JP3152812B2 - 半導体発光装置 - Google Patents

半導体発光装置

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JP3152812B2
JP3152812B2 JP23004293A JP23004293A JP3152812B2 JP 3152812 B2 JP3152812 B2 JP 3152812B2 JP 23004293 A JP23004293 A JP 23004293A JP 23004293 A JP23004293 A JP 23004293A JP 3152812 B2 JP3152812 B2 JP 3152812B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体発光装置に係わ
り、特にInGaAlP系半導体材料を使用した半導体
発光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光通信や光情報処理機器における
表示装置等の光源として、発光ダイオード(LED)が
広く用いられている。一般にLEDでは、発光強度及び
応答速度が重要な特性であり、特に表示用LEDには高
輝度発光が要求される。
【0003】InGaAlP系材料は、窒化物を除く I
II−V族化合物半導体混晶中で最大の直接遷移型バンド
ギャップを有し、0.5〜0.6μm帯の発光素子材料
として注目されている。特にGaAsを基板とし、これ
に格子整合するInGaAlPによる発光部を持つpn
接合型LEDは、従来のGaPやGaAsP等の間接遷
移型の材料を用いたものに比べ、赤から緑色の高輝度発
光が可能である。しかし、GaAs基板はこの波長帯域
に対して吸収損失を与えるため、活性層から基板側に出
射される光は基板で全て吸収され、外部に取り出すこと
ができない。
【0004】図7に、InGaAlP発光部を有する従
来のLEDの素子構造断面を示す。図中1はn−GaA
s基板、2はn−InGaAlPクラッド層、3はIn
GaAlP活性層、4はp−InGaAlPクラッド
層、5はn−InGaAlP電流阻止層、6はp−Ga
AlAs電流拡散層、7はp−GaAsコンタクト層、
8はAuZnからなるp側電極、9はAuGeからなる
n側電極である。
【0005】InGaAlP活性層3のエネルギーギャ
ップは、クラッド層2,4のそれより小さくなるように
混晶組成が設定されており、光及びキャリアを活性層3
に閉じ込めるダブルヘテロ構造をなしている。また、p
−GaAlAs電流拡散層6の組成は、InGaAlP
活性層3からの発光波長に対し略透明になるように設定
されている。
【0006】図7の構造において、活性層3を厚さ0.
2μmのアンドープのIn 0.5(Ga1-x Alx0.5
P(x=0.4)とした場合、その導電型はn型であ
り、キャリア濃度は1〜5×1016cm-3程度であっ
た。このとき、発光波長は565nm(緑)、発光効率
はDC20mAで0.15%程度であった。また、x=
0.3としたとき、発光波長は585nm(黄)、発光
効率はDC20mAで0.6%程度と低く、GaP,G
aAsP系に対する特性的なメリットは必ずしも見られ
なかった。一方、x=0.2としたとき、発光波長は6
20nm(だいだい色)、発光効率はDC20mAで
3.0%程度であり、発光波長に対し吸収体となるGa
As基板1を特に除去することなくGaAlAs系を上
回る発光効率が得られた。
【0007】このように、直接遷移型バンドギャップを
有するInGaAlPを用いたLEDにあっても、短波
長領域(緑色発光)での発光効率は必ずしも十分高いと
は言えなかった。
【0008】LEDの発光効率は内部量子効率及び光取
り出し効率によって決まるが、このうち光取り出し効率
は素子構造に大きく影響される。前記したように活性層
から基板側に出射される光はGaAs基板によって吸収
されて、素子外部へ取り出すことができない。特に、発
光効率の低い短波長領域においては、これを改善する意
味は大きい。基板における光の吸収の対策として、活性
層と基板との間に半導体多層膜による反射膜(ブラッグ
型反射鏡)を設けることが試みられている(特願平2−
217079号)。
【0009】この半導体多層膜による反射膜の効果を十
分得るには反射率を高くし、また作製許容度を大きくす
るために反射帯域を広くする必要があった。しかしなが
ら、この2つの特性を兼ね備えることは、構成材料の特
性や構造などの面から極めて難しかった。また、ダブル
ヘテロ構造InGaAlPのLEDでは、表面発光波長
に対して10〜15nm長波長側の端面光が迷光とな
り、黄色発光に対しては赤色光、緑色発光に対しては黄
色といった光が混在していた。即ち、ダブルヘテロ構造
InGaAlPのLEDは2色発光しており、これが表
