JP4473709B2 - 信号推定方法、信号推定装置、信号推定プログラム及びその記録媒体 - Google Patents

信号推定方法、信号推定装置、信号推定プログラム及びその記録媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP4473709B2
JP4473709B2 JP2004334583A JP2004334583A JP4473709B2 JP 4473709 B2 JP4473709 B2 JP 4473709B2 JP 2004334583 A JP2004334583 A JP 2004334583A JP 2004334583 A JP2004334583 A JP 2004334583A JP 4473709 B2 JP4473709 B2 JP 4473709B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
matrix
transfer function
input
signal
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004334583A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006148453A (ja
Inventor
孝文 引地
正人 三好
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2004334583A priority Critical patent/JP4473709B2/ja
Publication of JP2006148453A publication Critical patent/JP2006148453A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4473709B2 publication Critical patent/JP4473709B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

この発明は例えば室内での音声収録等で用い、収録音声品質劣化の主要因である残響歪みを除去、低減し明瞭性低下を防ぐ収音技術や、移動無線受信時、ビル・高速道路等に起因するマルチパス歪みを低減し、良好な音声品質を維持する受信技術等に適用され、1入力2出力伝達系において、出力信号が系の伝達関数に起因する歪みを伴う場合に、伝達関数固有の事前情報を用いず、入力信号を高精度にブラインド推定する方法、その装置とプログラム及びその記録媒体に関する。
従来、室内での音声収録等においてマイクロホン受音信号から入力信号を推定し、残響除去を達成する方法として、室内の音響伝達関数をあらかじめ測定することなく、残響音声から残響を除去する方法がある(例えば非特許文献1参照)。この方法では、マイクロホン受音信号から伝達関数を推定し、伝達関数の推定値に基づいて逆フィルタを構成し、その逆フィルタにより受音信号を処理して残響除去を行う。これを図1を参照して簡単に説明する。
1入力2出力伝達系11の入力端12(例えばスピーカ、発話者などの音源が設けられている)と、出力端に設けられた2個のセンサ13,14との間の各伝達関数をh1(z),h2(z)とする。これらの伝達関数は共通な零点を持たないと仮定する。入力端12において時刻nの信号s(n)がこの伝達系11に入力され、この信号は2つの出力端に設けられたセンサ13及び14で検出される。センサ13及び14の各出力信号x1(n),x2(n)は,まず、伝達関数推定部10において、フィルタ15,16へ供給される。これらフィルタ15,16で処理された出力信号は減算器17で互いに減算される。この減算器17の出力信号e(n)の二乗平均値を最小化するようにフィルタ15,16の各フィルタ係数がフィルタ計算部19で計算され、これら計算されたフィルタ係数がフィルタ15,16に設定される。これら計算されるフィルタ15,16の伝達関数をh^2(z,i),h^1(z,i)とする。ここでiはフィルタ次数を表す。
減算器17の出力信号e(n)は次式で表される。
e(n)=x1(n)h^2(z,i)−x2(n)h^1(z,i)
=s(n)h1(z)h^2(z,i)−s(n)h2(z)h^1(z,i)
=s(n){h1(z)h^2(z,i)−h2(z)h^1(z,i)} (1)
ここで、伝達関数h1(z),h2(z)がj次でモデル化できるとすると、i=jかつ全てのnについてe(n)が零となれば、
h^1(z,i)=αh1(z),h^2(z,i)=αh2(z) (2)
