JP6504381B2 - システム同定装置及びそのプログラム - Google Patents

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Description

本願発明は、多入力1出力システムを同定するシステム同定装置及びそのプログラムに関する。
システムの同定とは、内部処理が分からないブラックボックスな制御対象に、何らかの入力を加えて得られた出力から、ある目的のために、制御対象と同一であることを説明できるような数学モデル(伝達関数)を推定することである。
多入力1出力システムとは、複数の入力によって振る舞いが決まり、1つの出力が得られるシステムのことである。多入力1出力システムの同定には、多入力1出力のARX(auto-regressive with exogenous)モデルや、多入力1出力の有限インパルス応答(FIR:finite impulse response)モデルを用いる方法が知られている(特許文献1及び非特許文献1参照)。
例えば、非特許文献1に記載の技術は、複数点から片耳までの頭部伝達関数を多入力1出力システムとみなし、多入力1出力のFIRモデルとしてシステムの同定を行うものである。頭部伝達関数とは、任意の点から耳に伝わるまでの伝達特性を表している。
また、特許文献1に記載の発明は、多入力1出力システムを多入力1出力のFIRモデルを用いて、適応的にシステムの同定を行うものである。
特許第5119388号公報
石川健太郎、徳住ゆりか、丸田一郎、足立修一、松井健太郎、安藤彰男、"システム同定理論を用いた頭部伝達関数の3次元空間多方向同時推定"、日本音響学会誌、Vol.69、pp.321-330(2013)
しかし、非特許文献1に記載の技術では、入力数の増大にともない、計算量が増加するという問題がある。また、特許文献1に記載の発明では、システムの同定と並行し、入力信号の相関の低減処理も行っているため、計算量が増加してしまう。
そこで、本願発明は、計算量を減少させるシステム同定装置及びそのプログラムを提供することを課題とする。
前記した課題に鑑みて、本願発明に係るシステム同定装置は、多入力1出力システムの1入力1出力を表すサブシステム毎のパラメータが含まれるFIRモデルとして、サブシステム毎の入力信号と多入力1出力システムの出力信号とが含まれる入出力データから、多入力1出力システムを同定するシステム同定装置であって、初回処理用パラメータ推定手段と、信号減算手段と、次回処理用パラメータ推定手段と、判定手段とを備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、システム同定装置は、初回処理用パラメータ推定手段によって、多入力1出力システムの出力信号と、サブシステム毎の入力信号及び初回処理用のパラメータにより定まる第1出力推定値との差分を表す第1評価関数が最小となるように、サブシステム毎に、入出力データから初回処理用のパラメータを推定する。
このとき、初回処理用パラメータ推定手段は、サブシステム毎にパラメータを推定するので、パラメータの推定演算に用いる行列サイズがサブシステムの数に依存しなくなる。
システム同定装置は、信号減算手段によって、初回処理の場合、サブシステム毎に、初回処理用パラメータ推定手段が推定した初回処理用のパラメータと入力信号とから第1出力推定値を算出し、そのサブシステムを除いた他サブシステムの第1出力推定値を出力信号から減算することで、減算信号を生成する。
システム同定装置は、次回処理用パラメータ推定手段によって、減算信号と、入力信号及び次回処理用のパラメータにより定まる第2出力推定値との差分を表す第2評価関数が最小となるように、サブシステム毎に、信号減算手段が生成した減算信号から次回処理用のパラメータを推定する。
このとき、次回処理用パラメータ推定手段は、サブシステム毎にパラメータを推定するので、パラメータの推定演算に用いる行列サイズがサブシステムの数に依存しなくなる。
システム同定装置は、判定手段によって、初回処理の場合、サブシステム毎に次回処理用のパラメータと初回処理用のパラメータとの差分を算出し、算出した差分の総和に対する閾値判定により反復処理を行うか否かを判定する。そして、システム同定装置は、判定手段によって、反復処理を行わないと判定した場合、次回処理用パラメータ推定手段が推定した次回処理用のパラメータが含まれるFIRモデルを出力する。
