JP2642857B2 - 音響クロストーク制御装置 - Google Patents

音響クロストーク制御装置

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JP2642857B2
JP2642857B2 JP5312739A JP31273993A JP2642857B2 JP 2642857 B2 JP2642857 B2 JP 2642857B2 JP 5312739 A JP5312739 A JP 5312739A JP 31273993 A JP31273993 A JP 31273993A JP 2642857 B2 JP2642857 B2 JP 2642857B2
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賢一 寺井
裕之 橋本
政生 木場
忠司 田村
保利 中間
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
  • Stereophonic System (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、近接した場所で互いに
独立した音響拡声ができる音響クロストーク制御装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタル信号処理技術を用いてス
ピーカから制御音を出力して不要な音響クロストークを
キャンセルする方法が提案されている。従来、この種の
装置は騒音消去装置又は音響クロストーク制御装置と呼
ばれている。
【0003】ここで従来の音響クロストーク制御装置に
ついて図5に示す概略ブロック図を用いて説明する。図
5において、複数の座席が隣接して設けられ、夫々の座
席にスピーカが取付けられている場合を想定する。そし
てある座席に着席した受聴者1が、夫々の座席で独立に
提供される音声又は音楽等の音声情報(以下、音声信号
という)をスピーカで聴くものとする。隣席の音声信号
L1はFIR( Finite Impulse Responce)フィルタ2
a,2bと遅延器3とに与えられる。遅延器3で一定時
間遅延された音声信号はスピーカ4で音声に変換され、
その座席の受聴者に与えられる。又この音声は当席の受
聴者1の耳にも入る。
【0004】FIRフィルタ2aにおいて、スピーカ4
を含んで当席の受聴者1の左耳ELまでの伝達関数のた
たみ込みが行われる。同じくFIRフィルタ2bにより
スピーカ4を含んで当席の受聴者1の右耳ERまでの伝
達関数のたたみ込みが行われ、位相を反転させて本来の
信号に加算される。こうして当席の受聴者1が左右チャ
ンネルのスピーカ5L,5Rから音声を聴くと、クロス
トーク音であるスピーカ4からの音声信号が、FIRフ
ィルタ2a,2bの出力する制御音により相殺され、当
席の音声のみが耳に入ることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の音響クロストーク制御装置では、スピーカ4から受
聴者1の左耳5R,右耳5Lまでの空間伝送特性Ga、
Gbを正確にシミュレーションするためには、FIRフ
ィルタ2a,2bの演算量が大きくなる欠点があった。
このため低コストで音響クロストーク制御装置を実現す
ることが困難であり、これまでは回路規模を軽減する定
量的手法が明らかでなかった。
【0006】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたものであって、回路規模を軽減し、かつ低価格
化できる音響クロストーク制御装置を実現することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1の発明
は、隣接する複数の受聴位置に夫々異なる音声情報を提
供する際、第1の位置の受聴者に対し、第1の位置と近
接する第2の位置から放射されるクロストーク音を抑止
する音響クロストーク制御装置であって、第2の位置の
受聴者に与える音声情報をサンプリング周波数Fsでア
ナログ・デジタル変換する第1のADコンバータと、第
1のADコンバータの出力をFs/n(n>1なる整
数)の周波数で間引く間引きフィルタと、間引きフィル
タの信号を入力し、たたみ込み演算を行うFIRフィル
タと、FIRフィルタのタップ係数を記憶する係数メモ
リと、FIRフィルタの出力信号をサンプリング周波数
Fsの信号に補間する第1の補間フィルタと、第1のA
Dコンバータの出力を所定時間遅延させる遅延器と、遅
延器の出力信号をアナログ変換する第1のDAコンバー
タと、第2の位置に設けられ、第1のDAコンバータの
出力を音響信号に変換する第1のスピーカと、第1の位
置の受聴者に与える音声情報をサンプリング周波数Fs
でアナログ・デジタル変換する第2のADコンバータ
と、第1の補間フィルタの信号と第2のADコンバータ
の信号とを加算する加算器と、加算器の出力をアナログ
変換する第2のDAコンバータと、第2のDAコンバー
タの出力を音響信号に変換し、第2の位置に設けられた
第2のスピーカと、を具備し、係数メモリは、第1のA
Dコンバータの出力部から、第1のスピーカを含み第1
の位置の受聴者の耳までの伝達関数をGとし、第1のA
Dコンバータの出力部から、第2のスピーカを含み第1
の位置の受聴者の耳までの伝達関数をCとしたとき、伝
達関数G/Cと等価なタップ係数を保持するものであ
り、第1のスピーカから第1の位置の受聴者の頭部中心
までの距離をr[m],FIRフィルタの演算速度をu
[sec/tap]、音速をc[m/sec]としたと
き、間引きフィルタのサンプリング変換比nを式
(1)、を満たす最小の整数nに設定することを特徴と
するものである。
【0008】本願の請求項2の発明は、第1のADコン
バータにランダム音声信号を与える発振器と、第1の位
置の受聴者に対するクロストーク音を抑圧するため、発
振器のランダム信号を音声情報の代わりに用いて係数メ
モリのタップ係数を新たに設定する同定時には、間引き
