JP6950405B2 - 処理装置、処理方法、及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、処理装置、処理方法、及びプログラムに関する。
特許文献1には、音響信号の信号レベルを調整する音響処理装置が開示されている。特許文献1の音響処理装置は、入力音響信号の信号レベルの変動幅(ダイナミックレンジ)を減少させて、出力音響信号を生成する効果付与装置(コンプレッサ)として機能する。
具体的には、音響処理装置は、音響信号をN個の帯域成分に、帯域分割している。そして、音響処理装置は、N個の帯域に対応するN個の調整値(候補値)を可変に設定している。音響処理装置は、N個の調整値から信号調整に適用される調整値Gを選択している。調整値Gが入力音響信号から出力音響信号の生成に適用される。
特開2012−100195号公報
しかしながら、特許文献1には、帯域分割を行う際において、帯域の境界となる周波数(以下、帯域分割点とする)を決定する方法についてはなんら開示されていない。帯域分割点を任意に決めた場合、適切な信号処理が行うことができないおそれがある。
例えば、音像定位技術として、ヘッドホンを用いて受聴者の頭部の外側に音像を定位させる頭外定位技術がある。頭外定位技術では、ヘッドホンから耳までの特性をキャンセルし、ステレオスピーカから耳までの4本の特性(空間音響伝達特性)を与えることにより、音像を頭外に定位させている。
頭外定位再生においては、2チャンネル(以下、chと記載)のスピーカから発した測定信号(インパルス音等)を聴取者本人の耳に設置したマイクロフォン(以下、マイクとする)で録音する。そして、インパルス応答で得られた収音信号に基づいて、処理装置がフィルタを作成する。作成したフィルタを2chのオーディオ信号に畳み込むことにより、頭外定位再生を実現することができる。
頭外定位処理に用いられるフィルタは、ユーザ個人の特性に基づくため、帯域分割点が適切でないと、頭外定位処理による効果を十分に得ることができない場合がある。したがって、頭外定位による効果を損なわないように、帯域分割点を適切に設定する方法が望まれる。
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、帯域分割点を適切に設定することができる処理装置、処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
本実施形態にかかる処理装置は、オーディオ信号用のフィルタの周波数特性を取得する周波数特性取得部と、前記周波数特性を平滑化して、平滑化特性を求める平滑化処理部と、前記平滑化特性のボトム位置に基づいて、複数の分割候補点を決定する候補点決定部と、前記複数の分割候補点に基づいて、1つ以上の帯域分割点を決定する分割点決定部と、前記帯域分割点で再生信号を帯域分割する帯域分割部と、帯域分割された前記再生信号に基づいて、パラメータを算出するパラメータ算出部と、前記パラメータを用いて、前記再生信号のダイナミックレンジ圧縮を行うダイナミックレンジ圧縮部と、を備えたものである。
本実施形態にかかる処理方法は、オーディオ信号用のフィルタの周波数特性を取得するステップと、前記周波数特性を平滑化して、平滑化特性を求めるステップと、前記平滑化特性のボトム位置に基づいて、複数の分割候補点を決定するステップと、前記複数の分割候補点に基づいて、1つ以上の帯域分割点を決定するステップと、前記帯域分割点で再生信号を帯域分割する帯域分割ステップと、 帯域分割された前記再生信号に基づいて、パラメータを算出するパラメータ算出ステップと、 前記パラメータを用いて、前記再生信号のダイナミックレンジ圧縮を行うダイナミックレンジ圧縮ステップと、を含むものである。
本実施形態にかかるプログラムは、コンピュータに対して、処理方法を実行させるプログラムであって、前記処理方法は、オーディオ信号用のフィルタの周波数特性を取得するステップと、前記周波数特性を平滑化して、平滑化特性を求めるステップと、前記平滑化特性のボトム位置に基づいて、複数の分割候補点を決定するステップと、前記複数の分割候補点に基づいて、1つ以上の帯域分割点を決定するステップと、前記帯域分割点で再生信号を帯域分割する帯域分割ステップと、帯域分割された前記再生信号に基づいて、パラメータを算出するパラメータ算出ステップと、前記パラメータを用いて、前記再生信号のダイナミックレンジ圧縮を行うダイナミックレンジ圧縮ステップと、を含むものである。
本発明によれば、帯域分割点を適切に決定することができる処理装置、処理方法、及びプログラムを提供することができる。
本実施の形態に係る頭外定位処理装置を示すブロック図である。 ダイナミックレンジ圧縮処理を行う処理装置の構成を示す制御ブロック図である。 フィルタの周波数特性を示すグラフである。 平滑化された周波数特性を示すグラフである。 処理方法を示すフローチャートである。 処理方法を示すフローチャートである。
本実施の形態にかかる信号処理装置で生成したフィルタを用いた音像定位処理の概要について説明する。本実施形態にかかる頭外定位処理は、空間音響伝達特性と外耳道伝達特性を用いて頭外定位処理を行うものである。空間音響伝達特性は、スピーカなどの音源から外耳道までの伝達特性である。外耳道伝達特性は、外耳道入口から鼓膜までの伝達特性である。本実施形態では、ヘッドホン又はイヤホンを装着していない状態での空間音響伝達特性を測定し、かつ、ヘッドホン又はイヤホンを装着した状態での外耳道伝達特性を測定し、それらの測定データを用いて頭外定位処理を実現している。
本実施の形態にかかる頭外定位処理は、パーソナルコンピュータ、スマートホン、タブレットPCなどのユーザ端末で実行される。ユーザ端末は、プロセッサ等の処理手段、メモリやハードディスクなどの記憶手段、液晶モニタ等の表示手段、タッチパネル、ボタン、キーボード、マウスなどの入力手段を有する情報処理装置である。ユーザ端末は、データを送受信する通信機能を有していてもよい。さらに、ユーザ端末には、ヘッドホン又はイヤホンを有する出力手段(出力ユニット)が接続される。
実施の形態1.
