JP2015139060A - 音場補正装置及びその制御方法、プログラム - Google Patents

音場補正装置及びその制御方法、プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2015139060A
JP2015139060A JP2014008856A JP2014008856A JP2015139060A JP 2015139060 A JP2015139060 A JP 2015139060A JP 2014008856 A JP2014008856 A JP 2014008856A JP 2014008856 A JP2014008856 A JP 2014008856A JP 2015139060 A JP2015139060 A JP 2015139060A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frequency
sound field
field correction
characteristic
level
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014008856A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6251054B2 (ja
Inventor
典朗 多和田
Noriaki Tawada
典朗 多和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2014008856A priority Critical patent/JP6251054B2/ja
Priority to US14/592,954 priority patent/US9538288B2/en
Publication of JP2015139060A publication Critical patent/JP2015139060A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6251054B2 publication Critical patent/JP6251054B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R3/00Circuits for transducers, loudspeakers or microphones
    • H04R3/04Circuits for transducers, loudspeakers or microphones for correcting frequency response
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R5/00Stereophonic arrangements
    • H04R5/04Circuit arrangements, e.g. for selective connection of amplifier inputs/outputs to loudspeakers, for loudspeaker detection, or for adaptation of settings to personal preferences or hearing impairments
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R2430/00Signal processing covered by H04R, not provided for in its groups
    • H04R2430/03Synergistic effects of band splitting and sub-band processing

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Stereophonic System (AREA)
  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)

Abstract

【課題】低域の周波数特性のピークとディップを抑制しつつ、低域と中高域のバランスを取ることが可能な音場補正装置及び音場補正装置の制御方法を提供する。
【解決手段】音響空間における発音源と聴取点との間のインパルス応答を測定し、インパルス応答から音場補正の処理対象となる周波数特性を導出するS201。周波数特性において、境界周波数以下である低域と境界周波数より高い中高域に対し、低域を代表するレベルと中高域を代表するレベルとの境界周波数におけるレベル差を算出するS202。S202で算出したレベル差をもとに、S201で算出した補正前平均周波数特性の補正目標レベルを決定するS203。補正前平均周波数特性上のピークとディップを検出し、周波数特性における低域の目標特性のレベルを、音場補正後のレベル差が所定値以下となるように決定するS204。
【選択図】図2

