JP3156089B2 - 自動二輪車のハンドル装置 - Google Patents

自動二輪車のハンドル装置

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JP3156089B2
JP3156089B2 JP16077291A JP16077291A JP3156089B2 JP 3156089 B2 JP3156089 B2 JP 3156089B2 JP 16077291 A JP16077291 A JP 16077291A JP 16077291 A JP16077291 A JP 16077291A JP 3156089 B2 JP3156089 B2 JP 3156089B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動二輪車のハンドルを
上下動自在に支持するハンドル装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車では、操縦者の体格に合わせ
てハンドルの上下位置を決めることが望ましい。そのた
め、従来では、握り部分が左右別々に形成されてフロン
トフォークにそれぞれ取付けられる構造のセパレート型
ハンドルを用いていた。すなわち、左右の握り部分をそ
れぞれフロントフォークに沿って移動させることで、高
さを調節することができる。なお、握り部分はフロント
フォークに貫通されてフロントフォークを緊縛する構造
で、握り部分をフロントフォークに固定するには締め付
けボルトで緊縛部分を締めて行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上述したよ
うにセパレートハンドルの取り付け位置を変更すること
によってその上下位置を調節するのでは、ハンドル固定
用の締め付けボルトをその都度締め直さなければなら
ず、作業性が低い。また、ハンドルの取り付け位置が変
わることがないように前記ボルトを所定の締付力で締め
付けるためには、トルクレンチを使用しなければならな
い。さらに、左右で同じ作業を繰り返さなければならな
い関係から作業が煩わしく、しかも、左右で同じ高さに
調節するためには定規等をあてがわなければならない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る自動二輪車
のハンドル装置は、互いに平行な2本の軸部材と、これ
らの軸部材どうしの間に架設して前記軸部材に対して相
対的に軸方向へ移動自在に構成した高さ調節装置とのう
ち一方をハンドル側に設けるとともに、他方を操舵装置
側に設けた自動二輪車のハンドル装置であって、前記2
本の軸部材における互いに対向する部分にラックを軸方
向に沿ってそれぞれ設け、このラックに噛合する歯が形
成されたストッパーを前記歯がラックに噛合するロック
位置と、歯がラックから外れるアンロック位置との間で
平行移動できるように前記高さ調節装置の両側部に設
け、これらのストッパーを前記ロック位置とアンロック
位置との間で平行移動させる移動機構を前記高さ調節装
置の中央部に設け、前記移動機構は、前記両ストッパー
をロック位置に保持する第1のカム部材と、操作レバー
の回動運動を往復運動に変えて両ストッパーを駆動する
第2のカム部材とを備え、前記第1のカム部材は、前記
両ストッパーにおけるラックとは反対側の端面にそれぞ
れ添接するカム面を有し、この第1のカム部材と二つの
ストッパーとが一直線上に並ぶ状態で両ストッパーが前
記ロック位置に位置するように形成され、前記第2のカ
ム部材は、この第2のカム部材の回動方向に沿って延び
るカム溝と、このカム溝に係合するカムフォロアとを有
し、前記カム溝における前記ストッパーがロック位置に
位置している状態でカムフォロアが係合する一端部に、
第2のカム部材の回動中心との距離が略一定な静止領域
を予め定めた長さだけ形成したものである。請求項2に
記載した発明に係る自動二輪車のハンドル装置は、請求
項1に記載した発明に係る自動二輪車のハンドル装置に
おいて、操作レバーを引張りばねからなるオーバーセン
タースプリングによって付勢し、このオーバーセンター
