JP3159574B2 - 積層インダクターの製造方法 - Google Patents

積層インダクターの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は小型電子機器の高密度実
装回路基板等への面実装用に用いられる積層インダクタ
ーの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の積層インダクターは、特
開昭60−100414号公報に記載されているように
また、図31(a)〜(d)に示すように複数のほぼ半
ターン分の導電パターン3を、複数の電気絶縁性または
絶縁化した印刷フェライト磁性体層4a,6a,8a,
10aを介在させながら印刷方式により形成し、導電パ
ターンの端部を連続的に接続し、上下層1a,21aと
中間の磁性体層4a,6a,8a,10aと導電パター
ン3は一体的な焼結体として形成されていた。
【0003】更に、他の方法による積層インダクター
は、特開昭48−81057号公報、米国特許第376
5082号公報に記載されているようにドクターブレー
ド法や押出成形によって厚さ十数〜数十μmの複数のシ
ート状のフェライト磁性層(以下フェライトグリーンシ
ートという)を形成し、スルーホールを打抜き、導電パ
ターンを印刷し且つスルーホールに導体を充填し、全体
をスタックし、最後に焼成することにより積層インダク
ターを製造することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の印刷方式による積層インダクターでは、フェライト
磁性体層を印刷によって形成するために印刷部分にピン
ホールが発生しやすく、フェライト磁性体層を挟んで上
下層に周回しているコイル用導電パターン間で短絡が発
生し、歩留りを悪くしている。
【0005】またピンホールを低減するためにフェライ
ト磁性体層の印刷を複数回行う方法もあるが、この場合
には所望の積層体を得るために非常に印刷回数が増えて
しまうという難点と、複数回の印刷によってフェライト
磁性体層の膜厚が厚くなりすぎて、磁性体層の縁端部を
介して導電パターンを印刷する際に、その厚い磁性体層
の縁端部において導電パターンが充分に印刷されずに断
線してしまうという課題があった。
【0006】更に、磁性体層と導電パターンを交互に印
刷積層を繰り返すと、導電パターンの上部が盛り上が
り、積層数を多くする時、つまりインダクタンス値を大
きくする時に、高精度で歩留りの高い印刷形成ができな
いという課題があった。
【0007】一方、上記従来のグリーンシート方式の積
層インダクターの場合には、予めグリーンシートを用意
しスルーホールを打抜き、導電パターンを印刷し且つス
ルーホールに導体を充填し、全体をスタックして上下層
間の導体の接続を得る方法であるが、この方法ではスル
ーホールに導体を確実に充填するのが難しく、またグリ
ーンシートの積層時に導体間の接続の信頼性に欠けると
いう欠点を有していた。
【0008】更に、導電パターンの形成されているグリ
ーンシートを積層すると、導電パターンの膜厚があるた
めに積層時に加熱加圧しても層間の密着性が悪く、また
絶縁体層内に圧縮むらによる圧縮ひずみが発生し、クラ
ックやデラミネーションや磁気特性の劣化等の品質不良
が多いという課題があった。
【0009】更に、グリーンシートで積層体を構成する
場合、グリーンシートは単一材料で大きな面積を製造す
る方法としては優れているが、積層体の一部に異種材料
で複合化する時などは、グリーンシートを複数の材料で
形成する必要があり、非常に複雑で難度の高い工程とな
るなどの課題を有していた。
【0010】本発明はこのような従来の課題を解決する
ものであり、絶縁体層の形成を簡潔でしかもピンホール
等の欠陥がなく、導電パターン上の絶縁体層の形成を平
坦に形成できるようにしたので、高精細度な導電パター
ンの印刷形成や多くの絶縁体層の積層が可能となり、更
に絶縁体層の縁端部の段差を小さくできるようにしたた
めに縁端部を介して導電パターンを印刷する際にも導電
パターンが断線しにくい歩留りの高い優れた積層インダ
クターの製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0011】また、本発明は、更に絶縁体層に自由に異
種材料を形成できるので、適宜材料を選択することによ
って所望の周波数特性を実現することができるという優