Description

本発明は、音響空間において複数の音波の干渉による周波数特性への影響を目標特性に向けて補正する音場補正技術に関するものである。
家庭の室内における壁・床・天井等の壁面を有する空間において、スピーカ等の発音源から音を発した場合、空間内の受音点では直接音に加えて室内の各面で反射された反射音が到達するため、複数の音波が干渉を起こす。また、一般に、部屋の寸法に対応する周波数で、部屋モード(基準振動モード:部屋の寸法毎によるその部屋の伝送特性等の特徴、固有振動モード)による共振現象を起こし、これは定在波と呼ばれる。更に、空間に壁面が存在しない場合でも、複数の発音源を用いることによって、その直接音同士の干渉が起こり得る。
このように、複数の音波が干渉している場合、受音点における周波数特性に大きな影響を与える。具体的には、受音点にマイクを置き、発音源から測定用信号を発して発音源/受音点間のインパルス応答を測定すると、その振幅周波数特性(dB表現したものを以下「f特性」と呼ぶ)のグラフ上に凸凹を生じる。特に、部屋モードによる影響が卓越する低域では、f特性上の大きなピークやディップとなって現れる。
このような場合、発音源をスピーカ、受音点をリスニングポイントとしてユーザが室内で音楽を聴くと、ピーク周波数の音は膨らみ過ぎてブーミングを起こし、逆に、ディップ周波数では音抜けを生じる等、聴感上の音質を著しく劣化させてしまう。このため、再生信号にフィルタを適用することによって、インパルス応答のf特性上の大きなピークやディップを解消し、音質を向上させるという音場補正技術が重要となる。
図5(a)は、ある部屋Aのリスニングポイント含むリスニングエリア内の3点それぞれについて、ステレオスピーカとの間の3つの発音パターン(Lのみ、Rのみ、L+R)に対応する計9つのインパルス応答のf特性を描画したものである。同図において、低域と中高域の境目を200Hzとすると、特に、低域においては部屋モードによる影響が卓越しており、各f特性上に急峻なピークやディップが生じている。
ここで、一般に、低域についてはf特性の形と人の聴感が必ずしも一致しないが、中高域についてはf特性の形と人の聴感はよく対応することが知られている。このため、中高域については音場補正を必ずしも必要とせず、補正を行わないという選択もあり得るが、低域では基本的に急峻なピーク・ディップを解消するための音場補正が必要となる。特許文献1では、適応フィルタによって音場補正を行う場合に、インパルス応答のf特性や群遅延特性に乱れの生じている低域のみ補正することで計算量を削減している。
特許第3556427号公報
図6は、図5(a)のf特性の低域に対する音場補正フィルタの設計例を示したものである。太点線で示す補正前平均f特性601は、図5(a)の9つのf特性について、音場補正の対象周波数帯とした低域部分を平均化したf特性である。そして、補正前平均f特性601の平均レベルを図6の水平線で示す補正目標レベル602として、補正前平均f特性601上の急峻なピーク・ディップが補正目標レベル602に向けて抑制されるよう、音場補正フィルタが設計される。
急峻なピークやディップを解消するためのフィルタとしては、例えば、少ない処理量で急峻なフィルタ特性を実現可能な、双二次型IIR(Infinite Impulse Response:無限インパルス応答)によるピークフィルタが適している。補正前平均f特性601上の一つ一つのピークおよびディップに対し、それぞれ負および正のフィルタゲインを設定したピークフィルタを割り当てて行き、これらのピークフィルタを直列に連結して総合的な音場補正フィルタとする。このように設計された音場補正フィルタは、太実線で示す補正フィルタf特性603を有し、これを補正前平均f特性601に適用したものが、同じく太実線で示す補正後平均f特性604である。この音場補正フィルタは、過大な補正となることを避けるため、補正目標レベル602まで完全にディップを持ち上げたり、完全にピークを潰したりはしないよう設計している。よって、補正後平均f特性604は補正目標レベル602の回りに緩やかな起伏を持っているが、聴感上問題となる急峻なピークやディップは解消されている。
図5(a)の各f特性に、補正フィルタf特性603を適用したものが図5(b)の各f特性であり、図6の補正後平均f特性604と同様に急峻なピークやディップが抑制されていることがわかる。ここで、低域だけでなく中高域も含めてf特性全体のバランスに目を向けると、図5(b)の各f特性は低域と中高域のバランスが取れていると考えられる。より具体的に見るため、同図の低域に各f特性の低域平均レベルを水平線として引き、中高域に各f特性の中高域の近似直線(近似特性)を右下がりの直線として引く。すると、低域と中高域の境目とした200Hzにおいて、各f特性の低域平均レベルの水平線と中高域の近似直線は、丸で囲まれた部分が示すように大きなレベル差なく概ね滑らかに接続している。図5(b)のように、各f特性の低域と中高域のバランスが取れている状態で試聴実験を行ったところ、良好な聴感結果が得られた。
一方、図3(a)は、図5とは別の部屋Bについて、部屋Aと同様にリスニングエリア内3点の計9つのインパルス応答f特性を描画したものである。200Hz以下の低域において部屋モードの影響は部屋Aほど強くはないため、各f特性上のピークやディップは図5(a)ほど大きくはない。しかしながら、低域と中高域の間のバランスに目を向けると、図3(a)の丸で囲まれた部分が示すように、低域と中高域の間に部屋Aでは見られなかった急峻な段差が生じており、中高域に対して低域のレベルがかなり大きくなっている。
図4(a)は、図6で説明したものと同様の方法で、図3(a)のf特性の低域に対する音場補正フィルタを設計した例を示している。つまり、この設計された音場補正フィルタの補正フィルタf特性403を補正前平均f特性401に適用すると、補正後平均f特性404が得られる。また、この補正フィルタf特性403を、図3(a)の各f特性に適用したものが図3(b)の各f特性であり、低域のピークやディップが抑制されていることがわかる。しかしながら、低域と中高域のバランスを見ると、図3(a)で示した低域と中高域の間の急峻な段差は、音場補正後の図3(b)にも依然として残っている。
図3(b)のような段差のために、各f特性の中高域に対して低域のレベルがかなり高い状態で試聴実験を行うと、低域を過多に感じて聴感が非常に悪化するという結果が得られた。これより、一般に聴感上問題になると言われる低域のピークやディップが解消されていても、低域と中高域の間のバランスが崩れていると、聴感は悪化してしまうと考えられる。
しかしながら、特許文献1の方法では、低域のf特性や群遅延特性の乱れは解消されるが、低域と中高域の間のバランスについては考慮されていない。また、部屋Bに見られるような低域と中高域の間の急峻な段差を解消するために、音場補正フィルタとは別のフィルタを導入するという方法にも、以下に示すような課題がある。