スプリングは、ストッパーがロック位置に位置する第1
の位置と、ストッパーがアンロック位置に位置する第2
の位置とに変位する構成としたものである。
【0005】
【作用】本発明によれば、操作レバーを回してストッパ
ーをアンロック位置に移動させることによって、ハンド
ルが2本の軸部材と平行に上下移動自在となる。また、
操作レバーを上記とは逆方向に回してストッパーをラッ
クに噛合させることで、左右のハンドルが位置決め固定
される。このため、操作レバーを回動させることによっ
て、ストッパーがラックに噛合するロック状態と、スト
ッパーがラックから外れるアンロック状態とを選択的に
切換えることができる。ストッパーは、ラックに噛合す
ることによってラック側への移動が阻止されるから、ア
ンロック状態からロック状態への移行が終了したことを
操作者が簡単に判別することができる。また、ロック状
態にあるときには、操作レバーを誤ってアンロック側へ
僅かに傾動させたとしても、ストッパーに操作力が作用
するのを阻止することができる。これは、ロック状態で
はカムフォロアがカム溝の静止領域に係合しており、こ
の状態でカム溝とカムフォロアが相対的に移動したとし
ても、操作力がストッパーに伝達されることはないから
である。さらに、ロック状態では、第1のカム部材と両
ストッパーとが一直線上に位置するから、第1のカム部
材をアンロック側へ回すモーメントが発生することはな
い。請求項2に記載した発明によれば、ロック状態とア
ンロック状態の何れであっても、引張りばねの付勢力に
よって操作レバーを一定位置に保持することができる。
操作レバーをロック位置からアンロック位置に回すとき
と、これとは逆方向に回すときのそれぞれにおいて、操
作範囲の後半では操作レバーが引張りばねによって引っ
張られて助勢される。
【0006】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図10
によって詳細に説明する。図1は本発明に係るハンドル
装置を装着した自動二輪車の前輪懸架装置を示す側面
図、図2は本発明に係るハンドル装置の正面図、図3は
本発明に係るハンドル装置の上面図、図4は図3におけ
るハンドル装置取り付け部分のIV−IV線断面図、図
5は本発明に係るハンドル装置の高さ調節装置を示す正
面図、図6は図5におけるVI−VI線断面図で、同図
では操作レバーをアンロック側へ回動させた状態とし
た。図7は本発明に係るハンドル装置の高さ調節装置を
示す分解斜視図である。図8は図3におけるトップブリ
ッジ部のVIII−VIII線断面図、図9はトップブ
リッジ部に装着するアジャストスペーサを拡大して示す
平面図、図10は図9におけるX−X線断面図である。
これらの図において、1は自動二輪車、2はこの自動二
輪車1の前輪懸架装置である。この前輪懸架装置2は、
前輪3をスイングアームによって支持する構造で、フレ
ーム4のヘッドパイプ5にユニバーサルジョイント6を
介して連結されかつ下端部が前輪3のハブに結合された
ナックル7と、車体に対して上下揺動自在に支持されか
つ揺動端部に前輪3のハブが枢着されたロアアーム8と
を備えている。前記ナックル7は、ユニバーサルジョイ
ント6に結合される軸部7aが車幅方向中央部に位置づ
けられ、前輪3のハブに結合される本体部分7bが前輪
3の左側に延設されている。また、前記ロアアーム8と
車体との間には前輪用クッションユニット(図示せず)
が介装されている。なお、図1において1aはカウリン
グ、1bはヘッドライト、1cはメーターを示す。
【0007】前記ユニバーサルジョイント6とヘッドパ
イプ5との連結部は図4に示すように構成されている。
すなわち、ヘッドパイプ5内に筒状のステアリング軸9
を軸受5aを介して回動自在に設け、このステアリング
軸9にユニバーサルジョイント6の上側部材を結合させ
ている。また、ステアリング軸9の上下両端部はヘッド
パイプ5から突出され、その突出部分に本発明に係るハ
ンドル装置11が取付けられている。この自動二輪車1
では、ハンドル装置11によりステアリング軸9を回動
させることによって、前輪3が操舵されることになる。
【0008】ハンドル装置11は、図2に示すように、
