JP3169247B2 - プレス機械の加圧力自動制御方法とその装置 - Google Patents

プレス機械の加圧力自動制御方法とその装置

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JP3169247B2
JP3169247B2 JP34792191A JP34792191A JP3169247B2 JP 3169247 B2 JP3169247 B2 JP 3169247B2 JP 34792191 A JP34792191 A JP 34792191A JP 34792191 A JP34792191 A JP 34792191A JP 3169247 B2 JP3169247 B2 JP 3169247B2
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press machine
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    • B30B1/32Presses, using a press ram, characterised by the features of the drive therefor, pressure being transmitted directly, or through simple thrust or tension members only, to the press ram or platen by plungers under fluid pressure
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B30B15/0041Control arrangements therefor
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレス機械において、
加工中型工具が被加工物へ加圧するときの加圧力を一定
に保つための加圧力自動制御方法とその装置に関する。
更に詳しくは、プレス加工中に型工具が被加工物に加圧
するときの圧力が予め設定された最適な加工圧になるよ
うに設定できるプレス機械の加圧力自動制御方法とその
装置に関する。
【0002】
【従来技術】プレス加工は、往復圧縮運動を主とするプ
レスなどの加工機械および型工具を用いて、金属その他
の材料もしくは全域に塑性変形を与え、成形、接合、分
離および矯正などを行う加工法として知られている。こ
のプレス加工は、被加工物に塑性変形を与えるとき、加
工進行に伴いまた気温環境の変化等によって、加工圧力
が変化する。取り分け、この加工は、精密打抜き、精密
切断加工等の精密塑性変形加工のとき、たちまち製品む
らを生じて安定した加工は困難となる欠点があった。
【0003】この現象を詳しく説明すると、機械プレス
の場合、すべて同じ膨脹率の金属で装置を製作したとし
ても、機械の摩擦の多い機体部分は発熱し、熱せられ、
この部分のみが温度が高くなる。このため、この加温さ
れた部分のみが膨脹する。この結果、プレスを構成する
各要素に変形が生じる。例えば、クランクプレス機械の
場合、機体が伸びるとプレスの力の最も強くなる下死点
の位置が上り、加圧力低下を招く。また、中心にあるラ
ムのみが加熱されると、ラムが伸びて逆に、下死点の位
置が下がり加圧力が上昇する。
【0004】油圧プレスの場合も機械プレスと同様な現
象が生じる。すなわち加工開始後、時間経過と共に、油
圧に使用される油の温度が上昇して、適温になるまで加
圧力が上昇する。しかし、適温を過ぎると油の粘度が落
ちて加圧力が低下する。
【0005】以上のように、加圧力の変化がプレス加工
製品にむらを生じさせるため、精密加工をするためには
たえず加圧力の調整が必要である。しかし、プレス加工
にあたって、加工初めに最適加圧力に設定していても、
加工を長時間継続すると温度が上昇し、加圧する位置、
すなわち下死点の位置が変化して加圧力に変化が生じ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、以上のよ
うな技術背景で発明されたものであり、次の目的を達成
する。
【0007】この発明の目的は、プレス機械において、
型工具が被加工物を加圧するときの加圧力が常に一定に
