JP4435232B2 - オーディオシステム - Google Patents

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Description

本発明は、複数の音響信号チャンネルを備えた高品位オーディオシステムおよびこれに関するオーディオ技術に関する。
例えば、5.1chステレオシステムや7.1chステレオシステムのように、複数の音響信号チャンネルとスピーカとを備えて、高品位の音響空間を提供するオーディオシステムが広く普及している。このような高品位オーディオシステムでは、複数のスピーカから再生出力される各チャンネルの再生音の周波数特性や位相特性を、ユーザ自らが音場に合わせて適切に調整して臨場感溢れる最適な音響空間を得ることは極めて困難である。このため、かかるオーディオシステムでは、システム側で自動的に音場特性を補正して最適な音響空間を作り出すいわゆる自動音場補正システムが備えられている。
従来、この種の自動音場補正システムとしては、例えば、日本国特許出願特開2005−151402号公報または米国特許出願公開第2005/137859号明細書に記載された従来技術が知られている。かかる従来技術は、各々のチャンネルのスピーカから、例えば、ピンクノイズ等の試験信号を出力して、この試験信号をマイクロフォンで集音してその音圧レベルを測定する。その結果得られた測定データから音場の周波数特性や位相特性等を算出し、各々のチャンネルに設けられた音場補正用イコライザの諸パラメータを調整して音場補正を行っている。
これを具体的に説明すれば、チャンネル毎にその可聴周波数帯域を9分割して、9バンド(63Hz,125Hz,250Hz,500Hz,1kHz,2kHz,4kHz,8kHz,16kHz)の固定周波数帯域のグラフィックイコライザ(以下“GEQ”という)を用いて音場補正を行っている。なお、各々のチャンネルにおいて異なるイコライザ特性が設定された場合でも、各チャンネル間における音響信号の位相差の拡大を防止すべく、これらのGEQの選択度(Q値)は比較的に低い値に抑えられている。
また、マイクロフォンから試験信号を集音して音圧分析を行う際に使用するバンドパスフィルタ(以下“BPF”という)も、上記のGEQの特性に準じて低い選択度(Q値)を持つ9バンドのBPFが用いられている。
このように、従来技術による音場補正ではその測定または補正の段階において、低い選択度(Q値)のBPF或いはGEQが用いられているので、例えば、低周波信号成分による定在波で生ずるピークの如く狭帯域で発生するピークに対し、測定時または補正時の周波数分解能が不足する。したがって、かかるBPFとGEQによる測定または補正を行った場合、ピークレベルの抑圧は達成できるが、当該ピークを含むブロードな帯域のスペクトラムに対して余剰な補正が加わり、該当するチャンネルの周波数特性を歪ませてしまうという問題があった。
一方、その中心周波数や選択度(Q値)を任意に調整できる、いわゆるパラメトリックイコライザを用いれば、上記の定在波によって生ずる狭帯域のピークにも比較的容易に追従が可能であり適正な補正を行うことができる。しかしながら、パラメトリックイコライザは、一般的にその選択度(Q値)が高く、チャンネル毎に異なる特性のフィルタが挿入された場合、各チャンネル間の位相関係が乱れて理想的な音場の再生が難しくなるという問題があった。
上記に鑑みて本発明の目的としては、定在波等の影響によって狭帯域に生ずるピークを適切に補正可能であり、かつ各チャンネル間の位相関係に変化を与えず、正しい音場を再生できるオーディオシステムを提供することが一例として挙げられる。
本発明の態様の1つは、複数の音響信号チャンネルの各々を経た音響信号を同一空間に出力して音場を形成するスピーカ群を含むオーディオシステムであって、互いに縦列接続されて前記音響信号チャンネルの一部を構成する2つの特性可変イコライザと、前記音響信号チャンネルを介して試験信号を供給しつつ前記音場における音圧を検知して音圧信号を得る音場特性検出部と、前記音圧信号に基づいて前記特性可変イコライザのイコライザ特性を個別にかつ前記音響信号チャンネル毎に調整する特性調整部とを含み、前記音場特性検出部は、可聴周波数帯域の低域の試験信号を生成した後に前記可聴周波数帯域の全域の試験信号を生成し、前記特性調整部は、前記音場特性検出部で生成される試験信号が低域信号のときに前記2つの特性可変イコライザのうち上流側イコライザのイコライザ特性を前記音響信号チャンネルの全てについて調整した後、前記音場特性検出部で生成される試験信号が全域信号のときに前記2つの特性可変イコライザのうち下流側イコライザのイコライザ特性を前記音響信号チャンネルの全てについて調整することを特徴としている。
