JP3160908B2 - インクジェット記録ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド及びその製造方法

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JP3160908B2
JP3160908B2 JP50407292A JP50407292A JP3160908B2 JP 3160908 B2 JP3160908 B2 JP 3160908B2 JP 50407292 A JP50407292 A JP 50407292A JP 50407292 A JP50407292 A JP 50407292A JP 3160908 B2 JP3160908 B2 JP 3160908B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、インクジェット記録装置に用いる撥水特性
にすぐれたインクジェット記録ヘッド及びその製造方法
に関する。
背景技術 インクジェット記録ヘッドにはガラス、金属、樹脂等
の材質が用いられている。
しかし、インクジェット記録ヘッドにおいて水性イン
クを用いる場合、ノズル表面の撥水性が不十分であると
インクの液滴が付着しやすくなり、そのため吐出するイ
ンク滴の直進性が損なわれ、印字乱れ等のトラブルによ
って記録不能となることがある。
そこで従来、インクが吐出する部分であるノズルの表
面を、水性インクの付着をなくすために撥水化処理する
ことが行われており、たとえば静電粉体塗装(特開昭57
−157765)、真空蒸着、プラズマ重合(特開昭60−1831
61、同59−176059)によりノズル表面に撥水性材料粒子
を付着させて撥水化するという方法が提案されている。
しかしながら、前述の従来技術による撥水化処理で
は、ピンホール等の欠陥のない平滑な撥水化表面を得る
ことは必ずしも容易ではない。そのため個々の製品間の
特性にばらつきが生じ、さらに経時的にも特性が変化す
るという問題がある。また、静電粉体塗装の場合にあっ
ては、300℃以上の焼付け温度が必要であり、金属に対
しては精密な寸法加工精度が損なわれ、樹脂に対しては
これを適用する事は不可能であった。また、真空蒸着法
を用いた場合、おおがかりな装置が必要で工程管理が難
しく、しかもこの方法では密着強度が不足するため、耐
久性の低いものしか得られないという問題がある。
本発明は前記課題を解決するものであり、インクジェ
ット記録ヘッドのノズル表面の撥水特性にすぐれ、しか
もその撥水効果の持続性、耐久性に優れ、長期間にわた
って高い印字品質を維持し得るインクジェット記録ヘッ
ド及びその製造方法の提供を目的としている。
発明の開示 上記目的は、インクジェット記録装置に用いるインク
ジェット記録ヘッドにおいて、インクが吐出するノズル
表面に含フッ素高分子の均一層からなる撥水層を形成す
ることにより達成される。また、撥水特性にすぐれた本
インクジェット記録ヘッドは、インクが吐出するノズル
表面に溶剤可溶性の含フッ素高分子溶液を用いて塗布形
成もしくは転写により、ノズル表面に含フッ素高分子か
らなる上記撥水層を形成することによって製造すること
ができる。
ノズル表面の撥水処理は、水との接触角が少なくとも
90度以上、好ましくは100度以上必要なため、分極率が
小さいことから分子間凝集力の著しく小さいフッ素の導
入が有効である。ポリテトラフルオロエチレンに代表さ
れる含フッ素高分子は、耐熱性、耐薬品性、耐候性等の
優れた特徴を持つが、溶媒に不溶であって、前述のよう
に粉体としてのコーティングしかできず、したがって良
好な撥水特性を得ることは困難である。
図面の簡単な説明 図1および図4は、各々、本発明の実施例に係るイン
クジェット記録ヘッドの概略断面図、 図2は、インク吐出ノズルの部分拡大した断面図、 図3、図5〜図9および図13は、各々、ノズル表面の
撥水化処理の工程を模式的に示した断面図、 図10は、本発明の実施例におけるインクジェット記録
ヘッドの概略断面図、 図11ならびに図12は、水面展開法によって撥水層を形
成する方法を示す説明図、 図14ならびに図15は、LB膜形成法によって撥水層を形
成する方法を示す説明図である。
発明を実施するための最良の形態 以下、本発明の具体的態様について説明する。
本発明によるインクジェット記録ヘッドは、インクジ
ェット記録装置に装着されるものであって、インクが吐
出するノズル表面に、含フッ素重合体の均一な層からな
る撥水層が形成されてなることを特徴とするものであ
る。
上記のような撥水層は、溶剤可溶性の含フッ素重合体
によって形成される。また、このような溶剤可溶性含フ
ッ素重合体は非晶質であることが好ましい。具体的に
は、ポリジパーフルオロアルキルフマレート、テフロン
AF(デュポン社の登録商標)、サイトップ(旭硝子社の
登録商標)のような溶媒可溶性含フッ素重合体、あるい
は、ジパーフルオロアルキルフマレートとスチレンとの
交互共重合体、三フッ化塩化エチレンとビニルエーテル
との交互共重合体、四フッ化エチレンとビニルエステル
との交互共重合体などの含フッ素エチレンと炭化水素系
エチレンとの交互重合体もしくはその類似体ないし誘導
体が好ましく用いられ得る。
溶媒としては、フッ素化液体、例えばフロリナート
(3M社の登録商標)、ガルデン(モンテフルオス社の登
録商標)、トリフルオロメチルベンゼン、ハイドロクロ
ロフルオロカーボンなどが好ましく用いられ得る。
また、含フッ素重合体溶液中の含フッ素重合体の濃度
としては、0.01〜7重量%が好ましく、さらに好ましく
は、0.1〜5重量%の範囲である。
上述した含フッ素重合体は溶媒可溶性であるため、後
述するように溶液化した状態において塗布法や転写法を
用いて撥水層の形成が可能となる。このようにして得ら
れる撥水層は、含フッ素重合体の均一層ないし連続相か
らなる緻密かつ均質な膜からなり、このような膜構造に
よって、撥水特性と撥水効果の持続性を飛躍的に向上さ
せることができるものと推定される。
本発明においては、撥水層を形成するノズル表面との
接着性を一層向上させるために、カップリング化合物層
を介して撥水層を形成することもできる。
上記撥水層は、後述するディッピングなどの塗布形成
法や転写法によって簡便かつ迅速な方法によって形成す
ることができることも本発明の特徴である。
すなわち、本発明によるインクジェット記録ヘッドの
製造方法においては、インクジェット記録ヘッドのイン
クが吐出するノズル表面に撥水処理を施すに際して、含
フッ素重合体を溶媒に溶解させてなる重合体溶液を用意
し、インク吐出孔が形成されたノズルプレートの全表面
に前記重合体溶液をディッピングにより塗布することに
よって、ノズルプレート表面に含フッ素重合体からなる
撥水層を形成し、このようにしてノズルプレート表面に
形成された撥水層のうち、ノズルプレートの裏面側(イ
ンクが吐出する側と反対側)の撥水層を研磨により除去
する工程を含むことを特徴としている。
さらに、本発明の方法の別の態様においては、ノズル
プレートの全表面に撥水層を形成したのち、少なくとも
ノズル吐出孔の内部ないしその近傍のみに保護層を形成
し、しかるのちにノズルプレートの裏面側(インクが吐
出する側と反対側)の撥水層を研磨により除去し、次い
で前記保護層を除去する工程を採用することができる。
さらに他の態様においては、インクジェット記録ヘッ
ドのインクが吐出するノズル表面に撥水処理を施すに際
して、インク吐出孔が形成されたノズルプレートの少な
くとも裏面側(インクが吐出する側と反対側)にポジレ
ジストを塗布形成し、前記ノズルプレートの裏面側を遮
光して、表面側から電離放射線を照射し、前記照射面を
現像して、ノズルプレートの表面ならびにノズル孔内部
のレジストを除去し、ノズルプレートの全表面に含フッ
素重合体を溶解させてなる重合体溶液をディッピングに
より塗布することによって、ノズルプレート全表面に含
フッ素重合体からなる撥水層を形成し、前記ノズルプレ
ートの裏面側のレジスト層ならびに撥水層をレジスト剥
離液によって除去することによってノズルプレートの表
面側およびノズル孔の内面のみに撥水層を形成する工程
を採用することもできる。
また、転写法を用いた方法としては、インクジェット
記録ヘッドのインクの吐出するノズル表面に撥水処理を
施すに際して、まず、転写用媒体表面に、含フッ素重合
体を溶解させてなる重合体溶液からなる重合体層を形成
し、次いで、前記転写用媒体表面上の重合体層をインク
吐出孔が形成されたノズルの所定部分に転写する工程を
採用することができる。また、この転写は複数回行うこ
とにより緻密さが増し、所望の膜厚にすることができ
る。
上記の転写法においては、含フッ素重合体を溶解させ
てなる重合体溶液を水面上に展開させ、前記重合体溶液
の溶媒を揮発させたのち、得られた展開膜をノズル表面
に接触させることによって重合体層の転写を行う水面展
開法を用いることができる。また、この水面展開膜の転
写は複数回行うことによって所望の膜厚にすることがで
きる。
上述した転写法においては、重合体層の転写を行った
のち、乾燥ならびに加熱処理を行うことによってより均
質かつ緻密な撥水層を形成することができる。
さらに本発明においては、含フッ素重合体を溶解させ
てなる重合体溶液を水面上に展開させて、溶媒を揮発さ
せたのちバリアーを移動させて展開膜をラングミュアー
膜とし、得られたラングミュアー膜をノズルプレート表
面に接触させることによって含フッ素重合体からなるLB
膜をノズル表面に形成する方法を採用することもでき
る。
このようなLB膜はたとえば1層以上積層して所望の膜
厚とすることができる。また、LB膜の転写を行ったの
ち、加熱処理を行って、より均質かつ緻密な撥水層を形
成することができる。
上記転写法において、ゴムなどの弾性体を転写用媒体
として用いる場合においては、転写用媒体表面を平滑面
状態にすることが、良好な撥水膜を形成する上において
肝要である。なお、転写法を用いたヘッドの表面処理方
法は特開平2−48953号に開示されており、この方法に
おいては多孔質からなる転写用媒体を用いる点に特徴を
有しているが、本発明者の知見によれば、多孔質の転写
媒体を用いて転写を行う方法は転写効率の点においては
すぐれているが、本発明が目的とする撥水特性にすぐれ
た均質かつ緻密な撥水層を形成する上においては、必ず
しも有効ではなく、むしろ、上記のように転写用媒体表
面を平滑面状態にすることが効果的であることを見出し
た。上記のように転写媒体(支持体)表面を平滑面状態
にすることによって重合体層と転写媒体との剥離性が良
好なものとなり、また重合体層の膜厚を厚くしかつ均一
なものとすることができるのは予想外であった。
なお、上記の重合体層の転写に先立って、ノズル表面
にカップリング化合物層を形成することができ、上述し
た転写法とカップリング化合物層の形成とを組合わせる
ことによって、密着性にすぐれしかも膜厚の厚い撥水層
を形成することができる。以下、このカップリング化合
物層の形成方法を含めた撥水処理の方法について説明す
る。
まず、ノズルプレートを、カップリング化合物と溶媒
とからなるカップリング溶液に浸漬したのち、さらに溶
媒へ浸漬する。この溶媒への浸漬によって、カップリン
グ化合物の塗布膜厚を均一にし、撥水層とノズルプレー
ト表面との密着特性をさらに安定にする効果が得られ
る。
カップリング溶液の溶媒としては、水、メタノールや
