JP3150898B2 - 表面にアモルファス−ニッケル−リンから成る被膜層を形成して成る被加工物の加工方法 - Google Patents
表面にアモルファス−ニッケル−リンから成る被膜層を形成して成る被加工物の加工方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面にアモルファ
ス-ニッケル-リン(a-Ni-P)から成る被膜層を形成して
成る被加工物の加工方法に関し、特に、アルミニウム基
板の表面にa-Ni-Pから成る被膜層を形成して成る磁気ハ
ードデイスク基板の加工方法に関する。
ス-ニッケル-リン(a-Ni-P)から成る被膜層を形成して
成る被加工物の加工方法に関し、特に、アルミニウム基
板の表面にa-Ni-Pから成る被膜層を形成して成る磁気ハ
ードデイスク基板の加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般
に、a-Ni-Pは高い力学的強度をもち、耐食性があり、非
磁性であることが知られている。この特性を利用して、
機械部品、金属製タンク等の表面にa-Ni-Pをメッキして
被膜層を形成し、強化膜や耐食膜として使用されてい
る。
に、a-Ni-Pは高い力学的強度をもち、耐食性があり、非
磁性であることが知られている。この特性を利用して、
機械部品、金属製タンク等の表面にa-Ni-Pをメッキして
被膜層を形成し、強化膜や耐食膜として使用されてい
る。
【0003】特に、a-Ni-Pは、アルミニウム基板の表面
にメッキされ、磁気ハードデイスク基板の強化膜として
使用されている。
にメッキされ、磁気ハードデイスク基板の強化膜として
使用されている。
【0004】磁気ハードデイスクは、アルミニウム基板
の表面にa-Ni-Pをメッキしてa-Ni-Pから成る被膜層を形
成した磁気ハードデイスク基板の被膜層表面に強磁性物
質をスパタリング又はその他の方法により付着させて強
磁性物質層を形成して成る磁気記録素子である。
の表面にa-Ni-Pをメッキしてa-Ni-Pから成る被膜層を形
成した磁気ハードデイスク基板の被膜層表面に強磁性物
質をスパタリング又はその他の方法により付着させて強
磁性物質層を形成して成る磁気記録素子である。
【0005】このような、a-Ni-Pから成る被膜層(以
下、a-Ni-P被膜層という)の表面には強磁性物質が付着
しにくく、そのため、従来は、a-Ni-P被膜層表面を凹凸
にして強磁性物質の付着面積を大きくしたり、また、磁
気ハードデイスク基板に形成したa-Ni-P被膜層を形成し
たアルミニウム基板全体を加熱して強磁性物質を付着さ
せていた。
下、a-Ni-P被膜層という)の表面には強磁性物質が付着
しにくく、そのため、従来は、a-Ni-P被膜層表面を凹凸
にして強磁性物質の付着面積を大きくしたり、また、磁
気ハードデイスク基板に形成したa-Ni-P被膜層を形成し
たアルミニウム基板全体を加熱して強磁性物質を付着さ
せていた。
【0006】しかし、a-Ni-P被膜層表面を凹凸にする
と、磁気ヘッドを介して磁気記録を読み取る際に、凹部
では、十分に強い信号が得られず、また、凸部では、磁
気ヘッドとの衝突の恐れがあり、磁気記録密度を上げる
ことが困難であるという問題があった。
と、磁気ヘッドを介して磁気記録を読み取る際に、凹部
では、十分に強い信号が得られず、また、凸部では、磁
気ヘッドとの衝突の恐れがあり、磁気記録密度を上げる
ことが困難であるという問題があった。
【0007】また、磁気ハードデイスク基板に形成した
a-Ni-P被膜層全体を加熱すると、ニッケル(Ni)粒子と
NixPy化合物結晶とがa-Ni-P被膜層全体にわたって発生
し、このような被膜層全体にわたって発生したNi粒子と
NixPy化合物結晶は力学的強度が小さく、強化膜として
使用できないという問題があった。(ここで、NixPy化
合物結晶は、Ni及びPの化合物結晶を表し、x及びyは、
それぞれNi及びPの原子組成比である。) 本発明の目的は、磁気ハードデイスク基板等の被加工物
表面に形成したアモルファス-ニッケル-リンから成る被
膜層の力学的強度及び耐食性を保持しつつ、強磁性物質
との付着性を向上し、被加工物表面上で、強磁性物質を
