JP3158059B2 - 導電性ポリマー組成物 - Google Patents

導電性ポリマー組成物

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JP3158059B2
JP3158059B2 JP31520896A JP31520896A JP3158059B2 JP 3158059 B2 JP3158059 B2 JP 3158059B2 JP 31520896 A JP31520896 A JP 31520896A JP 31520896 A JP31520896 A JP 31520896A JP 3158059 B2 JP3158059 B2 JP 3158059B2
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    • C08G61/12Macromolecular compounds containing atoms other than carbon in the main chain of the macromolecule
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    • H01B1/12Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors mainly consisting of other non-metallic substances organic substances
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶性の導電性ポ
リマー前駆物質、結晶性の導電性ポリマー、およびそれ
らの応用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】導電性有機ポリマーは、新種の電子材料
として1970年代に出現した。これらの材料は、金属
の電子的および磁気的特性と、従来の有機ポリマーの軽
量、加工上の利点、および物理・機械特性とを兼ね備え
る可能性を有する。導電性ポリマーの例としては、ポリ
パラフェニレンビニレン、ポリパラフェニレン、ポリア
ニリン、ポリチオフェン、ポリアジン、ポリフラン、ポ
リチアナフテン、ポリピロール、ポリセレノフェン、ポ
リ−p−フェニレンスルフィド、可溶性前駆物質から生
成したポリアセチレン、これらの混合物、および他のポ
リマーならびにそのモノマーの共重合体とのブレンドな
どがある。
【0003】これらのポリマーはドーピングにより導電
性となる共役系である。ドーピング反応は、酸化、還
元、プロトン付加、アルキル化などにより行うことがで
きる。本明細書では、ドーピングしない、すなわち非導
電性の形態のポリマーを導電性ポリマーの前駆物質と呼
ぶ。ドーピングした、すなわち導電性の形態のポリマー
を導電性ポリマーと呼ぶ。
【0004】導電性ポリマーは、静電帯電/放電(ES
C/ESD)保護、電磁妨害(EMI)遮蔽、レジス
ト、電気メッキ、金属の腐食防止、および最終的には金
属の代用、すなわち配線、プラスチック微小回路、各種
相互接続技術用の導電性ペースト(はんだの代替)など
の、多数の用途の可能性がある。上記用途の多く、特に
高い電流容量を必要とするものは、加工可能な導電性ポ
リマーの導電性がこのような用途にはまだ適切ではない
ため、まだ実現していない。
【0005】現在まで、すべての導電性ポリマーのう
ち、ポリアセチレンが最高の導電性を示している。この
理由は、ポリアセチレンは高度に結晶化した形態のもの
が合成できるからである。(結晶化度が90%に及ぶも
のが得られている)(Macromolecules)、25、410
6、1992年参照)。この高度に結晶化したポリアセ
チレンは、105S/cm程度の導電性を有する。この
導電性は銅に匹敵するが、ポリアセチレンは不溶性であ
り、加工が不可能で、環境的に不安定なポリマーである
ため、技術的に応用することはできない。
【0006】ポリアニリン・クラスの導電性ポリマー
は、これまでおそらく商業的な応用に最も適したこの種
の材料であった。この種の材料を加工が容易なものにす
るために多大の進歩が見られている。ポリアニリンは環
境的に安定で、化学的に柔軟性があり、そのためその特
性を最適なものにすることができる。ポリアニリンのコ
ーティングは数多くの適用分野で開発され、商業化され
てきた。この材料により、装置や電池も製造されてい
る。しかし、この種のポリマーの導電性は、金属の導電
性と比較すると最低の位置にある。その導電性は100
S/cm程度である。ポリチオフェン、ポリパラフェニ
レンビニレンなど、他の可溶性の導電性ポリマーは、1
2S/cm程度である。したがって、可溶性で加工の
容易な導電性ポリマー、特にポリアニリン材料の導電性
を増大させることが望ましい。
【0007】導電性(σ)は、ドーピングのレベルによ
って決まるキャリアの数(n)、キャリアの電荷
(q)、ならびにキャリアの分子鎖間および分子鎖内の
易動度(μ)に依存する。 σ=nqμ
【0008】一般に、これらの系ではn(キャリアの
数)は最大にされているので、導電性はキャリアの易動
度に依存する。導電性を高めるには、これらの系の易動
度を増大させる必要がある。易動度はポリマーの形態に
依存する。分子鎖内の易動度は、分子鎖に沿った共役、
欠陥の有無、および分子鎖の構造に依存する。また、分
子鎖間の易動度は、分子鎖間の相互作用、鎖間の距離、
結晶化度などに依存する。結晶化度を高めると、ポリア
セチレンで例示されるように導電性も高まる。これま
で、ポリアニリンを高度の結晶状態にすることはきわめ
て困難であることが判明している。ある程度の結晶性
は、延伸または機械的変形により達成された(A.G.