が得られる。ここで、αは任意の定数である。すなわち、伝達関数h1(z),h2(z)は定数倍の違いを除いて正確に推定される。
伝達関数推定部10で伝達関数が推定されると、残響除去処理部20において、推定された伝達関数h^1(z,i),h^2(z,i)を用いて逆フィルタ計算部24にて第1及び第2の逆フィルタ伝達関数g1(z),g2(z)を計算する(この計算は例えば非特許文献2を参照)。逆フィルタ伝達関数g1(z),g2(z)は式(3)を満たす。
h^1(z,i)g1(z)+h^2(z,i) g2(z)=1 (3)
(2)式より、
αh1(z)g1(z)+αh2(z)g2(z)=1
1(z)g1(z)+h2(z)g2(z)=1/α
このようにして求めた逆フィルタ伝達関数g1(z),g2(z)をフィルタ21,22にセットする。センサ13,14の出力信号x1(n),x2(n)をフィルタ21,22でそれぞれフィルタ処理し、これらフィルタ21,22の出力を加算器23にて加算する。その結果、入力信号s(n)が定数倍の違いを除いて正確に推定される。
なお伝達関数の推定は例えば非特許文献3に示すように、センサの各出力信号x1(n),x2(n)から自己相関行列を求め、この自己相関行列の最小固有値に対応する固有ベクトルを求めることにより、求めてもよい。
以上述べた従来技術では、伝達関数を模擬するフィルタ次数の決定が非常に重要であるが、伝達関数の次数は一般に未知であるため、以下の方法でフィルタ次数を決定している。様々な次数を用いて上記の処理を動作させ、残響除去音声信号を用いて伝達関数の推定精度を表わすコスト関数を計算する。そして、このコスト関数を最小化する次数を最適な次数として採用する。すなわち、この方法では、考えられる全ての次数について、上記の処理を行う必要がある。つまり図2に示すように、まず伝達関数を推定し(ステップS1)、これら推定伝達関数h^1(z,i),h^2(z,i)を用いて、逆フィルタ伝達関数g1(z),g2(z)をそれぞれ計算し(ステップS2)、これら逆フィルタ伝達関数g1(z),g2(z)を用いて先に述べたようにセンサ出力信号x1(n),x2(n)を処理して、入力信号s(n)を仮推定し(ステップS3)、その仮推定した入力信号を用いて伝達関数の推定精度を表わすコスト関数を計算し(ステップS4)、考えられる全ての次数についてコスト関数の計算が終了していなければ次数を更新してステップS1に戻り(ステップS5)、全ての次数についてコスト関数の計算が終了したら、最小のコスト関数が得られた伝達関数の次数を決定し(ステップS6)、その後はその次数の伝達関数を用いて入力信号の推定を行う(ステップS7)。
伝達関数を模擬するフィルタ次数として不十分な値を与えた場合、伝達関数は正確に推定されず、良い性能は得られない。また、フィルタ次数として最適値よりも大きな値を与えた場合には、推定される伝達関数は次式のようになる。
h^1(z,i)=c(z)h1(z),h^2(z,i)=c(z)h2(z) (4)
すなわち、共通項c(z)が掛かった推定伝達関数が求まる。この推定伝達関数の値を用いて、上記と同様に逆フィルタを求めると以下のようになる。
h^1(z,i)g1(z)+h^2(z,i)g2(z)=1 (5)
(4)式より、
c(z)h1(z)g1(z)+c(z)h2(z)g2(z)=1 (6)
1(z)g1(z)+h2(z)g2(z)=1/c(z)
この結果から、フィルタ次数として大きすぎる値を用いて入力信号の推定を行った場合、推定された入力信号は共通項c(z)の影響を受け、正しい入力信号が得られない。
一般に部屋の伝達関数の次数は残響時間を用いることで、その上限をおよそ求めることができる。この上限に相当する次数、すなわち、真の伝達関数の次数よりも長い次数を用いた場合、2つの伝達関数の推定値h^2(z,i),h^1(z,i)には共通項c(z)が畳み込まれている。その結果、従来の方法では、入力信号に歪みが生じている。
M.Gurelli and C.Nikias,"EVAM:An eigenvector-based algorithm for multichannel blind deconvolution of input colored signals,"IEEE Trans.Signal Processing,vol.43,no.1,134-149(1995). M.Miyoshi and Y.Kaneda,"Inverse filtering of room acoustics,"IEEE Trans.Acoustics,Speech,and Signal Proc.,vol.36,145-152(1988). K.Furuya and Y.Kaneda,"Two-channel blind deconvolution of nonminimum phase FIR systems,"IEICE Trans.Fundamentals,vol.E80-A,no.5,804-808 (1997)