れた積層インダクターの製造方法を提供することを目的
とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、絶縁体層と導電パターンを繰り返して積層
形成していく工程において、絶縁体層の形成を微細な吐
出口から絶縁体ペーストを複数区画内に連続的に帯状に
塗布形成したものである。更に本発明は、絶縁体シート
に帯状の凹凸状の段差を設け、この凹凸状の段差の大き
さを次工程の絶縁体層の塗布膜厚の約半分とすることに
より絶縁体層の縁端部の段差を小さくしたものである。
【0013】
【作用】したがって、本発明によれば、絶縁体層と導電
パターンを繰り返して積層形成していく工程において、
絶縁体層の形成を微細な吐出口から絶縁体ペーストを複
数区画内に連続的に帯状に塗布形成したので、絶縁体層
の形成工程が簡潔でしかもピンホール等の欠陥がなく、
導電パターン上の絶縁体層の形成を平坦に形成できるよ
うにしたので高精細度な導電パターンの印刷形成や多く
の絶縁体層の積層が可能となり、歩留りが高く小型でし
かも大きなインダクタンス値を得られる。
【0014】更に本発明によれば、絶縁体シートに帯状
の凹凸状の段差を設け、この凹凸状の段差の大きさを次
工程の絶縁体層の塗布膜厚の約半分としたので、絶縁体
層の縁端部の段差を小さくすることができ、導電パター
ンの形成でこの縁端部での断線不良が大幅に減少でき
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて詳しく
説明する。
【0016】本発明において、絶縁体とは電気的絶縁性
の材料であり、本実施例においては特に低温焼結(10
00℃以下)の可能なアルミナ主体のガラス粉末の混合
された絶縁材料を用いるものとする。また磁性材料はF
23主体のNiO,ZnO,CuO系のフェライト磁
性材料を用いるものとする。
【0017】またこれらの絶縁材料あるいはフェライト
磁性材料をそれぞれメチルセルロース、ブチラール樹脂
等の公知の適宜のバインダー及び溶剤、可塑剤と混合・
混練してペースト化とする。更に、導体はAg−Pd,
Ag,Pd、その他の金属粉末とバインダーからなるペ
ーストを用い、印刷することにより形成できるが、本実
施例では金属粉末としてAgを用いた。
【0018】図1〜図14は本発明の第1の実施例によ
る積層インダクターの積層工程及び構造を工程順によっ
て示し、(a)は平面図、(b)は断面図を示す。この
図の説明を簡略化するために1個の積層インダクターを
図示したものであるが、実際の実施例では図16のよう
に複数個が同時に印刷あるいは塗布が可能なように所定
の区画を定めている。図1〜図14に示す工程は図16
に示す1区画のP部分と理解されたい。
【0019】まず図1(a),(b)のように絶縁体シ
ート1を用意する。この絶縁体シート1は前述の従来例
のようにドクターブレード法によってポリエステルフィ
ルム(以下PETという)上(図示せず)に絶縁体のグ
リーンシートを形成する。他の方法として、PET上に
絶縁体ペーストを印刷してもよいし、以下に説明する絶
縁体ペーストによって帯状の絶縁体を形成してもよい。
全面に均一にしかもスルーホールも必要ない場合はグリ
ーンシートを用いることが最適である。
【0020】次に図2(a),(b)のように絶縁体シ
ート1の約半分の領域に絶縁体ペーストを塗布によって
絶縁体層2を乾燥後の膜厚(以下単に膜厚という)とし
て約30μmで形成した。更に詳しく説明すると図15
に示すような複数の微細な吐出口を有する吐出装置40
により、図17に示すように複数区画を有する絶縁体シ
ート50上に複数区画の各列毎に帯状に各吐出口より絶
縁体ペーストを吐出させ区画単位の約半分の領域が覆わ
れるように連続的に塗布形成される。この絶縁体層2の
形成によって、絶縁体シートの表面は帯状に凹凸状の段
差が発生する。
【0021】次に図3(a),(b)のように、導体ペ
ーストによって導電パターン3を印刷し、約半ターンの
コイルを形成する。
【0022】次に図4に(a),(b)に示すように、
導電パターン3の上にしかも前述の絶縁体層2のない領
域、つまり前述の帯状の凹部に絶縁体層4を膜厚として
約60μmで形成した。この絶縁体層4の形成方法は前
述の絶縁体層2と同様の方法によって帯状に連続的に塗
布形成した。ここで膜厚を60μmとしたのは、絶縁体