ここで、システム同定装置は、判定手段が反復処理を行うと判定した場合、以下のような反復処理を行うことが好ましい。
システム同定装置は、信号減算手段によって、2回目以降の反復処理の場合、サブシステム毎に、次回処理用パラメータ推定手段が前回処理で推定した今回処理用のパラメータと、入力信号とから新たな第1出力推定値を算出し、新たな減算信号を生成する。
システム同定装置は、次回処理用パラメータ推定手段によって、新たな第2評価関数が最小となるように、サブシステム毎に、信号減算手段が生成した減算信号から新たな次回処理用のパラメータを推定する。
システム同定装置は、判定手段によって、2回目以降の反復処理の場合、サブシステム毎に次回処理用のパラメータと今回処理用のパラメータとの差分を算出し、算出した当該差分の総和に対する閾値判定により反復処理を行うか否かを判定する。そして、システム同定装置は、判定手段によって、反復処理を行わないと判定した場合、次回処理用のパラメータが含まれるFIRモデルを出力する。
すなわち、システム同定装置は、パラメータの推定結果が収束するまでパラメータの推定を繰り返す。
本願発明によれば、以下のような優れた効果を奏する。
本願発明に係るシステム同定装置は、サブシステム毎にパラメータを推定するので、パラメータの推定に用いる行列サイズがサブシステムの数に依存せずに、計算量を減少させることができる。
さらに、本願発明に係るシステム同定装置は、パラメータの推定結果が収束するまでパラメータの推定を繰り返すので、多入力1出力システムを正確に同定することができる。
本願発明の実施形態において、音響装置を説明する説明図である。 本願発明の実施形態に係るシステム同定装置の構成を示すブロック図である。 本願発明の実施形態における多入力1出力システムの概念図である。 本願発明の実施形態におけるサブシステムの概念図である。 図2のサブシステム影響除去手段を説明する説明図である。 図2のシステム同定装置の動作を示すフローチャートである。
[問題の定式化]
本願発明の実施形態に係るシステム同定装置1(図2)を説明する前に、問題の定式化について説明する。対象となるモデルは、下記式(1)のように、m入力1出力システム(多入力1出力システム)のFIRモデルである。
Figure 0006504381
ここで、mは、多入力1出力システムの入力数を表し、後記するサブシステムの数と等しくなる(但し、mは2以上の整数)。また、上付き添え字Tは、転置を表す。また、y(t)は離散時間の時刻tにおける出力信号を表し、w(t)はガウス雑音を表す。
なお、式中では、太字の小文字がベクトル、太字の大文字が行列であることを表す。
(t)及びβは、それぞれ下記の式(2)及び式(3)で表される(但し、i=1,…,m)。すなわち、x(t)は、時刻tにおけるi番目のサブシステムの入力信号u(t)で構成されるベクトルを表す。また、βは、i番目のサブシステムに対応するFIRモデルのパラメータ(係数)のベクトルを表す。また、nは、パラメータベクトルβの長さ(サンプル数)を表し、入力信号からなるベクトルx(t)の長さ(行数)に等しくなる。
Figure 0006504381
Figure 0006504381
このとき、式(2)を時刻t=1,2,…,Nまで並べると、式(1)を下記の式(4)で表すことができる。ここで、Xは、下記の式(5)のように、各時刻における行ベクトルx (t)を並べた行列である。
Figure 0006504381
Figure 0006504381
さらに、下記の式(6)から式(9)までを定義すると、式(4)を下記の式(10)で表すことができる。以上より、本願発明の目的は、入力信号u(t)と出力信号y(t)とから、FIRモデルのパラメータβを低計算量で求めることである。
Figure 0006504381
Figure 0006504381
Figure 0006504381
Figure 0006504381
Figure 0006504381
[音響装置の概略]
以下、本願発明の実施形態について説明する。
本実施形態では、システム同定装置1が、音響装置200(図1)における頭部伝達関数を同定することとする。従って、システム同定装置1を説明する前に、音響装置200の概略を説明する。