前記ステアリング軸9に固定されてヘッドパイプ5の前
方に位置づけられた高さ調節装置12と、この高さ調節
装置12の左右側部を上下に貫通する2本のハンドルス
テム13,13等とから構成されている。ハンドルステ
ム13.13は、互いに平行になるとともに、ステアリ
ング軸9と平行となるように設けられ、上端がトップブ
リッジ14によって互いに連結されている。このハンド
ルステム13が本発明に係る軸部材を構成している。
た、このハンドルステム13の上端部にはセパレート型
のハンドル15がそれぞれ固着されており、両ハンドル
ステム13の互いに対向する部分には、後述するストッ
パーが噛合するラック16が長手方向に沿って形成され
ている。なお、ハンドルステム13の下端部には抜け止
め用ピン17が貫通固定されている。
【0009】前記高さ調節装置12は、本体21に後述
する各構成部材を組み付けて形成される。本体21は、
ハンドルステム13が嵌挿される筒状のガイド21aが
左右に一体成形されると共に、各構成部材を収納する凹
陥部21bが設けられており、図2〜図4に示すように
上部ブラケット22および下部ブラケット23を介して
前記ステアリング軸9に固定されている。なお、24は
前記凹陥部21bを塞ぐカバーである。上部ブラケット
22は、図3および図4に示すように、ステアリング軸
9の上部突出部に貫通固定され、前側に2箇所設けられ
た台座部に本体21の上部がボルト止めされている。ま
た、下部ブラケット23は、ステアリング軸9の下部突
出端部に貫通固定され、前側に設けられた支持板に本体
21の下部がボルト止めされている。なお、前記凹陥部
21bの左右両側は、図7に示すように、ガイド21a
の内外を連通するように開口されている。
【0010】前記凹陥部21b内の両側部に、前記ハン
ドルステム13の移動を規制するためのストッパー25
が装着され、凹陥部21b内の中央部に、前記ストッパ
ー25を移動させるカムを有する移動機構100(図6
参照)が装着されている。前記ストッパー25はハンド
ルステム13のラック16に噛合する歯25aが一端に
形成され、他端には後述するロック用カムと係接するカ
ム面25bが形成されている。また、このストッパー2
5は、前記凹陥部21b内の左右両側にそれぞれ装填さ
れている。そして、各ストッパー25は、凹陥部21b
内に横方向へ移動自在に挿入されており、凹陥部21b
の側部開口から歯25aがガイド21a内に出没するよ
うに構成されている。すなわち、ストッパー25がガイ
ド21a側へ移動すると、歯25aがハンドルステム1
3のラック16に噛合してハンドルステム13が固定さ
れる(以下、この状態をロック状態という)。また、ス
トッパー25が本体21の中央側へ移動したときには、
歯25aがラック16から外れてハンドルステム13は
ガイド21aに沿って上下動自在となる(以下、この状
態をアンロック状態という)。なお、ストッパー25
は、円滑に左右方向へ移動できるようにガイドピン2
6,27を介して本体21およびカバー24に支持され
ている。ガイドピン26はクッションゴム26aを介し
て本体21およびカバー24に支持され、ストッパー2
5の歯25a側の溝に嵌挿されている。また、ガイドピ
ン27はストッパー25の前後両側部に突設され、本体
21およびカバー24のガイド溝21c,24aに嵌挿
されている。
【0011】28はロック状態のときに左右のストッパ
ー25が移動するのを阻止するためのロック用カムで、
このロック用カムは、ストッパー25のカム面25bと
係接するカム面28aが左右両側に形成されており、左
右のストッパー25どうしの間に介装されている。この
ロック用カム28が本発明に係る移動機構100の第1
のカム部材を構成している。また、このロック用カム2
8は、本体21に軸支された枢軸29に貫通され、この
枢軸29に凹凸部をもって嵌合されたカム板30に連結
ピン28bを介して結合されている。カム板30は前記
ストッパー25を左右に移動させるためのもので、スト
ッパー25のガイドピン27が嵌入するカム穴30aが
形成されている。このカム板30とガイドピン27が本
発明に係る移動機構100の第2のカム部材を構成して