層2との段差を30μmに維持することと、絶縁性の信
頼性を得るためであり、例えば絶縁体層4の膜厚が30
μmで充分であれば、絶縁体層2の膜厚を15μmとす
れば、絶縁体層間1と2、あるいは2と4の段差はそれ
ぞれ15μmとすることが可能である。
【0023】次に図5(a),(b)に示すように、絶
縁体層2,4の上に導電パターン3の一端と重なるよう
導電パターン5を印刷によって形成する。この時も絶縁
体層2,4間の凹凸状の段差が30μm程度なので、導
電パターン5は段差部でも印刷不良による断線は発生す
ることなく精度の高い印刷が可能である。
【0024】次に図6(a),(b)に示すように、導
電パターン3及び5の上に、しかも前述の絶縁体層2と
同位置で同形状にて同様の方法で絶縁体層6を膜厚も同
じく約60μmで形成した。
【0025】以上のような方法で、同様に図7(a),
(b)〜図11(a),(b)に示すように、絶縁体層
と導電パターンの形成を約半ターンずつ繰り返して、所
望のインダクタンスが得られるまで交互に積層を続け
る。図11(a),(b)においては、コイルパターン
の終端をもつ導電パターン11を示す。導電パターン1
1は、単位区画部の端部へ引き出されており、後に説明
する端面電極へ接続される。図3(a),(b)におけ
る導電パターン3も同様に端面電極へ接続されるように
単位区画部の端部へ引き出されており、この導電パター
ンはコイルパターンの始端となっている。
【0026】次に図12(a),(b)に示すように、
導電パターン9,11の上に、しかも絶縁体層8と同位
置で同形状にて同様の方法で絶縁体層12を膜厚約30
μmで形成した。この絶縁体層12の塗布は、絶縁体層
8と10間の段差約30μmを埋めて平坦化するためで
ある。この絶縁体層12は省略しても次工程は製造可能
であるが、凹凸状の段差を大きくとった場合とか、より
品質の高い積層インダクターを得る場合には不可欠とな
る。
【0027】積層工程の最終工程として、図13
(a),(b)に示すように、絶縁体シート21を絶縁
体シート1と同様の方法で製造し、導電パターン11、
絶縁体層12の上に積層し、加熱加圧して積層工程を終
了する。この時の絶縁体シートの膜厚は0.3mmのも
のを使用した。
【0028】次に図16の破線で示す複数の区画ライン
に従って、ダイシングソーあるいは鋭利なカッターで各
個片に切断し、PETから剥離する。剥離された積層体
は焼成炉に入れて絶縁体の所要焼成温度及び時間で処理
する。本実施例では、最高焼成温度を900℃とし、そ
の時間を2時間とした。得られた積層体はバレル研磨を
施し、次いで図14に示すように、導電パターン3と1
1が露出する側端面に導電パターンと同様の導電ペース
トを塗布し、適宜の温度で焼付けて膜状外部端子22と
した。別法として、公知のように膜状外部端子22は積
層体の焼成前に塗布し、膜状外部端子22と同時に焼成
してもよい。
【0029】図19(a)〜(d)には本発明の効果的
な絶縁層の塗布形成の一例を示している。図19(a)
は本実施例の図8の工程の平面図であり、図19(b)
はそのA−A′間の断面図であり、図19(c)は導電
パターン55上に絶縁体ペーストによって平坦な絶縁体
層51の形成を説明する概略図である。さらに、図19
(d)は従来例のように絶縁体層を印刷方式によって同
形状にて積層したときのA−A′間の断面図である。
【0030】本実施例のように、図19(c)に示すよ
うな微細な吐出口を絶縁体シート50の上に一定の高さ
hを保持しながら絶縁体シート50と導電パターン55
上を絶縁体ペーストを塗布すると、吐出口と導電パター
ン間の高さは導電パターンの膜厚のためにhよりも小さ
くなり、従って形成される絶縁体の膜厚も薄くなり、結
果的に絶縁体層は導電パターンの有無にかかわらず平坦
な形成が可能となるものである。
【0031】図19(b)において、絶縁体層4,8が
平坦化された積層状態が実現されている。一方、従来例
においては絶縁体層の形成をスクリーン印刷等の印刷方
法で形成しているために、図19(d)に示すように、
導電パターンの有無にかかわらず印刷される全ての領域
にほぼ同じ膜厚で絶縁体層が形成されるために、導電パ
ターンのある上部の絶縁体層4,8は凸部ができ、更に
積層数が増えた場合には絶縁体層の凸部は一層大きくな
り次の導電パターンが形成不能な程になる。導電パター
ンの膜厚を設計上、更に厚くする必要がある場合には、