(頭外定位処理装置)
本実施の形態にかかる音場再生装置の一例である頭外定位処理装置100を図1に示す。図1は、頭外定位処理装置100のブロック図である。頭外定位処理装置100は、ヘッドホン43を装着するユーザUに対して音場を再生する。そのため、頭外定位処理装置100は、LchとRchのステレオ入力信号XL、XRについて、音像定位処理を行う。LchとRchのステレオ入力信号XL、XRは、CD(Compact Disc)プレイヤーなどから出力されるアナログのオーディオ再生信号、又は、mp3(MPEG Audio Layer-3)等のデジタルオーディオデータである。なお、オーディオ再生信号、又はデジタルオーディオデータをまとめて再生信号と称する。すなわち、LchとRchのステレオ入力信号XL、XRが再生信号となっている。
なお、頭外定位処理装置100は、物理的に単一な装置に限られるものではなく、一部の処理が異なる装置で行われてもよい。例えば、一部の処理がパソコンなどにより行われ、残りの処理がヘッドホン43に内蔵されたDSP(Digital Signal Processor)などにより行われてもよい。
頭外定位処理装置100は、頭外定位処理部10、フィルタ部41、フィルタ部42、及びヘッドホン43を備えている。頭外定位処理部10、フィルタ部41、及びフィルタ部42は、具体的にはプロセッサ等により実現可能である。
頭外定位処理部10は、畳み込み演算部11〜12、21〜22、及び加算器24、25を備えている。畳み込み演算部11〜12、21〜22は、空間音響伝達特性を用いた畳み込み処理を行う。頭外定位処理部10には、CDプレイヤーなどからのステレオ入力信号XL、XRが入力される。頭外定位処理部10には、空間音響伝達特性が設定されている。頭外定位処理部10は、各chのステレオ入力信号XL、XRに対し、空間音響伝達特性のフィルタ(以下、空間音響フィルタとも称する)を畳み込む。空間音響伝達特性は被測定者の頭部や耳介で測定した頭部伝達関数HRTFでもよいし、ダミーヘッドまたは第三者の頭部伝達関数であってもよい。
4つの空間音響伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsを1セットとしたものを空間音響伝達関数とする。畳み込み演算部11、12、21、22で畳み込みに用いられるデータが空間音響フィルタとなる。空間音響伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsを所定のフィルタ長で切り出すことで、空間音響フィルタが生成される。
空間音響伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsのそれぞれは、インパルス応答測定などにより、事前に取得されている。例えば、ユーザUが左右の耳にマイクをそれぞれ装着する。ユーザUの前方に配置された左右のスピーカが、インパルス応答測定を行うための、インパルス音をそれぞれ出力する。そして、スピーカから出力されたインパルス音等の測定信号をマイクで収音する。マイクでの収音信号に基づいて、空間音響伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsが取得される。左スピーカと左マイクとの間の空間音響伝達特性Hls、左スピーカと右マイクとの間の空間音響伝達特性Hlo、右スピーカと左マイクとの間の空間音響伝達特性Hro、右スピーカと右マイクとの間の空間音響伝達特性Hrsが測定される。
そして、畳み込み演算部11は、Lchのステレオ入力信号XLに対して空間音響伝達特性Hlsに応じた空間音響フィルタを畳み込む。畳み込み演算部11は、畳み込み演算データを加算器24に出力する。畳み込み演算部21は、Rchのステレオ入力信号XRに対して空間音響伝達特性Hroに応じた空間音響フィルタを畳み込む。畳み込み演算部21は、畳み込み演算データを加算器24に出力する。加算器24は2つの畳み込み演算データを加算して、フィルタ部41に出力する。
畳み込み演算部12は、Lchのステレオ入力信号XLに対して空間音響伝達特性Hloに応じた空間音響フィルタを畳み込む。畳み込み演算部12は、畳み込み演算データを、加算器25に出力する。畳み込み演算部22は、Rchのステレオ入力信号XRに対して空間音響伝達特性Hrsに応じた空間音響フィルタを畳み込む。畳み込み演算部22は、畳み込み演算データを、加算器25に出力する。加算器25は2つの畳み込み演算データを加算して、フィルタ部42に出力する。
フィルタ部41、42にはヘッドホン特性(ヘッドホンの再生ユニットとマイク間の特性)をキャンセルする逆フィルタが設定されている。そして、頭外定位処理部10での処理が施された再生信号(畳み込み演算信号)に逆フィルタを畳み込む。フィルタ部41で加算器24からのLch信号に対して、Lch側のヘッドホン特性の逆フィルタを畳み込む。同様に、フィルタ部42は加算器25からのRch信号に対して、Rch側のヘッドホン特性の逆フィルタを畳み込む。逆フィルタは、ヘッドホン43を装着した場合に、ヘッドホンユニットからマイクまでの特性をキャンセルする。マイクは、外耳道入口から鼓膜までの間ならばどこに配置してもよい。逆フィルタは、後述するように、ユーザU本人の特性の測定結果から算出されている。
