JP3159986U - エンジン及びそれを備えた車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑オイルのオイルタンクの容量を大きくした車輌用エンジンを提供する。【解決手段】エンジンは、摺動部を有する回転軸と、ケーシング22と、フィードポンプ51と、オイル経路部42とを備えている。ケーシング22は、オイルタンクを有する。オイルタンクの底壁部には、開口22cが形成されている。フィードポンプは、オイルタンクに溜められている潤滑オイルを吸入し、摺動部に供給する。オイル経路部42は、オイルタンクの下方に配置されている。オイル経路部42は、オイル通路58の少なくとも一部を形成している。オイル経路58の一端は、ケーシング22の底壁部22bに形成された開口22cに接続されている。オイル経路58の他端は、フィードポンプ51に直接または間接的に接続されている。【選択図】図12

Description

本発明は、エンジン、特にドライサンプ方式のエンジン及び車両に関する。
エンジンの潤滑方式は、飛沫方式と圧送方式とに大別される。飛沫方式は、クランクシャフトなどの回転軸の回転によりオイル溜まりに溜められている潤滑オイルが飛沫することによりエンジンの各摺動部に潤滑オイルが供給される方式である。一方、圧送方式は、オイルポンプを用いてエンジンの各摺動部に潤滑オイルを圧送する方式である。
圧送方式は、ウエットサンプ方式とドライサンプ方式とに大別される。例えば特許文献1には、ドライサンプ方式の一種であるセミドライサンプ方式のエンジンが開示されている。特許文献1に開示されたエンジンでは、クランクケースのミッション室の下部にオイル貯留部が形成されており、クランク室の下部にオイル回収室が形成されている。オイル貯留部に溜められている潤滑オイルは、フィードポンプによりエンジンの各摺動部に供給される。エンジンの各摺動部に供給された潤滑オイルはオイル回収室に回収される。回収された潤滑オイルは、スカベンジングポンプによってオイル貯留部に戻される。
図15に示すように、特許文献1に開示されたエンジン100では、フィードポンプ101がオイルタンク103よりも高い位置に配置されている。フィードポンプ101から延びるオイル吸入管102は、フィードポンプ101から下方の延びており、オイルタンク103の底部に至っている。オイル吸入管102は下方に開口している。
特開2007−9738号公報
しかしながら、特許文献1に記載のように、フィードポンプ101から、オイルタンク103内を下方に延びるオイル吸入管102を用いた場合、オイルタンク103の容量が小さくなるという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、オイルタンクの容量を大きくすることにある。
本発明に係るエンジンは、回転軸と、ケーシングと、フィードポンプと、オイル経路部とを備えている。回転軸は、摺動部を有する。ケーシングは、回転軸を収納している。ケーシングは、オイルタンクを有する。オイルタンクには、潤滑オイルが溜められている。オイルタンクの底壁部には、開口が形成されている。フィードポンプは、オイルタンクに溜められている潤滑オイルを吸入し、摺動部に供給する。オイル経路部は、オイルタンクの下方に配置されている。オイル経路部は、オイル経路の少なくとも一部を形成している。オイル経路の一端は、オイルタンクの底壁部に形成されている開口に接続されている。オイル経路の他端は、フィードポンプに接続されている。
本発明に係る車両は、上記本発明に係るエンジンを備えている。
本発明によれば、ケーシングの底壁部に形成され、オイルタンクに連通する開口に接続されたオイル経路を経由してオイルタンク内の潤滑オイルがフィードポンプに供給される。このため、オイルタンクの容量を大きくすることができる。