なるように加圧力を制御するためのプレス機械の加圧力
自動制御方法とその装置を提供することにある。
【0008】この発明の他の目的は、プレス加工中の加
工圧力の変動を察知し、これを補正するためのプレス機
械の加圧力自動制御方法とその装置を提供することにあ
る。
【0009】この発明の更に他の目的は、プレス加工の
不良品の発生を未然に防ぐためのプレス機械の加圧力自
動制御方法とその装置に提供することにある。
【0010】この発明の更に他の目的は、プレス金型の
破損を未然に防止するためのプレス機械の加圧力自動制
御方法とその装置を提供することにある。
【0011】
【前記課題を解決するための手段及び作用】前記課題を
解決するために次のようなプレス機械の加圧力自動制御
方法及びその自動制御装置を採用する。
【0012】プレス機械の加圧力自動制御方法は、プレ
ス機械及び型工具を用いて被加工物の一部もしくは全域
に塑性変形を与えるプレス加工のサイクルにおいて、前
記プレス加工中に前記型工具が前記被加工物を加圧する
ときの加圧力の大きさを検出し、前記加圧力と予め設定
された最適な設定加圧力とを比較し、前記加圧力と前記
設定加圧力との間に差があれば前記加圧力を前記設定圧
力に近付けように前記差分補正し、前記加圧力が予め設
定された上限値、又は下限値を越えたとき、予め設定さ
れた時間である基礎時間内の場合に前記プレス加工サイ
クルを停止させる方法である。
【0013】他のプレス機械の加圧力自動制御方法は、
プレス機械及び型工具を用いて被加工物の一部もしくは
全域に塑性変形を与えるプレス加工のサイクルにおい
て、前記プレス加工中に前記型工具が前記被加工物を加
圧するときの加圧力の大きさを検出し、前記加圧力と予
め設定された最適な設定加圧力とを比較し、前記加圧力
と前記設定加圧力との間に差があれば前記加圧力を前記
設定圧力に近付けように前記差分補正し、前記加圧力が
予め設定された上限値、又は下限値を越えたとき、予め
設定された基本回数内の場合に前記プレス加工サイクル
を停止させる点から効果的である。
【0014】プレス機械の加圧力自動制御装置は、フレ
ームと、前記フレームに移動自在に設けられ、型工具が
設けられたラムと、回転運動を直線運動に変換し前記ラ
ムを直線方向に駆動するためのラム駆動機構と、前記ラ
ム駆動機構を回転駆動するためのサーボモータと、前記
ラムに型工具を取り付けて被加工物の一部もしくは全域
に塑性変形を与えるプレス機械において、前記ラムに設
けられ、前記被加工物と前記ラムとの間の長さを調節す
るための長さ調節手段と、前記プレス機械に設けられ、
プレス加工中に前記型工具が前記被加工物を加圧すると
きの加圧力の大きさを検出するための加圧力検出センサ
ーと、前記加圧力の上限値、前記加圧力の下限値、設定
時間である基礎時間、設定された加工回数である基本回
数を設定するためのデータメモリと、前記プレス加工中
に前記型工具が前記被加工物を加圧するときの加圧力の
大きさを前記加圧力検出センサーで検出し、前記加圧力
が前記上限値若しくは前記下限値を越えないとき、又は
前記基礎時間内でもなくかつ前記基本回数内でもないと
き、予め設定された設定加圧力とを比較して前記加圧力
と前記設定加圧力との間に差があれば前記長さ調節手段
を補正して前記設定圧力に近付けるための制御装置とを
有する。
【0015】前記長さ調節手段が前記ラムと工具との間
をネジにより連結するネジ連結機構と、前記ネジ連結機
構を駆動し前記長さを調節するためのネジ駆動サーボモ
ータとからなるとより効果的である。
【0016】前記加圧力検出センサーは、前記フレーム
に設けると更に良い。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面にしたがって説
明する。図1は、プレス機械1の断面図である。フレー
ム2は略箱型の形状をしたものである。フレーム2は、
本実施例のものは鋳物で作られたものである。フレーム
2内には、クランク機構3が内蔵されている。クランク
機構3は、2か所でフレーム2に支持された軸受4,5
でクランク軸6,7が支持されている。
【0018】クランク軸6の延長した軸9には、ウォー
ムホイール8がキーで固定されており、更にこの軸9に
は軸受10でフレーム2に回転自在に支持されている。
軸9の一端には、クランク機構3の回転速度を検出する
ための円板11が固定されている。円板11の外周に