マクディアーミッド(A.G.MacDiarmid)等、Synt
h.Met.55−57,753参照)。これらの延伸
配向した系では、導電性の増大が観察されている。導電
性の増大は、一般に延伸方向に平行に測定したものであ
る。したがって、これらの系での導電性は異方性であ
る。したがって、ポリアニリンの形態を制御し、調節す
る方法を実現することが望ましい。ポリアニリンの結晶
化度と非晶質領域の度合を制御、調節し、これによりポ
リアニリンの物理的、機械的、および電気的特性を調節
する方法を実現することが望ましい。さらに、キャリア
の易動度を増大させ、したがってポリマーの導電性を増
大させるため、高度に結晶化したポリアニリンを、簡単
で有用な方法によって実現することが望ましい。また、
等方性の導電性、すなわち延伸ポリアニリンのように方
向に依存することのない導電性を実現することが望まし
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の一目的は、形
態が調節できる導電性ポリマー前駆物質および導電性ポ
リマーを提供することにある。
【0010】本発明の一目的は、非晶質領域および結晶
領域の度合を調節することができる導電性ポリマー前駆
物質および導電性ポリマーを提供することにある。
【0011】本発明の一目的は、物理的、機械的、およ
び電気的特性を調節することができる導電性ポリマー前
駆物質および導電性ポリマーを提供することにある。
【0012】本発明の一目的は、結晶性の導電性ポリマ
ー前駆物質および結晶性の導電性ポリマーを提供するこ
とにある。
【0013】本発明の一目的は、高度に結晶性の導電性
ポリマー前駆物質および高度に結晶性の導電性ポリマー
を提供することにある。
【0014】本発明の一目的は、キャリアの易動度が増
大した導電性ポリマーを提供することにある。
【0015】本発明の一目的は、導電性が増大した導電
性ポリマーを提供することにある。
【0016】本発明の一目的は、等方性の導電性が増大
した導電性ポリマーを提供することにある。
【0017】本発明の一目的は、導電性ポリマー前駆物
質および導電性ポリマーにおける可塑化効果を提供する
ことにある。
【0018】本発明の一目的は、導電性ポリマー前駆物
質および導電性ポリマーにおける反可塑化効果を提供す
ることにある。
【0019】本発明の一目的は、易動度を与える添加剤
を含有する前駆物質または導電性ポリマーを提供するこ
とにある。
【0020】本発明の一目的は、結晶化度を増大させる
添加剤を含有する前駆物質または導電性ポリマーを提供
することにある。
【0021】本発明の一目的は、結晶化度が増大された
前駆物質または導電性ポリマー無延伸フィルムを提供す
ることにある。
【0022】本発明の一目的は、ガラス転移温度が上昇
した導電性ポリマー前駆物質および導電性ポリマーを提
供することにある。
【0023】本発明の一目的は、ガラス転移温度が低下
した導電性ポリマー前駆物質および導電性ポリマーを提
供することにある。
【0024】本発明の一目的は、機械的特性が強化され
た導電性ポリマー前駆物質および導電性ポリマーを提供
することにある。
【0025】本発明の一目的は、機械的特性が低下した
導電性ポリマー前駆物質および導電性ポリマーを提供す
ることにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明の広義の態様は、
添加剤と、導電性ポリマーの前駆物質および導電性ポリ
マーからなるグループから選択したポリマーの混合物を
有し、上記添加剤が、上記ポリマーが相互に会合して、
高度の結晶状態を形成できるように、上記ポリマーに局
部的な易動度を与えることを特徴とする構造である。
【0027】本発明のさらに具体的な態様は、添加剤
と、導電性ポリマーの前駆物質および導電性ポリマーか
らなるグループから選択したポリマーの混合物を有し、
上記添加剤が、可塑化効果を与えることを特徴とする構
造である。
【0028】本発明のさらに具体的な態様は、添加剤
と、導電性ポリマーの前駆物質および導電性ポリマーか
らなるグループから選択したポリマーの混合物を有し、
上記添加剤が、反可塑化効果を与えることを特徴とする
構造である。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明は、形態の調節が可能であ
り、したがって物理的、機械的、電気的特性の調節が可
能である、導電性ポリマー前駆物質および導電性ポリマ
ーに関するものである。本発明はまた、導電性ポリマー
前駆物質および導電性ポリマーの三次元整合性、すなわ
ち結晶性を制御し、強化することに関するものである。
さらに、本発明は導電性ポリマーの導電性を強化するこ
とに関するものである。これは、導電性ポリマー前駆物
質または導電性ポリマーと、添加剤との混合物を形成
し、これにより、添加剤が導電性ポリマー前駆物質また
は導電性ポリマーの分子鎖が相互に会合して、高度の結
晶状態が得られるように、分子に局部的な易動度を与え
ることにより行われる。このような添加剤の一例は可塑
剤である。可塑剤は、ポリマーに添加すると、ポリマー
を溶媒和させ、その柔軟性および変形性を増大させ、一
般にガラス転移温度Tgを低下させ、一般に引張弾性率
を低下させる。場合により、可塑剤を添加すると、反可
塑化、すなわち弾性率または剛性の増大、およびTgの
上昇を誘起することがある。本明細書では、添加剤は可
塑化効果、反可塑化効果、または両方の効果をもたらす
ことができる。
【0030】本発明の実施に使用可能なポリマーの例に
は、アニリン、チオフェン、ピロール、p−フェニレン
スルフィド、アジン類、セレノフェン類、フラン類、チ
アナフテン類、フェニレンビニレンなど置換および無置