実施形態に係る自動二輪車の概略的な左側面図である。 エンジンの概略構成を表す概念図である。 エンジンの軸配置を表す概略側面図である。 エンジンのオイル回路の一部を表すオイル回路図である。 エンジンのオイル回路の一部を表すオイル回路図である。 エンジンの一部を表す平面図である。 エンジンの一部の斜視図である。 エンジンの一部を表す断面図である。 ポンプアッセンブリー本体の断面図である。 フィードポンプの断面図である。 オイルパンの背面図である。 オイルパン及びカバーエレメントの断面図である。 カバーエレメントの平面図である。 エンジンのオイル回路の一部を表すオイル回路図である。 特許文献1に開示されたエンジンの一部を表す断面図である。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について、図1に示す自動二輪車1を例に挙げて説明する。ただし、本発明に係る車両は、図1に示す自動二輪車1に限定されるものではない。本発明に係る車両は、四輪車であってもよいし、鞍乗型車両であってもよい。
ここで、「鞍乗型車両」とは、ライダーがシート(鞍)に跨がって乗る車両のことをいう。鞍乗型車両には、自動二輪車以外に、ATV(All Terrain Vehicle)やスノーモー
ビルなどが含まれる。また、四輪車には、オフロードビークルも含まれる。オフロードビークルは、サイドバイサイドビークル(Side x Side Vehicle)とも呼ばれることがある
また、本発明において、自動二輪車も図1に示すタイプのものに限定されない。本発明において、「自動二輪車」は、広義のモーターサイクルをいう。すなわち、本発明において、「自動二輪車」は、狭義のモーターサイクル、モペッド、スクーター、オフロード車などを含む。また、本明細書において、自動二輪車には、前輪及び後輪の少なくとも一方が、一体に回転する複数の車輪により構成されており、車両を傾斜させて進行方向を変更する車両も含まれるものとする。
なお、以下の説明において、前後左右の方向は、シート14に直座したライダーから見た方向をいうものとする。
(自動二輪車1の概略構造)
図1に示すように、自動二輪車1は、車体フレーム10を備えている。車体フレーム10は、ヘッドパイプ11と、メインフレーム12と、シートレール13とを備えている。メインフレーム12は、ヘッドパイプ11から後方に向かって斜め下方に延びている。シートレール13は、メインフレーム12から後方に向かってやや斜め上方に延びている。シートレール13の上にはシート14が取り付けられている。
ヘッドパイプ11には、ステアリングシャフト15が回転可能に挿入されている。ステアリングシャフト15には、ハンドル16と、左右一対のフロントフォーク17とが取り付けられている。フロントフォーク17の下端部には、前輪18が回転可能に取り付けられている。
メインフレーム12の後端部には、ピボット軸12aが取り付けられている。ピボット軸12aには、リアアーム19が揺動可能に取り付けられている。リアアーム19の後端部には後輪20が回転可能に取り付けられている。
メインフレーム12には、ドライサンプ方式のエンジン21が懸架されている。エンジン21は、クランクケース22と、シリンダボディ27と、シリンダヘッド28とを備えている。シリンダボディ27は、クランクケース22の前半部分に接続されている。シリンダヘッド28は、シリンダボディ27の上端部に接続されている。
図3に示すように、クランクケース22の内部には、クランク室23と、オイルタンク25とが区画形成されている。クランク室23の底部にはクランク室側オイルパン24が設けられている。すなわち、クランクケース22は、オイルタンク25と、オイルパン24とを有する。
クランク室23には、回転軸のひとつとしてのクランクシャフト29が配置されている。図14に示すように、クランクシャフト29は、摺動部29aを有している。図2に示すように、クランクシャフト29は、クラッチ30を介して、メイン軸31と接続されている。メイン軸31は、図3に示すように、クランクシャフト29の後方かつ上方に配置されている。
メイン軸31の後方かつ下方には、ドライブ軸32が配置されている。図2に示すように、メイン軸31とドライブ軸32との間には、変速ギア対33が配置されている。この変速ギア対33を介して、種々の変速比でメイン軸31からドライブ軸32へと回転力が伝達される。
図2及び図3に示すように、クランクシャフト29には、第1のバランサ軸34と第2のバランサ軸35とが噛合している。図3に示すように、第1のバランサ軸34は、クランクシャフト29の前方に配置されている。第2のバランサ軸35は、クランクシャフト29の後方かつ上方に配置されている。
(潤滑装置2)