所望の方向に容易に磁化させることができる、表面にア
モルファス-ニッケル-リンから成る被膜層を形成して成
る被加工物の加工方法を提供することである。
a-Ni-P被膜層全体を加熱すると、ニッケル(Ni)粒子と
NixPy化合物結晶とがa-Ni-P被膜層全体にわたって発生
し、このような被膜層全体にわたって発生したNi粒子と
NixPy化合物結晶は力学的強度が小さく、強化膜として
使用できないという問題があった。(ここで、NixPy化
合物結晶は、Ni及びPの化合物結晶を表し、x及びyは、
それぞれNi及びPの原子組成比である。) 本発明の目的は、磁気ハードデイスク基板等の被加工物
表面に形成したアモルファス-ニッケル-リンから成る被
膜層の力学的強度及び耐食性を保持しつつ、強磁性物質
との付着性を向上し、被加工物表面上で、強磁性物質を
所望の方向に容易に磁化させることができる、表面にア
モルファス-ニッケル-リンから成る被膜層を形成して成
る被加工物の加工方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題点を解決するた
め、本発明の、表面にa-Ni-P被膜層を形成した被加工物
の加工方法は、a-Ni-P被膜層の表面を研磨する工程から
成り、研磨によりa-Ni-P被膜層の表面付近のみにNi粒子
とNixPy化合物結晶とを発生させることを特徴とする。
め、本発明の、表面にa-Ni-P被膜層を形成した被加工物
の加工方法は、a-Ni-P被膜層の表面を研磨する工程から
成り、研磨によりa-Ni-P被膜層の表面付近のみにNi粒子
とNixPy化合物結晶とを発生させることを特徴とする。
【0009】この被加工物としては、表面にa-Ni-P被膜
層を形成した機械部品又は金属製タンク等、又は表面に
a-Ni-P被膜層を形成して成る磁気ハードデイスク基板が
代表例である。
層を形成した機械部品又は金属製タンク等、又は表面に
a-Ni-P被膜層を形成して成る磁気ハードデイスク基板が
代表例である。
【0010】また、本発明は、アルミニウム等の基板表
面に強化膜としてa-Ni-P被膜層を形成して成る磁気ハー
ドデイスク基板の加工方法であって、a-Ni-P被膜層の表
面を研磨する工程から成り、研磨により形成された溝に
沿ってNi粒子とNixPy化合物結晶とを発生させることを
特徴とする。
面に強化膜としてa-Ni-P被膜層を形成して成る磁気ハー
ドデイスク基板の加工方法であって、a-Ni-P被膜層の表
面を研磨する工程から成り、研磨により形成された溝に
沿ってNi粒子とNixPy化合物結晶とを発生させることを
特徴とする。
【0011】ここで、磁気ハードデイスク基板のa-Ni-P
被膜層の表面は、磁気ハードデイスク基板の円周方向に
研磨されることが磁気ハードデイスクの動作上望まし
い。
被膜層の表面は、磁気ハードデイスク基板の円周方向に
研磨されることが磁気ハードデイスクの動作上望まし
い。
【0012】被加工物の表面のa-Ni-P被膜層表面の研磨
は、研磨材粒子を付着した研磨テープをa-Ni-P被膜層表
面に圧接して行う。このとき、研磨テープの圧接面付近
に冷却水を吹き付けて行なう。
は、研磨材粒子を付着した研磨テープをa-Ni-P被膜層表
面に圧接して行う。このとき、研磨テープの圧接面付近
に冷却水を吹き付けて行なう。
【0013】また、被加工物表面のa-Ni-P被膜層表面の
研磨は、a-Ni-P被膜層表面に圧接した織布、不織布又は
セーム皮等のテープに向けて研磨材粒子を混合した冷却
水を吹き付けて行なってもよい。
研磨は、a-Ni-P被膜層表面に圧接した織布、不織布又は
セーム皮等のテープに向けて研磨材粒子を混合した冷却
水を吹き付けて行なってもよい。
【0014】被加工物表面のa-Ni-P被膜層表面の研磨
は、研磨材粒子とa-Ni-P被膜層表面との接点部分の圧力
と、冷却水の温度及び流量を調節して行われる。
は、研磨材粒子とa-Ni-P被膜層表面との接点部分の圧力
と、冷却水の温度及び流量を調節して行われる。
【0015】被加工物表面のa-Ni-P被膜層表面を研磨す
ると、a-Ni-P被膜層表面が研磨材粒子によって擦られ、
この摩擦熱によってa-Ni-P被膜層表面付近が発熱する。