急峻な段差を解消して低域のレベルを中高域のレベルに合わせるためのフィルタは、中高域のゲインが0dBで、低域が段差の大きさに対応するマイナスのゲインを持ち、かつ低域と中高域の境目において急激にゲインが変化する特性を持つのが理想的である。
しかし、このように比較的低い周波数で急峻な特性を有するフィルタをFIR(Finite Impulse Response:有限インパルス応答)で実現しようとすると、非常に多くのタップ数が必要となる。そして、その畳み込み処理量のためにトーンコントロールやラウドネス等化、コンプレッサ等の他の音響処理を圧迫してしまう。一方で、タップ数を少なくすると、急峻な特性が必要なところで緩い特性となってしまうため、低域と中高域の境目に新たなピークやディップが生じてしまう。また、例えば、ローシェルフ型のIIRを用いても、やはり低い周波数で急峻な特性を実現しようとすると、低域と中高域の境目でフィルタ特性が乱れてしまう。
スピーカが帯域毎に複数の振動板を有するマルチウェイスピーカである場合には、低域を担当するウーファのゲインを調整することで、低域と中高域の間のバランスを調整することも考えられる。しかしながら、ウーファと中高域を担当するスコーカのクロスオーバ周波数が、解消したい急峻な段差の周波数と一致している可能性は少ない。また、仮に一致していたとしても、ウーファやスコーカにはそれぞれ帯域分割のためのクロスオーバフィルタが適用されている。このため、ゲイン調整後のウーファとスコーカの合成は、段差のあるクロスオーバフィルタの合成問題となり、クロスオーバ周波数において単純にゲイン調整量に応じた急峻な段差が実現できる訳ではなく、やはり新たなピークやディップが生じてしまう。
このように、音場補正後のf特性に急峻な段差が残っていると、それを別のフィルタ等できれいに解消するのは容易ではない。ここで、音場補正において、低域のf特性の急峻なピークやディップを解消するために、やはり急峻な特性を有するピークフィルタが用いられることを考慮すると、これを低域と中高域の間の急峻な段差の解消にも利用することが考えられる。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、低域のf特性のピーク・ディップを抑制しつつ、低域と中高域のバランスを取ることが可能な音場補正技術を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明による音場補正装置は以下の構成を備える。即ち、
音響空間において複数の音波の干渉による周波数特性への影響を目標特性に向けて補正する音場補正装置であって、
前記音響空間における発音源と聴取点との間のインパルス応答を測定する測定手段と、
前記インパルス応答から音場補正の処理対象となる周波数特性を導出する導出手段と、
前記周波数特性において、境界周波数以下である低域と前記境界周波数より高い中高域に対し、前記低域を代表するレベルと前記中高域を代表するレベルとの前記境界周波数におけるレベル差を算出する算出手段と、
前記周波数特性における低域の目標特性のレベルを、音場補正後の前記レベル差が所定値以下となるように決定する決定手段と
を備える。
本発明によれば、低域のf特性のピーク・ディップを抑制しつつ、低域と中高域のバランスを取ることができる。
実施形態に係る音場補正装置のブロック図である。 実施形態に係る音場補正フィルタ設計のフローチャートである。 実施形態に係るある部屋Bにおけるf特性の低域と中高域のバランスを説明するための図である。 実施形態に係るある部屋Bにおける音場補正フィルタ設計の例を説明するための図である。 ある部屋Aにおけるf特性の低域と中高域のバランスを説明するための図である。 ある部屋Aにおける音場補正フィルタ設計の例を説明するための図である。
以下、添付の図面を参照して、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。尚、以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
本実施形態では、音響空間において、複数の音波の干渉による周波数特性への影響を目標特性に向けて補正する音場補正装置について説明する。
図1は実施形態の音場補正装置を示すブロック図である。
図1に示す音場補正装置は、コントローラ100の中に、全体の統御を行うシステム制御器101、各種データを記憶する記憶部102、信号の解析処理を行う信号解析処理部103を備える。再生系(再生部)の機能を実現する要素としては、再生信号入力部111、信号生成部112、フィルタ適用部113Lおよび113R、出力部114、発音源となるスピーカ115Lおよび115Rを備える。また、収音系(収音部)の機能を実現する要素としては、マイク121、収音信号入力部122を備える。
さらに、ユーザによるコマンド入力を受け付けるための要素として、リモコン131、および受信部132を備える。ユーザに情報を提示するための要素として、表示生成部141、および表示部142を備える。煩雑になるため図示していないが、信号解析処理部103、信号生成部112、フィルタ適用部113Lおよび113R、表示生成部141との各部は、記憶部102と相互に結ばれているものとする。
尚、図1の音場補正装置の各種構成要素は、CPU、ROM、RAM等の汎用コンピュータの各種構成要素の全体/一部の機能を用いて実現されても良いし、ハードウェア、ソフトウェアあるいはそれらの組み合わせを用いて実現されても良い。
再生信号入力部111は、CDプレーヤ等の音源再生装置から再生信号を受信し、再生信号がアナログ信号である場合には、のちのデジタル信号処理のためにAD変換を施す。フィルタ適用部113Lおよび113Rに送信される信号としては、再生信号入力部111からの再生信号または信号生成部112で生成された信号のいずれかが選択される。フィルタ適用部113Lおよび113Rで処理が施された信号は、出力部114に送信され、ここで、DA変換および増幅を行った後、スピーカ115Lおよび115Rから発音される。
尚、アクディブスピーカの場合には、出力部114とスピーカ115Lおよび114Rはひとつの要素としてまとめられる。収音信号入力部122では、マイク121からの収音信号を受信し、増幅および後のデジタル信号処理のためにAD変換を施す。このとき、マイク121とリモコン131は、ひとつの入力装置として一体化されていてもよい。また、表示部142は必ずしも表示パネル等の形でコントローラ100に内蔵されている必要はなく、ディスプレイなどの外部表示装置が接続された形であってもよい。
以下、音場補正装置の動作について詳細に説明する。