図4及び図14に示すように、エンジン21には、潤滑装置2が配置されている。この潤滑装置2は、エンジン21の各摺動部に潤滑オイルを供給するためのものである。
潤滑装置2は、フィードポンプ51と、スカベンジングポンプ52と、リリーフバルブ53とを備えている。フィードポンプ51は、オイルタンク25に溜められている潤滑オイルを、クランクシャフト29の摺動部29aなどのエンジン21の各摺動部に圧送するためのポンプである。スカベンジングポンプ52は、クランク室側オイルパン24に溜まった潤滑オイルをオイルタンク25に移送するためのポンプである。リリーフバルブ53は、リリーフバルブ53の吸入側の圧力が吐出側の圧力に対して所定の圧力以上高くなったときに、フィードポンプ51の吐出側の圧力を低下させるためのバルブである。リリーフバルブ53は、リリーフバルブ53の吸入側の圧力が吐出側の圧力に対して所定の圧力以上高くなったときに開弁する。
なお、本実施形態では、スカベンジングポンプ52とフィードポンプ51とのそれぞれは、トロコイドポンプにより構成されている。但し、スカベンジングポンプ52とフィードポンプ51とのそれぞれは、トロコイドポンプ以外のポンプにより構成されていてもよい。スカベンジングポンプ52とフィードポンプ51とのそれぞれは、例えば、ギア式のポンプにより構成されていてもよい。
スカベンジングポンプ52は、吸入室と、吐出室とを備えている。スカベンジングポンプ52の駆動時において、吐出室は、吸入室よりも高圧である。スカベンジングポンプ52は、スカベンジングポンプ側吸入経路60と、スカベンジングポンプ側吐出経路61とに接続されている。スカベンジングポンプ側吸入経路60は、スカベンジングポンプ52の吸入室とクランク室側オイルパン24とを接続している。スカベンジングポンプ側吐出経路61は、スカベンジングポンプ52の吐出室と、オイルタンク25とを接続している。スカベンジングポンプ52は、スカベンジングポンプ側吸入経路60を経由して、クランク室側オイルパン24に溜められている潤滑オイルを吸入する。スカベンジングポンプ52は、スカベンジングポンプ側吐出経路61を経由して、クランク室側オイルパン24から吸入した潤滑オイルをオイルタンク25に戻す。
図8に示すように、フィードポンプ51は、吸入室51aと、吐出室51bとを備えている。フィードポンプ51の駆動時において、吐出室51bは、吸入室51aよりも高圧である。図4及び図14に示すように、フィードポンプ51は、フィードポンプ側吸入経路58と、フィードポンプ側吐出経路59とに接続されている。フィードポンプ側吸入経路58は、フィードポンプ51の吸入室51aと、オイルタンク25を接続している。フィードポンプ側吐出経路59は、フィードポンプ51の吐出室51bに接続されている。フィードポンプ51は、フィードポンプ側吸入経路58を経由して、オイルタンク25内の潤滑オイルを吸入する。フィードポンプ51は、フィードポンプ側吐出経路59を経由して、吸入した潤滑オイルを、エンジン21の各摺動部に供給する。
具体的には、図4及び図14に示すように、フィードポンプ側吐出経路59から吐出された潤滑オイルは、オイルクリーナー37に供給される。図3に示すように、オイルクリーナー37は、クランクケース22の前方に配置されている。このオイルクリーナー37において、潤滑オイル内の不純物が取り除かれる。オイルクリーナー37からの潤滑オイルは、オイルクーラー36に供給される。潤滑オイルは、このオイルクーラー36において冷却される。図4及び図14に示すように、オイルクーラー36からの潤滑オイルは、第1のバランサ軸34と、メインギャラリ39に供給される。
メインギャラリ39の潤滑オイルは、クランクシャフト29に供給される。また、メインギャラリ39の潤滑オイルは、図1に示すシリンダヘッド28内に配置された吸入側カムシャフト40と吐出側カムシャフト41にも供給される。
図4及び図14に示す地点Aは、図5に示す地点Bに接続されている。このため、メインギャラリ39の潤滑オイルは、図5に示すように、第2のバランサ軸35と、メイン軸31と、ドライブ軸32と、ミッションシャワー38とにも供給される。ミッションシャワー38に供給された潤滑オイルは、図2に示す変速ギア対33等により構成される変速機構に対して散布される。
以上のようにオイルタンク25からエンジン21の各摺動部に供給された潤滑オイルは、図4及び図14に示すクランク室側オイルパン24に戻される。
