JP2023047707A - フィルタ生成装置、及びフィルタ生成方法 - Google Patents

フィルタ生成装置、及びフィルタ生成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023047707A
JP2023047707A JP2021156784A JP2021156784A JP2023047707A JP 2023047707 A JP2023047707 A JP 2023047707A JP 2021156784 A JP2021156784 A JP 2021156784A JP 2021156784 A JP2021156784 A JP 2021156784A JP 2023047707 A JP2023047707 A JP 2023047707A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
correction
frequency
unit
level
filter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021156784A
Other languages
English (en)
Inventor
寿子 村田
Toshiko Murata
敬洋 下条
Takahiro Shimojo
優美 藤井
Yumi Fujii
正也 小西
Masaya Konishi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JVCKenwood Corp
Original Assignee
JVCKenwood Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JVCKenwood Corp filed Critical JVCKenwood Corp
Priority to JP2021156784A priority Critical patent/JP2023047707A/ja
Priority to US17/939,883 priority patent/US20230114777A1/en
Publication of JP2023047707A publication Critical patent/JP2023047707A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Stereophonic System (AREA)
  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)

Abstract

【課題】頭外定位処理に適したフィルタを生成することができるフィルタ生成装置、及びフィルタ生成方法を提供する。【解決手段】本実施の形態にかかる処理装置は、収音信号に基づいて、周波数特性を取得する周波数特性取得部221と、再生機器の性能を判定する判定部242と、判定部242の判定結果に応じて、レベルレンジを設定するレベルレンジ設定部224と、記レベルレンジに基づいて周波数特性を補正することで、補正特性を算出する補正部225と、補正特性に基づいて、補正フィルタを生成するフィルタ生成部と、を備えている。【選択図】図12

Description

本開示は、フィルタ生成装置、及びフィルタ生成方法に関する。
音像定位技術として、ヘッドホンを用いて受聴者の頭部の外側に音像を定位させる頭外定位技術がある。頭外定位技術では、ヘッドホンから耳までの特性(ヘッドホン特性)をキャンセルし、1つのスピーカ(モノラルスピーカ)から耳までの2本の特性(空間音響伝達特性)を与えることにより、音像を頭外に定位させている。
ステレオスピーカの頭外定位再生においては、2チャンネル(以下、chと記載)のスピーカから発した測定信号(インパルス音等)を聴取者(リスナー)本人の耳に設置したマイクロフォン(以下、マイクとする)で録音する。そして、測定信号を収音して得られた収音信号に基づいて、処理装置がフィルタを生成する。生成したフィルタを2chのオーディオ信号に畳み込むことにより、頭外定位再生を実現することができる。
さらに、ヘッドホンから耳までの特性をキャンセルするフィルタ(逆フィルタともいう)を生成するために、ヘッドホンから耳元乃至鼓膜までの特性(外耳道伝達関数ECTF、外耳道伝達特性とも称する)を聴取者本人の耳に設置したマイクで測定する。
特許文献1には、頭外定位処理を行う装置が開示されている。さらに、特許文献1では、頭外定位処理が再生信号に対して、DRC(Dynamic Range Compression)処理を行っている。DRC処理において、処理装置が周波数特性を平滑化している。さらに、処理装置が、平滑化した特性に基づいて帯域分割を行っている。
特開2019-62430号公報
このような頭外定位受聴では、特定の再生機器に限定されずに、処理を行うことが望まれる。例えば、再生機器として、ユーザが所有するヘッドホンを用いた場合であっても、適切に頭外定位処理を行うことが望まれる。あるいは、ユーザが普段使用しているスピーカを再生機器として設置している環境での空間音響伝達特性を再現することが望まれる。
再生機器を変えてしまうと伝達特性が変化してしまうおそれがある。したがって、ユーザが利用している再生機器を用いて、ユーザの個人特性(空間音響伝達特性及び外耳道伝達特性)を測定することが好ましい。個人特性を測定した場合でも、周波数特性において急峻なピークやディップが発生するため、頭外定位処理された信号がクリップすることがある。
ピークやディップは、スピーカやヘッドホンなどの再生機器の特性、又は、測定環境となる部屋の音響特性特性によって変化する。また、ピークやディップは、ユーザ個人の頭部や耳の形状によっても変化する。よって、ピークやディップのレベルや周波数は、種々の原因によって変わる。再生機器や測定環境などによって、その特性を確認して、再生機器や測定環境などに応じた調整を行う必要が生じてしまう。
本開示は上記の点に鑑みなされたものであり、頭外定位処理に適したフィルタを生成することができるフィルタ生成装置、及びフィルタ生成方法を提供することを目的とする。
本実施の形態にかかるフィルタ生成装置は、収音信号に基づいて、周波数特性を取得する周波数特性取得部と、再生機器の性能を判定する判定部と、前記判定部の判定結果に応じて、レベルレンジを設定するレベルレンジ設定部と、前記レベルレンジに基づいて前記周波数特性を補正することで、補正特性を算出する補正部と、前記補正特性に基づいて、補正フィルタを生成するフィルタ生成部と、を備えている。
本実施の形態にかかるフィルタ生成方法は、収音信号に基づいて、周波数特性を取得するステップと、再生機器の性能を判定するステップと、判定結果に応じて、レベルレンジを設定するステップと、前記レベルレンジに基づいて前記周波数特性を補正することで、補正特性を算出するステップと、前記補正特性に基づいて、補正フィルタを生成するステップと、を備えている。
本開示によれば、頭外定位処理に適したフィルタを生成することができるフィルタ生成装置、及びフィルタ生成方法を提供することができる。
本実施の形態に係る頭外定位処理装置を示すブロック図である。 空間音響伝達特性を測定する測定装置の構成を模式的に示す図である。 外耳道伝達特性を測定する測定装置の構成を模式的に示す図である。 処理装置の構成を示す制御ブロック図である。 処理装置におけるフィルタ生成方法を示すフローチャートである。 補正処理の処理例1を示すフローチャートである。 処理例1による補正前後の周波数振幅特性を示すグラフである。 補正処理の処理例2を示すフローチャートである。 処理例2による補正前後の周波数振幅特性を示すグラフである。 補正処理の処理例4を示すフローチャートである。 処理例4による周波数帯域を示すグラフである。 実施の形態2にかかる処理装置の構成を示すブロック図である。
本実施の形態にかかる音像定位処理の概要について説明する。本実施の形態にかかる頭外定位処理は、空間音響伝達特性と外耳道伝達特性を用いて頭外定位処理を行うものである。空間音響伝達特性は、スピーカなどの音源から外耳道までの伝達特性である。外耳道伝達特性は、ヘッドホン又はイヤホンのスピーカユニットから鼓膜までの伝達特性である。本実施の形態では、ヘッドホン又はイヤホンを装着していない状態での空間音響伝達特性を測定し、かつ、ヘッドホン又はイヤホンを装着した状態での外耳道伝達特性を測定し、それらの測定データを用いて頭外定位処理を実現している。本実施の形態は、空間音響伝達特性、又は外耳道伝達特性を測定するためのマイクシステムに特徴を有している。
本実施の形態にかかる頭外定位処理は、パーソナルコンピュータ、スマートホン、タブレットPCなどのユーザ端末で実行される。ユーザ端末は、プロセッサ等の処理手段、メモリやハードディスクなどの記憶手段、液晶モニタ等の表示手段、タッチパネル、ボタン、キーボード、マウスなどの入力手段を有する情報処理装置である。ユーザ端末は、データを送受信する通信機能を有していてもよい。さらに、ユーザ端末には、ヘッドホン又はイヤホンを有する出力手段(出力ユニット)が接続される。ユーザ端末と出力手段との接続は、有線接続でも無線接続でもよい。
実施の形態1.