図1は、本発明の一つの実施例であるオーディオシステムの構成を示すブロック図であり、
図2は、図1のオーディオシステムにおける信号処理回路20の内部構成を示すブロック図であり、
図3は、本実施例における第1ステップの処理動作を説明する機能ブロック図であり、
図4は、図3における低域特性分析用BPF群26を構成する各BPFのフィルタ特性を示す説明図であり、
図5は、本実施例における第2ステップの処理動作を説明する機能ブロック図であり、
図6は、図5における全域特性分析用BPF群28を構成する各BPFのフィルタ特性を示す説明図であり、
図7は、本実施例によるイコライザ調整の処理手順を示すフローチャートである。
本発明の好適な実施形態によれば、複数の音響信号チャンネルの各々を経た音響信号を同一空間に出力して音場を形成するスピーカ群を含むオーディオシステムが提供される。このオーディオシステムは、互いに縦列接続されて前記音響信号チャンネルの一部を構成する2つの特性可変イコライザと、前記音響信号チャンネルを介して試験信号を供給しつつ前記音場における音圧を検知して音圧信号を得る音場特性検出部と、前記音圧信号に基づいて前記特性可変イコライザのイコライザ特性を個別にかつ前記音響信号チャンネル毎に調整する特性調整部とを含んでいる。ここで、前記音場特性検出部は、異なる帯域の試験信号を選択的に生成して、前記特性調整部は、前記試験信号の帯域に応じて前記2つの特性可変イコライザのいずれか一方のイコライザ特性を調整する。
この実施形態によれば、定在波によるピークが生ずる低周波帯域を一方のイコライザで補正した後に、かかるイコライザによって得られた補正特性を試験信号に加えて、可聴周波数の全帯域の補正を行うイコライザ特性を調整するという2段階の補正を実施するので、音響信号の全帯域に亘りバランスのとれた音場補正を施すことが可能となる。
図1に、本発明の一つの実施例であるオーディオシステムの構成を示す。
同図において音源供給回路10は、例えば、CDプレーヤやDVDプレーヤ等のオーディオ信号の供給源となる回路または装置である。なお、本実施例では左右のフロント・スピーカー用チャンネル(L,R)、センター・スピーカー用チャンネル(C)、左右のサラウンド・スピーカー用チャンネル(SL,SR)、及び左右のサラウンド・バック・スピーカー用チャンネル(SBL,SBR)といった7.1チャンネルを含む複数チャンネルのステレオシステムを例に採って説明を行っているが、本発明の実施は、かかるチャンネル構成の高品位ステレオシステムにのみ限定されるものではない。
信号処理回路20は、音源供給回路10から供給される各チャンネルの音響信号の周波数特性等について種々の補正処理を施す回路である。なお、信号処理回路20の内部構成に関しては、後述する図2に示すブロック図を参照してさらに詳細な説明を行う。
測定用試験信号発生器(測定用SG)30(以下“信号発生器30”という)は、音場特性を測定するための試験信号を生成する回路である。本実施例では、音場測定用の試験信号としてホワイトノイズと、ホワイトノイズのスペクトラムに−3dB/octの重み付けをしたピンクノイズの2種類の信号を使用するが、本実施例で使用される試験信号の種類はこれらの信号に限定されるものでないことは言うまでもない。なお、ピンクノイズは、たとえば、ホワイトノイズをローパスフィルタでフィルタリングすることで得られ、オクターブ(oct)当たり−3dBの割合で低下するスペクトラムを持つ信号である。
信号処理回路20における信号処理は、全てデジタル領域においてその処理が実行される。従って、ユーザが聴取可能な音響信号を得るためには、かかるデジタル信号をアナログ信号に変換する必要がある。デジタル/アナログ(D/A)変換器40(以下“DAC40”という)は、この信号変換処理を実施する回路である。信号増幅器50は、DAC40から供給されるアナログ信号を所定のレベルにまで増幅する増幅回路である。図1からも明らかな如く、DAC40と信号増幅器50は、多チャンネル・オーディオシステムのチャンネル毎に設けられている。