おり、前記カム穴30aが本発明に係る第2のカム部材
のカム溝を構成し、ガイドピン27が本発明に係る第2
のカム部材のカムフォロアを構成している。なお、枢軸
29はカバー24を貫通してその前方へ突出している。
【0012】すなわち、枢軸29を回動させると、枢軸
29と共にカム板30およびロック用カム28が回動す
ることになり、しかも、カム板30が回動することに起
因してストッパー25が左右に移動することになる。な
お、カム板30のカム穴30a,ロック用カム28のカ
ム面28aおよびストッパー25のカム面25bは、図
5においてカム板30を左回りに回すことによって左右
のストッパー25どうしが互いに近づくように(アンロ
ック状態となるように)カム形状が設定されている。な
お、本実施例ではカム板30を90度回したときにアン
ロック状態となるように構成されている。前記カム穴3
0aは、前記両ストッパー25がロック位置に位置して
いる状態でガイドピン27が係合する一端部に、カム板
30の回動中心との距離が略一定な静止領域30bが予
め定めた長さだけ形成されている。また、前記ロック用
カム28の配置位置は、このロック用カム28と左右の
ストッパー25との接触点を結ぶ直線がガイドピン2
6,27および枢軸29の軸心を通る仮想線と一致する
ように設定されている。すなわち、ロック用カム28
は、ロック用カム28と二つのストッパー25とが一直
線上に並ぶ状態で両ストッパー25がロック位置に位置
するように形成されている。このようにすると、ロック
状態ではカム板30が回らない限りはラック16と歯2
5aとは噛合状態に保たれることになる。
【0013】31は前記枢軸29およびカム板30を回
動させるための操作レバーで、この操作レバー31は、
枢軸29の前端部に軸装され、引張りばね32によって
付勢されている。なお、この操作レバー31は、本実施
例では図2および図5に示すように上方へ向けられたと
きにロック状態となり、図5中二点鎖線で示すように車
体右側へ向けられたときにアンロック状態となるように
取付けられている。また、引張りばね32は操作レバー
31と車体左側のガイド21aとの間に介装され、操作
レバー31との連結部は、図5に実線で示すロック状態
では枢軸29より上側に位置づけられ、図5中に二点鎖
線で示すアンロック状態では枢軸29より下側に位置づ
けられている。このようにすると、ロック状態では操作
レバー31はロック方向(図中右回り)へ付勢され、ま
た、図5に二点鎖線で示すようにアンロック状態となっ
たときには操作レバー31はアンロック方向(図中左回
り)に付勢されるようになる。すなわち、引張りばね3
2は、ストッパー25がロック位置に位置する状態での
第1の位置と、ストッパー25がアンロック位置に位置
する状態での第2の位置とに変位するオーバーセンター
スプリングを構成している。このようにオーバーセンタ
ースプリングによって操作レバー31を付勢することに
よって、操作レバー31をロック位置やアンロック位置
にばね力によって止めておくことができる。
【0014】33は前記2本のハンドルステム13どう
しを平行に保つためのアジャストスペーサで、このアジ
ャストスペーサ33は、図8に示すように、トップブリ
ッジ14における左右のハンドルステム貫通部のうち車
体右側の貫通部に介装されている。このアジャストスペ
ーサ33は図9および図10に示すように、円筒状部材
をすり割り加工して形成され、その内径はハンドルステ
ム13が嵌挿される寸法とされ、外径はトップブリッジ
14の貫通穴14aに嵌入される寸法とされている。そ
して、内周円の中心Aは、図9に示すように外周円の中
心Bに対して偏心されている。このようにすると、図1
0に示すようにアジャストスペーサ33の筒部分の厚み
が均一でなくなる関係から、このアジャストスペーサ3
3をトップブリッジ14に装着させた状態でハンドルス
テム13に沿って回転させることによって、トップブリ
ッジ14に対するハンドルステム13の位置が変わる。
すなわち、車体左側のハンドルステム13に対して右側
のハンドルステム13の角度を変えることができるの
で、製造誤差などによってハンドルステム13どうしが