エタノールなどのアルコールを使用することができる。
溶媒として水を用いた場合、取扱いが容易となり、さら
に表面張力が大きいため、ノズル孔内部へのカップリン
グ化合物の侵入を防止することができる。
次いで、カップリング塗布層を乾燥したのち、撥水層
を転写により形成する。この転写に際しては、鏡面状態
の表面を有する弾性体、たとえばシリコンゴム、ウレタ
ンゴム、ブレチンゴム、あるいはゼラチン、クロロプレ
ーンゴムを転写用媒体とし、この転写用媒体の表面に前
記含フッ素重合体溶液を、スピンコート法や等速引上げ
浸漬法を用いて塗布し、この塗布面にノズルプレートを
押圧して、これにより重合体層をノズルプレート表面に
転写する。
さらに、転写された重合体層を焼成する。この焼成は
該重合体のガラス転移点以上の温度で行うことが好まし
い。この焼成処理によって重合体層に含有していた揮発
性溶媒を完全に除去することができる。また、本発明者
の知見によれば、重合体のガラス転移点以上の温度に加
熱することによって重合体層の流動性が増し、これによ
って重合体層の被覆特性が向上し、さらに密着性の向上
にも寄与する。
さらに、上記方法においては、ノズルプレート表面を
オゾン雰囲気にさらしたのちにカップリング化合物層の
形成を行い、しかるのちに撥水層の形成を行うことがで
き、さらにカップリング層の形成を行ったのちにその表
面をオゾン雰囲気にさらしたのちに撥水層の形成を行う
ことができる。このようなオゾンを用いた表面洗浄処理
を行うことによって表面積の汚れを除去して形成層の密
着性をさらに向上させることができる。オゾン雰囲気
は、酸素プラズマや紫外線照射により得ることができ
る。
以下、本発明を具体的態様に基づいてさらに詳細に説
明する。
態様A 図1はインクジェット記録ヘッドの一例を模式的に示
した断面図である。符号1は圧力室であり、PZT素子ま
たは発熱体等によってインク吐出のための圧力を得る部
分である。2はインク吐出ノズルである。3は第一基板
でありインク流路用のパターン溝が形成されている。4
はノズルプレートであり、両者の張り合わせによってイ
ンク流路は形成される。
実施例A1 ポリサルホン樹脂製のノズルプレートに、ポリジパー
フルオロアルキルフマレートをフッ素系溶媒に溶解し、
スピンコートによりノズル表面に塗布した。溶液の濃度
や膜厚は適当な値を選択できるが、ここでは濃度0.3wt
%の溶液を3000回転毎分で1分間塗布し、80℃で乾燥さ
せ、膜厚300Åのポリジパーフルオロアルキルフマレー
ト層を形成した。顕微鏡観察により形成された薄膜は、
非常に緻密かつ均質であることが確認された。水との接
触角は、115度と高い撥水性がえられた。
ポリサルホン樹脂製の第一基板と撥水処理したノズル
プレートを洗浄乾燥後、同じポリサルホン樹脂を溶媒に
溶かした溶媒セメントを介して、80℃の条件下で接着を
行ないインクジェット記録ヘッドを組み立てた。図2は
記録ヘッドの断面のノズル付近の様子を示したものであ
る。21は塗布により形成した含フッ素高分子層である。
製造したインクジェット記録ヘッドを記録装置に装着
した印字試験を行なったところ、印字乱れ等のトラブル
は発生せず、良好な撥水化処理がなされたことを確認し
た。次に、インクジェット記録ヘッドをインクに浸漬し
70℃で5日間保持した後、同様の印字試験を行なった。
印字は初期特性と変わらず、耐インク性は十分であっ
た。シリコンゴムによる擦り試験をしたところ、5000回
擦った後にも水との接触角は100度以上あり、撥水効果
がほとんど劣化せず長期間にわたって印字品質の高いイ
ンクジェット記録ヘッドを達成できた。
実施例A2 ニッケル製のノズルプレートに、溶剤可溶性含フッ素
高分子サイトップ(旭硝子社製)をフッ素化液体に溶解
し、デッピングによりノズル表面に塗布した。撥水処理
の不要な部分は、あらかじめテーピングやレジスト等で
マスクしておいた。溶液の濃度や膜厚は適当な値を選択
できるが、ここでは濃度0.1wt%の溶液に対し10cm毎分
の速度で引き上げ、180℃で乾燥させ、膜厚0.1μmの含
フッ素高分子層を形成した。顕微鏡観察により形成され
た薄膜は、非常に緻密かつ均質であることが確認され
た。水との接触角は、110度と高い撥水性がえられた。
ポリカーボネート樹脂製の第一基板と、撥水処理した
後マスクを除去したノズルプレートを洗浄乾燥後、接着
を行ないインクジェット記録ヘッドを組み立てた。製造
したインクジェット記録ヘッドを記録装置に装着して印
字試験を行なったところ、印字乱れ等のトラブルは発生
せず、良好な撥水化処理がなされたことを確認した。次
に、インクジェット記録ヘッドをインクに浸漬し70℃で
5日間保持した後、同様の印字試験を行なった。印字は
初期特性と変わらず、耐インク性は十分であった。シリ
コンゴムによる擦り試験をしたところ、5000回擦った後
にも水との接触角は100度以上であり、撥水効果がほと
んど劣化せず長期間にわたって印字品質の高いインクジ
ェット記録ヘッドを達成できた。
実施例A3 ポリエーテルスルフォン樹脂製のノズルプレートに、
フルオロエチレン−ビニルエーテル共重合体をトリフル
オロメチルベンゼンに溶解し、スピンコートによりノズ
ル表面に塗布した。溶液の濃度や膜厚は適当な値を選択
できるが、ここでは濃度1wt%の溶液を3000回転毎分で
1分間塗布し、120℃で乾燥させ、膜厚500Åのフルオロ
エチレン−ビニルエーテル共重合体高分子層を形成し
た。顕微鏡観察により形成された薄膜は、非常に緻密か
つ均質であることが確認された。水との接触角は、105
度と高い揮発性がえられた。
ポリエーテルスルフォン樹脂製と、表面処理したノズ
ルプレートを洗浄乾燥後、接着を行ないインクジェット
記録ヘッドを組み立てた。製造したインクジェット記録
ヘッドを記録装置に装着して印字試験を行なったとこ
ろ、印字乱れ等のトラブルは発生せず、良好な撥水化処
理がなされたことを確認した。次に、インクジェット記
録ヘッドをインクに浸漬し70℃で5日間保持した後、同
様の印字試験を行なった。印字は初期特性と変わらず、
耐インク性は十分であった。シリコンゴムによる擦り試
験をしたところ、5000回擦った後にも水との接触角は95
度以上であり、撥水効果がほとんど劣化せず長期間にわ
たって印字品質の高いインクジェット記録ヘッドを達成
できた。
以上実施例を挙げて説明してきたが、インクジェット
記録ヘッドに用いられる材質や構造、ノズル表面に形成
される含フッ素高分子層の種類は種々考えられ、なんら
限定されるものではない。また、含フッ素高分子の溶媒
や塗布方法も、限定されるものではない。
以上述べたように本発明によれば、インクジェット記
録ヘッドにおいてノズル表面の撥水処理を効果的かつ均
質に行い、印字品質の高いインクジェット記録ヘッドを
提供できた。また本発明による撥水化処理は、その持続
性に非常に優れているために、記録ヘッドの長寿命化が
可能となる。
さらに本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法
は、極めて簡単な装置及び工程で撥水化処理ができるた
め、製造上安全であり、コストも大幅に下げられるもの
であり、その効果は大きい。
態様B 近年、溶剤可溶性高分子と含フッ素高分子の共重合体
や、特殊な含フッ素側鎖を持つ合成高分子が得られるよ
うになった。従来の含フッ素高分子の特性をほぼ維持
し、しかも溶媒に可溶なため、塗布によりピンホールの
ない平滑な表面を容易に得ることができる。しかし、本
発明者の知見によれば、含フッ素高分子中に炭化水素系
の分子部位が存在すると、インク中の染料分子の部分的
な付着により撥水性の劣化が起こりやすくなることが認
められる。
本発明は前記課題を解決するためのものであり、イン
クジェット記録ヘッドのノズル表面の撥インク効果が高
く、しかもその効果の持続性に優れ、長期間にわたって
印字品質の高いインクジェット記録ヘッドの提供を目的
としている。
上記目的は、インクジェット記録装置に用いるインク
ジェット記録ヘッドにおいて、インクが吐出するノズル
表面に、溶剤可溶性でありかつ殆ど全ての分子末端にフ
ッ素が結合している重合体の高分子層が形成されている
ことにより達成される。
ノズル表面の撥水処理は、水との接触角が少なくとも
90度以上、好ましくは100度以上必要なため、分極率が
小さいことから分子間凝集力の著しく小さいフッ素の導
入が不可欠である。更にノズル表面の撥水処理は、高い
撥インク効果と強い密着性が別途要求される。
ポリ四フッ化エチレンに代表される含フッ素高分子
は、耐熱性、耐薬品性、耐候性等の優れた特徴を持つ
が、溶媒に不溶で、前述のように粉体としてのコーティ
ングしかできず、膜強度が弱い上、界面での密着性が著
しく低かった。全ての分子末端にフッ素が結合している
重合体の高分子であっても、分子鎖内にエーテルやエス
テル結合を導入することにより溶剤可溶性にすることが
できる。高分子溶液の塗布によりピンホールのない平滑
な表面を容易に得ることができ、膜強度の高い薄膜を形
成できる。膜強度やそれに起因する基質との密着強度を
得るためには、膜形成前に高分子化されていることが必
要不可欠である。
インクは染料有機分子が溶けた水溶液か、顔料(主に
カーボンブラック)が分散したコロイドであり、通常の
溶剤可溶性含フッ素高分子では炭化水素系の分子部分が
存在するため、そこにインク中の染料分子や顔料が付着
し、撥水性の劣化が起こった。全ての分子末端にフッ素
が結合している重合体の高分子においては、フッ素部位
の排他効果により表面は撥水性かつ撥油性で、あらゆる
分子の付着を長期間防ぐことができる。
実施例B1 ポリサルホン樹脂製のノズルプレートに、「テフロン
AF」(デュポン社製) をフッ素系溶媒に溶解し、スピンコートによりノズル表
面に塗布した。溶液の濃度や膜厚は適当な値を選択でき
るが、ここでは濃度0.3wt%の溶液を3000回転毎分で1
分間塗布し、80℃で乾燥させ、膜厚300Åの溶剤可溶性
でありかつ殆ど全ての分子末端にフッ素が結合している
重合体高分子層を形成した。顕微鏡観察により形成され
た薄膜は、非常に緻密かつ均質であることが確認され
た。水との接触角は105度と高い撥水性がえられた。
ポリサルホン樹脂製の第一基板と撥水処理したノズル
プレートを洗浄乾燥後、同じポリサルホン樹脂を溶媒に
溶かした溶媒セメントを介して、80℃の条件下で接着を
行ないインクジェット記録ヘッドを組み立てた。図2は
記録ヘッドの断面のノズル付近の様子を示したものであ
る。21は塗布により形成した「テフロンAF」高分子層で
ある。
製造したインクジェット記録ヘッドを記録装置に装着
して印字試験を行なったところ、印字乱れ等のトラブル
は発生せず、良好な撥水化処理がなされたことを確認し
た。次に、インクジェット記録ヘッドを染料インクに浸
漬し70℃で5日間保持した後、同様の印字試験を行なっ
た。印字は初期特性と変わらず、撥インク効果は十分で
あった。染料インクを注入しながらシリコンゴムによる
擦り試験をしたところ、5000回擦った後にも水との接触
角は100度以上であり、撥水効果がほとんど劣化せず長
期間にわたって印字品質の高いインクジェット記録ヘッ
ドを達成できた。
実施例B2 ニッケル製のノズルプレートに、「サイトップ」(旭
硝子社製)をフッ素化液体に溶解し、デッピングにより
ノズル表面に塗布した。撥水処理の不要な部分は、あら
かじめテーピングやレジスト等でマスクしておいた。溶