(頭外定位処理装置)
本実施の形態にかかる音場再生装置の一例である、頭外定位処理装置100のブロック図を図1に示す。頭外定位処理装置100は、ヘッドホン43を装着するユーザUに対して音場を再生する。そのため、頭外定位処理装置100は、LchとRchのステレオ入力信号XL、XRについて、音像定位処理を行う。LchとRchのステレオ入力信号XL、XRは、CD(Compact Disc)プレイヤーなどから出力されるアナログのオーディオ再生信号、又は、mp3(MPEG Audio Layer-3)等のデジタルオーディオデータである。なお、オーディオ再生信号、又はデジタルオーディオデータをまとめて再生信号と称する。すなわち、LchとRchのステレオ入力信号XL、XRが再生信号となっている。
なお、頭外定位処理装置100は、物理的に単一な装置に限られるものではなく、一部の処理が異なる装置で行われてもよい。例えば、一部の処理がスマートホンなどにより行われ、残りの処理がヘッドホン43に内蔵されたDSP(Digital Signal Processor)などにより行われてもよい。
頭外定位処理装置100は、頭外定位処理部10、逆フィルタLinvを格納するフィルタ部41、逆フィルタRinvを格納するフィルタ部42、及びヘッドホン43を備えている。頭外定位処理部10、フィルタ部41、及びフィルタ部42は、具体的にはプロセッサ等により実現可能である。
頭外定位処理部10は、空間音響伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsを格納する畳み込み演算部11~12、21~22、及び加算器24、25を備えている。畳み込み演算部11~12、21~22は、空間音響伝達特性を用いた畳み込み処理を行う。頭外定位処理部10には、CDプレイヤーなどからのステレオ入力信号XL、XRが入力される。頭外定位処理部10には、空間音響伝達特性が設定されている。頭外定位処理部10は、各chのステレオ入力信号XL、XRに対し、空間音響伝達特性のフィルタ(以下、空間音響フィルタとも称する)を畳み込む。空間音響伝達特性は被測定者の頭部や耳介で測定した頭部伝達関数HRTFでもよいし、ダミーヘッドまたは第三者の頭部伝達関数であってもよい。
4つの空間音響伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsを1セットとしたものを空間音響伝達関数とする。畳み込み演算部11、12、21、22で畳み込みに用いられるデータが空間音響フィルタとなる。空間音響伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsを所定のフィルタ長で切り出すことで、空間音響フィルタが生成される。
空間音響伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsのそれぞれは、インパルス応答測定などにより、事前に取得されている。例えば、ユーザUが左右の耳にマイクをそれぞれ装着する。ユーザUの前方に配置された左右のスピーカが、インパルス応答測定を行うための、インパルス音をそれぞれ出力する。そして、スピーカから出力されたインパルス音等の測定信号をマイクで収音する。マイクでの収音信号に基づいて、空間音響伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsが取得される。左スピーカと左マイクとの間の空間音響伝達特性Hls、左スピーカと右マイクとの間の空間音響伝達特性Hlo、右スピーカと左マイクとの間の空間音響伝達特性Hro、右スピーカと右マイクとの間の空間音響伝達特性Hrsが測定される。
そして、畳み込み演算部11は、Lchのステレオ入力信号XLに対して空間音響伝達特性Hlsに応じた空間音響フィルタを畳み込む。畳み込み演算部11は、畳み込み演算データを加算器24に出力する。畳み込み演算部21は、Rchのステレオ入力信号XRに対して空間音響伝達特性Hroに応じた空間音響フィルタを畳み込む。畳み込み演算部21は、畳み込み演算データを加算器24に出力する。加算器24は2つの畳み込み演算データを加算して、フィルタ部41に出力する。
畳み込み演算部12は、Lchのステレオ入力信号XLに対して空間音響伝達特性Hloに応じた空間音響フィルタを畳み込む。畳み込み演算部12は、畳み込み演算データを、加算器25に出力する。畳み込み演算部22は、Rchのステレオ入力信号XRに対して空間音響伝達特性Hrsに応じた空間音響フィルタを畳み込む。畳み込み演算部22は、畳み込み演算データを、加算器25に出力する。加算器25は2つの畳み込み演算データを加算して、フィルタ部42に出力する。
フィルタ部41、42にはヘッドホン特性(ヘッドホンの再生ユニットとマイク間の特性)をキャンセルする逆フィルタLinv、Rinvが設定されている。そして、頭外定位処理部10での処理が施された再生信号(畳み込み演算信号)に逆フィルタLinv、Rinvを畳み込む。フィルタ部41で加算器24からのLch信号に対して、Lch側のヘッドホン特性の逆フィルタLinvを畳み込む。同様に、フィルタ部42は加算器25からのRch信号に対して、Rch側のヘッドホン特性の逆フィルタRinvを畳み込む。逆フィルタLinv、Rinvは、ヘッドホン43を装着した場合に、ヘッドホンユニットからマイクまでの特性をキャンセルする。マイクは、外耳道入口から鼓膜までの間ならばどこに配置してもよい。
フィルタ部41は、処理されたLch信号YLをヘッドホン43の左ユニット43Lに出力する。フィルタ部42は、処理されたRch信号YRをヘッドホン43の右ユニット43Rに出力する。ユーザUは、ヘッドホン43を装着している。ヘッドホン43は、Lch信号YLとRch信号YR(以下、Lch信号YLとRch信号YRをまとめてステレオ信号とも称する)をユーザUに向けて出力する。これにより、ユーザUの頭外に定位された音像を再生することができる。
このように、頭外定位処理装置100は、空間音響伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsに応じた空間音響フィルタと、ヘッドホン特性の逆フィルタLinv,Rinvを用いて、頭外定位処理を行っている。以下の説明において、空間音響伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsに応じた空間音響フィルタと、ヘッドホン特性の逆フィルタLinv,Rinvとをまとめて頭外定位処理フィルタとする。2chのステレオ再生信号の場合、頭外定位フィルタは、4つの空間音響フィルタと、2つの逆フィルタとから構成されている。そして、頭外定位処理装置100は、ステレオ再生信号に対して合計6個の頭外定位フィルタを用いて畳み込み演算処理を行うことで、頭外定位処理を実行する。頭外定位フィルタは、ユーザU個人の測定に基づくものであることが好ましい。例えば,ユーザUの耳に装着されたマイクが収音した収音信号に基づいて、頭外定位フィルタが設定されている。
このように空間音響フィルタと、ヘッドホン特性の逆フィルタLinv,Rinvはオーディオ信号用のフィルタである。これらのフィルタが再生信号(ステレオ入力信号XL、XR)に畳み込まれることで、頭外定位処理装置100が、頭外定位処理を実行する。本実施の形態では、空間音響フィルタを生成する処理が技術的特徴の一つとなっている。具体的には、空間音響フィルタを生成する処理において、周波数特性のレベルレンジ圧縮が施されている。
