JP3153374U - カートリッジ式スプルブッシュユニット - Google Patents

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弘樹 梅本
弘樹 梅本
俊之 宮城島
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【課題】固定金型に取付けられたスプルブッシュ本体を固定金型から取外すことなく分解可能であって、スプル孔を備えたカートリッジを迅速、容易に取替え可能なカートリッジ式スプルブッシュユニットを提供する。【解決手段】カートリッジ式スプルブッシュユニット1は、スプルブッシュ本体2とカートリッジ3とカートリッジホルダ4とからなる。このカートリッジは一端に鍔34を備えた円筒状であって、内部に溶融樹脂が通る糸引き防止用のスプル孔31が設けられている。カートリッジホルダ4は、段付き貫通孔41を備える。カートリッジの交換はボルト5を取外して交換すべきカートリッジをカートリッジホルダに収納した後、ボルトでスプルブッシュ本体とカートリッジホルダを緊結する。【選択図】図1

Description

本考案は、固定金型から取外すことなく分解してスプル孔を備えたカートリッジの交換が可能なカートリッジ式スプルブッシュユニットに関する。詳しくはカートリッジホルダ内に収納された糸引き防止用のスプル孔を備えたカートリッジを、所望の糸引き防止用のスプル孔を備えたカートリッジと容易に取換えることができるカートリッジ式スプルブッシュユニットに関する。
射出成形機は一般に樹脂を加熱筒内において溶融し、金型キャビティー内に、樹脂を射出し、金型キャビティーの樹脂が冷却したのち金型を開き成形品を取出す。通常は金型を開き成形品を取出すとき、スプルランナはノズルタッチ面で切断され、成形品とともに移動する。しかし、ノズル孔内の溶融した樹脂が成形品の移動に伴いスプルランナに付着した糸状となり引き出されることがある。いわゆる糸引きと呼ばれる現象である。糸引きが生じるとその対策として成形機の成形機ノズル反復機能を設定し、毎ショット型開き前に設定位置まで後退し糸引きをカットして次ショット型締め完了後に成形機ノズルが前進を繰り返すが、ノズル先端外面に糸引き状の樹脂やハナタレ(成形機ノズルの樹脂の出口よりうどん状に樹脂が出てくる現象)が付着し、ノズルと金型のスプル部口金を射出するため密着させると間隙が生じ、樹脂漏れが生じこのため射出量の不同によりショートショットの不良品の発生や漏れた樹脂により成形機ノズルのバンドヒーターや温度センサーを断線させ成形不能の要因となる。
又、糸引き樹脂が成形品に付着すると針で引っかいたような線キズが発生し、外観上不良品となる。更に、型開きの状態にあるときに、射出をしていないのに成形機加熱筒の残圧で樹脂が押し出される所謂ハナタレが発生する場合もある。このハナタレ樹脂をつけたまま型締めを行ってしまうと金型パーティングラインを損傷させ、バリが発生したり、金型形状部を変形させたり、スプルエジェクタピンを変形、作動不良にしたり、損傷させてしまう要因となる。
このため、この糸引き、ハナタレを防止するためにワンショットのサイクル周期を大きくして成形条件等の調整で糸引きは防止できる場合も多いが、生産効率が悪化してしまう。このため、生産効率を落とすことなく糸引き等を防止するための種々の方法が開示されている。例えば、下記特許文献1には、射出成形機のノズルの貫通孔を段階的に細くしたものが開示されている。また、下記特許文献2にはスプルブッシュ本体のノズルタッチ側に端面に陥凹部を形成し、この陥凹部にノズルタッチ部材を嵌合し、嵌合したノズルタッチ部材にノズルタッチ面を形成し、ノズルタッチ部材からスプルブッシュ本体のスプル孔に通じる透孔を穿設して、この透孔が隔壁により複数に分割されているものが開示されている。
更に、下記特許文献3には、射出成形機のノズルとスプルブッシュとの間にアダプタを設けて、このアダプタの溶融樹脂入口側の開口部の径を射出成形機の溶融樹脂出口側の開口部の径より小さくし、更に、アダプタの溶融樹脂入口側の開口部の平面形状を種々のものとした糸引き防止対策を開示している。