はじめに、ユーザはリモコン131より「音場補正開始」のコマンドをコントローラ100に向けて送信する。コマンドは受信部132で受信され、システム制御器101において解釈される。そして、音場補正シーケンスの現在の状態に対応する情報が表示生成部141で生成され、表示部142に表示されることでユーザに提示される。この場合、まず、ユーザが音楽を聴くリスニングポイント(聴取点)にマイク121をセッティングし、準備ができたらリモコン131の「OK」ボタンを押下する、という必要作業内容が教示される。
一般に、測定を行うマイクの高さは、ユーザが座って音楽を聴くときの耳の高さ(約1m)が望ましい。尚、これらの作業内容を必ずしも全て表示部142に表示する必要はなく、現在の状態がわかる最低限の情報だけをわかり易く表示し、詳細な説明は紙のマニュアル等に委ねてもよい。また、ユーザへの情報提示や教示は必ずしも表示生成部141、および表示部142を用いて視覚的に行う必要はなく、同様の内容の音声を信号生成部112で生成し、音声ガイドとしてスピーカ115Lおよび115Rから発声してもよい。
ユーザがマイク121をリスニングポイントにセッティングしてリモコン131の「OK」ボタンを押すと、スピーカ115Lとリスニングポイント間のインパルス応答の測定を意味する「測定点1/Lの測定を行います」という表示が表示部142になされる。
インパルス応答の測定では、システム制御器101が中心に働いて測定用信号の発音および収音を行う。まず、MLS(Maximum Length Sequence)やTSP(Time−Stretched Pulse)等のインパルス応答を測定するための信号を準備する。これらの測定用信号は単純な数式で生成できるが、必ずしも信号生成部112がその場で生成する必要はなく、あらかじめ記憶部102に格納しておいて読み出すだけでもよい。
そして、再生信号入力部111と信号生成部112のうち後者が選択され、スピーカ115Lおよび115Rの内、現在の対象であるスピーカ115Lのみから測定用信号が発音される。測定用信号に対しては、フィルタ適用部113Lで、特に、処理を行う必要はなく、そのままスルーさせればよい。但し、一般に背景雑音のランダムノイズ成分のf特性が右下がりであることを考慮して、フィルタ適用部113Lで、例えば、ピンクノイズ特性を測定用信号に付加してもよい。測定用信号の発音開始とともに、マイク121で拾っている音が収音信号として記憶部102に格納される。すなわち、音波として発音された測定用信号は、スピーカ115Lや部屋(音響空間)の特性が畳み込まれた状態で、マイク121に収音されて記録される。
続いて、信号解析処理部103において、測定用信号および収音信号からインパルス応答を算出する。MLSやTSP等の測定用信号は、自己相関がτ=0でインパルスとなる性質を持っているため、収音信号との相互相関を取ることがインパルス応答を算出することに対応する。一般に、相互相関の計算は高速フーリエ変換(FFT)を利用して周波数領域で行うが、MLSの場合はFFTの代わりに高速アダマール変換(FHT)を利用できる。尚、測定用信号の発音に際してフィルタ適用部113でピンクノイズ特性等を付加していた場合は、その逆特性によって、相互相関の計算前に収音信号からピンクノイズ特性等を除去する。
このようにして算出されたインパルス応答は、測定点番号(1=リスニングポイント)およびスピーカ115Lの発音パターン(L)と対応付けられて、記憶部102に保存される。
続いて、スピーカ115Rとリスニングポイント間のインパルス応答の測定を意味する「測定点1/Rの測定を行います」という表示が表示部142になされる。そして、スピーカ115Rのみから発音信号が発音され、同様にインパルス応答の算出と保存までが行われる。
ここで、部屋モードによる定在波の影響は位置によって異なるため、音場補正の主対象であるf特性上のピークやディップの出方も位置によって異なる。ユーザが一人で静止しているならば、リスニングポイント1点のみの特性を考慮して音場補正を行えばよいが、実際上は、ユーザが頭を動かしたり、複数のユーザが同時に音楽を聴いたりし得る。このような場合、リスニングポイントから外れた点では音場補正によって逆に聴感が悪化する可能性もある。このため、ユーザが存在し得る範囲に応じて、リスニングポイントの周りにある程度の広さ(所定範囲)のリスニングエリアを想定し、リスニングポイントの他にリスニングエリア内の数点でインパルス応答を測定することが望ましい。
このように、リスニングポイントを含むリスニングエリア内の複数点の特性を考慮して音場補正を行うことで、リスニングエリア全体で平均的に聴感を向上させることができる。ここでは、一例として、リスニングポイント(測定点1)での測定に続いて、リスニングポイント近くの測定点2および測定点3についても、順番にマイクを置き換えてインパルス応答の測定を行うものとする。即ち、測定終了時点で、複数のインパル応答として、1/L、1/R、2/L、2/R、3/L、3/Rの、計6つのインパルス応答が記憶部102に保存されていることになる。
以下、信号解析処理部103による音場補正フィルタ設計について、図2のフローチャートに沿って詳細に説明する。
まず、ステップS201では、信号解析処理部103が、記憶部102に保存された複数のインパルス応答から、音場補正の処理対象となる単一のf特性(周波数特性)を導出する。
ここで、実測した各測定点のインパルス応答は、スピーカの発音パターンが、スピーカ115Lのみ又はスピーカ115Rのみの場合としている。これらは夫々、再生する楽曲がLchのみ又はRchのみの、モノラル信号である場合のスピーカ/測定点間の伝達特性に対応する。しかし、一般の楽曲再生時の伝達特性は、Lのみ、およびRのみの場合の伝達特性を各時点の楽曲信号の状態に応じて結合したものとなる。そこで、ステレオ再生時の楽曲信号の状態を代表して、LchとRchが等しい場合に対応するリスニングポイントのインパルス応答1/L+Rを、1/Lと1/Rの単純加算によって算出する。このように、1つの測定点についてLのみ、Rのみ、L+Rの3つの発音パターンに対応するインパルス応答を用いることで、実際的な楽曲再生時の状態に合った音場補正フィルタを設計することが可能となる。ここでは、実測した6つのインパルス応答に1/L+R、2/L+R、3/L+Rを加えた、計9つのインパルス応答を用いる。
一般に音場補正の主たる目的は、f特性の形が人の聴感と対応する低域において、部屋モード(基準振動モード:部屋(音響空間)の寸法毎によるその部屋の伝送特性等の特徴、固有振動モード)による影響が卓越するために生じる、聴感上問題となるf特性上の大きなピークやディップを解消することである。そこで、低域と中高域を分ける周波数を境界周波数として、この境界周波数以下である低域を音場補正の対象周波数帯と定めることにする。境界周波数は既定値としてもよいし、低域と中高域の境界を与えるとされるシュレーダー周波数を算出してもよい。後者の場合、例えば、ユーザに入力させた部屋の大体の容積と、インパルス応答から計算した部屋の残響時間を用いて算出する。以下の説明では、境界周波数を200Hzとする。