換のホモポリマーおよび共重合体、ならびに置換および
無置換のポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニ
レン、ポリアニリン、ポリアジン、ポリチオフェン、ポ
リ−p−フェニレンスルフィド、ポリフラン、ポリピロ
ール、ポリチアナフテン、ポリセレノフェン、可溶性前
駆物質から生成したポリアセチレン、これらの混合物、
および他のポリマーならびにそのモノマーの共重合体と
のブレンドがある。これらのポリマーの一般式は、Ange
lopoulosらの米国特許第5198153号明細書に記載
されている。本発明では好ましい実施例について述べる
が、これらに限定されるものではない。当業者には、本
明細書の教示を他の実施例に拡大する方法については明
白であろう。本発明の実施に有用なポリマーの一種は、
図1に示す一般式を有する置換または無置換のポリアニ
リン、またはポリアニリンの共重合体である。図1で、
RはHまたはどのような有機もしくは無機の基でもよ
く、各Rは同一のものでも異なるものでもよい。また各
1はHまたはどのような有機もしくは無機の基でもよ
く、各R1は同一のものでも異なるものでもよい。xは
1以上、好ましくは2以上であり、yは0から1の値で
ある。有機の基の例はアルキル基またはアリール基、無
機の基の例はSiおよびGeである。このリストは例を
示しただけであり、これらに限定するものではない。最
も好ましい実施例はエメラルジン塩基の形態のポリアニ
リンで、yの値は約0.5である。この塩基形態は、ポ
リマーのドーピングされていない形態である。本明細書
では、ドーピングされていない形態のポリアニリン、お
よびドーピングされていない他の導電性ポリマーを、導
電性ポリマー前駆物質と呼ぶ。
【0031】図2に、ドーパントによりドーピングされ
たポリアニリンを示す。この形態では、ポリマーは導電
性を有する。ポリアニリン塩基を陽イオン種QAに露出
すると、ポリマーのイミン部(電子の数が多い)の窒素
原子がQ+陽イオンで置換されて、図2に示すようなエ
メラルジン塩を生成する。Q+はH+および有機または無
機の陽イオン、たとえばアルキル基または金属から選択
される。
【0032】QAはQが水素であるプロトン酸でもよ
い。プロトン酸HAをポリアニリンのドーピングに使用
する場合は、ポリアニリンのイミン部の窒素原子がプロ
トン化される。エメラルジン塩基の形態は、共鳴効果に
より大幅に安定化される。電荷は窒素原子および芳香族
の環に分布し、イミン窒素とアミン窒素の識別ができな
くなる。ドーピングされた形態の実際の構造は、図3に
示すような非局在化したポリセミキノン基の陽イオンで
ある。
【0033】エメラルジン塩基形態のポリアニリンは、
各種の有機溶媒および各種の酸水溶液に可溶である。有
機溶媒の例には、ジメチルスルホキシド(DMSO)、
ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリド
ン(NMP)、ジメチレンプロピレン尿素、テトラメチ
ル尿素などがある。このリストは例を示すのみで、これ
らに限定するものではない。酸水溶液の例には、80%
酢酸、60ないし88%ギ酸などがある。このリストは
例を示すのみで、これらに限定するものではない。
【0034】ポリアニリン塩基は一般にポリマーをNM
Pに溶解することにより処理する。この溶液は、199
5年1月9日付の米国特許出願第08/370128号
明細書に記載されているように、分子鎖間の内部水素結
合により誘起された会合の結果、ゲル浸透クロマトグラ
フィ(GCP)で2倍体(bimodal)または3倍体(tri
modal)の分布を示す。代表的なポリアニリン塩基のN
MP溶液のGPC曲線を図4に示す。
【0035】ポリマーは一般に非晶質、結晶質、または
一部結晶質である。一部結晶質の場合、ポリマーは結晶
相と非晶相からなる。ポリマーの形態は、ポリマーの物
理的、機械的、電気的特性を決定するのにきわめて重要
である。
【0036】NMP溶液からスピン・コーティングまた
は溶液注型処理したポリアニリン塩基フィルムは、この
材料の広角X線拡散(WAXS)スペクトルを示す図5
の曲線(a)に見られるように非晶質である。この曲線
では非晶質の拡散が見られる。これらのフィルムが特に
A.G.マクディアーミッド(A.G.MacDiarmid)他、S
ynth.Met.55−57,753(1993年)
に記載されたようにゲルから誘導されたものであれば、
これらのフィルムを後処理して機械的に変形させること
によりある程度の結晶性が誘起される。ゲルから誘導
し、延伸したフィルム(l/lo=3.7X)のWAX
Sを図5の曲線(b)に示す。明確な拡散ピークに見ら
れるように、無延伸フィルムと比較してある程度の結晶
性が誘起されている。
【0037】非晶質ポリアニリン塩基フィルム(図5の
曲線(a)に示す構造を有するもの)を塩酸水溶液でド
ーピングすると、1S/cmの等方性の導電性が得られ
る。このフィルムは結晶性ではない。延伸したフィルム
を同様にドーピングすると、延伸方向に平行な方向で測
定した導電性は102S/cm程度であるが、延伸方向
に直角な方向で測定した導電性は100S/cm程度
で、異方性の導電性が得られる。これらの皮膜では、ド
ーピング処理の間に結晶性が一部失われていることに注
目すべきである。
【0038】本発明によれば、延伸フィルムに比較し
て、分子鎖間(ポリマー鎖)の領域が増大する。
【0039】図7および図8は、NMPだけの溶液から
処理したポリアニリン塩基の動的機械的熱分析(DMT
A)スペクトルを示す。図7は1回目の走査で、フィル
ム中に存在した残留NMPのため、Tgは約118℃で
ある。図8は同一のフィルムの2回目の走査である。こ