特開昭60−131215号公報 特開2004−66563号公報 特開2007−237485号公報
上記に開示されたいずれの技術も基本的には、高温・高圧の樹脂をキャビティーに充填した後、射出成形ノズル側と金型スプル側の間に適当な温度境界を生じさせてこの温度境界でスプルの切断を図るものである。この温度境界は、成形すべき樹脂の種類、射出成形機の加熱温度、射出成形機のノズル孔の形状、金型のスプル孔の形状及び外気温度等によって左右されるものである。従って、上述の糸引きやハナタレの防止策は、成形すべき樹脂の種類、射出成形機の加熱温度、射出成形機のノズル孔の形状、金型のスプル孔の形状及び外気温度等によって異なった対策が必要と考えられる。
上記開示された技術により糸引き防止のための概略のノズル孔形状及びスプル孔形状は把握されるが、あらゆる樹脂成形金型に適用される糸引き防止策はないといえる。即ち、成形すべき樹脂の種類、射出成形機の加熱温度、射出成形機のノズル孔の形状、成形サイクルタイム等などの成形条件に適合したスプル孔を有したスプルブッシュを採用することが糸引き防止の最善の対策といえる。しかし、スプルブッシュは高価であるうえに、通常ブッシュが固定金型に密着・嵌挿されているためスプルブッシュの交換には時間がかかる。この点、上述の特許文献3に開示されたアダプタは、優れたものといえる。しかし、ここで開示されたアダプタが、射出成形機のノズルとアダプタが繰り返し高圧でタッチされると、その耐久性が問題となる。特に、ノズル供給孔と、アダプタの溶融樹脂通路のタッチ面が共に球面であるため金型側のスプル孔の軸と成形機ノズルの軸がずれている状態でタッチを繰り返すと、アダプタの軸の偏心が懸念され、この軸心の調整が問題となる。又、アダプタを装着する際にはアダプタとスプルブッシュの軸心を一致させる為の真出し棒を差し込んでの組付け調整を要する。
本願考案は、上記課題を解決するものであり、固定金型に取付けられたスプルブッシュ本体を固定金型から取外すことなく、カートリッジ式スプルブッシュユニットを分解可能にして、カートリッジホルダ内に収納されている糸引き防止用のスプル孔を備えたカートリッジを、射出成形機ノズルの吐出口の形状、加熱温度、成形品樹脂の種類等に最も適合したスプル形状を有したカートリッジと迅速且つ容易に取替えることができるカートリッジ式スプルブッシュユニットを提供する。
本願カートリッジ式スプルブッシュユニットは、スプルブッシュ本体と、カートリッジホルダと、糸引き防止用のスプル孔を備えたカートリッジからなる。このスプルブッシュ本体は固定金型に従来どおりソケットボルト等で固定し、カートリッジホルダはこのカートリッジを内部に収納した後、ソケットボルト等でスプルブッシュ本体に固定する。樹脂材料の変更等でこのカートリッジに設けられた糸引き防止用スプル孔がその機能を充分に発揮できないときは、適当と思われる糸引き防止用スプル孔を備えたカートリッジと迅速・容易に交換可能である。この交換はカートリッジホルダをはずして簡単に行うことができる。本願考案は下記のとおりである。
1.分解が可能なカートリッジ式スプルブッシュユニットであって、
スプルブッシュ本体と、
カートリッジホルダと、
カートリッジと、からなり
上記カートリッジは、一端に鍔を備えた円筒状であって、内部に溶融樹脂が通る糸引き防止用のスプル孔が設けられ、該スプル孔の溶融樹脂入口側の口径は射出成形機ノズルの溶融樹脂出口の口径と同等であり、他端の溶融樹脂入口側には射出成形機のノズルとのタッチ面を備え、
上記カートリッジホルダは上記カートリッジを収納するための段付き貫通孔を備え、
上記スプルブッシュ本体と上記カートリッジホルダとは固定手段を備えていることを特徴とするカートリッジ式スプルブッシュユニット。
2.上記カートリッジの縦断面が構成するスプル孔の断面形状は、
(1)溶融樹脂出口側から上方まではスプルブッシュ本体の抜き勾配を延長した形状、
(2)溶融樹脂出口側から溶融樹脂入口側に向かって中間部まで台形であって、中間部から上方は上記台形の上辺を1辺とする縦長の長方形、
(3)溶融樹脂出口側から溶融樹脂入口側に向かって中間部まで矩形であって、中間部から上方は上記矩形の上辺を1辺とする台形、