(空間音響伝達特性の測定装置)
図2を用いて、空間音響伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsを測定する測定装置200について説明する。図2は、被測定者1に対して測定を行うための測定構成を模式的に示す図である。なお、ここでは、被測定者1は、図1のユーザUと同一人物となっているが、異なる人物であってもよい。
図2に示すように、測定装置200は、ステレオスピーカ5とマイクユニット2を有している。ステレオスピーカ5が測定環境に設置されている。測定環境は、ユーザUの自宅の部屋やオーディオシステムの販売店舗やショールーム等でもよい。測定環境は、スピーカや音響の整ったリスニングルームであることが好ましい。
本実施の形態では、測定装置200の処理装置201が、空間音響フィルタを適切に生成するための演算処理を行っている。処理装置201は、例えば、CDプレイヤー等の音楽プレイヤーなどを有している。処理装置201は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット端末、スマートホン等であってもよい。また、処理装置201は、サーバ装置自体であってもよい。
ステレオスピーカ5は、左スピーカ5Lと右スピーカ5Rを備えている。例えば、被測定者1の前方に左スピーカ5Lと右スピーカ5Rが設置されている。左スピーカ5Lと右スピーカ5Rは、インパルス応答測定を行うためのインパルス音等を出力する。以下、本実施の形態では、音源となるスピーカの数を2(ステレオスピーカ)として説明するが、測定に用いる音源の数は2に限らず、1以上であればよい。すなわち、1chのモノラル、または、5.1ch、7.1ch等の、いわゆるマルチチャンネル環境においても同様に、本実施の形態を適用することができる。
マイクユニット2は、左のマイク2Lと右のマイク2Rを有するステレオマイクである。左のマイク2Lは、被測定者1の左耳9Lに設置され、右のマイク2Rは、被測定者1の右耳9Rに設置されている。具体的には、左耳9L、右耳9Rの外耳道入口から鼓膜までの位置にマイク2L、2Rを設置することが好ましい。マイク2L、2Rは、ステレオスピーカ5から出力された測定信号を収音して、収音信号を取得する。マイク2L、2Rは収音信号を処理装置201に出力する。被測定者1は、人でもよく、ダミーヘッドでもよい。すなわち、本実施形態において、被測定者1は人だけでなく、ダミーヘッドを含む概念である。
上記のように、左スピーカ5L、右スピーカ5Rで出力されたインパルス音をマイク2L、2Rで測定することでインパルス応答が測定される。処理装置201は、インパルス応答測定により取得した収音信号をメモリなどに記憶する。これにより、左スピーカ5Lと左マイク2Lとの間の空間音響伝達特性Hls、左スピーカ5Lと右マイク2Rとの間の空間音響伝達特性Hlo、右スピーカ5Rと左マイク2Lとの間の空間音響伝達特性Hro、右スピーカ5Rと右マイク2Rとの間の空間音響伝達特性Hrsが測定される。すなわち、左スピーカ5Lから出力された測定信号を左マイク2Lが収音することで、空間音響伝達特性Hlsが取得される。左スピーカ5Lから出力された測定信号を右マイク2Rが収音することで、空間音響伝達特性Hloが取得される。右スピーカ5Rから出力された測定信号を左マイク2Lが収音することで、空間音響伝達特性Hroが取得される。右スピーカ5Rから出力された測定信号を右マイク2Rが収音することで、空間音響伝達特性Hrsが取得される。
また、測定装置200は、収音信号に基づいて、左右のスピーカ5L、5Rから左右のマイク2L、2Rまでの空間音響伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsに応じた空間音響フィルタを生成してもよい。例えば、処理装置201は、空間音響伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsを所定のフィルタ長で切り出す。処理装置201は、測定した空間音響伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsを補正してもよい。
このようにすることで、処理装置201は、頭外定位処理装置100の畳み込み演算に用いられる空間音響フィルタを生成する。図1で示したように、頭外定位処理装置100が、左右のスピーカ5L、5Rと左右のマイク2L、2Rとの間の空間音響伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsに応じた空間音響フィルタを用いて頭外定位処理を行う。すなわち、空間音響フィルタをオーディオ再生信号に畳み込むことにより、頭外定位処理を行う。
処理装置201は、空間音響伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsのそれぞれに対応する収音信号に対して同様の処理を実施している。すなわち、空間音響伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsに対応する4つの収音信号に対して、それぞれ同様の処理が実施される。これにより、空間音響伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsに対応する空間音響フィルタをそれぞれ生成することができる。
(外耳道伝達特性の測定装置)
外耳道伝達特性の測定装置300について、図3を用いて説明する。図3は、ユーザUに対して伝達特性を測定するための構成を示している。測定装置300は、逆フィルタを生成するために、外耳道伝達特性を測定する。測定装置300は、マイクユニット2と、ヘッドホン43と、処理装置301と、を備えている。なお、ここでは、被測定者1は、図1のユーザUと同一人物となっているが、異なる人物であってもよい。
本実施の形態では、測定装置300の処理装置301が、測定結果に応じて、フィルタを適切に生成するための演算処理を行っている。処理装置301は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット端末、スマートホン等であり、メモリ、及びプロセッサを備えている。メモリは、処理プログラムや各種パラメータや測定データなどを記憶している。プロセッサは、メモリに格納された処理プログラムを実行する。プロセッサが処理プログラムを実行することで、各処理が実行される。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor),ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又は、GPU(Graphics Processing Unit)等であってもよい。
また、図3の処理装置301は、図2の処理装置301と物理的に同じ処理装置であってもよく、異なる処理装置であってもよい。つまり、図2と図3の測定は、同じ処理装置を用いて行われる構成に限られるものではない。例えば、図2に示す測定は、リスリングルームなどの設置された測定専用の処理装置201で行われ、図3に示す測定はスマートホンなどの汎用の処理装置301で行われてもよい。