フィルタ部41は、処理されたLch信号YLをヘッドホン43の左ユニット43Lに出力する。フィルタ部42は、処理されたRch信号YRをヘッドホン43の右ユニット43Rに出力する。ユーザUは、ヘッドホン43を装着している。ヘッドホン43は、Lch信号YLとRch信号YR(以下、Lch信号YLとRch信号をまとめてステレオ信号ともいう)をユーザUに向けて出力する。これにより、ユーザUの頭外に定位された音像を再生することができる。また、後述するようにステレオ信号YL、YRには、DRC処理が施される。
このように、頭外定位処理装置100は、空間音響伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsに応じた空間音響フィルタと、ヘッドホン特性の逆フィルタを用いて、頭外定位処理を行っている。以下の説明において、空間音響伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsに応じた空間音響フィルタと、ヘッドホン特性の逆フィルタとをまとめて頭外定位処理フィルタとする。2chのステレオ再生信号の場合、頭外定位フィルタは、4つの空間音響フィルタと、2つの逆フィルタとから構成されている。そして、頭外定位処理装置100は、ステレオ再生信号に対して合計6個の頭外定位フィルタを用いて畳み込み演算処理を行うことで、頭外定位処理を実行する。頭外定位フィルタは、ユーザU個人の測定に基づくものであることが好ましい。例えば,ユーザUの耳に装着されたマイクが収音した収音信号に基づいて、頭外定位フィルタが設定されている。
このように空間音響フィルタと、ヘッドホン特性の逆フィルタはオーディオ信号用のフィルタである。これらのフィルタが再生信号(ステレオ入力信号XL、XR)に畳み込まれることで、頭外定位処理装置100が、頭外定位処理を実行する。さらに、本実施の形態では、再生信号に対して、処理装置が、ダイナミックレンジ圧縮(Dynamic Range Compression:DRC)処理を行っている。すなわち、DRC処理が行われた再生信号に対して、頭外定位処理部10が頭外定位処理を行っている。
以下、図2を参照して、再生信号に対して、DRC処理を行う処理装置200について説明する。処理装置200は、周波数特性取得部211と、平滑化処理部212と、候補点決定部213と、分割点決定部214と、再生信号入力部221と、帯域分割部222と、パラメータ設定部223、DRC処理部224,再生信号出力部225と、を備えている。再生信号はオーディオ用の信号であり、具体的には、図1において、フィルタ部41、42から出力されるステレオ信号YL、YRとなる。
なお、処理装置200は、頭外定位処理装置100と同じ装置であってもよく、異なる装置であってもよい。例えば、単一の頭外定位処理装置100が、図2に示す各制御ブロックを備えていてもよい。頭外定位処理装置100と処理装置200とが物理的に異なる装置である場合、処理装置200が、DRC処理を行った再生信号を、頭外定位処理装置100に出力する。
さらに、処理装置200の一部が、頭外定位処理装置100に設けられていてもよい。この場合、例えば、DRC処理部224、及び再生信号出力部225が頭外定位処理装置100に設けられていてもよい。そして、処理装置200が、DRC処理のためのパラメータを頭外定位処理装置100に出力する。
周波数特性取得部211は、フィルタの周波数特性を取得する。なお、フィルタは、ヘッドホン特性の逆フィルタでもよく、空間音響伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsに応じた空間音響フィルタでもよい。すなわち、周波数特性取得部211は、頭外定位処理フィルタの少なくとも一つの周波数特性を取得する。
周波数特性取得部211は、FFT(高速フーリエ変換)により、時間領域のフィルタから周波数領域のスペクトルを算出する。これにより、フィルタの振幅特性(振幅スペクトル)と、位相特性(位相スペクトル)が生成される。なお、振幅スペクトルの代わりにパワースペクトルを生成してもよい。なお、周波数特性取得部211は、離散フーリエ変換や離散コサイン変換により、フィルタを周波数領域のデータ(周波数特性)に変換することができる。もちろん、頭外定位処理装置100が周波数特性を処理装置200に出力してもよい。
なお、ステレオの再生信号を用いるため、処理装置200は、Lch信号YLとRch信号YRに対して同様の処理を行う。例えば、Lchの場合、フィルタ部41に格納された逆フィルタ、又は、畳み込み演算部11に格納された空間音響伝達特性Hlsのフィルタを用いることができる。また、Rchの場合、フィルタ部42に格納された逆フィルタ、又は畳み込み演算部21に格納された空間音響伝達特性Hrsのフィルタを用いることができる。あるいは、LchとRchとで共通の帯域分割点を設定してもよい。
図3は、フィルタの周波数振幅特性(振幅スペクトル)を示すグラフである。図3は、横軸が周波数(Hz)であり、縦軸が振幅[dB]となっている。