各インパルス応答をFFT処理することで、各々の複素フーリエ係数が得られる。ここで、各インパルス応答は、スピーカ115Lおよび115Rと各測定点の間の距離に応じた減衰や、スピーカ115Lおよび115Rの発音パターン等に応じて、それぞれ異なる大きさを持っている。音場補正の狙いは、各f特性の対象周波数帯のピークやディップを形として補正することであるから、対象周波数帯における大きさを揃えるため正規化を行う。例えば、各々の複素フーリエ係数の絶対値(振幅)について対象周波数帯の範囲で平均値を算出し、これを正規化係数として各々の複素フーリエ係数を割ることで正規化する。尚、対象周波数帯の上限周波数は境界周波数の200Hzであるが、下限周波数もスピーカ115Lおよび115Rの低域再生能力に応じて定めることにし、この場合は、音場補正の対象周波数帯を20〜200Hzとする。
各々の複素フーリエ係数から平均的な振幅周波数特性を得るためには、それぞれの振幅周波数特性を平均化すればよい。このとき、各振幅周波数特性を単純に平均するだけでなく、例えば、リスニングポイントの重みを大きくするような重み付き平均化を行ってもよい。このようにして得られた単一の振幅周波数特性を、平均振幅周波数特性とする。
但し、平均化したとはいえ、平均振幅周波数特性には細かい乱れが存在するため、周波数軸方向にスムージングを行う。直線周波数軸上でスムージングを行う場合は、周波数またはそれに対応するサンプル数で移動平均の幅を指定する。対数周波数軸上でオクターブスムージングを行う場合は、例えば、1/12オクターブのようにオクターブ幅を指定することで、スムージング具合を調節することができる。但し、フィルタ生成のため、オクターブスムージング後は直線周波数軸に合わせて対数周波数軸上でデータの補間を行う。また、何れのスムージングにおいても、f特性上にピークやディップの特徴は残るように調節する。このようにして、スムージングした平均振幅周波数特性をdB表現して、これを補正前平均f特性と呼ぶことにする。尚、スムージングとdB表現の順番は逆であってもよい。
図3(a)は、ある部屋Bの計9つのインパルス応答について、全域のf特性を1/12オクターブ幅でオクターブスムージングして描画したものである。そして、図4には、音場補正の対象となる低域の補正前平均f特性401が太点線で表されている。
ステップS202では、信号解析処理部103が、図3(a)に示す全域の各f特性グラフ(周波数と振幅で規定される2次元グラフ)上で低域と中高域のレベル差を算出する。まず、低域f特性のレベル(低域を代表するレベル)については、音場補正の対象周波数帯の範囲における平均値とする。図3(a)に、各f特性の低域のレベルを対象周波数帯に引いた水平線で示すが、ステップS201で低域のレベルに基づいた正規化を行っているため、ほとんど重なっている。
中高域f特性については、部屋の響きに応じて一般に右下がりの傾きを持つことを考慮して、一次近似直線を算出する。近似直線を算出する対象周波数帯は、下限を境界周波数である200Hz、上限を10kHzとしている。但し、上限については、人の可聴域、スピーカ115の高域再生能力、マイク121の高域収音能力等を考慮して、例えば、20kHzのように定めてもよい。図3(a)に、各f特性中高域の対象周波数帯の近似直線を示す。尚、ここでは、中高域f特性の近似特性(中高域を代表するレベル)に、一次近似直線を用いているが、より高次の近似曲線を用いてもよい。
続いて、計9つのf特性それぞれについて、低域のレベルから中高域の近似直線の境界周波数における値を引いて、各f特性の低域と中高域のレベル差Δi(i=1〜9)と定義する。そして、各f特性のレベル差Δiの平均を取って、低域と中高域の代表的なレベル差Δ(代表レベル差)とする。尚、発音パターンがL+Rのf特性については、左右の干渉のため高域が大きく乱れて、中高域の近似直線に影響を及ぼす場合がある。従って、レベル差Δiの平均化において、発音パターンがL+Rのものは除いたり、重みを小さくしたりしてもよい。
図3(a)の境界周波数付近に示すように、部屋Bにおける音場補正前の低域と中高域のレベル差はΔ=+6.7となっており、図5(a)に示す部屋AのΔ=+2.8に比べてかなり大きい。これは、図3(a)の丸で囲まれた部分が示すように、部屋Bでは低域と中高域の間に部屋Aでは見られなかった急峻な段差が生じており、中高域に対して低域のレベルがかなり大きくなっているためである。このように、Δの絶対値が大きいほど低域と中高域の間のバランスも崩れていることになり、聴感も悪化すると考えられる。
ステップS203では、信号解析処理部103が、ステップS202で算出したレベル差をもとに、ステップS201で算出した補正前平均f特性401の補正目標レベル(目標特性のレベル)を決定する。
一般の音場補正においては、図4(a)の水平線で示すように補正前平均f特性401の平均レベルを補正目標レベル402として、補正前平均f特性401上のピーク・ディップを補正目標レベル402に向けて抑制する。しかしながら、補正前平均f特性401の平均レベルは、基本的に図3(a)に示す各f特性の低域のレベルに対応するものである。このため、補正目標レベル402に向けて補正を行っても各f特性の低域のレベルはあまり変化せず、低域と中高域の間の大きなレベル差Δは音場補正後も残ってしまう。
そこで、図4(b)に示すように、図3(a)のレベル差Δを符号反転した−Δで補正目標レベル402をオフセットし、これをオフセット補正目標レベル412とする。そして、オフセット補正目標レベル412に向けて補正を行うことで、低域と中高域の間の大きなレベル差Δが解消されるようにする。
尚、音場補正後にf特性の平均レベルが必ずしも補正目標レベルになるとは限らず、実際に補正されるピークとディップのバランスに応じて補正目標レベルから多少変動する。検討を行った範囲では、補正目標レベルより若干小さくなる傾向が見られたため、レベル差Δを符号反転した値であるオフセット量について、例えば、1dB程度プラスしてもよい。
また、必ずしも補正目標レベルをオフセットする必要はなく、レベル差Δの絶対値が所定値以下なら聴感上問題にならないとして、オフセットを行わないようにしてもよい。試聴実験においては、Δの絶対値がおよそ3dB程度を超えると聴感の劣化が感じられ、6dBを超えると著しく聴感が悪化した。また、聴感の変化はおよそ1dBから感じられた。そこで所定値を3dBとすると、図5(a)に示す部屋AはΔ=+2.8であるため、オフセットを省略できる。
ステップS204では、信号解析処理部103が、前ステップまでの結果を用いて音場補正フィルタを生成する。