上記の通り、従来技術では、伝達関数が次数も含めて精度良く推定されることが重要であり、そのための処理が必要となるため、構成が複雑となる。さらに、伝達関数の次数が正確に求められない場合、推定された伝達系は歪みを伴う。その結果、残響除去処理信号やマルチパス歪低減処理信号の性能が低下する。この発明では、伝達関数の正確な次数の推定を必要としない方法を用いて、このような課題を解決する。
この発明は、室内伝達関数の推定値h^2(z,i),h^1(z,i)より共通項を推定し、後段に共通項の影響を排除するフィルタを設置しフィルタ処理を行うことにより、伝達関数次数の正確な推定をすることなく入力信号推定を行い、上記の課題を解決する。
従来と同様に、1入力2出力伝達系の出力端に備える第1及び第2のセンサの出力信号から伝達関数を推定し、これらから第1及び第2の前記自己相関行列から、共通項が畳み込まれた2つの伝達関数の推定値を求める過程と、前記2つの逆フィルタ伝達関数を計算し、これらの第1及び第2の逆フィルタ伝達関数で第1及び第2のセンサ出力信号をそれぞれ処理し、更にこれらフィルタ処理結果を加算するが、この発明では特に前記2つの伝達関数の推定値から共通項を求め、この共通項により前記加算信号をフィルタ処理する。
この発明では伝達関数の次数の推定を行なうことなく、その点で伝達関数をそれ程精度よく求める必要がなく、処理が簡単であり、次数推定誤りに基づく影響を除去し、入力信号を正しく推定することができる。
図3は、この発明の一実施形態における入力信号推定装置の機能構成例を示し、図1と対応する部分に同一参照番号を付けて重複説明を省略する。
伝達関数推定部40ではセンサ13,14の出力信号x1(n),x2(n)から入力端12とセンサ13,14間の各伝達関数が推定される。この伝達関数の推定は図1中に示した伝達関数推定部10の方法によってもよいし、また前述したようにセンサ出力信号x1(n),x2(n)から自己相関行列を求め、この自己相関行列から各伝達関数を推定してもよいし、他の方法によって推定してもよい。
伝達関数推定部40で推定された伝達関数値h^1(z),h^2(z)に基づき逆フィルタ計算部24で逆フィルタ伝達関数g1(z),g2(z)が計算される。これら逆フィルタ伝達関数g1(z),g2(z)は前段フィルタ31,32にそれぞれ設定される。各センサ出力信号x1(n),x2(n)は前段フィルタ31,32でフィルタ処理され、これらフィルタ31,32の両出力信号は加算器33で加算される。
一方伝達関数推定部40で推定された伝達関数値h^1(z),h^2(z)から共通項計算部36で共通項が計算され、この共通項が後段フィルタ34に設定される。加算器33の出力信号が後段フィルタ34により処理されて、共通項の影響が除去された信号、つまり推定入力信号s^(n)が出力される。
共通項計算部36において、2つの伝達関数の推定値h^(z),h^(z)から共通項を求めるには、例えば図4、図5に示す方法により行われる。
このようにして共通項を求めるには伝達関数行列Hと、シフト行列Sと積行列Qとを用いるが、これらの関係について説明する。
この発明では伝達関数の推定値について、正確な次数を求める必要がないため、(4)式と異なり引数iを省略して表す。まず、次の関係式を考える。
h^1(z)w1(z)+h^2(z)w2(z)=z+1h^1(z)
c(z)h1(z)w1(z)+c(z)h2(z)w2(z)=z+1c(z)h1(z) (7)
ここで、z+1h^1(z)は、h^1(z)を1離散時刻進めたものを表わす。また
i(z)=hi,0 +hi,1-1+…+hi,j-j,i=1,2
c(z)=c+c-1+…+c-m
このような関係を満たすフィルタ係数w1(z),w2(z)を考える。これらw1(z),w2(z)は、2つのセンサ出力信号x1(n),x2(n)から、1時刻先の1つのセンサ出力x1(n+1)を予測するフィルタのフィルタ係数に相当する。(7)式を行列表現すると、次のようになる。
CHw=SCh (8)
Figure 0004473709
=[hi,0 ,hi,1 ,…,hi,j ,0,…,0]
w=[w1,0 ,w1,1 ,…,w1,k ,w2,0 ,w2,1 ,…,w2,k
[・]は転置を表わす。
ここで、上記に示す通り、ベクトルhが行列Hの第1列目に一致することを利用して、ベクトルhを行列Hで置き換え、ベクトルwを行列Qで置き換え、つまり第1列目がベクトルwに一致する行列Qを生成する。