図1のように、音響装置200は、4台のスピーカSP(SP〜SP)と、ダミーヘッドにおける耳の鼓膜位置に装着されたマイクMCとを備える。例えば、音響装置200では、各スピーカSP〜SPからマイクMCまでの距離が等しく、かつ、隣接するスピーカSP同士の間隔も等しくなっている。
ここで、多入力1出力システム100は、1つの入力から1つの出力までのサブシステム110で構成されている。つまり、サブシステム110は、多入力1出力システム100の1入力1出力を表すことになる。
すなわち、音響装置200は、4台のスピーカSP〜SPを入力とし、1台のマイクMCを出力とした4入力1出力システム100として扱うことができる(m=4)。
この場合、サブシステム110は、1台目のスピーカSPを入力とし、マイクMCを出力としたサブシステムである。つまり、サブシステム110は、図1において、スピーカSPからマイクMCまでの矢印で表される。
サブシステム110〜110は、サブシステム110と同様、スピーカSP〜SPのそれぞれを入力とし、マイクMCを出力としたサブシステムである。
また、システム同定装置1では、多入力1出力システム100の入出力データが必要になる。この入出力データは、サブシステム110毎の入力信号u(t)と、多入力1出力システム100の出力信号y(t)とが含まれている。音響装置200の例であれば、入出力データは、4台のスピーカSP〜SPに同時に印加した音響信号が入力信号u(t)として含まれると共に、マイクMCで収録された音響信号が出力信号y(t)として含まれる。
[システム同定装置の構成]
図2を参照し、本願発明の実施形態に係るシステム同定装置1の構成について、説明する(適宜図1参照)。
システム同定装置1は、サブシステム110毎のパラメータが含まれるFIRモデルとして、入出力データから多入力1出力システム100を同定するものである。ここで、システム同定装置1は、外部(例えば、音響装置200)から、入出力データが入力される。
図2のように、システム同定装置1は、第1サブシステム同定手段(初回処理用パラメータ推定手段)10と、サブシステム影響除去手段(信号減算手段)20と、第2サブシステム同定手段(次回処理用パラメータ推定手段)30と、判定手段40とを備える。
また、システム同定装置1は、FIRモデルの精度を向上させるため、反復処理を行う。この反復処理を行った回数を、反復回数lとする。また、反復回数l=0のときの反復処理を初回処理と呼ぶ。
第1サブシステム同定手段10は、後記する第1評価関数が最小となるように、サブシステム110毎に、入出力データから初回処理用のパラメータを推定するものである。この第1サブシステム同定手段10は、初回処理のみを行う。
ここで、システム同定装置1は、図3のm入力1出力システム100を、図4のようなサブシステム110,110,…,110の和とみなす。従って、第1サブシステム同定手段10は、パラメータの推定をm回行うことになる。
このとき、第1サブシステム同定手段10は、下記の式(11)で定義される第1評価関数が最小となるように、パラメータβの推定値であるパラメータβ^ を求める。この式(11)は、出力信号y(t)と、i番目のサブシステム110の第1出力推定値との差分(平均二乗誤差)を表す。この第1出力推定値は、パラメータβ^ の転置β^0T と、サブシステム110の入力信号のベクトルx(t)とを乗じることで求められる。
Figure 0006504381
i,Nは平均二乗誤差を表す。また、パラメータβ^ では、上付き添え字の‘0’が反復回数l=0であることを表す。つまり、パラメータβ^ は、初回処理用のパラメータである。
入力信号が互いに無相関であれば、サブシステム110以外の他サブシステム110の出力は、雑音とみなすことができる(但し、j=1,…,m、かつ、j≠i)。従って、第1サブシステム同定手段10は、下記の式(12)を用いて、サブシステム110毎にパラメータβ^ を求めることができる。
Figure 0006504381
その後、第1サブシステム同定手段10は、初回処理用のパラメータβ^ と、入出力データとをサブシステム影響除去手段20に出力する。
<計算量の減少>
以下、システム同定装置1で計算量が減少する理由を補足する。
まず、従来技術のように多入力1出力システム100のパラメータを一括で推定する場合を考える。この場合、式(12)の逆行列計算における行列サイズは、mn×mnとなり、多入力1出力システム100の入力数(サブシステム110の数)mに依存し、大きくなる。当然、行列サイズが大きくなる程、逆行列計算の計算量が増大する。