フィルタの信号をたたみ込み演算を行う適応FIRフィ
ルタと、間引きフィルタの出力を参照信号として入力
し、第1のスピーカのクロストーク音と第2のスピーカ
の制御音との受聴位置での合成音を検出するマイクロフ
ォンと、マイクロフォンの出力を誤差信号として入力
し、該誤差入力が小さくなるように適応FIRフィルタ
のタップ係数を更新する係数更新器と、適応FIRフィ
ルタの出力信号をサンプリング周波数Fsの信号に補間
する第2の補間フィルタと、を具備し、FIRフィルタ
と適応FIRフィルタの演算速度をu[sec/ta
p]、係数更新器の演算速度をv[sec/tap]、
音速をc[m/sec]としたとき、間引きフィルタの
サンプリング変換比nを式(2)、を満たす最小の整数
nに設定することを特徴とするものである。
【0009】本願の請求項3の発明は、隣接する複数の
受聴位置に夫々異なる音声情報を提供する際、第1の位
置の受聴者に対し、第1の位置と近接する第2の位置か
ら放射されるクロストーク音を抑止する音響クロストー
ク制御装置であって、第2の位置の受聴者に与える音声
情報をサンプリング周波数Fsでアナログ・デジタル変
換する第1のADコンバータと、第1のADコンバータ
の出力をFs/n(n>1なる整数)の周波数で間引く
間引きフィルタと、間引きフィルタの信号を入力し、第
1のタップ係数でたたみ込み演算を行う第1のFIRフ
ィルタと、第1のタップ係数を記憶し、第1のFIRフ
ィルタに与える第1の係数メモリと、間引きフィルタの
信号を入力し、第2のタップ係数でたたみ込み演算を行
う第2のFIRフィルタと、第2のタップ係数を記憶
し、第2のFIRフィルタに与える第2の係数メモリ
と、第1のFIRフィルタの出力信号をサンプリング周
波数Fsの信号に補間する第1の補間フィルタと、第2
のFIRフィルタの出力信号をサンプリング周波数Fs
信号に補間する第2の補間フィルタと、第1のADコン
バータの出力を所定時間遅延させる遅延器と、遅延器の
出力信号をアナログ変換する第1のDAコンバータと、
第2の位置に設けられ、第1のDAコンバータの出力を
音響信号に変換する第1のスピーカと、第1の位置の受
聴者に与える左右のいずれか一方のチャンネルの音声情
報をサンプリング周波数Fsでアナログ・デジタル変換
する第2のADコンバータと、第1の位置の受聴者に与
える左右の他方のチャンネルの音声情報をサンプリング
周波数Fsでアナログ・デジタル変換する第3のADコ
ンバータと、第1の補間フィルタの信号と第2のADコ
ンバータの信号とを加算する第1の加算器と、第2の補
間フィルタの信号と第3のADコンバータの信号とを加
算する第2の加算器と、第1の加算器の出力をアナログ
変換する第2のDAコンバータと、第2の加算器の出力
をアナログ変換する第3のDAコンバータと、第2のD
Aコンバータの出力を音響信号に変換し、第2の位置の
左右の一方に設けられた第2のスピーカと、第3のDA
コンバータの出力を音響信号に変換し、第2の位置の左
右の他方に設けられた第3のスピーカと、を具備し、第
1の係数メモリは、第1のADコンバータの出力部か
ら、第1のスピーカを含み第1の位置の受聴者の一方の
耳までの伝達関数をG1とし、第1のADコンバータの
出力部から、第2のスピーカを含み第1の位置の受聴者
の一方の耳までの伝達関数をC1としたとき、伝達関数
G1/C1と等価な第1のタップ係数を保持するもので
あり、第2の係数メモリは、第1のADコンバータの出
力部から、第1のスピーカを含み第1の位置の受聴者の
他方の耳までの伝達関数をG2とし、第1のADコンバ
ータの出力部から、第3のスピーカを含み第1の位置の
受聴者の他方の耳までの伝達関数をC2としたとき、伝
達関数G2/C2と等価な第2のタップ係数を保持する
ものであり、第1のスピーカから第1の位置の受聴者の
頭部中心までの距離をr[m],第1及び第2のFIR
フィルタの演算速度をu[sec/tap]、音速をc
[m/sec]としたとき、間引きフィルタのサンプリ
ング変換比nを式(3)、を満たす最小の整数nに設定
することを特徴とするものである。
【0010】本願の請求項4の発明は、第1のADコン
バータにランダム音声信号を与える発振器と、第1の位
置の受聴者に対するクロストーク音を抑圧するため、発
振器のランダム信号を音声情報の代わりに用いて第1及
び第2の係数メモリのタップ係数を新たに設定する同定
時には、間引きフィルタの信号をたたみ込み演算を行う
適応FIRフィルタと、間引きフィルタの出力を参照信
号として入力し、第1のスピーカのクロストーク音と第
2及び第3のスピーカの制御音との受聴者の両耳におけ
る合成音を検出する第1及び第2のマイクロフォンと、
第1,第2のマイクロフォンの出力を誤差信号として入
力し、該誤差入力が小さくなるように適応FIRフィル
タのタップ係数を更新する係数更新器と、係数更新器で
設定された第1及び第2のタップ係数を切り換えて第1
又は第2の係数メモリに与える第1のスイッチと、適応
FIRフィルタの出力信号をサンプリング周波数Fsの
信号に補間する第3の補間フィルタと、第3の補間フィ
ルタの出力を左又は右チャンネルに応じて切り換え、第
2又は第3のDAコンバータに音声情報を与える第2の
スイッチと、第1及び第2のマイクロフォンの出力を切
り換えて係数更新器に出力する第3のスイッチと、を具
備し、第1及び第2のFIRフィルタと適応FIRフィ
ルタの演算速度をu[sec/tap]、係数更新器の
演算速度をv[sec/tap]、音速をc[m/se
c]としたとき、間引きフィルタのサンプリング変換比
nを式(2)、を満たす最小の整数nに設定することを
特徴とするものである。
【0011】本願の請求項5の発明は、間引きフィルタ
のサンプリング変換比nは、第2の位置に設けられた第
1のスピーカから、第1の位置の受聴者の両耳を見込む
角度に対する周波数特性が、第1のスピーカの中心軸の
音圧より6dB以上低下する周波数をFdとしたとき、
式(4)を満たす整数nに設定することを特徴とするも
のである。
【0012】
