JP3167259B2 - 音響再生装置 - Google Patents

音響再生装置

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JP3167259B2
JP3167259B2 JP6928795A JP6928795A JP3167259B2 JP 3167259 B2 JP3167259 B2 JP 3167259B2 JP 6928795 A JP6928795 A JP 6928795A JP 6928795 A JP6928795 A JP 6928795A JP 3167259 B2 JP3167259 B2 JP 3167259B2
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R3/00Circuits for transducers, loudspeakers or microphones
    • H04R3/04Circuits for transducers, loudspeakers or microphones for correcting frequency response

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、オーディオ信号を忠
実に再生するように再生特性を改善した音響再生装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】図37は、例えば特開昭58−5081
2号公報に開示された従来の音響再生装置の構成を示す
図である。図において、1は入力端子、2は入力端子1
に加えられるオーディオ信号の伝送特性を可変する非巡
回型ディジタルフィルタ、3は電力増幅器、4はスピー
カ、5は受聴位置、100は伝達関数H0を有する演算
ブロックである。この伝達関数H0は、スピーカ4の周
波数振幅特性の逆特性を含むスピーカ4から受聴位置5
までの周波数振幅特性の逆特性に相当するものである。
【0003】図38は、従来の音響再生装置のスピーカ
4を音導管と組み合わせた音導管形スピーカの構成を示
す図である。図において、参照番号1〜5は図37と対
応するものを示し、101は伝達関数H1を有する演算
ブロックである。この伝達関数H1は、スピーカ4と音
導管200の周波数振幅特性の逆特性を含むスピーカ4
から受聴位置5までの周波数振幅特性の逆特性に相当す
るものである。
【0004】図39は、スピーカ4そのものの再生特性
を示す図である。また、図40は、スピーカ4から受聴
位置5までの伝達特性を示す図であり、詳しくは、非巡
回型ディジタルフィルタ2を設けずに、図39に示す特
性を有するスピーカ4を図38に示す音導管200と組
み合わせた構成でオーディオ信号を再生した時の、受聴
位置5における受聴特性を示す図である。
【0005】図41は、図40の受聴特性の逆特性を示
す図であり、スピーカ4が図39に示されている再生特
性を有する時に、演算ブロック101で求めた伝達関数
H1による伝達特性である。図42は、従来の音響再生
装置においてオーディオ信号を再生したときの受聴特性
の一例を示す図である。これは、図41に示す伝達関数
H1を有する演算ブロック101を用いて非巡回型ディ
ジタルフィルタ2の伝送特性を可変して、図38のスピ
ーカ構成で図39の周波数振幅特性を有するスピーカ4
によりオーディオ信号を再生した場合の、受聴位置5に
おける受聴特性に相当するものである。
【0006】つぎに、図38のように構成された音導管
形スピーカを含む音響再生装置の再生動作を説明する。
入力端子1から入力したオーディオ信号は、図41に示
した伝送特性を有する非巡回型ディジタルフィルタ2に
より変換される。図41の伝送特性は演算ブロック10
1の伝達関数H1に一致しており、スピーカ4の周波数
振幅特性の逆特性と音導管200の周波数振幅特性の逆
特性と音場空間の伝達特性の逆特性とを総合した特性、
即ち図39のスピーカ4自身の再生特性の逆特性であ
る。さらに、非巡回型ディジタルフィルタ2で伝送特性
を可変したオーディオ信号は、電力増幅器3に入力さ
れ、電力増幅された後、スピーカ4から放射され、音導
管200と空間を介して受聴位置5に到達する。その結
果、受聴位置5における音響パワーは、図42に示すよ
うな受聴特性を示すこととなる。
【0007】図43は、受聴位置5で図42の受聴特性
が得られたときの、音導管の開口部における放射音響特
性を示す図である。ここで、図42の受聴特性が得られ
るということは、音場空間に対する音源である音導管2
00の開口部から放射される音響パワーが、受聴位置5
において図43のような放射音響特性を有するというこ
とである。
【0008】また、従来の音響再生装置には、受聴位置
におけるスピーカの音圧周波数特性を適応信号処理手段
により自動的に補正するものがあった。図44は、例え
ば特開昭53−120401号公報に開示された、特性
補正用のイコライザを使用した従来の音響再生装置の構
成を示す図である。図において、11はプレーヤシステ
ム、12はテープデッキで、ともにプログラムソースの
一例である。13はイコライザ、14は増幅器、15は
スピーカで、これらにより通常の再生系が構成される。
16はマイクロホン、17は演算部、18は雑音源、1
9は受聴位置における試聴者である。
【0009】つぎに、図44の音響再生装置の動作を説
明する。図において、雑音源18の雑音信号x(t)
は、増幅器14を介してスピーカ15に入力され、また
演算部17にも入力される。スピーカ15から放射され
た雑音信号x(t)は、受聴位置に設置されたマイクロ
ホン16に入力され、音場空間の情報を含んだ受聴信号
y(t)となって演算部17に入力される。演算部17
では、雑音信号x(t)と信号y(t)とのクロススペ
クトル計算が実行される。これにより、スピーカ15か
らマイクロホン16に至る音場空間を含む音響再生系の
伝達関数を求め、さらにその逆特性を計算してイコライ
ザ13に設定する。このような特性補正用のイコライザ
13を使用することで音響再生系の伝達関数が補正で
き、受聴位置での音圧周波数特性の平坦化を図ることが
できる。
【0010】図45は、図44の音響再生装置における
クロススペクトル演算のための演算部17の構成を示す
ブロック図である。図において、20は雑音信号x
(t)の入力端子、21はマイクロホン16からの受聴
信号y(t)の入力端子、22、23はA/D変換器、
24、25はフーリエ変換器、26は分離器、27、2
8は掛算器、29は演算器、30はメモリである。入力
端子20、21にそれぞれ入力されたx(t)、y
(t)は、A/D変換器22、23で量子化され、フー
リエ変換器24、25で周波数変換される。この周波数
変換の結果、雑音信号x(t)に対応する複素信号Xが
分離器26に入力され、受聴信号y(t)に対応する複
素信号Yは掛算器28に入力される。分離器26から
は、複素信号Xの複素共役信号X* が掛算器27、28
に出力され、それぞれ掛算器27、28において、XX
* とX* Yとが演算される。そして、これらXX* とX
* Yに基づいて演算器29によりクロススペクトルX*
Y/XX* が演算され、メモリ30には補正のための逆
周波数特性が記憶される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の音響再生装置は
以上のように構成されているので、受聴位置5で検出さ
れる受聴特性は、音源からの直接音と空間による反射音
とを総合したものとなる。この反射音は、音源からの直
接音に起因して発生するものであるから、元来の直接音
が乱れていれば、発生する反射音も乱れたものとなって
しまう。
【0012】しかし、従来の音響再生装置では、伝達関
数H1の特性を持つ非巡回型ディジタルフィルタ2を用
いて音導管形スピーカからオーディオ信号の再生を行な
った場合、音源である音導管の開口部から放射される音
響パワー、すなわち受聴位置5において直接音として検
出される信号は、図43に示すようにスピーカ4の有す
る再生特性よりも劣化する。
【0013】また、スピーカ4の特性には、図46に示
すようにロット毎に個体差があって、同一品種であって
も同一の特性を実現することができない。さらに、スピ
ーカの機種が変更された時には、その特性は全く異なる
ものとなる。たとえば、図47のような再生特性を有す
るスピーカにおける受聴特性は、演算ブロック101で
求めた伝達関数H1による非巡回型ディジタルフィルタ
2を用いて補正したとしても、図42の受聴特性のよう
に同一の周波数特性とはならない。図48は、図47の
スピーカを使用した場合の受聴特性の一例を示す図であ
り、この周波数特性は図42の受聴特性とは明らかに異
なる。そのため、スピーカ4の周波数振幅特性の逆特性
までも含めて非巡回型ディジタルフィルタ2の補正特性
を決定した場合には、スピーカ4の特性が変化する毎に
加重係数を変更して、異なる伝達関数を実現しなければ
ならないという問題点もあった。
【0014】さらに、特性補正用のイコライザを使用し
た従来の音響再生装置では、時間領域と周波数領域との
演算が交互に実行され、補正すべき逆周波数特性の演算
手順が繁雑になるという問題点があった。しかも、演算
精度を向上するためには、一般にハードウエア規模が大
きくなり、構成も複雑化するなどの問題点もあった。