のフィルムは、残留NMPがなく、ポリアニリン塩基ポ
リマーのTgは約251℃であった。
【0040】ジメチルシロキサンとプロピルアミンシロ
キサンの共重合体などの可塑剤を添加剤としてポリアニ
リン塩基に添加すると、完全に異なる特性と形態が観察
される。このシロキサンは、ポリアニリン塩基と可塑剤
の相溶性を増大させる極性のアミン基を有する。NMP
溶液から注型し、ポリアニリンに対して5重量%のジメ
チルシロキサンとプロピルアミンシロキサンの共重合体
を含有するポリアニリン塩基フィルムのDMTAは、シ
ロキサンにより誘起された可塑化の結果、1回目の走査
で、NMPだけの溶液から処理したポリアニリン塩基
(図9)より低いTgを示す。しかし、このフィルムの
2回目の走査(図10)では、NMPだけの溶液から処
理したポリアニリン塩基と比較してTgの上昇を示す。
ポリアニリン塩基の溶液にポリシロキサンを添加する
と、シロキサンは極性のアミン基によりポリマーの分子
鎖との相互作用を生じ、ポリアニリン同士の相互作用の
一部、および会合の一部を混乱させることができる。こ
のように、ポリシロキサンはまず会合をある程度誘起す
る。しかし、ポリシロキサンは複数のアミン・サイトを
有し、複数のポリアニリン塩基と水素結合するため、架
橋ネットワークの形成を容易にする。この架橋したネッ
トワークが、DMTAに見られるTgの上昇の原因とな
る。Tgはポリマーの非晶質領域の特徴であり、この場
合、非晶質領域は架橋したポリアニリン/ポリシロキサ
ンのネットワークからなる。このように、ポリシロキサ
ンはTgの上昇に見られるように、ポリアニリン塩基に
反可塑化効果を誘起する。一般に、可塑剤はTgを低下
させる。GPCデータ(図11)は、このモデルと一致
する。アミノ含有シロキサン重合体をポリアニリン塩基
のNMP溶液に添加すると、高分子量部分が顕著に増加
し、ポリアニリンと可塑剤との間に形成する架橋したネ
ットワークを示す。
【0041】シロキサンが非晶質領域に誘起した架橋し
たネットワークのほかに、シロキサンが与える局部的易
動度の結果、ポリアニリン塩基にかなりの結晶性も誘起
することがわかる。図5の曲線(c)は、10%のアミ
ノ含有シロキサン重合体を含有するNMPから処理した
ポリアニリン塩基フィルムのWAXSを示す。この曲線
に見られるように、高度に結晶化したポリアニリンが得
られている。延伸フィルムについての曲線(b)と比較
してさらに高度の結晶性が得られる。
【0042】このように、シロキサンをポリアニリンに
添加すると、高度に会合したポリアニリンの分子鎖の結
晶領域(外形を長方形で示す)が、介在する非晶質領域
を伴って形成される図6に示す構造が形成する。ほとん
どの場合、添加剤は介在する非晶質サイトにある。結晶
化度(結晶サイトの数)と、結晶領域の大きさ、ならび
に非晶質領域の程度と非晶質領域の性質(会合した、す
なわち架橋の有無を問わず)は、添加剤の種類と量によ
り調節することができる。上記を調節することによっ
て、材料の特性も調節することができる。
【0043】ジメチルシロキサンとアミノプロピルシロ
キサンの共重合体(窒素含有量5%)により、0.00
1ないし20重量%の添加で高度に結晶化したポリアニ
リンが得られる。高度に結晶化したポリアニリンは、弾
性率、剛性、降伏および引張強さ、硬さ、密度、ならび
に軟化点の増大を示す。このように、これらの添加量の
シロキサンは、反可塑化効果を有する。20%を超える
と、結晶化は減少する。結晶化が減少すると、弾性率、
剛性、降伏および引張強さ、硬さ、密度、ならびに軟化
点は低下する。このように、これらの添加量のシロキサ
ンは、可塑化効果を有する。シロキサンの含有量は、結
晶領域におけるポリアニリン塩基の相互作用を阻止する
のに十分な量になる。窒素含有量が0.5%および13
%のジメチルシロキサンとアミノプロピルシロキサンの
共重合体でも、同様な傾向が見られたが、可塑化効果ま
たは反可塑化効果を得るためには、特定の量のシロキサ
ンが必要である。このように、結晶化度および非晶質領
域の度合と、ポリアニリンの特性は、添加剤の量および
性質により調節することができる。実際に、同一の添加
剤を使用して、単に添加量を変えるだけで、形態が、し
たがってポリアニリンの特性が劇的に変化する。
【0044】ポリマーの電子特性も影響を受ける。可塑
剤を添加しないポリアニリンの導電性が1S/cmであ
るのに対して、NMPから注型し、塩酸水溶液によりド
ーピングした1重量%のジメチルシロキサンとアミノプ
ロピルシロキサンの共重合体を含有するポリアニリン塩
基フィルムの導電性は、50S/cmである。これは等
方性の導電性である。ポリシロキサンを含有するドーピ
ングしたフィルムは高度に結晶化した構造を保持する。
【0045】結晶化度および非晶質領域の度合は、した
がってポリアニリンの特性は、使用する添加剤とその量
により調節することができる。たとえばポリアニリンの
Tgは、添加剤の量と種類によって上昇または低下させ
ることができる。また、引張特性、弾性率、耐衝撃性な
どの機械特性も、上述のように調節することができる。
添加剤は、0.001ないし90重量%、好ましくは
0.001ないし50重量%、最も好ましくは0.00
1ないし25重量%の範囲で添加することができる。本
発明の実施に使用することができる可塑剤のリストを表
1に示す。可塑剤は表1に示すように、低分子量のオリ
ゴマーまたはポリマーでよい。また、単官能性でも、二
官能性でも、多官能性でもよい。添加剤はまた、必要な
らば最終的なフィルム構造から適当な抽出によって除去
することができる。
【0046】