【作用】このような特徴を有する本願の請求項1の発明
によれば、間引きフィルタにより第2の位置のスピーカ
に与える音声情報をサンプリング周波数Fs/nに変換
することにより、FIRフィルタのタップ数を少なくす
る。そしてそのタップ係数を第2の位置から第1の位置
へのクロストーク音の伝達関数と等価にする。サンプリ
ング変換比nは音響クロストークの経路長、FIRフィ
ルタの演算速度、及びサンプリング間隔より求められ
る。更にFIRフィルタの出力を補間フィルタにより元
のサンプリング周波数に変換し、第1の位置の音声情報
のサンプリング周波数と一致させて加算する。こうする
とクロストーク音を相殺するモノーラルの音響信号が生
成される。又スピーカなどの受聴者用に設けられた音響
再生用の構成物をそのまま利用して隣席からのクロスト
ーク音を抑止できる。
【0013】又本願の請求項2の発明によれば、間引き
フィルタにより第2の位置のスピーカに与える音声情報
をサンプリング周波数Fs/nに変換することにより、
適応FIRフィルタのタップ数を少なくする。そしてそ
のタップ係数を第2の位置のスピーカから第1の位置の
受聴者への音響クロストークの伝達関数と等価になるよ
う適応FIRフィルタと係数更新器の同定動作により決
定する。サンプリング変換比nは音響クロストークの経
路長,適応FIRフィルタ、及び係数更新器の演算時間
の和と、入力音声情報のサンプリング間隔より決定され
る。通常時において、音響クロストークの伝達関数を設
定したFIRフィルタの出力は、補間フィルタにより元
のサンプリング周波数に変換され、第1の位置の音声情
報のサンプリング周波数と一致させて加算される。こう
するとクロストーク音を相殺するモノーラルの音響信号
が自動的に生成される。又スピーカなどの受聴者用に設
けられた音響再生用の構成物をそのまま利用して隣席か
らのクロストーク音を抑止できる。
【0014】又本願の請求項3の発明によれば、間引き
フィルタにより第2の位置のスピーカに与える音声情報
をサンプリング周波数Fs/nに変換することにより、
第1のFIRフィルタと第2のFIRフィルタのタップ
数を少なくする。そしてそのタップ係数を第2の位置か
ら第1の位置へのクロストーク音の伝達関数と等価にす
る。サンプリング変換比nは音響クロストークの経路
長、FIRフィルタの演算速度、及びサンプリング間隔
より求められる。更にFIRフィルタの出力を補間フィ
ルタにより元のサンプリング周波数に変換し、第1の位
置の音声情報のサンプリング周波数と一致させて加算す
る。こうするとクロストーク音を相殺するステレオの音
響信号が生成される。又スピーカなどの受聴者用に設け
られた音響再生用の構成物をそのまま利用して隣席から
のクロストーク音を抑止できる。
【0015】又本願の請求項4の発明によれば、間引き
フィルタにより第2の位置のスピーカに与える音声情報
をサンプリング周波数Fs/nに変換することにより、
適応FIRフィルタのタップ数を少なくする。そしてそ
のタップ係数を第2の位置のスピーカから第1の位置の
受聴者への音響クロストークの伝達関数と等価になるよ
う適応FIRフィルタと係数更新器の同定動作により決
定する。サンプリング変換比nは音響クロストークの経
路長,適応FIRフィルタ、及び係数更新器の演算時間
の和と、入力音声情報のサンプリング間隔より決定され
る。通常時において、音響クロストークの伝達関数を設
定したFIRフィルタの出力は、補間フィルタにより元
のサンプリング周波数に変換され、第1の位置の音声情
報のサンプリング周波数と一致させて加算される。こう
するとクロストーク音を相殺するステレオの音響信号が
自動的に生成される。又スピーカなどの受聴者用に設け
られた音響再生用の構成物をそのまま利用して隣席から
のクロストーク音を抑止できる。
【0016】更に本願の請求項5の発明によれば、間引
きフィルタにより第2の位置のスピーカに与える音声情
報をサンプリング周波数Fs/nに変換することによ
り、適応FIRフィルタのタップ数を少なくする。そし
てそのタップ係数を第2の位置のスピーカから第1の位
置の受聴者への音響クロストークの伝達関数と等価にな
るよう、適応FIRフィルタと係数更新器の同定動作に
より設定する。又、スピーカの指向性により音響クロス
トークの生じる周波数帯域内の信号に限定して伝達関数
を決定する。間引きフィルタのサンプリング変換比n
は、第1の位置の受聴者に対して音圧が6dB低下する
周波数Fdと、ナイキスト周波数Fs/2との比により
求める。FIRフィルタの出力は補間フィルタにより元
のサンプリング周波数に変換され、第1の位置の音声情
報のサンプリング周波数と一致させて加算される。こう
するとクロストーク音を相殺するモノーラル又はステレ
オの音響信号が自動的に生成される。又スピーカなどの
受聴者用に設けられた音響再生用の構成物をそのまま利
用して隣席からのクロストーク音を抑止できる。
【0017】
【実施例】本発明の第1実施例における音響クロストー
ク制御装置について図1を参照しながら説明する。図1
は第1実施例の音響クロストーク制御装置の全体構成を
示すブロック図である。本実施例では隣接座席の音声信
号のサンプリング周波数を1/nに変換し、FIRフィ
ルタの回路規模を縮小するよう構成される。
【0018】図1において、音声入力信号L1は第1の
信号発生源から隣席の受聴者に出力される音声信号であ
り、先ずLPF10に与えられる。アナログ音声信号を
デジタル信号に変換するためのサンプリンク周波数をF
sとすると、LPF10はナイキスト周波数(Fs/
2)以上の高周波を減衰するアンチエリアシングフィル
タである。LPF10の出力は第1のADコンバータ
(図中A/Dで示す)11に与えられる。ADコンバー
タ11はLPF10の出力をサンプリング周波数Fs
(サンプリング周期Ts)でデジタル変換する回路であ
り、その出力は間引きフィルタ12及び遅延器13に与
えられる。
【0019】間引きフィルタ12はデジタル信号のサン
プリング周波数をFs/n(n>1の整数)に変換する
回路であり、その出力はFIRフィルタ14,15に与