スピーカ60は、信号増幅器50において所定のレベルにまで増幅された電気音響信号を、音圧変化を生じさせる音響信号に変換して音響空間に放射するデバイスである。スピーカ60は、フロント・スピーカー用チャンネル、サラウンド・スピーカー用チャンネル、或いはサラウンド・バック・スピーカー用チャンネル等の使途によって、若しくは各チャンネルの担う周波数帯域によって、チャンネル毎にその種類・形状・構造等を異ならしめるようにしても良い。
マイクロフォン70は、各スピーカ60から放射された音響信号の音圧変化を検知して、該検知した音圧変化を電気信号に変換するデバイスである。信号増幅器80は、マイクロフォン70から供給される電気信号を所定のレベルにまで増幅する回路であり、アナログ/デジタル(A/D)変換器90(以下“ADC90”という)は、信号増幅器80の出力であるアナログ信号をデジタル信号に変換する回路である。
なお、図1においてマイクロフォン70は1本のみが示されているが、本発明の実施はかかる事例に限定されるものではなく、音場内の複数の位置にマイクロフォンを設置して音場内における異なる位置の音圧を測定するようにしても良い。この場合、かかるマイクロフォンの増加に伴い、各マイクロフォンに接続される信号増幅器80、及びADC90が増えることは言うまでもない。
次に、信号処理回路20の内部構成について、図2に示すブロック図を参照しつつ説明を行う。
図2において、信号処理回路制御部21(以下“制御部21”という)は、主に、マイクロプロセッサ、RAMやROM等のメモリ、及びこれらの付属回路(いずれも図示せず)から構成された制御回路であり、信号処理回路20の各部を総括して制御する機能を有する回路である。
信号切換部22は、チャンネル毎に信号発生器30から出力される試験信号と音源供給回路から出力される音響信号とを切り換えて、後段のイコライザ回路群に供給する信号切換回路である。因みに、かかる信号の切り換えは、上記の制御部21からの指令によってチャンネル毎に行われる。
定在波制御イコライザ部(定在波制御EQ)23(以下“イコライザ23”という)は、各チャンネルの50Hzから250Hzまでの低周波帯域を補正するイコライザ回路群である。同回路群の各イコライザ23にはイコライザ特性を構成する複数のGEQが内蔵されており、かかるGEQの中心周波数や帯域幅などの各種のパラメータは、チャンネル毎に制御部21からの指令によって設定される。
音場補正イコライザ部(音場補正EQ)24(以下“イコライザ24”という)は、各チャンネルの全可聴周波数帯域(例えば、50Hzから24kHz)の周波帯域を補正するイコライザ回路群である。同回路群の各イコライザ24にもイコライザ特性を構成する複数のGEQが内蔵されており、上記のイコライザ23と同様に、これらのGEQの特性を決める各種のパラメータもチャンネル毎に制御部21からの指令によって設定される。
チャンネル処理回路(CH処理回路)25は、チャンネル毎に当該チャンネルの音響信号の遅延時間や減衰度或いは利得等の各特性を調整する回路であり、かかる調整も制御部21からの指令によってチャンネル毎に行われる。
なお、図2に示されるイコライザ23,イコライザ24、及びチャンネル処理回路25の接続順序は、一つの実施例を表すものに過ぎず、本発明の実施がかかる構成に限定されるものでないことは言うまでもない。
また、図2に示される事例では、信号処理回路20の内部をディスクリートな複数の機能ブロックに分けて説明を行っているが、本発明の実施はかかる事例に限定されるものではない。例えば、信号処理回路20を、一または数チップから成るDSP(Digital Signal Processor)で構成して、以上に説明した各機能ブロックによる処理をDSPによるソフトウェア演算処理によって実現するようにしてもよい。
続いて、本実施例によるオーディオシステムの処理動作について以下に説明を行う。因みに、本実施例における処理動作は、チャンネル毎に、イコライザ23(定在波制御イコライザ)を構成するGEQの各種パラメータを決定する第1ステップと、各チャンネルの特性に第1ステップで決定されたイコライザ23による補正を施した上で、イコライザ24(音場補正イコライザ)を構成するGEQの各種パラメータを決定する第2ステップとに大別される。