次に図6〜図10を主として参照しながら、本実施形態における潤滑装置2の詳細な構成について説明する。図6に示すように、本実施形態では、潤滑装置2は、ポンプアッセンブリー50を備えている。ポンプアッセンブリー50は、フィードポンプ51と、スカベンジングポンプ52と、リリーフバルブ53とが一体に形成されたものである。
ポンプアッセンブリー50は、ポンプアッセンブリー本体54を備えている。ポンプアッセンブリー本体54には、図10に示すフィードポンプ用アウタロータ55と、図9に示すスカベンジングポンプ用アウタロータ56とが配置されている。フィードポンプ用アウタロータ55と、スカベンジングポンプ用アウタロータ56とのそれぞれは、ポンプアッセンブリー本体54に対して回転可能である。
図10に示すように、フィードポンプ用アウタロータ55の内部には、フィードポンプ用インナロータ62が配置されている。これらフィードポンプ用アウタロータ55とフィードポンプ用インナロータ62とによってフィードポンプ51が構成されている。フィードポンプ用インナロータ62の歯数は、フィードポンプ用アウタロータ55の歯数よりも少なく設定されている。フィードポンプ用インナロータ62の回転軸と、フィードポンプ用アウタロータ55の回転軸とは、相互に異なる位置に配置されている。すなわち、フィードポンプ用インナロータ62が取り付けられるシャフト64の軸心と、フィードポンプ用アウタロータ55の中心軸とは、相互に異なる位置に配置されている。これらフィードポンプ用アウタロータ55とフィードポンプ用インナロータ62とによって、潤滑オイルの加圧が行われる複数の作動室51cが形成されている。
図9に示すように、スカベンジングポンプ用アウタロータ56の内部には、スカベンジングポンプ用インナロータ63が配置されている。これらスカベンジングポンプ用アウタロータ56とスカベンジングポンプ用インナロータ63とによってスカベンジングポンプ52が構成されている。スカベンジングポンプ用インナロータ63の歯数は、スカベンジングポンプ用アウタロータ56の歯数よりも少なく設定されている。スカベンジングポンプ用インナロータ63の回転軸と、スカベンジングポンプ用アウタロータ56の回転軸とは、相互に異なる位置に配置されている。すなわち、スカベンジングポンプ用インナロータ63が取り付けられるシャフト64の軸心と、スカベンジングポンプ用アウタロータ56の中心軸とは、相互に異なる位置に配置されている。これらスカベンジングポンプ用アウタロータ56とスカベンジングポンプ用インナロータ63とによって、潤滑オイルの加圧が行われる複数の作動室52cが形成されている。
図6,図9及び図10に示すように、フィードポンプ用インナロータ62とスカベンジングポンプ用インナロータ63とは、シャフト64に取り付けられている。図2に示すように、シャフト64は、第1のバランサ軸34を介して、クランクシャフト29に接続されている。このため、シャフト64、フィードポンプ用インナロータ62及びスカベンジングポンプ用インナロータ63は、クランクシャフト29の回転に伴って回転する。よって、クランクシャフト29の回転速度が高くなると、フィードポンプ用インナロータ62及びスカベンジングポンプ用インナロータ63の回転速度も高くなる。従って、クランクシャフト29の回転速度が高くなると、スカベンジングポンプ52及びフィードポンプ51のそれぞれの吐出圧力が高くなる。すなわち、スカベンジングポンプ52及びフィードポンプ51のそれぞれの吐出圧力は、エンジン回転速度に応じた圧力となる。
図6に示すように、ポンプアッセンブリー本体54には、スカベンジ側吸入管71が接続されている。スカベンジ側吸入管71の内部には、スカベンジングポンプ側吸入経路60が形成されている。図9に示すように、スカベンジングポンプ側吸入経路60の上流側端部には、ストレーナ65が取り付けられている。
図6及び図7に示すように、ポンプアッセンブリー本体54には、スカベンジ側吐出管72が接続されている。スカベンジ側吐出管72には、スカベンジングポンプ側吐出経路61が形成されている。スカベンジングポンプ52からの潤滑オイルは、このスカベンジ側吐出管72を経由してオイルタンク25に移送される。