液の濃度や膜厚は適当な値を選択できるが、ここでは濃
度0.1wt%の溶液に対し10cm毎分の速度で引き上げ、180
℃で乾燥させ、膜厚0.1μmの溶剤可溶性でありかつ全
ての分子末端にフッ素が結合している重合体高分子層を
形成した。顕微鏡観察により形成された薄膜は、非常に
緻密かつ均質であることが確認された。水との接触角
は、110度と高い撥水性がえられた。
ポリカーボネート樹脂製の第一基板と、撥水処理した
後マスクを除去したノズルプレートを洗浄乾燥後、接着
剤で接着を行ないインクジェット記録ヘッドを組み立て
た。製造したインクジェット記録ヘッドを記録装置に装
着して印字試験を行なったところ、印字乱れ等のトラブ
ルは発生せず、良好な撥水化処理がなされたことを確認
した。次に、インクジェット記録ヘッドを染料インクに
浸漬し70℃で5日間保持した後、同様の印字試験を行な
った。印字は初期特性と変わらず、撥インク効果は十分
であった。染料インクを注入しながらシリコンゴムによ
る擦り試験をしたところ、5000回擦った後にも水との接
触角は100度以上あり、撥水効果がほとんど劣化せず長
期間にわたって印字品質の高いインクジェット記録ヘッ
ドを達成できた。
実施例B3 ポリエーテルスルフォン樹脂製のノズルプレートに、
「サイトップ」(旭硝子社製)をフッ素化液体に溶解
し、スピンコートによりノズル表面に塗布した。溶液の
濃度や膜厚は適当な値を選択できるが、ここでは濃度1w
t%の溶液を2000回転毎分で1分間塗布し、120℃で乾燥
させ、膜厚500Åの溶剤可溶性でありかつ全ての分子末
端にフッ素が結合している重合体高分子層を形成した。
顕微鏡観察により形成された膜厚は、非常に緻密かつ均
質であることが確認された。水との接触角は、110度と
高い撥水性がえられた。
ポリエーテルスルフォン樹脂製の第一基板と、表面処
理したノズルプレートを洗浄乾燥後、ポリエーテルスル
フォン樹脂の溶媒で接着を行ないインクジェット記録ヘ
ッドを組み立てた。製造したインクジェット記録ヘッド
を記録装置に装着して印字試験を行なったところ、印字
乱れ等のトラブルは発生せず、良好な撥水化処理がなさ
れたことを確認した。次に、インクジェット記録ヘッド
を顔料インクに浸漬し70℃で5日間保持した後、同様の
印字試験を行なった。印字は初期特性と変わらず、撥イ
ンク効果は十分であった。顔料インクを注入しながらシ
リコンゴムによる擦り試験をしたところ、5000回擦った
後にも水との接触角は100度以上あり、撥水効果がほと
んど劣化せず長期間にわたって印字品質の高いインクジ
ェット記録ヘッドを達成できた。
以上実施例を挙げて説明してきたが、インクジェット
記録ヘッドに用いられる材質や構造、ノズル表面に形成
される溶剤可溶性でありかつ殆ど全ての分子末端にフッ
素が結合している重合体高分子層の種類は種々考えら
れ、なんら限定されるものではない。含フッ素高分子の
溶媒や塗布方法も、限定されるものではない。
以上述べたように本発明によれば、インクジェット記
録ヘッドにおいてノズル表面の撥水処理を効果的かつ均
質に行い、印字品質の高いインクジェット記録ヘッドを
提供できた。また本発明による撥水変処理は、その持続
性に非常に優れているために、記録ヘッドの長寿命化が
可能となる。
態様C 態様Cに係るインクジェット記録ヘッドにおいては、
インクが吐出するノズル表面に、含フッ素エチレンと炭
化水素系エチレンとの下記交互共重合体: ここで、 X1〜X4: 少なくとも2つはフッ素またはパーフルオ
ロアルキル基 R1〜R4: 炭化水素系置換基(含水素、ハロゲン) またはその類似体の高分子層が形成されてなる。
ノズル表面の撥水処理は、水との接触角が少なくとも
90度以上、好ましくは100度以上必要なため、分極率が
小さいことから分子間凝集力の著しく小さいフッ素の導
入が不可欠である。更にノズル表面の撥水処理は、高い
撥インク効果と強い密着性が別途要求される。
ポリ四フッ化エチレンに代表される含フッ素高分子
は、耐熱性、耐薬品性、耐候性等の優れた特徴を持つ
が、溶媒に不溶で、前述のように粉体としてのコーティ
ングしかできず、膜強度が弱い上、界面での密着性が著
しく低かった。含フッ素エチレンと炭化水素系エチレン
との交互共重合体高分子は溶媒に可溶なため、塗布によ
りピンホールのない平滑な表面を容易に得ることがで
き、膜強度の高い薄膜を形成できる。しかも高分子内に
炭化水素系エチレン部分を分子レベルで均等に含むた
め、ノズルの材質である金属や樹脂と十分な密着強度が
取れる。膜強度や密着強度を得るためには、膜形成前に
高分子化されていることが必要不可欠である。
インクは分子量数百の染料分子が溶けた水溶液か、一
次粒径数百Å(主にカーボンブラック)が分散したコロ
イドであり、通常得られるランダム共重合体ではフッ素
を含まない炭化水素系エチレンが数十ユニット連続する
重合部分ができるため、そこにインク中の染料分子や顔
料粒子が付着し、撥水性の劣化が起こった。含フッ素エ
チレンと炭化水素系エチレンとの交互共重合体は、高分
子内に含フッ素エチレン部分を分子レベルで均等に含む
ため、分子量数百の染料分子や一次粒径数百Åの顔料粒
子は、フッ素部位の排他効果により付着することがな
い。
高分子の構造としては、含フッ素エチレンと炭化水素
系エチレンとの交互共重合体が理想であるが、効果の上
では必ずしも交互に結合している必要はなく、含フッ素
エチレンまたは炭化水素系エチレンが2から3ユニット
連続して結合している部分があってもよい。また実際、
交互共重合体を合成しようとしても、完璧な分子構造を
とるとは限らない。
実施例C1 ポリサルホン樹脂製のノズルプレートに、下記のジパ
ーフルオロアルキルフマレートとスチレンの交互共重合
体高分子 X1: COOCmF2m+1(m=1〜20) をフッ素系溶媒に溶解し、スピンコートによりノズル表
面に塗布した。溶液の濃度や膜厚は適当な値を選択でき
るが、ここでは濃度0.3wt%の溶液を3000回転毎分で1
分間塗布し、80℃で乾燥させ、膜厚300Åのジパーフル
オロアルキルフマレートとスチレン交互共重合体高分子
層を形成した。顕微鏡観察により形成された薄膜は、非
常に緻密かつ均質であることが確認された。水との接触
角は、105度と高い撥水性がえられた。
ポリサルホン樹脂製の第一基板と撥水処理したノズル
プレートを洗浄乾燥後、同じポリサルホン樹脂を溶媒に
溶かした溶媒セメントを介して、80℃の条件下で接着を
行ないインクジェット記録ヘッドを組み立てた。図2は
記録ヘッドの断面のノズル付近の様子を示したものであ
る。21は塗布により形成したジパーフルオロアルキルフ
マレートとスチレン交互共重合体高分子層である。
製造したインクジェット記録ヘッドを記録装置に装着
して印字試験を行なったところ、印字乱れ等のトラブル
は発生せず、良好な撥水化処理がなされたことを確認し
た。次に、インクジェット記録ヘッドを染料インクに浸
漬し70℃で5日間保持した後、同様の印字試験を行なっ
た。印字は初期特性と変わらず、撥インク効果は十分で
あった。染料インクを注入しながらシリコンゴムによる
擦り試験をしたところ、5000回擦った後にも水との接触
角は100度以上あり、撥水効果がほとんど劣化せず長期
間にわたって印字品質の高いインクジェット記録ヘッド
を達成できた。
実施例C2 ニッケル製のノズルプレートに、三フッ化塩化エチレ
ンとビニルエーテル交互共重合体高分子 R: アルキル基 をフッ素化液体に溶解し、デッピングによりノズル表面
に塗布した。撥水処理の不要な部分は、あらかじめテー
ピングやレジスト等でマスクしておいた。溶液の濃度や
膜厚は適当な値を選択できるが、ここでは濃度0.1wt%
の溶液に対し10cm毎分の速度で引き上げ、180℃で乾燥
させ、膜厚0.1μmの三フッ化塩化エチレンとビニルエ
ーテル交互共重合体高分子層を形成した。顕微鏡観察に
より形成された薄膜は、非常に緻密かつ均質であること
が確認された。水との接触角は、110度と高い撥水性が
えられた。
ポリカーボネート樹脂製の第一基板と、撥水処理した
後マスクを除去したノズルプレートを洗浄乾燥後、接着
剤で接着を行ないインクジェット記録ヘッドを組み立て
た。製造したインクジェット記録ヘッドを記録装置に装
着して印字試験を行なったところ、印字乱れ等のトラブ
ルは発生せず、良好な撥水化処理がなされたことを確認
した。次に、インクジェット記録ヘッドを染料インクに
浸漬し70℃で5日間保持した後、同様の印字試験を行な
った。印字は初期特性と変わらず、撥インク効果は十分
であった。染料インクを注入しながらシリコンゴムによ
る擦り試験をしたところ、5000回擦った後にも水との接
触角は100度以上あり、撥水効果がほとんど劣化せず長
期間にわたって印字品質の高いインクジェット記録ヘッ
ドを達成できた。
実施例C3 ポリエーテルスルフォン樹脂製のノズルプレートに、
四フッ化エチレンとビニルエステル交互共重合体高分子 R: アルキル基 の類似体をトリフルオロメチルベンゼンに溶解し、スピ
ンコートによりノズル表面に塗布した。高分子合成時の
制御が完全にはできず、交互共重合体中にビニルエステ
ルが2から3ユニット連続して結合している部分を含ん
でいる。溶液の濃度や膜厚は適当な値を選択できるが、
ここでは濃度1wt%の溶液を3000回転毎分で1分間塗布
し、120℃で乾燥させ、膜厚500Åのテトラフルオロエチ
レンとビニルエステル交互共重合体類似体高分子層を形
成した。顕微鏡観察により形成された薄膜は、非常に緻
密かつ均質であることが確認された。水との接触角は、
100度と高い撥水性がえられた。
ポリエーテルスルフォン樹脂製の第一基板と、表面処
理したノズルプレートを洗浄乾燥後、ポリエーテルスル
フォン樹脂の溶媒で接着を行ないインクジェット記録ヘ
ッドを組み立てた。製造したインクジェット記録ヘッド
を記録装置に装着して印字試験を行なったところ、印字
乱れ等のトラブルは発生せず、良好な撥水化処理がなさ
れたことを確認した。次に、インクジェット記録ヘッド
を顔料インクに浸漬し70℃で5日間保持した後、同様の
印字試験を行なった。印字は初期特性と変わらず、撥イ
ンク効果は十分であった。顔料インクを注入しながらシ
リコンゴムによる擦り試験をしたところ、5000回擦った
後にも水との接触角は95度以上あり、撥水効果がほとん
ど劣化せず長期間にわたって印字品質の高いインクジェ
ット記録ヘッドを達成できた。
参考例 ニッケル製またはポリサルホン樹脂製ノズルプレート
に、ポリフッ化ビニリデン及び四フッ化エチレンとビニ
ルエステルランダム共重合体を、溶媒に溶かし塗布し
た。顕微鏡観察により形成された薄膜は、非常に緻密か
つ均質であり、水との接触角は共に100度以上と高い撥
水性がえられた。これらのノズルプレートをインクに浸
漬し70℃で5日間保持した後、水との接触角を再び測定
したところ、四フッ化エチレンとビニルエステルランダ
ム共重合体を塗布したサンプルは、50度以下に低下して
いた。インクを拭き取る処理を別途行なうと撥水性が回
復し、インク中の染料分子や顔料粒子の部分的な付着に
よる撥水性の劣化を示唆した。また、インクを注入しな
がらシリコンゴムによる擦り試験をしたところ、2000回
擦ったところでポリフッ化ビニリデンを塗布したサンプ
ルの水との接触角は60度以下に低下していた。インクを
拭き取る処理を別途しても撥水性が回復せず、高分子層
が剥離していることを示唆した。
以上実施例を挙げて説明してきたが、インクジェット