示用としては実用上大きな問題となっていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように従来、In
GaAlPからなる発光部を持つ半導体発光装置におい
ては、活性層から基板側へ出射された光を半導体多層反
射膜を用いて素子外部へ取り出す手法が使われている
が、反射率が高く作製許容度を大きくする広反射帯域を
得ることが困難であり、さらに端面からの迷光が存在す
るという問題点があった。
【0011】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、高反射率,広反射帯域
を持つ半導体多層反射膜を作成して光取出し効率の向上
をはかることができ、かつ異色波長迷光を低減し得る高
輝度の半導体発光装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、半導体
多層膜反射膜の構成材料及び構造を工夫することによ
り、高反射率,広反射帯域の特性を持つと同時に、接合
平面に平行方向に導波される光に対しては損失となるブ
ラッグ反射鏡を作成し、光取り出し効率の向上をはかる
ことにある。
【0013】即ち本発明は、半導体基板と、この半導体
基板上に形成された半導体薄膜からなる半導体多層反射
膜と、この半導体多層反射膜上に形成された発光層含む
半導体積層構造部とを具備し、半導体基板と反対の面上
から光を取り出す半導体発光装置において、半導体多層
反射膜を、広反射帯域特性を有する第1のブラッグ反射
鏡と高反射率特性を有する第2のブラッグ型反射鏡によ
って構成したことを特徴とする。
【0014】ここで、本発明の望ましい実施態様として
は、次のものがあげられる。 (1) 半導体積層構造部は、発光層を第1導電型及び第2
導電型のクラッド層で挟んだダブルヘテロ構造となって
いること。 (2) 基板はGaAsであり、ダブルヘテロ構造はInG
aAlP系材料であること。 (3) 半導体多層反射膜は2種のブラッグ型反射鏡からな
り、基板側の第1のブラッグ型反射鏡は広反射帯域特性
を有し、半導体積層構造部側の第2のブラッグ型反射鏡
は高反射率特性を有すること。高反射率で透明なブラッ
グ型反射鏡としてInAlP/InGaAlP、広反射
帯域特性を持ち吸収損失を有するブラッグ型反射鏡とし
てInAlP/GaAsを用いること。 (4) 半導体多層反射膜は材料,組成若しくは膜厚の異な
る3種類以上の半導体層からなり、その1つは発光波長
に対して損失を持つ半導体層であること。 (5) 半導体多層反射膜は、発光中心波長λに対してそれ
ぞれの光学的膜厚がλ/4のIn 0.5(Ga1-x Al
x0.5PとGa1-y Aly As(0≦x≦1,0≦y
≦1)の少なくとも3種類以上の異なる組成の半導体層
からなること。 (6) 半導体多層反射鏡は、発光中心波長λに対して、そ
れぞれの光学的膜厚がλ/4よりも厚いIn 0.5(Ga
1-x Alx0.5Pとλ/4よりも薄いGa1-yAly
s(0≦x≦1,0≦y≦1)の1対の光学的膜厚がλ
/2であり、少なくとも2種類以上の異なる組成の交互
層からなること。
【0015】
【作用】本発明によれば、2種類以上のブラッグ型反射
鏡を組み合せて半導体多層反射膜を構成することによ
り、それぞれの反射鏡が持つ特性を合せ持った反射膜と
なる。この構成によってLEDとして必要な高反射率,
広反射帯域特性を有し、かつ、端面光を効果的に低減す
る反射膜を容易に作成することができる。これにより、
光取り出し効率を向上させることができ、高輝度の半導
体発光装置が実現できることになる。なお、2つのブラ
ッグ反射鏡は前記した位置関係に設定する必要があり、
これらの位置関係が逆の場合と比べて優れた特性が得ら
れた。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例につき図面を参照して
説明する。図1は本発明の第1の実施例に係わるLED
の素子構造を示す断面図である。図中101はn−Ga
As基板であり、この基板101の一主面上に、n−I
0.5Al 0.5P/GaAsの10対からなる第1反射
膜(ブラッグ型反射鏡)102,n−In 0.5Al 0.5
P/In 0.5(Ga 0.6Al 0.40.5Pの10対から
なる第2反射膜(ブラッグ型反射鏡)103,n−In
0.5(Ga1-l All0.5Pクラッド層104,In
0.5(Ga1-m Alm0.5P活性層105,p−In
0.5(Ga1-n Aln0.5Pクラッド層106,n−
In 0.5(Ga1-p Alp0.5P電流阻止層107,
p−Ga1-q Alq As電流拡散層108,p−GaA
sコンタクト層109が上記順に積層され、コンタクト
層109は円形に加工されている。そして、コンタクト
層109上にAuZn/Auからなるp側電極110が
形成され、基板101の他方の主面にはAuGe/Au
からなるn側電極111が形成されている。
【0017】ここで、ダブルヘテロ構造部を構成するI
nGaAlP各層のAl組成l,m,nは、高い発光効
率が得られるように、m≦l,m≦nが満足するように
設定されている。即ち、発光層となる活性層105のエ
ネルギーギャップはp−nの2つのクラッド層104,
106よりも小さいダブルヘテロ構造が形成されてい
る。また、電流阻止層107のAl組成pは、m≦pに
設定されている。なお、これらのInGaAlP層は基
板101であるGaAsに格子整合している。
【0018】また、p−GaAlAs電流拡散層108
のAl組成qは、活性層105の発光波長に対して透明
となるように、活性層105よりもバンドギャップが大
きく選ばれている。なお、以下ではこのようなダブルヘ
テロ構造を持つLEDについて説明するが、光の取出し
効率を考える上では、活性層部の層構造は本質ではな
く、シングルヘテロ接合構造やホモ接合構造、さらには
量子井戸構造でも同様に考えることができる。
【0019】図1に示した構造において各層の厚さ、キ
ャリア濃度は以下に括弧内に示すように設定されてい
る。 n−クラッド層104(0.6μm,5×1017
-3) 活性層105(0.3μm,アンドープ) p−クラッド層106(0.6μm,4×1017
-3) n−電流阻止層107(0.15μm,2×1018cm
-3) p−電流拡散層108(5μm,3×1018cm-3) p−コンタクト層109(0.1μm,3×1018cm
-3) また、半導体多層反射膜を構成する第1及び第2反射膜
102,103については、次のようにしている。即
ち、それぞれの構成層の厚さは、活性層105からの発
光波長λ0 に対して、λ0 /4の光学的膜厚としてい
る。また、各構成層のキャリア濃度は全て5×1017
-3以上となるようにした。
【0020】上記構造が従来の構造と異なる点は、In
GaAlPからなる発光部(ダブルヘテロ構造)10
4,105,106とGaAs基板101との間に第1
反射膜102及び第2反射膜103を形成したことであ
り、この構造の優位性について以下に示す。
【0021】図1の第2反射膜103におけるInGa
AlP層は、後述するように反射鏡を構成する高屈折率
層であると同時にダブルヘテロ構造によって導波される
活性層の光を反射鏡側に引っぱりしみ出させる役割を果
たす。十分なしみ出し効果を得るためには、λ/4厚さ
に相当する膜厚で少なくとも1層以上挿入しなければな
らない。反射鏡側にしみ出された光は第1反射膜102
におけるGaAs層によって吸収され、これにより迷光
を減らすことができる。
【0022】次に、反射特性に関する詳細な記述を行
う。図2は、シュレーションによる第1反射膜102と
第2反射膜103の対数と反射率の関係について示した
ものである。ここで用いた各パラメータを下記の(表
1)に示す(D.E.Aspens, et al,JAP 60, 754(1986),
H.Tanaka, et al, JAP 59,985(1986))。
【0023】
【表1】
【0024】第1反射膜102は、構成層としてInG
aAlP活性層105からの光に対して吸収損失を持つ
GaAsを使っているため、多い対数になると反射率は
飽和してしまう。対数の少ないところではInAlPと
GaAsの屈折率差が大きいため、第2反射膜103よ
りも高い反射率を示す。第2反射膜103は構成層が共
に活性層からの光に対して透明であるため、対数が多い
所では非常に高い反射率が得られる。
【0025】図3は、シミュレーションによる2つの反
射膜102.103における反射スペクトルの半値幅
(FWHM)と、対数の関係について示したものであ
る。第1反射膜102は対数を増すと比較的広い値で飽
和し、第2反射膜103は次第に狭くなる。つまり、こ
れらの計算結果から第1反射膜102は反射率は比較的
低いが反射帯域が広く、第2反射膜103は反射率は比
較的高いが反射帯域が狭くなることが分かり、これらの
結果は各構成層の屈折率と吸収系数の関係によるもので
あることが分かる。
【0026】図4は、第1反射膜102(10対),第
2反射膜103(20対)とこの2つの反射膜各10対
を基板側に第1反射膜102、その上に第2反射膜10
3を形成したハイブリッド型の反射膜のシミュレーショ
ンによる反射スペクトルを示したものである。第1反射
膜(10対)及び第2反射膜(20対)のスペクトル
は、前記したような反射率と半値幅の関係となってい
る。ハイブリッド型反射膜のスペクトルから反射率のピ
ーク値は約90%で他の反射膜よりも高い値を示してお
り、半値幅は50nmの値を示している。この半値幅の
値は、InGaAlPのLED活性層からの発光のスペ
クトル12〜14nm(H.Sugawara, et al,J.J.A.P 3
1,2446 (1992))と比べると十分広く、前記した作製許
容度が十分大きいものと考えられる。
【0027】これらの計算結果から、ハイブリッド型反
射膜は光取り出し効率向上に有効であり、その作製許容
度も十分大きいことが分かる。対数の設定に関しては、
第2反射膜103は、対数を増やすと帯域が狭くなるた
め20対以下、できれば15対以下とするのが望まし
い。第1反射鏡102は、対数を増やすと抵抗が大きく
なるためやはり20以下、できれば15対以下とするの
が望ましい。迷光を低減する目的を考慮すると実施例で
記述したそれぞれ10対前後に設定するのが最適条件と
なる。
【0028】実際、図1に示した積層構造でp側電極1
10の直径を200μmφ、電流阻止層107の直径を
240μmφとし、それぞれを同心円状に形成し、In
0.5(Ga1-m Alm0.5P活性層105のAl組成
mを0.3として、素子を構成し、順方向に電圧を印加
し電流を流したところ、p側電極110部を除いた素子
表面広域から585nmにピーク波長を有し、光度が3
cdを越える発光が得られた。また、端面光から迷光も
殆どなく実用上問題のないレベルまで低減できた。p−
Ga1-q Alq As電流拡散層108による光吸収の影
響は、そのAl組成qを高く設定することにより短波長
の発光に対しても低減でき、Al組成qを0.7から
0.8とし、In 0.5(Ga1-m Alm0.5P活性層
105のAl組成mを0.5としたピーク波長555n
mの緑色発光素子においても光度3cdを越える発光が
得られた。
【0029】このように本実施例によれば、InGaA
lP活性層105とn−GaAs基板101との間に反
射特性の異なる2つの反射膜、第1反射膜102と第2
反射103を設けた構成としているので、従来構造では
素子外部に取り出すことのできなかった活性層105か
ら基板側へ放出された光を、これら反射膜102,10
3で素子表面方向へ反射させ、有効に光を取り出すこと
ができる。
【0030】しかも、本実施例では反射膜の積層におい
て、活性層105に近い方に発光波長に対して透明で高
反射率の特性を持つ反射鏡(第2反射膜103)を設
け、基板101に近い方に反射帯域の広い特性を持つ反
射鏡(第1反射膜102)を設けることによって、2つ
の反射膜特性を合せ持った反射率が高く反射帯域の広い
ハイブリッド型反射鏡を構成し、かつ第2反射膜103
によって活性層105中の光をしみ出させ、第1反射鏡
102によって損失を持つようにすることができる。こ
れにより、光の取り出し効率を向上させ、高輝度のLE
Dを実現することができ、さらに迷光を低減することが
でき、かつ量産性や再現性といった作製許容度も広くす
ることができる。
【0031】図5は本発明の第2の実施例に係わるLE
Dの素子構造を示す断面図である。なお、図1と同一部
分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。こ
の実施例が先に説明した第1の実施例と異なる点は、ブ
ラッグ反射鏡を構成する第2反射膜の構成にある。
【0032】即ち、本実施例では第2反射膜503の構
成材料を第1反射膜102と同様にInAlPとGaA
sの2種類とし、第1反射膜102とはそれぞれの膜厚
を変化させることによって、異なる反射特性を持つ反射
膜を設けた。ここで、第2反射膜503を構成するIn
AlP/GaAs1対の光学的膜厚を、λ0 /2に保っ
たままGaAs層をλ0 /4よりも薄くし、InAlP
層をλ0 /4よりも厚くする。これ以外の条件(各層の
厚さ,キャリア濃度)は先の第1の実施例と同様とし
た。
【0033】このような構成であれば、InGaAlP
活性層105からの光に対して吸収損失を持つ第2反射
膜503のGaAs層が、第1反射膜102のGaAs
層と比べて薄くなっているため、接合方向の光に対して
は吸収損失を減らし、かつ活性層105に近い位置にあ
るため、接合方向と平行に導波される光に対して効果
的に損失を持たせることができる。また、反射特性に関
しても実効的な反射率が高くなる。よって、この組み合
せによるハイブリッド型反射膜とすることで、第1の実
施例で記した効果と同等の効果が得られる。
【0034】図6は本発明の第3の実施例に係わるLE
Dの素子構造を示す断面図である。なお、図1と同一部
分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
この実施例は、第1反射膜と第2反射膜のように反射特
性を2つに分けることなく、半導体多層反射膜の反射特
性を徐々に連続的に変化させたものである。
【0035】この実施例が、第2の実施例と異なる点
は、反射膜602のInAlP/GaAs1対における
光学的膜厚をλ0 /2に保ったまま、活性層105に近
い方のGaAs層をλ0 /4よりも薄くし、InAlP
層をλ0 /4よりも厚くする。そして、反射膜602中
のGaAs基板101に近い方のInAlP/GaAs
1対におけるInAlP、GaAsそれぞれの光学的膜
厚がλ0 /4になるように、反射膜602中で徐々に変
化させる。これ以外の条件は、先の第1の実施例及び第
2の実施例と同様とした。
【0036】このような構成であれば、反射膜602中
の発光部近傍と基板101近傍では、活性層105から
の光に対する吸収損失が異なるため、実効的な反射率が
異なるため第1及び第2の実施例で示した効果と同様な
効果が得られる。
【0037】これまで面発光型のダブルヘテロ構造In
GaAlPのLEDにおいて、活性層端部や横方向から
の光は活性層内部を導波して出射されるため、活性層内
部で損失を受け素子表面からの出射光よりも波長が長く
なってしまい、このことは素子からの全体的な放射を見
た場合、単色性が損なわれることや、2色発光してしま
うといった問題があることを述べてきた。これを防ぐた
めに上記実施例を示してきたが、反射鏡における光吸収
層の効果を最大限発揮するには、クラッド層の厚さを薄
くすることが有効である。
【0038】例えば、第2,第3の実施例において、反
射膜を構成しているGaAsが損失層となり活性層の厚
さがこれらの実施例においては、0.3μmであるため
n−InGaAlPクラッド層104の厚さを0.3μ
m以下とすることが有効である。この構造とすることに
よって、活性層105での光の導波モードに損失を互え
て端面からの放出光を、より効果的に防ぐことができ
る。
【0039】なお、本発明は上述した各実施例に限定さ
れるものではない。実施例では反射膜の構成にInGa
AlP系材料とGaAlAs系材料を用いたが、InG
aAsP系材料やII−VI族材料によって構成しても同様
の効果が得られる。また、材料系を問わず、超格子膜を
形成して屈折率を変化させた膜によって反射膜を構成し
た場合にも同様の効果が得られる。また、実施例では活
性層のAl組成としては0.3又は0.5を用いたが、
Al組成を変化させることによって赤色から緑色域に渡
る可視光領域の発光を得ることができる。また本発明
は、発光ダイオードに限らず、面発光レーザに適用する
ことも可能である。その他、本発明の要旨を逸脱しない
範囲で、種々変形して実施することができる。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、I
nGaAlP等からなる発光部と基板との間に反射率の
高い反射膜と反射帯域の広い反射膜を組み合せたハイブ
リッド型反射膜を設けることにより、高反射率,広帯域
反射を持つ反射膜を形成して光取出し効率の向上をはか
ることができ、かつ異色波長迷光を低減し得る高輝度の
半導体発光装置を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例に係わるLEDの素子構造を示す
断面図。
【図2】第1及び第2の反射膜の対数と反射率との関係
について示した特性図。
【図3】第1及び第2の反射膜における反射スペクトル
の半値幅と対数との関係について示した特性図。
【図4】ハイブリッド型の反射膜の反射スペクトルを示
した特性図。
【図5】第2の実施例に係わるLEDの素子構造を示す
断面図。
【図6】第3の実施例に係わるLEDの素子構造を示す
断面図。
【図7】InGaAlP発光部を有する従来のLEDの
素子構造を示す断面図。
【符号の説明】
101…n−GaAs基板 102…n−InAlP/GaAs第1反射膜(ブラッ
グ型反射鏡) 103…n−InAlP/InGaAlP第2反射膜
(ブラッグ型反射鏡) 104…n−InGaAlPクラッド層 105…InGaAlP活性層 106…p−InGaAlPクラッド層 107…n−InGaAlP電流阻止層 108…p−GaAlAs電流拡散層 109…p−GaAsコンタクト層 110…AuZn/Auからなるp側電極 111…AuGe/Auからなるn側電極 503…InAlP/GaAs第2反射膜(ブラッグ型
反射鏡) 602…InAlP/GaAs反射膜(ブラッグ型反射
鏡)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 33/00 H01S 5/183

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板と、この半導体基板上に形成さ
    れた半導体薄膜からなる半導体多層反射膜と、この半導
    体多層反射膜上に形成された発光層を含む半導体積層構
    造部とを具備し、前記半導体基板と反対側の面上から光
    を取り出す半導体発光装置であって、 前記半導体多層反射膜は、広反射帯域特性を有する第1
    のブラッグ反射鏡と、高反射率特性を有する第2のブラ
    ッグ反射鏡によって構成されていることを特徴とする半
    導体発光装置。
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