JP3150987B2 - 建築物の基礎構造 - Google Patents
建築物の基礎構造Info
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Description
礎構造に関するものである。
2は、従来の杭打ち基礎で、鉄骨柱1のベースプレート
2が、杭9の上に設けられているが地表面より下に設け
られたフーチング12のアンカーボルト4に接合され、
更にその上に設けられるコンクリート製の基礎柱型13
内部に埋め込まれ、基礎柱型13が基礎梁(地中梁)1
4と一体化されている構造である。この工法は、鉄骨柱
1の下部に現場施工の鉄筋コンクリートの基礎柱型13
やフーチング12、及び基礎梁14などを設ける必要が
ある。これらにより建築物の重量を杭に伝えると共に、
基礎梁14は鉄骨柱の脚部に生じる曲げを負担し柱脚の
曲げ回転を止める役割を持っている。このように図2の
工法では柱脚の曲げ回転を止めようとするために複雑な
構造になっている。
基礎であり、耐圧板15と共に形成された基礎柱型13
に4本のアンカーボルト4を、各アンカーボルト4が角
型鋼管柱の4辺の線上それぞれに配置されるように埋め
込み、この上端部に鉄骨柱1のベースプレート2が地表
に露出した状態でナットで接合されている。 このように
基礎柱型13に埋め込まれたアンカーボルト4にベース
プレート2 が接続されていることにより鉄骨柱の脚部
が、基礎柱型13に鉛直方向及び水平方向の応力に対し
ては拘束された状態になっている。また表面に露出した
状態でベースプレート2がナットで接合されていること
により、鉄骨柱の脚部が曲げ回転に対しては極力無拘束
状態で基礎柱型13に接合されている構造である。
筋コンクリートによる基礎柱型13,耐圧板15,及び
基礎梁14などを設ける必要がある。これらの基礎は、
建築物の重量を地盤に伝達させる役割、また各鉄骨柱が
バラバラに動くのを防ぐ役割を有している。なお、図3
の基礎梁14は、地盤からの鉛直方向の反力に耐える役
割をも有している。
築に多大な土工事、及び鉄筋、型枠、コンクリート工事
という基礎工事が必要となる為、工期が長引き、工費も
高くつくという問題がある。上記の問題解決の為、基礎
梁に注目し、基礎梁を省略することを目的とした技術と
しては、例えば特開平2−164930号公報記載の基
礎構造が知られている。この技術は杭打ち基礎におい
て、図4のように杭11と柱1との接合部をコンクリー
ト中に埋設し、図5のように柱1をフーチング13中に
埋め込むことにより、杭と鉄骨柱を剛接合とし、鉄骨柱
の脚部の曲げ回転に対しては拘束状態としている。この
ように接合することによって、鉄骨柱の脚部に生じる曲
げモーメントを杭に伝達せしめ、一方、杭をこの曲げモ
ーメントを負担しうるようにして、従来必要とされてい
た基礎梁を省略した工法である。その実施例として前述
の図4,5が記載されている。
法において、鉄骨柱の脚部に生じる曲げモーメントを杭
に負担させるためには、図4のような1本杭の場合は、
鉄骨柱の径の3〜4倍の径を有する大径の鉄筋コンクリ
ート現場造成杭11が必要となり、杭の鉛直支持力が細
径のRC杭あるいは鋼管杭で充分である場合は、基礎梁
を省略しても杭工事に多大な労力を要し、建築全体の工
期が長引き、工費も高くつくといった問題がある。ま
た、図5のように鋼管杭9を用いる場合は、鉄骨柱の脚
部の曲げ回転を防ぐため、柱1本に対し、柱の周囲に杭
を平面的に数カ所打設して群杭とする必要が有り、建物
の自重に対する杭の鉛直支持力が鋼管杭1本あるいは数
本で充分な場合は、群杭とすることによる杭本数の増大
が杭工事に関わる労力を過大とし、また群杭と鉄骨柱を
剛接合するため、鉄筋コンクリートによる多大なフーチ
ング12が必要となり、工期が長引くだけでなく工費も
高くつくといった問題がある。
構の鉄骨柱と杭とを接合するに際し、鉄骨柱の脚部は杭