(4)溶融樹脂出口側から溶融樹脂入口側に向かって中間部まで台形であって、中間部から上方は上記台形上に上記台形の上辺より小さい1辺の縦長の長方形を重ねた形状、
(5)溶融樹脂出口側から溶融樹脂入口側に向かって台形、
(6)全体が縦長の長方形、
(7)溶融樹脂出口側から溶融樹脂入口側に向かって台形、該台形の上辺を1辺とする矩形及び該矩形の1辺を底辺とする台形からなり、これらを順に重ねた形状、
(8)溶融樹脂出口側から溶融樹脂入口側に向かって矩形、該矩形の上辺より小さい1辺を有する矩形、該矩形の上辺より小さい1辺を有する縦長の長方形からなり、これらを順に重ねた形状、
(9)溶融樹脂出口側から溶融樹脂入口側に向かって台形、該台形の上辺より小さい底辺を有する台形、該台形の上辺より小さい底辺を有する台形、該台形の上辺より小さい底辺を有する台形からなり、これらを順に重ねた形状、
のうちのいずれかの形状である請求項1記載のカートリッジ式スプルブッシュユニット。
本願カートリッジ式スプルブッシュユニットは、スプルブッシュ本体を金型に固定した状態で、カートリッジ及びカートリッジホルダの分解が可能であり、糸引き防止用のスプル形状を有したカートリッジの交換ができるため、カートリッジの交換を迅速且つ容易に行うことができる。一方、従来技術のスプルブッシュは通常一体ものであるため交換に時間がかかる。
また、本願に係るカートリッジが備えるスプル溶融樹脂の入口の平面形状は円形であって、単純形状のため作製が容易で、カートリッジ自体も小さいため安価に製作できる。
更に、上述のように本願カートリッジ式スプルブッシュユニットに係るカートリッジは安価に製作できるため種々の形状をしたスプル孔を備えるカートリッジを在庫しておくことができる。例えば、金型が変更等されたため、樹脂の種類及びノズル筒の加熱温度等が変更された場合において、想定される適切なスプル形状を有したカートリッジに交換して、糸引き・ハナタレを防止できる。
また、ガラス繊維入りの樹脂等の使用によりスプル孔の磨耗が進んだ場合等も容易に新しいカートリッジと交換ができる。
更にまた、本願カートリッジ式スプルブッシュユニットは、スプルブッシュ本体と、カートリッジホルダと、カートリッジとはたがいに嵌合して組み立てられ、ボルト等で緊結されているため軸心がずれることがない。また、射出成形機のノズルのタッチ面とカートリッジの備えたタッチ面が繰り返し高圧で接触されてもノズル孔とスプル孔の軸が偏心することがなく耐久性に優れる。
本願カートリッジ式スプルブッシュユニット1(以下「ユニット1」ともいう。)を実施するための最良の形態を以下の図に基づいて説明する。本願考案はこれらの図に限定されるものではない。本願ユニット1は、スプルブッシュ本体2、糸引き防止用のスプル孔を備えたカートリッジ3、カートリッジホルダ4からなり、ボルト等を用いて組立、分解が可能である。図1は本願ユニット1の組立分解説明図である。図2は図1の反対方向から見た組立分解説明図である。
このスプルブッシュ本体2は、スプル孔21を備える。このスプル孔21は従来技術のスプルブッシュと同様に型開きの際にスプルランナを引き抜きやすいようにテーパである。このスプルブッシュ本体2は固定金型に取付ける。従来技術と同様にブッシュ23を固定金型の嵌挿孔(図示しない)に嵌挿する。スプルブッシュ本体2に固定ボルト貫通孔を設け、ソケットボルトの頭部が埋設されるように凹部を穿設して固定金型に設けた雌螺子に螺合・緊結する。また、図1及び図2に示すボルト5の長さ寸法を大きくしてボルト貫通孔を介して固定金型の雌螺子に螺合して緊結することもできる。
図1に示すように、このスプルブッシュ本体2には、図2に示すカートリッジホルダ4の組付け位置決め突起43が嵌合する凹部22を設ける。この凹部22の中心はスプル孔21の軸心と同一の軸心をなす。カートリッジホルダ4にカートリッジ3を収納して、次いでこの凹部22にカートリッジホルダ4の組付け位置決め突起43を嵌合した後、ボルト5をスプルブッシュ本体2に設けた雌螺子51に螺合して緊結する。このカートリッジ3のスプル孔31はスプルブッシュ本体2のスプル孔21と軸心は一致しているため、カートリッジタッチ面33と射出成形機ノズルのタッチ面が高圧で繰り返しタッチしても射出成形機ノズルの溶融樹脂出口孔の軸心とこのカートリッジのスプル孔31の軸心がずれることがない。