先ず、上記の第1ステップの動作について図3に示す機能ブロック図を用いて説明する。因みに、第1ステップでは、定在波が発生して音響空間に聴覚的な問題をもたらす低周波帯域(50〜250Hz)の周波数範囲を、高分解能の分析用BPF群でスペクトラム分析を行って生ずるピーク周波数とピークの盛り上がりの幅を検出する。そして、かかるピークを補正すべく、イコライザ23を構成する複数のGEQの各種パラメータを決定する。なお、図3は1つのチャンネルにおける処理動作を説明するものであり、例えばチャンネル処理回路25の如く、本発明の処理動作の本質に直接的に関係しない部分についてはその記載及び説明を省略している。
先ず、図3において、信号発生器30は、音場特性の測定において充分に細かい周波数分解能を得るべく、その内蔵するM系列(Maximum length code)発生器31からM系列のランダムノイズを発生させる。同発生器から出力されたノイズ信号は、例えば、カットオフ周波数が500Hzで、−12dB/octの傾斜の特性を有する低域フィルタ32を通して低周波帯域以外の成分を除去した後、DAC40、信号増幅器50等を介してスピーカ60に供給される。なお、このときに信号切換部22の信号切換スイッチは、試験信号の側に切り換えられていることは言うまでもない。
スピーカ60から放射された音響信号の音圧変化は、音場における音響空間内を伝搬した後、マイクロフォン70により検知されて当該音圧変化に追従した電気信号に変換される。そして、かかる電気信号は、信号増幅器80及びADC90を介して、制御部21の内部に設けられた低域特性分析用BPF群26(以下“BPF群26”という)に供給される。
BPF群26は、定在波の影響が大きい低周波帯域の分析用に設けられたBPF群である。BPF群26は高い周波数分解能を得るべく、図4に示す如く、例えば、50Hz〜250Hzの低周波帯域を、選択度(Q値)が比較的に高い(Q値=20程度)33個のBPFで分割して構成するようにしても良い。
制御部21のマイクロプロセッサ(図示せず)は、BPF群26を構成する33個のBPFを逐次走査して、定在波によって低周波帯域に生ずピークの存在を極めて高い周波数分解能の下に検出する。なお、BPF群26を構成する各BPFは、そのQ値が高く信号の群遅延時間が大きいので、測定データの取得時間を、例えば、1.4秒程度と長く設定することにより正確なデータを得ることができる。
制御部21のマイクロプロセッサは、かかる測定結果に基づいて定在波制御イコライザのフィルタ係数設定回路27(以下“設定回路27”という)を用いて、イコライザ23を構成する各GEQのパラメータを決定する。かかるGEQのパラメータとしては、例えば、イコライザ23を構成する各GEQの中心周波数fO、選択度(Q値)、減衰量ATTなどである。
ところで、音響空間に生ずる定在波は、音場であるリスニングルームの形状、寸法、或いは環境により決定される性質を有する。それ故、定在波によって低域周波数に生ずるピーク周波数は、各チャンネルにおいて大きな差が生じることはない。本実施例では、かかる性質に注目して、イコライザ23を構成する各GEQのパラメータは、基本的に全てのチャンネルについて同一の値を使用するものとする。
ただし、例えば7.1chステレオシステムのCチャンネルやSWチャンネルのように、音響出力デバイスがリスニングルームの床に直接置かれる可能性の高いチャンネルに関しては、定在波の影響が他のチャンネルと異なる可能性が高い。それ故、例えば、フロントやサラウンドと明らかに異なる特性データが測定された場合には、CチャンネルやSWチャンネルに関して、他のチャンネルと異なるパラメータを設定する。なお、かかる場合であっても、その他のチャンネルに関しては同一のパラメータを設定する。
因みに、イコライザ23を構成する各GEQに共通のパラメータを設定する手法としては、以下に示すような種々の方法が考えられる。
例えば、フロントチャンネルにおける測定データから一番大きなピークを選出し、かかるピークを補正するようにイコライザ23を構成する1つのGEQのパラメータを設定する。そして、かかる係数設定が施されたイコライザ23を用いて再度フロントチャンネルの測定を行い、イコライザ23に含まれる2つ目以降のGEQのパラメータを設定する。その後、サラウンドなどの他のチャンネルによる測定を繰り返して、順次イコライザ23を構成する各GEQのパラメータを設定して行くようにしても良い。或いは、各チャンネルの測定データを平均して、かかる平均値から求めたピークを補正するようにイコライザ23を構成する各GEQのパラメータを設定するようにしても良い。なお、第1ステップにおける処理動作は、図7のフローチャートのステップSO1及びSO2によって示されている。