処理装置301には、マイクユニット2と、ヘッドホン43と、が接続されている。なお、マイクユニット2は、ヘッドホン43に内蔵されていてもよい。マイクユニット2は、左マイク2Lと、右マイク2Rとを備えている。左マイク2Lは、ユーザUの左耳9Lに装着される。右マイク2Rは、ユーザUの右耳9Rに装着される。処理装置301は、頭外定位処理装置100と同じ処理装置であってもよく、異なる処理装置であってよい。また、ヘッドホン43の代わりにイヤホンを用いることも可能である。
ヘッドホン43は、ヘッドホンバンド43Bと、左ユニット43Lと、右ユニット43Rとを、有している。ヘッドホンバンド43Bは、左ユニット43Lと右ユニット43Rとを連結する。左ユニット43LはユーザUの左耳9Lに向かって音を出力する。右ユニット43RはユーザUの右耳9Rに向かって音を出力する。ヘッドホン43は密閉型、開放型、半開放型、または半密閉型等である、ヘッドホンの種類を問わない。マイクユニット2がユーザUに装着された状態で、ユーザUがヘッドホン43を装着する。すなわち、左マイク2L、右マイク2Rが装着された左耳9L、右耳9Rにヘッドホン43の左ユニット43L、右ユニット43Rがそれぞれ装着される。ヘッドホンバンド43Bは、左ユニット43Lと右ユニット43Rとをそれぞれ左耳9L、右耳9Rに押し付ける付勢力を発生する。
左マイク2Lは、ヘッドホン43の左ユニット43Lから出力された音を収音する。右マイク2Rは、ヘッドホン43の右ユニット43Rから出力された音を収音する。左マイク2L、及び右マイク2Rのマイク部は、外耳孔近傍の収音位置に配置される。左マイク2L、及び右マイク2Rは、ヘッドホン43に干渉しないように構成されている。すなわち、左マイク2L、及び右マイク2Rは左耳9L、右耳9Rの適切な位置に配置された状態で、ユーザUがヘッドホン43を装着することができる。
処理装置301は、ヘッドホン43に対して測定信号を出力する。これにより、ヘッドホン43はインパルス音などを発生する。具体的には、左ユニット43Lから出力されたインパルス音を左マイク2Lで測定する。右ユニット43Rから出力されたインパルス音を右マイク2Rで測定する。測定信号の出力時に、マイク2L、2Rが収音信号を取得することで、インパルス応答測定が実施される。
処理装置301は、マイク2L、2Rからの収音信号に対して、同様の処理を行うことで、逆フィルタLinv、Rinvを生成する。
(レベルレンジ圧縮)
測定装置200と測定装置300の少なくとも一方において、収音信号の周波数特性が所定のレベルレンジに収まるようにレンジを圧縮する処理が行われる。以下の説明では、測定装置200において、空間音響伝達特性Hls、Hloに対応する収音信号の周波数特性のレベルレンジを圧縮する処理について説明を行う。つまり、測定装置200において、空間音響伝達特性Hro、Hrsに対応する収音信号の周波数特性のレベルレンジを圧縮する処理については、以下に説明する処理と同様であるため説明を適宜、省略する。同様に、測定装置300において、左右の外耳道伝達特性に対する収音信号の周波数特性のレベルレンジを圧縮する処理についても、以下に説明する処理と同様であるため、適宜説明を省略する。
以下、図4は、測定装置200の処理装置201の構成を示すブロック図である。処理装置201は、測定信号生成部211と、収音信号取得部212と、セグメンタルパワー取得部215と、周波数特性取得部221と、レベル算出部223と、レベルレンジ設定部224と、補正部225と、調整部231と、逆変換部232と、を備えている。逆変換部232と調整部231がフィルタ生成部230として機能する。
測定信号生成部211は、D/A変換器やアンプなどを備えており、空間音響伝達特性や外耳道伝達特性を測定するための測定信号を生成する。測定信号は、例えば、インパルス信号やTSP(Time Stretched Pulse)信号等である。ここでは、測定信号としてインパルス音を用いて、測定装置200がインパルス応答測定を実施している。測定信号生成部211は、測定信号をステレオスピーカ5にそれぞれ出力する。ここでは、空間音響伝達特性Hls、Hloに対応する収音信号を取得するため、左スピーカ5Lから測定信号が出力される例について説明する。
マイクユニット2の左マイク2L、右マイク2Rがそれぞれ測定信号を収音し、収音信号を処理装置201に出力する。収音信号取得部212は、左マイク2L、右マイク2Rで収音された収音信号を取得する。なお、収音信号取得部212は、マイク2L、2Rからの収音信号をA/D変換するA/D変換器を備えていてもよい。収音信号取得部212は、収音信号を所定の時間で切り出す。つまり、収音信号取得部212は予め設定されたデータ数(時間幅)の収音信号を抽出する。収音信号取得部212は、複数回の測定により得られた信号を同期加算してもよい。左マイク2Lを用いて取得された収音信号をhlsとし、右マイク2Rを用いて取得された収音信号を収音信号hloとする。収音信号hls、hloはそれぞれサンプリング周波数48kHzでサンプリングされた信号である。また切り出し後の収音信号hls、hloはそれぞれフィルタ長(サンプル数)4096のフィルタとなっている。もちろん、サンプリング周波数やフィルタ長は上記の値に限られるものではない。
セグメンタルパワー取得部215は、収音信号hlsと収音信号hloのセグメンタルパワーを取得する。例えば、収音信号hlsと収音信号hloのセグメンタルパワーをhlsP、hloPとする。セグメンタルパワーhlsPは収音信号hlsに含まれる振幅値の二乗和となる。セグメンタルパワーhloPは収音信号hloに含まれる振幅値の二乗和となる。時間領域において、収音信号hlsと収音信号hloがデータ数4096とすると、4096個の振幅値の二乗和がセグメンタルパワーhlsP、hloPとなる。
周波数特性取得部221は、収音信号hls、hloに基づいて、周波数特性を取得する。周波数特性取得部221は、離散フーリエ変換や離散コサイン変換により、収音信号hls、hloの周波数特性をそれぞれ算出する。周波数特性取得部221は、例えば、時間領域の収音信号をFFT(高速フーリエ変換)することで、周波数特性を算出する。周波数特性は、振幅スペクトルと、位相スペクトルとを含んでいる。なお、周波数特性取得部221は振幅スペクトルの代わりにパワースペクトルを生成してもよい。収音信号hls、hloの周波数振幅特性をそれぞれFhls、Fhloとする。周波数特性Fhls、Fhloは振幅スペクトルのスペクトルデータとなる。
レベル算出部223は、周波数特性Fhls、Fhloにおける基準レベルを算出する。例えば、レベル算出部223は、周波数特性Fhls、Fhloの平均レベル(平均値)を算出して、基準レベルとする。例えば、フィルタ長(サンプル数)TでFFTされているとすると、周波数振幅特性の各周波数のレベル値(dB)を算出して、平均値を出す。T点FFT後のreal(実部),imag(虚部)をそれぞれreal[i],imag[i]、とする。ここでiは0~(T-1)の整数である。各i点における音圧レベルAmp_dB[i]は以下の式(1)となる。
Amp_dB[i]=log10(sqrt(real[i]*real[i]+imag[i]*imag[i])) ・・・(1)
(1)において、i=1~(T/2+1)であり、sqrtは平方根である。
また、i点における周波数(Hz)をfreq[i]とし、サンプリング周波数をfsとすると、freq[i]は、以下の式(2)で得られる。
freq[i]=(T/fs)*i ・・・(2)
全周波数帯域での基準レベルAは以下の式(3)で得られる。
Figure 2023047707000002