【表1】可塑剤 アジピン酸誘導体 アジピン酸ジカプリル アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル) アジピン酸ジ(n−ヘプチル−n−ノニル) アジピン酸ジイソブチル アジピン酸ジイソデシル アジピン酸ジノニル アジピン酸ジ(トリデシル) アゼライン酸誘導体 アゼライン酸ジ(2−エチルヘキシル) アゼライン酸ジイソデシル アゼライン酸ジイソオクチル アゼライン酸ジメチル アゼライン酸ジ−n−ヘキシル 安息香酸誘導体 ジ安息香酸ジエチレングリコール ジ安息香酸ジプロピレングリコール ジ安息香酸ポリエチレングリコール200 クエン酸誘導体 クエン酸アセチルトリ−n−ブチル クエン酸アセチルトリエチル クエン酸トリ−n−ブチル クエン酸トリエチル ダイマー酸誘導体 ビス(2−ヒドロキシエチルダイマレート) エポキシ誘導体 エポキシ化亜麻仁油 エポキシ化大豆油 2−エチルヘキシルエポキシタレート エポキシステアリン酸n−オクチル フマル酸誘導体 フマル酸ジブチル グリセリン誘導体 三酢酸グリセロール イソブチル酸誘導体 ジイソブチル酸2,2,4−トリメチル−1,3−ペン
タンジオール イソフタル酸誘導体 イソフタル酸ジ(2−エチルヘキシル) イソフタル酸ジメチル イソフタル酸ジフェニル ラウリン酸誘導体 ラウリン酸メチル リノレイン酸誘導体 リノレイン酸メチル75% マレイン酸誘導体 マレイン酸ジ(2−エチルヘキシル) マレイン酸ジ−n−ブチル メリト酸塩 トリメリト酸トリカプリル トリメリト酸トリ(2−エチルヘキシル) トリメリト酸トリイソデシル トリメリト酸トリ(n−オクチル−n−デシル) ミリスチン酸誘導体 ミリスチン酸イソプロピル オレイン酸誘導体 オレイン酸ブチル モノオレイン酸グリセロール オレイン酸グリセロール オレイン酸メチル オレイン酸−n−プロピル オレイン酸テトラヒドロフルフリル パルミチン酸誘導体 パルミチン酸イソプロピル パルミチン酸メチル パラフィン誘導体 クロロパラフィン41%C1 クロロパラフィン50%C1 クロロパラフィン60%C1 クロロパラフィン70%C1 リン酸誘導体 リン酸2−エチルヘキシルジフェニル リン酸イソデシルジフェニル リン酸t−ブチルフェニルジフェニル リン酸トリブトキシエチル リン酸トリブチル リン酸トリクレジル リン酸トリフェニル フタル酸誘導体 フタル酸ブチルベンジル フタル酸ブチルオクチル フタル酸ジカプリル フタル酸ジシクロヘキシル フタル酸ジ(2−エチルヘキシル) フタル酸ジエチル フタル酸ジヘキシル フタル酸ジイソブチル フタル酸ジイソデシル フタル酸ジイソノニル フタル酸ジイソオクチル フタル酸ジメチル フタル酸ジトリデシル フタル酸ジウンデシル リシノール酸誘導体 リシノール酸ブチル リシノール酸グリセリルトリ(アセチル) リシノール酸メチルアセチル リシノール酸メチル リシノール酸n−ブチルアセチル リシノール酸プロピレングリコール セバシン酸誘導体 セバシン酸ジブチル セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル) セバシン酸ジメチル ステアリン酸誘導体 モノステアリン酸エチレングリコール モノステアリン酸グリセロール イソステアリン酸イソプロピル ステアリン酸メチル ステアリン酸n−ブチル モノステアリン酸プロピレングリコール こはく酸誘導体 こはく酸ジエチル スルホン酸誘導体 N−エチル−o,p−トルエンスルホンアミド o,p−トルエンスルホンアミド ポリエステル類 アジピン酸ポリエステル パラプレックスG−40 アジピン酸ポリエステル サンティサイザー334F アゼライン酸ポリエステル プラストレイン9720 アゼライン酸ポリエステル プラストレイン9750 セバシン酸ポリエステル パラプレックスG−25 スクロース誘導体 酢酸スクロースイソブチレート(SAIB) 酒石酸誘導体 酒石酸ジブチル テレフタル酸誘導体 テレフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(DOTP) トリメリット酸誘導体 トリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)(TOT
M) トリメリット酸ヘプチルノニル トリメリット酸ヘプチルノニルウンデシル トリメリット酸トリイソデシル グリコール誘導体 ジペラルゴン酸ジエチレングリコール ジ2−エチル酪酸トリエチレングリコール ジ2−エチルヘキサン酸ポリ(エチレングリコール)
(200) グリコレート類 メチルフタリルエチルグリコレート ブチルフタリルブチルグリコレート 炭化水素類 ハロゲン化ターフェニル HB−40 ポリ(アルキルナフタレン) パナフレックス 脂肪族芳香族レロモール 塩素化パラフィン(Cl:52重量%) セレクロール
S−52 テルペンおよび誘導体 ショウノウ 水素化メチルエステルまたはロジン ホスホン酸誘導体 塩素化ポリホスホン酸塩 シロキサン類 ポリジメチルシロキサン 各種のプロピルアミン含有量のジメチル/プロピルアミ
ンシロキサンの共重合体 ポリジフェニルシロキサン類 ジメチルフェニルシロキサン共重合体 末端基がシラノールであるポリシロキサン類 末端基がアミノ基であるポリシロキサン類 末端基がエポキシであるポリシロキサン類 末端基がカルビロールであるポリシロキサン類 ポリシラン類
【化1】
【0047】グリコール類 ポリエチレングリコール ポリ(エチレングリコール)テトラヒドロフルフリルエ
ーテル ポリ(エチレングリコール)ビス(カルボキシメチル)
エーテル 3,6,9−トリオキサデカン酸 3,6,9−トリオキサウンデカン酸 ポリグリコールジアシド
【0048】
【発明の実施の形態】
ポリアニリンの合成:ポリアニリンは、塩酸水溶液中で
ペルオキシ二硫酸アンモニウムを使用してアニリンを酸
化重合させて合成する。ポリアニリンの塩酸塩が溶液か