記録ヘッドに用いられる材質や構造、ノズル表面に形成
される含フッ素高分子層の種類は種々考えられ、なんら
限定されるものではない。例えば含フッ素エチレンは四
フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン、六フッ化プロ
ピレン、パーフルオロビニルエーテル、パーフルオロビ
ニルエステル、ジパーフルオロアルキルフマレート等が
挙げられる。また炭化水素系エチレンは、ビニルアルコ
ール、ビニルエーテル、ビニルエステル、塩化ビニル、
スチレン、ジアルキルフマレート、メチルメタアクリレ
ート等が挙げられる。含フッ素高分子の溶媒や塗布方法
も、限定されるものではない。
態様D 本態様に係る方法においては、インクが吐出するノズ
ル表面に含フッ素高分子層が形成されているインクジェ
ット記録ヘッドの製造において、以下の工程を採用す
る。
a)含フッ素高分子を溶媒に溶かした溶液を用意する。
b)ディッピングによりノズルプレートの全表面に含フ
ッ素高分子を塗布する工程。
c)ノズルプレートの裏面を研磨し、少なくとも含フッ
素高分子層を除去する工程。
d)ノズルプレートをインクジェット記録ヘッドに接着
する工程。
ノズル表面の撥水処理は、水との接触角が少なくとも
90度以上、好ましくは100度以上必要なため、分極率が
小さいことから分子間凝集力の著しく小さいフッ素の導
入が不可欠である。更にノズル表面の撥水処理は、使用
上強い密着性が別途要求される。
ポリ四フッ化エチレンに代表される含フッ素高分子
は、耐熱性、耐薬品性、耐候性等の優れた特徴を持つ
が、溶媒に不溶で、前述のように粉体としてのコーティ
ングしかできず、膜強度が弱い上、界面での密着性が著
しく低かった。最近、溶剤可溶性高分子と含フッ素高分
子の共重合体や、特殊な含フッ素側鎖を持つ合成高分子
が得られるようになった。従来の含フッ素高分子の特性
を維持し、しかも溶媒に可溶なため、塗布によりピンホ
ールのない平滑な表面を容易に得ることができる。膜強
度やそれに起因する基質との密着強度を得るためには、
膜形成前に高分子化されていることが必要不可欠であ
る。
含フッ素高分子層をノズル内部にも均一に形成させる
ためには、含フッ素高分子を比較的低濃度で適度な蒸気
圧の溶媒に溶かした後、部品として単離したノズルプレ
ートにディッピングにより塗布する必要がある。更に、
ノズルプレートの裏面に形成された含フッ素高分子層を
研磨により除去しないと、ノズルプレートをインクジェ
ット記録ヘッドに接着することができない。また、ノズ
ルプレートの裏面がインク流路になる構造の場合、含フ
ッ素高分子層があるとインク内部の気泡排出性が損なわ
れ、それを防ぐための親水化処理も施すことができな
い。
実施例D1 図1はインクジェット記録ヘッドの一例を模式的に示
した断面図である。1は圧力室であり、PZT素子または
発熱体等によってインク吐出のための圧力を得る部分で
ある。2はインク吐出ノズルである。3は第一基板であ
りインク流路用のパターン溝が形成されている。4はノ
ズルプレートであり、両者の張り合わせによってインク
流路は形成される。
図3に、ノズル表面の撥水化処理の工程を模式的な断
面図で示した。(a)は処理前のポリサルホン樹脂製の
ノズルプレートの、ノズル付近の拡大図を示している。
(b)は、「テフロンAF」(デュポン社製)を適度な蒸
気圧のフッ素系溶媒に溶解し、ディッピングによりポリ
サルホン樹脂製のノズルプレート全面に塗布した状態を
示した。溶液の濃度や膜厚は適当な値を選択できるが、
ここでは濃度1wt%の溶液に対し10cm毎分の速度で引き
上げ、120℃で乾燥させ、膜厚0.1μmの「テフロンAF」
高分子層を形成した。顕微鏡観察により形成された薄膜
は、非常に緻密かつ均質であることが確認された。水と
の接触角は、110度と高い撥水性がえられた。また、ノ
ズル内部の撥インク処理も均質にできていることを確認
した。
(c)は、ラッピングペーパーを用いて、ノズルプレ
ートの裏面を研磨した状態を示した。研磨条件は適当な
方法を選択できるが、ここではダイヤモンド粉を研磨剤
とする#8000のラッピングペーパーを用い、水を注入し
ながら20g/cm2の加重をかけ、互いに回転させて行っ
た。平坦度の面管理は比較的容易なため、ノズル内部の
含フッ素高分子層は削除されることなく、ノズル表面の
撥水化処理は維持されている。またポリサルホン樹脂そ
のものも、わずかに研磨された研磨面22は適度な面粗度
を持つ平坦な面で、インクの濡れ性が改善されている。
必要ならば親水化処理を行えばよい。以上のように撥水
処理したノズルプレートとポリサルホン樹脂製の第一基
板とを、洗浄乾燥後溶媒を塗布し、80℃の条件下で加圧
接着を行ないインクジェット記録ヘッドを組み立てた。
ノズルプレートの裏面は平坦度に優れ加工精度が良く、
また密着力も大きかった。
製造したインクジェット記録ヘッドを記録装置に装着
して印字試験を行なったところ、印字乱れ等のトラブル
は発生せず、良好な撥水化処理がなされたことを確認し
た。次に、インクジェット記録ヘッドを染料インクに浸
漬し70℃で5日間保持した後、同様の印字試験を行なっ
た。印字は初期特性と変わらず、撥インク効果は十分で
あった。染料インクを注入しながらシリコンゴムによる
擦り試験をしたところ、5000回擦った後にも水との接触
角は100度以上あり、撥水効果がほとんど劣化せず長期
間にわたって印字品質の高いインクジェット記録ヘッド
を達成できた。
実施例D2 図4はインクジェット記録ヘッドの一例を模式的に示
した断面図である。1は圧力室であり、PZT素子または
発熱体等によってインク吐出のための圧力を得る部分で
ある。2はインク吐出ノズルである。31は第一基板であ
りインク流路用のパターン溝が形成されている。32は第
二基板であり、両者の張り合わせによってインク流路は
形成される。33はノズルプレートである。
図5に、ノズル表面の撥水化処理の工程を模式的な断
面図で示した。(a)は処理前のニッケル製のノズルプ
レートの、ノズル付近の拡大図を示している。(b)
は、「サイトップ」(旭硝子社製)を適度な蒸気圧のフ
ッ素系溶媒に溶解し、ディッピングによりニッケル製の
ノズルプレート全面に塗布した状態を示した。溶液の濃
度や膜厚は適当な値を選択できるが、ここでは濃度3wt
%の溶液に対し3cm毎分の速度で引き上げ、180℃で乾燥
させ、膜厚0.1μmの「サイトップCTX」高分子層を形成
した。顕微鏡観察により形成された薄膜は、非常に緻密
かつ均質であることが確認された。水との接触角は、10
5度と高い撥水性がえられた。また、ノズル内部の撥イ
ンク処理も均質にできていることを確認した。
(c)は、ラッピングペーパーを用いて、ノズルプレ
ートの裏面を研磨した状態を示した。研磨条件は適当な
方法を選択できるが、ここではダイヤモンド粉を研磨剤
とする#2000のラッピングペーパーを用い、水を注入し
ながら100g/cm2の加重をかけ、互いに回転させて行っ
た。平坦度の面管理は比較的容易なため、ノズル内部の
含フッ素高分子層は削除されることなく、ノズル表面の
撥水化処理は維持されている。またニッケルそのもの
も、わずかに研磨された研磨面22は適度な面粗度を持つ
平坦な面で、接着剤との密着性が改善されている。
(d)は、以上のように撥水処理したノズルプレートと
ポリカーボネート樹脂製の第一基板とを、洗浄乾燥後接
着剤で接着した状態を示した。十分な接着強度が得られ
ている。
製造したインクジェット記録ヘッドを記録装置に装着
して印字試験を行なったところ、印字乱れ等のトラブル
は発生せず、良好な撥水化処理がなされたことを確認し
た。次に、インクジェット記録ヘッドを染料インクに浸
漬し70℃で5日間保持した後、同様の印字試験を行なっ
た。印字は初期特性と変わらず、撥インク効果は十分で
あった。染料インクを注入しながらシリコンゴムによる
擦り試験をしたところ、5000回擦った後にも水との接触
角は100度以上あり、撥水効果がほとんど劣化せず長期
間にわたって印字品質の高いインクジェット記録ヘッド
を達成できた。
実施例D3 四フッ化エチレンとビニルエステル共重合体高分子を
適度な蒸気圧の溶媒に溶解し、ポリエーテルスルフォン
樹脂製のノズルプレートに、ディッピングにより塗布し
た。溶液の濃度や膜厚は適当な値を選択できるが、ここ
では濃度0.1wt%の溶液に対し20cm毎分の速度で引き上
げ、120℃で乾燥させ、膜厚0.05μmの含フッ素高分子
層を形成した。顕微鏡観察により形成された薄膜は、非
常に緻密かつ均質であることが確認された。水との接触
角は、100度と高い撥水性がえられた。また、ノズル内
部の撥インク処理も均質にできていることを確認した。
更にPVA(ポリビニルアルコール)の砥石を用い、適当
な条件で研磨を行い、ノズルプレートの裏面に形成され
た含フッ素高分子層を除去した。
ポリカーボネートスルフォン樹脂製の第一基板と、表
面処理したノズルプレートを洗浄乾燥後、ポリエーテル
スルフォン樹脂の溶媒で接着を行ないインクジェット記
録ヘッドを組み立てた。製造したインクジェット記録ヘ
ッドを記録装置に装着して印字試験を行なったところ、
印字乱れ等のトラブルは発生せず、良好な撥水化処理が
なされたことを確認した。次に、インクジェット記録ヘ
ッドを顔料インクに浸漬し70℃で5日間保持した後、同
様の印字試験を行なった。印字は初期特性と変わらず、
撥インク効果は十分であった。顔料インクを注入しなが
らシリコンゴムによる擦り試験をしたところ、5000回擦
った後にも水との接触角は95度以上あり、撥水効果がほ
とんど劣化せず長期間にわたって印字品質の高いインク
ジェット記録ヘッドを達成できた。
以上実施例を挙げて説明してきたが、インクジェット
記録ヘッドに用いられる材質や構造、ノズル表面に形成
される含フッ素高分子層の種類は種々考えられ、なんら
限定されるものではない。含フッ素高分子の溶媒や塗
布、研磨の条件も限定されるものではない。
以上述べたように本発明によれば、インクジェット記
録ヘッドにおいてノズル表面及びノズル内部の撥インク
処理を均質にでき、印字品質の高いインクジェット記録
ヘッドを提供できた。また本発明による撥水化処理は、
その持続性に非常に優れているために、記録ヘッドの長
寿命化が可能となる。
態様E この態様においては、インクが吐出するノズル表面に
含フッ素高分子層が形成されているインクジェット記録
ヘッドの製造において、以下の工程を用いる。
a) ノズルプレートの少なくとも裏面にポジレジスト
を塗布する工程。
b) ノズルプレートの裏面を遮光し、表面から光を照
射する工程。
c) 現像し、ノズルプレートの表面及びノズル内部の
レジストを除去する工程。
d) ティッピングによりノズルプレートの全表面に溶
媒に溶かした含フッ素高分子を塗布する工程。
e) レジスト剥離液でノズルプレートの裏面のレジス
ト層、及び含フッ素高分子層を除去する工程。
f) ノズルプレートをインクジェット記録ヘッドに接
着する工程。
ノズル表面の撥水処理は、水との接触角が少なくとも
90度以上、好ましくは100度以上必要なため、分極率が
小さいことから分子間凝集力の著しく小さいフッ素の導
入が不可欠である。更にノズル表面の撥水処理は、使用
上強い密着性が別途要求される。
ポリ四フッ化エチレンに代表される含フッ素高分子
は、耐熱性、耐薬品性、耐候性等の優れた特徴を持つ
が、溶媒に不溶で、前述のように粉体としてのコーティ
