JP4023842B2 - ディジタルフィルタ及び音響再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インパルス応答を畳み込む非巡回形(FIR)フィルタを用いたディジタルフィルタ及びこのディジタルフィルタを用いて音響を再生する音響再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
系のインパルス応答を測定し、その応答を信号処理装置の中に構成した図8に示すような非巡回形(finite impulse response、以下FIRという。)フィルタにより再現するようにした電子機器が数多く提案されている。
【0003】
図8において、入力端子81に供給された信号は、直列に接続された多数の遅延器82に供給される。これらの遅延器82で遅延された信号が、サンプリング周期のクロック信号で順次転送される。これらの遅延器82の入出力端からそれぞれタップが導出される。そしてこれらのタップからの信号にそれぞれ係数器83で係数が乗算され、これらの乗算値が加算器84で加算されて、出力端子85に取り出される。したがってこのようなFIRフィルタでは、係数器83にインパルス応答に応じた係数を設定することによって、このインパルス応答を畳み込む演算が行われる。
【0004】
このようなFIRフィルタを用いた構成の例えば残響付加装置では、部屋のインパルス応答を測定し、この応答を該FIRフィルタに再現させることにより、実際に測定した部屋でその音を聞くのと同じ残響特性を持つ再生信号を全く別の環境下で耳にすることができる。
【0005】
また、FIRフィルタを用いた頭外音像定位型のヘッドホンシステムでは、スピーカから両耳への伝達特性を表すインパルス応答を測定し、この応答をFIRフィルタに再現させることにより、ヘッドホン再生でありながらスピーカ再生と同等の音像定位効果を発生させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、測定したインパルス応答に忠実な収束時間及び周波数応答をFIRフィルタで高精度に構成しようとした場合、タップ長の長いFIRフィルタを用意しなければならず、高価でかつ大規模なシステムになってしまう。
【0007】
このため、比較的短いタップ長のFIRフィルタを使うことが考えられた。しかし、この場合、周波数特性上は近似した特性が得られるが、聴感上音像の充分な頭外感が得られなくなったり、音像がぼけてしまい高品位の音像定位が得られなかった。
【0008】
また、単に残響時間特性や初期反射特性を再現するため遅延時間の長い遅延器を用いてインパルス応答の代表的なパルスのみを抽出しフィルタを構成する場合がある。図9はこのような残響付加信号処理装置の代表的な構成を示している。
【0009】
入力端子91から入力された信号は遅延器92の入力端Wに入力され、この遅延器92から異なる遅延時間により出力端R1、R2、R3を介して出力された信号SR1、SR2、SR3が係数乗算器93、94、95で減衰された後、加算器96で加算される。この加算器96の出力として構成される信号SR0は、図10に示すインパルス応答において初期反射に相当する部分でパルス間隔が粗なインパルス応答として再生される。
【0010】
また、遅延器92の出力端R4から加算器97を介して遅延器98に供給された信号SR4は、この遅延器98により遅延されて遅延信号となり係数乗算器99で減衰されてから加算器97で上記信号SR4に加算されると共に、係数乗算器100で減衰されてから加算器109に供給される。また、遅延器92から加算器101を介して遅延器102に供給された信号SR4は、この遅延器102により遅延されて遅延信号となり係数乗算器103で減衰されてから加算器101で上記信号SR4に加算されると共に、係数乗算器104で減衰されてから加算器109に供給される。また、遅延器92から加算器105を介して遅延器106に供給された信号SR4は、この遅延器106により遅延されて遅延信号となり係数乗算器107で減衰されてから加算器105で上記信号SR4に加算されると共に、係数乗算器108で減衰されてから加算器109に供給される。
【0011】