【0015】本発明は上記のような問題点を解決するた
めになされたもので、第1の目的は、音源である音導管
の開口部から放射される音響パワーが、スピーカ自身の
有する特性よりも劣化しない音響再生装置を提供するこ
とである。
【0016】本発明の第2の目的は、音導管形スピーカ
においてスピーカの機種等が変更になった場合でも、非
巡回型ディジタルフィルタの特性を変更する必要がない
音響再生装置を提供することである。
【0017】また、本発明の第3の目的は、受聴位置で
の音圧周波数特性の補正のために逆フィルタ用の係数デ
ータ演算を、適応信号処理手段によって自動的に補正す
ることができる音響再生装置を提供することである。
【0018】さらに、本発明の第4の目的は、サンプリ
ング周波数の2分の1よりも高い周波数帯域までアナロ
グ信号を忠実に再生できる安価な音響再生装置を提供す
ることである。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る音響再生
装置は、非巡回型ディジタルフィルタにより可変される
オーディオ信号を電力増幅して、所定のスピーカから音
響放射を行なう音響再生装置において、前記スピーカの
前面に配置された音導管と、この音導管の伝達特性の逆
特性を実現する非巡回型ディジタルフィルタを含む音声
信号処理手段と、前記オーディオ信号の振幅特性のみを
可変する直線位相イコライザとを有することを特徴とす
る。
【0020】請求項2に係る音響再生装置は、非巡回型
ディジタルフィルタにより可変されるオーディオ信号を
電力増幅して、所定のスピーカから音響放射を行なう音
響再生装置において、前記スピーカの前面に配置された
音導管と、この音導管の開口部に配置された音響抵抗と
前記音導管と前記音響抵抗との総合伝達特性の逆特性を
実現する非巡回型ディジタルフィルタを含む音声信号処
理手段と、前記オーディオ信号の振幅特性のみを可変す
る直線位相イコライザとを有することを特徴とする。
【0021】
【0022】請求項に係る音響再生装置は、適応型有
限長インパルス応答(FIR)ディジタルフィルタによ
ってオーディオ信号を可変して再生する音響再生装置に
おいて、前記FIRディジタルフィルタを含む音声信号
処理手段と、前記音声信号処理手段をオーディオ信号源
と雑音源とに切替えて接続する切替え手段と、再生され
るオーディオ信号の受聴位置に配置される音響レベル検
出手段とを備え、前記切替え手段により雑音源からの信
号を再生して、前記音響レベル検出手段によって検出さ
れた信号と雑音源からの信号とに基づいて、前記音声信
号処理手段により前記FIR型ディジタルフィルタに逆
フィルタ用の係数データを生成してから固定し、次に前
記切替え手段によりオーディオ信号源と接続された前記
FIR型ディジタルフィルタを用いて受聴位置における
音圧周波数特性を補正するようにしたことを特徴とす
る。
【0023】請求項に係る音響再生装置は、前記音響
レベル検出手段は、マイクロホン付きのリモコン装置で
あることを特徴とする。
【0024】請求項に係る音響再生装置は、前記音声
信号処理手段は、逆フィルタ用の係数データを生成する
FIR型ディジタルフィルタとは別に、音圧周波数特性
を補正するためのディジタルフィルタを備えていること
を特徴とする。
【0025】請求項に係る音響再生装置は、前記音声
信号処理手段は、ディジタルフィルタを構成する複数の
係数乗算器とは別に加算器へ接続した伝送路を設けたこ
とを特徴とする。
【0026】請求項に係る音響再生装置は、前記音声
信号処理手段は、ディジタルフィルタを構成する複数の
係数乗算器とは別に、オーディオ信号の振幅レベルを調
整する係数乗算器を有していることを特徴とする。
【0027】請求項に係る音響再生装置は、前記音声
信号処理手段を構成するディジタルフィルタは、選択制
御信号によって複数の係数乗算器の中からいずれか一つ
を選択するように構成されていることを特徴とする。
【0028】請求項に係る音響再生装置は、入力され
たアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換
器と、前記A/D変換器で変換されたディジタル信号を
処理する演算処理器と、前記演算処理器から出力された
ディジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換器
とを備えた音響再生装置において、入力されたアナログ
信号のうち前記演算処理器で処理される周波数帯域より
も高い周波数帯域の信号成分を抽出する高域通過フィル
タと、前記高域通過フィルタで抽出された信号成分を前
記演算処理器で処理されD/A変換されたアナログ信号
と加算する加算手段とを備えたことを特徴とする。
【0029】請求項10に係る音響再生装置は、前記高
域通過フィルタで抽出された信号成分のアナログ信号レ
ベルを変換する信号増幅手段を備えたことを特徴とす
る。
【0030】請求項11に係る音響再生装置は、前記高
域通過フィルタで抽出された信号成分に遅延を与える遅
延手段を備えたことを特徴とする。
【0031】
【作用】請求項1に係る音響再生装置においては、非巡
回型ディジタルフィルタにより実現される音導管の逆特
性が、音響信号に対するスピーカの前面に配置された音
導管の特性を予め取り除くように、入力されたオーディ
オ信号の位相と振幅の特性を変更できるとともに、直線
位相イコライザによってスピーカの位相特性を変化させ
ることなしに、音導管から放射される音響特性のうち振
幅特性のみを変更できる
【0032】請求項2に係る音響再生装置においては、
非巡回型ディジタルフィルタにより実現される音導管と
音響抵抗との逆特性が、音響信号に対するスピーカの前
面に配置された音導管の特性と音響抵抗の特性とを予め
取り除くように、入力されたオーディオ信号の位相と振
幅の特性を変更できるとともに、直線位相イコライザに
よってスピーカの位相特性を変化させることなしに、音
導管から放射される音響特性のうち振幅特性のみを変更
できる
【0033】
【0034】請求項に係る音響再生装置においては、
音声信号処理手段における適応信号処理により逆フィル
タ用の係数データを時間領域だけで演算できるので、ハ
ードウエア規模を小さくでき、演算アルゴリズムの簡素
化を図ることができる。
【0035】請求項に係る音響再生装置においては、
リモコン装置によるワイヤレス伝送によってマイクロホ
ン設定や逆フィルタ用の係数データの演算や、特性補正
作業の効率化が図れる。
【0036】請求項に係る音響再生装置においては、
適応型FIRディジタルフィルタによる逆フィルタ用の
係数データ演算部と、実際の特性補正を実行するFIR
ディジタルフィルタとを分離して構成したので、オーデ
ィオ信号の再生に当って演算アルゴリズムの簡素化を図
ることができる。
【0037】請求項に係る音響再生装置においては、
ディジタルフィルタを構成する複数の係数乗算器とは別
に、入力信号を加算器へ接続することにより、音声信号
処理手段で設定された補正特性とは異なる電気音響変換
器においてもオーディオ信号の再生特性が乱されること
がない。
【0038】請求項に係る音響再生装置においては、
ディジタルフィルタを構成する複数の係数乗算器とは別
に、オーディオ信号の振幅レベルを調整する係数乗算器
を有しているので、音圧周波数特性の補正は行なわない
が、振幅レベルのみを補正したオーディオ信号を再生で
きる。
【0039】請求項に係る音響再生装置においては、
音声信号処理手段に設定された電気音響変換器の特性と
は異なる特性のものによってオーディオ信号を再生する
場合には、選択制御信号によってディジタルフィルタの
複数の係数乗算器の中からいずれか一つを選択するよう
にしたので、音声信号処理手段とは別に伝送路を設ける
必要がなくなる。
【0040】請求項に係る音響再生装置においては、
入力されたアナログ信号のうち、演算処理器に入力され
ない帯域成分のアナログ信号を高域通過フィルタで抽出
して、ディジタル演算処理されてD/A変換器から出力
されたアナログ信号成分と加算される。
【0041】請求項10に係る音響再生装置において
は、前記高域通過フィルタで抽出された信号成分のアナ
ログ信号レベルを、信号増幅手段によって調整したうえ
で、前記D/A変換器から出力されたアナログ信号成分
と加算される。
【0042】請求項11に係る音響再生装置において
は、前記高域通過フィルタで抽出されたアナログ信号、
あるいは前記信号増幅手段によって調整されたアナログ
信号を、前記ディジタル演算処理による遅延時間だけ遅
延をかけてから、前記D/A変換器から出力されたアナ
ログ信号成分と加算される。
【0043】
【実施例】以下、添付した図面を参照して、この発明の
実施例を説明する。
【0044】実施例1.図1は、この発明の実施例1に
おける音響再生装置の構成を示す図である。図におい
て、参照番号1〜5および101、200は前述した従
来装置(図38)と同一のものであるから、その説明は
省略する。102はスピーカ4のみの周波数振幅特性の
逆特性に相当する伝達関数H2を有する演算ブロック、
103は音導管200のみの周波数振幅特性の逆特性に
相当する伝達関数H3を有する演算ブロック、104は
音導管200の開口部から受聴位置5までの音響空間の
みの特性に相当する伝達関数H4を有する演算ブロック
である。ここでは、伝達関数H3を有する演算ブロック