このようにすると、(8)式は次式で表わせる。
CHQ=SCH (9)
この式(9)をQについて解くと、次のように整理される(例えば文献「児玉,須田,システム制御のためのマトリクス理論,コロナ社,1978年,p.332,p339」参照)。
Q=(HCH)-1SCH
=(CH)SCH
=H(HH-1(CC)-1SCH (10)
ここで、(A)は行列AのMoore-Penrose一般逆行列を表わす。
行列Qの特性多項式f(Q)は次式で表される。
(Q)=f(H(HH-1(CC)-1SCH)
=f(HH(HH-1(CC)-1SC)
=f((CC)-1SC)) (11)
ここで、Q′=(CC)-1SCと置く。行列の形に着目すると、以下に示す通り、CCはToeplitz型の相関行列、CSCはCCを一行上にシフトさせた形となっている。
Figure 0004473709
従って、Q′は、次の形の行列となる。
Figure 0004473709
ここで、1/c(z)=1−(d-1+…+dm’-m’ )。すなわち、行列Q′の一列目には共通項c(z)の逆特性を表す係数が並ぶ。行列Qの特性多項式は、次式となる。
(Q)=f(Q′)
=1−(d-1+…+dm’-m’) (12)
すなわち、行列Qの特性多項式は、共通項c(z)の逆特性を表わす多項式に一致する。
ところで、(9)式において、H^=CHと置くと、これは以下に示す通り、伝達関数の推定値h^1(z),h^2(z)より構成される行列である。
Figure 0004473709
このようにこの伝達関数行列H^は列の要素数(j′+1)の2倍とし、行の数をj′の2倍+1とし、1列目を1行目から始まるh^1(z)の縦ベクトルとし、残りを0とし、第p列目(p=2,…,j′)をp−1個の0とh^1(z)の縦ベクトルと、j′−(p−1)個の0とし、これらの次に、つまりj′+1列目以後に、h^2(z)の縦ベクトルを順次1行ずらし、かつ2j′要素中の残りの要素を0としたものである。
先に述べたように(9)式にH^=CHを代入して、これを行列Qについて解くと、次式が得られる。
Q=(H^H^)-1H^SH^ (14)
すなわち、伝達関数の推定値を用いて構成される行列H^とシフト行列Sを用いて、積行列Qが計算できる。こうして得られる積行列Qの特性多項式は、共通項c(z)の逆特性を表わす多項式に一致する。
共通項計算部36の具体的機能構成を図4に、その処理手順の例を図5に示す。伝達関数推定部40からの伝達関数推定値h^1(z),h^2(z)は伝達関数行列生成部41で伝達関数行列H^が構成され(ステップS11)、その伝達関数行列H^の転置行列H^が転置部42で構成される(ステップS12)。積行列計算部43に伝達関数行列H^とその転置行列H^と、シフト行列Sが入力されて(14)式の行列計算が行われて積行列Qが生成される(ステップS13)。つまり、H^の相関行列H^H^の逆行列(H^H^)−1と、相関行列H^H^を1行上にシフトした行列H^SH^との積が積行列計算部43で計算される。積行列Qは特性多項式計算部44で特性多項式が計算される(ステップS14)。この特性多項式の逆特性が逆特性計算部45で計算されて、その結果として共通項c(z)が得られる(ステップS15)。
図3中の後段フィルタ34の伝達特性は逆特性計算部45で得られた共通項c(z)とされる。この伝達特性が得られるように、後段フィルタ34に対し、フィルタ係数が設定される。従って、後段フィルタ34から共通項c(z)の影響が除去された推定入力信号s^(n)が得られる。
共通項計算の方法として、上に述べた方法の他にも、2つの多項式の最大公約多項式を求めるQiuの方法を利用して求めてもよい(例えば文献W.Qiu,Y.Hua,and K.Abed-Meraim,“A subspace method for the computation of the GCD of polynomials,”Automatica, vol.33,no.4,741-743(1997)を参照)。この場合、共通項計算の方法は次のようにまとめられる。
伝達関数行列H^を特異値分解により3つの行列積で表し、更にその両側の行列をそれぞれ(15)式に示すように2つの部分行列を用いて表す。
Figure 0004473709
中央の対角行列中のΣはゼロでないr個の特異値を対角要素に持つ対角行列を表し、「0」は全ての要素が0のゼロ行列を表す。
[U]は固有ベクトルから作られた行列であり、その零空間固有ベクトルUは次式で表せる。
=[ur+1,...,u2j′+1
更に式(16)を用いて行列Rを計算する。
Figure 0004473709
この行列Rの最小固有値に対応する固有ベクトルを求めれば共通項c(z)となる。このc(z)が後段フィルタ34の伝達特性となるようにフィルタ係数を設定する。