周波数特性Fhlsの基準レベルをAhlsとし、周波数特性Fhloの基準レベルとAhloとすると、基準レベルAは、(Ahls+Ahlo)/2となる。
さらに、レベル算出部223は周波数振幅特性の最大レベルmaxLと最小レベルminLを算出する。最大レベルmaxLは周波数特性Fhls、Fhloの2つのスペクトルデータに含まれる振幅値の中での最大値である。最小レベルminLは周波数特性Fhls、Fhloの2つのスペクトルデータに含まれる振幅値の中での最小値となる。基準レベルA、最大レベルmaxL、最小レベルminLは2つの周波数特性Fhls、Fhloで共通の値となる。
レベルレンジ設定部224は、圧縮するレベルレンジXを設定する。レベルレンジ設定部224は、例えば、再生機器等に応じてレベルレンジXを入力する。適切な頭外定位効果を得るためにはX=40dB以上とすることが好ましい。また、再生機器のアンプなどが音声出力の効率や品質の性能等高性能でない場合、X=20dBとすることもできる。X=20dB以上40dB以下とすることが好ましいが、特にこの範囲に限られるものではない。
補正部225は、基準レベルAを含む所定のレベルレンジXに収まるように、周波数特性Fhls、Fhloを補正することで補正特性を算出する。つまり、周波数特性の振幅値がレベルレンジX内に含まれるように、補正部225が、周波数特性Fhls、Fhlo振幅レベルを圧縮する。例えば、レベルレンジX=40dBの場合、振幅値が基準レベルA±20dBの範囲に収まるように圧縮することで、補正部225が周波数特性Fhls、Fhloを補正する。補正部225で補正された特性を補正特性とする。周波数特性Fhlsの補正特性をNewFhlsとし、周波数特性Fhloの補正特性をNewFhloとする。
ここで、任意の周波数における補正前の振幅値をLとし、補正後の振幅値をNewLとする。つまり、周波数特性Fhls、Fhloは補正前の振幅値Lの集合であり、補正特性NewFhls、NewFhloは、振幅値NewLの集合である。
例えば、補正部225は以下の式(4)、(5)を用いて、周波数特性を補正することができる。
LがA以上の場合
NewL=A+(L-X)*(X/2)/(maxL-A) ・・・(4)
LがA未満の場合
NewL=A+(L-X)*(X/2)/(A-minL) ・・・(5)
このようにすることで、NewLが基準レベルを中心としたレベルレンジXに収まるようになる。つまり、NewLは(A―(X/2))以上、(A+(X/2))以下の振幅値となる。そして、補正部225は、補正帯域内の全てのデータ(振幅値L)に対して、上記の式(1)、(2)を用いて、補正後の振幅値NewLを算出する。補正後の振幅値NewLの集合が補正特性となる。周波数特性Fhlsの振幅値を補正することで、補正特性が求められる。また、(1)、(2)を用いて補正することで、補正前の周波数特性Fhls、Fhloのスペクトル形状を維持しながら、レンジを圧縮することができる。
なお、補正部225によって補正される周波数帯域は全体帯域でもよく、一部の帯域でも良い。例えば、周波数特性Fhls、Fhloを補正する補正帯域を10Hz~20kHzとすることが可能である。つまり、補正部225は、最低周波数(例えば1Hz)以上10Hz未満の帯域、20kHzより大きく最高周波数以下の帯域では、振幅値を補正しない。よって、補正帯域以外では、周波数特性Fhls、Fhloの振幅値がそのまま用いられる。補正帯域は、頭外定位再生するヘッドホン43,つまり、図1のヘッドホン43の再生帯域に応じて変更しても良い。
フィルタ生成部230は、補正特性に基づいて、補正フィルタを生成する。具体的には、フィルタ生成部230は、逆変換部232と、調整部231とを備えている。逆変換部232は、補正特性を逆変換して、時間領域の補正信号を生成する。逆変換部232は、逆離散フーリエ変換又は逆離散コサイン変換により、補正特性と位相特性から時間領域の補正信号を算出する。逆変換部232は、補正特性と位相特性をIFFT(逆高速フーリエ変換)することで、時間領域の補正信号を生成する。補正特性NewFhlsから得られた補正信号hls2とする。補正特性NewFhloから得られた補正信号hlo2とする。補正信号hls2、hlo2は、切り出し後の収音信号と同じフィルタ長のフィルタとなっている。
なお、位相特性は、周波数特性取得部221で算出された位相特性をそのまま用いることができる。つまり、逆変換部232は、周波数特性Fhlsに対応する位相特性と、補正特性NewFhlsとに対して、フーリエ逆変換を施すことで、補正信号hls2を生成する。逆変換部232は、周波数特性Fhloに対応する位相特性と、補正特性NewFhloとに対して、フーリエ逆変換を施すことで、補正信号hlo2を生成する。
セグメンタルパワー取得部215は、補正信号hls2、補正信号hlo2のセグメンタルパワーをそれぞれ取得する。上記のように、セグメンタルパワーは時間領域の信号の振幅値の二乗和とすることができる。補正信号hls2のセグメンタルパワーをhls2Pとし、補正信号hlo2のセグメンタルパワーをhlo2とする。
調整部231は、左右のパワー比(エネルギー比)を維持するように、補正信号hls2、hlo2のパワーを調整する。調整部231は、補正前後でパワー比が一致するように、補正信号を増幅する。例えば、調整部231は、補正信号の振幅値を所定数倍する。補正信号hls2に対する所定数は、(hlsP/hlsP2)となり、補正信号hlo2に対する所定数は、(hloP/hloP2)となる。
パワー比を調整した後の補正信号hls2、hlo2を補正フィルタhls3、hlo3とする。補正信号hls2の振幅値と所定数(hlsP/hlsP2)の積が補正フィルタhls3の振幅値となる。補正信号hlo2の振幅値と所定数(hloP/hloP2)の積が補正フィルタhlo3の振幅値となる。したがって、補正フィルタhls3のセグメンタルパワーは収音信号hlsのセグメンタルパワーと同じになる。補正フィルタhlo3のセグメンタルパワーは収音信号hloのセグメンタルパワーと同じになる。
このようにすることで、適切な補正フィルタを生成することができる。つまり、処理装置201が、再生機器に応じた補正フィルタを生成することができる。補正フィルタhls3,hlo3が空間音響フィルタとして、図1に示す畳み込み演算部11、12に設定される。これにより、頭外定位処理装置100が、頭外定位効果の高い再生を行うことができる。
具体的には、再生機器に応じたレベルレンジXに収まるように補正特性が生成されている。したがって、再生機器に適した状態での測定や頭外定位処理が可能となる。よって、頭外定位処理に適したフィルタを生成することができる。
さらに、上記の実施形態では、調整部231が左右のバランスを調整している。左右のバランスのよい頭外定位再生を実現することができる。もちろん、調整部231によるパワーバランスの調整は省略することができる。例えば、単一の収音信号hlsについて、処理装置201が処理を行う場合、調整部231の処理を省略する。この場合、補正信号hls2がそのまま補正フィルタとして畳み込み演算部11に設定される。
処理装置201は、空間音響伝達特性Hro、Hrsを示す収音信号についての処理も同様に行うことができる。この場合、空間音響伝達特性Hro、Hrsを示す収音信号のセグメンタルパワー比が補正前後で維持されるように、フィルタ生成部230が補正信号を調整する。さらに、処理装置201は、両耳の外耳道伝達特性についても同様に処理することができる。処理装置201は、左耳の外耳道伝達特性ECTFLと右耳の外耳道伝達特性ECTFRとのセグメンタルパワー比が補正前後で維持されるように、フィルタ生成部230が補正信号を調整する。