103のみによって非巡回型ディジタルフィルタ2の係
数データを決定している。
【0045】図2は、スピーカ4を電気音響変換器とす
る音響再生装置の再生特性の一例であって、音導管20
0の開口部における放射音響特性を示す図である。非巡
回型ディジタルフィルタ2により音導管200の逆特性
が実現されるため、この図2に示す再生特性は、(スピ
ーカ4自身の再生特性)+(音導管200の特性)+
(音導管200の逆特性)という3つの構成要素を総合
したものとなるが、ここで(音導管200の特性)+
(音導管200の逆特性)は互いに打消し合って0とな
るため、結果として図39に示したスピーカ自身の再生
特性と一致する。また図3には、図47に示すような別
の再生特性を持つスピーカを使用した場合の、音響再生
装置の再生特性を示す図である。この場合でも、音響再
生装置の音導管200の開口部におけるこの放射音響特
性は、伝達関数H3を有する演算ブロック103に基づ
いて決定されるから、結果として図47に示したスピー
カ自身の再生特性と一致する。
【0046】次に、上記実施例1の音響再生装置の再生
動作について説明する。入力端子1から入力されたオー
ディオ信号は、非巡回型ディジタルフィルタ2におい
て、演算ブロック103の特性に基づいて可変される。
この演算ブロック103の伝達関数H3は、非巡回型デ
ィジタルフィルタ2に対して音導管200の伝達特性を
打消す特性を付与するように作用する。この非巡回型デ
ィジタルフィルタ2の伝達特性により可変されたオーデ
ィオ信号は、電力増幅器3に入力され、電力増幅された
後、スピーカ4から音響パワーとして音導管200の開
口部を通して空間に向けて放射される。
【0047】こうして、再生特性が図39に示すスピー
カ4でオーディオ信号の再生を行なった場合には、音場
空間に対する音源となる音導管200の開口部における
放射音響特性から音導管200の影響が除去され、図2
に示すように、スピーカ4自身の再生特性(図39)と
一致した特性が実現できる。
【0048】また、図39の再生特性とは異なる、例え
ば図47のような特性を有するスピーカを電気音響変換
器とする音響再生装置であっても、伝達関数H3を有す
る演算ブロック103を用いて非巡回型ディジタルフィ
ルタ2の係数データを決定してオーディオ信号の再生を
行なえば、図3の音導管開口部の放射音響特性は音導管
200の影響が除去された、スピーカ4自身の再生特性
(図47)と一致したものになる。
【0049】実施例2.図4は、この発明の実施例2に
おける音響再生装置の構成を示す図である。図におい
て、参照番号1〜5および200は前述した従来装置
(図38)と同一のものであるから、その説明は省略す
る。300は、音導管200の開口部からの音響放射に
対して高域を劣化させる伝達特性を有した音響抵抗であ
る。201は、音導管200と音響抵抗300と受聴位
置5までの空間の総合伝達特性に対する逆特性に相当す
る伝達関数H5を有する演算ブロック、102はスピー
カ4のみの伝達特性に対する逆特性に相当する伝達関数
H2を有する演算ブロック、103は音導管200のみ
の伝達特性に対する逆特性に相当する伝達関数H3を有
する演算ブロック、202は音響抵抗のみの伝達特性に
対する逆特性に相当する伝達関数H6を有する演算ブロ
ック、104は音響抵抗300から受聴位置5までの音
響空間のみの伝達特性に対する逆特性に相当する伝達関
数H4を有する演算ブロックである。また、203は、
音導管200と音響抵抗300との総合伝達特性に対す
る逆特性に相当する伝達関数H7を有する演算ブロック
である。ここでは、伝達関数H7を有する演算ブロック
203のみによって非巡回型ディジタルフィルタ2の係
数データを決定している。
【0050】図5は、上記音響抵抗300の伝達特性の
一例を示す図である。音響抵抗300は、1000Hz
より高域の音響パワーレベルを劣化させる機能を有して
いる。この種の音響抵抗300は、図6に示すように、
音導管200の開口部を覆うように薄布を設けてもよい
し、或いは図7に示すような、多数の微細穴を形成した
薄板状のパンチングメタルにより音導管200の開口部
を覆うこともできる。さらに、図8に示すように、音導
管200の開口部面積を狭搾した状態で、空気流動性を
阻害する音響抵抗300を設けることも可能である。
【0051】次に、上記音響再生装置の動作について説
明する。実施例1と同様に、入力端子1から入力された
オーディオ信号は、非巡回型ディジタルフィルタ2にお
いて伝達関数H7を有する演算ブロック203の特性で
可変される。この演算ブロック203の伝達関数H7
は、非巡回型ディジタルフィルタ2に対して音導管20
0と音響抵抗300との伝達特性を打消す特性を付与す
るように作用する。この非巡回型ディジタルフィルタ2
の伝達特性により可変されたオーディオ信号は、電力増
幅器3に入力され、電力増幅された後、スピーカ4から
音響パワーとして音導管200の開口部を通して音響抵
抗300を介して空間に向けて放射される。このとき放
射される音響パワーは、スピーカ4自身の再生特性と一
致したものになる。
【0052】実施例3.実施例3は、スピーカの位相特
性を保持して、振幅特性を改善した音響再生装置の例で
ある。図9は、この発明の実施例3における音響再生装
置の構成を示す図である。図において、参照番号1〜
5、102〜104および200は前述した実施例1
(図1)と同一のものであるから、その説明は省略す
る。301は、音導管200の開口部から放射される音
響パワーの位相周波数特性は変更せず、振幅周波数特性
のみを変更するように設計され、非巡回型ディジタルフ
ィルタ2の前段に配置された直線位相イコライザであ
る。
【0053】図10には、直線位相イコライザ301に
よって低音再生能力を変更した場合の、音導管開口部に
おける放射音響特性及び位相特性を示す。ここで、30
2は直線位相イコライザ301の特性、303は直線位
相イコライザ301を使用していない場合の音導管開口
部の放射音響特性、304は直線位相イコライザ301
を使用した場合の音導管開口部の放射音響特性、305
は直線位相イコライザ301を使用していない場合の音
導管開口部の位相特性、306は直線位相イコライザ3
01を使用した場合の音導管開口部の位相特性である。
【0054】次に、上記音響再生装置の動作について説
明する。直線位相イコライザ301が、入力端子1から
入力されたオーディオ信号の振幅周波数特性を可変する
ことによって、音導管200の開口部からは、実施例1
あるいは実施例2で示したようなスピーカ4の再生特性
そのものではなく、振幅周波数特性に関して変化した音
響パワーが放射される。直線位相イコライザ301は、
非巡回型ディジタルフィルタ2で求められる音導管20
0の逆特性に対して、位相特性は変更することなく、振
幅特性だけを変更するのである。これにより、音導管2
00の開口部から放射される音響パワーは、スピーカ4
自身の位相特性と一致し、かつその振幅特性が改善され
たものになる。
【0055】なお、ここでは直線位相イコライザ301
を非巡回型ディジタルフィルタ2の前段に配置した場合
を説明したが、後段に配置してもよい。また、非巡回型
ディジタルフィルタ2の特性と直線位相イコライザ30
1の特性を合成したディジタルフィルタによって同様の
効果を得ることもできる。さらに、ここでは低音再生の
改善について説明したが、全ての周波数領域の改善に際
しても同様の手段を用いることが可能である。
【0056】実施例4.以下の実施例4乃至実施例9で
は、受聴位置での音圧周波数特性を自動補正する適応信
号処理手段を有する音響再生装置について説明する。
【0057】図11は、この発明の実施例4における音
響再生装置の構成を示す図である。図において、50は
音声信号入力端子、51は例えばM系列信号として雑音
を生成する雑音源、52は切替えスイッチ、53は逆フ
ィルタ用の係数データ演算装置である。この係数データ
演算装置53は、適応型FIR(Finite Impulse Respo
nse:有限インパルス応答)ディジタルフィルタ54、
適応信号処理アルゴリズムとして例えばLMS(Least
Mean Square:最小2乗平均法)アルゴリズムを用いた
演算部55(以下LMS演算部55という)、遅延回路
56および加算器57から構成される。また、58はD
/A変換器、59は増幅器、60はスピーカ、61はマ
イクロホン、62は増幅器、63はA/D変換器であ
る。
【0058】次に、上記音響再生装置の動作について説
明する。まず、係数データ演算装置53では、後述する
適応信号処理アルゴリズムに従って適応型FIRディジ
タルフィルタ54に逆フィルタ用の係数データを生成す
る。このために、切替えスイッチ52を雑音源51側に
切替え、M系列信号を適応型FIRディジタルフィルタ
54、D/A変換器58および増幅器59を介してスピ
ーカ60に入力する。スピーカ60から放射された雑音
は、受聴位置に設置されたマイクロホン61で検出さ
れ、増幅器62で増幅され、A/D変換器63を介して
逆フィルタ用の係数データ演算装置53に入力される。
この係数データ演算装置53では、入力された受信信号
r(k)および雑音源51からのM系列信号x(k)に
基づいて逆フィルタ用の係数データを生成する。
【0059】なお、伝達関数hs(k)はスピーカ60