えられる。第1のFIRフィルタ14は間引きフィルタ
12の出力信号を第1の伝達関数で変換処理するため、
第1の係数メモリ16に記憶した係数のたたみ込みを行
う回路である。同様に第2のFIRフィルタ15は間引
きフィルタ12の出力信号を第2の伝達関数で変換処理
するため、第2の係数メモリ17に記憶した係数のたた
み込みを行う回路である。FIRフィルタ14,15は
遅延器と乗算器がM組ラダー状に接続されて構成され、
この数Mをタップ数と呼ぶ。FIRフィルタ14,15
の出力は夫々第1及び第2の補間フィルタ18,19に
与えられる。補間フィルタ18,19はFIRフィルタ
14,15の出力信号を夫々補間処理して、そのサンプ
リング周波数をFsに変換する回路である。
【0020】遅延器13はADコンバータ11の出力す
るデジタル信号を所定時間遅延する回路であり、その出
力は第1のDAコンバータ(図中D/Aで示す)20に
与えられる。DAコンバータ20は遅延器13のデジタ
ル出力信号をアナログ変換する回路であり、その出力は
LPF21に与えられる。LPF21はDAコンバータ
20の出力信号の高周波成分を取り除くフィルタであ
り、その出力は電力増幅器22に与えられる。LPF2
1の出力は電力増幅器22により電力増幅され、第1の
スピーカ4により音響変換される。この音響はその座席
(第2の位置)の受聴者によって受聴される。しかし当
席(第1の位置)の受聴者Pの耳にも入る。
【0021】さて、当席の受聴者へサービスする左右チ
ャンネルの音声入力信号L2,R2は第2の信号発生源
から出力され、夫々LPF23,24に入力される。L
PF23,24はLPF10と同様に入力音声信号L
2,R2のナイキスト周波数以上の高周波を除くアンチ
エリアシングフィルタであり、その出力は夫々第2及び
第3のADコンバータ25,26に与えられる。ADコ
ンバータ25,26は入力アナログ信号をサンプリング
周波数Fsでデジタル変換する回路である。
【0022】ADコンバータ25,26の出力は夫々加
算器27,28に与えられる。第1の加算器27はAD
コンバータ25の出力信号と補間フィルタ18の出力信
号とを加算をする回路である。又第2の加算器28はA
Dコンバータ26の出力信号と補間フィルタ19の出力
信号とを加算をする回路である。加算器27,28の出
力は夫々第2及び第3のDAコンバータ29,30に与
えられる。DAコンバータ29,30は夫々加算器2
7,28が出力するデジタル信号をアナログ変換する回
路であり、それらの出力はLPF31,32に与えられ
る。LPF31,32は夫々DAコンバータ29,30
の出力信号の高周波成分を取り除くフィルタであり、そ
れらの出力は電力増幅器33,34に与えられる。電力
増幅器33,34で夫々電力増幅された左右チャンネル
の音声信号は第2のスピーカ5L,第3のスピーカ5R
に与えられて音響変換される。この音響は当席の受聴者
Pに受聴される。
【0023】このように構成された第1実施例の音響ク
ロストーク制御装置の動作について説明する。先ず、隣
席の音声信号は遅延器13を経てスピーカ4から音響変
換される。この音響は音響伝送系35aを経て伝達関数
G1の特性で受聴者Pの左耳ELへ漏れる(クロストー
ク)。これと同様に音響伝送系35bを経て伝達関数G
2の特性で受聴者Pの右耳ERへ音響が漏れる。
【0024】さて間引きフィルタ12の入力部からスピ
ーカ5Lを経て、受聴者Pの左耳ELまでの音声信号の
伝達関数をC1とし、間引きフィルタ12の入力部から
スピーカ5Rを経て、受聴者Pの右耳ERまでの音声信
号の伝達関数をC2とする。次にFIRフィルタ14の
タップ係数をG1/C1に設定し、FIRフィルタ15
のタップ係数をG2/C2に設定する。このとき、サン
プリング変換比をn、間引きフィルタ12の出力信号の
サンプリング周波数をFs/n[Hz]、サンプリング間
隔をnTs [sec] とする。
【0025】一方、FIRフィルタ14,15のタップ
数Mは、スピーカ4と当席の受聴者Pとの距離r[m]
により決定される。即ち音速をc[m/sec]とする
と、FIRフィルタ14,15の処理対象となる信号時
系列における時間長はr/cである。従ってタップ数M
は次の(5)式で与えられる。
【数5】
【0026】一方、FIRフィルタ14,15を構成す
る1タップ毎の遅延器及び乗算器の総合演算速度をu
[sec/tap]とすると、タップ数Mの2つのFI
Rフィルタ14,15における演算時間は、音声信号の
1サンプリング間隔以内に収まらなければならない。従
って次の(6)式が成立する。
【数6】
【0027】(5)式を(6)式に代入すると、次の
(7)式が得られる。
【数7】 (7)式をnについて解くと、次の(8)式又は(3)
式が得られる。
【数8】 通常、信号処理帯域はなるべく広くとるので、(8)又
は(3)式を満たす最小の整数nが最適値となる。
【0028】以上のように最適のサンプリング変換比n
を求めることにより、FIRフィルタ14,15の回路
規模を小さくできる。尚、以上の構成と動作は隣席の音
声信号が1つの場合について説明したが、ステレオなど
複数個の信号の場合にも同様に応用できる。この場合F
IRフィルタの数をK個とすると、サンプリング変換比
nは、次の(9)式となる。
【数9】
【0029】又第1の位置に1つのスピーカ5しか設け
られない場合(モノーラル)、FIRフィルタと補間フ
ィルタ、及び第1の位置の受聴者Pに音声情報を処理す
る回路系(LPF,ADコンバータ,DAコンバータ,
LPF,電力増幅器)は一系統でよい。この場合サンプ
リング変換比nは(1)式を満足する値とする。
【0030】(9)式において、一例として次のような
条件を設定する。 サンプリング周波数 Fs=48KHz FIRの演算速度 u=100ns
ec スピーカ4と受聴者Pとの距離 r=2m FIRフィルタの数(ステレオの場合)K=4 この場合、 n> 2.3
2 となり、n=3がサンプリング変換比となる。
【0031】次に、本発明の第2実施例における音響ク