主として図8に示すように、クランク室側オイルパン24の底部には、オイルタンク25に開口する吸入口26が形成されている。吸入口26の下流側には、ストレーナ66が配置されている。吸入口26から吸入された潤滑オイルは、オイルタンク25及びクランク室側オイルパン24の下方に位置するフィードポンプ側吸入経路58を経由して、フィードポンプ51に供給される。フィードポンプ51に供給された潤滑オイルは、ポンプアッセンブリー本体54に形成されたフィードポンプ側吐出経路59を経由して、図4及び図14に示すオイルクリーナー37に供給される。
図8に示すように、本実施形態では、ポンプアッセンブリー本体54には、リリーフ経路57が形成されている。図4及び図14に示すように、このリリーフ経路57によって、フィードポンプ側吐出経路59と、スカベンジングポンプ側吸入経路60とが接続されている。具体的には、リリーフ経路57は、スカベンジングポンプ側吸入経路60のストレーナ65よりも下流側の部分に接続されている。また、リリーフ経路57は、フィードポンプ51の吐出室51bに直接接続されている。
リリーフ経路57には、リリーフバルブ53が配置されている。このリリーフバルブ53は、リリーフ経路57のリリーフバルブ53よりも上流側の部分57aの圧力が下流側の部分57bの圧力に対して、所定の圧力よりも高くなったときに開弁する。リリーフバルブ53が開弁されると、フィードポンプ51からの潤滑オイルの一部が、リリーフ経路57を経由してスカベンジングポンプ側吸入経路60に戻される。これにより、フィードポンプ側吐出経路59内の圧力がリリーフ経路57を経由して逃がされる。
以下、本実施形態におけるオイルタンク25とフィードポンプ51との接続態様について、図8及び図11〜図13を主として参照しつつ、さらに詳細に説明する。
図8及び図12に示すように、ケーシングとしてのクランクケース22の内部には、オイルタンク25とクランク室側オイルパン24とが形成されている。オイルタンク25は、クランクケース22内の相対的に後側の部分に配置されている。一方、クランク室側オイルパン24は、クランクケース22内の相対的に前側の部分に配置されている。図3,図6及び図7に示すように、クランク室側オイルパン24は、上述のクランクシャフト29、フィードポンプ51及びスカベンジングポンプ52の下方に形成されている。言い換えれば、フィードポンプ51とスカベンジングポンプ52とは、クランク室側オイルパン24の上方に配置されている。図12に示すように、オイルタンク25とクランク室側オイルパン24とは、クランクケース22の隔壁22aによって隔離されている。
本実施形態では、フィードポンプ側吸入経路58は、クランクケース22の下側に形成されている。具体的には、フィードポンプ側吸入経路58は、クランクケース22と、クランクケース22の下側に配置されているカバーエレメント42とによって区画形成されている。
図11及び図13に示すように、カバーエレメント42は、フィードポンプ側吸入経路58の形状に沿った形状を有している。図11及び図12に示すように、カバーエレメント42は、クランクケース22に対して、複数のボルト43によって固定されている。図12及び図13に示すように、カバーエレメント42の周縁部分には、フィードポンプ側吸入経路58を囲うように、溝42aが形成されている。この溝42aには、例えばゴムなどの弾性部材からなる環状のシール部材44が配置されている。このシール部材44によって、カバーエレメント42とクランクケース22との間がシールされている。
図12に示すように、クランクケース22の底壁部22bには、フィードポンプ側吸入経路58が接続されている開口22cが形成されている。開口22cは、詳細には、底壁部22bのオイルタンク25が形成されている部分の最も低い部分に形成されている。この開口22cによって、オイルタンク25とフィードポンプ側吸入経路58とが連通している。一方、本実施形態では、フィードポンプ側吸入経路58のオイルタンク25とは反対側の端部は、フィードポンプ51に直接接続されている。但し、フィードポンプ側吸入経路58とフィードポンプ51とは、別個に設けられたパイプなどを介して間接的に接続されていてもよい。