本発明による塗布による方法は平坦な絶縁体の形成が容
易であるために一層効果的となる。
【0032】更に本実施例の絶縁体層2,4,6,8,
10,12の帯状の連続的な塗布方法の効率的な方法を
図18によって説明する。図17においては、帯状の絶
縁体層は各区画一列分毎の塗布を絶縁体ペーストの吐出
口の1ヶ所から塗布形成していた。しかし図18
(a),(b)に示すように、吐出口をやや幅広くし、
2列分に相当するように改造すれば、吐出口の1ヶ所か
ら同時に区画の2列分に塗布が可能となり、製造効率は
2倍となる。この時、導電パターンは各列毎に必要な絶
縁体層52が塗布されるようにパターンの向きを揃えて
おけば良いだけである。例えば図18(a),(b)に
示す帯状の絶縁体層52は図1〜図13で示す絶縁体層
2,6,10であり、帯状の絶縁体層53は図1〜図1
3で示す絶縁体層4,8,12に相当する。
【0033】本発明の第2の実施例について図20
(a),(b)と図1〜図14をもって説明する。本実
施例は前述の第1の実施例で詳述した絶縁体シート1に
凹凸状の段差を設けずに絶縁体層と導電パターンを交互
に形成し積層したものである。従って工程としては第1
の実施例において図2と図12で示す絶縁体層2,12
が省略された方法となっている。図20は図13に相当
する製造工程及び構造を示している。
【0034】この方法によれば、導電パターン5,9の
印刷形成の時に絶縁体層間の段差が第1の実施例と同様
の絶縁体層の膜厚であれば60μmと大きくなるために
導電パターン5,9の断線不良が多発することになる。
従って本実施例では、絶縁体層4,6,8,10の膜厚
は40μmで塗布形成した。
【0035】本発明のような吐出装置を使用した塗布方
法であれば、印刷形成のようなピンホールの発生もな
く、しかも1度の形成で欠陥のない絶縁体層の形成が可
能となった。この実施例においても、第1の実施例と同
様に導電パターン上の絶縁体層の形成が平坦に形成でき
るので品質の高い高積層のインダクタンスが可能となっ
た。
【0036】本発明の第3の実施例について図21
(a),(b)をもって説明する。本実施例では第1の
実施例における絶縁体材料に透磁率の高いフェライト磁
性材料を用いた。その材料組成は、Fe23 49mol
%、NiO 10mol%、ZnO 30mol%、CuO 1
1mol%の磁性材料とした。製造方法は図1〜図14と
全く同様の工程で磁性体層と導電パターンを交互に積層
し、切断、焼成、端面電極を形成し、図21(a),
(b)に示すごとく磁性材料からなる積層インダクター
を得た。
【0037】実施例1と3のインダクタンス特性を図2
9に示す。実施例1のものは、インダクタンスは低いが
高周波帯域に使用が可能であり、また、実施例3のもの
は、100MHzまでの周波数帯域で高いインダクタン
スが得られることがわかる。
【0038】本発明の第4の実施例について図22
(a),(b)をもって説明する。本実施例では前述第
3の実施例における磁性体層4a,6a,8a,10a
に替えて、透磁率は低いが高周波特性の優れたフェライ
ト磁性材料を用いて磁性体層4b,6b,8b,10b
を形成した。その材料組成は、Fe23 49mol%、N
iO 30mol%、ZnO 10mol%、CuO 11mol%
の磁性材料とした。製造方法は第3の実施例と全く同様
の工程で磁性体層と導電パターンを交互に積層し、切
断、焼成、端面電極を形成し、図22(a),(b)に
示すごとく2種の磁性材料からなる積層インダクターを
得た。本実施例の構成は様々な周波数特性をもつ磁性材
料を組み合わせることにより、積層インダクターとして
所望の周波数特性を得る場合に特に有効である。
【0039】本発明の第5の実施例について図23
(a),(b)をもって説明する。本実施例では前述第
3の実施例における磁性体層4a,8aに替えて、透磁
率は低いが高周波特性の優れたフェライト磁性材料を用
いて磁性体層4b,8bを形成した。製造方法は第3の
実施例と全く同様の工程で磁性体層と導電パターンを交
互に積層し、図23(a),(b)に示すごとく2種の
磁性材料からなる積層インダクターを得た。
【0040】本実施例の構成は第4の実施例と同様の特
性上の効果が得られるもので、様々な周波数特性をもつ
磁性材料を組み合わせることにより、積層インダクター
として所望の周波数特性を得る場合に特に有効であり、