ロストーク制御装置について図2を参照しながら説明す
る。図2は第2実施例の音響クロストーク制御装置の構
成の一部を示すブロック図である。図2は、図1と同一
のFIRフィルタ14,15(図示せず)と、これらに
接続された係数メモリ16,17を含み、当席及び隣席
の音響クロストークに応じて適応的に設定できるように
したもので、第1実施例と同一部分は同一の符号をつ
け、新たに付加される回路部について異なる符号をつけ
て図示している。
【0032】本実施例では隣接座席(第2の位置)の音
声信号のサンプリング周波数を1/nに変換し、適応F
IRフィルタの回路規模を縮小するよう構成される。図
2において、発振器40はランダム信号を発生する回路
であり、図示しない入力音声信号と切換えられてLPF
10に入力される。LPF10はランダム信号のナイキ
スト周波数以上の高周波を減衰するアンチエリアシング
フィルタである。
【0033】ADコンバータ11はLPF10の出力を
サンプリング周波数Fsでデジタル変換する回路であ
り、その出力は間引きフィルタ12と遅延器13とに与
えられる。間引きフィルタ12はデジタル信号のサンプ
リング周波数をFs/n(nは整数)に変換する回路で
あり、その出力は適応FIR(AFIR)フィルタ41
に与えられる。AFIRフィルタ41は間引きフィルタ
12の出力信号を第1及び第2の伝達関数でたたみ込
み、適応的に変換処理して制御信号を生成する回路で、
FIRフィルタ14,15と同様にM組の遅延器と乗算
器を含んで構成される。各乗算器の増幅率をタップ係数
と呼び、最適のタップ係数は係数メモリ16,17に格
納されている。
【0034】AFIRフィルタ41に接続された係数更
新器42は、間引きフィルタ12から参照信号を入力
し、LMS(least mean square)法などを用いて受聴者
Pの位置で発振器40の音が最も小さくなるように最適
のタップ係数を求め、AFIRフィルタ41のタップ係
数を更新する回路である。AFIRフィルタ41で設定
されたタップ係数は第1のスイッチ43を介して係数メ
モリ16,17の何れかに格納される。スイッチ43は
左チャネルの音声信号の処理の場合には係数メモリ16
側に切換え、右チャネルの音声信号の処理の場合には係
数メモリ17側に切換えるスイッチである。
【0035】AFIRフィルタ41の出力は第3の補間
フィルタ18aに与えられる。補間フィルタ18aは入
力信号を補間し、サンプリング周波数Fsに変換する回
路である。尚補間フィルタ18aは図1の補間フィルタ
18と兼用してもよい。第2のスイッチ44は補間フィ
ルタ18aの信号を切換え、その出力をDAコンバータ
29又はDAコンバータ30に与える回路である。スイ
ッチ44は最初の信号処理ではDAコンバータ29に接
続し、次の信号処理でDAコンバータ30に接続する。
DAコンバータ29の出力信号は、第1実施例と同様に
LPF31、電力増幅器33を介してスピーカ5Lに与
えられ、DAコンバータ30の出力信号もLPF32、
電力増幅器34を介してスピーカ5Rに与えられる。
【0036】スピーカ5Lから放射された制御用の音響
とスピーカ4から放射されたクロストーク音は誤差検出
マイクロフォン45に入射される。又、スピーカ5Rか
ら放射された制御用の音響とスピーカ4から放射された
クロストーク音は誤差検出マイクロフォン46に入射さ
れる。誤差検出マイクロフォン45,46は夫々受聴者
Pの左耳EL、右耳ERに入射される音圧を誤差音とし
て検出するモニタ用のマイクロフォンである。
【0037】誤差検出マイクロフォン45,46の出力
は第3のスイッチ47に入力される。スイッチ47は左
チャネルの音声信号の処理の場合には誤差検出マイクロ
フォン45に切換え、右チャネルの音声信号の処理の場
合には誤差検出マイクロフォン46に切換えるスイッチ
である。スイッチ47の出力は誤差信号として前述した
係数更新器42に入力される。以上のスイッチ43,4
4,47は互いに連動して動作し、同定動作が完了する
まで切換が続行される。
【0038】このように構成された第2実施例の音響ク
ロストーク制御装置の動作について説明する。AFIR
フィルタ41の同定動作を行うには、先ず発振器40か
ら音声のランダム信号が出力される。この信号はLPF
10,ADコンバータ11,遅延器13,DAコンバー
タ21,電力増幅器22を経てスピーカ4に与えられ、
音響変換される。スピーカ4の音響は音響伝送系35a
を経て誤差検出マイクロフォン45に入射される。遅延
器13の入力部からスピーカ4を経た誤差検出マイクロ
フォン45までの経路の伝達関数をG1とし、スピーカ
5Lから誤差検出マイクロフォン45までの音響伝送系
48aとする。そして間引きフィルタ12の入力部から
スピーカ5L、音響伝送系48aを経て誤差検出マイク
ロフォン45までの伝達関数をC1とすれば、係数メモ
リ16にはG1/C1が設定される。
【0039】同様にして、遅延器13の入力部からスピ
ーカ4、音響伝送系35bを経て、誤差検出マイクロフ
ォン46までの伝達関数をG2とし、スピーカ5Rから
誤差検出マイクロフォン46までの音響伝送系を48b
とする。そして間引きフィルタ2の入力部からスピーカ
5R、音響伝送系48bを経て誤差検出マイクロフォン
46までの伝達関数をC2とすれば、係数メモリ17に
はG2/C2が設定される。この係数メモリ16、17
の内容を保持して、第1実施例と同様の信号処理に移行
する。
【0040】間引きフィルタ12の出力信号のサンプリ
ング周波数をFs/n[Hz]、サンプリング間隔をnT
s[sec]とする。又、FIRフィルタ14,15及
びAFIRフィルタ41のタップ数Mは、スピーカ4と
当席の受聴者Pとの距離r[m]により決定する。この
場合も第1実施例と同様に(5)式が成立する。
【0041】AFIRフィルタ41のたたみ込み演算を
実行する回路部の演算時間をu[sec/tap]と
し、係数更新器42の演算を実行する回路部の演算時間
をv[sec/tap]とし、音速をc[m/sec]