従来技術のスプルブッシュを用いて樹脂成形をした場合に、糸引き等が発生したときにスプル孔の異なったスプルブッシュに交換をしようとする際には、スプルブッシュはスプル孔と一体ものであり、ブッシュ部が固定金型に設けたブッシュ嵌挿孔に密着・嵌挿されているため、スプルブッシュを固定しているボルトを外しても容易にスプルブッシュを取外すことができない。このため、通常は固定金型を分解もしくは取外し金型の製品面側からスプルブッシュ本体を叩き出す等をして外さなければならなかった。一方、本願のユニット1の場合は金型の分解取外しをすることなく、ボルト5をゆるめてカートリッジホルダ4を取外せばスプル孔の異なったカートリッジ3に容易に交換できる。
図3はカートリッジ3の平面図であり、図4は図3に係るA−A切断断面図である。カートリッジ3は一端に鍔34を備えた円筒状であって、内部に溶融樹脂が通る糸引き防止用のスプル孔31を備え、このスプル孔31の溶融樹脂入口35の径は溶融樹脂出口36の径より小さく、他端の溶融樹脂入口側には射出成形機のノズルとのタッチ面33を備え、カートリッジホルダ4に嵌合させる。図3に示すように、このカートリッジ3の備えるスプル孔31の平面形状は円形である。従って、このカートリッジ3は単純な形状であり簡単・容易に作製ができるため、カートリッジ3は安価である。
カートリッジホルダ4は上記カートリッジ3を収納するためにカートリッジ3の円筒部及び鍔34を嵌合する段付き貫通孔41が設けられている(図2及び図7参照)。また、スプルブッシュ本体2とカートリッジホルダ4とは固定手段を備えている。この固定手段は図1、図2に示すように通常はボルト5を使用するが、スプルブッシュ本体2とカートリッジホルダ4とが互いに螺合する雌雄螺子であってもよい。
図5は本願ユニット1を組み立てた状態の斜視図である。図6は本願ユニット1の平面図である。図7は図6に係るB−B切断断面図である。これらの図が示すように、カートリッジホルダ4の平面にカートリッジ3のタッチ面33が表れる。このカートリッジ3のスプル孔31の軸心が射出成形機のノズル孔の軸心と一致する。図7に示すようにカートリッジ3の樹脂入口35の口径は樹脂出口36の口径より小さい。又は同一であってもよい。また、カートリッジの樹脂出口36の口径はスプルブッシュ本体2の樹脂入口25の口径と同一又は小さい必要がある。成形品とともにスプルランナを引き抜くためである。
図8は溶融樹脂の射出時の説明図である。射出成形機100の備えるノズル101のタッチ面103とカートリッジ3のタッチ面33は高圧で密着・固定される。ノズル101で加熱された溶融樹脂mはノズル孔102、カートリッジ3のスプル孔31、スプルブッシュ本体2のスプル孔21を通ってキャビティーを充填する。この充填が終了するとノズル101の溶融樹脂mは加熱されているため温度は維持され、金型側の溶融樹脂は加熱されないため樹脂の冷却がすすみノズルタッチ面103とカートリッジ3のタッチ面33で温度勾配が生じる。
図9は金型を開いて成形品を排出するときの説明図である。固化樹脂(スプルランナ)pは成形品とともに金型外に排出される。このとき糸引きを発生させないためには射出成形ノズル側と金型スプル側の間に適当な温度境界を生じさせてこの温度境界でスプルの切断を図る。一般的には成形品の固化時間を長くすることにより糸引きは防止できるが、固化時間を長くすると生産効率が悪くなる。また、ノズル側の溶融樹脂mをサックバック(充填量の計量完了時に所定位置まで射出成形機のスクリュウを後退させてノズル内の溶融樹脂をノズルの後方にバックさせることをいう。)させてスプルの切断を図るのも慣用手段ではあるがサックバックが大きすぎると成形品にいわゆるシルバー(銀状模様)、ボイド(エアーをまき込み樹脂が充填されない箇所)が発生する。