平滑化処理部212は、周波数特性を平滑化して、平滑化特性を求める。すなわち、周波数特性に対して平滑化処理が施された特性が平滑化特性となる。例えば、包絡線検出法やスプライン曲線を用いた近似法などの手法を用いることができる。なお、平滑化の手法は特に限定されるものではない。
候補点決定部213は、平滑化特性のボトム位置に基づいて、帯域分割点の候補となる候補点を決定する。候補点決定部213は、平滑化特性の極小値(ボトム)をとる点(周波数)を候補点とする。例えば、候補点決定部213は、平滑化特性の傾きを算出して、傾きが負から正に切り替わる点を候補点とする。候補点決定部213が抽出する候補点の数は、1つであってもよく、2以上であってもよい。
図4は、平滑化処理部212で平滑化処理が平滑化特性を模式的に示すグラフである。図4において、f1、f3、f5が平滑化特性の極小値(ボトム)の周波数、すなわち、候補点となっている。また、f2、f4、f6は、平滑化特性の極大値(ピーク)の周波数となっている。ここで、周波数f1〜f6の振幅値をそれぞれA1〜A6とする。振幅値A3は振幅値A1より小さく、振幅値A1は、振幅値A5より小さくなっている。
分割点決定部214は、候補点から1つ以上の帯域分割点を決定する。帯域分割点は、帯域を分割するための境界となる周波数である。なお、帯域分割点の数は、分割する帯域の数によって決まるものであり、特に限られるものではない。例えば、2つの帯域に分割する場合、帯域分割点は1つとなり、3つの帯域に分割する場合、帯域分割点は2つとなる。以下、候補点から分割点を決定する方法の4つの例について、説明する。
第1の例として、分割点決定部214は、全ての候補点を帯域分割点とすることができる。すなわち、平滑化特性から抽出された全ての極小値が帯域分割点となる。例えば、図4の平滑化特性では、周波数f1、周波数f3、及び周波数f5が帯域分割点となる。この場合、分割する帯域数は4となる。従って、最小周波数〜周波数f1の帯域が第1の帯域、周波数f1〜周波数f3が第2の帯域、周波数f3〜f5が第3の帯域、周波数f5〜最高周波数が第4の帯域となる。
第2の例として、分割点決定部214は、平滑化特性の振幅値が最小の候補点を帯域分割点とする。上記した図4の平滑化特性では、振幅値A3が最小であるため、周波数f3が、帯域分割点となる。第2の例は、分割点数が1の場合、すなわち、分割する帯域数が2の場合に適用される。したがって、最小周波数〜周波数f3の帯域が第1の帯域、周波数f3〜最高周波数が第2の帯域となる。
第3の例として、分割点決定部214は、平滑化特性の振幅値に基づいて、帯域分割点を決定する。例えば、振幅値が小さい候補点から順に、必要な分割点数だけ抽出して、帯域分割点とする。必要な分割点数が2である場合、図4に示す平滑化特性では、周波数f3と周波数f1とが、帯域分割点となる。したがって、最小周波数〜周波数f1の帯域が第1の帯域、周波数f1〜f3が第2の帯域、周波数f3〜最高周波数が第3の帯域となる。もちろん、必要な分割点数は、2に限られるものではなく、分割する帯域数に応じて、適宜変更可能である。分割点数は1であってもよく、2以上であってもよい。
このように、第2の例と第3の例とでは、分割点決定部214は、候補点における平滑化特性の特性値(振幅値)に基づいて、帯域分割点を決定している。なお、特性値は、振幅値に限らず、パワー値であってもよい。例えば、周波数特性取得部211が周波数特性として、パワースペクトルを取得した場合、パワー値を特性値としてもよい。この場合、パワー値が小さい候補点が帯域分割点とされる。
第4の例として、分割点決定部214は、候補点の特性値と、ピーク位置(ピーク周波数)における特性値とに基づいて、帯域分割点を決定している。例えば、候補点の隣のピーク位置における特性値(振幅値)を用いて、候補点の振幅値を重み付けする。周波数f1の候補点は、ピーク周波数f2の振幅値A2で重み付けされる。周波数f3の候補点は、ピーク周波数f4の振幅値A4で重み付けされる。周波数f5の候補点は、ピーク周波数f6の振幅値A6で重み付けされる。
そして、分割点決定部214は、重み付けされた特性値を評価値として、評価値が小さい順に、必要な分割点数だけ抽出して、帯域分割点を決定する。上記した図4の平滑化特性において、周波数f1の候補点では、振幅値A1が振幅値A2で重み付けされるため、重み付けされた評価値は、(A1)/(A2)となる。同様に、周波数f3の候補点では、振幅値A3が振幅値A4で重み付けされるため、重み付けされた評価値は、(A3)/(A4)となる。周波数f5の候補点では、振幅値A5が振幅値A6で重み付けされるため、重み付けされた評価値は、(A5)/(A6)となる。
このように、極小値の特性値が小さいほど、評価値が小さくなる。また、極大値の特性値が大きいほど、評価値が小さくなる。そして、評価値が小さいほど、優先的に分割点となる。ここで、(A3)/(A4)が(A5)/(A6)よりも小さく、(A5)/(A6)が(A1)/(A2)よりも小さいとする。そして、必要な分割点数が2である場合、周波数f3の候補点と、周波数f5の候補点が、帯域分割点となる。この場合、最小周波数〜周波数f3までの帯域が第1の帯域となり、周波数f3〜周波数f5の帯域が第2の帯域となり、周波数f5〜最高周波数の帯域が第3の帯域となる。