図12に示すように、底壁部22bには、開口22cの上部を覆うように蓋部材22dが形成されている。本実施形態では、底壁部22bの一部によって蓋部材22dが形成されている。すなわち、底壁部22bは、ケーシングとしてのクランクケース22と一体に形成されている。但し、蓋部材22dは、クランクケース22とは別の部材により構成されていてもよい。
蓋部材22dは、上方に向かって突出するドーム状に形成されている。蓋部材22dの下部には、吸入口26が形成されている。この吸入口26によってオイルタンク25と開口22cとが接続されている。すなわち、オイルタンク25内の潤滑オイルは、吸入口26及び開口22cを経由してフィードポンプ側吸入経路58に供給される。
なお、本明細書において、「吸入口26が蓋部材22dの下部に形成されている」とは、吸入口26が蓋部材22dの高さ方向における中央よりも下側の部分に形成されていることを意味する。
蓋部材22dの下側には、ストレーナ66が配置されている。ストレーナ66は開口22cよりも大きく形成されている。ストレーナ66は、底壁部22bとカバーエレメント42に形成されている突起部42bとによって固定されている。詳細には、突起部42bは、カバーエレメント42から蓋部材22d側に向かって延びている。ストレーナ66は、ストレーナ66の下方面がこの突起部42bの頂部に当接すると共に、ストレーナ66の上方面が底壁部22bに当接することによって固定されている。
以上説明したように、本実施形態では、フィードポンプ側吸入経路58はクランクケース22の下側に形成されている。そして、フィードポンプ側吸入経路58は、底壁部22bに形成された開口22cによってオイルタンク25と接続されている。このようにすることにより、本実施形態では、フィードポンプ側吸入経路58がオイルタンク25内を経由しないようにされている。従って、特許文献1に記載のエンジンのように、フィードポンプ51とオイルタンク25とを接続するオイル経路がオイルタンク25内を経由する場合と比較して、オイルタンク25の容量を大きくすることができる。
さらに、本実施形態では、開口22cがオイルタンク25の底部に位置している。従って、エンジン21が振動または揺動することにより、オイルタンク25内の潤滑オイルの油面が変動した場合であっても、開口22cが油面よりも上方の空気にさらされるおそれが小さい。従って、フィードポンプ側吸入経路58内に空気が吸入されることを抑制することができる。
つまり、本実施形態のように、クランクケース22の下側にフィードポンプ側吸入経路58を形成し、底壁部22bに開口22cを形成することによって、オイルタンク25の容量を大きくすることができると共に、フィードポンプ側吸入経路58内に空気が吸入されることを抑制することができる。
また、本実施形態では、開口22cは、底壁部22bのオイルタンク25が形成されている部分の最も低い部分に形成されている。従って、フィードポンプ側吸入経路58内に空気が吸入されることをより効果的に抑制することができる。
さらに、本実施形態では、開口22cを覆うように、蓋部材22dが配置されている。このため、オイルタンク25内の潤滑オイルの油面が変動した場合であっても、開口22cが空気にさらされるおそれをより小さくすることができる。従って、フィードポンプ側吸入経路58内に空気が吸入されることをさらに効果的に抑制することができる。
特に、本実施形態では、吸入口26が蓋部材22dの下部に形成されている。従って、オイルタンク25内の潤滑オイルの油面が変動した場合に吸入口26から空気が吸入されるおそれがより低減されている。従って、フィードポンプ側吸入経路58内に空気が吸入されることを特に効果的に抑制することができる。
本実施形態では、クランクシャフト29、フィードポンプ51及びスカベンジングポンプ52が全てクランク室側オイルパン24の上方に配置されている。従って、平面視において、クランクシャフト29、フィードポンプ51及びスカベンジングポンプ52の少なくともひとつをオイルタンク25と重なるように配置する場合と比較して、オイルタンク25の容量をより大きくすることができる。
また、本実施形態では、ストレーナ66が、カバーエレメント42に形成されている突起部42bと底壁部22bとによって固定されている。このため、ストレーナ66を固定するための別個の部材を設ける必要がない。従って、エンジン21の部品点数を少なくすることができる。また、ストレーナ66の組み付け作業がより容易となる。