次に、図5を用いて、本実施の形態にかかるフィルタ生成方法について説明する。図5は、フィルタ生成方法を示すフローチャートである。
まず、測定装置200が、インパルス音などを用いた伝達特性の測定を行う(S101)。つまり、測定信号生成部211がインパルス音などの測定信号を左スピーカ5Lから出力する。収音信号取得部212がマイクユニット2からの収音信号を取得する(S102)。収音信号取得部212が、左マイク2Lからの収音信号と右マイク2Rからの収音信号を所定のフィルタ長で切り出す。これにより、収音信号hls、hloが得られる。
セグメンタルパワー取得部215が収音信号hls、hloのセグメンタルパワーをそれぞれ算出する(S103)。周波数特性取得部221が収音信号をフーリエ変換する(S104)。これにより、周波数特性Fhls、Fhloが得られる。周波数特性は周波数振幅特性(振幅スペクトル)であるが、周波数パワー特性(パワースペクトル)であってもよい。
レベル算出部223が基準レベルを算出する(S105)。上記の通り、基準レベルは2つの周波数特性Fhls、Fhloの振幅値の平均値となる。さらに、レベル算出部223が周波数特性Fhls、Fhloの最大レベルと最小レベルを算出する。基準レベル、最大レベル、最小レベルは、全帯域の振幅値から算出されていてもよく、一部の帯域の振幅値から算出されていてもよい。
また、レベルレンジ設定部224が圧縮するレベルレンジを設定する(S106)。レベルレンジは再生機器等の機種、性能などに応じて設定されている。例えば、ユーザ又はフィルタ生成用のスタッフがレベルレンジXを入力してもよい。そして、補正部225が周波数特性Fhls、Fhloの振幅値が、基準レベルを含むレベルレンジXに収まるように、周波数特性Fhls、Fhloを圧縮し、補正する(S107)。これにより、補正特性NewFhls、NewFhloが得られる。補正特性NewFhls、NewFhloの振幅値は、レベルレンジXに含まれている。
次に、逆変換部232が補正特性を逆フーリエ変換する(S108)。逆フーリエ変換において、周波数振幅特性は補正特性であり、周波数位相特性は、S104のフーリエ変換で算出された周波数位相特性である。これにより、時間領域の補正信号hls2、補正信号hlo2が得られる。
調整部231が収音信号hls、hloのセグメンタルパワー比を維持するように、補正信号hls2、補正信号hlo2の振幅レベルを調整する(S109)。具体的には、調整部231が、セグメンタルパワー比に応じた所定数を補正信号hls2、補正信号hlo2にそれぞれ乗じる。これにより、補正フィルタhls3、補正フィルタhlo3が得られる。調整部231がパワー比を調整することで左右バランスの良いフィルタを生成することができる。
(補正の処理例1)
次に、ステップS107の補正ステップの一例について、図6を用いて説明する。図6は補正部225による補正処理の処理例1を示すフローチャートである。
まず、補正部225は、周波数振幅特性のレベル差がレベルレンジX以上か否かを判定する(S201)。レベル差は、最大値(最大レベルmaxL)と最小値(最小レベルminL)のレベル差(maxL-minL)である。最大レベルと最小レベルは、全体帯域における周波数振幅特性の最大値、最小値であってもよく、一部帯域の最大値、最小値であってもよい。
レベル差がレベルレンジXよりも小さい場合(S201のNO)、補正部225は、補正せずに処理を終了する。差がレベルレンジXよりも大きい場合(S201のNO)、補正部225は、各周波数のレベル(振幅値)を基準レベルに向けて圧縮する(S202)。これにより、各周波数でのレベルが、レベルレンジXに収まるように、周波数特性が補正される。
図7は、処理例1の補正前後の周波数振幅特性を示すグラフである。つまり、図7は、補正前の周波数特性Fhlsと補正特性NewFhlsの振幅スペクトルを示している。図7に示すように、基準レベルAを中心とするレベルレンジX内に補正後の周波数振幅特性が収まっている。図7では、基準レベルA=-9.4dB、レベルレンジX=20dBとなっている。さらに、図7では、補正帯域として10Hz~20kHzが設定されている。
(補正の処理例2)
次に、ステップS107の補正ステップの別の一例について、図8を用いて説明する。図8は補正部225による補正処理の処理例2を示すフローチャートである。処理例2では、補正部225は、基準レベルよりも大きいレベル(振幅値)のみを補正している。
まず、補正部225が周波数振幅特性のレベル差がレベルレンジX以上か否かを判定する(S301)。レベル差は、最大値(最大レベルmaxL)と最小値(最小レベルminL)の差分値(maxL-minL)である。最大レベルと最小レベルは、全体帯域における周波数振幅特性の最大値、最小値であってもよく、一部帯域の最大値、最小値であってもよい。
レベル差がレベルレンジXよりも小さい場合(S301のNO)、補正部225は、補正せずに処理を終了する。差がレベルレンジXよりも大きい場合(S301のYES)、補正部225は、各周波数のレベル(振幅値)が基準レベルよりも大きいレベルのみ、基準レベルに向けて圧縮する(S302)。補正部225は、基準レベルよりも高いレベルを下げる。
なお、処理例2では、基準レベルよりも小さいレベルについては、補正部225が補正を行わない。よって、基準レベルよりも小さい周波数では、補正前後で振幅値が一致する。
また、処理例2では、補正部225が、基準レベルよりも高いレベルのみを補正したが、基準レベルよりも低いレベルのみを補正してもよい。換言すると、処理例2では、補正部225は、基準レベルよりも高いレベル、及び基準レベルよりも低いレベルの一方のみを補正する。補正部225が、基準レベル以上のレベル、又は前記基準レベル以下のレベルのいずれかのみで、周波数特性を補正すればよい。
図9は、処理例2の補正前後の周波数振幅特性を示すグラフである。図9では、基準レベルA=-9.4dB、レベルレンジX=20dBとなっている。さらに、図9では、補正帯域として10Hz~20kHzが設定されている。図9に示すように、基準レベルAよりも高い振幅値が、レベルレンジX内に補正後の周波数振幅特性が収まっている。この場合、基準レベルAよりも低いレベルでは、レベルレンジXに収まらないことがあり得る。換言すると、処理例2では、周波数振幅特性がminレベル以上、(A+(X/2))以下のレベルレンジに収まる。
(補正の処理例3)
処理例3では、周波数振幅特性の周波数軸を対数尺度にしている。周波数軸を対数尺度に変換する理由について説明する。一般的に人間の感覚量は対数に変換されていると言われている。そのため、聴こえる音の周波数も対数軸で考えることが重要になる。尺度変換することで、上記の感覚量においてデータが等間隔となるため、全ての周波数帯域でデータを等価に扱えるようになる。この結果、数学的な演算、周波数帯域の分割や重み付けが容易になり、安定した結果を得ることが可能になる。なお、周波数特性取得部221は、対数尺度に限らず、人間の聴覚に近い尺度(聴覚尺度と称する)へ包絡線データを変換すればよい。聴覚尺度としては、対数尺度(Logスケール)、メル(mel)尺度、バーク(Bark)尺度、ERB(Equivalent Rectangular Bandwidth)尺度等で軸変換をしてもよい。