なお、上記の例では、極小値と隣接する2つの極大値のうち、極小値よりも高い周波数の極大値で重み付けを行うことで、評価値を算出しているが、評価値の算出は、上記の例に限られるものではない。極小値と隣接する2つの極大値のうち、極小値よりも低い周波数の極大値を用いて、候補点決定部213が重み付けを行ってもよい。隣接する2つの極大値の両方を用いて、候補点決定部213が重み付けを行ってもよい。例えば、極小値と隣接する2つの極大値から代表値を求めて、代表値で重み付けを行ってもよい。極小値と隣接する2つの極大値の平均値や最大値や中央値を代表値として、候補点決定部213が重み付けを行ってもよい。
分割点決定部214は、決定した帯域分割点を帯域分割部222に出力する。上記の通り、分割点決定部214は、LchとRchに対して、別々に帯域分割点を決定してもよい。あるいは、分割点決定部214は、LchとRchで同じ帯域分割点を決定してもよい。なお、上記の例1〜例4では、全帯域の中から帯域分割点を決定したが、任意の周波数区間に対して、上記の処理を行って、帯域分割点を決定してもよい。すなわち、予め設定された一部の周波数区間では、帯域分割点を抽出しないようにしてもよい。
再生信号入力部221は、ステレオの再生信号を帯域分割部222、及びDRC処理部224にそれぞれ入力する。帯域分割部222は、分割点決定部214で決定された帯域分割点において、フィルタ部41、42からのステレオ信号YL、YRを帯域分割する。帯域分割部222は、FFT等によって再生信号の周波数特性を求める。すなわち、帯域分割部222は、再生信号のフレーム毎に周波数特性を算出して、周波数特性を複数の帯域に分割する。周波数特性取得部211は、帯域分割点を境界の周波数として、周波数特性を帯域分割する。これにより、周波数特性が、2以上の帯域成分に分割される。
パラメータ設定部223は、帯域分割された再生信号に基づいて、DRC処理のためのパラメータを設定する。パラメータ設定部223は、例えば、DRCの圧縮率、アタック時間、リリース時間などをパラメータとして設定する。パラメータ設定部223は、分割された帯域成分のそれぞれに対して、最大信号レベルとしきい値とのレベル差を求める。そして、パラメータ設定部223は、2以上の帯域の中から、レベル差が最大となる帯域を求める。パラメータ設定部223は、レベル差が最大となる帯域に基づいて、DRC調整用のパラメータを設定する。
例えば、第1〜第3の帯域に帯域分割する場合、第1〜第3の帯域のそれぞれに対して、帯域成分の最大信号レベルを求める。最大信号レベルは、各帯域において、最大の振幅値である。そして、パラメータ設定部223は、最大信号レベルとしきい値とのレベル差が最大となる帯域を決定する。パラメータ設定部223は、レベル差が最大となる帯域のパラメータを選択する。例えば、第2の帯域におけるレベル差が第1の帯域及び第3の帯域におけるレベル差よりも大きい場合、パラメータ設定部223は、第2の帯域の特性からパラメータを算出する。パラメータ設定部223は、第2の帯域における最大信号レベル等からパラメータを設定する。
ここで、パラメータは応答特性を決める調整値であり、例えば、圧縮率、アタック時間、リリース時間である。もちろん、パラメータは圧縮率、アタック時間、リリース時間に限られるものではない。パラメータ設定部223は、帯域分割された複数の帯域のうちの1つの帯域の信号(特性)に基づいて、パラメータを設定している。そして、パラメータ設定部223は設定したパラメータをDRC処理部224に出力する。これにより、DRC処理におけるパラメータが設定される。なお、DRC処理のパラメータはLchとRchのそれぞれに共通であってもよく、別々に設定されていてもよい。
DRC処理部224は、設定されたパラメータに基づいて、再生信号に対してDRC処理を行う。例えば、再生信号の信号レベルがしきい値を下回った場合、DRC処理部224は、圧縮率を1とする。一方、再生信号の信号レベルがしきい値を越えた場合、DRC処理部224は、アタック時間後、圧縮率を設定して、再生信号を抑制する。すなわち、DRC処理部224は、アタック時間後に、設定された圧縮率で再生信号を圧縮する。そして、その状態からしきい値を下回った場合、リリース時間を経過するまで圧縮を継続する。そして、リリース時間経過後、圧縮率を1としてDRC処理を停止する。このように、再生信号の信号レベルがしきい値を超えた場合、DRC処理部224は、設定されたパラメータでダイナミックレンジ圧縮を行う。
そして、再生信号出力部225は、DRC処理部224においてDRC処理が施された再生信号をヘッドホン43に出力する。ヘッドホン43はDRC処理が施された再生信号をユーザUに出力する。これにより、DRC処理が施されたステレオ信号を用いて、頭外定位処理装置100が頭外定位処理を実施する。
上記の処理により、適切に分割点を決定することができるため、フィルタ効果を損なうことなく適切なDRC処理を行うことができる。例えば、頭外定位処理では、特定の周波数が強調されるようなフィルタ処理が行われる。この場合、DRC処理の帯域分割点を任意に決めてしまうと、音量としては適切となるが、フィルタの効果を弱めてしまうことがある。また、DRC処理を行わない場合、フィルタと入力信号との組み合わせによっては、頭外定位処理において必要以上に特定の周波数成分が強調され、信号がクリップしてしまうことがある。本実施の形態のように、フィルタの周波数特性に基づいて帯域分割点を決定することで、頭外定位処理を適切に行うことができる。特にユーザUに対する個人測定により求められたフィルタを用いて帯域分割点を決定することで、頭外定位処理の効果をより向上させることができる。