からマイクロホン61までの音場空間の状態によって決
まるもので、音響系の電気音響系の伝達関数は切替えス
イッチ52から適応型FIRディジタルフィルタ54、
D/A変換器58、増幅器59、スピーカ60、マイク
ロホン61、増幅器62、A/D変換器63を介して係
数データ演算装置53に至る系の特性によって決定さ
れ、次に述べるようにその逆特性が適応型FIRディジ
タルフィルタ54の伝達関数として実現される。
【0060】図12は、上記係数データ演算装置53に
おける係数データの演算手順を示すフローチャートであ
る。まず、受信信号r(k)は、極性反転されてから加
算器57に入力される。一方、雑音源51からのM系列
信号x(k)は、3つに分岐され、1つは切替えスイッ
チ52を介して適応型FIRディジタルフィルタ54に
入力され、1つはLMSアルゴリズムの参照信号d
(k)としてLMS演算部55に入力され、1つは遅延
回路56を介して加算器57に入力される。このとき、
遅延回路56の遅延時間は、逆フィルタ用係数データが
具体的に実現できるように、あらかじめ任意の値に設定
されるものとする。LMS演算部55では、遅延回路5
6により遅延されたM系列信号を参照信号d(k)とし
て、加算器57で演算された受信信号r(k)との誤差
信号e(k)が入力され、この誤差信号e(k)とM系
列信号x(k)とから、次式で表される係数データHを
繰り返し更新する。 H(k+1)=H(k)+2μe(k)x(k)
【0061】このように演算される係数データHを適応
型FIRディジタルフィルタ54に設定して、適応動作
の収束まで繰り返し更新していく。ここで、LMSアル
ゴリズムでの収束判定としては、H(k+1)とH
(k)との差が規定値より小さくなったとき、適応動作
が収束したものとする。なお、上の式の係数μは、LM
Sアルゴリズム特有の収束係数であり、これにより収束
の速度と安定性とが制御される。この適応動作が収束し
たとき、上記電気音響系の伝達関数hs(k)は遅延回
路56の伝達関数とほぼ一致する。したがって、適応型
FIRディジタルフィルタ54の伝達関数により、スピ
ーカ60からマイクロホン61までの電気音響系の伝達
関数の逆特性がほぼ実現される。言換えれば、逆フィル
タ用の係数データHが適応型FIRディジタルフィルタ
54に自動的に生成されることになる。
【0062】図13は、LMSアルゴリズムの収束過程
を示す図である。適応型FIRディジタルフィルタ54
の係数データHは、繰り返し演算によって誤差信号e
(k)がその最小値eminに限りなく近づくから、前回
の演算値H(k−1)との差も小さくなる。適応動作の
収束後に、適応型FIRディジタルフィルタ54で生成
された逆フィルタ用係数データを用いて、受聴位置での
音圧周波数特性の補正を行なう。このため、次に切替え
スイッチ52を音声入力端子50側に切替える。この結
果、切替えスイッチ52からマイクロホン61に至る電
気音響系の伝達関数は補正され、受聴位置での平坦な音
圧周波数特性を実現できる。
【0063】なお、この実施例では雑音源51としてM
系列信号を発生するものを使用しているが、音響再生装
置で使用が想定される全ての周波数帯域を含むノイズで
あれば、例えばランダムノイズ、ホワイトノイズ、ピン
クノイズ(1/fノイズ)等を使用することができる。
また、適応信号処理アルゴリズムにはLMS法以外に例
えばFiltered-X LMS法や、LMS法の変形である学
習同定法などを用いても良い。
【0064】実施例5.図14は、この発明の実施例5
における音響再生装置の構成を示す図である。図におい
て、参照番号50〜63は前述した実施例4(図11)
と同一のものであるから、その説明は省略する。64
は、受聴位置における音響レベルを検出するためのマイ
クロホン付きのリモコン装置であり、マイクロホン65
とこのマイクロホン65での検出値をワイヤレスで信号
伝送する信号送信部66とから構成される。67は、送
信された検出値を受信するための信号受信部である。
【0065】上記音響再生装置の動作は、基本的に前述
した実施例4における動作と同等である。異なる点は、
マイクロホン65により検出したスピーカ60からのM
系列信号を直接演算に用いないで、リモコン装置64の
信号送信部66から信号受信部67にワイヤレスで伝送
した信号を使用していることである。
【0066】リモコン装置64は設置位置を変更するこ
とが容易であって、また、受聴位置を任意に変更して音
響レベルを検出する場合に、受信信号r(k)がワイヤ
レスで伝送されるから、逆フィルタ用の係数データの演
算、再設定も容易である。したがって、音圧周波数特性
の補正作業を効率良く行なうことができる。
【0067】実施例6.この実施例6では、係数データ
演算装置53における適応信号処理アルゴリズムにFilt
ered-X LMS法を用いた音響再生装置について説明す
る。図15は、この発明の実施例6における音響再生装
置の構成を示す図である。図において、参照番号50〜
63は上記実施例4(図11)と同一のものであるか
ら、その説明は省略する。68は、スピーカ60からマ
イクロホン61に至る音響再生系の伝達関数hs(k)
の演算ブロックである。
【0068】受聴位置での音圧周波数特性の補正を行な
う場合、この音響再生装置の動作は基本的に実施例4の
ものと同じである。しかし、この実施例6の音響再生装
置では、演算ブロック68を介してLMS演算部55に
M系列信号を供給するようにしたから、適応動作の収束
時間が短縮され、また安定性を高めることもできる。
【0069】実施例7.図16は、この発明の実施例7
における音響再生装置の構成を示す図であり、この音響
再生装置は、逆フィルタ用の係数データ演算装置53に
おける適応信号処理アルゴリズムとして、実施例6と同
様にFiltered-X LMS法を用い、さらに受聴位置での
音響レベル検出手段としてマイクロホン付きのリモコン
装置64を使用したものである。
【0070】したがって、この音響再生装置によれば安
定した適応動作と、逆フィルタ用の係数データ演算作業
を効率よく行なえる。
【0071】実施例8.この実施例8では、逆フィルタ
用の係数データを生成する適応信号処理手段の適応型F
IRディジタルフィルタとは別に、音圧周波数特性を補
正するためのFIR型のディジタルフィルタを備えた音
響再生装置について説明する。
【0072】図17は、この発明の実施例8における音
響再生装置の構成を示す図である。図において、50は
音声信号入力端子、51は例えばM系列信号として雑音
を生成する雑音源、69はFIR(Finite Impulse Res
ponse:有限インパルス応答)ディジタルフィルタ、5
2は切替えスイッチ、53は逆フィルタ用の係数データ
演算装置である。この係数データ演算装置53は、上記
FIRディジタルフィルタ69とは別の、逆フィルタ用
の係数データを生成するための適応型FIRディジタル
フィルタ54、適応信号処理アルゴリズムとして例えば
LMS(LeastMean Square最小2乗平均法)アルゴリズ
ムを用いた演算部55(以下LMS演算部55とい
う)、遅延回路56および加算器57から構成される。
また、58はD/A変換器、59は増幅器、60はスピ
ーカ、61はマイクロホン、62は増幅器、63はA/
D変換器である。
【0073】次に、上記音響再生装置の動作について説
明する。まず、係数データ演算装置53では、先に説明
した適応信号処理アルゴリズムに従って適応型FIRデ
ィジタルフィルタ54に逆フィルタ用の係数データを生
成する。このために、切替えスイッチ52を雑音源51
側に切替え、M系列信号をD/A変換器58および増幅
器59を介してスピーカ60に入力する。スピーカ60
から放射された雑音は、受聴位置に設置されたマイクロ
ホン61で検出され、増幅器62で増幅され、A/D変
換器63を介して逆フィルタ用の係数データ演算装置5
3に入力される。この係数データ演算装置53では、入
力された受信信号r(k)が適応型FIRディジタルフ
ィルタ54およびLMS演算部55に加えられる。さら
に、適応型FIRディジタルフィルタ54の出力y
(k)は極性反転されて加算器57に加えられる。一
方、雑音源51からのM系列信号は遅延回路56を介し
て加算器57に加えられる。このとき、遅延回路56の
遅延時間は、上記実施例4と同様、逆フィルタ用係数デ
ータが具体的に実現できるように、あらかじめ任意の値
に設定されるものとする。LMS演算部55では、受信
信号r(k)を参照信号として、LMSアルゴリズムに
より加算器57で演算された誤差信号e(k)=d
(k)−y(k)を最小とするように係数データを自動
的に更新する。
【0074】なお、電気音響系の伝達関数hs(k)は
切替えスイッチ52からD/A変換器58、増幅器5
9、スピーカ60、マイクロホン61、増幅器62、A
/D変換器63、係数データ演算装置53の適応型FI
Rディジタルフィルタ54を介して加算器57に至る系
の特性によって決定され、その逆特性が適応型FIRデ
ィジタルフィルタ54の伝達関数によって実現される。
【0075】この適応動作が収束したとき、上記電気音
響系の伝達関数hs(k)は遅延回路56の伝達関数と
ほぼ一致する。したがって、適応型FIRディジタルフ
ィルタ54の伝達関数により、スピーカ60からマイク
ロホン61までの音響系の伝達関数hs(k)の逆特性