平行にならなかったときにアジャストスペーサ33を回
して修正することができる。
【0015】次に、上述したように構成されたハンドル
装置11の動作について説明する。本発明に係るハンド
ル装置では、高さ調節装置12の操作レバー31をアン
ロック側へ回動させた状態でハンドル15の上下位置を
変えることができる。すなわち、操作レバー31を回動
させて車体右側へ向けると、枢軸29,カム板30が操
作レバー31と同方向へ回り、カム板30がロック用カ
ム28を図5において左回りに回すと共に、左右のスト
ッパー25をロック用カム28側へ移動させる。このと
きには、ストッパー25の歯25aがハンドルステム1
3のラック16から外れてアンロック状態となる。そし
て、この状態ではハンドル15を手で持って上げたり下
げたりすることで左右のハンドルステム13がガイド2
1aに沿って同時に上下移動するから、この状態でハン
ドル15を所望の位置に移動させる。
【0016】このようにしてハンドル15の上下位置を
決定した後、ハンドル15を決定位置に保持した状態で
操作レバー31を上側へ向くように回してロック状態と
する。ロック状態とすると、左右のストッパー25がハ
ンドルステム13のラック16に噛合すると共に、ロッ
ク用カム28がストッパー25の移動を規制するように
なり、左右のハンドルステム13がそれぞれ位置決め固
定される。なお、ハンドル15を最も上側に位置づけた
ときの位置を図1において実線で、図2においては二点
鎖線で示した。
【0017】したがって、本発明に係るハンドル装置1
1によれば、高さ調節装置12のストッパー25をラッ
ク16から外すことによって、ハンドル15がステアリ
ング軸9と平行に上下移動自在となる。また、ストッパ
ー25をラック16に噛合させることで、左右のハンド
ル15が位置決め固定される。このため、ストッパー2
5がラック16に噛合するロック状態と、ストッパー2
5がラック16から外れるアンロック状態とを選択的に
切換えることができるから、ハンドル15の高さを変え
る操作が簡単である。しかも、ストッパー25は、ラッ
ク16に噛合することによってラック16側への移動が
阻止されるから、アンロック状態からロック状態への移
行が終了したことを操作者が簡単に判別することができ
る。また、ロック用カム28を、ストッパー25におけ
るラック16とは反対側の端面に添接する構造とすると
ともに、このカム28と二つのストッパー25とが一直
線上に並ぶ状態で両ストッパー25がロック位置に位置
するように形成し、カム板30のカム穴30aとガイド
ピン27とによってストッパー25を往復させる構造と
し、前記カム穴30aにおけるストッパー25がロック
位置に位置している状態でガイドピン27が係合する一
端部に、カム板30の回動中心との距離が略一定な静止
領域30bを予め定めた長さだけ形成しているから、ロ
ック状態にあるときには、操作レバー31を誤ってアン
ロック側へ僅かに傾動させたとしても、ストッパー25
に操作力が作用するのを阻止することができる。これ
は、ロック状態ではガイドピン27がカム穴30aの前
記静止領域30bに係合しており、この状態でカム板3
0がガイドピン27に対して相対的に移動したとして
も、操作力がストッパー25に伝達されることはないか
らである。ロック状態では、ロック用カム28と両スト
ッパー25とが一直線上に位置するから、ロック用カム
28をアンロック側へ回すモーメントが発生することは
ない。このため、ロック状態を確実に維持することがで
きる。しかも、このロック用カム28は、ストッパー2
5の端面に添接する構造を採っており、ストッパー25
をアンロック側へ移動させる機能はもたないから、上述
したように操作レバーを誤って操作してこのカム28が
ロック状態からアンロック側へ回ったとしても、このカ
ム28によってストッパー25がアンロック側へ移動し
てしまうことはない。さらに、操作レバー31を引張り
ばね32からなるオーバーセンタースプリングによって
付勢し、このオーバーセンタースプリングを、ストッパ
ー25がロック位置に位置する第1の位置と、ストッパ
ー25がアンロック位置に位置する第2の位置とに変位