ングしかできず、膜強度が弱い上、界面での密着性が著
しく低かった。最近、溶剤可溶性高分子と含フッ素高分
子の共重合体や、特殊な含フッ素側鎖を持つ合成高分子
が得られるようになった。従来の含フッ素高分子の特性
を維持し、しかも溶媒に可溶なため、塗布によりピンホ
ールのない平滑な表面を容易に得ることができる。膜強
度やそれに起因する基質との密着強度を得るためには、
膜形成前に高分子化されていることが必要不可欠であ
る。
含フッ素高分子僧をノズル内部にも均一に形成させる
ためには、含フッ素高分子を比較的低濃度で適度な蒸気
圧の溶媒に溶かした後、部品として単離したノズルプレ
ートにディッピングにより塗布する必要がある。更に、
ノズルプレートの裏面に形成された含フッ素高分子層を
除去しないと、ノズルプレートをインクジェット記録ヘ
ッドに接着することができない。また、ノズルプレート
の裏面がインク流路になる構造の場合、含フッ素高分子
層があるとインク内部の気泡排出性が損なわれ、それを
防ぐための親水化処理も施すことができない。
レジストをノズルプレートの裏面にのみ形成し、レジ
スト剥離液でレジスト層ごと含フッ素高分子層を除去す
れば目的は達成される。レジストのパターニングは通
常、フォトマスクを介して露光が用いられるが、位置合
わせが煩雑で歩留まり低下の原因にもなる。ノズルプレ
ートの少なくとも裏面にポジレジストを塗布した後、ノ
ズルプレートの裏面を遮光し、表面から光を照射する露
光方式だと、自動的にパターニングされたフォトマスク
も不要となる。
実施例E1 図1はインクジェット記録ヘッドの一例を模式的に示
した断面図である。1は圧力室であり、PZT素子または
発熱体等によってインク吐出のための圧力を得る部分で
ある。2はインク吐出ノズルである。3は第一基板であ
りインク流路用のパターン溝が形成されている。4はノ
ズルプレートであり、両者の張り合わせによってインク
流路は形成される。
図6に、ノズル表面の撥水化処理の工程を模式的な断
面図で示した。(a)は処理前のポリサルホン樹脂製の
ノズルプレートの、ノズル付近の拡大図を示している。
(b)はノズルプレートの裏面及びノズル内部にポジレ
ジストをスピンコートにより塗布し、プレベイクしてレ
ジスト層21を形成した状態を示した。(c)はノズルプ
レートの裏面を遮光フィルム22で遮光し、表面から水銀
ランプの光を照射する工程を示した。勿論2枚のガラス
板で挟持してもよい。(d)は現像液で現像し、十分に
すすいだ後ポストベイクしてノスルプレートの裏面にの
みレジスト層を残存させた状態を示した。
(e)は、「テフロンAF」(デュポン社製)を適度な
蒸気圧のフッ素系溶媒に溶解し、ディッピングによりポ
リサルホン樹脂製のノズルプレート全面に塗布した状態
を示した。溶液の濃度や膜厚は適当な値を選択できる
が、ここでは濃度1wt%の溶液に対し10cm毎分の速度で
引き上げ、120℃で乾燥させ、膜厚0.1μmの「テフロン
AF」高分子層を形成した。顕微鏡観察により形成された
薄膜は、非常に緻密かつ均質であることが確認された。
水との接触角は、110度と高い撥水性がえられた。ま
た、ノズル内部の撥インク処理も均質にできていること
を確認した。(f)は、レジスト剥離液でノズルプレー
トの裏面のレジスト層、及び含フッ素高分子層を除去し
た状態を示した。
ノズル内部及びノズルプレート表面の含フッ素高分子
層は除去されることなく、撥水化処理は維持されてい
る。またノズルプレート裏面はポリサルホン樹脂が露出
しており、必要ならば親水化処理を行なえばよい。以上
のように撥水処理したノズルプレートとポリサルホン樹
脂製の第一基板とを、洗浄乾燥後溶媒を塗布し、溶媒セ
メントを介して接着を行ないインクジェット記録ヘッド
を組み立てた。ノズルプレートの裏面は撥水処理されて
いないため、密着性は良かった。
製造したインクジェット記録ヘッドを記録装置に装着
して印字試験を行なったところ、印字乱れ等のトラブル
は発生せず、良好な撥水化処理がなされたことを確認し
た。次に、インクジェット記録ヘッドを染料インクに浸
漬し70℃で5日間保持した後、同様の印字試験を行なっ
た。印字は初期特性と変わらず、撥インク効果は十分で
あった。染料インクを注入しながらシリコンゴムによる
擦り試験をしたところ、5000回擦った後にも水との接触
角は100度以上あり、撥水効果がほとんど劣化せず長期
間にわたって印字品質の高いインクジェット記録ヘッド
を達成できた。
実施例E2 図4はインクジェット記録ヘッドの一例を模式的に示
した断面図である。1は圧力室であり、PZT素子または
発熱体等によってインク吐出のための圧力を得る部分で
ある。2はインク吐出ノズルである。31は第一基板であ
りインク流路用のパターン溝が形成されている。32は第
二基板であり、両者の張り合わせによってインク流路は
形成される。33がノズルプレートである。
図7に、ノズル表面の撥水化処理の工程を模式的な断
面図で示した。(a)は処理前のニッケル製のノズルプ
レートの、ノズル付近の拡大図を示している。(b)は
ノズル内部を含むノズルプレートの全表面にポジレジス
トをディップコートにより塗布し、プレベイクしてレジ
スト層21を形成した状態を示した。(c)はノズルプレ
ートの裏面を金属板22で遮光し、表面から水銀ランプの
光を照射する工程を示した。(d)は現像液で現像し、
十分にすすいだ後ポストベイクしてノズルプレートの裏
面にのみレジスト層を残存させた状態を示した。(e)
は、「サイトップ」(旭硝子社製)を適度な蒸気圧のフ
ッ素系溶液に溶解し、ディッピングによりニッケル製の
ノズルプレート全面に塗布した状態を示した。溶液の濃
度や膜厚は適当な値を選択できるが、ここでは濃度0.2w
t%の溶液に対し100cm毎分の速度で引き上げ、120℃で
乾燥させ、膜厚0.05μmの「サイトップCTX」高分子層
が形成した。顕微鏡観察により形成された薄膜は、非常
に緻密かつ均質であることが確認された。水との接触角
は、105度と高い撥水性がえられた、また、ノズル内部
の撥インク処理も均質にできていることを確認した。
(f)は、レジスト剥離液でノズルプレートの裏面のレ
ジスト層、及び含フッ素高分子層を除去してから、ポリ
カーボネート樹脂製の第一基板と、洗浄乾燥後接着剤で
接着した状態を示した。十分な接着強度が得られてい
る。
製造したインクジェット記録ヘッドを記録装置に装着
して印字試験を行なったところ、印字乱れ等のトラブル
は発生せず、良好な撥水化処理がなされたことを確認し
た。次に、インクジェット記録ヘッドを染料インクに浸
漬し70℃で5日間保持した後、同様の印字試験を行なっ
た。印字は初期特性と変わらず、撥インク効果は十分で
あった。染料インクを注入しながらシリコンゴムによる
擦り試験としたところ、5000回擦った後にも水との接触
角は100度以上あり、撥水効果がほとんど劣化せず長期
間にわたって印字品質の高いインクジェット記録ヘッド
を達成できた。
実施例E3 実施例E2と同様な方法で、ステンレス製のノズルプレ
ートの裏面にのみレジスト層を残存させた。四フッ化エ
チレンとビニルエステル共重合体高分子を適度な蒸気圧
の溶媒に溶解し、前述のノズルプレートに、ディッピン
グにより塗布した。溶液の濃度や膜厚は適当な値を選択
できるが、ここでは濃度0.1wt%の溶液に対し20cm毎分
の速度で引き上げ、120℃で乾燥させ、膜厚0.02μmの
含フッ素高分子層を形成した。顕微鏡観察により形成さ
れた薄膜は、非常に緻密かつ均質であることが確認され
た。水との接触角は、100度と高い撥水性がえられた。
また、ノズル内部の撥インク処理も均質にできているこ
とを確認した。更にレジスト剥離液でノズルプレートの
裏面のレジスト層、及び含フッ素高分子層を除去した。
ポリエーテルスルフォン樹脂製の第一基板と、表面処
理したノズルプレートを洗浄乾燥後、接着テープで接着
を行ないインクジェット記録ヘッドを組み立てた。製造
したインクジェット記録ヘッドを記録装置に装着して印
字試験を行なったところ、印字乱れ等のトラブルは発生
せず、良好な撥水化処理がなされたことを確認した。次
に、インクジェット記録ヘッドを顔料インクに浸漬し70
℃で5日間保持した後、同様の印字試験を行なった。印
字は初期特性と変わらず、撥インク効果は十分であっ
た。顔料インクを注入しながらシリコンゴムによる擦り
試験をしたところ、5000回擦った後にも水との接触角は
95度以上であり、撥水効果がほとんど劣化せず長期間に
わたって印字品質の高いインクジェット記録ヘッドを達
成できた。
以上実施例を挙げて説明してきたが、インクジェット
記録ヘッドに用いられる材質や構造、ノズル表面に形成
される含フッ素高分子層、ポジレジスト層の種類は種々
考えられ、なんら限定されるものではない。含フッ素高
分子の溶媒や塗布の条件も限定されるものではない。
態様F 本態様の方法においては、インクが吐出するノズル表
面に含フッ素高分子層が形成されているインクジェット
記録ヘッドの製造において、ディッピングによりノズル
プレートの全表面に含フッ素高分子を塗布した後、少な
くともノズル内部に保護層を形成し、ノズルプレートの
裏面を研磨して少なくとも含フッ素高分子層を除去した
後、保護層の除去を行なう。
ノズル表面の撥水処理は、水との接触角が少なくとも
90度以上、好ましくは100度以上必要なため、分極率が
小さいことから分子間凝集力の著しく小さいフッ素の導
入が不可欠である。更にノズル表面の撥水処理は、使用
上強い密着性が別途要求される。
ポリ四フッ化エチレンに代表される含フッ素高分子
は、耐熱性、耐薬品性、耐候性等の優れた特徴を持つ
が、溶媒に不溶で、前述のように粉体としてのコーティ
ングしかできず、膜強度が弱い上、界面での密着性が著
しく低かった。最近、溶剤可溶性高分子と含フッ素高分
子の共重合体や、特殊な含フッ素側鎖を持つ合成高分子
が得られるようになった。従来の含フッ素高分子の特性
を維持し、しかも溶媒に可溶なため、塗布によりピンホ
ールのない平滑な表面を容易に得ることができる。膜強
度やそれに起因する基質との密着強度を得るためには、
膜形成前に高分子化されていることが必要不可欠であ
る。
含フッ素高分子層をノズル内部にも均一に形成させる
ためには、含フッ素高分子を比較的低濃度で適度な蒸気
圧の溶媒に溶かした後、部品として単離したノズルプレ
ートにディッピングにより塗布する必要がある。更に、
ノズルプレートの裏面に形成された含フッ素高分子層を
研磨により除去しないと、ノズルプレートをインクジェ
ット記録ヘッドに接着することができない。また、ノズ
ルプレートの裏面がインク流路になる構造の場合、含フ
ッ素高分子層があるとインク内部の気泡排出性が損なわ
れ、それを防ぐための親水化処理も施すことができな
い。
但し、研磨の際含フッ素高分子層を保護しないと、研
磨剤または研削された基板の断片で含フッ素高分子層に
傷が付き、撥水性のばらつきによりインク滴が直進せ
ず、印字品質の不良を引き起こす。保護層はノズル表面
及びノズル内部に形成されていることが好ましいが、撥
水撥油性に優れた含フッ素高分子層の上に簡便な方法で
別の層を形成することは大変難しい。ノズルは細管のた
め、ノズル内部の保護層は比較的形成し易い。研磨工程
においてノズル表面は治具に密着しており、ノズル内部
に保護層が形成されていれば、ノズル表面の保護は必ず
しも必要ではない。保護層の材質は、含フッ素高分子を
犯さない溶媒に溶解する高分子であれば脱着が容易であ