がほぼ実現される。言換えれば、逆フィルタ用の係数デ
ータが適応型FIRディジタルフィルタ54に自動的に
生成されることになる。
【0076】そこで、適応動作収束後に、係数データ演
算装置53の適応型FIRディジタルフィルタ54で生
成された係数データを、音圧周波数特性を補正するため
のFIRディジタルフィルタ69に転送したうえで、切
替えスイッチ52を音声信号入力端子50側に切替え
る。この結果、スピーカ60からマイクロホン61に至
る電気音響系の伝達関数は補正され、受聴位置で平坦な
音圧周波数特性が実現される。
【0077】実施例9.図18は、この発明の実施例9
における音響再生装置の構成を示す図であり、この音響
再生装置は、受聴位置での音響レベル検出手段として、
実施例5と同様にマイクロホン付きのリモコン装置64
を用い、さらに係数データを生成する適応信号処理手段
とは別に、音圧周波数特性を補正するためのディジタル
フィルタ69を備えたものである。
【0078】したがって、この音響再生装置によれば安
定した適応動作と、逆フィルタ用の係数データ演算作業
を効率よく行なえる。
【0079】実施例10.以下の実施例10乃至実施例
12では、入力されたアナログ音声信号をディジタル信
号に変換して信号処理する場合に、出力デバイスに応じ
て信号処理内容を変更するようにした音響再生装置につ
いて説明する。
【0080】図19は、この発明の実施例10における
音響再生装置の構成を示す図である。図において、71
はアナログ音声信号を入力する入力端子、72はアナロ
グ音声信号をディジタル信号に変換するA/D変換器、
73はスピーカ77の再生特性を変更するための音声信
号処理回路、74はディジタル信号をアナログ信号に変
換するD/A変換器、75はアナログ信号をスピーカ駆
動信号に変換する音声出力アンプ、76は出力デバイス
を切り換える出力切り換えスイッチ、77はスピーカ、
78は音導管、79はヘッドホンである。出力切り換え
スイッチ76は連動して第1の選択制御信号S1を生成
する。第1の選択制御信号S1によって音声信号処理回
路73内の非巡回型ディジタルフィルタの構成を切り換
える。
【0081】図20は、音声信号処理回路73の一例を
示すブロック図であって、非巡回型ディジタルフィルタ
として構成されるものである。ここで、80は増幅率を
有しない伝送路、81はフィルタの演算を行なう係数乗
算器群、82は入力信号を1サンプル時間だけ遅延させ
る遅延器群、83は上記係数乗算器群81の演算結果を
加算する加算器である。第1の選択制御信号S1は、出
力切り換えスイッチ76に連動し、出力切り換えスイッ
チ76がスピーカ77を選択した場合は、係数乗算器群
81すべての演算結果を加算器83に入力し、出力切り
換えスイッチ76がヘッドホン79を選択した場合は、
伝送路80のみの出力が加算器83に入力するように、
係数乗算器群81を選択制御する。
【0082】次に、上記音響再生装置の動作について説
明する。入力端子71より入力した音声信号は、A/D
変換器72によりディジタル信号に変換される。ディジ
タル信号は、音声信号処理回路73により所望する特性
になるように、信号処理される。信号処理されたディジ
タル信号は、D/A変換器74によりアナログ信号に変
換される。このアナログ信号は音声出力アンプ75によ
り増幅され、出力切り換えスイッチ76により出力する
デバイスを選択する。
【0083】出力切り換えスイッチ76でスピーカ77
を選択した場合は、第1の選択制御信号S1により音声
信号処理回路73では、係数乗算器群81の演算結果が
加算器83に入力され、既に設定されていた特性を入力
信号に畳み込み、演算結果を加算器83からD/A変換
器74に出力する。出力切り換えスイッチ76でヘッド
ホン79を選択した場合には、第1の選択制御信号S1
により音声信号処理回路73では、伝送路80の出力の
みを加算器83に入力し、特性変更を行なわないで、ヘ
ッドホン79を駆動する信号を作り出し、加算器83か
らD/A変換器74にその信号を出力する。なお、この
実施例ではスピーカ77以外の出力デバイスとしてヘッ
ドホン79を用いているが、別のスピーカシステムと切
り換えるようにしてもよい。また、スピーカ77で音声
信号処理回路73による特性変更を行なわないで再生す
る構成としてもよい。さらに、本実施例では伝送路80
を音声信号処理回路73の入力側に設けたが、遅延器群
82で得られる総遅延時間の2分の1になる位置、ある
いは任意の信号遅延箇所に設ける構成としてもよい。
【0084】このように、実施例10の音響再生装置で
は音声信号を伝達するために、音声信号処理回路73に
補正特性を演算する経路以外に別の伝送路80を設けた
ので、所定のスピーカ77とは異なる電気音響変換器、
例えばヘッドホン79を用いてオーディオ信号を再生す
る場合にも、その特性を変更せずにヘッドホン79によ
る再生を行なうことが可能になる。したがって、音響再
生装置が所定のスピーカ77に対する補正特性を有する
場合でも、それ以外の電気音響変換器の再生特性を乱す
ことなく、オーディオ信号を忠実に再生できる。また、
伝送路80を遅延器群82で得られる総遅延時間の2分
の1になる位置に配置することで、出力切り換えを行な
っても音声信号処理回路73で生じる時間遅延量を変化
させずに、滑らかに出力切り替えを行なうことができ
る。
【0085】実施例11.図21は、この発明の実施例
11における音声信号処理回路73の一例を示すブロッ
ク図である。図において、音響再生装置の全体構成およ
び音声信号処理回路73のブロック81〜83は、前述
した実施例10(図19、図20)と同一のものである
から、その説明は省略する。実施例10の回路と異なる
点は、非巡回型ディジタルフィルタの係数乗算器群81
とは別の、任意の係数値を持つ独立した係数乗算器84
を備えていることである。そして、第2の選択制御信号
S2は、出力切り換えスイッチ76でスピーカ77を選
択した場合には、係数乗算器群81の演算結果が加算器
83に入力され、出力切り換えスイッチ76でヘッドホ
ン79を選択した場合は、独立した係数乗算器84の出
力だけが加算器83に入力されるように、係数乗算器群
81および係数乗算器84を制御している。
【0086】次に、この音響再生装置の動作について説
明する。出力切り換えスイッチ76でスピーカ77を選
択した場合は、第2の選択制御信号S2により音声信号
処理回路73では、係数乗算器群81の演算結果が加算
器83に入力され、既に設定されていた特性を入力信号
に畳み込み、演算結果を加算器83からD/A変換器7
4に出力する。出力切り換えスイッチ76でヘッドホン
79を選択した場合には、第2の選択制御信号S2によ
り音声信号処理回路73では、独立した係数乗算器84
の出力のみを加算器83に入力し、入力信号には独立し
た係数乗算器84により係数が乗算され、特性の変更を
行なわないで、ヘッドホン79を駆動する信号を作り出
し、加算器83からD/A変換器74にその信号を出力
する。独立した係数乗算器84では、任意の係数が乗算
される。したがって、音響再生装置が所定の補正特性を
有する場合、それ以外の電気音響変換器については補正
を行なわないで、その振幅レベルが調整されたオーディ
オ信号が得られるから、その再生特性を乱すことなく、
振幅レベルが調整されたオーディオ信号を再生できる。
さらに、本実施例では独立した係数乗算器84を音声信
号処理回路73の入力側に設けたが、遅延器群82で得
られる総遅延時間の2分の1になる位置、あるいは任意
の信号遅延箇所に設ける構成としてもよい。
【0087】実施例12.図22は、この発明の実施例
12における音声信号処理回路の一例を示すブロック図
である。図において、参照番号81〜83は前述した実
施例11の音声信号処理回路(図21)と同一のもので
あるから、その説明は省略する。実施例11の回路と異
なる点は、音声信号処理回路73内に別の伝送路は設け
ておらず、第3の選択制御信号S3によって音声信号処
理回路73内の非巡回型ディジタルフィルタの構成を切
り換えるようにしたことである。
【0088】次に、この音響再生装置の動作について説
明する。出力切り換えスイッチ76でスピーカ77を選
択した場合は、第3の選択制御信号S3により音声信号
処理回路73では、係数乗算器群81の演算結果が加算
器83に入力され、既に設定されていた特性を入力信号
に畳み込み、演算結果を加算器83からD/A変換器7
4に出力する。出力切り換えスイッチ76でヘッドホン
79を選択した場合には、第3の選択制御信号S3によ
り音声信号処理回路73では、係数乗算器群81のいず
れか1つの出力のみを加算器83に入力し、入力信号に
は選択された係数乗算器群81により係数が乗算され、
特性の変更を行なわないで、ヘッドホン79を駆動する
信号を作りだし、加算器83からD/A変換器74にそ
の信号を出力する。したがって、音声信号処理回路73
とは別の伝送路を設けずに、補正を行なわないオーディ
オ信号を出力できるから、スピーカ77に対する補正特
性を有する音響再生装置によって、それ以外の電気音響
変換器の再生特性を乱すことなく、オーディオ信号を忠
実に再生できる。
【0089】実施例13.以下の実施例13乃至実施例
16では、入力されたアナログ信号の周波数成分を欠落
することなく、各種の出力デバイスによってオーディオ
信号を再生するための音響再生装置について説明する。