ら沈殿する。次に、ポリマーを水酸化アンモニウム水溶
液を使用して中和する。中和したドーピングされていな
いポリアニリンを濾過し、洗浄し、乾燥する。ポリアニ
リンはまた、W.フアン(W. Huang)、B.ハンフリー
(B. Humphrey)、およびA.G.マクディアーミッド
(A.G. MacDiarmid)がJ. Chem. Soc., Faraday Tran
s.、1,82,2385(1986年)に掲載した論文
の方法により、電気化学的酸化重合により合成すること
もできる。
【0049】NMP中のポリアニリン塩基:ポリアニリ
ン塩基の粉末は、NMPに固形分5%まで容易に溶解す
る。薄いフィルム(ミクロン単位)は、スピン・コーテ
ィングにより形成することができる。厚いフィルムは、
溶液から注型し、乾燥させて(窒素パージした70℃の
真空乾燥機で15時間)形成する。これらの溶液および
フィルムは、上述の特性を有する。
【0050】NMP/可塑剤中のポリアニリン塩基 a.まずポリアニリン塩基を固形分が5%になるように
NMPに溶解し、十分混合した。ジメチルシロキサンと
アミノプロピルシロキサンの共重合体(反復単位に対す
る窒素含有量5%)を、5%になるようにNMPに溶解
した。このシロキサン溶液を、ポリアニリン塩基溶液に
添加した。得られた混合物を室温で12時間混合させ
た。シロキサン含有量(ポリアニリンの重量に対する)
が0.001%から50%までのいくつかの溶液を調製
した。石英基板上に薄いフィルムをスピン・コーティン
グした。厚いフィルムは、溶液から注型し、溶液を窒素
パージした70℃の真空乾燥機で15時間ベーキングし
た。これらの溶液およびフィルムは、上述の特性を有す
る。 b.可塑剤がN含有量13%のジメチルシロキサンとア
ミノプロピルシロキサンの共重合体である以外は、
(a)に記載したのと同様に実験を行った。 c.可塑剤がN含有量0.5%のジメチルシロキサンと
アミノプロピルシロキサンの共重合体である以外は、
(a)に記載したのと同様に実験を行った。 d.可塑剤がポリグリコールジアシドである以外は、
(a)に記載したのと同様に実験を行った。 e.可塑剤が3,6,9−トリオキサウンデカンジオン
酸である以外は、(a)に記載したのと同様に実験を行
った。 f.可塑剤がポリ(エチレングリコール)テトラヒドロ
フルフリルエーテルである以外は、(a)に記載したの
と同様に実験を行った。 g.可塑剤が三酢酸グリセロールである以外は、(a)
に記載したのと同様に実験を行った。 h.可塑剤がエポキシ化大豆油である以外は、(a)に
記載したのと同様に実験を行った。
【0051】NMP/m−クレゾール/可塑剤中のポリ
アニリン塩基 ポリアニリン塩基と可塑剤を、m−クレゾールが1ない
し99%の範囲のNMPとm−クレゾールの混合物に溶
解した以外は、(a)に記載したのと同様に実験を行っ
た。
【0052】m−クレゾール/可塑剤中のポリアニリン
塩基 ポリアニリン塩基と可塑剤を、m−クレゾールに溶解し
た以外は、(a)に記載したのと同様に実験を行った。
【0053】m−クレゾールおよびNMP/m−クレゾ
ール中のポリアニリン塩基 ポリアニリン塩基を、m−クレゾール、およびNMP/
m−クレゾールの混合物に、固形分が5%になるように
溶解した。混合系のm−クレゾールの含有量は1ないし
99%とした。溶剤注型技術により、自立フィルムを製
造した。m−クレゾールの含有量を増大させるにつれ
て、ポリアニリンは、非晶質拡散ピークがややシャープ
になりある程度の結晶性を示す以外は、図5の曲線
(a)に示すものと同様なWAXSを示した。しかし、
これは可塑剤がシロキサンである場合と比較して顕著に
少なかった。
【0054】ドーピングしたポリアニリン 1.塩酸および(または)メタンスルホン酸をドーピン
グしたフィルム 上述の方法により作成したポリアニリン塩基フィルム
を、塩酸またはメタンスルホン酸水溶液でドーピングし
た。フィルムを酸溶液に、薄いフィルムの場合は12時
間、厚いフィルムの場合は36時間浸漬した。NMPか
ら処理し、これらの酸溶液でドーピングした塩基フィル
ムの導電性は、1S/cmであった。NMPから処理
し、ジメチルシロキサンとアミノプロピルシロキサン
(窒素含有量5%)の共重合体でドーピングした塩基フ
ィルムの導電性は、50S/cmであった。 2.スルホン酸でドーピングしたフィルム ポリアニリン塩基を、NMPまたなNMP/m−クレゾ
ールの混合物などの溶媒に、固形分が1ないし5%にな
るように溶解した。この溶液に、ショウノウスルホン酸
またはアクリルアミドプロパンスルホン酸(1996年
2月2日付米国特許出願第595853号明細書に報告
されている)などのドーパントを添加した。これらの溶
液を、スピン・コーティングまたは溶液注型によるフィ
ルムに使用した。実験によっては、ジメチルシロキサン
とアミノプロピルシロキサンの共重合体などの可塑剤を
溶液にして、ドーピングしたポリアニリンの溶液に添加
した。実験によっては、可塑剤を最初にポリアニリン塩
基の溶液に添加した。次にドーパントを、可塑剤を含有
するポリアニリン溶液に添加した。
【0055】[関連出願] "CROSS-LINKED ELECTRICALLY CONDUCTIVE POLYMERS, PR
ECURSORS THEREOF AND APPLICATIONS THEREOF"、米国特
許出願第595853号、1996年2月2日出願 "METHODS OF FABRICATION OF CROSS-LINKED ELECTRICAL
LY CONDUCTIVE POLYMERSAND PRECURSORS THEREOF"、米
国特許出願第594680号、1996年2月2日出願 "DEAGGREGATED ELECTRICALLY CONDUCTIVE POLYMERS AND