加算器109の加算出力は、加算器110を介して遅延器111に供給され遅延されてから係数乗算器114で減衰され加算器110に戻される。また、上記加算出力は、加算器110を介して係数乗算器112に供給され減衰されてから加算器113にも供給される。また、この加算器113の加算出力は、加算器115を介して遅延器116に供給され遅延されてから係数乗算器119で減衰され加算器115に戻される。また、上記加算出力は、加算器115を介して係数乗算器117に供給され減衰されてから加算器118にも供給される。
【0012】
ここで、遅延器92の出力端R4から加算器97、101、105に出力される信号SR4は、加算器118までの間に、図10の分散音に相当するインパルス応答を構成する。各遅延器で遅延される遅延時間はおよそ数msecの値が選択され、分散音は特に始まり部分では可聴帯域を確保するために通常選ばれる信号処理装置のサンプリング時間間隔である20数μsecという値に比べて極めて粗なインパルス応答となる。したがって、再現される特性は周波数軸においても実現しようとする実際の伝達特性と比べて大きく異なってしまう。
【0013】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、タップ長の短いFIRフィルタを用いても長いインパルス応答を高精度に再現でき、安価で小型化を実現できるディジタルフィルタの提供を目的とする。
【0014】
また、本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、上記ディジタルフィルタを用いることにより廉価で小型化を実現しながらも音像の頭外感、あるいは前方定位感が大幅に改善できる音響再生装置の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るディジタルフィルタは、上記課題を解決するために、有限タップ長のFIRフィルタと複数の帰還手段とを備え、FIRフィルタは、予め測定された発音源から測定点までのインパルス応答のうちFIRフィルタを構成する遅延器の総遅延時間相当の初期インパルス応答を構成し、複数の帰還手段の各々は、FIRフィルタの任意の遅延器の出力を係数乗算器を介して減衰し、各減衰出力を任意の遅延器よりも前であって初期インパルス応答の立ち上がり近傍を除いた部分に相当する任意の遅延器と、それに続く遅延器との間に設けた加算器に帰還する。
【0016】
本発明に係る音響再生装置は、上記課題を解決するために、有限タップ長のFIRフィルタと複数の帰還手段とを備えるディジタルフィルタを有してなる音響再生装置において、上記FIRフィルタは、予め測定された発音源から測定点までのインパルス応答のうち上記FIRフィルタを構成する遅延器の総遅延時間相当の初期インパルス応答を構成し、上記複数の帰還手段の各々は、上記FIRフィルタの任意の遅延器の出力を係数乗算器を介して減衰し、各減衰出力を上記任意の遅延器よりも前であって上記初期インパルス応答の立ち上がり近傍を除いた部分に相当する任意の遅延器と、それに続く遅延器との間に設けた加算器に帰還する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るディジタルフィルタ及び音響再生装置の実施の形態について説明する。
【0018】
先ず上記ディジタルフィルタの実施の形態について図1〜図3を参照しながら説明する。この実施の形態は、予め測定された発音源から測定点までのインパルス応答を有限タップ長のFIRフィルタで構成し、ディジタル音声入力信号に対してこのインパルス応答を畳み込んで出力するディジタルフィルタ1であり、FIRフィルタの任意の遅延器3nの出力を係数乗算器4を介して減衰し、この減衰出力を上記任意の遅延器3nよりも前の遅延器32と遅延器33との間に設けた加算器5に帰還する帰還部6を備える。
【0019】
図1において、入力端子2から入力された信号はFIRフィルタを構成する遅延器31、32、33・・・3n-2、3n-1、3nと、係数乗算器71、72、73、74・・・7m-3、7m-2、7m-1、7mと、加算器81、82、83・・・8n-3、8n-2、8n-1、8nとにより遅延器の総遅延時間相当のインパルス応答が畳み込まれる。
【0020】