次に、システム同定装置1のようにサブシステム110毎にパラメータを推定した場合も考える。この場合、システム同定装置1において、式(12)の逆行列計算における行列サイズは、n×nとなり、従来技術のようにパラメータを一括で推定した場合に比べて、小さくなる。
さらに、逆行列計算の計算量は、行数や列数の3乗に比例する。このため、逆行列計算の計算量は、サブシステム110毎にパラメータを推定した場合、多入力1出力システム100のパラメータを一括で推定したときに比べて、ほぼ入力数m^3分だけ減少する。
以下、システム同定装置1の構成について、説明を続ける。
サブシステム影響除去手段20は、サブシステム110毎に、第1出力推定値を算出し、他サブシステム110の第1出力推定値を出力信号から減算することで、減算信号を生成するものである。
<減算信号の生成>
図5を参照し、減算信号の生成を詳細に説明する(適宜図2参照)。
まず、サブシステム影響除去手段20は、サブシステム110のパラメータβ^と、入出力データに含まれるサブシステム110の入力信号u(t)とから、サブシステム110の第1出力推定値β^ (t)を算出する。これと同様、サブシステム影響除去手段20は、サブシステム110以外の他サブシステム110(110〜110i−1,110i+1〜110)の第1出力推定値も算出する。
次に、サブシステム影響除去手段20は、入出力データに含まれる多入力1出力システム100の出力信号y(t)から、他サブシステム110の第1出力推定値β^ (t)を減算する。このようにして、サブシステム影響除去手段20は、他サブシステム110の影響が除去された減算信号y ̄(t)を生成する。
すなわち、サブシステム影響除去手段20は、下記の式(13)を用いて、サブシステム110の減算信号y ̄ (t)を生成する。従って、サブシステム影響除去手段20は、式(13)の演算をm回行うことになる。
Figure 0006504381
なお、反復回数lを考慮せずに説明したが、式(13)には反復回数lを表す添え字が含まれている。従って、サブシステム影響除去手段20は、初回処理であるか否かにより、式(13)で利用するパラメータβ^ が異なる。
初回処理の場合、サブシステム影響除去手段20は、第1サブシステム同定手段10から入力された初回処理用のパラメータβ^ を、式(13)のパラメータβ^ として利用する。
2回目以降の反復処理の場合、サブシステム影響除去手段20は、後記する判定手段40から入力された今回処理用のパラメータβ^ を、式(13)のパラメータβ^ として利用する。
その後、サブシステム影響除去手段20は、減算信号y ̄ (t)と、初回処理用のパラメータβ^ 又は今回処理用のパラメータβ^ と、入出力データとを第2サブシステム同定手段30に出力する。
図2に戻り、システム同定装置1の構成について、説明を続ける。
第2サブシステム同定手段30は、後記する第2評価関数が最小となるように、サブシステム110毎に、サブシステム影響除去手段20より入力された減算信号から次回処理用のパラメータを推定するものである。
このとき、第2サブシステム同定手段30は、下記の式(14)で定義される第2評価関数が最小となるように、次回処理用のパラメータβ^(l+1) を求める。この式(14)は、減算信号y ̄ (t)と、サブシステム110の第2出力推定値との差分(平均二乗誤差)を表す。この第2出力推定値は、パラメータβ^(l+1) の転置β^(l+1)T と、サブシステム110の入力信号のベクトルx(t)とを乗じることで求められる。
Figure 0006504381
従って、第2サブシステム同定手段30は、下記の式(15)及び式(16)を用いて、サブシステム110のパラメータβ^(l+1) を求めることができる。ここで、第2サブシステム同定手段30は、式(15)及び式(16)の演算をm回行うことになる。
なお、式(15)についても、式(12)と同様の理由で計算量を減少させることができる。
Figure 0006504381
Figure 0006504381
その後、第2サブシステム同定手段30は、次回処理用のパラメータβ^(l+1) を判定手段40に出力する。さらに、初回処理用の場合、第2サブシステム同定手段30は、初回処理用のパラメータβ^ を判定手段40に出力する。一方、2回目以降の反復処理の場合、第2サブシステム同定手段30は、今回処理用のパラメータβ^ を判定手段40に出力する。