PRECURSORS THEREOF"、米国特許出願第370127
号、1995年1月9日出願 "METHODS OF FABRICATION OF DEAGGREGATED ELECTRICAL
LY CONDUCTIVE POLYMERSAND PRECURSORS THEREOF"、米
国特許出願第370128号、1995年1月9日出願
【0056】まとめとして、本発明の構成に関して以下
の事項を開示する。
【0057】(1)添加剤と、導電性ポリマーの前駆物
質および導電性ポリマーからなるグループから選択した
ポリマーとを含み、上記添加剤は、上記ポリマーが相互
に会合して、少なくとも1個の結晶領域を形成するよう
に、上記ポリマーに易動性を与えることを特徴とする構
造。 (2)上記構造が等方性の導電性を有することを特徴と
する、上記(1)に記載の構造。 (3)上記添加剤が、可塑剤および希釈剤からなるグル
ープから選択されたものであることを特徴とする、上記
(1)に記載の構造。 (4)上記添加剤が、 アジピン酸誘導体 セバシン酸誘導体 アゼライン酸誘導体 ステアリン酸誘導体 安息香酸誘導体 こはく酸誘導体 クエン酸誘導体 スルホン酸誘導体 ダイマー酸誘導体 テルペン類 エポキシ誘導体 テルペン誘導体 フマル酸誘導体 シロキサン グリセリン誘導体 ポリシロキサン イソ酪酸誘導体 エチレングリコール イソフタル酸誘導体 ポリエチレングリコール ラウリン酸誘導体 ポリエステル リノレイン酸誘導体 スクロース誘導体 マレイン酸誘導体 酒石酸誘導体 メリト酸塩 テレフタル酸誘導体 ミリスチン酸誘導体 トリメリト酸誘導体 オレイン酸誘導体 グリコール誘導体 パルミチン酸誘導体 グリコール酸塩 パラフィン誘導体 炭化水素 リン酸誘導体 ホスホン酸誘導体 フタル酸誘導体 ポリシラン リシノール酸誘導体 からなるグループから選択された可塑剤であることを特
徴とする、上記(1)に記載の構造。 (5)上記ポリマーが、置換または無置換のポリパラフ
ェニレンビニレン、ポリパラフェニレン、ポリアニリ
ン、ポリチオフェン、ポリアジン、ポリフラン、ポリピ
ロール、ポリセレノフェン、ポリチアナフテン、ポリ−
p−フェニレンスルフィド、可溶性前駆物質から生成し
たポリアセチレン、これらの混合物、および他のポリマ
ーならびにそのモノマーの共重合体とのブレンドからな
るグループから選択されたものであることを特徴とす
る、上記(1)に記載の構造。 (6)上記構造が延伸されていることを特徴とする、上
記(1)に記載の構造。 (7)可塑剤と、導電性ポリマーの前駆物質および導電
性ポリマーからなるグループから選択したポリマーとを
含む構造。 (8)上記導電性が等方性であることを特徴とする、上
記(7)に記載の構造。 (9)上記ポリマーが、置換または無置換のポリパラフ
ェニレンビニレン、ポリチアナフテン、ポリパラフェニ
レン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアジン、ポ
リフラン、ポリピロール、ポリセレノフェン、ポリ−p
−フェニレンスルフィド、可溶性前駆物質から生成した
ポリアセチレン、これらの混合物、および他のポリマー
ならびにそのモノマーの共重合体とのブレンドからなる
グループから選択されたものであることを特徴とする、
上記(7)に記載の構造。 (10)上記可塑剤が、 アジピン酸誘導体 セバシン酸誘導体 アゼライン酸誘導体 ステアリン酸誘導体 安息香酸誘導体 こはく酸誘導体 クエン酸誘導体 スルホン酸誘導体 ダイマー酸誘導体 テルペン類 エポキシ誘導体 テルペン誘導体 フマル酸誘導体 シロキサン グリセリン誘導体 ポリシロキサン イソ酪酸誘導体 エチレングリコール イソフタル酸誘導体 ポリエチレングリコール ラウリン酸誘導体 ポリエステル リノレイン酸誘導体 スクロース誘導体 マレイン酸誘導体 酒石酸誘導体 メリト酸塩 テレフタル酸誘導体 ミリスチン酸誘導体 トリメリト酸誘導体 オレイン酸誘導体 グリコール誘導体 パルミチン酸誘導体 グリコール酸塩 パラフィン誘導体 炭化水素 リン酸誘導体 ホスホン酸誘導体 フタル酸誘導体 ポリシラン リシノール酸誘導体 からなるグループから選択された可塑剤であることを特
徴とする、上記(7)に記載の構造。 (11)少なくとも1個の結晶粒子を有するポリアニリ
ン材料を含み、上記材料が等方性の導電性を有する構
造。 (12)少なくとも1個の結晶領域を有する無延伸導電
性ポリアニリン材料を含む構造。 (13)導電性ポリマーの前駆物質および導電性ポリマ
ーからなるグループから選択した可塑化したポリマー材
料を含む構造。 (14)導電性ポリマーの前駆物質および導電性ポリマ
ーからなるグループから選択した反可塑化したポリマー
材料を含む構造。 (15)上記少なくとも1個の結晶領域が約80Åより
大きいことを特徴とする、上記(1)または(11)に
記載の構造。 (16)上記構造が、少なくとも1個の約80Åより大
きい結晶領域を有することを特徴とする、上記(7)に
記載の構造。 (17)少なくとも1個の結晶領域を有するポリアニリ
ン材料と、約0.001ないし約90重量%の添加剤を
含有する非晶質材料とを含み、上記添加剤が、ジメチル
シロキサンとアミノプロピルシロキサンの共重合体、ポ
リ(エチレングリコール)テトラヒドロフルフリルエー
テル、三酢酸グリセロール、エポキシ化大豆油からなる
グループから選択されたものであることを特徴とする構
造。 (18)ポリシロキサンと、導電性ポリアニリンの前駆
物質および導電性ポリアニリンからなるグループから選
択したポリマーとを含む構造。 (19)上記ポリシロキサンが、ジメチルシロキサンと
アミノプロピルシロキサンの共重合体であることを特徴