り、また含フッ素高分子層の撥水特性も維持される。
実施例F1 図1はインクジェット記録ヘッドの一例を模式的に示
した断面図である。1は圧力室であり、PZT素子または
発熱体等によってインク吐出のための圧力を得る部分で
ある。2はインク吐出ノズルである。3は第一基板であ
りインク流路用のパターン溝が形成されている。4はノ
ズルプレートであり、両者の張り合わせによってインク
流路は形成される。
図8に、ノズル表面の撥水化処理の工程を模式的な断
面図で示した。(a)は処理前のポリサルホン樹脂製の
ノズルプレートの、ノズル付近の拡大図を示している。
(b)は、「テフロンAF」(デュポン社製)を適度な蒸
気圧のフッ素系溶媒に溶解し、ディッピングによりポリ
サルホン樹脂製のノズルプレート全面に塗布した状態を
示した。溶液の濃度や膜厚は適当な値を選択できるが、
ここでは濃度1wt%の溶液に対し10cm毎分の速度で引き
上げ、120℃で乾燥させ、膜厚0.1μmの「テフロンAF」
高分子層を形成した。顕微鏡観察により形成された薄膜
は、非常に緻密かつ均質であることが確認された。水と
の接触角は、110度と高い撥水性がえられた。また、ノ
ズル内部の撥インク処理も均質にできていることを確認
した。
(c)は高粘度のフォトレジストをディピングで塗布
し、露光せずに焼成した状態を示した。均一な塗布はで
きなかったが、少なくともノズル内部には保護層22が形
成された。ポリサルホン樹脂そのものはフォトレジスト
溶媒に犯されるが、含フッ素高分子の緻密な膜が形成さ
れているため劣化しなかった。(d)は、ラッピングペ
ーパーを用いて、ノズルプレートの裏面を研磨した状態
を示した。研磨条件は適当な方法を選択できるが、ここ
ではダイヤモンド粉を研磨剤とする#8000のラッピング
ペーパーを用い、水を注入しながら20g/cm2の加重をか
け、互いに回転させて行なった。ノズル内部の含フッ素
高分子層及び保護層は削除されることなく維持された。
またポリサルホン樹脂そのものも、わずかに研磨された
研磨面23は適度な面粗度を持つ平坦な面で、インクの濡
れ性が改善されている。必要ならば親水化処理を行えば
よい。(e)は水系のレジスト剥離液に浸して加温し、
保護層のレジストを除去した状態を示した。ノズル表面
には、研磨傷のない平滑な含フッ素高分子層が現われ
た。
以上のように撥水処理したノズルプレートとポリサル
ホン樹脂製の第一基板とを、洗浄乾燥後適当なポリサル
ホン樹脂の溶媒を塗布し、溶媒セメントを介して接着を
行ないインクジェット記録ヘッドを組み立てた。ノズル
プレートの裏面は平坦度に優れ加工精度が良く、また密
着力も大きかった。
製造したインクジェット記録ヘッドを記録装置に装着
して印字試験を行なったところ、印字乱れ等のトラブル
は発生せず、良好な撥水化処理がなされたことを確認し
た。次に、インクジェット記録ヘッドを染料インクに浸
漬し70℃で5日間保持した後、同様の印字試験を行なっ
た。印字は初期特性と変わらず、撥インク効果は十分で
あった。染料インクを注入しながらシリコンゴムによる
擦り試験をしたところ、5000回擦った後にも水との接触
角は100度以上あり、撥水効果がほとんど劣化せず長期
間にわたって印字品質の高いインクジェット記録ヘッド
を達成できた。
実施例F2 図4はインクジェット記録ヘッドの一例を模式的に示
した。(a)は処理前のニッケル製のノズルプレート
の、ノズル付近の拡大図を示している。(b)は、「サ
イトップ」(旭硝子社製)を適度な蒸気圧のフッ素系溶
媒に溶解し、ディッピングによりニッケル製のノズルプ
レート全面に塗布した状態を示した。溶液の濃度や膜厚
は適当な値を選択できるが、ここでは濃度0.2wt%の溶
液に対し100cm毎分の速度で引き上げ、120℃で乾燥さ
せ、膜厚0.05μmの「サイトップCTX」高分子層を形成
した。顕微鏡観察により形成された薄膜は、非常に緻密
かつ均質であることが確認された。水との接触角は、10
5度と高い撥水性がえられた。また、ノズル内部の撥イ
ンク処理も均質にできていることを確認した。
(c)はアクリル樹脂をアセトンに溶解し、数回ディ
ッピングして塗布した後乾燥させた状態を示した。均一
な塗布はできなかったが、少なくともノズル内部には保
護層22が形成された。(d)は、ラッピングペーパーを
用いて、ノズルプレートの裏面を研磨した状態を示し
た。研磨条件は適当な方法を選択できるが、ここではダ
イヤモンド粉を研磨剤とする#2000のラッピングペーパ
ーを用い、水を注入しながら100g/cm2の加重をかけ、互
いに回転させて行なった。ノズル内部の含フッ素高分子
層及び保護層は削除されることなく維持された。またニ
ッケルそのものも、わずかに研磨された研磨面22は適度
な面粗度を持つ平坦な面で、接着剤との密着性が改善さ
れている。(e)はアセトンに浸しながら超音波を照射
し、保護層のアクリル樹脂を除去した状態を示した。ノ
ズル表面には、研磨傷のない平滑な含フッ素高分子層が
現われた。
(f)は、以上のように撥水処理したノズルプレート
とポリカーボネート樹脂製の第一基板とを、洗浄乾燥後
接着剤で接着した状態を示した。十分な接着強度が得ら
れている。
製造したインクジェット記録ヘッドを記録装置に装着
して印字試験を行なったところ、印字乱れ等のトラブル
は発生せず、良好な撥水化処理がなされたことを確認し
た。次に、インクジェット記録ヘッドを染料インクに浸
漬し70℃で5日間保持した後、同様の印字試験を行なっ
た。印字は初期特性と変わらず、撥インク効果は十分で
あった。染料インクを注入しながらシリコンゴムによる
擦り試験をしたところ、5000回擦った後にも水との接触
角は100度以上あり、撥水効果がほとんど劣化せず長期
間にわたって印字品質の高いインクジェット記録ヘッド
を達成できた。
実施例F3 四フッ化エチレンとビニルエステル共重合体高分子を
適度な蒸気圧の溶媒に溶解し、ステンレス製のノズルプ
レートに、ディッピングにより塗布した。溶液の濃度や
膜厚は適当な値を選択できるが、ここでは濃度0.1wt%
の溶液に対し20cm毎分の速度で引き上げ、120℃で乾燥
させ、膜厚0.02μmの含フッ素高分子層を形成した。顕
微鏡観察により形成された薄膜は、非常に緻密かつ均質
であることが確認された、水との接触角は、100度と高
い撥水性がえられた。また、ノズル内部の撥インク処理
も均質にできていることを確認した。
PVA(ポリビニルアルコール)をジオキサンに溶解
し、塗布した後乾燥させて少なくともノズル内部には保
護層を形成した。更にPVAの砥石を用い、適当な条件で
研磨を行ない、ノズルプレートの裏面に形成された含フ
ッ素高分子層を除去した。ジオキサンに浸しなから超音
波を照射し、保護層のPVAを除去した。
実施例2と同様に、ポリエーテルスルフォン樹脂製の
第一基板と、表面処理したノズルプレートを洗浄乾燥
後、接着テープで接着を行ないインクジェット記録ヘッ
ドを組み立てた。製造したインクジェット記録ヘッドを
記録装置に装着して印字試験を行なったところ、印字乱
れ等のトラブルは発生せず、良好な撥水化処理がなされ
たことを確認した。次に、インクジェット記録ヘッドを
顔料インクに浸漬し70℃で5日間保持した後、同様の印
字試験を行なった。印字は初期特性と変わらず、撥イン
ク効果は十分であった。顔料インクを注入しながらシリ
コンゴムによる擦り試験をしたところ、5000回擦った後
にも水との接触角は95度以上あり、撥水効果がほとんど
劣化せず長期間にわたって印字品質の高いインクジェッ
ト記録ヘッドを達成できた。
以上実施例を挙げて説明してきたが、インクジェット
記録ヘッドに用いられる材質や構造、ノズル表面に形成
される含フッ素高分子層や保護層の種類は種々考えら
れ、なんら限定されるものではない。含フッ素高分子の
溶媒や塗布、研磨の条件も限定されるものではない。
態様G 本態様の方法においては、インクが吐出するノズル表
面に含フッ素高分子層が形成されているインクジェット
記録ヘッドの製造において、含フッ素高分子を溶媒に溶
かした溶液を水面上に展開し、溶媒が蒸発した後ノズル
表面を水面に接触させ、含フッ素高分子層水面展開膜を
転写する方法を採用する。
ノズル表面の撥水処理は、水との接触角が少なくとも
90度以上、好ましくは100度以上必要なため、分極率が
小さいことから分子間凝集力の著しく小さいフッ素の導
入が不可欠である。更にノズル表面の撥水処理は、使用
上強い密着性が別途要求される。
ポリ四フッ化エチレンに代表される含フッ素高分子
は、耐熱性、耐薬品性、耐候性等の優れた特徴を持つ
が、溶媒に不溶で、前述のように粉体としてのコーティ
ングしかできず、膜強度が弱い上、界面での密着性が著
しく低かった。最近、溶剤可溶性高分子と含フッ素高分
子の共重合体や、特殊な含フッ素側鎖を持つ合成高分子
が得られるようになった。従来の含フッ素高分子の特性
を維持し、しかも溶媒に可溶なため、塗布によりピンホ
ールのない平滑な表面を容易に得ることができる。膜強
度やそれに起因する基質との密着強度を得るためには、
膜形成前に高分子化されていることが必要不可欠であ
る。
含フッ素高分子を溶媒に溶かした溶液を水面上に展開
し、溶媒を蒸発させる含フッ素高分子水面展開膜が形成
される。膜の厚みは、検量線を作成することで滴下量や
溶液濃度等により制御可能である。ノズル表面を水面に
接触させると、接触した部分だけ含フッ素高分子水面展
開膜が転写され、ノズル内部には転写されない。操作上
の不備があったとしても、ノズルの内径は水面展開膜の
膜厚しか狭くならず、最大でもノズルの内径と同じ距離
までしかノズルの奥には水面展開膜が入り込まない。含
フッ素高分子は100Å程度の膜厚でも撥インク効果が得
られる。ノズル径も100μm以下であり、使用上全く問
題にはならない。
含フッ素高分子水面展開膜は十分な膜強度を有してい
る。ノズル表面に含フッ素高分子水面展開膜を転写した
後、加熱処理を行なうことにより、十分な密着強度が得
られる。必要ならば、ノズル表面への含フッ素高分子水
面展開膜の転写を複数回行なうことにより、撥インク効
果を高めることができる。
実施例G1 図10はインクジェット記録ヘッドの概略図である。10
1は圧力室であり、PZT素子または発熱体等によってイン
ク吐出のための圧力を得る部分である。102はインク流
路、103はインク吐出ノズルである。
図11に、ノズル表面の撥水化処理の工程を模式的な断
面図で示した。(a)は「テフロンAF」(デュポン社
製)をフッ素系溶媒に溶解し、水面上に展開した状態を
示した。溶液の濃度や滴下量は適当な値を選択できる
が、ここでは濃度0.05wt%の溶液を用意し、水面上に膜
厚0.1μmの「テフロンAF」高分子層が形成される量を
算出して滴下した。(b)は、フッ素系溶媒が蒸発して
形成された含フッ素高分子水面展開膜にアクリル樹脂製
のノズル表面を接触させた状態を示した。ノズル表面の
水面に対する接触方法は、必ずしも平行である必要はな
く、多少傾いてもかまわない。また、水中に多少潜って
もかまわない。(c)は、ノズルを水面から引き上げ、
ノズル表面へ含フッ素高分子水面展開膜を転写した状態
を示した。
図12は図11(c)のインク吐出ノズル部分の拡大図で
ある。ノズル表面を水面に接触させると、接触した部分
だけ含フッ素高分子水面展開膜が転写され、ノズル穴に
位置していた水面展開膜はそのまま水面上に残った。15
0℃で1時間加熱処理してから顕微鏡で観察したとこ