周波数特性取得部221は、データ補間により、スペクトルデータを聴覚尺度で尺度変換する。例えば、周波数特性取得部221は、聴覚尺度においてデータ間隔が粗い低周波数帯域のデータを補間することで、低周波数帯域のデータを密にする。聴覚尺度で等間隔なデータは、線形尺度(リニアスケール)では低周波数帯域が密、高周波数帯域が粗なデータとなる。このようにすることで、周波数特性取得部221は、聴覚尺度で等間隔な軸変換データを生成することができる。もちろん、軸変換データは、聴覚尺度において、完全に等間隔なデータでなくてもよい。このようにすることで、補正部225等が対数尺度の周波数振幅特性に対して、処理を行う。また、周波数位相特性とサンプル数を合わせるために、逆変換前に周波数軸を線形尺度に戻してもよい。
(補正の処理例4)
処理例4では、補正部225が、補正帯域全体を補正するのではなく、レベルレンジXの上限値を越えたピーク周辺の周波数のみで、振幅値を補正する。処理例4について、図10を用いて説明する。図10は処理例4を示すフローチャートである。
まず、補正部225が周波数振幅特性のレベル差がレベルレンジX以上か否かを判定する(S401)。レベル差は、最大値(最大レベルmaxL)と最小値(最小レベルminL)の差分値(maxL-minL)である。最大レベルと最小レベルは、全体帯域における周波数振幅特性の最大値、最小値であってもよく、一部帯域の最大値、最小値であってもよい。
レベル差がレベルレンジXよりも小さい場合(S401のNO)、補正部225は、補正せずに処理を終了する。差がレベルレンジXよりも大きい場合(S201のNO)、補正部225は、レンジの上限値(A+X/2)を超えたピークとなるピーク周波数周辺で、振幅値を基準レベルに向けて圧縮する(S402)。
例えば、補正部225は、ピーク周波数の前後で上限値と交差する交差周波数を求める。補正部225は、ピーク周波数よりも低い第1交差周波数とピーク周波数よりも高い第2交差周波数をそれぞれ算出する。補正部225は、第1交差周波数と第2交差周波数で規定される周波数帯域において、振幅値を基準レベルに向けて圧縮する。
具体的には、補正部225はピーク周波数よりも低周波数側において、レンジの上限値と交差する第1交差周波数を求める。補正部225は、ピーク周波数よりも高周波数側において、レンジの上限値と交差する第2交差周波数を求める。補正部225は第1交差周波数から第2交差周波数までの周波数帯域において、振幅値を補正する。このようにすることで、ピーク周辺において、レンジの上限値を超える振幅値を補正することができる。
図11は、交差周波数で規定された3つの周波数帯域(a)~(c)を示すグラフである。周波数帯域(a)が第1ピークP1を含む周波数帯域である。つまり、周波数帯域(a)は第1ピークP1の前後の交差周波数で規定されている。周波数帯域(b)が第2ピークP2を含む周波数帯域である。周波数帯域(c)が第3ピークP3を含む周波数帯域である。また、図11に示すように、1つの周波数帯域が、互いに近接する複数のピークを含んでいてもよい。
このように処理例4においては、レンジの上限値のみを超えた振幅値のみを基準レベルに向けて圧縮している。また、補正部225は、レベルレンジXの下限値(A-(X/2))を下回るディップ周辺の周波数で、振幅値を補正してもよい。この場合も、補正部225は下限値を下回るディップ前後で、下限値と交差する交差周波数を求める。補正部225は、2つの交差周波数で規定される周波数帯域における振幅値を圧縮すれば良い。もちろん、補正部225は、ピークを含む周波数帯域及びディップを含む周波数帯域の両方で振幅値を圧縮しても良い。あるいは、補正部225は、ピークを含む周波数帯域のみで振幅値を圧縮してもよく、ディップを含む周波数帯域のみで振幅値を圧縮しても良い。
(補正の処理例5)
処理例5では、補正部225が異なる手法を用いて補正を行っている。具体的には、移動平均等の平滑化処理を用いて、振幅値のレベルを補正している。移動平均やSavitzky-Golayフィルタ、平滑化スプライン、ケプストラム変換、ケプストラム包絡線等の手法を用いて、周波数特性(スペクトルデータ)を平滑化する。補正部225は、周波数特性に対して平滑化処理を行うことで周波数特性がレベルレンジXに収まるように補正する。
(補正の処理例6)
処理例6では、外耳道伝達特性についての収音信号を処理している。つまり、図3に示す測定装置300が測定を行っている。具体的には、図4に示す処理装置201において、測定信号生成部211が、スピーカ5Lではなく、ヘッドホン43に測定信号を出力する。この場合、左右のマイク2L、2Rが左右の耳の外耳道伝達特性を示す収音信号を収音する。周波数振幅特性を取得する。基準レベル、最大レベル、最小レベルが2つの周波数振幅特性から取得される。上記の点以外の内容は、上記の実施形態及び処理例と同様であるため、説明を省略する。
(補正の処理例7)
処理例7では、5.1chや7.1ch等のマルチチャネルスピーカが用いられている。そして、チャンネル毎に収音信号のパワー比が維持されるように、調整部231が調整を行っている。
5.1chのマルチチャネルでは、左右のフロントスピーカの、左右のリアスピーカ、センタースピーカ、サブウーファが用いられる。この場合、フロントスピーカとリアスピーカのパワー比が維持されるように、調整部231が補正信号を調整する。具体的には、調整部231が、補正前後におけるセグメンタルパワー比が同じになるような係数を各補正信号に乗じる
具体的には、測定装置200は、異なるチャンネルのスピーカを用いた測定を順番に行う。例えば、測定信号生成部211が測定信号を生成して、各チャンネルのスピーカに順次出力する。収音信号取得部212は、各チャンネルのスピーカからの測定信号を順次収音することで、取得信号を取得する。周波数特性取得部221は、異なるチャンネルのスピーカから出力された測定信号を収音することで得られる収音信号に基づいて、複数の周波数特性を取得する。
セグメンタルパワー取得部215は、チャンネル毎の収音信号の左右のセグメンタルパワーを算出する。調整部231は、パワー比を維持するように補正信号のレベルを調整する。このようにすることで、チャンネル間のバランスの良いフィルタを生成することができる。なお、レベルレンジXはチャンネル毎に異なっていてもよく、チャンネル間で同じであってもよい。
なお、チャンネル間でパワー比を維持する処理は、5.1ch等のマルチチャネルに限らず、図2に示す2chの測定装置についても適用可能である。例えば、左右のスピーカでの測定を行って、パワー比を維持するように調整してもよい。
上記の処理例1~7は、適宜組み合わせることも可能である。例えば、処理例4のようにピーク周波数、又はディップ周波数周辺での振幅値を補正する場合において、補正部225は、処理例3の周波数軸の軸変換処理や、処理例5の平滑化処理を用いてもよい。
このように、本実施の形態によれば、基準レベルを含む所定のレベルレンジXに収まるように周波数特性が補正される。よって、様々な再生機器、機材、測定環境であっても、適切な頭外定位効果を得ることができるフィルタを再生することができる。つまり、頭外定位処理された信号がクリップしないようなフィルタを自動で補正することができる。ユーザの好みに応じた、スピーカ、ヘッドホン、測定環境に応じた頭外定位受聴を行うことができる。さらに、再生機器に応じた自動補正が可能となる。
実施の形態2.