なお、本実施形態では、本発明の好ましい形態の一例として、ドライサンプ方式のエンジンを例に挙げた。但し、本発明に係るエンジンは、ドライサンプ方式のエンジンに限定されない。本発明は、ウエットサンプ方式のエンジンにも好適に適用される。
また、本明細書において、ドライサンプ方式には、ミッション室などの一部によりオイルタンクが形成されている所謂セミドライサンプ方式が含まれるものとする。
(変形例)
上記実施形態では、カバーエレメント42とクランクケース22とを別個に設ける例について説明した。但し、カバーエレメント42とクランクケース22とを一体に形成してもよい。また、クランクケース22の底壁部22bをクランクケース22のその他の部分とは別部材により形成し、カバーエレメント42とクランクケース22の底壁部22b以外の部分とを一体に形成してもよい。
上記実施形態では、オイル経路部として、カバーエレメント42を用いる例について説明した。但し、本発明は、この構成に限定されない。例えば、オイル経路としてのフィードポンプ側吸入経路58の少なくとも一部が形成されており、クランクケース22の下方に配置されているパイプをオイル経路部として用いてもよい。
1 自動二輪車(車両)
21 エンジン
22 クランクケース(ケーシング)
22b 底壁部
22c 開口
22d 蓋部材
24 クランク室側オイルパン(オイルパン)
25 オイルタンク
26 吸入口
29 クランクシャフト(回転軸)
29a 摺動部
42 カバーエレメント(オイル経路部、経路形成部材)
42b 突起部
51 フィードポンプ
52 スカベンジングポンプ
58 フィードポンプ側吸入経路(オイル経路)
66 ストレーナ

Claims (11)

  1. 摺動部を有する回転軸と、
    前記回転軸を収納しており、潤滑オイルが溜められていると共に底壁部に開口が形成されているオイルタンクを有するケーシングと、
    前記オイルタンクに溜められている前記潤滑オイルを吸入し、前記摺動部に供給するフィードポンプと、
    前記オイルタンクの下方に配置されており、一端が前記開口に接続されており、他端が前記フィードポンプに接続されているオイル経路の少なくとも一部を形成しているオイル経路部と、
    を備えるエンジン。
  2. 請求項1に記載されたエンジンにおいて、
    前記オイル経路部は、前記オイル経路の少なくとも一部を前記ケーシングと共に形成している経路形成部材であるエンジン。
  3. 請求項1に記載されたエンジンにおいて、
    前記ケーシングは、前記摺動部に供給された潤滑オイルが回収されるオイルパンを有し、
    前記オイルパンに溜められている潤滑オイルを吸入し、前記オイルタンクに戻すスカベンジングポンプをさらに備えるエンジン。
  4. 請求項1に記載されたエンジンにおいて、
    前記開口の上部を覆うように配置されており、前記開口に接続された吸入口が形成されている蓋部材をさらに備えるエンジン。
  5. 請求項4に記載されたエンジンにおいて、
    前記蓋部材は、上方に向かって突出するドーム状に形成されており、
    前記吸入口は、前記蓋部材の下部に形成されているエンジン。
  6. 請求項4に記載されたエンジンにおいて、
    前記蓋部材は、前記ケーシングと一体に形成されているエンジン。
  7. 請求項4に記載されたエンジンにおいて、
    前記蓋部材の下側に配置されたストレーナをさらに備えるエンジン。
  8. 請求項7に記載されたエンジンにおいて、
    前記カバーエレメントには、前記蓋部材側に向かって延びる突起部が形成されているエンジン。
  9. 請求項1に記載されたエンジンにおいて、
    前記開口は、前記底壁部の前記オイルタンクが形成されている部分の最も低い部分に形成されているエンジン。
  10. 請求項3に記載されたエンジンにおいて、
    前記回転軸には、前記ケーシング内に収納されたクランクシャフトがさらに含まれており、
    前記オイルパンは、前記クランクシャフトの下方に配置されており、
    前記フィードポンプと前記スカベンジングポンプとは前記オイルパンの上方に配置されているエンジン。
  11. 請求項1に記載のエンジンを備えた車両。
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