とする、上記(17)に記載の構造。 (20)上記可塑剤が、モノマー、オリゴマー、および
ポリマー可塑剤であることを特徴とする、上記(7)に
記載の構造。 (21)上記可塑剤が、水素結合、双極性相互作用、静
電相互作用、ファンデルワールスの力による相互作用、
および上記可塑剤上の極性基からなるグループから選択
したものであることを特徴とする、上記(7)に記載の
構造。 (22)上記構造が熱アニーリングされたものであるこ
とを特徴とする、上記(7)に記載の構造。 (23)上記添加剤がm−クレゾールであることを特徴
とする、上記(7)に記載の構造。 (24)上記構造が約200Åより大きい金属アイラン
ドを有する上記(7)に記載の構造。 (25)少なくとも1個の、延伸フィルムの分子鎖間の
領域より大きい分子鎖間の領域を有するポリアニリン材
料。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドーピングしない、すなわち前駆物質の形態の
ポリアニリンの一般式を示す図である。
【図2】ドーピングした、導電性ポリアニリンの一般式
である。
【図3】ポリセミキノン基の形態の、ドーピングした導
電性ポリアニリンの一般式を示す図である。
【図4】3モード分布、すなわちきわめて高分子量の部
分(約12%)と、これより分子量の低い主ピークとを
示す、NMPに溶解した(0.1%)ポリアニリン塩基
のゲル浸透クロマトグラフ(GPC)のチャートであ
る。
【図5】曲線(a)は、NMPから処理した基本的に非
晶質である、ポリアニリン塩基フィルムの広角X線拡散
(WAXS)スペクトルである。曲線(b)は、ゲルか
ら誘導した、延伸した(l/lo=3.7)ポリアニリ
ン塩基フィルムの広角X線拡散スペクトルである。曲線
(c)は、10%のジメチルプロピルアミンシロキサン
共重合体を含有する高度に結晶性のポリアニリン塩基フ
ィルムの広角X線拡散スペクトルである。
【図6】本発明の、隙間に非晶質量域がある結晶領域
(点線の長方形で示す)を有する多結晶材料の略図であ
る。
【図7】NMPから注型したポリアニリン塩基フィルム
の窒素雰囲気中1回目の熱走査の動的機械熱分析(DM
TA)のグラフである。
【図8】図7に示す前に走査したものと同じ、NMPか
ら注型した残留溶剤を含有しないポリアニリン塩基フィ
ルムの、2回目の熱走査のDMTAグラフである。
【図9】NMPから注型し、5%のジメチルプロピルア
ミンシロキサン共重合体(窒素含有量5%)を含有する
ポリアニリン塩基フィルムの、1回目の熱走査のDMT
Aグラフである。
【図10】図9で示す前に走査したものと同じ、NMP
から注型し、5%のジメチルプロピルアミンシロキサン
共重合体(窒素含有量5%)を含有する残留溶剤を含有
しないポリアニリン塩基フィルムの、2回目の熱走査の
DMTAグラフである。
【図11】ポリアニリンのNMP中濃度が0.1%であ
り、ポリアニリンに対して5重量%を含有するポリアニ
リン塩基のNMP溶液のGPCのチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 83/04 C08L 83/04 H01B 1/12 H01B 1/12 G (72)発明者 ユン=シン・リャオ アメリカ合衆国10591 ニューヨーク州 タリータウン ブレントウッド・ドライ ブ 1101 (72)発明者 ラヴィ・エフ・サラフ アメリカ合衆国10510 ニューヨーク州 ブライアクリフ・マナー ノース・ステ ート・ロード 333 コプリー・コート エル8 (56)参考文献 特開 平7−126526(JP,A) 特開 平6−306280(JP,A) 特開 平4−50198(JP,A) 特開 平4−15256(JP,A) 特開 平3−88819(JP,A) 特開 平8−3313(JP,A) 特開 平8−253755(JP,A) 特表 平6−507434(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08K 3/00 - 13/08 H01B 1/12 WPI(DIALOG)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.001ないし90重量%の添加剤と、
    導電性ポリアニリンの前駆体および導電性ポリアニリン
    からなるグループから選択されたポリアニリン材料とを
    含有する、導電性ポリマー組成物であって、 前記組成物は、前記ポリアニリン材料の結晶領域と、前
    記添加剤を含有する非晶質領域とを有し、 上記添加剤が、ジメチルシロキサンとアミノプロピルシ
    ロキサンの共重合体、ポリグリコールジアシド、3,
    6,9−トリオキサウンデカンジオン酸、ポリ(エチレ
    ングリコール)テトラヒドロフルフリルエーテル、三酢
    酸グリセロール、エポキシ化大豆油からなるグループか
    ら選択されたものであることを特徴とする、組成物。
  2. 【請求項2】前記添加剤が、ジメチルシロキサンとアミ
    ノプロピルシロキサンの共重合体である、請求項1に記
    載の組成物。
  3. 【請求項3】前記添加剤は、ポリアニリン材料の重量に
    対し、0.001ないし20重量%含まれていることを
    特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】前記組成物は、前記添加剤を含まない場合
    よりも高度に結晶化している、請求項1ないし3のいず
    れか1つに記載の組成物。
  5. 【請求項5】上記結晶領域が約80Åより大きいことを
    特徴とする、請求項1に記載の組成物。
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