として、これ等の両演算時間の和が間引き後の1サンプ
リング間隔以内に収まればよい。この条件は次の(1
0)式で与えられる。
【数10】 従って(5),(10)式から、次の(11)式が得ら
れる。
【数11】 (11)式をnについて解くと、次の(12)式又は
(2)式が得られる。
【数12】
【0042】通常、信号処理の帯域はなるべく広くとる
ので、(12)又は(2)式を満たす最小の整数nが最
適値となる。このように第2実施例によると、同定処理
時の演算量が通常時の演算量を上回る場合でも、最適の
サンプリング変換比nを求めることにより、AFIRフ
ィルタ41,係数更新器42の回路規模を小さくでき
る。
【0043】又本実施例によれば、第1の位置のスピー
カ5及び第2の位置のスピーカ4が夫々他の特性のもの
に取り換えられたり、受聴者Pの音響空間の特性が変化
した場合、システムの同定時に誤差検出マイクロフォン
45,46を設置するだけでFIRフィルタ14,15
のタップ係数を容易に再設定できる。尚第1の位置でモ
ノーラルの音響が再生される場合は、スイッチ43,4
4,47は不要となる。
【0044】次に本発明の第3実施例における音響クロ
ストーク制御装置について、図1、図3、図4を参照し
ながら説明する。本実施例では音声信号のサンプリング
周波数を1/nに変換し、FIRフィルタの回路規模を
更に縮小するよう構成される。そのブロック構成は第1
実施例と同一であり、構成及び動作については同一部分
は省略する。
【0045】図3はスピーカ4の音圧周波数特性のグラ
フであり、図4は指向性を示すグラフである。図3,図
4に示すようにスピーカ4から当席の受聴者Pを見込む
角度θd゜に対する周波数特性が、中心軸上0゜に比べ
て高域が低下している。従って、音響クロストークの影
響も高域については少なくなり、当席の受聴者Pに対し
て制御する必要はない。よって、聴感上の観点から中心
軸上の周波数特性から6dB以上低下する周波数をFd
としたとき、周波数Fd以下の漏れの大きい低域におい
て音響クロストークを制御すれば良い。従って、間引き
フィルタの出力の上限であるナイキスト周波数Fs/
(2n)をFd以上に設定すればよい。
【0046】このことより次の(13)式が成立する。
【数13】 一例として、サンプリング周波数 Fs=48K
Hz −6dBの指向性の周波数 Fd=5KHz とすると、n<4.8となり、n=4がサンプリング変
換比となる。このように第3実施例によると、指向性の
高い高域の音響信号に対してクロストークの抑止処理が
不必要となる。このため最適のサンプリング変換比nが
大きくなり、FIRフィルタ14,15の回路規模を更
に小さくできる。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本願の請求項1記載の発
明によれば、音響クロストークの経路長とFIRフィル
タの演算速度とから、間引きフィルタのサンプリング間
隔を求める。この値からサンプリング変換比nを決定し
て、第1の位置の受聴者に入力されるクロストーク音を
FIRフィルタでたたみ込み演算を行う。こうするとF
IRフィルタのタップ数が少なくなり、その回路規模が
大幅に縮小される。FIRフィルタの出力は補間フィル
タにより元のサンプリング周波数に変換され、第1の位
置の受聴者に与えるべき正規の音声情報に加算される。
こうすると第2のスピーカからクロストークの生じない
モノーラルの音響が出力される。このため受聴者は隣接
する他のスピーカから放射される音響の有無に係わら
ず、自己の音声情報を明瞭に聴くことができる。
【0048】又本願の請求項2記載の発明によれば、第
1,第2のスピーカの設置位置に対応して、発振器から
のランダム音声信号と適応FIRフィルタを用いて、各
スピーカと各位置の受聴者間の音響伝達関数を適応的に
求めることができる。この場合も請求項1の発明の効果
と同様に、FIRフィルタ及び適応FIRフィルタのタ
ップ数が少なくなり、その回路規模が大幅に縮小され
る。一旦設定されたタップ係数は係数メモリに保持さ
れ、通常時に生じるクロストーク音の抑制に利用され
る。そしてスピーカの位置などの音響再生環境を変化さ
せても、これに対応したタップ係数を容易に設定でき、
近接位置からのクロストーク音を自動的に制御できる。
【0049】又本願の請求項3記載の発明によれば、音
響クロストークの経路長と第1及び第2のFIRフィル
タの演算速度とから、間引きフィルタのサンプリング間
隔を求める。この値からサンプリング変換比nを決定し
て、第1の位置の受聴者に入力されるクロストーク音を
第1及び第2のFIRフィルタでたたみ込み演算を行
う。こうするとFIRフィルタのタップ数が少なくな
り、その回路規模が大幅に縮小される。各FIRフィル
タの出力は補間フィルタにより元のサンプリング周波数
に変換され、第1の位置の受聴者に与えるべき正規の音
声情報に加算される。こうすると第2及び第3のスピー
カからクロストークの生じないステレオの音響が出力さ
れる。このため受聴者は隣接する他のスピーカから放射
される音響の有無に係わらず、自己の音声情報を明瞭に
聴くことができる。
【0050】又本願の請求項4記載の発明によれば、第
1〜第3のスピーカの設置位置に対応して、発振器から
のランダム音声信号と適応FIRフィルタを用いて、各
スピーカと各位置の受聴者間の音響伝達関数を適応的に
求めることができる。この場合も請求項1の発明の効果
と同様に、FIRフィルタ及び適応FIRフィルタのタ
ップ数が少なくなり、その回路規模が大幅に縮小され
る。一旦設定されたタップ係数は第1及び第2の係数メ
モリに保持され、通常時に生じるクロストーク音の抑制
に利用される。そしてスピーカの位置などの音響再生環
境を変化させても、これに対応したタップ係数を容易に
設定でき、近接位置からのクロストーク音を自動的に制
御できる。
【0051】更に本願の請求項5記載の発明によれば、
スピーカの指向性によりクロストーク音が生じる低域の
周波数帯のみを、FIRフィルタの信号処理対象として
いる。このため請求項1又は3の発明の効果に加えて、