するように構成したから、ロック状態とアンロック状態
の何れであっても、引張りばね32の付勢力によって操
作レバー31を一定位置に保持することができる。しか
も、操作レバー32をロック位置からアンロック位置に
回すときと、これとは逆方向に回すときのそれぞれにお
いて、操作範囲の後半では操作レバー31が引張りばね
32によって引っ張られて助勢されるようになるから、
操作を円滑にしかも確実に行うことができる。
【0018】なお、本実施例では操作レバー31を手で
直接操作する構造としたが、図11に示すようにハンド
ル側のレバーで操作レバー31を引っ張る構造とするこ
ともできる。図11は高さ調節装置をハンドル側で操作
する構造とした他の例を示す正面図で、同図において前
記図1ないし図7で説明したものと同一もしくは同等部
材については、同一符号を付し詳細な説明は省略する。
図11において、41は車体左側のハンドル15の下側
に取付けられた解除レバーで、ワイヤー42を介して操
作レバー31に連結されている。なお、43はクラッチ
レバーを示す。このようにすると、解除レバー41を図
中二点鎖線で示すように回動させることで高さ調節装置
12をアンロック状態とすることができる。すなわち、
ハンドル15を握ったまま高さ調節を行うことができ
る。
【0019】また、本実施例では操作レバー31を引張
りばね32によってロック位置に止めたが、図12およ
び図13に示すようにソレノイドなどの固定部材で止め
ることもできる。図12は操作レバー固定部材を設けた
他の例を示す図、図13は図12におけるピン係合部の
A−A線断面図である。これらの図において、44は高
さ調節装置12の本体21上に固定されたソレノイド
で、このソレノイド44のピン45は操作レバー31の
係合孔46に嵌入するように形成されている。そして、
このソレノイド44は、メインスイッチ(図示せず)で
操作され、速度センサ(図示せず)によって検出される
速度が0のときにメインスイッチをON位置よりさらに
回すことによって、ピン45が後退して係合孔46から
抜けるように構成されている。このようにすると、走行
中に高さ調節装置12がアンロック状態となるのを防ぐ
ことができる。なお、ピン45と係合孔46との係合を
センサで検出し、係合していないと発進できないように
することもできる。
【0020】さらに、本実施例ではスイングアーム式前
輪懸架装置に本発明のハンドル装置を取付けた例を示し
たが、図14〜図18に示すようにテレスコピック式フ
ォークを使用した前輪懸架装置に取付けることもでき
る。図14はテレスコピック式フォークの上下両ブラケ
ットに高さ調節装置を支持させた他の実施例を示す側面
図、図15は同じく上面図である。図16はテレスコピ
ック式フォークの下側ブラケットに高さ調節装置を支持
させた他の実施例を示す側面図である。図17はテレス
コピック式フォークの上側パイプをハンドル装置の軸部
材とした他の実施例を示す側面図、図18は同じく上面
図である。これらの図において前記図1ないし図7で説
明したものと同一もしくは同等部材については、同一符
号を付し詳細な説明は省略する。これらの図において、
51はテレスコピック式フォークの上側パイプ、52は
上側ブラケット、53は下側ブラケットである。
【0021】図14および図15においては上下両ブラ
ケット52,53の前部に支持板54が固定され、この
支持板54に高さ調節装置12が固定されている。ま
た、図16においては、高さ調節装置12は下側ブラケ
ット53に固定されている。
【0022】さらに、図17および図18においては、
上側パイプ51にラック16が形成され、この上側パイ
プ51に高さ調節装置12が装着されている。そして、
ハンドル15は高さ調節装置12の上部に固定されてい
る。なお、この例では操作レバー31はロック状態で下
方を向くように構成されている。図14〜図18に示す
ように構成しても本実施例と同等の効果が得られる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る自動二
輪車のハンドル装置は、互いに平行な2本の軸部材と、
これらの軸部材どうしの間に架設して前記軸部材に対し