は、切欠き12a,12bが形成されている。切欠き1
2a,12bは、クランク機構3の上死点、下死点位置
を検出するためのものであり、この位置に対応して形成
されている。切欠き12a,12bの位置は、4個のフ
ォトセンサ13a,13a,13b,13bで上死点、
下死点が検出される。
【0019】クランク軸6からクランク腕を介して偏心
した位置にクランクピン15が一体に設けられている。
クランクピン15は、この一端で2分割できる構造であ
る。クランクピン15の一端に連結ピン16が一体に設
けられ、この連結ピン16がクランク軸7に設けた連結
穴17に挿入されている。クランクピン15の中心線
は、クランク軸6,7の中心線から偏心している。した
がって、この偏心量の約2倍がラム60の往復運動量と
なる。
【0020】一方、ウォームホイール8は、ウォーム2
0にかみ合っている。ウォーム20を保持している軸に
は更にタイミングプーリ21が設けられている。タイミ
ングプーリ21には、タイミングベルト22が架け渡さ
れている。タイミングベルト22は、他方のタイミング
プーリ23に噛み合っている。タイミングプーリ23
は、ACサーボモータ24の出力軸25に連結されてい
る。結局、クランク機構3は、ACサーボモータ24に
より、出力軸25、タイミングプーリ23、タイミング
ベルト22、タイミングプーリ21、ウォーム20,ウ
ォームホイール8を介して回転駆動される。
【0021】クランクピン15には、クランクピン軸受
30を介して連結棒31の一端が回転自在に支持されて
いる。他方、連結棒31の他端には、ラムピン32がラ
ムピン軸受33を介して回転自在に設けられている。ラ
ムピン32は、上部ラム34に固定されている。上部ラ
ム34には、ネジ棒35の上端が回転自在に支持されて
いる。ネジ棒35の上部には、小径部36、フランジ3
7が一体に形成されている。小径部36とフランジ37
は、半割状で2分割された2個の支持部材38a,38
bで回転自在に保持されている。
【0022】支持部材38a,38bは、ボルト39で
上部ラム34に固定されている。上部ラム34は、リニ
アベアリング(図示せず)で上下方向に移動自在に、フ
レーム2に形成されたラム空間40内で支持されてい
る。ネジ棒35の下端には、オネジ41が形成されてい
る。ネジ棒35の外周には、2本のキー42がビスで固
定されている。キー42とネジ駆動筒43とは軸線方向
にのみ摺動自在に設けられている。結局ネジ棒35とネ
ジ駆動筒43は、軸線方向にのみ摺動自在に結合されて
いる。
【0023】ネジ駆動筒43の外周には、キー44が固
定されている。更にウォームホイール45が固定されて
いる。したがって、ウォームホイール45の回転は、キ
ー44を介してネジ駆動筒43に伝動される。ウォーム
ホイール45の両側面には、2個のスラスト軸受46,
46でフレーム2に回転自在に支持されている。更に、
ネジ駆動筒43は、ラジアル軸受47によりフレーム2
に回転自在に支持されている。
【0024】ウォームホイール45には、ウォーム50
が噛み合っている。このウォーム50の軸51にはタイ
ミングプーリ52が連結固定されている。タイミングプ
ーリ52には、タイミングベルト53が架け渡されてい
る。更に、タイミングベルト53にはタイミングプーリ
54に噛み合っている。タイミングプーリ54は、AC
サーボモータ55の出力軸56の一端に連結固定されて
いる。結局、ACサーボモータ55は、出力軸56,タ
イミングプーリ54、タイミングベルト53、タイミン
グプーリ52、軸51、ウォーム50、ウォームホイー
ル45、ネジ駆動筒43を介してネジ棒35を回転駆動
する。
【0025】ネジ棒35は、下部ラム60の上端のメネ
ジ61にねじ込まれている。下部ラム60は、円筒状の
ガイドブッシュ63にすべりキー62により上下摺動自
在に支持されている。ガイドブッシュ63と下部ラム6
0と間には、ボールガイド64が介在されている。更
に、ガイドブッシュ63は外筒65に挿入されている。
【0026】外筒65とガイドブッシュ63とは、相互
に回転しないように、固定キー66で固定されている。
外筒65は、更にフレーム2にボルトで固定されてい
る。外筒66の下端には、蓋67がボルトで固定されて
いる。フレーム2内には、オイルが充填されているの
で、蓋67にはオイルシール68が設けられ、下部ラム