次に、本実施例における第2ステップの処理動作について、図5に示す機能ブロック図を参照しつつ説明を行う。第1ステップの場合と同様に、同図は1つのチャンネルにおける処理動作を機能的に表したブロック図である。
図5において、信号発生器30はその内蔵するピンクノイズ発生器33から、ホワイトノイズに−3bB/octのウェイトを施したピンクノイズを試験信号として発生させる。ピンクノイズ発生器33から出力された試験信号は、信号切換部22の信号切換スイッチを経由して、イコライザ23、及びイコライザ24の縦列接続部に供給される。
このとき、定在波制御を司るイコライザ23を構成する各フィルタには、上述のステップ1において制御部21内部の設定回路27によって決定された各パラメータが設定されている。一方、音場補正を司るイコライザ24は、その特性が補正前のフラットな特性に設定されている。
上記2つのイコライザを経た試験信号は、DAC40、信号増幅器50等を介してスピーカ60に供給される。スピーカ60から放射された音響信号の音圧変化は、音場における音響空間内を伝搬した後、マイクロフォン70により検知されてかかる音圧変化に追従した電気信号に変換される。そして、当該電気信号は、信号増幅器80及びADC90を介して、制御部21の内部に設けられた全域特性分析用BPF群28(以下“BPF群28”という)に供給される。
BPF群28は、図1に示されるオーディオシステムにおける全周波数帯域の分析用に設けられたBPF群である。BPF群28は、図6に示す如く、その中心周波数が63Hz、125Hz、250Hz、500Hz、1kHz、2kHz、4kHz、8kHz、16kHzの、比較的にQ値の低い9つのBPFにより構成されている。なお、同図に示されるBPF群28の構成は、一つの事例を示すものであって、本発明の実施がかかる構成に限定されるものではないことは言うまでもない。
制御部21のマイクロプロセッサは(図示せず)、BPF群28を構成する9つのバンドのBPFを逐次走査して全帯域における音響空間の周波数特性を測定する。そして、かかる測定結果に基づいて音場補正イコライザのフィルタ係数設定回路29(以下“設定回路29”という)を用いて、イコライザ24を構成する各BPFのパラメータを決定する。かかるパラメータは、例えば、各BPFの中心周波数fO、選択度(Q値)、減衰量ATTなどである。
制御部21のマイクロプロセッサは、設定回路29によって決定されたパラメータをイコライザ24に含まれる各GEQに設定すると、再びピンクノイズ発生器33からの試験信号による試験を繰り返してイコライザ24に設定されるパラメータを逐次修正して行く。なお、定在波制御用のイコライザ23に設定されたパラメータは、前述の第1ステップにおいて設定された値が引き続き保持されるものとする。本実施例では、かかる繰り返しを所定回数行うことによってイコライザ24における音場補正特性の精度を高めることができる。なお、第2ステップにおける処理動作は、図7のフローチャートのステップSO3及びSO4によって示されている。
以上に説明した如く、本実施例によれば、定在波による影響の大きい低周波帯域については高いQ値の狭帯域フィルタを多数使用したBPF群を用いて周波数分析を行うので、定在波の影響によるピーク検出に対して充分な周波数分解能が得られる。また、試験信号としてM系列発生器によるホワイトノイズを使用するので信号スペクトラムの隔たりがなく測定精度を向上させることができる。
さらに、本実施例においては、比較的にQ値の高いフィルタが用いられる定在波制御イコライザについて、基本的に各チャンネルに同一のパラメータが設定されるので、各チャンネル間の位相が一致して正しい音場特性を作ることができる。
また、本実施例では、定在波制御イコライザの特性補正を行った後に、かかる補正済みのイコライザ特性を試験信号のピンクノイズに設定した上で、音場補正イコライザの特性補正を行うので、音場補正イコライザの全帯域をカバーするバンド間のバランスを揃えることができる。