さらに、平滑化特性のボトム位置(極小値)を候補点として、分割点が決定されている。このため、フィルタによって強調される周波数を含む帯域に分割することができ、フィルタ効果を損なわない帯域に分割することができる。DRC処理のパラメータを適切に設定することができる。
第4の例のようにボトム位置(極小値)とピーク位置(極大値)の平滑化特性の値に基づいて、評価値を求めることで、より適切な帯域に分割することができる。例えば、評価値に基づいて帯域分割点を決定することで、ボトムとピークとの差が大きい帯域に分割することができる。これにより、DRC処理のパラメータを適切に設定することができる。また、分割点数を適切な数にすることができる。多数の分割点を設ける必要がないため、DRC処理における処理量を削減することができる。
次に、図5、及び図6を用いて、本実施の形態にかかる処理方法の一例について、説明する。図5、及び図6は、本実施の形態にかかる処理方法を示すフローチャートである。図5、図6に示す処理では、極小値の振幅値を隣接する極大値の振幅値で重み付けした評価値を用いて、帯域分割点を決定している。
まず、周波数特性取得部211がフィルタの周波数特性を取得するために、周波数変換を行う(S101)。例えば、周波数特性取得部211が離散フーリエ変換を行うことで、時間領域のフィルタf[t]が周波数特性F[w]に変換される。なお、wは周波数特性における周波数のデータ点を示す整数(以下、周波数点ともいう)であり、具体的には、wは、1、2、3,・・・、Wmaxとなっている。したがって、wは周波数特性における周波数に対応する。例えば、wの数が大きくなるほど、周波数が高くなる。
平滑化処理部212が周波数特性F[w]を平滑化する(S102)。例えば、平滑化処理部212が包絡線検出法やスプライン曲線を用いた近似法により、周波数特性F[w]を平滑化する。これにより、平滑化特性sF[w]が得られる。
候補点決定部213が、平滑化特性sF[w]を微分する(S103)。これにより、平滑化特性sF[w]から、微分特性sF’[w]が得られる。微分特性sF’[w]は、平滑化特性sF[w]の傾きを示す。
次に、候補点決定部213は、wを1からWmaxまで、1ずつインクリメントしていくループ処理を行う(S104)。wのループ処理は、以下に示すように、平滑化特性sF[w]の極値を検索する処理である。
wのループ処理において、まず、候補点決定部213は、sF’[w]*sF’[w+1]が0より小さいか否かを判定する(S105)。隣接する2つの微分値の符号が異なっているか否かを判定することで、平滑化特性sF[w]の極値を抽出することができる。すなわち、微分特性sF’[w]の連続する2つの値のうち、一方が正の値であり、他方が負の値である場合、sF’[w]*sF’[w+1]が0より小さくなり、平滑化特性sF[w]が極値となる。微分特性sF’[w]の連続する2つの値のうち、両方が正の値である場合、又は両方が負の値である場合、sF’[w]*sF’[w+1]が0以上となり、平滑化特性sF[w]が極値とならない。
sF’[w]*sF’[w+1]が0より小さいと判定された場合(S105:YES)、候補点決定部213が、sF’[w]がsF’[w+1]よりも大きいか否かを判定する(S106)。
sF’[w]がsF’[w+1]よりも大きいと判定された場合(S106:YES)、候補点決定部213が、w=point[n]、sF[w]=value[n]とする(S107)。point[n]は、極値をとる周波数点となり、value[n]は、極値における平滑化特性の振幅値となる。後述するように、value[n]は、分割点を求めるための評価値を示す。また、nは、平滑化特性の極値の数を示す値(1以上の整数)となる。
sF’[w]がsF’[w+1]よりも大きいと判定された場合、平滑化特性sF[w]が極大値となる。すなわち、sF’[w]が正、かつ、sF’[w+1]が負となるため、平滑化特性sF[w]が極大値となる。ステップS107では、候補点決定部213が、極大値をとるwとその平滑化特性sF[w]の値がそれぞれ、point[n]、value[n]としてメモリなどに記憶する。そして、候補点決定部213は、nをインクリメントする(S110)。そして、候補点決定部213は、wをインクリメントして、wのループ処理を継続する(S111)。したがって、候補点決定部213は、S105に戻り、次の極値を検索する。
sF’[w]がsF’[w+1]よりも大きくないと判定された場合(S106:NO)、候補点決定部213が、w=point[n]とし、−sF[w]=value[n]とする(S108)。sF’[w]がsF’[w+1]よりも小さい場合、平滑化特性sF[w]が極小値となる。すなわち、sF’[w]が負、かつ、sF’[w+1]が正となるため、平滑化特性sF[w]が極小値となる。よって、ステップS108では、候補点決定部213が、極小値をとる周波数点wとその平滑化特性sF[w]の符号を負にした値をそれぞれ、point[n]、value[n]としてメモリなどに記憶する。そして、候補点決定部213は、nをインクリメントする(S110)。