まず、補正前平均f特性401上のピークとディップを検出する。ピークについては、例えば、補正前平均f特性401からオフセット補正目標レベル412を引いて誤差曲線とし、その周波数方向の隣接差分の符号が正から負に変わって、かつ誤差曲線の値が正である点をピークとして検出する。また、このときの誤差曲線の値をピークの正のゲインとする。同様に、ディップについては、誤差曲線の周波数方向の隣接差分の符号が負から正に変わって、かつ誤差曲線の値が負である点をディップとして検出する。また、このときの誤差曲線の値をディップの負のゲインとする。ここで、音場補正の対象周波数帯を20〜200Hzとしていることから、この周波数範囲のピーク・ディップのみ検出すればよい。尚、ステップS201で定める対象周波数帯については、平均化前の各インパルス応答のf特性から上と似たようにピーク・ディップを検出し、その検出結果に基づいて決めるようにしてもよい。
検出された補正前平均f特性401のピークやディップは、一般に、f特性としては急峻な形をしている。そこで、急峻なピークやディップを解消(音場補正)するためのフィルタとして、例えば、少ない処理量で急峻なフィルタ特性を実現可能な、双二次型(バイクワッド)IIRによるピークフィルタを用いる。具体的には、一つ一つのピークおよびディップに対し、それぞれの持つ正および負のゲインを相殺するために、負および正のフィルタゲインを設定したピークフィルタを割り当てて行く。このとき、各ピーク・ディップの周波数方向の広がりを表すバンド幅、または急峻さを表すQに合わせて、対応するピークフィルタのバンド幅またはQも設定する。
尚、上記誤差曲線の面積を最小化する最適化問題を定式化すれば、ピーク・ディップの検出やバンド幅算出といった処理を記述することなく、ピークフィルタの設定パラメータを最適化することができる。また、必ずしも検出された全てのピーク・ディップを補正する必要はなく、聴感上影響しないような小さいものは無視してもよい。例えば、補正対象とするピーク・ディップの条件をゲインの絶対値が所定値(3dB等)以上としてもよいし、バンド幅とゲイン絶対値で三角形近似した面積が所定値以上としてもよい。
この場合、図4(b)に示すように下方にオフセットしたオフセット補正目標レベル412を用いるため、補正前平均f特性401上のピークのみ補正対象となり、これらを抑制するために負のフィルタゲインを持つ計12のピークフィルタが生成されている。生成された全てのピークフィルタを直列に連結したものが総合的な音場補正フィルタであり、太実線が示す補正フィルタf特性413を有する。そして、この補正フィルタf特性413を補正前平均f特性401に適用すると、補正後平均f特性414(補正後周波数特性)が得られる。
補正フィルタf特性413を、図3(a)の各f特性に適用したものが図3(c)の各f特性である。補正フィルタf特性413の有する負の大きな補正量と、境界周波数付近のピークフィルタの急峻な特性によって、低域と中高域の間の急峻な段差が解消されている。このためレベル差Δも補正前の+6.7から+0.4になり、丸で囲まれた部分が示すように、低域平均レベルの水平線と中高域の近似直線が滑らかに接続している。
また、低域の対象周波数帯の範囲で各f特性の標準偏差を算出して、それらの平均値をσとして低域部分に示している。これは低域f特性の平坦度を示す一指標であり、f特性上にピークやディップが多いほど値が大きくなる。このσについても補正前の5.0から4.3になっており、音場補正によって低域f特性のピークやディップが抑制されたことを表している。オフセットしない補正目標レベル402を用いた場合の図3(b)と比べても、各f特性のピークやディップは同等以上に抑制しつつ、低域と中高域のレベル差を解消していることがわかる。さらに試聴実験を行った結果についても、低域と中高域の間のバランスが崩れている図3(b)の状態では聴感がかなり悪化していたが、バランスが取れている図3(c)の状態では良好な聴感を得ることができる。
このように、低域と中高域のレベル差に応じて低域の補正目標レベルをオフセットさせることで、低域f特性のピーク・ディップの抑制と、レベル差の解消を同時に実現することができる。このとき、ピークやディップの補正には急峻な特性を有するピークフィルタを用いているため、低域と中高域の間に急峻な段差が生じている場合も解消できる。また、ここでは低域が中高域に対して過多な場合を例に取って説明しているが、低域が中高域に対して過少な場合も、補正目標レベルを上方にオフセットすることで同様にレベル差を解消可能である。
尚、ステップS201で定める境界周波数については、各f特性上で急峻な段差が生じている周波数と一致させることで、段差をきれいに解消できると期待される。よって、境界周波数の候補を、例えば、一般的な部屋のシュレーダー周波数の範囲である100Hzから1kHzの間で複数個、選択する。そして、それぞれに対し、低域と中高域のレベル差を算出して、レベル差が最大となる境界周波数を段差の周波数であるとして採用してもよい。
また、実際の処理において、音場補正後のレベル差は必ずしも算出しなくてよいが、レベル差の解消をより確実とするため、以下のような処理を行ってもよい。即ち、ステップS204の後に、再度、ステップS202に戻り、2周目のループに入り、音場補正フィルタ適用後の各f特性からレベル差を算出する。この値の絶対値が、先述した聴感上、問題になるとする所定値以下に収まれば、その時点で、ループを抜ければよい。
しかしながら、所定値を超えてしまっている場合は、再度、ステップS203において、1周目に用いたオフセット量を2周目に算出したレベル差を考慮して修正し、2周目のオフセット補正目標レベルを取得する。そして、再度、ステップS204において、2周目のオフセット補正目標レベルに基づき音場補正フィルタの設計を行う。このようなループを、音場補正フィルタ適用後のレベル差(補正後レベル差)を適宜、所定値と比較し、そのレベル差が所定値以下となって、ループを抜け出せるまで繰り返す。
音場補正フィルタを構成するピークフィルタのフィルタ係数は記憶部102に格納され、再生信号入力部111を選択して行われる以降の再生系の処理において、フィルタ適用部113で再生信号に対して適用される。
以上説明したように、本実施形態によれば、音場補正において低域の補正目標レベルを中高域とのレベル差がなくなるように制御することで、低域f特性のピーク・ディップを抑制しつつ、低域と中高域のバランスの取れた良好な聴感を得ることができる。
尚、実施形態では、ステレオシステムを例に取って説明しているが、これに限定されない。本発明は、例えば、5.1chのサラウンドシステム等の多チャンネルシステムにも容易に適用可能である。
尚、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