従来技術では、図2を参照して説明したように様々な次数を用いて残響除去処理を行い、伝達関数の推定精度を表わすコスト関数を計算する。そして、このコスト関数を最小化する次数を最適な次数として採用する。これに対して、この実施形態では、一度残響除去処理を行えばよく、アルゴリズム構成が非常に簡単になる。
また、この発明は室内の音声収録に限らず、移動無線におけるマルチパスによる影響の除去にも適用でき、その場合はセンサとしてアンテナが用いられ、そのアンテナ出力信号はベースバンド信号に変換されて、上述の場合と同様に処理される。その他同様な問題に対しこの発明を適用することができる。
図6を参照してこの発明方法の実施形態を説明する。センサ13,14よりの第1、第2出力信号x1(n),x2(n)から第1、第2伝達関数値を推定し(ステップS31)、これら第1、第2伝達関数推定値h^1(z),h^2(z)から、第1、第2逆フィルタ係数をそれぞれ計算する(ステップS32)。これら第1、第2逆フィルタ係数を用いて出力信号x1(n),x2(n)に対しそれぞれフィルタ処理し(ステップS33)、これら処理結果を加算して残響信号や回折波信号などを除去した信号を得る(ステップS34)、一方伝達関数推定値h^1(z),h^2(z)を用いてこれら関数に共通な共通項を計算し(ステップS35)、この共通項を用いてステップS34で得られた加算信号中から共通項の成分を除去するフィルタ処理を行って入力信号の推定値とする(ステップS36)。
この信号推定処理をコンピュータに実行させてもよい、つまり図3に示した装置をコンピュータにより機能させてもよい。そのコンピュータを図7に概略を示す。例えば図6に示した各処理手順の各過程をコンピュータに実行させるための信号推定プログラムをCD−ROM、磁気ディスク、半導体記憶装置などの記録媒体からプログラムにメモリ51にインストールし、あるいは送信回線を介してダウンロードし、CPU52はこのプログラムを実行し、センサからの出力信号を外部とのインタフェース53を介して記憶部54に取り込み、その取り込んだ出力信号に対し、プログラムの実行に基づく処理を行い、推定した入力信号を出力部55から出力する。ディジタル信号処理モジュール(DSP)のようなそれ自体プログラムを実行して独立に処理する伝達関数推定部56、共通項計算部57を設け、CPU52の指示に基づき、これらを動作させるようにしてもよい。伝達関数推定値h^1(z),h^2(z)は前述した二つの方法以外の方法によって求めてもよい。
従来技術による残響除去装置の機能構成を示すブロック図。 図1に示した装置の処理手順を示す流れ図。 この発明の一実施形態における入力信号推定装置の機能構成を示すブロック図。 図3中の共通項計算部36の具体的機能構成例を示すブロック図。 共通項計算部36の処理手順の例を示す流れ図。 この発明による入力信号推定方法の処理手順の例を示す流れ図。 この発明装置として機能させるコンピュータの概略を示すブロック図。

Claims (4)

  1. 1入力2出力伝達系の出力端に備える第1及び第2のセンサの出力信号を第1、第2のフィルタでフィルタ処理した結果の差を最小化するように第1及び第2のフィルタ係数を計算し、前記計算された第1、第2のフィルタ係数を入力端と両出力端間の第1及び第2の伝達関数推定値とする過程、または、前記第1、第2のセンサの出力信号から自己相関行列を求め、自己相関行列の最小固有値に対応する固有ベクトルを求め、前記固有ベクトルを入力端と両出力端間の第1及び第2の伝達関数推定値とする過程のいずれかと、
    前記第1及び第2の伝達関数推定値を用いて第1及び第2の逆フィルタ係数を計算する過程と、
    これら第1及び第2の逆フィルタ係数により前記第1及び第2のセンサ出力信号をそれぞれフィルタ処理する過程と、
    これらフィルタ処理された信号を加算する過程と、
    前記第1及び第2の伝達関数推定値から共通項を計算する過程と、
    この共通項により前記加算した信号をフィルタ処理して入力信号を推定する過程を有し、
    前記共通項を計算する過程は、前記第1及び第2伝達関数推定値を用いて伝達関数行列H^を構成し、
    その伝達関数行列H^の転置行列H^を求め、
    伝達関数行列H^の相関行列H^H^の逆行列と、伝達関数行列H^の相関行列を1行上にシフトさせた行列H^SH^との積を計算して積行列Qを生成し、
    その積行列Qの特性多項式を計算し、
    その特性多項式の逆特性を計算して共通項を求める過程である
    ことを特徴とする信号推定方法。