ると、a-Ni-P被膜層表面が研磨材粒子によって擦られ、
この摩擦熱によってa-Ni-P被膜層表面付近が発熱する。
【0016】この発熱により高温になったa-Ni-P被膜層
表面付近のみが溶融し、a-Ni-Pが、被膜層表面付近での
み局所的にNi粒子とNixPy化合物結晶とに変化し、a-Ni-
P被膜層全体にわたってNi粒子とNixPy化合物結晶に変化
しない。したがって、a-Ni-P被膜層のもつ強化膜として
の力学的強度は保持される。
表面付近のみが溶融し、a-Ni-Pが、被膜層表面付近での
み局所的にNi粒子とNixPy化合物結晶とに変化し、a-Ni-
P被膜層全体にわたってNi粒子とNixPy化合物結晶に変化
しない。したがって、a-Ni-P被膜層のもつ強化膜として
の力学的強度は保持される。
【0017】上述したa-Ni-P被膜層表面の研磨により、
研磨材粒子がa-Ni-P被膜層表面を削り、大小の溝を研磨
方向に沿って形成するが、上記Ni粒子とNixPy化合物結
晶とはこの溝に沿って並んで発生する。
研磨材粒子がa-Ni-P被膜層表面を削り、大小の溝を研磨
方向に沿って形成するが、上記Ni粒子とNixPy化合物結
晶とはこの溝に沿って並んで発生する。
【0018】以下に、a-Ni-P被膜層表面に形成された溝
に沿ってNi粒子とNixPy化合物結晶とが並んで発生する
理由について説明する。
に沿ってNi粒子とNixPy化合物結晶とが並んで発生する
理由について説明する。
【0019】電解又は無電解メッキ法により得られたNi
-P(ニッケル-リン)合金の原子数の割合は、Niが約7
5%であり、Pが約25%であり、アモルファスの状態
にある。
-P(ニッケル-リン)合金の原子数の割合は、Niが約7
5%であり、Pが約25%であり、アモルファスの状態
にある。
【0020】このa-Ni-Pは、上述のように、力学的強度
が高く、耐食性に優れ、非磁性であるが、加熱により、
Ni粒子(磁性体)とNixPy化合物結晶とに変化する。こ
のことは、X線等により確認されている(M.Yamamoto、
K.Shirai及びN.Watanabe著「Process of Structural Tr
ansformation of Electrodeposited Amorphous Ni-P Al
loy by Heating」Journal of The Electrochemical Soc
iety、U.S.A.、vol.138、No.7、1991年7月を参
照)。
が高く、耐食性に優れ、非磁性であるが、加熱により、
Ni粒子(磁性体)とNixPy化合物結晶とに変化する。こ
のことは、X線等により確認されている(M.Yamamoto、
K.Shirai及びN.Watanabe著「Process of Structural Tr
ansformation of Electrodeposited Amorphous Ni-P Al
loy by Heating」Journal of The Electrochemical Soc
iety、U.S.A.、vol.138、No.7、1991年7月を参
照)。
【0021】通常の加熱又は研磨による摩擦熱によりa-
Ni-Pを加熱すると、a-Ni-Pの温度が高くなるにつれて、
Ni5P4、NiP、Ni3P、NiP2の順に発生する。
Ni-Pを加熱すると、a-Ni-Pの温度が高くなるにつれて、
Ni5P4、NiP、Ni3P、NiP2の順に発生する。
【0022】また、摩擦により物体表面が高温になるこ
とは周知であり(F.P.Bowden及びD.Tabor著「The Frict
ion and Lubrication」1954年、Oxfordを参照)、
研磨材粒子がa-Ni-P被膜層表面を研磨すると、a-Ni-P被
膜層表面付近のみが研磨による摩擦によって発熱し、a-
Ni-Pが溶融していることが顕微鏡により観察できる。
とは周知であり(F.P.Bowden及びD.Tabor著「The Frict
ion and Lubrication」1954年、Oxfordを参照)、
研磨材粒子がa-Ni-P被膜層表面を研磨すると、a-Ni-P被
膜層表面付近のみが研磨による摩擦によって発熱し、a-