高周波帯域のノイズ除去にも大変優れたものとなる。
【0041】本実施例の特性について図30に示す。図
中の比較データである磁性材料aは磁性材料に全て高透
磁率材料を用いた実施例3の特性であり、また磁性材料
bは磁性材料に全て透磁率は低いが高周波数特性の優れ
た磁性材料を用いた場合の特性である。
【0042】本実施例の変形例として図24(a),
(b)に示す。本発明の特徴の1つとして吐出装置より
任意の膜厚で帯状の連続的な絶縁体層が得られることで
あるから、図24(a),(b)に示す磁性体層1a,
21aについても帯状の2種の磁性体層で容易に形成で
き磁性体層1a,1b,21a,21bとすることがで
きる。つまり積層体の磁束の通る方向で同質の材料にな
るように、約半分ずつ2種の磁性材料で形成したもので
ある。
【0043】この方法によれば、磁性材料aとbの磁気
特性を加えたものが積層体の磁気特性になるので、所望
の周波数特性を得るためには磁性材料aとbを選択する
だけで容易に品質の高いものが得られる。この例では磁
性体層を2種の材料で形成したが、所望の周波数特性に
よっては帯状磁性体の材料を3種、4種と増やし、その
時の塗布方法は吐出口のサイズを細くして1ラインに相
当する帯状ラインを例えば2ラインにしてそれぞれの材
料で形成することによって、積層体が3種、4種の異種
材料で構成できる。
【0044】本発明の第6の実施例について図25
(a),(b)、図26(a),(b)をもって説明す
る。本実施例では直流重畳特性を改善するために、磁路
の一部に非磁性体層を形成した例を本発明の製造方法に
従って構成したものである。図25(a),(b)では
導電パターンを挟んだ最上層21、最下層1を非磁性体
の絶縁材料で形成し、内部の絶縁体層4a,6a,8
a,10aをフェライト磁性材料によって形成したもの
である。
【0045】図26(a),(b)では内部の磁性体層
の一部の層2,4を非磁性材料で形成したものである。
この非磁性材料は第1の実施例で使用したアルミナ主体
のガラス粉末の混合された絶縁材料である。これらの例
はいずれも開磁路構成にしたものであるから、インダク
タンス値は低くなるが直流重畳特性の優れたものが得ら
れる。
【0046】本発明の第7の実施例について図27
(a),(b)をもって説明する。本実施例ではコイル
パターン始端3a及び終端11aと膜状外部端子22間
の接続抵抗を小さくし、積層インダクターの直流抵抗分
をより小さくしたものである。コイルパターン始端3a
と膜状外部端子22間の接続抵抗を小さくするために、
図3においた導電パターン3を印刷形成した後に、更に
導電パターン3の膜状外部端子側に相当する一部のパタ
ーンを印刷することで膜厚を厚くしたものである。
【0047】またコイルパターン終端8aと膜状外部端
子22間の接続抵抗を小さくするために、図11におい
て導電パターン11を印刷形成した後に、更に導電パタ
ーン11の膜状外部端子側に相当する一部のパターンを
印刷することで膜厚を厚くしたものである。
【0048】従来、一部のパターンのみ膜厚をより厚く
する場合には、絶縁体層と導電パターン間の膜厚による
段差が大きくなり、次工程での絶縁体層の形成で空隙が
発生したり、印刷不良によるピンホールが発生したり品
質上課題が多かったが、本発明によれば第1の実施例で
詳述したように、絶縁体層の形成が塗布によって形成で
きるので平坦に形成することができ前述の如く品質上の
課題はなく、良質で直流抵抗の小さい積層インダクター
を得ることができる。
【0049】本発明の第8の実施例について図28をも
って説明する。本実施例では導電パターンの形成におい
て図28に示すような溶射装置41によって形成したも
のである。導電パターンは、絶縁体シート50の上に所
望の金属マスク42を密着搭載し、溶射装置41のノズ
ル部よりAg等の金属溶融物を金属マスク42方向に吹
き付けるものである。これによって短時間で溶射金属導
体部43が前述の実施例によるコイルパターンと同様の
形状の金属導体皮膜が得られる。
【0050】溶射金属導体部43は容易に導体膜厚も大
きく得ることができ、しかも導体抵抗も小さいものが得
られるので、積層インダクターの直流抵抗分を小さくす
ることに大変有効である。本実施例の製造工程は、第1
の実施例に対して導電パターンの形成方法が異なるだけ
で、他の製造方法は全て同じである。
【0051】以上のように、本発明を若干の例について