  2. 1入力2出力伝達系の出力端に備える第1及び第2のセンサ出力信号が入力され、これら両出力信号を第1及び第2のフィルタでフィルタ処理した結果の差を最小化するように第1及び第2のフィルタ係数を計算し、前記計算された第1及び第2のフィルタ係数を入力端と両出力端間の第1及び第2の伝達関数推定値とする、または、前記第1及び第2のセンサの出力信号から自己相関行列を求め、自己相関行列の最小固有値に対応する固有ベクトルを求め、前記固有ベクトルを入力端と両出力端間の第1及び第2の伝達関数推定値とする伝達関数推定部と、
    前記第1及び第2の伝達関数推定値が入力され、第1及び第2の逆フィルタ係数を計算する逆フィルタ計算部と、
    第1及び第2の逆フィルタ係数がそれぞれ設定され、第1及び第2のセンサ出力信号をそれぞれ入力する第1及び第2前段フィルタと、
    第1及び第2の前段フィルタの出力信号を加算する加算器と、
    前記第1及び第2の伝達関数推定値が入力され、これら伝達関数の共通項を計算する共通項計算部と、
    前記共通項が設定され、前記加算器の出力信号が入力され、その加算出力信号から共通項成分を除去して推定入力信号を出力する後段フィルタと
    を具備し、
    前記共通項計算部は、前記第1及び第2の伝達関数推定値が入力され、伝達関数行列H^を構成する伝達関数行列構成部と、
    伝達関数行列のH^が入力され、その転置行列H^を構成する転置部と、
    伝達関数行列と、その転置行列と、行列を1行上にシフトさせる行列Sとが入力され、(H^H^)−1H^SH^=Qを演算する積行列演算部と、
    積行列Qが入力されその特性多項式を計算し、その特性多項式の逆特性を計算して共通項を求める特性多項式計算部とを備えることを特徴とする信号推定装置。
  3. 請求項1記載の入力信号推定方法の各過程をコンピュータに実行させるための信号推定プログラム。
  4. 請求項記載の信号推定プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
JP2004334583A 2004-11-18 2004-11-18 信号推定方法、信号推定装置、信号推定プログラム及びその記録媒体 Expired - Fee Related JP4473709B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004334583A JP4473709B2 (ja) 2004-11-18 2004-11-18 信号推定方法、信号推定装置、信号推定プログラム及びその記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004334583A JP4473709B2 (ja) 2004-11-18 2004-11-18 信号推定方法、信号推定装置、信号推定プログラム及びその記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006148453A JP2006148453A (ja) 2006-06-08
JP4473709B2 true JP4473709B2 (ja) 2010-06-02

Family

ID=36627631

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004334583A Expired - Fee Related JP4473709B2 (ja) 2004-11-18 2004-11-18 信号推定方法、信号推定装置、信号推定プログラム及びその記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4473709B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4891805B2 (ja) * 2007-02-23 2012-03-07 日本電信電話株式会社 残響除去装置、残響除去方法、残響除去プログラム、記録媒体
EP2031760B1 (en) * 2007-08-31 2014-02-26 Mitsubishi Electric R&D Centre Europe B.V. Method for estimating, in a communication system, the level of interference plus noise affecting received signals representative of a set of received pilot symbols