て相対的に軸方向へ移動自在に構成した高さ調節装置と
のうち一方をハンドル側に設けるとともに、他方を操舵
装置側に設けた自動二輪車のハンドル装置であって、前
記2本の軸部材における互いに対向する部分にラックを
軸方向に沿ってそれぞれ設け、このラックに噛合する歯
が形成されたストッパーを前記歯がラックに噛合するロ
ック位置と、歯がラックから外れるアンロック位置との
間で平行移動できるように前記高さ調節装置の両側部に
設け、これらのストッパーを前記ロック位置とアンロッ
ク位置との間で平行移動させる移動機構を前記高さ調節
装置の中央部に設け、前記移動機構は、前記両ストッパ
ーをロック位置に保持する第1のカム部材と、操作レバ
ーの回動運動を往復運動に変えて両ストッパーを駆動す
る第2のカム部材とを備え、前記第1のカム部材は、前
記両ストッパーにおけるラックとは反対側の端面にそれ
ぞれ添接するカム面を有し、この第1のカム部材と二つ
のストッパーとが一直線上に並ぶ状態で両ストッパーが
前記ロック位置に位置するように形成され、前記第2の
カム部材は、この第2のカム部材の回動方向に沿って延
びるカム溝と、このカム溝に係合するカムフォロアとを
有し、前記カム溝における前記ストッパーがロック位置
に位置している状態でカムフォロアが係合する一端部
に、第2のカム部材の回動中心との距離が略一定な静止
領域を予め定めた長さだけ形成したため、高さ調節装置
のストッパーをラックから外すことによって、ハンドル
がステアリング軸と平行に上下移動自在となる。また、
ストッパーをラックに噛合させることで、左右のハンド
ルが位置決め固定される。このため、左右のハンドルの
高さ調節を一度にかつ単純操作によって行うことがで
き、しかも、左右のハンドルを等しい位置に位置決めす
ることができる。さらに、操作レバーを回動させること
によって、ストッパーがラックに噛合するロック状態
と、ストッパーがラックから外れるアンロック状態とを
選択的に切換えることができるから、ハンドルの高さを
変える操作が簡単である。したがって、本発明のハンド
ル装置を装着した自動二輪車では、ハンドルの高さ調節
を速やかにしかも正確に行うことができる。また、スト
ッパーは、ラックに噛合することによってラック側への
移動が阻止されるから、アンロック状態からロック状態
への移行が終了したことを操作者が簡単に判別すること
ができる。すなわち、アンロック状態からロック状態に
移行させるためにねじを締め付ける構成に較べて、操作
終了時期を知る上で操作者の感覚に依存することはな
く、確実にロック状態にすることができる。さらに、ロ
ック状態にあるときには、操作レバーを誤ってアンロッ
ク側へ僅かに傾動させたとしても、ストッパーに操作力
が作用するのを阻止することができる。ロック状態で
は、第1のカム部材と両ストッパーとが一直線上に位置
するから、第1のカム部材をアンロック側へ回すモーメ
ントが発生することはない。このため、ロック状態を確
実に維持することができる。しかも、この第1のカム部
材は、ストッパーの端面に添接する構造を採っており、
ストッパーをアンロック側へ移動させる機能はもたない
から、上述したように操作レバーを誤って操作して第1
のカム部材がロック状態からアンロック側へ回ったとし
ても、ストッパーがアンロック側へ移動してしまうこと
はない。請求項2記載の発明によれば、ロック状態とア
ンロック状態の何れであっても、引張りばねの付勢力に
よって操作レバーを一定位置に保持することができる。
このため、走行中にロック状態を確実に維持することが
できるばかりか、ハンドルの高さを変えているときにス
トッパーをアンロック位置に固定しておくことができ
る。しかも、操作レバーをロック位置からアンロック位
置に回すときと、これとは逆方向に回すときのそれぞれ
において、操作範囲の後半では操作レバーが引張りばね
によって引っ張られて助勢されるようになるから、操作
を円滑にしかも確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハンドル装置を装着した自動二輪
車の前輪懸架装置を示す側面図である。
【図2】本発明に係るハンドル装置の正面図である。