一方、帰還部6により最後の遅延器3nから取り出された信号は係数乗算器4で減衰された後、遅延器32と遅延器33との間の加算器5に戻される。この信号は、上記遅延器31、32、33・・・3n-2、3n-1、3nからなる遅延器群による遅延時間経過後、加算器5以降の係数乗算器74・・・7m-3、7m-2、7m-1、7mで係数が再び畳み込まれる。そして、このディジタルフィルタ1は、帰還部6による帰還処理を繰り返し、無限に続くインパルス応答を生成し、出力端子9から例えば図2に示すようなインパルス応答特性の音声信号を出力する。この図2の繰り返し部分が帰還部6によって形成される部分である。ここでは2回目までの繰り返しの波形を示すが実際は無限に減衰しながら繰り返される。なお、図3には比較のため帰還部6が無い場合のインパルス応答特性を示す。
【0021】
すなわち、図1に示すような構成によれば、付加される応答部分はインパルス応答の立ち上がり近傍を除いた部分になる。ここでインパルス応答立ち上がり近傍は例えば部屋の残響特性においては初期反射が占めている。ところがFIRフィルタを構成する際にタップ長の制約から取り除いたインパルス応答の後半部分は分散音が中心の応答であり、これとは異なった特徴を持つ応答となる。したがってこのようにインパルス応答の立ち上がり近傍を除いた応答を付加することは分散音に近いインパルス応答部分を加えることになり聴感上より自然な応答となる。
【0022】
したがって、このディジタルフィルタ1によれば、タップ長の短いFIRフィルタを用いても長いインパルス応答を再現できるようになるので、信号処理の規模を大幅に少なくでき、これをディジタル信号用IC等で構成する場合、使用ICの個数を大幅に低減できる。したがって当然実装面積を少なくし、消費電力を低減しなおかつ安価にシステムを構成できる。
【0023】
次に上記ディジタルフィルタの他の実施の形態について図4を参照しながら説明する。この他の実施の形態も、予め測定された発音源から測定点までのインパルス応答を有限タップ長のFIRフィルタで構成し、ディジタル音声入力信号に対してこのインパルス応答を畳み込んで出力するディジタルフィルタ20であるが、二つの帰還部25及び28を備える。ここで、帰還部25は、FIRフィルタの任意の遅延器22n-1の出力を係数乗算器23を介して減衰し、この減衰出力を上記任意の遅延器22n-1よりも前の遅延器間に設けた加算器24に帰還する。また、帰還部28は、FIRフィルタの任意の遅延器22nの出力を係数乗算器26を介して減衰し、この減衰出力を上記任意の遅延器22nよりも前の遅延器222と遅延器223間に設けた加算器27に帰還する。
【0024】
図4において、入力端子21から入力された信号はFIRフィルタを構成する遅延器221、222、223・・・22n-x・・・22n-2、22n-1、22nと、係数乗算器291、292、293、294・・・29m-y・・・29m-3、29m-2、29m-1、29mと、加算器301、302、303・・・30n-x・・・30n-3、30n-2、30n-1、30nとにより遅延器の総遅延時間相当のインパルス応答が畳み込まれる。
【0025】
一方、帰還部25により遅延器22n-1から取り出された信号は係数乗算器23で減衰された後、加算器24に入力される。また、帰還部28により遅延器22nから取り出された信号は係数乗算器26で減衰された後、加算器27に入力される。
【0026】
これらの信号は入力端子21に信号が入力されてから帰還部25及び28から信号を取り出すまでの遅延時間経過後、加算器24及び27以降の係数乗算器の係数を再び畳み込んでそれぞれ出力される。したがって繰り返し部分は2系統の帰還部分25及び28の信号の重ね合わせとなり繰り返し内容は異なるインパルス応答が減衰しながら無限に繰り返されることになる。
【0027】
すなわち、図4に示すような構成によれば付加される応答部分はインパルス応答の立ち上がり近傍を除いた部分になる。ここでインパルス応答近傍は例えば部屋の残響特性においては初期反射が占めている。ところがFIRフィルタを構成する際にタップ長の制約から取り除いたインパルス応答の後半部分は分散音が中心の応答であり、これとは異なった特徴を持つ応答となる。したがってこのようにインパルス応答が立ち上がり近傍を除いた応答を付加することは分散音に近いインパルス応答部分を加えることになり聴感上より自然な応答となる。
【0028】
したがってこのディジタルフィルタ20によれば、タップ長の短いFIRフィルタを用いても長いインパルス応答を再現できるようになるので、信号処理の規模を大幅に少なくでき、これをディジタル信号用IC等で構成する場合、使用ICの個数を大幅に低減できる。このため、実装面積を少なくし、消費電力を低減しなおかつ安価にシステムを構成できる。