説明したが、本発明の範囲で多くの変形例が可能である
ことは明らかである。例えば、アルミナ基板やフェライ
ト基板の上に前述の実施例で説明した方法で積層体を形
成することも可能であるし、更に被形成物によっては複
数の吐出口の形成をそれぞれ被形成物に対応して異なる
ものにしてもよい。
【0052】また絶縁体シートの凹凸の形成方法におい
て、前述の実施例では平坦な絶縁体シートの上に次いで
帯状の絶縁体層を形成することで凹凸を設けたが、別法
としては、平坦な絶縁体シートをダイシングソー等でシ
ートの一部を帯状に研削することによっても形成できる
し、あるいは金型によって絶縁体シートを帯状に加熱加
圧することによっても凹凸を設けることができる。
【0053】更に、本実施例では導電パターンの形成を
約半ターンの渦巻き状コイルパターンで印刷形成した
が、積層体の面積に余裕があれば約1.5ターンあるい
は約2.5ターンの渦巻き状コイルパターンで構成する
ことも可能である。
【0054】本発明の帯状絶縁体層の形成に用いた絶縁
体ペーストの吐出装置は一般に様々な用途に利用されて
いるディスペンサーや描画装置あるいはダイコータ等を
用いることができるが、これらの装置に限定されるもの
でもない。
【0055】なお本発明では積層インダクターに関して
詳述したが、インダクターとは単一コイルに限らず、複
数のコイルからなるトランス型のものも含まれると理解
されたい。
【0056】
【発明の効果】本発明は上記実施例より明らかなよう
に、絶縁体シート上の複数区画内に、絶縁体層と導電パ
ターンを繰り返して積層形成していく工程において、絶
縁体層の形成を複数の微細な吐出口から絶縁体ペースト
を複数区画内に連続的に帯状に塗布形成したものであ
り、絶縁体層の形成工程が簡潔でしかもピンホール等の
欠陥がなく、膜厚の厚い導電パターン上の絶縁体層の形
成を平坦に形成できるようにしたので高精細度な導電パ
ターンの印刷形成や多くの絶縁体層の積層が可能とな
り、歩留りが高く小型で直流抵抗が小さくしかも大きな
インダクタンス値を得られるという効果を有する。
【0057】更に、絶縁体シートに帯状の凹凸状の段差
を設け、この凹凸状の段差の大きさを次工程の絶縁体層
の塗布膜厚の約半分としたものであり、導電パターンの
形成でこの縁端部での断線不良が大幅に減少できるとい
う効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層インダクターの製造方法の一実施
例における第1の工程の説明図
【図2】同第2の工程の説明図
【図3】同第3の工程の説明図
【図4】同第4の工程の説明図
【図5】同第5の工程の説明図
【図6】同第6の工程の説明図
【図7】同第7の工程の説明図
【図8】同第8の工程の説明図
【図9】同第9の工程の説明図
【図10】同第10の工程の説明図
【図11】同第11の工程の説明図
【図12】同第12の工程の説明図
【図13】同第13の工程の説明図
【図14】同第14の工程の説明図
【図15】同絶縁体層を形成する状態を示す説明図
【図16】同複数区画を有する絶縁体シートを示す平面
【図17】同じく複数区画を有する絶縁体シート上に帯
状の絶縁体層を形成した状態の平面図
【図18】同じく絶縁体層を2列分同時に塗布形成した
状態の平面図
【図19】同方法により平坦化されて形成される積層イ
ンダクターと従来の積層インダクターの例を示す説明図
【図20】本発明の他の実施例を示す説明図
【図21】同じく他の実施例の説明図
【図22】同じく他の実施例の説明図
【図23】同じく他の実施例の説明図
【図24】同じく他の実施例の説明図
【図25】同じく他の実施例の説明図
【図26】同じく他の実施例の説明図
【図27】同じく他の実施例の説明図
【図28】同じく他の実施例における溶射による導電パ
ターンの形成を示す説明図
【図29】本発明における積層インダクターのインダク
タンス特性図
【図30】同じくインダクタンス特性図
【図31】従来における積層インダクターの製造方法に
おけるある工程の説明図
【符号の説明】