Ni-Pが溶融していることが顕微鏡により観察できる。
【0023】研磨により形成されたa-Ni-P被膜層表面の
溝は結晶核になり易く、その結晶核を中心として結晶が
成長し、Ni粒子やNi5P4結晶がa-Ni-P被膜層表面の溝に
沿って並んで発生する。
溝は結晶核になり易く、その結晶核を中心として結晶が
成長し、Ni粒子やNi5P4結晶がa-Ni-P被膜層表面の溝に
沿って並んで発生する。
【0024】次に、上記本発明の磁気ハードデイスク基
板の加工方法について説明する。
板の加工方法について説明する。
【0025】磁気ハードデイスクは、アルミニウム等の
基板の表面にa-Ni-Pをメッキしてa-Ni-Pから成る被膜層
を形成した磁気ハードデイスク基板のa-Ni-P被膜層表面
にCr、そしてCoNiCr(強磁性物質)をスパタリング又は
その他の方法により付着させてCoNiCr/Cr層(強磁性物
質層)を形成して成る。
基板の表面にa-Ni-Pをメッキしてa-Ni-Pから成る被膜層
を形成した磁気ハードデイスク基板のa-Ni-P被膜層表面
にCr、そしてCoNiCr(強磁性物質)をスパタリング又は
その他の方法により付着させてCoNiCr/Cr層(強磁性物
質層)を形成して成る。
【0026】磁気ハードデイスクとしては、円周方向に
沿ってCoNiCr/Cr層のような強磁性物質層が容易に磁化
することが実用上望ましい。
沿ってCoNiCr/Cr層のような強磁性物質層が容易に磁化
することが実用上望ましい。
【0027】一般に、a-Ni-P被膜層表面上に強磁性物質
層を形成すると、a-Ni-P被膜層表面上で等方的に磁化す
る。
層を形成すると、a-Ni-P被膜層表面上で等方的に磁化す
る。
【0028】しかし、本発明の加工方法に従った磁気ハ
ードデイスク基板を使用した磁気ハードデイスクでは磁
気異方性が生じ、強磁性物質層が円周方向に容易に磁化
する。
ードデイスク基板を使用した磁気ハードデイスクでは磁
気異方性が生じ、強磁性物質層が円周方向に容易に磁化
する。
【0029】以下に、このような磁気異方性が生じる理
由について述べる。
由について述べる。
【0030】磁気ハードデイスク基板上のa-Ni-P被膜層
表面を円周方向に研磨すると、上述のように、研磨材粒
子によって、a-Ni-P被膜層表面上に円周方向の溝が形成
され、この円周方向の溝に沿って、Ni粒子とNixPy化合
物結晶とが発生する。
表面を円周方向に研磨すると、上述のように、研磨材粒
子によって、a-Ni-P被膜層表面上に円周方向の溝が形成
され、この円周方向の溝に沿って、Ni粒子とNixPy化合
物結晶とが発生する。
【0031】円周方向の溝に沿って発生したNi粒子が強
磁性物質であるため、Ni粒子が並んだ方向の磁気抵抗が
小さくなる。そこで、磁気ヘッドで、磁気ハードデイス
ク基板表面上の強磁性物質を磁化すると、その強磁性物
質層の下地のa-Ni-P被膜層を含む磁気回路において、Ni
粒子が並んだ円周方向に容易に磁化される。
磁性物質であるため、Ni粒子が並んだ方向の磁気抵抗が
小さくなる。そこで、磁気ヘッドで、磁気ハードデイス
ク基板表面上の強磁性物質を磁化すると、その強磁性物
質層の下地のa-Ni-P被膜層を含む磁気回路において、Ni
粒子が並んだ円周方向に容易に磁化される。
【0032】このようにして、磁気異方性が生じると考
えられている。
えられている。
【0033】次に、a-Ni-P被膜層と強磁性物質層との間
の付着性について説明する。
の付着性について説明する。
【0034】本発明に従って磁気ハードデイスク基板を
加工すると、上述のように、研磨によって形成された溝
に沿って、Ni粒子とNixPy化合物結晶とが発生する。
加工すると、上述のように、研磨によって形成された溝
に沿って、Ni粒子とNixPy化合物結晶とが発生する。
【0035】磁気ハードデイスクとするために、このよ
うに加工された磁気ハードデイスク基板のa-Ni-P被膜層
表面にCrをスパタリングにより付着してCr層を形成し、
その上に強磁性物質であるCoNiCrをスパタリングしてCo
NiCr層を形成し、磁気ハードデイスク基板表面上にCoNi
Cr/Crの強磁性物質層を形成する。