sF’[w]*sF’[w+1]が0より小さくないと判定された場合(S105:NO)、あるいは、nをインクリメントした場合(S110)、wをインクリメントして、ループ処理を繰り返す(S111)。したがって、候補点決定部213は、全周波数点に対して、S105〜S110の処理を実施する。ここでは、wがWmaxに到達するまで、候補点決定部213は、wのループ処理を継続する。これより、候補点決定部213が、平滑化特性の全ての極大値、及び極小値を抽出することができる。候補点決定部213は、全ての極値の周波数点、及び振幅値を記憶する。なお、平滑化特性が極大値の場合、value[n]は正の値となり、平滑化特性が極小値の場合、value[n]は負の値となる。
wのループ処理では、候補点決定部213はwがWmaxに到達するまで、S105〜S111の処理を実施する。これにより、全ての極値を検索することができる。なお、極値の数はnとなっている。
wのループ処理が終了すると、候補点決定部213は、m(0以上の整数)を0からnまで、1ずつインクリメントしていくループ処理を実施する(S112)。なお、nは上記の通り、極値の数を示す値である。mのループ処理は、以下に示すように、極値に重み付けを行う処理である。
mのループ処理においては、まず、候補点決定部213が、value[m]が0より小さいか否かを判定する(S113)。極小値である場合、value[m]が振幅値の負値であるため、value[m]が0より小さくなる。よって、S113では、極値が極小値であるか、極大値であるかを判定している。
候補点決定部213が、value[m]が0より小さい場合(S113:YES)、value[m]=value[m]/(value[m−1]+value[m+1])とする(S114)。value[m]が0より小さい場合、極小値となるため、候補点決定部213が、重み付けを行うことで、評価値を算出する。すなわち、極小値の振幅値(value[m])を、極小値と隣接する2つの極大値の振幅値(value[m−1]、value[m+1])で重み付けを行うことで、評価値を求める。これにより、評価値value[m]を求めることができる。そして、候補点決定部213は、mのループ処理を継続する(S116)。すなわち、候補点決定部213は、S112に戻り、次の極値について評価値を求める。
value[m]が0より小さくないと判定された場合(S113:NO)、極値が候補点とならないため、候補点決定部213が、mのループ処理を継続する(S115)。すなわち、value[m]が極大値となっているため、評価値を求めるための重み付けを行う必要がない。したがって、候補点決定部213は、mのループ処理を継続する(S116)。すなわち、候補点決定部213は、S112に戻り、次の極値(極小値)について評価値を求める。
mのループ処理では、mがnに到達するまで、候補点決定部213は、S112〜S115の処理を実施する。これにより、全ての極値の評価値value[1]〜value[n]を求めることができる。
mのループ処理が終了すると、候補点決定部213は、k(0以上の整数)を0からnまで、1ずつインクリメントしていくループ処理を実施する(S116)。kのループ処理は、極小値を候補点として抽出する処理である。
kのループ処理では、まず、候補点決定部213は、value[k]が0より小さいか否かを判定する(S117)。value[k]が0より小さいと判定された場合(S117:YES)、候補点決定部213は、band_val(l)=−value[k]とし、band_point(l)=point[k]とする(S118)。band_point(l)は、候補点の周波数に対応する周波数点であり、band_val(l)はその周波数点における評価値である。また、lは候補点の数、すなわち、極小値の数を示す整数である。lの初期値は1となっている。value[k]が0より小さい場合、極小値であるので、候補点決定部213は、極値(極小値)を候補点と決定する。そして、候補点決定部213は、lをインクリメントする(S119)。候補点決定部213は、kをインクリメントして、ループ処理を繰り返す(S120)。
value[k]が0より小さくないと判定された場合(S117:NO)、候補点決定部213は、kをインクリメントして、ループ処理を繰り返す(S120)。value[k]が0より小さくない場合、極大値であるので、極値が候補点とならない。そして、kが極値の数(n)に到達するまで、kのループ処理を行う。すなわち、全ての極値に対して、S116〜S120の処理を実施する。これにより、全ての極小値が候補点として抽出される。ここで、候補点の数はlとなっている。
次に、分割点決定部214は、p(0以上の整数)を0〜lまで、1ずつインクリメントしていくループ処理を実施する(S121)。pのループ処理は、候補点から分割点を決定する処理である。具体的には、複数の候補点の中で、最も評価値の低い1つの候補点が分割点となっている。