【0029】
次に上記音響再生装置の実施の形態について図5及び図6を参照しながら説明する。この実施の形態は、上記ディジタルフィルタ1と同様の構成のディジタルフィルタ51L、51R、52L、52Rを信号処理回路43内部に備えた頭外定位型ヘッドホン装置40である。
【0030】
図5において、音声入力端子41より入力されたアナログ音声信号はA/D変換器42によりディジタル信号に変換される。ディジタル化された信号は信号処理回路43に入力されここで音像を頭外に定位させるためのフィルタリングが行われる。
【0031】
この信号処理回路43で音像を頭外に定位させるためのフィルタリングが施された音声ディジタル信号は、ステレオ信号としてL、Rの2系統に分けられ、D/A変換器44L、44Rでアナログ信号とされ、増幅器45L、45Rで電力増幅され、ヘッドバンド46aに取り付けられた発音体46L、46Rに供給される。
【0032】
信号処理回路43での信号処理内容は、例えば前方に置かれた二つの発音源から両耳にいたる合計4系統のインパルス応答を予め測定し、その特性を畳み込む処理であり、図6に示すような構成により実現される。
【0033】
図6において、第1及び第2の入力端子501及び502からの信号がそれぞれディジタルフィルタ51L、51Rと、ディジタルフィルタ52L、52Rとに供給される。
【0034】
ディジタルフィルタ51Lとディジタルフィルタ52Lからのフィルタ出力は、加算器53Lで加算され、ディジタルフィルタ51Rとディジタルフィルタ52Rからのフィルタ出力は、加算器53Rで加算される。加算器53Lからの加算出力は、出力端子54Lに取り出され、加算器53Rからの加算出力は、出力端子54Rに取り出される。
【0035】
上述したようにディジタルフィルタ51L、51Rと、ディジタルフィルタ52L、52Rは、上記ディジタルフィルタ1と同様にFIRフィルタにより構成され、上記FIRフィルタの任意の遅延器の出力を係数乗算器を介して減衰し、この減衰出力を上記任意の遅延器よりも前の遅延器間に設けた加算器に帰還する帰還手段を備えている。
【0036】
このため頭外定位型ヘッドホン装置40ではFIRフィルタを簡略化し小型化することにより小型化かつ廉価を実現できる。
【0037】
なお、ディジタルフィルタ51L、51Rと、ディジタルフィルタ52L、52Rは、図4に示したディジタルフィルタ20と同様の構成にしてもよい。
【0038】
以上、この頭外定位型ヘッドホン装置40は、発音源から両耳までのインパルス応答を畳み込むためのディジタルフィルタに、FIRフィルタの任意の遅延器の出力を係数乗算器を介して減衰し、この減衰出力を上記任意の遅延器よりも前の遅延器間に設けた加算器に帰還する帰還手段を備えさせるので、簡単な構成で安価に、再生された音像の頭外感あるいは前方定位感を改善できる。
【0039】
次に、上記音響再生装置の他の実施の形態について説明する。この他の実施の形態は、2個のスピーカにより音像を全く他の位置に固定することのできるスピーカシステムである。
【0040】
このスピーカシステムの原理について図7を参照しながら説明する。すなわち、音源Sl及び音源Srを用いて音源Soと等価の再生音像を受聴者Mの両耳部分に再現しようとした場合、音源Slから受聴者Mの両耳にいたる伝達関数をそれぞれHll、Hlr、音源Srから受聴者Mの両耳にいたる伝達関数をそれぞれHrl、Hrr、音源Soから受聴者Mの両耳にいたる伝達関数をそれぞれHol、Horとすると、音源Sl及びSrは、
Sl={(Hol×Hrr)−(Hor×Hrl)}/{(Hll×Hrr)−(Hlr×Hrl)}・So
Sr={(Hor×Hll)−(Hol×Hlr)}/{(Hll×Hrr)−(Hlr×Hrl)}・So
となる。
【0041】
ここで、上記二つの式の伝達関数部分を時間軸に変換したインパルス応答をそれぞれ音源Sl、音源Srに出力する信号に対して畳み込めば音源Soの位置に音像が定位することになる。このインパルス応答をディジタルフィルタで構成すればタップ長の長いFIRフィルタが必要となってしまうが、この他の実施の形態となるスピーカシステムでは、上記ディジタルフィルタ1、ディジタルフィルタ20と同様のディジタルフィルタを用いるので、簡単な構成で小型、廉価に2個のスピーカの外側まで音像を定位させることができる。