【0090】アナログ信号をディジタル伝送路によって
伝送したり、磁気テープや磁気ディスク等によってディ
ジタル記録された信号を再生する場合に、A/D変換器
などにより符号化が行なわれ、その後に、ディジタル信
号を再びアナログ信号に変換する復号処理が行なわれ
る。この種の音響再生装置は、従来から特に音響信号を
忠実に再生するために広く利用されている。図23は、
従来の音響再生装置の一例を示すブロック図であって、
たとえば、文献『AV・OA用ディジタル信号処理』
(昭晃堂、1991年4月25日発行)の第63頁に開
示されているものである。
【0091】図23において、91はアナログ信号の入
力端子、92は入力されたアナログ信号のインピーダン
ス変換を行なうラインアンプ、93はアナログ信号の伝
送周波数帯域を制限する第1の低域通過フィルタ、94
はアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換
器、95は例えばディジタルフィルタ等のディジタル信
号の演算処理を行なう演算処理器、96は演算処理器9
5による演算結果であるディジタル信号をアナログ信号
に変換するD/A変換器、97はD/A変換器96から
出力されたアナログ信号に含まれる不要な高域成分を除
去する第2の低域通過フィルタ、98はアナログ信号を
出力する出力アンプ、99はアナログ信号の出力端子で
ある。
【0092】図24は、従来の音響再生装置の伝達特性
を示す線図である。横軸に示す周波数は、演算処理器9
5が取り扱い可能なサンプリング周波数fsの1/2の
周波数であり、上記低域通過フィルタ93、97の通過
帯域がfs/2以下に設定されていることを示してい
る。
【0093】つぎに、上記従来の音響再生装置の動作に
ついて説明する。図23において、入力されたアナログ
信号は、周波数、位相ともに特別な特性が付与されてい
ない、フラットな周波数特性を有するラインアンプ92
を用いて、インピーダンス変換される。インピーダンス
変換された後のアナログ信号は、第1の低域通過フィル
タ93により演算処理器95のサンプリング周波数で規
定される周波数帯域に制限される。A/D変換器94に
は、この帯域制限されたアナログ信号が入力され、サン
プリング周波数fsでサンプリングされるとともに、所
定の標本化レベルで標本化される。
【0094】こうして演算処理器95にはA/D変換器
94で変換されたディジタル信号が入力され、所定の処
理が施される。この演算処理器95は、たとえば、ディ
ジタルフィルタなどの演算を実行する処理回路として構
成され、あるいは更に誤り訂正など所定の符号化処理が
行なわれる。演算処理器95の演算結果は、ディジタル
信号の伝送路や磁気ディスクなどの記録媒体に記録する
ことにより伝送され、その後に同様の演算処理器95に
おいて誤り訂正、誤り検出などの信号処理されたディジ
タル信号として再生され、D/A変換器96によってア
ナログ信号に変換される。変換されたアナログ信号は、
更に第2の低域通過フィルタ97でサンプリング周波数
fsの2分の1を越える周波数成分が除去されて、出力
アンプ98を介して出力端子99から出力される。
【0095】上記演算処理器95では、サンプリング周
波数の2分の1以下のアナログ信号成分についての処理
が行なわれる。したがって、こうしたディジタル信号を
取り扱う音響再生装置では、システムのサンプリング周
波数により制御できる周波数帯域はサンプリング周波数
の2分の1までとなり、それ以上のアナログ信号成分を
音響再生装置から出力することはできない。すなわち、
入力されたアナログ信号に含まれる高い周波数成分が音
響再生装置によって除去されてしまうから、特に音響信
号に必要とされる高周波領域での忠実な再生が不可能と
なるという問題があった。
【0096】もちろん、演算処理器95で取り扱うこと
ができる周波数帯域を広げることで、入力されるアナロ
グ信号の全帯域についての演算処理はできるけれども、
そのためには高速のディジタル処理回路が必要になり、
コストが増大するという問題があった。
【0097】図25は、この発明の実施例13の音響再
生装置の構成を示すブロック図である。同図において、
符号91乃至98は図23に示す従来装置と同一の部分
を示すものであり、ここではそれらの説明を省略する。
121は、ラインアンプ92を介して入力端子91と接
続された高域通過フィルタであり、入力されたアナログ
信号から演算処理器95で処理可能な周波数帯域よりも
高い周波数帯域の信号成分を抽出する。122は、第2
の低域通過フィルタ97と上記高域通過フィルタ121
とに接続された第1の加算器であり、高域通過フィルタ
121で抽出された信号成分を演算処理器95で処理さ
れD/A変換されたアナログ信号と加算する。123は
出力端子であり、出力アンプ98を介して上記加算器1
22の加算結果を出力する。
【0098】図26は、図25の低域通過フィルタおよ
び高域通過フィルタの伝達特性を示す線図である。14
1は第1の低域通過フィルタ93の振幅特性であり、1
42は高域通過フィルタ121の振幅特性である。演算
処理器95が取り扱い可能なサンプリング周波数fsの
1/2を境界にして、振幅特性141は低域の周波数成
分を、振幅特性142は高域の周波数成分を含んだもの
となる。したがって、2つのフィルタ93、121の出
力信号を加算した信号の振幅特性は、図26に総合特性
143として示すように、フラットになる。
【0099】つぎに、上記実施例13の音響再生装置の
動作について説明する。入力端子91から入力されたア
ナログ信号は、ラインアンプ92を介して第1の低域通
過フィルタ93と高域通過フィルタ121とに入力され
る。第1の低域通過フィルタ93で帯域制限されたアナ
ログ信号は、A/D変換器94、演算処理器95、D/
A変換器96および第2の低域通過フィルタ97によっ
て演算処理を施されたアナログ信号となる。一方、高域
通過フィルタ121を介して出力されるアナログ信号と
しては、図26の伝達特性に示すように、第1の低域通
過フィルタ93で除去される帯域成分が抽出された信号
となる。そこで、ディジタル演算処理されたアナログ信
号と高域通過フィルタ121からのアナログ信号とを加
算器122で加算することによって、図26の総合特性
143に従う高域までフラットな振幅特性となる。した
がって、演算処理器95で処理可能な周波数に規定され
ることなく、入力されたアナログ信号のすべての周波数
成分を含む出力信号が出力端子123から出力できる。
しかも、演算処理器95におけるディジタル処理速度を
それ程高くしなくても、高域の信号成分まで忠実に再現
できる。
【0100】実施例14.図27は、この発明の実施例
14の音響再生装置の構成を示すブロック図である。1
31は、ラインアンプ92と第1の低域通過フィルタ9
3にそれぞれ接続された第2の加算器である。ここで
は、入力端子91に入力されたアナログ信号から低域通
過フィルタ93の出力を減算することによって、実施例
13の高域通過フィルタ121と同等の機能が実現で
き、新たな高域通過フィルタを設けずに同様の効果を得
ることができる。図27の他の参照符号は、実施例13
の各ブロックに対応するものを示している。
【0101】実施例15.図28は、この発明の実施例
15の音響再生装置の構成を示すブロック図である。1
24は、上記高域通過フィルタ121と接続された増幅
器であり、この増幅器124では、高域通過フィルタ1
21で抽出された信号成分のアナログ信号レベルを変換
している。図28の他の参照符号は、実施例13の各ブ
ロックに対応するものを示している。
【0102】つぎに、上記実施例15の音響再生装置の
動作について説明する。図29は、入力されたアナログ
信号レベルを示す線図、図30は、演算処理器と高域通
過フィルタの出力レベルを示す線図である。図28に示
す音響再生装置では、演算処理器95におけるディジタ
ル処理回路が増幅機能を持つ場合に、入力信号レベルが
フラットな振幅特性を有していても、演算処理器95の
振幅特性144が高域通過フィルタ121の振幅特性1
45と異なる振幅レベルとなる。そのため、第2の低域
通過フィルタ97と高域通過フィルタ121の出力信号
を加算した信号の振幅特性は、図30に総合特性146
として示すように、フラットにならず、入力されたアナ
ログ信号を忠実に再現できない。そこで、高域通過フィ
ルタ121で抽出された信号成分のアナログ信号レベル
を、上記増幅器124によって調整したうえで、D/A
変換器96から出力されたアナログ信号成分と加算する
ようにしている。
【0103】図31は、レベル調整された音響再生装置
の総合特性を示す線図である。147は増幅器124に
よって増幅された高域通過フィルタ121の振幅特性、
148は第1の加算器122により加算された信号の総
合特性である。増幅器124を用いて高域通過フィルタ
121のアナログ信号を、演算処理器95の増幅度に合
せて増幅することによって、加算後の信号の総合特性1
48のレベルバランスをとることができる。したがっ
て、入力されたアナログ信号に含まれる全周波数帯域の
信号伝送を行なって、サンプリング周波数の2分の1よ
りも高い周波数帯域までアナログ信号を忠実に再生しよ
うとする場合も、演算処理器95が取り扱い可能なサン
プリング周波数fsの1/2を境界とする低域の周波数