因みに、従来の音場補正では定在波によるピークがあると補正結果が不安定となり、音場補正イコライザの補正特性の収斂に時間を要したが、本実施例によれば音場補正イコライザの特性補正時に定在波によるピークが事前に抑圧されているので、補正値が激しく変化せずに短時間の内に補正特性を収斂させることができる。
なお、以上に説明した実施例では、定在波制御イコライザの補正試験信号としてM系列発生器からのホワイトノイズを使用したが、M系列発生器の出力信号に所定のフィルタリングを施した信号を用いるようにしても良い。また、M系列ではなく、例えば、長い時間のインパルス応答の取得、或いは、長い点数のFFT(Fast Fourier Transform)処理による生成信号を用いるようにしても良い。
また、各チャンネル信号間の位相の一致に関しては、FIR(Finite Impulse Response)フィルタを用いて位相の一致を実現するようにしても良い。
また、オーディオシステムの全帯域をさらに細かく高分解能フィルタで分析して、イコライザの補正用フィルタも狭帯域のものを多数使用するようにしても良い。或いはFIRフィルタを用いてかかる方式を実現するようにしても良い。
本出願は、日本国特許出願第2005−202307号を基礎とし、この基礎出願の内容を引用して援用するものである。(This application is based on Japanese Patent Application No.2005−202307 which is hereby incorporated by reference)

Claims (7)

  1. 複数の音響信号チャンネルの各々を経た音響信号を同一空間に出力して音場を形成するスピーカ群を含むオーディオシステムであって、
    互いに縦列接続されて前記音響信号チャンネルの一部を構成する2つの特性可変イコライザと、
    前記音響信号チャンネルを介して試験信号を供給しつつ前記音場における音圧を検知して音圧信号を得る音場特性検出部と、
    前記音圧信号に基づいて前記特性可変イコライザのイコライザ特性を個別にかつ前記音響信号チャンネル毎に調整する特性調整部と、を含み、
    前記音場特性検出部は、可聴周波数帯域の低域の試験信号を生成した後に前記可聴周波数帯域の全域の試験信号を生成し、
    前記特性調整部は、前記音場特性検出部で生成される試験信号が低域信号のときに前記2つの特性可変イコライザのうち上流側イコライザのイコライザ特性を前記音響信号チャンネルの全てについて調整した後、前記音場特性検出部で生成される試験信号が全域信号のときに前記2つの特性可変イコライザのうち下流側イコライザのイコライザ特性を前記音響信号チャンネルの全てについて調整することを特徴とするオーディオシステム。
  2. 前記特性調整部は、前記音場特性検出部で生成される試験信号が低域信号のときに使用される低域特性分析用のバンドパスフィルタ群と、前記音場特性検出部で生成される試験信号が全域信号のときに使用される全域特性分析用のバンドパスフィルタ群と、を有し、 前記低域特性分析用のバンドパスフィルタ群のQ値は前記全域特性分析用のバンドパスフィルタ群のQ値よりも高いことを特徴とする請求項1に記載のオーディオシステム。
  3. 前記特性調整部は、前記上流側イコライザのイコライザ特性を前記音響信号チャンネルの全てに亘って同一の特性とすることを特徴とする請求項1に記載のオーディオシステム。
  4. 前記特性調整部は、前記上流側イコライザのイコライザ特性を前記音響信号チャンネルの一部のチャンネルについて、同一の特性に設定された他のチャンネルとは異なる特性とすることを特徴とする請求項1に記載のオーディオシステム。
  5. 前記低域信号は、M系列の状態変数発生器によって生成された白色雑音信号であり、前記全域信号は、前記白色雑音のスペクトラムに所定の重み付けを施した雑音信号であることを特徴とする請求項1に記載のオーディオシステム。
  6. 前記低域信号は、50ヘルツ乃至250ヘルツの低周波数帯域に亘る信号であり、前記全域信号は、前記低周波数帯域を含む可聴周波数の全帯域に亘る信号であることを特徴とする請求項1に記載のオーディオシステム。
  7. 前記音場特性検出部は、前記音場内の1つ又は複数の位置における音圧を検出することを特徴とする請求項1に記載のオーディオシステム。
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