実施の形態2に係る装置と方法について、図12を用いて説明する。図12は、処理装置201の構成を示すブロック図である。実施の形態2について、レベルレンジXを設定する処理を技術的特徴の一つとしている。したがって、図12に示す処理装置201には、図4の構成に対して、判定部242が追加されている。判定部242以外の構成及び処理については、実施の形態1と同様であるため、適宜説明を省略する。
判定部242は、再生機器の性能を判定する。例えば、判定部242は、再生機器のアンプの性能を評価する。レベルレンジ設定部224は、判定部242での判定結果に応じて、レベルレンジ設定部224がレベルレンジXを設定する。補正部225は、レベルレンジXに基づいて周波数特性を補正することで、補正特性を算出する。フィルタ生成部230は、補正特性に基づいて、補正フィルタを生成する。
例えば、判定部242は、周波数特性取得部221が取得した周波数特性に基づいて、判定を行うことができる。判定部242は、周波数振幅特性の最大レベル(maxL)と最小レベル(minL)のレベル差(maxL-minL)を検出する。判定部242は、レベル差に基づいて、再生機器の出力レベル(出力音圧レベル)やS/N比を取得する。そして、判定部242は、出力レベル又はS/N比に基づいて、性能を判定する。判定部242は、周波数振幅特性の最大レベルと最小レベルとのレベル差に応じて、レベルレンジXを決定してもよい。
例えば、レベル差の大きい再生機器の場合、レベルレンジXはレベル差の80%程度にする。判定部242は、変数を0.8として設定する。レベル差の小さい再生機器の場合、レベルレンジXはレベル差の40%程度にする。レベルレンジ設定部224は、判定結果に応じた変数をレベル差に乗じることで、レベルレンジXを設定する。
また、処理装置201は、変数を用いずにレベルレンジXを設定することが可能である。例えば、判定部242は、一部の判定帯域におけるレベル差(maxL-minL)を算出する。判定帯域としては、例えば、100Hz~8kzとすることができる。つまり、判定部242は、100Hz~8kzにおける最大レベル(maxL)と最小レベル(minL)を求める。そして、判定部242は、レベル差(maxL-minL)に基づいて、判定を行う。あるいは、判定部242は、レベル差をレベルレンジXに変換するための変換式や変換テーブルを有していてもよい。
このように、再生機器を用いた測定で得られた収音信号の周波数特性に基づいて、判定部242が、判定を行っている。判定部242は、周波数特性の最大レベルと最小レベルとのレベル差に基づいて、判定を行っている。
また、判定部242は、再生機器に関する再生機器情報を取得して、再生機器情報に基づいて性能を判定しても良い。そして、レベルレンジ設定部224は、再生機器の性能に応じて、レベルレンジXを設定する。例えば、再生機器のアンプが高性能である場合、レベルレンジ設定部224が、X=40dBと設定する。アンプが低性能である場合、レベルレンジ設定部224が、X=20dBとする。もちろん、判定部242での判定は、高性能、低性能の2段階に限らず、3段階以上であってもよい。
また、判定部242は、再生機器の型番毎に、性能を示すテーブルを有していてもよい。判定部242は、再生機器の型番を示す再生機器情報を取得する。判定部242は、再生機器の型番に応じて性能を判定する。再生機器に関する再生機器情報は、例えば、自動で取得されてもよく、ユーザによって入力されてもよい。例えば、BlueTooth接続の再生機器の場合は、再生機器に関する情報を、判定部242が自動で取得することができる。
例えば、測定装置200又は測定装置300が、周波数特性を取得するための測定を再生機器毎に予め行っておく。そして、上記のように、判定部242が、周波数特性のレベル差に応じて性能を判定し、判定結果をテーブルに記憶する。そして、判定部242が、テーブルを参照して、判定を行うことができる。
なお、再生機器は、図2に示すスピーカ5L、5Rやそのアンプ、あるいは図3に示すヘッドホン43であってもよい。つまり、再生機器は、測定時に用いられる再生機器であってもよい。あるいは、図1に示す頭外定位処理装置におけるヘッドホン43であってもよい。つまり、再生機器は、頭外定位受聴時に用いられるヘッドホン43やイヤホンであってもよい。実施の形態2においても上記の処理例1~7のいずれか1つ以上を用いることができる。
このように、本実施の形態によれば、再生機器の性能に応じたレベルレンジXを自動で設定することができる。そして、補正部225が、レベルレンジXに基づいて補正を行っている。よって、様々な再生機器、機材、測定環境であっても、適切な頭外定位効果を得ることができるフィルタを再生することができる。つまり、頭外定位処理された信号がクリップしないようなフィルタを自動で補正することができる。ユーザの好みに応じた、スピーカ、ヘッドホン、測定環境に応じた頭外定位受聴を行うことができる。さらに、再生機器に応じた自動補正が可能となる。
上記処理のうちの一部又は全部は、コンピュータプログラムによって実行されてもよい。上述したプログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
U ユーザ
1 被測定者
2 マイクユニット
2L 左マイク
2R右マイク
5 ステレオスピーカ
5L 左スピーカ
5R 右スピーカ
10 頭外定位処理部
11 畳み込み演算部
12 畳み込み演算部
21 畳み込み演算部
22 畳み込み演算部
24 加算器
25 加算器
41 フィルタ部
42 フィルタ部
43 ヘッドホン
200 測定装置
201 処理装置
211 測定信号生成部
212 収音信号取得部
215 セグメンタルパワー取得部
221 周波数特性取得部
223 レベル算出部
224 レベルレンジ設定部
225 補正部
230 フィルタ生成部
231 調整部
232 逆変換部
242 判定部

Claims (5)

  1. 収音信号に基づいて、周波数特性を取得する周波数特性取得部と、
    再生機器の性能を判定する判定部と、
    前記判定部の判定結果に応じて、レベルレンジを設定するレベルレンジ設定部と、
    前記レベルレンジに基づいて前記周波数特性を補正することで、補正特性を算出する補正部と、
    前記補正特性に基づいて、補正フィルタを生成するフィルタ生成部と、を備えた、フィルタ生成装置。
  2. 前記判定部が前記再生機器を用いた測定で得られた前記収音信号の前記周波数特性に基づいて、判定を行っている請求項1に記載のフィルタ生成装置。
  3. 前記判定部が、前記周波数特性の最大レベルと最小レベルとのレベル差に基づいて、判定を行っている請求項2に記載のフィルタ生成装置。
  4. 前記判定部が前記再生機器に関する再生機器情報を取得して、前記再生機器情報に基づいて、判定を行っている請求項1に記載のフィルタ生成装置。
  5. 収音信号に基づいて、周波数特性を取得するステップと、
    再生機器の性能を判定するステップと、
    判定結果に応じて、レベルレンジを設定するステップと、
    前記レベルレンジに基づいて前記周波数特性を補正することで、補正特性を算出するステップと、
    前記補正特性に基づいて、補正フィルタを生成するステップと、を備えた、フィルタ生成方法。
JP2021156784A 2021-09-27 2021-09-27 フィルタ生成装置、及びフィルタ生成方法 Pending JP2023047707A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021156784A JP2023047707A (ja) 2021-09-27 2021-09-27 フィルタ生成装置、及びフィルタ生成方法
US17/939,883 US20230114777A1 (en) 2021-09-27 2022-09-07 Filter generation device and filter generation method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021156784A JP2023047707A (ja) 2021-09-27 2021-09-27 フィルタ生成装置、及びフィルタ生成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023047707A true JP2023047707A (ja) 2023-04-06

Family

ID=85779303

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021156784A Pending JP2023047707A (ja) 2021-09-27 2021-09-27 フィルタ生成装置、及びフィルタ生成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023047707A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11115743B2 (en) Signal processing device, signal processing method, and program
US10687144B2 (en) Filter generation device and filter generation method
CN110313188B (zh) 头外定位处理装置、头外定位处理方法以及存储介质
WO2018155164A1 (ja) フィルタ生成装置、フィルタ生成方法、及びプログラム
US20230114777A1 (en) Filter generation device and filter generation method
JP2023047707A (ja) フィルタ生成装置、及びフィルタ生成方法
JP2023047706A (ja) フィルタ生成装置、及びフィルタ生成方法
JP6805879B2 (ja) フィルタ生成装置、フィルタ生成方法、及びプログラム
JP6950405B2 (ja) 処理装置、処理方法、及びプログラム
JP2012213114A (ja) 音響信号処理装置及び音響信号処理方法
JP7115353B2 (ja) 処理装置、処理方法、再生方法、及びプログラム
US20230040821A1 (en) Processing device and processing method
JP2023024040A (ja) 処理装置、及び処理方法
US20230045207A1 (en) Processing device and processing method
JP2023024038A (ja) 処理装置、及び処理方法
US11228837B2 (en) Processing device, processing method, reproduction method, and program
JP2024036908A (ja) 頭外定位処理装置、頭外定位処理方法、及びプログラム