成分の振幅特性144を高域の周波数成分の振幅特性1
47と確実にレベルを揃えることができる。
【0104】なお、図28の音響再生装置において、高
域通過フィルタ121と低域通過フィルタ93とは別個
のフィルタとして構成されているが、実施例14の場合
と同様に、第2の加算器131と低域通過フィルタ93
とで構成しても同様の機能を実現できる。
【0105】また、この実施例15では高域通過フィル
タ121の出力信号が増幅器124の入力信号となるよ
うに接続しているが、高域通過フィルタ121と増幅器
124との信号伝達順序は、逆であってもかまわない。
【0106】実施例16.図32は、この発明の実施例
16の音響再生装置の構成を示すブロック図である。図
において125は、高域通過フィルタ121を介して伝
達されるアナログ信号に遅延をかける遅延器である。図
32の他の参照符号は、実施例15の各ブロックに対応
するものを示している。
【0107】図33は、図32の演算処理器95の一例
を示すブロック図である。図において、132は1サン
プル時間の遅延回路、133は係数乗算器、134は加
算器、135は入力端子、136は出力端子である。こ
の演算処理器は、入力端子135に入力したディジタル
信号に対して非巡回型ディジタルフィルタを構成するも
のであり、出力端子136からの出力信号は、遅延回路
132による遅延時間に規定される遅れをもってD/A
変換器96に出力される。
【0108】図34は、この演算処理器での遅延時間を
示す線図である。図において、横軸は時間経過を示し、
縦軸は信号の大きさを示している。151は、入力され
たアナログ信号のタイミング、152は第2の低域通過
フィルタ97から出力されるアナログ信号のタイミン
グ、153は演算処理器95の入出力間での時間差
(t)である。
【0109】図35は、遅延時間を含む演算処理器を有
する音響再生装置の時間応答を示す線図である。154
は高域通過フィルタ121の出力の時間応答である。図
36は、遅延を調整した音響再生装置の総合特性の時間
応答を示す線図である。155は遅延器125で遅延を
かけた場合の時間応答、156は総合特性の時間応答で
ある。
【0110】つぎに、上記実施例16の音響再生装置の
動作について説明する。演算処理器95では対域制限を
かけられた信号に対してディジタル演算が実行される。
たとえば、図33に示すような非巡回型ディジタルフィ
ルタの場合には、入力端子135に入力された信号が出
力端子136に到達するまで、遅延回路132と係数乗
算器133から得られる信号の総和の演算が行なわれ
る。その際に、入力されたディジタル信号は、図34に
示すように遅延されて出力端子136に伝達される。し
たがって、ディジタル演算された後のアナログ信号と、
遅延されないで高域通過フィルタ121を通過したアナ
ログ信号とをそのまま加算しても、図35に示すよう
に、2つの信号間の時間応答に差が生じているから、入
力されたアナログ信号を正確に再現することができな
い。
【0111】そこで、図32に示す音響再生装置の構成
では、高域通過フィルタ121を通過するアナログ信号
に対して、増幅器124によりまず演算処理器95との
レベル調整を行ない、その後に遅延器125を用いてデ
ィジタル演算処理による遅延時間だけ遅延をかける。こ
れによって、図36に示すように、第1の加算器122
に入力される2つのアナログ信号の入力信号に対する遅
延時間が等しくなり、2つの信号の加算結果である総合
特性の時間応答は、その周波数帯域にかかわらず同一に
なる。
【0112】なお、図32の音響再生装置において、高
域通過フィルタ121と低域通過フィルタ93とは別個
のフィルタとして構成されているが、実施例14の場合
と同様に、第2の加算器131と低域通過フィルタ93
とで構成しても同様の機能を実現できる。
【0113】また、この実施例16でも高域通過フィル
タ121と増幅器124と遅延器125の間での信号伝
達順序は任意である。
【0114】
【発明の効果】この発明は、以上に説明したように構成
されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0115】請求項1に記載した音響再生装置によれ
ば、スピーカの種類によらずに、非巡回型ディジタルフ
ィルタの特性を一度、音導管の逆特性に設定しておけ
ば、音場空間に対する音源となる音導管の開口部におけ
る音響放射特性は、常にスピーカ自身の再生特性と一致
するから、簡単に音導管の影響を取り除くことができ、
スピーカの特性を劣化させずに、音場空間に音響信号を
忠実に放射することができるとともに、直線位相イコラ
イザと組み合わせて、スピーカの再生特性で不足とされ
る振幅特性を、スピーカの位相特性を変化させずに改善
でき、音導管から放射される音響特性をスピーカの再生
特性よりも改善できる
【0116】請求項2に記載した音響再生装置によれ
ば、スピーカの種類によらずに、非巡回型ディジタルフ
ィルタの特性を一度、音導管と音響抵抗との逆特性に設
定しておけば、音場空間に対する音源となる音導管の開
口部における音響放射特性は、常にスピーカ自身の再生
特性と一致するから、簡単に音導管と音響抵抗との影響
を取り除くことができ、スピーカの特性を劣化させず
に、音場空間に音響信号を忠実に放射することができる
とともに、直線位相イコライザと組み合わせて、スピー
カの再生特性で不足とされる振幅特性を、スピーカの位
相特性を変化させずに改善でき、音導管から放射される
音響特性をスピーカの再生特性よりも改善できる
【0117】
【0118】請求項に記載した音響再生装置によれ
ば、受聴点での音圧周波数特性を補正する逆フィルタ用
の係数データ演算を、適応信号処理を適用して時間領域
で実施したので、演算の自動化、簡略化が可能である。
【0119】請求項に記載した音響再生装置によれ
ば、マイクロホン付きリモコン装置による受信信号のワ
イヤレス伝送を用いたので、受聴位置が任意に変更され
た場合でも、逆フィルタ用の係数データ演算作業を簡易
に、効率よく実施することができる。
【0120】請求項に記載した音響再生装置によれ
ば、逆フィルタ用の係数データ生成と異なるハードウエ
アにより、特性補正を実行するようにしたので、FIR
ディジタルフィルタのハードウエアを簡略化するととも
に、演算アルゴリズムを簡素化できる。
【0121】請求項に記載した音響再生装置によれ
ば、所定の電気音響変換器に対する補正特性を有する場
合でも、それ以外の電気音響変換器の再生特性を乱すこ
となく、オーディオ信号を忠実に再生できる。
【0122】請求項に記載した音響再生装置によれ
ば、所定の電気音響変換器に対する補正特性を有する場
合でも、それ以外の電気音響変換器については補正を行
なわないで、その振幅レベルだけを変化させたオーディ
オ信号が得られるから、その再生特性を乱すことなく、
振幅レベルが調整されたオーディオ信号を再生できる。
【0123】請求項に記載した音響再生装置によれ
ば、音声信号処理手段とは別の伝送路を設けずに、補正
を行なわないオーディオ信号を出力できるから、電気音
響変換器に対する補正特性を有する場合でも、それ以外
の電気音響変換器の再生特性を乱すことなく、オーディ
オ信号を忠実に再生できる。
【0124】請求項に記載した音響再生装置によれ
ば、ディジタル演算処理を行なうために帯域制限をかけ
た伝送系に対して、帯域外のアナログ信号を別経路で伝
送して、ディジタル処理された信号に加算をするように
構成したので、欠落した信号成分を再加算して、入力さ
れたアナログ信号と同じ信号帯域をもつアナログ信号を
出力できる。したがって、低コストで入力アナログ信号
の全帯域についての伝送が可能となる。
【0125】請求項10に記載した音響再生装置によれ
ば、ディジタル演算処理で生じる信号の増減に合せて、
帯域外のアナログ信号を伝送する系においても振幅レベ
ルの増減を行ない、再加算後の信号レベルを合せるよう
に構成したので、入力されたアナログ信号と同じ信号帯
域で、周波数毎のレベルバランスがとれたアナログ信号
出力を得ることができる。
【0126】請求項11に記載した音響再生装置によれ
ば、ディジタル演算処理で生じる信号の遅延に合せて、
帯域外のアナログ信号を伝送する系においても信号に遅
延をかけて、再加算後のタイミングを合せるように構成
したので、ディジタル演算処理の結果と高域信号成分の
時間応答のずれをなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1における音響再生装置の
構成を示す図である。
【図2】 実施例1におけるスピーカの再生特性の一例
を示す図である。
【図3】 実施例1における別のスピーカによる再生特
性を示す図である。
【図4】 この発明の実施例2における音響再生装置の
構成を示す図である。
【図5】 実施例2における音響抵抗の伝達特性を示す
図である。
【図6】 実施例2における音響抵抗の形態の一例を示
す斜視図である。
【図7】 実施例2における音響抵抗の形態の別の例を
示す斜視図である。
【図8】 実施例2における音響抵抗の形態のさらに別
の例を示す斜視図である。
【図9】 この発明の実施例3における音響再生装置の
構成を示す図である。
【図10】 実施例3における直線位相イコライザの効
果を説明するための図である。
【図11】 この発明の実施例4における音響再生装置
の構成を示す図である。