上端において、鉛直方向及び水平方向の応力に対しては
拘束、回転に対しては極力無拘束状態で直結することに
よって、1階の鉄骨柱の曲げは架構内で完結させ杭への
負担は行わないものとし、更に、基礎柱型、フーチン
グ、基礎梁を省略して工期短縮、工費及び職種の低減を
図っている。即ち、本発明の建築物の基礎構造は、鉄骨
架構の最下層の鉄骨柱の脚部となるベースプレートが、
杭の頭部内部の極力鉄骨柱の芯に近い位置に埋め込まれ
たアンカーボルトまたはスタッドボルトに固定され、か
つ該ベースプレートが表面に露出している構造とし、か
つ基礎梁を省略したことを特徴とする。このような構造
とすることにより、前記鉄骨架構の最下層の鉄骨柱の脚
部が、鉛直応力と水平応力には拘束され、曲げ回転に対
しては極力無拘束状態で杭に接合された構造となるので
ある。
げ回転に対して更に無拘束状態の接合とするには、例え
ば杭が鋼管杭である場合には、杭中空部に予め施工可能
な範囲で極力柱の芯に近付けた位置にアンカーボルトを
埋設し、このアンカーボルトに鉄骨柱下端のベースプレ
ートをナットで緊結し、さらに、該ベースプレートが露
出するようにコンクリートで前記アンカーボルトを固定
することによって、杭に対して柱脚部の曲げの伝達を減
少させた接合とすることができる。例えば、鉄骨建築架
構の最下層の角型鋼管柱1が取付けられる位置の4辺の
線上それぞれに アンカーボルトを配置せしめてコンクリ
ートにより固定し、このアンカーボルト4に角型鋼管柱
1下端のベースプレート2をナット5などで緊結するこ
とにより、柱脚部の接合状態を曲げ回転に対しては極力
無拘束状態とすることができる。
ート下端中央に取り付け、これを杭中空部に埋設し、ベ
ースプレートが露出されるようにスタッドボルトをコン
クリートで固定し、このベースプレート上端に柱を現場
溶接することも考えられる。杭には、架構の鉛直方向及
び水平方向の応力に耐え得る杭、例えば、鋼管杭のほか
既製のPC杭などが使用できるが柱脚部の曲げ回転に耐
える必要はない。また、表層地盤が軟弱で、杭からの水
平力に対する地盤の耐力が小さい場合、あるいは杭径よ
りも柱径が大きい場合は、柱と接合する杭の最上部を、
下層の杭径よりも大径とした拡頭杭とすることも有効で
ある。このように本発明では、柱脚部で曲げ回転に対し
極力無拘束状態にしているので、地震時などの水平外力
が建物に作用した場合に地震時などの水平外力が建物に
作用した場合に柱に生じる曲げモーメントは、ほとんど
上部の架構で負担するため、最下層の柱、梁部材断面は
柱脚剛接合で設計された架構より大きくなるものの、そ
の他の構造を簡単にできるので総合的には優れた構造に
なる。
しないため、杭は上部架構の自重及び地震時の水平力を
支える細径の鋼管杭などで対応できる。また、鉄骨柱と
杭とを直接、接合しているため柱からの鉛直荷重を杭に
伝達する基礎柱及びフーチングを省略することが出来
る。更に、杭が柱の水平方向の動きを拘束するため、ま
た鉄骨柱の脚部の曲げ回転拘束の必要性がないため、基
礎梁を省略することが出来る。
1は、鉄骨柱の下端に、最上部に下部杭より大径の拡頭
部を有する鋼管杭が打設されている場合に、本発明を適
用した場合の実施例を示したものである。本実施例で
は、杭上端部が地盤レベルと同一とした鋼管杭拡頭部8
内部に、鉄骨建築架構の最下層の角型鋼管柱1の4辺の
線上それぞれにアンカーボルト4を配置せしめてコンク
リート6により固定し、このアンカーボルト4に角型鋼
管柱1下端のベースプレート2をナット5などで緊結
し、この部分を表面に露出することにより、鉄骨柱の脚
部の接合状態を曲げ回転に対しては極力無拘束状態とし
た。なお、最下層の柱、梁部材断面は柱脚剛接合で設計
された架構よりも大きくして、地震時などの水平外力が
建物に作用した場合に柱に生じる曲げモーメントが、ほ
とんど上部の架構で負担する構造にしている。
部を連結した杭9を、杭の上端部が地盤と同一レベルに
なるよう地盤に打設あるいはねじ込み、鋼管杭拡頭部8