ろ、形成された薄膜は非常に緻密かつ均質であることが
確認された。水との接触角は、100度と高い撥水性がえ
られた。また、ノズル内部には撥インク処理がされてい
ないことを確認した。
製造したインクジェット記録ヘッドを記録装置に装着
して印字試験を行なったところ、印字乱れ等のトラブル
は発生せず、良好な撥水化処理がなされたことを確認し
た。次に、インクジェット記録ヘッドを染料インクに浸
漬し70℃で5日間保持した後、同様の印字試験を行なっ
た。印字は初期特性と変わらず、撥インク効果は十分で
あった。染料インクを注入しながらシリコンゴムによる
擦り試験をしたところ、5000回擦った後にも水との接触
角は100度以上あり、撥水効果がほとんど劣化せず長時
間にわたって印字品質の高いインクジェット記録ヘッド
を達成できた。
実施例G2 図4はインクジェット記録ヘッドの一例を模式的に示
した断面図である。1は圧力室であり、PZT素子または
発熱体等によってインク吐出のための圧力を得る部分で
ある。3はインク吐出ノズルである。31は第一基板であ
りインク流路用のパターン溝が形成されている。32は第
二基板であり、両者の張り合わせによってインク流路は
形成される。33はノズルプレートである。
図13に、ノズル表面の撥水化処理の工程を模式的な断
面図で示した。(a)は処理前のニッケル製のノズルプ
レート43の、ノズル付近の拡大図を示している。(b)
は、「サイトップ」(旭硝子社製)をフッ素系溶媒に溶
解して水面上に展開し、水面上に形成された膜厚0.05μ
mの含フッ素高分子水面展開膜31をノズルプレートの表
面に転写し、180℃で1時間加熱処理した状態を示し
た。顕微鏡観察により形成された薄膜は、非常に緻密か
つ均質であることが確認された。水との接触角は、108
度と高い撥水性がえられた。また、ノズル内部には撥イ
ンク処理がされていないことを確認した。(c)は、以
上のように撥水処理したノズルプレートとポリカーボネ
ート樹脂製の第一基板52とを、洗浄乾燥後接着剤51で接
着した状態を示した。
製造したインクジェット記録ヘッドを記録装置に装着
して印字試験を行なったところ、印字乱れ等のトラブル
は発生せず、良好な撥水化処理がなされたことを確認し
た。次に、インクジェット記録ヘッドを染料インクに浸
漬し70℃で5日間保持した後、同様の印字試験を行なっ
た。印字は初期特性と変わらず、撥インク効果は十分で
あった。染料インクを注入しながらシリコンゴムによる
擦り試験をしたところ、5000回擦った後にも水との接触
角は100度以上あり、撥水効果がほとんど劣化せず長時
間にわたって印字品質の高いインクジェット記録ヘッド
を達成できた。
実施例G3 ジパーフルオロアルキルフマレートとジアルキルフマ
レート共重合体高分子をフッ素系溶媒に溶解して水面上
に展開し、水面上に形成された膜厚0.01μmの含フッ素
高分子水面展開膜を、実施例1と同様にノズル表面に転
写した。この転写工程を更に2回繰り返した後、120℃
で1時間加熱処理した。顕微鏡で観察したところ、形成
された薄膜は非常に緻密かつ均質であることが確認され
た。水との接触角は、105度と高い撥水性がえられた。
また、ノズル内部にほとんど撥インク処理がされていな
いことを確認した。
製造したインクジェット記録ヘッドを記録装置に装着
して印字試験を行なったところ、印字乱れ等のトラブル
は発生せず、良好な撥水化処理がなされたことを確認し
た。次に、インクジェット記録ヘッドを顔料インクに浸
漬し70℃で5日間保持した後、同様の印字試験を行なっ
た。印字は初期特性と変わらず、撥インク効果は十分で
あった。顔料インクを注入しながらシリコンゴムによる
擦り試験をしたところ、5000回擦った後にも水との接触
角は95度以上あり、撥水効果がほとんど劣化せず長時間
にわたって印字品質の高いインクジェット記録ヘッドを
達成できた。
以上実施例を挙げて説明してきたが、インクジェット
記録ヘッドに用いられる材質や構造、ノズル表面に形成
される含フッ素高分子層の種類は種々考えられ、なんら
限定されるものではない。
態様H 本態様においては、インクが吐出するノズル表面に、
含フッ素高分子LB膜を形成する。含フッ素高分子LB膜の
形成は、含フッ素高分子がポリジパーフルオロアルキル
フマレートまたは、その共重合体高分子を用いて行な
う。
この方法においては、含フッ素高分子を溶媒に溶かし
た溶液を水面上に展開し、溶媒が蒸発した後バリアーを
移動させてラングミュアー膜とし、ノズル表面に水平付
着法で含フッ素高分子LB膜を形成する。
ノズル表面の撥水処理は、水との接触角が少なくとも
90度以上、好ましくは100度以上必要なため、分極率が
小さいことから分子間凝集力の著しく小さいフッ素の導
入が不可欠である。更にノズル表面の撥水処理は、使用
上強い密着性が別途要求される。
ポリ四フッ化エチレンに代表される含フッ素高分子
は、耐熱性、耐薬品性、耐候性等の優れた特徴を持つ
が、溶媒に不溶で、前述のように粉体としてのコーティ
ングしかできず、膜強度が弱い上、界面での密着性が著
しく低かった。最近、溶剤可溶性高分子と含フッ素高分
子の共重合体や、特殊な含フッ素側鎖を持つ合成高分子
が得られるようになった。従来の含フッ素高分子の特性
を維持し、しかも溶媒に可溶なため、塗布によりピンホ
ールのない平滑な表面を容易に得ることができる。膜強
度やそれに起因する基質との密着強度を得るためには、
膜形成前に高分子化されていることが必要不可欠であ
る。
含フッ素高分子LB膜は、分子レベルで緻密な膜である
ことから、薄くても非常に均質な撥インク効果が得られ
る。1層以上積層した含フッ素高分子LB膜の表面エネル
ギーは、固体のそれと等しく、より完全な撥インク効果
が得られる。しかし通常の高分子は分子骨格の自由度が
大きく、糸まり状の形態をとる。それだとLB膜にならな
いどころか、厚く塗布してもLB膜と比べて膜強度が弱
く、隙間ができ均質性に劣る。含フッ素高分子がポリジ
パーフルオロアルキルフマレートまたは、その共重合体
高分子であれば、側鎖の嵩高さのため剛直な棒状の形態
をとり、容易にLB膜の形成ができる。
含フッ素高分子を溶媒に溶かした溶液を水面上に展開
し、溶媒が蒸発した後バリアーを移動させてラングミュ
アー膜とし、ノズル表面に水平付着法で含フッ素高分子
LB膜を形成すると、ラングミュアー膜と接触した部分だ
け撥インク処理され、ノズル内部は処理されない。操作
上の不備があったとしても、ノズルの内径はLB膜の膜厚
しか狭くならず、最大でもノズルの内径と同じ距離まで
しかノズルの奥にはLB膜が入り込まない。含フッ素高分
子LB膜は1層10Å程度の膜厚であり、ノズル径は数十μ
m程度であるため使用上全く問題にはならない。
含フッ素高分子LB膜は十分な膜強度を有している。水
平付着法で製造するため、ノズル表面と含フッ素高分子
LB膜との間に水の層などが存在せず、十分な密着強度が
得られる。可能ならば、含フッ素高分子のガラス転移点
以上の温度まで加熱することが望ましい。
実施例H1 図10はインクジェット記録ヘッドの概略図である。10
1は圧力室であり、PZT素子または発熱体等によってイン
ク吐出のための圧力を得る部分である。102はインク流
路、103はインク吐出ノズルである。
図14に、ノズル表面の撥水化処理の工程を模式的な断
面図で示した。(a)はポリジパーフルオロアルキルフ
マレート をフッ素系溶媒に溶解し、水面上に展開した状態(22
4)を示した。溶液の濃度や滴下量は、予備実験でπ−
A曲線を作成し、水面上に約半分の面積の単分子層が形
成される量を算出して滴下した。(b)は、フッ素系溶
媒が蒸発した後、バリアー223を移動させて形成したラ
ングミュアー膜225に、インクジェット記録ヘッド226の
アクリル樹脂製のノズル表面を接触させた状態を示し
た。ノズル表面の水面に対する接触方法は、必ずしも平
行である必要はなく、多少傾いていてもかまわない。ま
た、水中に多少潜ってもかまわない。(c)は、ノズル
を水面から引き上げ、ノズル表面へ含フッ素高分子LB膜
を転写した状態を示した。
図15は図14(c)のインク吐出ノズル部分の断面の拡
大図である。ノズル表面を水面に接触させると、接触し
た部分だけ含フッ素高分子LB膜231が形成され、ノズル
穴に位置していたラングミュアー膜225はそのまま水面
上に残った。150℃で1時間加熱処理してから顕微鏡で
観察したところ、形成された薄膜は非常に緻密かつ均質
であることが確認された。水との接触角は、110度と高
い撥水性がえられた。また、ノズル内部には撥インク処
理がされていないことを確認した。
製造したインクジェット記録ヘッドを記録装置に装着
して印字試験を行なったところ、印字乱れ等のトラブル
は発生せず、良好な撥水化処理がなされたことを確認し
た。次に、インクジェット記録ヘッドを染料インクに浸
漬し70℃で5日間保持した後、同様の印字試験を行なっ
た。印字は初期特性と変わらず、撥インク効果は十分で
あった。染料インクを注入しながらシリコンゴムによる
擦り試験をしたところ、5000回擦った後にも水との接触
角は100度以上あり、撥水効果がほとんど劣化せず長期
間にわたって印字品質の高いインクジェット記録ヘッド
を達成できた。
実施例H2 図4はインクジェット記録ヘッドの一例を模式的に示
した断面図である。1は圧力室であり、PZT素子または
発熱体等によってインク吐出のための圧力を得る部分で
ある。3はインク吐出ノズルである。31は第一基板であ
りインク流路用のパターン溝が形成されている。32は第
二基板であり、両者の張り合わせによってインク流路は
形成される。33はノズルプレートである。
図13に、ノズル表面の撥水化処理の工程を模式的な断
面図で示した。(a)は処理前のニッケル製のノズルプ
レートの、ノズル付近の拡大図を示している。(b)
は、ポリジパーフルオロアルキルフマレートとポリジイ
ソプロピルフマレート4:1の共重合体高分子をフッ素系
溶媒に溶解して水面上に展開し、圧縮してラングミュア
ー膜としノズルプレートの表面に3層の含フッ素高分子
LB膜を形成し、180℃で1時間加熱処理した状態を示し
た。顕微鏡観察により形成された薄膜は、非常に緻密か
つ均質であることが確認された、水との接触角は、108
度と高い撥水性がえられた。また、ノズル内部には撥イ
ンク処理がなされていないことを確認した。(c)は、
以上のように撥水処理したノズルプレートとポリサルフ
ォン樹脂製の第一基板とを、洗浄乾燥後接着剤で接着し
た状態を示した。
製造したインクジェット記録ヘッドを記録装置に装着
して印字試験を行なったところ、印字乱れ等のトラブル
は発生せず、良好な撥水化処理がなされたことを確認し
た。次に、インクジェット記録ヘッドを染料インクに浸
漬し70℃で5日間保持した後、同様の印字試験を行なっ
た。印字は初期特性と変わらず、撥インク効果は十分で
あった。染料インクを注入しながらシリコンゴムによる
擦り試験をしたところ、5000回擦った後にも水との接触
角は100度以上あり、撥水効果がほとんど劣化せず長期
間にわたって印字品質の高いインクジェット記録ヘッド
を達成できた。
実施例H3 ポリジパーフルオロアルキルフマレートとポリビニル
エステル9:1の共重合体高分子をフッ素系溶媒に溶解し
て水面上に展開し、圧縮により形成したラングミュアー
膜を、実施例H1と同様にノズル表面に転写した。この転
写工程を更に4回繰り返した後、120℃で1時間加熱処
理した。顕微鏡で観察したところ、形成された薄膜は非