60との間をシールしオイルの漏れを防いでいる。
【0027】制御装置70 図4は、プレス機械の制御装置の概要を示す機能ブロッ
ク図である。制御装置70は、プレス機械の運転を制御
するためのものである。マイクロコンピュータ71は、
ワンチップマイクロコンピュータと呼ばれている周知の
ものである。マイクロコンピュータ71は、バス72を
介して初期スイッチ73が接続されている。初期スイッ
チ73は、制御装置70に初期条件を設定するときのも
のである。
【0028】スタートスイッチ74は、加工時にプレス
機械の運転をスタートさせるときのスイッチである。デ
ータメモリ75は、プレス加工時の加工圧力である圧力
の上限、下限の設定値等各種データを記憶するためのメ
モリである。この上限、下限の幅内でプレス機械は稼働
される。データメモリ75には、更に基礎時間、基本回
数等が設定できる。
【0029】制御パネル78は、LED表示器、入力ス
イッチからなるものである。2桁のLED表示器79
は、モード番号を表示する。モード選択スイッチ80
は、制御装置の動作モードを選択するためのディジタル
スイッチである。4桁のLED表示器81は、データを
表示するためのものである。数値設定スイッチ82は、
LED表示器81に設定する数値を入力ためのディジタ
ルスイッチである。
【0030】LED表示器79,81には、表示データ
が変更されたときのみマイクロコンピュータ71がデー
タの転送を行うため、転送された表示データを保持する
ラッチ回路76があり、このデータは、駆動回路77を
介して表示される。モータコントローラ83は、ACサ
ーボモータ24,ACサーボモータ55を制御するため
の主にリレー回路からなるコントローラであり、正転、
逆転、停止等を指令する。
【0031】一方、フレーム2の最上部には、半導体ス
トレインゲージ84が貼り付けられている。半導体スト
レインゲージ84は、半導体に歪が加わるとその抵抗値
が変化するものである。フレーム2の変形を検知して、
被加工物に加わる圧力を検知するためのものである。半
導体ストレインゲージ84の出力は、増幅器85を介し
てマイクロコンピュータ71によりそのデータはD/A
変換器86を介して常に監視されている。メータ87
は、金型90に下部ラム60から加える加工圧力をアナ
ログ表示するためのものである。
【0032】初期値の設定 プレス運転開始の前に予め次の内容を制御装置のデータ
メモリ75にセットして置く。すなわち、基礎時間、基
本回数、圧力の上限、圧力の下限、プレス圧力の設定、
オーバー圧力の設定である。これらの設定は、モード選
択スイッチ80でモードを選択した後、ディジタルスイ
ッチ81で必要なデータを入力する。図5は、モード番
号と内容の関係を示す表である。
【0033】モード01は、基礎時間を示す。基礎時間
とは、短い時間に金型が破損、異常摩耗するときの設定
時間である。モード02は基本回数を示す。基本回数と
は、少い回数で金型が異常摩耗、破損するときの設定加
工回数である。金型のポンチ及びダイスは、被加工物が
加工中にこれらの表面上ですべるので摩耗する。つま
り、毎回の加工ごとに工具刃先部は表面で微少量ずつ摩
耗していく。
【0034】この摩耗が正常に進行しているときは、プ
レス圧力に急激な変化が生じないので問題はない。正常
摩耗のときは除々に加圧力は増加することが知られてい
る。しかし、何らかの原因で金型が異常摩耗、破損した
場合は、短時間又は少ない加工回数中にプレス加工圧に
大きな変化が生じる。言い換えると、プレス加工圧の時
間又は加工回数に対する微分値が大きくなるのである。
基礎時間及び基本時間は、前記知見に基づき実験又は経
験から得られた値をあらかじめ設定するものである。
【0035】プレスの加圧力は、正常な動作中でも前後
のサイクルで多少のバラツキがある。モード03は、圧
力の上限値を示す。圧力の上下値は、基礎時間及び基本
時間中に許容される圧力の上限値である。モード04
は、圧力の下限値を示す。圧力の下限値は、基礎時間及
び基本時間中に許容される圧力の下限値である。圧力の
上下値及び圧力の下限値は、同様に前記知見に基づき実
験又は経験から得られた値を設定するものである。
【0036】モード05を選択すると圧力表示モードに
なる。圧力表示モードは、実際に加圧された圧力を表示
するものである。モード06は、プレス圧力設定モード