判定手段40は、サブシステム110毎にパラメータの差分を算出し、全てのサブシステム110でパラメータの差分を総和し、その総和に対する閾値判定により反復処理を行うか否かを判定するものである。
ここで、判定手段40は、初回処理であるか否かにより、パラメータの差分を求める方法が異なる。
初回処理の場合、判定手段40は、サブシステム110について、第2サブシステム同定手段30から入力された次回処理用のパラメータβ^(l+1) と初回処理用のパラメータβ^ との差分を求める。
2回目以降の反復処理の場合、判定手段40は、サブシステム110について、第2サブシステム同定手段30から入力された次回処理用のパラメータβ^(l+1) と今回処理用のパラメータβ^ との差分を求める。
つまり、判定手段40は、下記の式(17)を用いて、全てのサブシステム110でパラメータの差分を総和する。そして、判定手段40は、閾値判定として、式(17)で求めた差分の総和が、予め設定された閾値以下であるか否かを判定する。
なお、初回処理の場合でも、反復回数l=0となるので、式(17)が成立することは言うまでもない。
Figure 0006504381
差分の総和が閾値以下の場合、判定手段40は、反復処理を行わないと判定し、次回処理用のパラメータβ^(l+1) が含まれるFIRモデルを出力する。つまり、判定手段40は、次回処理用のパラメータβ^(l+1) が、式(1)のβに代入されたFIRモデルを出力する。
差分の総和が閾値を超える場合、判定手段40は、反復処理を行うと判定する。この場合、判定手段40は、反復回数lに‘1’を加算する。さらに、反復回数lに‘1’を加算したので、判定手段40は、サブシステム同定手段30から入力された次回処理用のパラメータを、今回処理用のパラメータβ^ としてサブシステム影響除去手段20に出力する。
[システム同定装置の動作]
図6を参照し、本願発明の実施形態に係るシステム同定装置1の動作について、説明する(適宜図2参照)。
システム同定装置1は、第1サブシステム同定手段10によって、式(11)の第1評価関数が最小となるように、サブシステム110毎に、入出力データから初回処理用のパラメータを推定する(ステップS10:初回処理用のパラメータ推定処理)。ここで、第1サブシステム同定手段10は、ステップS10の処理をm回行う。
システム同定装置1は、サブシステム影響除去手段20によって、サブシステム110毎に、第1出力推定値を算出し、他サブシステム110の第1出力推定値を出力信号から減算することで、減算信号を生成する(ステップS20:他サブシステムの影響除去処理)。ここで、サブシステム影響除去手段20は、ステップS20の処理をm回行う。
システム同定装置1は、第2サブシステム同定手段30によって、式(14)の第2評価関数が最小となるように、サブシステム110毎に、ステップS20で生成した減算信号から次回処理用のパラメータを推定する(ステップS30:次回処理用のパラメータ推定処理)。ここで、第2サブシステム同定手段30は、ステップS30の処理をm回行う。
システム同定装置1は、判定手段40によって、式(17)を用いて、全てのサブシステム110でパラメータの差分を総和し、求めた差分の総和が閾値以下であるか否かを判定する(ステップS40:閾値判定処理)。
差分の総和が閾値以下の場合(ステップS40でYes)、判定手段40は、ステップS30で推定したパラメータが含まれるFIRモデルを出力し、処理を終了する。
差分の総和が閾値を超える場合(ステップS40でNo)、判定手段40は、反復回数lに‘1’を加算し、ステップ20の処理に戻る。
[作用・効果]
以上のように、本願発明の実施形態に係るシステム同定装置1は、サブシステム110毎にパラメータを推定するので、式(12)及び式(15)の逆行列計算における行列サイズがサブシステムの数mに依存せずに、計算量を減少させることができる。
さらに、システム同定装置1は、サブシステム影響除去手段20が他サブシステム110の影響を除去するため、システムの同定を正確に行うことができる。
さらに、システム同定装置1は、音響装置200における頭部伝達関数の同定に利用することで、音響特性の測定実験とその後処理の時間を短縮可能である。