1 絶縁体シート 2,4,6,8,10,12 絶縁体層 3,5,7,9,11 導電パターン 21 絶縁体シート 22 膜状外部端子 40 吐出装置 41 溶射装置 42 金属マスク 43 溶射金属導体部 50 複数区画を有する絶縁体シート 51,52,53 帯状の絶縁体層 55 導電パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山川 邦雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 松谷 伸哉 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−207515(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 41/00 - 41/12 H01F 17/00 - 17/08

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の絶縁体シート上の複数区画内に同
    一形状の第1の導体パターンをそれぞれ印刷し、次いで
    第1の導電パターンの一端を残して第1の導電パターン
    上に複数区画内を連続的に絶縁体ペーストを帯状に塗布
    することにより第1の絶縁体層を形成し、その後第2の
    導電パターンをその一端を前記第1の導電パターンと接
    続するように前記第1の絶縁体層上に印刷し、次いで第
    2の導電パターンの他端を残して第1の導電パターン上
    に前記複数区画内を連続的に絶縁体ペーストを帯状に塗
    布することにより第2の絶縁体層を形成し、以下導電パ
    ターンと絶縁体層を積層方向に所定回数重畳して最終的
    に最上層に絶縁体シートを全面に形成し、こうして得ら
    れた積層体を各区画に切断し、これら切断された単位の
    積層体を高温で焼成して焼結体とし、焼結体の端面に露
    出された前記導電パターンの始端と終端とにそれぞれ接
    続する膜状外部端子を前記側端面に形成する積層インダ
    クターの製造方法。
  2. 【請求項2】 絶縁体層が複数の微細な吐出口から絶縁
    体ペーストを複数区画内に連続的に塗布することにより
    形成される請求項1記載の積層インダクターの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 絶縁体層が複数の微細な吐出口のそれぞ
    れの吐出口から絶縁体ペーストを複数区画内で隣り合っ
    た列を同時に覆うようにして連続的に塗布することによ
    り形成される請求項1記載の積層インダクターの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 第1の絶縁体シートに帯状の凹凸状の段
    差を設け、その凹凸状の段差の大きさは絶縁体層の膜厚
    の約半分とし、第1の絶縁体層と第2の絶縁体層及び第
    2の絶縁体層と次の絶縁体層、以下他の絶縁体層間で絶
    縁体層の膜厚の約半分の凹凸状の段差を維持しつつ導電
    パターンと絶縁体層を積層方向に所定回数だけ重畳する
    請求項1、請求項2または請求項3記載の積層インダク
    ターの製造方法。
  5. 【請求項5】 絶縁体シート及び絶縁体層は電気絶縁性
    の磁性材料である請求項1、請求項2、請求項3または
    請求項4記載の積層インダクターの製造方法。
  6. 【請求項6】 絶縁体シートと絶縁体層は、透磁率がそ
    れぞれ異なる電気絶縁性の磁性材料である請求項5記載
    の積層インダクターの製造方法。
  7. 【請求項7】 絶縁体層において、少なくとも2種以上
    の透磁率からなる電気絶縁性の磁性材料を形成する請求
    項5または請求項6記載の積層インダクターの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 絶縁体シート及び絶縁体において、少な
    くとも2種以上の透磁率からなる電気絶縁性の磁性材料
    を積層体の導電パターンより発生する磁束の通る方向で
    同質の材料になるように形成する請求項5または請求項
    6記載の積層インダクターの製造方法。
  9. 【請求項9】 端面に露出される部分の導電パターンの
    膜厚が渦巻き状パターンの膜厚よりも厚くした請求項1
    記載の積層インダクターの製造方法。
  10. 【請求項10】 導電パターンが金属材料の溶射によっ
    て形成された請求項1記載の積層インダクターの製造方
    法。
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