になる。プレス圧力設定モードは、加工中の圧力を設定
するものである。正常加工中でも、プレスの加工圧力に
変動幅が大きい場合は、ある程度の幅を設定しても良
い。
【0037】モード07は、オーバー圧力設定モードを
示す。オーバー圧力設定モードは、プレス加圧力がこの
値を越えると停止させるときの限界値である。前記した
圧力の上限値及び圧力の下限値は、短時間及び少ない回
数内での変化量を設定するものであったが、このオーバ
ー圧力設定は変化量でなくプレス加圧力の絶対値であ
る。この圧力をオーバーすると、直ちにプレスは停止さ
れる。
【0038】作動 図6は、制御装置の動作の概要を示すフローチャートで
ある。この動作の前に次の初期化を行う。初期スイッチ
73を押すと、ACサーボモータ24が起動されて、ク
ランク機構3が駆動される。クランク機構3の駆動によ
り、下部ラム60が下降を開始する。フォトセンサ13
a,13aの検知でクランク機構3は、下死点で下部ラ
ム60を停止させられる。次に、ACサーボモータ55
が駆動開始されて、ネジ棒35が駆動される。
【0039】ネジ棒35の駆動により下部ラム60が下
降される。下部ラム60の下降により、金型90のスト
ッパー91aとストッパー91bとは衝突する。この衝
突を半導体ストレインゲージ84が検出して、ACサー
ボモータ55を停止させる。この位置が金型90が加工
を開始するときの原点である。再びACサーボモータ2
4を起動させて、クランク機構3を起動し下部ラム60
を上昇させて上死点で停止させる。この後、ACサーボ
モータ55を駆動させて予め設計上決められた数値だ
け、下部ラム60を下降させて初期設定は終了する。
【0040】次にスタートスイッチ74を押すと、加工
サイクルがスタートされる。金型90に被加工物が載置
されたこと制御装置70が確認すると、マイクロコンピ
ュータ71は、モータコントローラ83にACサーボモ
ータ24の起動指令を発する。ACサーボホモータ24
の起動により、クランク機構3が駆動され下部ラム60
が下降する。
【0041】この間のACサーボモータ24の速度制御
方法については、本発明者が提案した公知の方法で行う
(特公平3−33439号参照)。この加工中の1サイ
クル中で、加工ステップすなわち被加工物を加工するス
テップになるとマイクロコンピュータ71は、半導体ス
トレインゲージ84からプレスの加工圧力を読み取り、
前サイクルの圧力と比して検出された加工圧力の変化が
前記した圧力の上限又は下限内の数値で変動したか否か
を比較する。
【0042】この変動圧が設定された圧力の上限又は圧
力の下限を越えると、直ちにマイクロコンピュータ71
は、基礎時間内及び基本回数内での変動か否かを判断す
る。基礎時間又は基本回数内あれば、直ちにACサーボ
モータ24に指令して緊急停止させる。さらに、設定さ
れたオーバー圧力の大きさ(すなわち絶対値)であるか
否かを判断する。設定された圧力内であれば、前記加工
サイクルを繰り返す。設定された圧力を越えていれば、
設定されたオーバー圧力を越えていれば、直ちにモータ
コントローラ83に指令してACサーボモータ24を停
止させる。
【0043】検出された加圧力が設定されたオーバー圧
力を越えてなく、かつ補正が必要ないときは、ACサー
ボモータ55を駆動させて下部ラム60を上下させて加
圧力を調節する。このときの下部ラム60の上下動の量
は、設定された圧力と検出された圧力の差の大きさに応
じて予め設定された回転数回して行う。
【0044】
【その他の実施例】前記実施例は、クランク機構を有す
るプレス機械であったが、前記内容から理解されるよう
にカムプレス、スクリュープレス、リンクプレス、ラッ
クプレス、ナックルプレスなど他の機械式プレスにも適
用できる。更に、油圧プレスなどにも適用できる。
【0045】
【発明の効果】以上詳記したように、本発明は、一定の
圧力でプレス加工ができるので、金型の形状厚み等に関
係なく一定圧で加工ができるので、余分のエネルギーを
使用することはない。また、温度環境等の変化があって
も加圧力を一定に保つので、安定したプレス加工ができ
る。金型の異常を検知して直ちにプレス機械を停止させ
るので、金型の破損もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、プレス機械の断面図である。