前記した実施形態では、音響装置200における頭部伝達関数を同定することとして説明したが、本願発明は、これに限定されない。すなわち、システム同定装置1は、多入力1出力システムであれば同定可能であり、例えば、頭部伝達関数以外の音響伝達関数を同定することができる。
前記した実施形態では、システム同定装置1を独立したハードウェアとして説明したが、本願発明は、これに限定されない。例えば、システム同定装置1は、コンピュータが備えるCPU、メモリ、ハードディスク等のハードウェア資源を協調動作させるシステム同定プログラムで実現することもできる。このプログラムは、通信回線を介して配布してもよく、CD−ROMやフラッシュメモリ等の記録媒体に書き込んで配布してもよい。
1 システム同定装置
10 第1サブシステム同定手段(初回処理用パラメータ推定手段)
20 サブシステム影響除去手段(信号減算手段)
30 第2サブシステム同定手段(次回処理用パラメータ推定手段)
40 判定手段
100 多入力1出力システム
110,110,110,110,110 サブシステム
110 他サブシステム
200 音響装置
SP,SP〜SP スピーカ
MC マイク

Claims (4)

  1. 多入力1出力システムの1入力1出力を表すサブシステム毎のパラメータが含まれるFIRモデルとして、前記サブシステム毎の入力信号と前記多入力1出力システムの出力信号とが含まれる入出力データから、前記多入力1出力システムを同定するシステム同定装置であって、
    前記多入力1出力システムの出力信号と、前記サブシステム毎の入力信号及び初回処理用のパラメータにより定まる第1出力推定値との差分を表す第1評価関数が最小となるように、前記サブシステム毎に、前記入出力データから前記初回処理用のパラメータを推定する初回処理用パラメータ推定手段と、
    初回処理の場合、前記サブシステム毎に、前記初回処理用パラメータ推定手段が推定した初回処理用のパラメータと前記入力信号とから前記第1出力推定値を算出し、当該サブシステムを除いた他サブシステムの第1出力推定値を前記出力信号から減算することで、減算信号を生成する信号減算手段と、
    前記減算信号と、前記入力信号及び次回処理用のパラメータにより定まる第2出力推定値との差分を表す第2評価関数が最小となるように、前記サブシステム毎に、前記信号減算手段が生成した減算信号から前記次回処理用のパラメータを推定する次回処理用パラメータ推定手段と、
    初回処理の場合、前記サブシステム毎に前記次回処理用のパラメータと前記初回処理用のパラメータとの差分を算出し、算出した当該差分の総和に対する閾値判定により反復処理を行うか否かを判定し、反復処理を行わないと判定した場合、前記次回処理用パラメータ推定手段で推定された次回処理用のパラメータが含まれるFIRモデルを出力する判定手段と、
    を備えることを特徴とするシステム同定装置。
  2. 記信号減算手段は、2回目以降の反復処理の場合、前記サブシステム毎に、前記次回処理用パラメータ推定手段が前回処理で推定した今回処理用のパラメータと、前記入力信号とから新たな前記第1出力推定値を算出し、新たな前記減算信号を生成し、
    前記次回処理用パラメータ推定手段は、新たな前記第2評価関数が最小となるように、前記サブシステム毎に、当該信号減算手段が生成した減算信号から新たな前記次回処理用のパラメータを推定し、
    前記判定手段は、2回目以降の反復処理の場合、前記サブシステム毎に前記次回処理用のパラメータと前記今回処理用のパラメータとの差分を算出し、算出した当該差分の総和に対する閾値判定により反復処理を行うか否かを判定し、反復処理を行わないと判定した場合、当該次回処理用のパラメータが含まれるFIRモデルを出力することを特徴とする請求項1に記載のシステム同定装置。
  3. 複数のスピーカと1つのマイクとを備える音響装置における頭部伝達関数を、前記複数のスピーカに同時に印加した音響信号が前記入力信号として含まれ、かつ、前記マイクで収録された音響信号が前記出力信号として含まれる前記入出力データから、同定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシステム同定装置。
  4. コンピュータを、請求項1から請求項3の何れか一項に記載のシステム同定装置として機能させるためのシステム同定プログラム。
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