内部に、下端に定着板7を有するアンカーボルト4,4
本を添プレートなどを用いて杭上端部に仮固定し、位置
決めの後、鋼管杭拡頭部にコンクリート6を充填してア
ンカーボルト4を固定した。
プレートを除去し、アンカーボルト4に角型鋼管柱下端
のベースプレート2をナット5で固定した。ベースプレ
ート2と充填コンクリート6上端部との隙間には、無収
縮モルタル3を充填することによって、鉛直及び水平方
向の応力のスムースな伝達を可能にしている。
の抜け出し防止のため、鋼管杭頭部8内には突起を設け
ている。また、鋼管杭拡頭部8の下端には仕切り板10
を設け、充填コンクリート6の下部杭中空部への漏れを
防止している。
した場合に柱に生じる曲げモーメントのほとんどは杭に
は負担させないため、杭は架構の自重及び地震時の水平
力の負担のみとなる。したがって、杭に柱の曲げモーメ
ントを負担させ、基礎梁を省略した場合と比較すると、
本発明は、上部の鉄骨架構の鋼材重量が増加するもの
の、杭が大径の現場造成杭から1本の細径の既製杭、例
えば、細径の鋼管杭へと大幅に簡略化される。 2.本発明の基礎構造とすると、細径の既製杭、例えば
細径の鋼管杭を基礎として使用できるので、その細径の
既製杭の施工に無排土工法を用いることが容易となるた
め、また基礎及び基礎梁も省略しているため、根切り及
び残土処分がほとんど不要となる。 3.本発明の基礎構造とすると、細径の既製杭、例えば
細径の鋼管杭を利用できるので、杭の中空部にアンカー
ボルトあるいはスタッドボルトをコンクリートで埋設す
る際、杭の外郭部を、支持材またはコンクリート型枠と
することができる。 4.鉄骨柱と杭を直接接合しているため、柱からの鉛直
及び水平荷重を杭に伝達するために従来設けている基礎
柱型及びフーチングを省略することができる。 5.杭が柱の水平方向の動きを拘束するため、また柱脚
部の曲げ回転拘束の必要がないため、基礎梁を省略する
ことができる。 6.上述の1〜5により、土工事及び基礎工事が大幅に
簡略化され、工期短縮及び工費低減が図れる。
Claims (1)
- 【請求項1】 基礎梁を省略した建築物の基礎構造であ
って、鉄骨架構の最下層の鉄骨柱の脚部となるベースプ
レートが、杭の頭部内部の極力鉄骨柱の芯に近い位置に
埋め込まれたアンカーボルトまたはスタッドボルトに固
定され、かつ該ベースプレートが表面に露出しているこ
とを特徴とする建築物の基礎構造。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP04850191A JP3150987B2 (ja) | 1991-03-14 | 1991-03-14 | 建築物の基礎構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04850191A JP3150987B2 (ja) | 1991-03-14 | 1991-03-14 | 建築物の基礎構造 |
Publications (2)
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Family
ID=12805134
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04850191A Expired - Fee Related JP3150987B2 (ja) | 1991-03-14 | 1991-03-14 | 建築物の基礎構造 |
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1991
- 1991-03-14 JP JP04850191A patent/JP3150987B2/ja not_active Expired - Fee Related
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