【図2】図2は、図1の左側面図である。
【図3】図3は図1のA−A線で切断した断面図であ
る。
【図4】図4は、制御装置の機能ブロック図である。
【図5】図5は、制御装置に表示されるモード番号と設
定内容を示す図である。
【図6】図6は、制御装置の加工中の動作の概要を示す
フローチャートである。
【符号の説明】
1…プレス機械、2…フレーム、3…クランク機構、
8,45…ウォームホイール、11…円板、13…フォ
トセンサ、15…クランクピン、20,50…ウォー
ム、24,55…ACサーボモータ、31…連結棒、3
4…上部ラム、35…ネジ棒、41…オネジ、43…ネ
ジ駆動筒、60…下部ラム、70…制御装置、84…半
導体ストレインゲージ、90…金型

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プレス機械及び型工具を用いて被加工物の
    一部もしくは全域に塑性変形を与えるプレス加工のサイ
    クルにおいて、 前記プレス加工中に前記型工具が前記被加工物を加圧す
    るときの加圧力の大きさを検出し、 前記加圧力と予め設定された最適な設定加圧力とを比較
    し、 前記加圧力と前記設定加圧力との間に差があれば前記加
    圧力を前記設定圧力に近付けように前記差分補正し 前記加圧力が予め設定された上限値、又は下限値を越え
    たとき、予め設定された時間である基礎時間内の場合に
    前記プレス加工サイクルを停止させる ことを特徴とする
    プレス機械の加圧力自動制御方法。
  2. 【請求項2】プレス機械及び型工具を用いて被加工物の
    一部もしくは全域に塑性変形を与えるプレス加工のサイ
    クルにおいて、 前記プレス加工中に前記型工具が前記被加工物を加圧す
    るときの加圧力の大きさを検出し、 前記加圧力と予め設定された最適な設定加圧力とを比較
    し、 前記加圧力と前記設定加圧力との間に差があれば前記加
    圧力を前記設定圧力に近付けように前記差分補正し 前記加圧力が予め設定された上限値、又は下限値を越え
    たとき、予め設定された基本回数内の場合に前記プレス
    加工サイクルを停止させる ことを特徴とするプレス機械
    の加圧力自動制御方法。
  3. 【請求項3】フレームと、 前記フレームに移動自在に設けられ、型工具が設けられ
    たラムと、 回転運動を直線運動に変換し前記ラムを直線方向に駆動
    するためのラム駆動機構と、 前記ラム駆動機構を回転駆動するためのサーボモータ
    と、 前記ラムに型工具を取り付けて被加工物の一部もしくは
    全域に塑性変形を与えるプレス機械において、 前記ラムに設けられ、前記被加工物と前記ラムとの間の
    長さを調節するための長さ調節手段と、 前記プレス機械に設けられ、プレス加工中に前記型工具
    が前記被加工物を加圧するときの加圧力の大きさを検出
    するための加圧力検出センサーと、前記加圧力の上限値、前記加圧力の下限値、設定時間で
    ある基礎時間、設定された加工回数である基本回数を設
    定するためのデータメモリと、 前記プレス加工中に前記型工具が前記被加工物を加圧す
    るときの加圧力の大きさを前記加圧力検出センサーで検
    出し、前記加圧力が前記上限値若しくは前記下限値を越
    えないとき、又は前記基礎時間内でもなくかつ前記基本
    回数内でもないとき、予め設定された設定加圧力とを比
    して前記加圧力と前記設定加圧力との間に差があれば
    前記長さ調節手段を補正して前記設定圧力に近付けるた
    めの制御装置とを有することを特徴とするプレス機械の
    加圧力自動制御装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、 前記長さ調節手段が前記ラムと工具との間をネジにより
    連結するネジ連結機構と、 前記ネジ連結機構を駆動し前記長さを調節するためのネ
    ジ駆動サーボモータとからなることを特徴とするプレス
    機械の加圧力自動制御装置。
  5. 【請求項5】請求項4において、 前記加圧力検出センサーを前記フレームに設けたことを
    特徴とするプレス機械の加圧力自動制御装置。
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