まず、分割点決定部214は、band_val(p)が最小値minよりも小さいか否かを判定する(S122)。なお、最小値minは、評価値の最小値を示す値となる。また、最小値minの初期値は、全ての評価値band_val(1)〜band_val(l)よりも高い値としておけばよい。
band_val(p)が最小値minよりも小さいと判定された場合(S122:YES)、分割点決定部214は、min=band_val(p)とし、min_point(p)=band_point(p)とする(S123)。min_point(p)は、分割点の周波数点を示している。そして、分割点決定部214は、pのループを継続する(S124)。
band_val(p)が最小値minよりも小さくないと判定された場合(S122:NO)、分割点決定部214は、pをインクリメントして、ループ処理を繰り返す(S124)。pがlに到達するまで、ループ処理を繰り返すことで、評価値が最小となる候補点が求められる。そして、分割点決定部214は、評価値が最小となる候補点を分割点として決定する。
このような処理により、分割点を決定することができる。極大値(ピーク)の値により、極小値の値を重み付けしているため、適切な分割点を決定することができる。隣接する極大値と極小値の差が大きい候補点を分割点とすることができる。もちろん、分割点の数は1に限らず、2以上の所定数であってもよい。この場合、評価値が小さい候補点から順番に所定数だけ抽出して、分割点とすることができる。
上記の処理により、適切に分割点を決定することができるため、フィルタ効果を損なうことなく適切なDRC処理を行うことができる。もちろん、上記の処理の各ステップは、適宜順番を変更して、実行することも可能である。
上記処理のうちの一部又は全部は、コンピュータプログラムによって実行されてもよい。上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non−transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
U ユーザ
10 頭外定位処理部
11 畳み込み演算部
12 畳み込み演算部
21 畳み込み演算部
22 畳み込み演算部
24 加算器
25 加算器
41 フィルタ部
42 フィルタ部
43 ヘッドホン
200 処理装置
211 周波数特性取得部
212 平滑化処理部
213 候補点決定部
214 分割点決定部
221 再生信号入力部
222 帯域分割部
223 パラメータ設定部
224 DRC処理部
225 再生信号出力部

Claims (5)

  1. オーディオ信号用のフィルタの周波数特性を取得する周波数特性取得部と、
    前記周波数特性を平滑化して、平滑化特性を求める平滑化処理部と、
    前記平滑化特性のボトム位置に基づいて、複数の分割候補点を決定する候補点決定部と、
    前記複数の分割候補点に基づいて、1つ以上の帯域分割点を決定する分割点決定部と、
    前記帯域分割点で再生信号を帯域分割する帯域分割部と、
    帯域分割された前記再生信号に基づいて、パラメータを算出するパラメータ算出部と、
    前記パラメータを用いて、前記再生信号のダイナミックレンジ圧縮を行うダイナミックレンジ圧縮部と、
    を備えた処理装置。
  2. 前記分割点決定部が、前記ボトム位置または前記ボトム位置に隣接するピーク位置における前記平滑化特性の値に基づいて、前記帯域分割点を決定する請求項1に記載の処理装置。
  3. 前記フィルタを用いて頭外定位処理が行われた再生信号に対して、前記ダイナミックレンジ圧縮を行う請求項1、又は2に記載の処理装置。
  4. オーディオ信号用のフィルタの周波数特性を取得するステップと、
    前記周波数特性を平滑化して、平滑化特性を求めるステップと、
    前記平滑化特性のボトム位置に基づいて、複数の分割候補点を決定するステップと、
    前記複数の分割候補点に基づいて、1つ以上の帯域分割点を決定するステップと、
    前記帯域分割点で再生信号を帯域分割する帯域分割ステップと、
    帯域分割された前記再生信号に基づいて、パラメータを算出するパラメータ算出ステップと、
    前記パラメータを用いて、前記再生信号のダイナミックレンジ圧縮を行うダイナミックレンジ圧縮ステップと、を含む処理方法。
  5. コンピュータに対して、処理方法を実行させるプログラムであって、
    前記処理方法は、
    オーディオ信号用のフィルタの周波数特性を取得するステップと、
    前記周波数特性を平滑化して、平滑化特性を求めるステップと、
    前記平滑化特性のボトム位置に基づいて、複数の分割候補点を決定するステップと、
    前記分割候補点に基づいて、1つ以上の帯域分割点を決定するステップと、
    前記帯域分割点で再生信号を帯域分割する帯域分割ステップと、
    帯域分割された前記再生信号に基づいて、パラメータを算出するパラメータ算出ステップと、
    前記パラメータを用いて、前記再生信号のダイナミックレンジ圧縮を行うダイナミックレンジ圧縮ステップと、を含む、プログラム。
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