【図12】 LMSアルゴリズムのフローチャートを示
す図である。
【図13】 LMSアルゴリズムの収束過程を示す図で
ある。
【図14】 この発明の実施例5における音響再生装置
の構成を示す図である。
【図15】 この発明の実施例6における音響再生装置
の構成を示す図である。
【図16】 この発明の実施例7における音響再生装置
の構成を示す図である。
【図17】 この発明の実施例8における音響再生装置
の構成を示す図である。
【図18】 この発明の実施例9における音響再生装置
の構成を示す図である。
【図19】 この発明の実施例10における音響再生装
置の構成を示す図である。
【図20】 実施例10における音声信号処理回路の一
例を示すブロック図である。
【図21】 この発明の実施例11における音声信号処
理回路の一例を示すブロック図である。
【図22】 この発明の実施例12における音声信号処
理回路の一例を示すブロック図である。
【図23】 ディジタル信号を取り扱う従来の信号処理
装置の構成を示すブロック図である。
【図24】 従来の信号処理装置の伝達特性を示す線図
である。
【図25】 この発明の実施例13における音響再生装
置の構成を示すブロック図である。
【図26】 実施例13における低域および高域通過フ
ィルタの伝達特性を示す線図である。
【図27】 この発明の実施例14における音響再生装
置の構成を示すブロック図である。
【図28】 この発明の実施例15における音響再生装
置の構成を示すブロック図である。
【図29】 実施例15における入力されたアナログ信
号レベルを示す線図である。
【図30】 実施例15における演算処理器と高域通過
フィルタの出力レベルを示す線図である。
【図31】 実施例15におけるレベル調整された音響
再生装置の総合特性を示す線図である。
【図32】 この発明の実施例16における音響再生装
置の構成を示すブロック図である。
【図33】 実施例16における演算処理器の一例を示
すブロック図である。
【図34】 実施例16における演算処理器での遅延時
間を示す線図である。
【図35】 実施例16における遅延時間を含む演算処
理器を有する音響再生装置の時間応答を示す線図であ
る。
【図36】 実施例16における遅延を調整した音響再
生装置の総合特性の時間応答を示す線図である。
【図37】 従来の音響再生装置の構成を示す図であ
る。
【図38】 従来の音響再生装置においてスピーカに音
導管を組み合わせた音導管形スピーカの構成を示す図で
ある。
【図39】 従来の音響再生装置で使用されるスピーカ
そのものの再生特性を示す図である。
【図40】 図38の音響再生装置におけるスピーカか
ら受聴位置までの伝達特性を示す図である。
【図41】 図40の伝達特性の逆特性を示す図であ
る。
【図42】 図38の音響再生装置の再生による受聴特
性の一例を示す図である。
【図43】 従来の音響再生装置の音導管の開口部にお
ける放射音響特性を示す図である。
【図44】 特性補正用のイコライザを使用した従来の
音響再生装置の構成を示す図である。
【図45】 従来の音響再生装置におけるクロススペク
トル演算回路の構成を示すブロック図である。
【図46】 スピーカ特性のロットによるばらつきを示
す図である。
【図47】 従来の音響再生装置で使用される別のスピ
ーカの再生特性を示す図である。
【図48】 図47のスピーカを使用した場合の受聴特
性の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 入力端子、2 非巡回型ディジタルフィルタ、3
電力増幅器、4 スピーカ、5 受聴位置、101〜1
04 演算ブロック、200 音導管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 文雄 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (72)発明者 西野 功 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (72)発明者 竹内 伸次 京都府長岡京市馬場図所1番地 三菱電 機株式会社 京都製作所内 (56)参考文献 実開 平4−103795(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 3/04 101 H03G 5/16 H03H 21/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非巡回型ディジタルフィルタにより可変
    されるオーディオ信号を電力増幅して、所定のスピーカ
    から音響放射を行なう音響再生装置において、 前記スピーカの前面に配置された音導管と、 この音導管の伝達特性の逆特性を実現する非巡回型ディ
    ジタルフィルタを含む音声信号処理手段と 前記オーディオ信号の振幅特性のみを可変する直線位相
    イコライザと を有することを特徴とする音響再生装置。
  2. 【請求項2】 非巡回型ディジタルフィルタにより可変
    されるオーディオ信号を電力増幅して、所定のスピーカ
    から音響放射を行なう音響再生装置において、 前記スピーカの前面に配置された音導管と、 この音導管の開口部に配置された音響抵抗と 前記音導管と前記音響抵抗との総合伝達特性の逆特性を
    実現する非巡回型ディジタルフィルタを含む音声信号処
    理手段と 前記オーディオ信号の振幅特性のみを可変する直線位相
    イコライザと を有することを特徴とする音響再生装置。
  3. 【請求項3】 適応型有限長インパルス応答(FIR)
    ディジタルフィルタによってオーディオ信号を可変して
    再生する音響再生装置において、 前記FIRディジタルフィルタを含む音声信号処理手段
    と、 前記音声信号処理手段をオーディオ信号源と雑音源とに
    切替えて接続する切替え手段と、 再生されるオーディオ信号の受聴位置に配置される音響
    レベル検出手段とを備え、 前記切替え手段により雑音源からの信号を再生して、前
    記音響レベル検出手段によって検出された信号と雑音源
    からの信号とに基づいて、前記音声信号処理手段により
    前記FIR型ディジタルフィルタに逆フィルタ用の係数
    データを生成してから固定し、 次に前記切替え手段によりオーディオ信号源と接続され
    た前記FIR型ディジタルフィルタを用いて受聴位置に
    おける音圧周波数特性を補正するようにしたことを特徴
    とする音響再生装置。
  4. 【請求項4】 前記音響レベル検出手段は、マイクロホ
    ン付きのリモコン装置であることを特徴とする請求項
    に記載の音響再生装置。
  5. 【請求項5】 前記音声信号処理手段は、逆フィルタ用
    の係数データを生成するFIR型ディジタルフィルタと
    は別に、音圧周波数特性を補正するためのディジタルフ
    ィルタを備えていることを特徴とする請求項または請
    求項のいずれかに記載の音響再生装置。
  6. 【請求項6】 前記音声信号処理手段は、ディジタルフ
    ィルタを構成する複数の係数乗算器とは別に加算器へ接
    続した伝送路を設けたことを特徴とする請求項1乃至請
    求項のいずれかひとつに記載の音響再生装置。
  7. 【請求項7】 前記音声信号処理手段は、ディジタルフ
    ィルタを構成する複数の係数乗算器とは別に、オーディ
    オ信号の振幅レベルを調整する係数乗算器を有している
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかひと
    つに記載の音響再生装置。
  8. 【請求項8】 前記音声信号処理手段を構成するディジ
    タルフィルタは、選択制御信号によって複数の係数乗算
    器の中からいずれか一つを選択するように構成されてい
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかひ
    とつに記載の音響再生装置。
  9. 【請求項9】 入力されたアナログ信号をディジタル信
    号に変換するA/D変換器と、前記A/D変換器で変換
    されたディジタル信号を処理する演算処理器と、前記演
    算処理器から出力されたディジタル信号をアナログ信号
    に変換するD/A変換器とを備えた音響再生装置におい
    て、 入力されたアナログ信号のうち前記演算処理器で処理さ
    れる周波数帯域よりも高い周波数帯域の信号成分を抽出
    する高域通過フィルタと、 前記高域通過フィルタで抽出された信号成分を前記演算
    処理器で処理されD/A変換されたアナログ信号と加算
    する加算手段とを備えたことを特徴とする音響再生装
    置。
  10. 【請求項10】 前記高域通過フィルタで抽出された信
    号成分のアナログ信号レベルを変換する信号増幅手段を
    備えたことを特徴とする請求項に記載の音響再生装
    置。
  11. 【請求項11】 前記高域通過フィルタで抽出された信
    号成分に遅延を与える遅延手段を備えたことを特徴とす
    る請求項または請求項10のいずれかに記載の音響再
    生装置。
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