【図3】本発明に係るハンドル装置の上面図である。
【図4】図3におけるハンドル装置取り付け部分のIV−
IV線断面図である。
【図5】本発明に係るハンドル装置の高さ調節装置を示
す正面図である。
【図6】図5におけるVI−VI線断面図である。
【図7】本発明に係るハンドル装置の高さ調節装置を示
す分解斜視図である。
【図8】図3におけるトップブリッジ部のVIII−VIII線
断面図である。
【図9】トップブリッジ部に装着するアジャストスペー
サを拡大して示す平面図である。
【図10】図9におけるX−X線断面図である。
【図11】高さ調節装置をハンドル側で操作する構造と
した他の例を示す正面図である。
【図12】操作レバー固定部材を設けた他の例を示す図
である。
【図13】図12におけるピン係合部のA−A線断面図
である。
【図14】テレスコピック式フォークの上下両ブラケッ
トに高さ調節装置を支持させた他の実施例を示す側面図
である。
【図15】テレスコピック式フォークの上下両ブラケッ
トに高さ調節装置を支持させた他の実施例を示す上面図
である。
【図16】テレスコピック式フォークの下側ブラケット
に高さ調節装置を支持させた他の実施例を示す側面図で
ある。
【図17】テレスコピック式フォークの上側パイプをハ
ンドル装置の軸部材とした他の実施例を示す側面図であ
る。
【図18】テレスコピック式フォークの上側パイプをハ
ンドル装置の軸部材とした他の実施例を示す上面図であ
る。
【符号の説明】
9 ステアリング軸 11 ハンドル装置 12 高さ調節装置 13 ハンドルステム 15 ハンドル 16 ラック 21 本体 25 ストッパー 51 上側パイプ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに平行な2本の軸部材と、これらの
    軸部材どうしの間に架設して前記軸部材に対して相対的
    に軸方向へ移動自在に構成した高さ調節装置とのうち一
    方をハンドル側に設けるとともに、他方を操舵装置側に
    設けた自動二輪車のハンドル装置であって、前記2本の
    軸部材における互いに対向する部分にラックを軸方向に
    沿ってそれぞれ設け、このラックに噛合する歯が形成さ
    れたストッパーを前記歯がラックに噛合するロック位置
    と、歯がラックから外れるアンロック位置との間で平行
    移動できるように前記高さ調節装置の両側部に設け、こ
    れらのストッパーを前記ロック位置とアンロック位置と
    の間で平行移動させる移動機構を前記高さ調節装置の中
    央部に設け、前記移動機構は、前記両ストッパーをロッ
    ク位置に保持する第1のカム部材と、操作レバーの回動
    運動を往復運動に変えて両ストッパーを駆動する第2の
    カム部材とを備え、前記第1のカム部材は、前記両スト
    ッパーにおけるラックとは反対側の端面にそれぞれ添接
    するカム面を有し、この第1のカム部材と二つのストッ
    パーとが一直線上に並ぶ状態で両ストッパーが前記ロッ
    ク位置に位置するように形成され、前記第2のカム部材
    は、この第2のカム部材の回動方向に沿って延びるカム
    溝と、このカム溝に係合するカムフォロアとを有し、前
    記カム溝における前記ストッパーがロック位置に位置し
    ている状態でカムフォロアが係合する一端部に、第2の
    カム部材の回動中心との距離が略一定な静止領域を予め
    定めた長さだけ形成したことを特徴とする自動二輪車の
    ハンドル装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動二輪車のハンドル装
    置において、操作レバーを引張りばねからなるオーバー
    センタースプリングによって付勢し、このオーバーセン
    タースプリングは、ストッパーがロック位置に位置する
    第1の位置と、ストッパーがアンロック位置に位置する
    第2の位置とに変位する構成としたことを特徴とする自
    動二輪車のハンドル装置。
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