【0042】
さらに上記ディジタルフィルタを音場シミュレーションシステムに適用すれば少ないタップ数で長い応答時間の再現ができるので、従来のインパルス応答を巨視的にみて特徴的なパルスを捕らえサンプリング時間に比べ荒い時間間隔で残響発生器を構成していたものを、サンプリング時間毎に分布する密なパルスで構成できるようになり、より忠実な音場再現ができるようになる。
【0043】
【発明の効果】
本発明に係るディジタルフィルタは、予め測定された発音源から測定点までのインパルス応答を有限タップ長のFIRフィルタで構成し、該FIRフィルタの任意の遅延器の出力を係数乗算器を介して減衰し、この減衰出力を上記任意の遅延器よりも前の遅延器間に設けた加算器に帰還する帰還手段を設けるので、タップ長の短いFIRフィルタを用いても長いインパルス応答を高精度に再現できるようになるので、信号処理の規模を大幅に少なくでき、これをディジタル信号処理用IC等で構成する場合、使用ICの個数を大幅に低減できる。このため、実装面積を少なくし、消費電力を低減し、かつ安価で小型化を実現できる。
【0044】
また、上記帰還手段を複数設ければ、さらに長いインパルス応答を高精度に再現できる。
【0045】
また、本発明に係る音響再生装置は、予め測定された発音源から測定点までのインパルス応答を有限タップ長のFIRフィルタで構成し、該FIRフィルタの任意の遅延器の出力を係数乗算器を介して減衰し、この減衰出力を上記任意の遅延器よりも前の遅延器間に設けた加算器に帰還する帰還手段を備えたディジタルフィルタを有しているので、簡単な構成で安価でありながらも、音像の頭外感あるいは前方定位感、音像の質あるいは定位感を従来のサンプリング周波数一定で同数の総タップ長を持ったFIRフィルタを用いた場合よりも大幅に改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るディジタルフィルタの実施の形態の概略構成を示す回路図である。
【図2】上記実施の形態のインパルス応答特性図である。
【図3】帰還部を備えていない従来のディジタルフィルタのインパルス応答特性図である。
【図4】本発明に係るディジタルフィルタの他の実施の形態の概略構成を示す回路図である。
【図5】本発明に係る音響再生装置の実施の形態となる頭外定位型ヘッドホン装置の概略構成を示すブロック図である。
【図6】上記頭外定位型ヘッドホン装置に用いられている信号処理回路の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明に係る音響再生装置の他の実施の形態となるスピーカシステムの原理を説明するための模式図である。
【図8】FIRフィルタの概略構成図である。
【図9】従来の残響付加信号処理装置の概略構成を示す回路図である。
【図10】上記残響付加信号処理装置のインパルス応答特性図である。
【符号の説明】
1 ディジタルフィルタ
32,33 遅延器
3n 任意の遅延器
4 係数乗算器
5 加算器
6 帰還部
Claims (2)
- 有限タップ長のFIRフィルタと複数の帰還手段とを備え、
上記FIRフィルタは、予め測定された発音源から測定点までのインパルス応答のうち上記FIRフィルタを構成する遅延器の総遅延時間相当の初期インパルス応答を構成し、
上記複数の帰還手段の各々は、上記FIRフィルタの任意の遅延器の出力を係数乗算器を介して減衰し、各減衰出力を上記任意の遅延器よりも前であって上記初期インパルス応答の立ち上がり近傍を除いた部分に相当する任意の遅延器と、それに続く遅延器との間に設けた加算器に帰還することを特徴とするディジタルフィルタ。 - 有限タップ長のFIRフィルタと複数の帰還手段とを備えるディジタルフィルタを有してなる音響再生装置において、
上記FIRフィルタは、予め測定された発音源から測定点までのインパルス応答のうち上記FIRフィルタを構成する遅延器の総遅延時間相当の初期インパルス応答を構成し、
上記複数の帰還手段の各々は、上記FIRフィルタの任意の遅延器の出力を係数乗算器を介して減衰し、各減衰出力を上記任意の遅延器よりも前であって上記初期インパルス応答の立ち上がり近傍を除いた部分に相当する任意の遅延器と、それに続く遅延器との間に設けた加算器に帰還することを特徴とする音響再生装置。
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