン
    樹脂100重量部当り、100〜400重量部の充填
    剤、1〜100重量部の可塑剤および必要に応じて0.
    0001〜0.1重量部のラジカル発生剤を含有する請
    求項1記載の積層型多孔性フィルム。
  3. 【請求項3】 ポリアミド系樹脂が、ポリアミド系樹脂
    100重量部当り、10〜100重量部の充填剤を含有
    する請求項1記載の積層型多孔性フィルム。
  4. 【請求項4】 内層と外層および/または中間層が接着
    性樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載の積層
    型多孔性フィルム。
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