図10は本願考案に適用可能なカートリッジ3の断面が形成するスプル孔の断面形状の種々の態様を示す。糸引きを防止して、カートリッジのタッチ面33とノズルのタッチ面103でスプルを切断するのには、温度勾配が充分取れるようにカートリッジ3の溶融樹脂入口の口径35とノズルの溶融樹脂出口104の口径を同等またはそれ以下にする。ノズル側の溶融樹脂と金型側の樹脂の温度勾配をさらに大きくするためにはカートリッジ3の溶融樹脂入口の口径35はノズル101の溶融樹脂出口104の口径より小さくすると良好な結果が得られる場合がある。また、全体形状としてスプルランナは成形品とともに排出されるため基本的にはテーパであることが好ましい。カートリッジ3の溶融樹脂入口の口径35は好ましくは3mm〜6mm、より好ましくは3mm〜5mm、更に好ましくは3mm〜4mmである。3mm未満であるとキャビティーへの樹脂充填時間が大きくなり成形効率が落ちる。6mmを超えるとノズル内の溶融樹脂とスプルランナとの温度勾配が小さくなり糸引きを防止するのが困難となる。
他の本願発明であるカートリッジ式スプルブッシュユニット1に係るカートリッジ3の縦断面が形成するスプル孔31の断面形状は、図10の(1)〜(9)までに示すものである。
(1)は、溶融樹脂出口側から上方まではスプルブッシュ本体の抜き勾配を延長した形状。
(2)は、溶融樹脂出口側から溶融樹脂入口側に向かって中間部まで台形であって、中間部から上方は上記台形の上辺を1辺とする縦長の長方形である。
(3)は、溶融樹脂出口側から溶融樹脂入口側に向かって中間部まで矩形であって、中間部から上方は上記矩形の上辺を1辺とする台形である。
(4)は、溶融樹脂出口側から溶融樹脂入口側に向かって中間部まで台形であって、中間部から上方は上記台形上に上記台形の上辺より小さい1辺の縦長の長方形である。
(5)は、溶融樹脂出口側から溶融樹脂入口側に向かって台形である。
(6)は、全体が縦長の長方形である。
(7)は、溶融樹脂出口側から溶融樹脂入口側に向かって台形、該台形の上辺を1辺とする矩形及び該矩形の1辺を底辺とする台形からなり、これらを順に重ねた形状である。
(8)は、溶融樹脂出口側から溶融樹脂入口側に向かって矩形、該矩形の上辺より小さい1辺を有する矩形、該矩形の上辺より小さい1辺を有する縦長の長方形からなり、これらを順に重ねた形状である。
(9)は、溶融樹脂出口側から溶融樹脂入口側に向かって台形、該台形の上辺より小さい底辺を有する台形、該台形の上辺より小さい底辺を有する台形、該台形の上辺より小さい底辺を有する台形からなり、これらを順に重ねた形状である。
図11は従来技術の射出成形機のノズル70とスプルブッシュ60の断面が形成するノズル孔及びスプル孔の形状を示す。スプルブッシュの溶融樹脂入口の口径は、ノズルの溶融樹脂の出口口径よりいくぶん大きい。型開き時に成形機ノズル孔からのスプル離型を考慮するとともに、スプル溶融樹脂の圧入抵抗を減少してキャビティーへの充填性を向上させるためである。成形樹脂の種類、加熱温度によってはこの形状で糸引きが発生することなく能率的に成形品を製造できる場合がある。しかし、近時は金型形状が複雑になり、樹脂材料も多岐にわたるため、この従来技術のスプルブッシュ60では、糸引きが発生した場合には、これに対応できない場合が増えている。
図11に示す従来技術の形状のスプルブッシュ60(樹脂入口の口径が6.5mm)と射出成形機ノズル70(樹脂出口の口径が6mm)を用いて、ポリプレンを加熱温度200℃及びショット周期43秒の条件で射出成形を行ってみると全数に糸引きスプルランナが発生した。これに対して本願考案のユニットを使用した場合の実施例を下記に示す。
1.図10の(1)、(3)、(8)のカートリッジを用いて下記条件で、100ショットを射出成形した。
A.樹脂種類 :ポリプロピレン
B.射出成形機ノズルの樹脂出口口径:4mm
C.カートリッジの樹脂入口口径 :4mm
D.カートリッジの樹脂出口口径 :6mm
D.樹脂加熱温度 :200℃
E.ショットの周期 :43秒
2.結果は、カートリッジ交換所要時間は約3分であり、糸引きスプルランナの発生はなかった。又成形条件の変更も無く成形できた。
1.実施例1の樹脂加熱温度を、糸引き・ハナタレの発生頻度が故意に大きくなるように230℃で行った以外は、実施例1と同様の条件で、100ショットを射出成形した。
2.結果は、糸引きスプルランナの発生はなかった。又成形条件の変更も無く成形できた。
スプルブッシュの交換には、通常、作業員1名で約1時間必要とされる。一方、上記実施例1及び実施例2でわかるように本願考案のカートリッジ式スプルブッシュユニットに係るカートリッジの交換は作業員1名で約3分である。また、本願ユニット1を使用した場合は、糸引きスプルランナ・ハナタレの発生は全く無かった。
本願考案のカートリッジ式スプルブッシュユニットの分解組立図である。 本願考案のカートリッジ式スプルブッシュユニットを図1の反対方向から見た分解組立図である。 カートリッジの平面図である。 図3に係るA−A切断断面図である。 本願考案のカートリッジ式スプルブッシュユニットの斜視図である。 本願考案のカートリッジ式スプルブッシュユニットの平面図である。 図6に係るB−B切断断面図である。 射出時の説明図である。 成形品取出し説明図である。 カートリッジの縦断面が形成するスプル孔の断面形状を種々の態様で表した図である。 従来技術の射出成形機のノズル及びスプルブッシュの断面形状である。
1 カートリッジ式スプルブッシュユニット
2 スプルブッシュ本体
21 スプルブッシュ本体のスプル孔
22 スプルブッシュ本体の凹部
23 ブッシュ
25 スプルブッシュ本体の樹脂の入口
3 カートリッジ
31 カートリッジのスプル孔
33 カートリッジのタッチ面
34 鍔
35 カートリッジの樹脂入口
36 カートリッジの樹脂出口
4 カートリッジホルダ
41 カートリッジホルダの段付き貫通孔
43 組付け位置決め突起
5 ボルト
51 ボルト螺子孔
52 ボルト貫通孔
100 射出成形機ノズル
101 射出成形機ノズル筒
102 射出成形機ノズル孔
103 射出成形機ノズルタッチ面
104 射出成形機ノズルの樹脂出口
m 溶融樹脂
p 固化樹脂(スプルランナ)

Claims (2)

  1. 分解が可能なカートリッジ式スプルブッシュユニットであって、
    スプルブッシュ本体と、
    カートリッジホルダと、
    カートリッジと、からなり
    上記カートリッジは、一端に鍔を備えた円筒状であって、内部に溶融樹脂が通る糸引き防止用のスプル孔が設けられ、該スプル孔の溶融樹脂入口側の口径は射出成形機ノズルの溶融樹脂出口の口径と同等以下であり、他端の溶融樹脂入口側には射出成形機のノズルとのタッチ面を備え、
    上記カートリッジホルダは上記カートリッジを収納するための段付き貫通孔を備え、
    上記スプルブッシュ本体と上記カートリッジホルダとは固定手段を備えていることを特徴とするカートリッジ式スプルブッシュユニット。
  2. 上記カートリッジの縦断面が形成するスプル孔の断面形状は、
    (1)溶融樹脂出口側から上方まではスプルブッシュ本体の抜き勾配を延長した形状、
    (2)溶融樹脂出口側から溶融樹脂入口側に向かって中間部まで台形であって、中間部から上方は上記台形の上辺を1辺とする縦長の長方形、
    (3)溶融樹脂出口側から溶融樹脂入口側に向かって中間部まで矩形であって、中間部から上方は上記矩形の上辺を1辺とする台形、
    (4)溶融樹脂出口側から溶融樹脂入口側に向かって中間部まで台形であって、中間部から上方は上記台形上に上記台形の上辺より小さい1辺の縦長の長方形を重ねた形状、
    (5)溶融樹脂出口側から溶融樹脂入口側に向かって台形、
    (6)全体が縦長の長方形、
    (7)溶融樹脂出口側から溶融樹脂入口側に向かって台形、該台形の上辺を1辺とする矩形及び該矩形の1辺を底辺とする台形からなり、これらを順に重ねた形状、
    (8)溶融樹脂出口側から溶融樹脂入口側に向かって矩形、該矩形の上辺より小さい1辺を有する矩形、該矩形の上辺より小さい1辺を有する縦長の長方形からなり、これらを順に重ねた形状、
    (9)溶融樹脂出口側から溶融樹脂入口側に向かって台形、該台形の上辺より小さい底辺を有する台形、該台形の上辺より小さい底辺を有する台形、該台形の上辺より小さい底辺を有する台形からなり、これらを順に重ねた形状、
    のうちのいずれかの形状である請求項1記載のカートリッジ式スプルブッシュユニット。


















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