US20110058676A1 (en) * 2009-09-07 2011-03-10 Qualcomm Incorporated Systems, methods, apparatus, and computer-readable media for dereverberation of multichannel signal
JP6363213B2 (ja) * 2014-04-30 2018-07-25 ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド いくつかの入力オーディオ信号の残響を除去するための信号処理の装置、方法、およびコンピュータプログラム
JP6606784B2 (ja) * 2015-09-29 2019-11-20 本田技研工業株式会社 音声処理装置および音声処理方法
WO2020100340A1 (ja) * 2018-11-12 2020-05-22 日本電信電話株式会社 伝達関数推定装置、方法及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006148453A (ja) 2006-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4422692B2 (ja) 伝達経路推定方法、残響除去方法、音源分離方法、これらの装置、プログラム、記録媒体
US5774562A (en) Method and apparatus for dereverberation
JP5124014B2 (ja) 信号強調装置、その方法、プログラム及び記録媒体
CN108172231B (zh) 一种基于卡尔曼滤波的去混响方法及系统
JP5029355B2 (ja) 適応ディジタルフィルタ、fm受信機、信号処理方法、およびプログラム
JP2007288775A (ja) マルチチャネルエコー補正システムおよび方法
JPWO2009110578A1 (ja) 残響除去装置、残響除去方法、残響除去プログラム、および記録媒体
CN108429995B (zh) 音响处理装置、音响处理方法以及存储介质
EP3050322B1 (en) System and method for evaluating an acoustic transfer function
US6381272B1 (en) Multi-channel adaptive filtering
JP4473709B2 (ja) 信号推定方法、信号推定装置、信号推定プログラム及びその記録媒体
Malik et al. Double-talk robust multichannel acoustic echo cancellation using least-squares MIMO adaptive filtering: transversal, array, and lattice forms
JP5240026B2 (ja) マイクロホンアレイにおけるマイクロホンの感度を補正する装置、この装置を含んだマイクロホンアレイシステム、およびプログラム
JP3649847B2 (ja) 残響除去方法及び装置
WO2014132499A1 (ja) 信号処理装置および方法
JP6343771B2 (ja) 頭部伝達関数のモデリング装置、その方法及びそのプログラム
Yoshioka et al. Dereverberation by using time-variant nature of speech production system
JP6399864B2 (ja) 制御器設計装置、制御器設計方法及びプログラム
JP6644356B2 (ja) 音源分離システム、方法及びプログラム
JP5228903B2 (ja) 信号処理装置および方法
JP3920795B2 (ja) 反響消去装置、方法、及び反響消去プログラム
JP3986457B2 (ja) 入力信号推定方法、及び装置、入力信号推定プログラムならびにその記録媒体
JP2013113866A (ja) 残響除去方法、残響除去装置、プログラム
JP5524316B2 (ja) パラメータ推定装置、エコー消去装置、パラメータ推定方法、及びプログラム
JP4714892B2 (ja) 耐高残響ブラインド信号分離装置及び方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20061225

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100223

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100305

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees