JP3151340B2 - アルカリ蓄電池 - Google Patents

アルカリ蓄電池

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JP3151340B2
JP3151340B2 JP22506893A JP22506893A JP3151340B2 JP 3151340 B2 JP3151340 B2 JP 3151340B2 JP 22506893 A JP22506893 A JP 22506893A JP 22506893 A JP22506893 A JP 22506893A JP 3151340 B2 JP3151340 B2 JP 3151340B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はニッケル正極を用いたア
ルカリ蓄電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルカリ蓄電池の正極としては、従来、
焼結式正極が用いられており、この焼結式正極は穿孔綱
板或いはニッケル・ネット等の芯金にニッケル粉末を焼
結して得た10数μmの孔に、ニッケル塩水溶液を含浸
し、ついでこれをアルカリ処理する事によって、前記含
浸ニッケル塩を水酸化ニッケルに変化させて正極とす
る。しかし、この焼結式正極は製造の際のニッケル塩の
含浸及びアルカリ処理といった複雑な活物質含浸操作が
必要で、又、所定量の活物質を含浸するためには、上記
操作を通常4〜10回程度繰り返し行わなければならな
いため製造コストが高くなってしまうという問題点があ
った。更に、ニッケル粉末焼結体の機械的強度を維持で
きる多孔度が80%程度で限界となるため活物質の充填
絶対量そのものに限界があるといった問題点も持ち合わ
せていた。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】このため、水酸化ニ
ッケル粉末に導電粉末、結着剤及び水を混合してこれを
ペースト状となし、平均多孔度95%以上、平均孔径が
数10〜数100μmの3次元スポンジ状金属多孔体や
金属繊維マット等に、直接これを、充填して製造される
正極が検討されている。この方法は、通常、焼結式に対
して非焼結式或いはペースト式と呼ばれている。このペ
ースト式は、発明の出発点の通り、焼結式に対して、金
属多孔体の多孔度及び平均孔径が大きいことにより、活
物質充填工程が容易に済み、充填絶対量を大きくできる
という点では非常に優れている。しかし、ペーストを充
填する金属多孔体の細孔が焼結式ニッケル細孔に対し
て、大きい為に、活物質と集電体バルクまでの距離が集
電性を悪くしていることや、活物質の絶対量そのものを
増やしていること等が、(1)導電性の低下はもとよ
り、(2)特に、過充電時に於ける電極膨潤率増大をも
たらし、ひいては、(3)充放電効率を含めた正極の利
用率低下を招いていた為に焼結式に対して劣るものであ
った。
【0004】即ち、ペースト式は焼結式に対して、容量
アップというメリットをベースに(1)導電性の向上、
(2)電極膨潤率抑制、(3)充放電効率向上の3つの
問題点を改善していくことが課題であった。
【0005】(1)の導電性向上は、充放電中に於ける
ニッケル極の平均充放電分極電位を下げる意味で非常に
重要であり、(2)の電極膨潤率抑制、(3)の充放電
効率向上の必要条件となる。(十分条件では無い。)こ
の導電性向上の為には、コバルト化合物(コバルト酸化
物、コバルト水酸化物、m−コバルト等)を添加する事
が一般的となっている。しかし、コバルト化合物添加の
効果(即ち導電性向上)を最大限に生かす為には、その
製法はもとより、混合分散性、アルカリ電解液溶解性、
保存安定性についてのファクターを押さえることが重要
であり、著者らは、これらに付いて、特願平03−00
6953、03−006954、03−130222、
03−130337で、数多くあるコバルト化合物の中
から一酸化コバルト(CoO)、三酸化二コバルト(C
23 )の少なくとも一種類以上を用いることが有効
である事に着目し、これらに付いて出願する事に依り、
一応の解決をみた。問題は、残りの2つであり、(2)
の電極膨潤率抑制に付いては、特に過充電時に対するも
のが課題で、(3)については、特に、高温時の充電効
率が課題である。前者については、過充電時に、高次酸
化物で且つ低密度のγ−オキシ水酸化ニッケル(γ−N
iOOH)を、出来るだけ作らないようにすることが重
要で、後者については、高温時に於けるニッケル極の酸
素過電圧を大きくしてやり、充電電気エネルギーの一部
を酸素ガス発生に消費されないようにすることが重要で
ある。これら(2)、(3)については、遷移金属、遷
移金属化合物を添加することが焼結式の頃から一般的と
なっているので、これが一つの指針となる。
【0006】添加する遷移金属元素としては、一般に、
カドミウム(Cd)、コバルト(Co)が広く知られて
おり、その添加形態としては水酸化ニッケル(Ni(O
H)2 )粒子の内部にニッケル原子(Ni)と共に固溶
化させてしまう方法(=共沈添加法)とNi(OH)2
粒子と共に遷移金属或いは遷移金属化合物(主として酸
化物或いは水酸化物)粒子をペースト混練時に混ぜ込ん
でしまう方法(=混合添加法)の2種類がある。
【0007】しかしながら、最近になって、環境面から
の電池に対する意識が高くなり、例えばニッケル・水素
電池のニッケル極に含まれる非常にわずかなカドミウム
に付いても、規制強化を意識して完全除去する傾向が一
般的になりつつある。
【0008】そこで、カドミウムに代えて亜鉛又は亜鉛
化合物を添加する方法が、例えば、特開平2−3006
1、特開平3−77273に提案されている。前者は、
共沈添加法で後者が混合添加法に依るものである。これ
らの内、後者の混合添加法に付いては上述(2)の電極
膨潤率、上述(3)の高温、低レートの充電高率何れも
無添加のそれに比べて明確な差異を生じない事が認めら
れた。前者の共沈添加法に付いては、その添加量まで規
定したものは亜鉛のみで、3〜10wt%の範囲であ
り、その効果は上述(2)の電極膨潤率の低減のみに終
始している。即ち、それは亜鉛、コバルトの組み合わせ
に依る共沈添加量の適正化やその粒径、タップ密度、比
表面積、結晶歪、結合エネルギーの適正化のバランスを
考慮していない為、カドミウム同量添加のそれに比べて
高温低レートの充電効率が約15〜20%程度劣ってい
るもので、アルカリ電池のニッケル極中のカドミウム・
フリー化は達成されたものの上述(3)の充電効率に付
いては根本解決に至っていないのが実状である。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明に係わるアルカ
リ蓄電池は、耐アルカリ性金属多孔体に、水酸化ニッケ
ル粉末を主体とし、導電剤、結着剤を加えて充填してな
るニッケル正極を備えたアルカリ蓄電池において、前記
水酸化ニッケル粉末は、金属換算で亜鉛を1.0〜5重
量%、コバルトを1.5〜5重量%共沈状態で含有し、
かつX線粉末回折法による(101)面ピーク半価幅が
0.8°/2θ以上であることを特徴とするものであ
る。本発明に係わる別のアルカリ蓄電池は、耐アルカリ
性金属多孔体に、水酸化ニッケル粉末を主体とし、導電
剤、結着剤を加えて充填してなるニッケル正極を備えた
アルカリ蓄電池において、前記水酸化ニッケル粉末は、
金属換算で亜鉛を1.0〜5重量%、コバルトを1.5
〜5重量%共沈状態で含有し、かつ熱重量測定(TG)
の熱分解[Ni(OH)2→NiO+H2O]の温度が2
70℃以下であることを特徴とするものである。このよ
うな本発明によれば、カドミウム・フリーのニッケル正
極の作製が可能になり、特に前記2つの課題、即ち過充
電時の電極膨潤抑制のみならず高温時の充電効率に優れ
たアルカリ蓄電池を提供することができる。
【0010】
【作用】本発明の通り、アルカリ蓄電池用ニッケル極に
用いる水酸化ニッケル粉末内部に金属換算で亜鉛を1.
0〜2.5wt%、コバルトを1.5〜5.0wt%、
ニッケルと共に、共沈状態で含ませ、且つ、前記水酸化
ニッケル粉末を平均粒径5〜30μm、比表面積を8〜
25m2 /gの球状とし、そのX線粉末回折法に依る
(101)面ピーク半価幅を0.8%/2θ以上、TG
に於ける熱分解温度を270℃以下にする事に依って、
カドミウム・フリーのニッケル極作製を可能とし、特
に、過充電時の電極膨潤抑制のみならず高温時の充電効
率に優れたアルカリ蓄電池を提供することができる。
【0011】こうする事の理由は、以下の(a)〜
(d)の4つに集約される。
【0012】(a)水酸化ニッケルに亜鉛やカドミウム
といった遷移金属を共沈添加すると何も添加しない場合
に比べて過充電時に於ける電極膨潤を抑制出来る事が認
められている。勿論、その効果の度合いは、共沈する遷
移金属種類に依っても、その共沈量に依っても変わって
くることは言うまでもない。その膨潤のメカニズムは、
大局的には水酸化ニッケルがヨウ化カドミウム形の層状
結晶構造をとっており、充放電毎にプロトンやカチオン
がこの層間を出入りする為に、歪んで層と層の間隔が広
がっていく事に起因するとされている。(特に、過充電
時には、これがγ−オキシ水酸化ニッケル(γ−NiO
OH)となる。)
【0013】特に、遷移金属を適量共沈添加する事によ
って、特に、プロトンの拡散に支障を与えず、この層と
層の結合力を高める効果を引き起こす為、利用率を損な
う事無く、膨潤を抑制できるものと推測される。この層
間の結合力(=結合エネルギー)そのものを直接、測定
する術は今の所、出来ないが、著者らは検討に依り、例
えば熱分析に依って定性判断が出来ることが判った。熱
分析法には、例えば、熱重量測定(Thermogra
vimetry;TG)や示差熱分析(Differe
ntial Thermal Analysis;DT
A)がある。例えば、既に良く知られている無添加の水
酸化ニッケルよりもカドミウム共沈添加の水酸化ニッケ
ルの方が、そしてカドミウム共沈添加の水酸化ニッケル
依りも亜鉛共沈添加の水酸化ニッケルの方が定性的では
あるが、TGに依る熱分解温度が大きい事が認められ
る。更に、カドミウム、亜鉛に関して言うならば、金属
換算にして上限10wt%程度迄ならば、添加量が多い
程、この熱分解温度は大きい事が認められる。この熱分
解温度には、電池特性上、適正領域がある。大き過ぎる
場合は、プロトン拡散に支障を来し、ニッケル極の利用
率が下がり、小さ過ぎる場合は、直接、電極膨潤増大に
つながるので好ましくない。水酸化ニッケルのTGに於
ける熱分解温度の上限値は、270℃程度で、下限値
は、著者らは厳密には明らかにしていないが、恐らく2
00℃前後であるものと思われる。尚、遷移金属を共沈
添加した高密度球状水酸化ニッケルの場合、通例、27
0℃を越えるTGをもつのが一般的である。
【0014】(b)水酸化ニッケルに亜鉛、カドミウム
といった遷移金属元素を共沈させると、充電時に於ける
その酸素過電圧が大きくなる事が認められている。酸素
過電圧とは、通常、下記2つの反応が起こる電位の差を
指す。
【0015】 Ni(OH)2 +OH- →NiOOH+H2 O+e- (1) OH- → 1/2 H2 O+ 1/402 ↑+e- (2) 同じレート、同じ深度で充電する時、充電効率を上げる
為には、上式(1)の反応電位を出来るだけ下げて、上
式(2)の反応電位を出来るだけ上げて(1)式の反応
に出来るだけ充電電気エネルギーが使われる様にしてや
れば良い。即ち酸素過電圧を大きくしてやれば良い。
【0016】例えば、コバルト(Co)を水酸化ニッケ
ルに共沈させてやると充電時に於ける水酸化ニッケルの
充電電位(上式(1)の反応が起こっている時の電位)
を無添加の場合に比べて下げる事が出来る。カドミウム
(Cd)や亜鉛(Zn)を共沈すると無添加の場合に比
べて酸素発生電位(上式(2)の反応が起こっている時
の電位)を上げる事が出来る。
【0017】この様に、添加する遷移元素の種類を選択
し、上式(1),(2)の反応電位調整を行う事に依っ
て、酸素過電圧を大きくしてやれば、その充電効率を、
無添加の場合に比べて飛躍的に向上させることが出来
る。
【0018】これ迄、ペースト式ニッケル極としてCo
とCdを共沈させた水酸化ニッケルが広く用いられた理
由の一つは、上述の様に酸素過電圧が大きくなって充電
効率が上がる事に負う所が大きい。
【0019】(c)更に、出来上がりの水酸化ニッケル
には、その利用率(=充放電効率)の観点から、その結
晶歪と粒径、タップ密度、更に表面積が重要なポイント
となる。水酸化ニッケル粒子の結晶歪、粒径、タップ密
度、表面積を適正化する事は上述(b)項の(1)式の
反応電位(逆の方向の反応に付いても同様)を下げ、そ
の反応を起こし易くするのに役立つ。((b)項(2)
の反応式には直接的には関係ない。)一般的に、正極に
於ける充放電プロセスは、水酸化ニッケル粒子内部の層
間をプロトン(H+ )が拡散するプロセスと、このプロ
トンが外部回路から出入りする電子(e- )とニッケル
基板−導電剤を介して電気的に中和反応するプロセスの
2つに分けて考えられる。
【0020】前者の水酸化ニッケル粒子内部のプロトン
拡散をスムーズにするには結晶歪を或る程度大きくして
やらなければならない。結晶歪を判断する尺度として
は、X線粉末回折法(X−Ray Powder Di
ffraction method;XRD法)に於け
る、例えば(101)面のピーク半価幅に依っても可能
である。((101)面に限らず、(001)面,(1
00)面の半価幅で結晶歪の尺度に対する知見を得ても
考え方は全く同様である。)ピーク半価幅が大きければ
大きい程、結晶は歪んでいるといえる。又、結晶を歪ま
せたものは、一般的に、水酸化ニッケルの結合エネルギ
ー(O−H,Ni−O)が小さくなるので、既に述べた
TGやDTA等に代表される熱分析法に依ってその結合
エネルギーを測定しても、結晶歪の判断基準を得る事が
出来る。しかし本来、結晶歪と結合エネルギーとは水酸
化ニッケルの電池特性に与える指標としては全く別のも
のである。これらに付いて著者等は、類似特許として特
開平4−328255、特開平4−328257にて既
に出願済みである。
【0021】後者のプロトン(H+ )と電子(e- )の
中和プロセスには、既に述べた様にニッケル極としての
導電性が寄与している。これは、ペースト調製時に於け
る水酸化ニッケル粒子と導電剤粒子との混合分散性とそ
れ等が充填されるニッケル基板の集電体バルク迄の距離
といった物理的な問題と水酸化ニッケル粒子表面の反応
面積といった化学的な問題に分けられる。基板、導電剤
限定下では、これらの問題に付いては、水酸化ニッケル
粒子の粒径(これは平均粒径で代用できる)及びタップ
密度と水酸化ニッケルの表面積(これは比表面積で代用
できる)が重要である。粒径、タップ密度、表面積いず
れも適正下におかないとニッケル極としての導電性、反
応速度の点で利用率を落とす事になってしまう。
【0022】(d)水酸化ニッケル粒子は球状もしくは
これに類似した形状のものが好ましい。そもそも水酸化
ニッケルの結晶形態は、前述の通りニッケルの硫酸錯イ
オンを水酸化ナトリウムで中和していく過程で、対流さ
え起こさなければ六方晶系をとるはずである。更に、こ
の場合PH管理や温度管理を行っても、大バッチ・スケ
ールで中和する場合、対流を起こさずして、中和槽の濃
度勾配を無くすのは非常に難しいか、或いは、非効率的
である。この様な中で水酸化ニッケル粒子の結晶核数、
結晶成長の管理、引いては結晶粒径を規定するのは、か
なり難しい。この場合、結晶粒子を作製した後、粒度調
整の為、粒子破砕、ふるいの工程を設けざるを得ない。
これは、工数を増やす方向なので非常に非効率的であ
る。もし粒径規定をしなければ、先ず、ニッケル極とし
ての充填量が異なってしまい、電池間の容量バラツキが
大きくなってしまう。更に、1つの電池の中のニッケル
極に極端な粒径差をもつものがあると、充放電中に電流
密度差を生じてしまい、一枚のニッケル極の中で分極の
度合いが、異なってくる為に、実際に充放電に寄与して
いる部分への電流集中を招くことになるから、サイクル
劣化を促進する事になる。更に、安定に結晶粒径を規定
する為の、結晶核及び結晶成長を規定する為には、“徐
々に生成、成長させる”といった立場から、中和過程で
対流を起こさせることが必要で、又、対流を起こすと必
然的に、程度の差こそあれ粒子が球状になってしまう。
【0023】以上の理由により、最初から、水酸化ニッ
ケル粒子は球状にするのが好ましいと判断される。
【0024】以上、電極膨潤の抑制、利用率特に高温低
レートの充電効率向上の2つの為に、必要なファクター
を水酸化ニッケル粒子に付いて(a)〜(d)の4つに
しぼって詳述して来た。大切な事は、これら4つのファ
クターのバランスである。以下、これ等5つのファクタ
ーの観点から、主として電極膨潤の抑制、利用率特に高
温低レートの充電効率等がどの様になるのかを実施例に
て具体的に述べていく。
【0025】
【実施例】以下、発明の詳細を実施例により説明する。 (実験1)ここでは、水酸化ニッケルに亜鉛を金属換算
で2wt%、コバルトを2wt%添加し球状となし、X
RDに於ける(101)面のピーク半価幅を0.95°
/2θ、TGに依る熱分解温度を260℃と限定した時
のその平均粒径、タップ密度、比表面積の電極膨潤率及
びニッケル極利用率に与える影響に付いて述べる。
【0026】先ず、金属ニッケル(Ni)及び金属亜鉛
(Zn)、金属コバルト(Co)を硫酸水溶液に溶解さ
せ、ニッケル錯イオン及び亜鉛錯イオン、コバルト錯イ
オンを形成させ、これを対流を起こさせた水酸化ナトリ
ウム水溶液に滴下し、徐々に亜鉛とコバルトを固溶化さ
せた水酸化ニッケル粒子を成長させる。対流水溶液の中
で結晶化させることによって、出来上がりの水酸化ニッ
ケル粒子を球状にし、且つ結晶成長そのものを緩やかに
出来るのでポアの少ない高密度のものとすることが出来
る。亜鉛を共沈した水酸化ニッケル結晶の大きさは、硫
酸水溶液中のニッケル及び亜鉛、コバルトの錯イオンを
水酸化ナトリウム水溶液で中和する時に、亜鉛、コバル
トを固溶化した水酸化ニッケルの結晶核をあまり作らな
いようにして結晶成長にその成分が使われる様に温度及
びPHコントロールする事によって大きくすることが出
来る。平たく言えば、大きな結晶を作るには、温度コン
トロールは転移温度に近い所(この場合40℃付近)、
PHコントロールは、弱塩基等を用いて、出来る限り中
和に近い所で準安定領域(この場合PH11付近)を作
ってやることが重要である。小さな結晶を作るには、大
きな結晶に成長する前に適当に反応をストップさせれば
良い。そうする事に依ってXRD、(101)面ピーク
半価幅やTGの分解温度を一定にしつつ水酸化ニッケル
粒子の粒径コントロールが可能となる。この様にして、
表1に示す様なA〜Fの6種類の2wt%亜鉛、2wt
%コバルト共沈水酸化ニッケルの結晶を作った。粒径に
付いての確認は、出来上がりの水酸化ニッケル粒子を公
知のレーザー法に依り粒度分布を取り、その累積50%
の値をもって平均粒径とし、タップ密度に付いては、2
0cm3 の容器を用い、200回のタッピングを行な
い、公知の方法にて算出した。(使用機器;SEISH
IN TAPDENSER KYT300)。比表面積
に付いては、公知の窒素BET吸着法に依って測定し
た。又、A〜Fの任意の水酸化ニッケル粒子を塩酸に溶
解させて公知の原子吸光分析法にて定量するとともに、
公知のX線粉末回折法に依って亜鉛及びコバルト単独の
ピークが出ない事を確認し、2wt%亜鉛2wt%コバ
ルト共沈水酸化ニッケルである事を確認した。同時に、
その時の(101)面のXRD回折ピークの半価幅を
0.95°/2θである事を確認した。水酸化ニッケル
粒子形状に付いては全て、球状である事を電子顕微鏡に
て確認した。
【0027】
【表1】
【0028】しかして、この様にして得られた種々の平
均粒径、比表面積、タップ密度を有する亜鉛、コバルト
共沈水酸化ニッケル粉末100wt%に対して、特願平
03−006953、03−006954等に示す一酸
化コバルト(CoO)10wt%を加えて、公知のカル
ボキシメチルセルロース等の増粘剤、水と共に混練しペ
ースト状として、これを多孔度95%、平均孔径200
μmのニッケル・メッキ金属多孔体に充填し、乾燥、成
形する事によって、任意のニッケル正極板とした。
【0029】一方、これと並行して、市販のMm(ミッ
シュ・メタル:希土類元素の混合物),Ni,Co,M
n,Alを元素比で4.0:0.4:0.3:0.3の
割合になるようにひょう量した後、高周波溶解炉で溶解
し、その溶湯を冷却する事に依ってMmNi4.0 Co
0.4 Mn0.3 Al0.3 で示される合金のインゴットを作
製した。次に、このインゴットを機械粉砕し、シーブ・
カットにて粒径50μm以下とし、水素吸蔵合金粉末と
した。この水素吸蔵合金粉末にカルボキシメチルセルロ
ース等の増粘剤、水、カーボンを加えてペースト状とし
これを公知のパンチド・メタルに塗工、乾燥、成形する
事に依って、負極とした。
【0030】しかして、この様にして得られた正、負極
板に親水処理したポリオレフィン系不織布セパレータ、
水酸化カリウムを主体とする電解液、金属電池容器及び
金属蓋等の各パーツと組み合わせてニッケル水素電池を
作製した。そして、25℃下15時間のエージングを経
た後、0.1CmAの電気量で15h充電し、30分の
休止をおいた後、1.0CmA/1.0V cutの放
電を行なった。(これを初充放電とする。)。この電池
を2種類に分け、1つ目を0.3CmAの電気量で15
0%の深度まで充電し、1.0CmA/1.0V cu
t放電する事を300サイクル迄繰り返し、そのニッケ
ル極利用率推移を測定し、2つ目を、0.3CmAの電
気量で150%の深度迄充電し、1.0CmA/1.0
V cut迄放電する事を20サイクル繰り返した後、
0℃下で0.1CmAの電流で30日充電し、25℃下
で1.0CmA/1.0V cut放電した後、電池を
分解し、ニッケル極の厚みをマイクロ・メーターで測定
し、最初のニッケル極の厚みとの比率をもって、0℃、
0.1CmA過充電に於ける電極膨潤率とした。前者を
図1に、後者を図2に示した。
【0031】図1から、B,C,D,Eの水酸化ニッケ
ル粒子を用いたものが、適切である事がわかる。
【0032】F粒子が、その利用率低下を招く主因は、
平均粒径(50.0μm)が大き過ぎる事とタップ密度
(1.3g/cm3 )が小さ過ぎる事が主因であるもの
と思われる。比表面積に付いては、比表面積の差が比較
的少ないE粒子とF粒子を比較する事に依って、その影
響の少ない事が判る。事実、Fの水酸化ニッケル粒子を
用いたニッケル・ペーストをニッケル・メッキ金属多孔
体に充填、乾燥、成形した時点での電極の状態を観察す
ると、充填ムラに依る緑色(水酸化ニッケルの色は緑
色)の濃淡差が、B,C,D,Eの水酸化ニッケルを用
いたそれに比べて著しいものであった。水酸化ニッケル
粒子の充電ムラは、その電極に於ける電解液分布に影響
を与える為、必然的に、上記のエージング、初充放電と
いった電池を活性化するプロセスで、前記一酸化コバル
トに依る導電マトリックスの形成度合いに差を与える事
になる。1枚の電極に於いて導電マトリックス形成度合
いが場所に依って異なっていれば、当然、不均一反応を
起こし、導電性の高い部分に電流が集中してしまい、結
果的に容量低下を来すことになる。又、A粒子を用いた
ものが、F粒子を用いた程ではないが、比較的大きな利
用率の低下が見られる。これは、粒径(平均粒径1.3
μm)が小さくなり過ぎた事による、タップ密度の減少
(1.6g/cm3 )に伴い、上記一酸化コバルトとの
混合分散性が十分でない為と推測される。更に、図1か
らA粒子を用いたものは、特にサイクル初期から利用率
が他のものより劣っていることが判る。これは、粒径減
少→比表面積増大に伴い、活物質ペースト作製時に、粘
度安定の練り液を沢山加えなければならなかった事が起
因している。実際、A粒子を用いたものは、28.3m
2/gもの大きな比表面積を持ったものが得られてい
る。
【0033】図2に付いても、図1と同様な傾向が認め
られる。即ち、図1でサイクルに対する利用率低下の大
きいもの程、電極膨潤率が大きい事が判る。これは、既
に述べた様に、水酸化ニッケルの平均粒径が適正範囲に
ないと前述の一酸化コバルトに依る導電マトリックスが
不十分である為、導電性の高い部分に電流集中を起こし
てしまい、その為、その部分にγ−NiOOHが出来、
更に、このγ−NiOOHを放電すべき電解液がこの部
分に不足してしまう為に、γ−NiOOHが一旦生成す
ると、その生成に拍車がかかってしまう。γ−NiOO
H自体は、β−Ni(OH)2 及びβ−NiOOHに対
して導電性が劣るばかりか、低密度で体積が大きい為
に、電極膨潤を促進させているものと思われる。以上、
表1、図1、図2からB,C,D,Eの水酸化ニッケル
粒子を用いたものが適切であると言える。
【0034】もう一度、製造条件を振り返る為に、表1
に付いて説明を加えておく。表1に於けるA〜Fの水酸
化ニッケル粒子は、その結晶歪の1つの尺度であるXR
Dに於ける(101)面のピーク半価幅を0.95°/
2θに限定し、亜鉛、コバルトを金属換算でそれぞれ2
wt%、2wt%共沈添加したものである。この条件下
に於いては一般的に、平均粒径、タップ密度、比表面積
の3つの内、どれか1つを大きくしたり、小さくしたり
制御する事は比較的難しい。
【0035】即ち、水酸化ニッケル粒子が球状で、その
内部空隙体積の影響を無視出来る領域に於けるものと仮
定すると、一般的に、平均粒径が小→大となれば、比表
面積は大→小となる。これは、次の式から容易に判断で
きる。
【0036】
【数1】
【0037】事実、表1上でA粒子からF粒子へと平均
粒径が大きくなるにつれて、その比表面積は小さくなっ
ている。更に、一般的に、或る領域に於いて粒径が小→
大となれば、タップ密度は小→大→小となる。表1上に
於いてもA粒子からF粒子へと平均粒径が大きい方へ移
っていくと、そのタップ密度は1.6g/m2 (A粒
子)から2.3g/m2 (C粒子)の極大値をとり、再
び1.3g/m2 (F粒子)へと下がっている事が確認
できる。これは、タップ密度そのものが、(a)粒子の
帯びる静電気力、(b)粒子の質量、(c)粒子と粒子
の隙間の3つを主なバランスとして成り立つものである
と推測すると判り易い。即ち、粒径が非常に小さいと
(a)の静電気を帯び易くなるとともに、(c)の質量
が軽くなるので粒子と粒子が互いの斥力で離れてしまう
為、粒子の最密充填が出来なくなってタップ密度が下が
ってしまう。全く逆に、粒径が非常に大きいと、(b)
の粒子の質量が大きいので(a)の静電気力の影響を受
け難くなるものの、(c)の粒子と粒子の隙間が大きく
なる為、最密充填されてもやはりタップ密度は下がって
しまう。即ち、粒径が小さ過ぎず、大き過ぎない領域に
タップ密度が高い値をとるところが存在する。
【0038】以上、平均粒径、タップ密度、比表面積の
3つは、ある程度の相関を有し、ある程度連動して動く
為、3つの内、どれか1つを大きくしたり、小さくした
りそれぞれ独立且つ厳密に制御する事は、比較的難し
い。しかし、これら3つは電池製造上或いは電池特性上
それぞれ独立ファクターとして寄与する為、既に述べた
範囲に属するものが良い。
【0039】本実験に付いて総括すると、水酸化ニッケ
ルに亜鉛、コバルトを金属換算でそれぞれ2wt%,2
wt%添加し、XRDに於ける(101)面のピーク半
価幅を0.95°/2θ、TGに於ける熱分解温度を2
60℃と限定した時は平均粒径5〜30μm、タップ密
度1.8g/m2 以上、比表面積8〜25m2 /gが、
特に、特願平03−006953、03−006954
等に示す一酸化コバルトとの相性が良く、又、練り液も
従来通りで、多くを必要とせず、均一充填性も高く、利
用率も十分である事から適切な範囲といえる。
【0040】(実験2)実験1では、亜鉛2wt%、コ
バルト2wt%、ニッケルとともに共沈し、そのXRD
に於ける(101)面の半価幅を0.95°/2θ、T
Gに於ける熱分解温度を260℃とした水酸化ニッケル
を用いた時は、平均粒径が、5〜50μm、タップ密度
が、1.8g/cm3 以上、比表面積が8〜25m2
gであるものが良い事を述べた。
【0041】本実験では、遷移金属元素の添加量の規定
に付いて述べる。全ての組み合わせに付いて言及するに
は難があるので、コバルト共沈量を0,0.5,1,
1.5,3,5,8wt%の7種類に、亜鉛共沈量を
0,0.5,1,1.5,3,5,8,10wt%の8
種類としその組み合わせから生じる合計56種類の水酸
化ニッケル粒子を作製し、これを用いた時の充電効率と
過充電電極膨潤率の評価結果に付いて述べる。尚、上記
56種類の水酸化ニッケル粒子は、それぞれコバルト及
び亜鉛の共沈量が異なるのみで、粒子形状は球状、その
大きさは平均粒径10μm、タップ密度2.2g/cm
3 、比表面積18.0m2 /gのもので、水酸化ニッケ
ル粒子の作り方は勿論の事、電池構成パーツから組立方
法、初充電方法にいたる迄、実験1と同様な方法で行っ
た。
【0042】その後、0.3CmAの電流で150%の
深度まで充電し、1.0CmA/1.0V cut迄放
電する事を20℃以下で20サイクル繰り返し、放電容
量を安定させた後、これを2つに分け、1つ目を実験1
と同様な電極膨潤率の評価にまわし、2つ目を、先ず2
0℃下で0.1CmAの電流で150%の深度迄充電
し、20℃下で1.0CmA/1.0V cutの放電
を行ない、その放電容量を20℃下0.1CmA、15
0%充電時の充電量の基準値とし、その後、45℃下で
0.1CmAの電流で150%の深度迄、充電し、20
℃下で1.0CmA/1.0V cutの放電を行な
い、その放電容量の前記充電量基準値に対する比率をも
って、これを充電効果の評価とした。
【0043】充電効率の結果を、図3、過充電電極膨潤
率の結果を図4に示す。何れも比較例として、従来のカ
ドミウム・フリー・タイプである5wt%亜鉛、1wt
%コバルト共沈水酸化ニッケルを用いた場合のものを図
中に実線で示しておく。
【0044】先ず、45℃の充電効率から説明してい
く。図3から、概括的に見て、何れの場合も亜鉛の共沈
量が増えるに従い、充電効率が上昇し、1.0〜1.5
wt%付近でクリティカル・ポイントをとり2.5wt
%以上で飽和に達しているのが認められる。特に、その
大小関係に付いて、充電効率がコバルト0〜1.0wt
%の群とコバルトが1.5〜8.0wt%の群にハッキ
リ分かれている事が判る。この事は、コバルト、亜鉛の
組み合わせに依る共沈添加の場合、充電効率に対するコ
バルト共沈量のクリティカル・ポイントが1.5wt%
付近にある事を意味している。即ち、平たく言えば、コ
バルト共沈添加は1wt%では足りず少なくとも5wt
%を越える領域では、充電効率向上の為には、非効率的
であると言える。その事は、ニッケル以外の遷移金属元
素を水酸化ニッケル粒子中に添加していく事は水酸化ニ
ッケルの純度を減らし、容量を損ねる方向であるから、
出来るだけ共沈添加量を抑える事が重要であるという考
えに基づく。
【0045】結局、従来の亜鉛5wt%、コバルト1w
t%共沈タイプの水酸化ニッケルを用いた時の充電効率
(65%)を、水酸化ニッケル純度とのバランスをとり
ながら上回る領域は、コバルトの共沈量が1.5〜5.
0wt%、亜鉛の共沈量が1.0〜2.5wt%である
と言える。
【0046】次に、過充電電極膨潤率に付いて説明す
る。図4から概括的に見て何れの場合も亜鉛の共沈量が
増えるに従い、電極膨潤率が減少し、1.0〜2.5w
t%でクリティカル・ポイントをとり、5wt%を越え
る領域に於いて、飽和に達しているのが認められる。そ
してその傾向が上記充電効率の様にコバルト共沈量の組
み合わせに於いて2つに分かれている。即ち、コバルト
0〜1.0wt%の群よりもコバルト1.5〜8.0w
t%の群の方が亜鉛との組み合わせによる共沈添加量が
0.5wt%未満では電極膨潤率が大きいもののその減
少率が大きく、0.5wt%以上では逆に電極膨潤率が
低くなっている事が判る。これは、コバルトと亜鉛の機
能が異なりコバルトは、(亜鉛に比べて)水酸化ニッケ
ルの充電反応(“作用”(b)項(1)式の反応)を起
き易くするのには効果的で、亜鉛は、(コバルトに比べ
て)電極膨潤抑制に効果的である事に起因するものと思
われる。即ち、電極膨潤率抑制効果のある亜鉛の共沈添
加量の少ない領域に於いて充電反応を起こし易くするコ
バルトが必要量添加されている場合(この場合、1.5
〜8.0wt%)、過充電に陥り、低密度、高次酸化物
であるγ−NiOOHを多量に生成する為、結果的に電
極膨潤を起こしてしまうが、これは亜鉛の共沈添加量の
増加と供に電極膨潤は抑制され、コバルト共沈添加
(1.5〜8.0wt%)が水酸化ニッケル粒子全体を
均一に反応させる様に寄与する為に、コバルト共沈量の
少ないもの(0〜1.0wt%)よりも電極膨潤率が少
なくなるものと思われる。
【0047】周知の様に、電極膨潤率は出来るだけ、抑
制する事が好ましく、その事は、サイクル特性を向上さ
せることに貢献する。その目安は、例えば、(実験1)
の所から、約130%程度(E粒子を用いた場合)以下
という事が出来る。この事から判断すると、図4に於い
て亜鉛の共沈量が1.0wt%以上、コバルトが1.5
wt%以上であれば、何れの組み合わせでも、図1の
B,C,D,Eの様な良好なサイクル特性が得られる事
が予想される。
【0048】一方、既に述べた様に、共沈添加元素の量
は多い方が、電極膨潤率を抑制出来るが、必要以上に添
加する事は水酸化ニッケル純度を損なうことになるから
好ましくない。即ち、電極膨潤率を130%以下に抑制
しつつ水酸化ニッケル純度とのバランスを考慮とする
と、図3(充電効率)の結果も含めて、コバルト共沈量
は1.5〜5.0wt%、亜鉛共沈量は1.0〜2.5
wt%が適正領域と言える。事実、この斜線部の領域の
ものは図1に示すB,C,D,E粒子の様な安定したサ
イクル・トレンドが得られた。
【0049】以上、充電効率、電極膨潤率の適正範囲
は、何れの場合も水酸化ニッケル粒子中の水酸化ニッケ
ル純度とのバランスから、亜鉛共沈量が1.0〜2.5
wt%、コバルト共沈量が1.5〜5.0wt%組み合
わせによる領域が適正であると言える。
【0050】以上は、水酸化ニッケル粒子形状を球状、
平均粒径10μm、タップ密度2.2g/cm3 、比表
面積18m2 /g、XRD,(101)面のピーク半価
幅0.95°/2θ、TGに於ける熱分解温度が260
℃と限定した場合に付いて述べてきたが、平均粒径5〜
30μm、タップ密度1.8g/cm2 以上、比表面積
8〜25m2 /g、XRDに於ける(101)面のピー
ク半価幅が0.8°/2θ以上、TGに於ける熱分解温
度が270℃以下であっても、同様な傾向が得られた。
即ち、亜鉛共沈量が1.0〜2.5wt%、コバルト共
沈量が1.5〜5.0wt%が適正領域である。
【0051】(実験3)ここでは、水酸化ニッケル粒子
に金属換算で亜鉛を2wt%、コバルトを2wt%添加
して球状となし、その平均粒径を10μm、タップ密度
を2.2g/cm3 、比表面積を18m2 /gと限定し
た時のXRDの(101)面に於けるピーク半価幅及び
TGAに於ける水酸化ニッケルの熱分解温度のサイクル
特性に与える影響に付いて述べる。
【0052】水酸化ニッケル粒子の製造方法は、(実験
1)のところで述べたものと基本的に同様であるが、こ
こでは、XRDの(101)面ピーク半価幅及びTGA
の熱分解温度を意図的に振る為に、酸の中で錯イオン状
態にあるものを塩基で中和し塩とする際に、PH、錯イ
オン濃度、中和浴温度のコントールを行い、結晶成長速
度を種々に変えて作製した。尚、XRD測定装置には、
島津製作所(株)製XD−3A型(XR管球はCu・K
α)を用い、TGA測定装置には、セイコー電子工業
(株)製SSC−5200、TG、DTA−320型を
用いた。
【0053】しかしてこの様にしてXRDに於ける(1
01)面相当38.7°付近ピークの半価幅が0.4、
0.6、0.8、1.0°の水酸化ニッケル粒子G,
H,I,J及びTGに於けるNi(OH)2 →NiOへ
の熱分解温度が260,270,280,290℃の水
酸化ニッケル粒子K,L,M,Nを得た。XRDチャー
トの一例を図5に、TGAチャートの一例を図6に示
す。
【0054】更に、これらG,H,I,J,K,L,
M,Nの水酸化ニッケル粒子を用いる以外は、電池構成
パーツから組立方法、初充電方法、サイクル評価に至る
まで、既に述べた実験1と全く同様なものとした。
【0055】水酸化ニッケル粒子G,H,I,Jのサイ
クル評価の結果をそれぞれ図7に、水酸化ニッケル粒子
K,L,M,Nのサイクル評価の結果を図8に示す。
【0056】図7から水酸化ニッケルのXRDに於ける
(101)面の半価幅は、0.8°以上のもの(I,J
粒子を用いたもの)がサイクルに対する水酸化ニッケル
利用率の劣化が少なく良好であり、図8から熱分解温度
は、270℃以下のもの(K,L粒子を用いたもの)が
サイクルに対する水酸化ニッケル利用率の劣化が少なく
良好である事が判る。これは、既に述べた様に水酸化ニ
ッケル粒子中のプロトン拡散の度合いに結び付けて考え
られる。XRDに依る半価幅は、水酸化ニッケルの結晶
歪に関するもので、TGに依る熱分解温度は結合エネル
ギーに関するものであり、全く別のものではあるが、結
晶構造を或は程度歪ませ、結合エネルギーを或る程度小
さくしたものでないと、プロトン拡散がスムーズに起こ
らないものと推測される。プロトン拡散がスムーズに起
こらないものは初期から利用率が低く、サイクル進行と
ともにこの現象はやや緩和され、利用率もやや上向く
が、分極も大きくなりがちなので、部分的に過充電現象
を招き易い為、サイクル劣化が比較的早く起こる。サイ
クル劣化のスピードの一因としてプロトン拡散のスムー
ズさと、充放電に伴う水酸化ニッケルの膨潤と収縮に対
する耐久性のバランスが挙げられる。
【0057】以上、水酸化ニッケル粒子に金属換算で亜
鉛を2wt%、コバルトを2wt%添加して球状とな
し、その平均粒径を10μm、タップ密度を2.2g/
cm3、比表面積を18m2 /gと限定した時は、XR
Dに依る(101)面の半価幅が0.8°以上、TGA
に於ける熱分解温度が270℃以下のものが利用率、サ
イクル特性に優れている事が判った。又、平均粒径5〜
30μm、タップ密度1.8g/cm3 以上、比表面積
8〜25m2 /gのものに付いても同様な傾向が得られ
た。即ち、XRDに依る(101)面の半価幅は0.8
°以上、TGAに依る熱分解温度は270℃以下が適正
である。又、本発明の実施例に付いては、ニッケル水素
電池を例にとって説明してきたが、必ずしもこれに限定
されるものではなく、正極に水酸化ニッケルを用いるア
ルカリ蓄電池ならば基本的に全て同様な結果が得られ
る。
【0058】
【発明の効果】以上、本発明の通り、アルカリ蓄電池用
ニッケル極に用いる水酸化ニッケル粉末内部に亜鉛を
1.0〜2.5wt%、コバルトを1.5〜5.0wt
%ニッケルと共に共沈状態で含ませ、その平均粒径を5
〜30μm、タップ密度を1.8以上、比表面積を8〜
25m2 /g、XRDに於ける(101)面のピーク半
価幅を0.8°以上、TGに於ける熱分解温度を270
℃以下、そして球状とする事に依って、カドミウム・フ
リーで且つ従来の弱点であった過充電時の電極膨潤抑
制、充放電効率に優れたアルカリ蓄電池を提供すること
ができる。故にその工業的価値は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】水酸化ニッケルA〜Fを用いたニッケル水素電
池の正極活物質の利用率のサイクル特性図である。
【図2】水酸化ニッケルA〜Fを用いたニッケル水素電
池のニッケル正極の厚さの膨潤率である。
【図3】コバルトの各共沈量においての亜鉛の共沈添加
量による充電効率特性図である。
【図4】コバルトの各共沈量においての亜鉛の共沈添加
量によりニッケル正極の厚さの膨潤率である。
【図5】XRDチャート図である。
【図6】TGAチャート図である。
【図7】半価幅別水酸化ニッケルG〜Jの利用率のサイ
クル特性図である。
【図8】熱分解温度別水酸化ニッケルK〜Nの利用率の
サイクル特性図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−140036(JP,A) 特開 平5−21064(JP,A) 特開 平4−328255(JP,A) 特開 平4−328257(JP,A) 特開 平6−140036(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/14 - 4/62

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐アルカリ性金属多孔体に、水酸化ニッ
    ケル粉末を主体とし、導電剤、結着剤を加えて充填して
    なるニッケル正極を備えたアルカリ蓄電池において、 前記水酸化ニッケル粉末は、金属換算で亜鉛を1.0〜
    5重量%、コバルトを1.5〜5重量%共沈状態で含有
    し、かつX線粉末回折法による(101)面ピーク半価
    幅が0.8°/2θ以上であることを特徴とするアルカ
    リ蓄電池。
  2. 【請求項2】 耐アルカリ性金属多孔体に、水酸化ニッ
    ケル粉末を主体とし、導電剤、結着剤を加えて充填して
    なるニッケル正極を備えたアルカリ蓄電池において、 前記水酸化ニッケル粉末は、金属換算で亜鉛を1.0〜
    5重量%、コバルトを1.5〜5重量%共沈状態で含有
    し、かつ熱重量測定の熱分解[Ni(OH)2→NiO
    +H2O]の温度が270℃以下であることを特徴とす
    るアルカリ蓄電池。
  3. 【請求項3】 前記水酸化ニッケル粉末は、平均粒径が
    5〜30μm、タップ密度が1.8g/cm3以上であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載のアルカリ蓄
    電池。
  4. 【請求項4】 前記水酸化ニッケル粉末は、比表面積が
    8〜25m2/gであることを特徴とする請求項1〜3
    いずれか記載のアルカリ蓄電池。
  5. 【請求項5】 前記水酸化ニッケル粉末は、球状である
    ことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のアルカリ
    蓄電池。
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