常に緻密かつ均質であることが確認された。水との接触
角は、105度と高い撥水性がえられた。また、ノズル内
部にはほとんど撥インク処理がされていないことを確認
した。
製造したインクジェット記録ヘッドを記録装置に装着
して印字試験を行なったところ、印字乱れ等のトラブル
は発生せず、良好な撥水化処理がなされたことを確認し
た。次に、インクジェット記録ヘッドを顔料インクに浸
漬し70℃で5日間保持した後、同様の印字試験を行なっ
た。印字は初期特性と変わらず、撥インク効果は十分で
あった。顔料インクを注入しながらシリコンゴムによる
擦り試験をしたところ、5000回擦った後にも水との接触
角は95度以上あり、撥水効果がほとんど劣化せず長期間
にわたって印字品質の高いインクジェット記録ヘッドを
達成できた。
態様I この態様に係る方法においては、撥水層の転写形成に
先立って、ノズル表面にカップリング化合物層を形成す
る。上述した転写法とカップリング化合物層の形成とを
組合わせることによって、密着性にすぐれしかも膜厚の
厚い撥水層を形成することができる。
実施例I1 ガラス、シリコン、ポリサルフォンまたはポリカーボ
ネートからなるインクジェット記録ヘッドのノズル表面
へカップリング化合物層を形成した。
カップリング化合物としては、γ−アミノプロピルト
リエトキシシランまたはN−β−アミノメチル−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシランまたはN−フェニル−
γ−アミノプロピルトリメトキシシランまたはN−β−
アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
またはN−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチ
ルジメトキシシランを用いた。溶媒としては、上記カッ
プリング化合物を溶解し得る溶媒、たとえばメタノー
ル、エタノール、水を用いる。カップリング化合物の含
有濃度は適宜選択され得るが、本実施例においては、0.
2重量%溶液にノズル表面を浸漬して、溶媒が蒸発する
温度で乾燥してカップリング層を形成した。
次に、このカップリング層の表面に、含フッ素重合体
層(旭硝子社製「サイトップ」を高沸点のフッ素系有機
溶媒へ溶解させた溶液)を転写法によって形成した。転
写作業で用いる平滑面状態の支持体であるシリコンゴム
またはウレタンゴムまたはブチレンゴムまたはゼラチン
またはクロロプレーンゴム等の弾性体へスピンコートま
たは等速引き上げ浸漬法を使い塗布し、圧力を管理して
ノズル面をこれに押し付けた。
その後このヘッドは、含フッ素高分子層中の溶媒除去
と流動性を高め、被覆性を改善するため、ガラス転移点
以上の温度、例えば摂氏150度で焼成した。ノズル面を
顕微鏡で観察したところ、形成された含フッ素高分子層
は、非常に緻密かつ均質であった。水との接触角は、約
110度と高い撥水性がえられた。
製造したインクジェット記録ヘッドを記録装置に装着
して印字試験を行なったところ、印字乱れ等のトラブル
は発生せず、良好な撥水化処理がなされたことを確認し
た。次にインクジェット記録ヘッドを染料インクに浸漬
し、摂氏70度で5日間保持した後、同様の印字試験を行
なった。印字は初期特性と変わらず、撥インク性は十分
であった。染料インクを注入しながらシリコンゴムによ
る擦り試験をしたところ、5000回擦った後にも水との接
触角は100度以上あり、撥水効果がほとんど劣化せず長
期間にわたって印字品質の高いインクジェット記録ヘッ
ドを達成できた。
実施例I2 実施例I1の非晶フッ素樹脂をデュポン社製、商品名
「テフロンAF」に、塗布後の焼成を摂氏180度に変更し
た以外、実施例I1と同様の方法によりインクジェット記
録ヘッドを製造した。
実施例I3 実施例I1の非晶フッ素樹脂をデュポン社製、商品名
「テフロンAF」に、塗布後の焼成を摂氏180度に変更し
た以外、実施例I1と同様の方法によりインクジェット記
録ヘッドを製造した。
実施例I4 実施例I1の方法において、予めノズル表面を、酸素プ
ラズマないし紫外線照射雰囲気中に放置した以外は実施
例I1と同様の方法によってカップリング層ならびに撥水
層を有するヘッドを得た。
このヘッドは、実施例1と同様に、5000回擦っても水
の接触角は100度以上あり、撥水効果がほとんど劣化せ
ず長期間にわたって印字品質の高いインクジェット記録
ヘッドを達成できた。
以上実施例を挙げて説明してきたが、インクジェット
記録ヘッドに用いられる材質や構造、ノズル表面に形成
されるフッ素高分子種類は種々考えられ、なんら限定さ
れるものでない。
産業上の利用可能性 本発明は、インクジェットプリンタなどのインクジェ
ット記録装置に装着する記録用ヘッドとして広く適用す
ることができる。
フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平3−83751 (32)優先日 平成3年4月16日(1991.4.16) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−116059 (32)優先日 平成3年5月21日(1991.5.21) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−116061 (32)優先日 平成3年5月21日(1991.5.21) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−145957 (32)優先日 平成3年6月18日(1991.6.18) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−227872 (32)優先日 平成3年9月9日(1991.9.9) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 竹本 清彦 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (72)発明者 黄木 康弘 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−153744(JP,A) 特開 昭58−124661(JP,A) 特開 平4−212863(JP,A) 特開 昭63−239063(JP,A) 特開 平3−53942(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/135

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インクジェット記録装置に用いるインクジ
    ェット記録ヘッドにおいて、インクが吐出するノズル表
    面に、含フッ素重合体の均一な層からなるLB膜からなる
    撥水層が形成されてなることを特徴とする、インクジェ
    ット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】撥水層が、溶剤可溶性の含フッ素重合体か
    らなる、請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】溶剤可溶性の含フッ素重合体が、ほとんど
    全ての分子末端にフッ素原子を有する重合体からなる、
    請求項2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】カップリング化合物層を介して撥水層が形
    成されてなる、請求項1に記載のインクジェット記録ヘ
    ッド。
  5. 【請求項5】撥水層が、含フッ素エチレンと炭化水素系
    エチレンとの交互共重合体もしくはその類似体ないし誘
    導体からなる、請求項1に記載のインクジェット記録ヘ
    ッド。
  6. 【請求項6】撥水層が、含フッ素環状ポリマーからな
    る、請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  7. 【請求項7】インクジェット記録装置に用いるインクジ
    ェット記録ヘッドの製造方法であって、前記インクジェ
    ット記録ヘッドのインクが吐出するノズル表面に撥水処
    理を施すに際して、 インク吐出孔が形成されたノズルプレートの少なくとも
    裏面側(インクが吐出する側と反対側)にポジレジスト
    を塗布形成し、 前記ノズルプレートの裏面側を遮光して、表面側から電
    離放射線を照射し、 前記照射面を現像して、ノズルプレートの表面ならびに
    ノズル孔内部のレジストを除去し、 ノズルプレートの全表面に含フッ素重合体を溶解させて
    なる重合体溶液をディッピングにより塗布することによ
    って、ノズルプレート全表面に含フッ素重合体からなる
    撥水層を形成し、 前記ノズルプレートの裏面側のレジスト層ならびに撥水
    層をレジスト剥離液によって除去することによってノズ
    ルプレートの表面側およびノズル孔の内面のみに撥水層
    を形成する工程を含むことを特徴とする、インクジェッ
    ト記録ヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】インクジェット記録装置に用いるインクジ
    ェット記録ヘッドの製造方法であって、前記インクジェ
    ット記録ヘッドのインクが吐出するノズル表面に撥水処
    理を施すに際して、 含フッ素重合体を溶解させてなる重合体溶液を水面上に
    展開させて、溶媒を揮発させたのちバリアーを移動させ
    て展開膜をラングミュアー膜とし、得られたラングミュ
    アー膜をノズル表面に接触させることによって含フッ素
    重合体からなるLB膜を1層以上ノズル表面に形成する工
    程を含むことを特徴とする、インクジェット記録ヘッド
    の製造方法。
  9. 【請求項9】含フッ素重合体を溶解させてなる重合体溶
    液を水面上に展開させ、前記重合体溶液の溶媒を揮発さ
    せたのち、得られた展開膜をノズル表面に接触させるこ
    とによって重合体層の転写を1回以上行う、請求項8に
    記載の方法。
  10. 【請求項10】重合体層の転写を行なったのち、加熱処
    理を行なう、請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】前記重合体層の転写に先立って、ノズル
    表面にカップリング化合物層を形成する、請求項8に記
    載の方法。
  12. 【請求項12】転写用媒体表面が平滑面に形成されてな
    る、請求項8に記載の方法。
  13. 【請求項13】ノズルを、カップリング化合物と溶媒と
    からなるカップリング溶液に浸漬することによって、前
    記カップリング化合物層の形成を行なう、請求項8に記
    載の方法。
  14. 【請求項14】ノズルをオゾン雰囲気にさらしたのちに
    カップリング化合物層の形成を行ない、しかるのちに撥
    水層の形成を行なう、請求項8に記載の方法。
  15. 【請求項15】ノズルをオゾン雰囲気にさらしたのちに
    撥水層の転写形成を行なう、請求項8に記載の方法。
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