間引きフィルタのサンプリング変換比nが一層大きくな
り、FIRフィルタのタップ数をより少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1及び第3実施例の音響クロストー
ク制御装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2実施例の音響クロストーク制御装
置の一部の構成を示すブロック図である。
【図3】第3実施例におけるスピーカの周波数別指向特
性である。
【図4】第3実施例におけるスピーカの指向特性図であ
る。
【図5】従来の音響クロストーク制御装置の構成を示す
ブロック図である。
【符号の説明】
4,5R,5L スピーカ 10,21,23,24,31,32 ローパスフィル
タ 11,25,26 ADコンバータ 12 間引きフィルタ 13 遅延器 14,15 FIRフィルタ 18,18a,19 補間フィルタ 20,29,30 DAコンバータ 22,33,34 電力増幅器 27,28 加算器 35a,35b,48a,48b 音響伝送系 40 発振器 41 適応AIRフィルタ 42 係数更新器 43,44,47 スイッチ 45,46 誤差検出マイクロフォン EL 左耳 ER 右耳 P 受聴者
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04R 3/00 310 G10K 15/00 M (72)発明者 田村 忠司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 中間 保利 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−300597(JP,A) 特開 平5−281979(JP,A) 特開 平5−80778(JP,A) 特開 平5−40487(JP,A) 特開 平4−251898(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隣接する複数の受聴位置に夫々異なる音
    声情報を提供する際、第1の位置の受聴者に対し、第1
    の位置と近接する第2の位置から放射されるクロストー
    ク音を抑止する音響クロストーク制御装置であって、 第2の位置の受聴者に与える音声情報をサンプリング周
    波数Fsでアナログ・デジタル変換する第1のADコン
    バータと、 前記第1のADコンバータの出力をFs/n(n>1な
    る整数)の周波数で間引く間引きフィルタと、 前記間引きフィルタの信号を入力し、たたみ込み演算を
    行うFIRフィルタと、 前記FIRフィルタのタップ係数を記憶する係数メモリ
    と、 前記FIRフィルタの出力信号をサンプリング周波数F
    sの信号に補間する第1の補間フィルタと、 前記第1のADコンバータの出力を所定時間遅延させる
    遅延器と、 前記遅延器の出力信号をアナログ変換する第1のDAコ
    ンバータと、 第2の位置に設けられ、前記第1のDAコンバータの出
    力を音響信号に変換する第1のスピーカと、 第1の位置の受聴者に与える音声情報をサンプリング周
    波数Fsでアナログ・デジタル変換する第2のADコン
    バータと、 前記第1の補間フィルタの信号と前記第2のADコンバ
    ータの信号とを加算する加算器と、 前記加算器の出力をアナログ変換する第2のDAコンバ
    ータと、 前記第2のDAコンバータの出力を音響信号に変換し、
    第2の位置に設けられた第2のスピーカと、を具備し、 前記係数メモリは、 前記第1のADコンバータの出力部から、前記第1のス
    ピーカを含み第1の位置の受聴者の耳までの伝達関数を
    Gとし、前記第1のADコンバータの出力部から、前記
    第2のスピーカを含み第1の位置の受聴者の耳までの伝
    達関数をCとしたとき、伝達関数G/Cと等価なタップ
    係数を保持するものであり、 前記第1のスピーカから第1の位置の受聴者の頭部中心
    までの距離をr[m],前記FIRフィルタの演算速度
    をu[sec/tap]、音速をc[m/sec]とし
    たとき、前記間引きフィルタのサンプリング変換比nを
    次式(1)、 【数1】 を満たす最小の整数nに設定することを特徴とする音響
    クロストーク制御装置。
  2. 【請求項2】 前記第1のADコンバータにランダム音
    声信号を与える発振器と、 第1の位置の受聴者に対するクロストーク音を抑圧する
    ため、前記発振器のランダム信号を音声情報の代わりに
    用いて前記係数メモリのタップ係数を新たに設定する同
    定時には、前記間引きフィルタの信号をたたみ込み演算
    を行う適応FIRフィルタと、 前記間引きフィルタの出力を参照信号として入力し、前
    記第1のスピーカのクロストーク音と第2のスピーカの
    制御音との受聴位置での合成音を検出するマイクロフォ
    ンと、 前記マイクロフォンの出力を誤差信号として入力し、該
    誤差入力が小さくなるように前記適応FIRフィルタの
    タップ係数を更新する係数更新器と、 前記適応FIRフィルタの出力信号をサンプリング周波
    数Fsの信号に補間する第2の補間フィルタと、を具備
    し、 前記FIRフィルタと前記適応FIRフィルタの演算速
    度をu[sec/tap]、前記係数更新器の演算速度
    をv[sec/tap]、音速をc[m/sec]とし
    たとき、前記間引きフィルタのサンプリング変換比nを
    次式(2)、 【数2】 を満たす最小の整数nに設定することを特徴とする請求
    項1記載の音響クロストーク制御装置。
  3. 【請求項3】 隣接する複数の受聴位置に夫々異なる音
    声情報を提供する際、第1の位置の受聴者に対し、第1
    の位置と近接する第2の位置から放射されるクロストー
    ク音を抑止する音響クロストーク制御装置であって、 第2の位置の受聴者に与える音声情報をサンプリング周
    波数Fsでアナログ・デジタル変換する第1のADコン
    バータと、 前記第1のADコンバータの出力をFs/n(n>1な
    る整数)の周波数で間引く間引きフィルタと、 前記間引きフィルタの信号を入力し、第1のタップ係数
    でたたみ込み演算を行う第1のFIRフィルタと、 前記第1のタップ係数を記憶し、前記第1のFIRフィ
    ルタに与える第1の係数メモリと、 前記間引きフィルタの信号を入力し、第2のタップ係数
    でたたみ込み演算を行う第2のFIRフィルタと、 前記第2のタップ係数を記憶し、前記第2のFIRフィ
    ルタに与える第2の係数メモリと、 前記第1のFIRフィルタの出力信号をサンプリング周
    波数Fsの信号に補間する第1の補間フィルタと、 前記第2のFIRフィルタの出力信号をサンプリング周
    波数Fs信号に補間する第2の補間フィルタと、 前記第1のADコンバータの出力を所定時間遅延させる
    遅延器と、 前記遅延器の出力信号をアナログ変換する第1のDAコ
    ンバータと、 第2の位置に設けられ、前記第1のDAコンバータの出
    力を音響信号に変換する第1のスピーカと、 第1の位置の受聴者に与える左右のいずれか一方のチャ
    ンネルの音声情報をサンプリング周波数Fsでアナログ
    ・デジタル変換する第2のADコンバータと、 第1の位置の受聴者に与える左右の他方のチャンネルの
    音声情報をサンプリング周波数Fsでアナログ・デジタ
    ル変換する第3のADコンバータと、 前記第1の補間フィルタの信号と前記第2のADコンバ
    ータの信号とを加算する第1の加算器と、 前記第2の補間フィルタの信号と前記第3のADコンバ
    ータの信号とを加算する第2の加算器と、 前記第1の加算器の出力をアナログ変換する第2のDA
    コンバータと、 前記第2の加算器の出力をアナログ変換する第3のDA
    コンバータと、 前記第2のDAコンバータの出力を音響信号に変換し、
    第2の位置の左右の一方に設けられた第2のスピーカ
    と、 前記第3のDAコンバータの出力を音響信号に変換し、
    第2の位置の左右の他方に設けられた第3のスピーカ
    と、を具備し、 前記第1の係数メモリは、 前記第1のADコンバータの出力部から、前記第1のス
    ピーカを含み第1の位置の受聴者の一方の耳までの伝達
    関数をG1とし、前記第1のADコンバータの出力部か
    ら、前記第2のスピーカを含み第1の位置の受聴者の一
    方の耳までの伝達関数をC1としたとき、伝達関数G1
    /C1と等価な第1のタップ係数を保持するものであ
    り、 前記第2の係数メモリは、 前記第1のADコンバータの出力部から、第1のスピー
    カを含み第1の位置の受聴者の他方の耳までの伝達関数
    をG2とし、前記第1のADコンバータの出力部から、
    前記第3のスピーカを含み第1の位置の受聴者の他方の
    耳までの伝達関数をC2としたとき、伝達関数G2/C
    2と等価な第2のタップ係数を保持するものであり、 前記第1のスピーカから第1の位置の受聴者の頭部中心
    までの距離をr[m],前記第1及び第2のFIRフィ
    ルタの演算速度をu[sec/tap]、音速をc[m
    /sec]としたとき、前記間引きフィルタのサンプリ
    ング変換比nを次式(3)、 【数3】 を満たす最小の整数nに設定することを特徴とする音響
    クロストーク制御装置。
  4. 【請求項4】 前記第1のADコンバータにランダム音
    声信号を与える発振器と、 第1の位置の受聴者に対するクロストーク音を抑圧する
    ため、前記発振器のランダム信号を音声情報の代わりに
    用いて前記第1及び第2の係数メモリのタップ係数を新
    たに設定する同定時には、前記間引きフィルタの信号を
    たたみ込み演算を行う適応FIRフィルタと、 前記間引きフィルタの出力を参照信号として入力し、前
    記第1のスピーカのクロストーク音と第2及び第3のス
    ピーカの制御音との受聴者の両耳における合成音を検出
    する第1及び第2のマイクロフォンと、 前記第1,第2のマイクロフォンの出力を誤差信号とし
    て入力し、該誤差入力が小さくなるように前記適応FI
    Rフィルタのタップ係数を更新する係数更新器と、 前記係数更新器で設定された第1及び第2のタップ係数
    を切り換えて前記第1又は第2の係数メモリに与える第
    1のスイッチと、 前記適応FIRフィルタの出力信号をサンプリング周波
    数Fsの信号に補間する第3の補間フィルタと、 前記第3の補間フィルタの出力を左又は右チャンネルに
    応じて切り換え、前記第2又は第3のDAコンバータに
    音声情報を与える第2のスイッチと、 前記第1及び第2のマイクロフォンの出力を切り換えて
    前記係数更新器に出力する第3のスイッチと、を具備
    し、 前記第1及び第2のFIRフィルタと前記適応FIRフ
    ィルタの演算速度をu[sec/tap]、前記係数更
    新器の演算速度をv[sec/tap]、音速をc[m
    /sec]としたとき、前記間引きフィルタのサンプリ
    ング変換比nを式(2)、 を満たす最小の整数nに設定することを特徴とする請求
    項3記載の音響クロストーク制御装置。
  5. 【請求項5】 前記間引きフィルタのサンプリング変換
    比nは、 前記第2の位置に設けられた第1のスピーカから、前記
    第1の位置の受聴者の両耳を見込む角度に対する周波数
    特性が、前記第1のスピーカの中心軸の音圧より6dB
    以上低下する周波数をFdとしたとき、次式(4) 【数4】 を満たす整数nに設定することを特徴とする請求項1又
    は請求項3記載の音響クロストーク制御装置。
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