Claims (11)

  1. 音響空間において複数の音波の干渉による周波数特性への影響を目標特性に向けて補正する音場補正装置であって、
    前記音響空間における発音源と聴取点との間のインパルス応答を測定する測定手段と、
    前記インパルス応答から音場補正の処理対象となる周波数特性を導出する導出手段と、
    前記周波数特性において、境界周波数以下である低域と前記境界周波数より高い中高域に対し、前記低域を代表するレベルと前記中高域を代表するレベルとの前記境界周波数におけるレベル差を算出する算出手段と、
    前記周波数特性における低域の目標特性のレベルを、音場補正後の前記レベル差が所定値以下となるように決定する決定手段と
    を備えることを特徴とする音場補正装置。
  2. 前記算出手段は、対数周波数と振幅で規定される2次元グラフで表現される前記周波数特性から、前記レベル差を算出し、
    前記所定値は、3dBを基本として、1dBから6dBの範囲とする
    ことを特徴とする請求項1に記載の音場補正装置。
  3. 前記低域におけるピークとディップの音場補正は、双二次型のIIRによるピークフィルタを用いて行う
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の音場補正装置。
  4. 前記境界周波数は、200Hzを基本として、100Hzから1kHzの範囲とする
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の音場補正装置。
  5. 前記境界周波数は、前記レベル差が最大となるように決定する
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の音場補正装置。
  6. 前記算出手段は、前記音場補正の対象周波数帯を、前記発音源の再生能力及び前記聴取点の収音能力の少なくとも一方に応じて決定する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の音場補正装置。
  7. 前記導出手段は、前記測定手段で測定したインパルス応答が複数である場合に、それぞれのインパルス応答から導出される周波数特性を重み付き平均したものを前記処理対象となる前記周波数特性として導出する
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の音場補正装置。
  8. 前記算出手段は、前記測定手段で測定したインパルス応答が複数である場合に、それぞれのインパルス応答から導出される周波数特性に関する前記レベル差の平均値を、前記所定値と比較するレベル差として算出する
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の音場補正装置。
  9. 前記決定手段は、前記目標特性のレベルに基づき設計した音場補正フィルタを前記周波数特性に適用して得られる補正後周波数特性に関する前記レベル差が前記所定値を超えている場合は、前記所定値以下となるまで前記目標特性のレベルを修正する
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の音場補正装置。
  10. 音響空間において複数の音波の干渉による周波数特性への影響を目標特性に向けて補正する音場補正装置の制御方法であって、
    前記音響空間における発音源と聴取点との間のインパルス応答を測定する測定工程と、
    前記インパルス応答から音場補正の処理対象となる周波数特性を導出する導出工程と、
    前記周波数特性において、境界周波数以下である低域と前記境界周波数より高い中高域に対し、前記低域を代表するレベルと前記中高域を代表するレベルとの前記境界周波数におけるレベル差を算出する算出工程と、
    前記周波数特性における低域の目標特性のレベルを、音場補正後の前記レベル差が所定値以下となるように決定する決定工程と
    を備えることを特徴とする音場補正装置の制御方法。
  11. 音響空間において複数の音波の干渉による周波数特性への影響を目標特性に向けて補正する音場補正装置をコンピュータに機能させるためのプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    前記音響空間における発音源と聴取点との間のインパルス応答を測定する測定手段と、
    前記インパルス応答から音場補正の処理対象となる周波数特性を導出する導出手段と、
    前記周波数特性において、境界周波数以下である低域と前記境界周波数より高い中高域に対し、前記低域を代表するレベルと前記中高域を代表するレベルとの前記境界周波数におけるレベル差を算出する算出手段と、
    前記周波数特性における低域の目標特性のレベルを、音場補正後の前記レベル差が所定値以下となるように決定する決定手段と
    して機能させることを特徴とするプログラム。
JP2014008856A 2014-01-21 2014-01-21 音場補正装置及びその制御方法、プログラム Active JP6251054B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014008856A JP6251054B2 (ja) 2014-01-21 2014-01-21 音場補正装置及びその制御方法、プログラム
US14/592,954 US9538288B2 (en) 2014-01-21 2015-01-09 Sound field correction apparatus, control method thereof, and computer-readable storage medium

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014008856A JP6251054B2 (ja) 2014-01-21 2014-01-21 音場補正装置及びその制御方法、プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015139060A true JP2015139060A (ja) 2015-07-30
JP6251054B2 JP6251054B2 (ja) 2017-12-20

Family

ID=53545971

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014008856A Active JP6251054B2 (ja) 2014-01-21 2014-01-21 音場補正装置及びその制御方法、プログラム

Country Status (2)

Country Link
US (1) US9538288B2 (ja)
JP (1) JP6251054B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10194260B2 (en) * 2015-02-27 2019-01-29 Pioneer Corporation Sound volume control device, sound volume control method and sound volume control program
JP6613078B2 (ja) 2015-08-28 2019-11-27 キヤノン株式会社 信号処理装置及びその制御方法
FI129335B (en) * 2015-09-02 2021-12-15 Genelec Oy Acoustic room mode control
JP6789690B2 (ja) 2016-06-23 2020-11-25 キヤノン株式会社 信号処理装置、信号処理方法、及びプログラム
JP7245034B2 (ja) 2018-11-27 2023-03-23 キヤノン株式会社 信号処理装置、信号処理方法およびプログラム
US10856098B1 (en) 2019-05-21 2020-12-01 Facebook Technologies, Llc Determination of an acoustic filter for incorporating local effects of room modes
US11270712B2 (en) 2019-08-28 2022-03-08 Insoundz Ltd. System and method for separation of audio sources that interfere with each other using a microphone array
US11540052B1 (en) * 2021-11-09 2022-12-27 Lenovo (United States) Inc. Audio component adjustment based on location

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001224100A (ja) * 2000-02-14 2001-08-17 Pioneer Electronic Corp 自動音場補正システム及び音場補正方法
JP2001292492A (ja) * 2000-04-05 2001-10-19 Toa Corp 音響システムにおける周波数特性設定装置
JP2008227681A (ja) * 2007-03-09 2008-09-25 Yamaha Corp 音響特性補正システム
JP2010181448A (ja) * 2009-02-03 2010-08-19 Fujitsu Ten Ltd 音響調整装置及び音響調整方法
JP2012058370A (ja) * 2010-09-07 2012-03-22 Yamaha Corp 音響調整支援方法、音響調整支援装置、およびプログラム
JP2012128207A (ja) * 2010-12-15 2012-07-05 Canon Inc 音響装置及びその制御方法、プログラム

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2956642B2 (ja) * 1996-06-17 1999-10-04 ヤマハ株式会社 音場制御ユニットおよび音場制御装置
JP3556427B2 (ja) 1997-04-08 2004-08-18 アルパイン株式会社 オーディオ装置の制御帯域決定方法
US8116465B2 (en) * 2004-04-28 2012-02-14 Sony Corporation Measuring apparatus and method, and recording medium
JP4435232B2 (ja) * 2005-07-11 2010-03-17 パイオニア株式会社 オーディオシステム
JP2007288468A (ja) * 2006-04-17 2007-11-01 Sony Corp オーディオ出力装置、パラメータ算出方法
JP5606234B2 (ja) * 2010-09-13 2014-10-15 キヤノン株式会社 音響装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001224100A (ja) * 2000-02-14 2001-08-17 Pioneer Electronic Corp 自動音場補正システム及び音場補正方法
JP2001292492A (ja) * 2000-04-05 2001-10-19 Toa Corp 音響システムにおける周波数特性設定装置
JP2008227681A (ja) * 2007-03-09 2008-09-25 Yamaha Corp 音響特性補正システム
JP2010181448A (ja) * 2009-02-03 2010-08-19 Fujitsu Ten Ltd 音響調整装置及び音響調整方法
JP2012058370A (ja) * 2010-09-07 2012-03-22 Yamaha Corp 音響調整支援方法、音響調整支援装置、およびプログラム
JP2012128207A (ja) * 2010-12-15 2012-07-05 Canon Inc 音響装置及びその制御方法、プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
US20150208169A1 (en) 2015-07-23
JP6251054B2 (ja) 2017-12-20
US9538288B2 (en) 2017-01-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6251054B2 (ja) 音場補正装置及びその制御方法、プログラム
JP4361354B2 (ja) 自動音場補正装置及びそのためのコンピュータプログラム
US10028055B2 (en) Audio signal correction and calibration for a room environment
JP4950220B2 (ja) 部屋の中のスピーカーを等化する方法とシステム
US9716962B2 (en) Audio signal correction and calibration for a room environment
US9577595B2 (en) Sound processing apparatus, sound processing method, and program
US10555108B2 (en) Filter generation device, method for generating filter, and program
JP2006005902A (ja) 増幅装置及び振幅周波数特性調整方法
JP6561718B2 (ja) 頭外定位処理装置、及び頭外定位処理方法
JPH11298990A (ja) オーディオ装置
JP5682539B2 (ja) 音響再生装置
JP6115160B2 (ja) 音響機器、音響機器の制御方法及びプログラム
JPWO2009008068A1 (ja) 自動音場補正装置
JP2000099039A (ja) 拡声音の明瞭度改善方法及び装置
JP6115161B2 (ja) 音響機器、音響機器の制御方法及びプログラム
JP2012100117A (ja) 音響処理装置及び方法
JP2019091971A (ja) オーディオプロセッサおよびオーディオ再生装置
US20230040821A1 (en) Processing device and processing method
US20230114777A1 (en) Filter generation device and filter generation method
JP4737758B2 (ja) オーディオ信号処理方法および再生装置
JP2023024040A (ja) 処理装置、及び処理方法
JP2023047707A (ja) フィルタ生成装置、及びフィルタ生成方法
JP2023047706A (ja) フィルタ生成装置、及びフィルタ生成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171019

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171027

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171124

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6251054

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151