うに加工された磁気ハードデイスク基板のa-Ni-P被膜層
表面にCrをスパタリングにより付着してCr層を形成し、
その上に強磁性物質であるCoNiCrをスパタリングしてCo
NiCr層を形成し、磁気ハードデイスク基板表面上にCoNi
Cr/Crの強磁性物質層を形成する。
【0036】このようにNi粒子とNixPy化合物結晶とを
表面付近に発生させたa-Ni-P被膜層表面上に強磁性物質
層を形成すると、a-Ni-P被膜層と強磁性物質層との間に
Ni粒子とNixPy化合物結晶とから成る薄膜が形成され
る。
表面付近に発生させたa-Ni-P被膜層表面上に強磁性物質
層を形成すると、a-Ni-P被膜層と強磁性物質層との間に
Ni粒子とNixPy化合物結晶とから成る薄膜が形成され
る。
【0037】この薄膜が、a-Ni-P被膜層及び強磁性物質
層の相互の固溶化や組成の緩やかな変化による内部歪み
を低減し、これにより、a-Ni-P被膜層と強磁性物質層と
の付着性が向上すると考えられる。
層の相互の固溶化や組成の緩やかな変化による内部歪み
を低減し、これにより、a-Ni-P被膜層と強磁性物質層と
の付着性が向上すると考えられる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について説明する。
実施の形態について説明する。
【0039】本発明は、被加工物の表面に形成したa-Ni
-P被膜層を研磨する工程から成るもので、この研磨によ
りa-Ni-P被膜層の表面付近のみにNi粒子とNixPy化合物
結晶とを発生させることを特徴とする。
-P被膜層を研磨する工程から成るもので、この研磨によ
りa-Ni-P被膜層の表面付近のみにNi粒子とNixPy化合物
結晶とを発生させることを特徴とする。
【0040】図示した被加工物は、磁気ハードデイスク
基板10であり、アルミニウム基板11上にはa-Ni-P被膜層
12が形成されている。
基板10であり、アルミニウム基板11上にはa-Ni-P被膜層
12が形成されている。
【0041】磁気ハードデイスク基板10のa-Ni-P被膜層
12の表面は、磁気ハードデイスク基板10の円周方向(図
1の符号Bで示す方向)に研磨される。この研磨によりa
-Ni-P被膜層12の表面付近に溝17が形成され、図2(a)
及び(b)に示すように、形成された溝17に沿ってNi粒
子13とNixPy化合物結晶14とが発生する。
12の表面は、磁気ハードデイスク基板10の円周方向(図
1の符号Bで示す方向)に研磨される。この研磨によりa
-Ni-P被膜層12の表面付近に溝17が形成され、図2(a)
及び(b)に示すように、形成された溝17に沿ってNi粒
子13とNixPy化合物結晶14とが発生する。
【0042】a-Ni-P被膜層12表面の研磨は、研磨材粒子
を付着した研磨テープをa-Ni-P被膜層12表面に圧接して
行う。このとき、研磨テープの圧接面付近に冷却水を吹
き付けて行なう。圧接の圧力、冷却水の温度、流量を調
整し、a-Ni-P被膜層12の表面付近のみが発熱するように
する。
を付着した研磨テープをa-Ni-P被膜層12表面に圧接して
行う。このとき、研磨テープの圧接面付近に冷却水を吹
き付けて行なう。圧接の圧力、冷却水の温度、流量を調
整し、a-Ni-P被膜層12の表面付近のみが発熱するように
する。
【0043】研磨テープには、プラスチックシート、織
布、不織布又は植毛布に研磨材粒子とバインダー接着剤
との混合物をコーテイングしたものが使用される。
布、不織布又は植毛布に研磨材粒子とバインダー接着剤
との混合物をコーテイングしたものが使用される。
【0044】また、a-Ni-P被膜層12表面の研磨は、a-Ni
-P被膜層12表面に圧接した織布、不織布又はセーム皮等
のテープに向けて研磨材粒子を混合した水を吹き付けて
行なってもよい。この場合、研磨テープで研磨した場合
と比較すると、溝の数が多く、溝の深さが浅くなるが、
溝に沿ってNi粒子やNi5P4結晶が並んで発生する点では
同一の結果が得られる。
-P被膜層12表面に圧接した織布、不織布又はセーム皮等
のテープに向けて研磨材粒子を混合した水を吹き付けて
行なってもよい。この場合、研磨テープで研磨した場合
と比較すると、溝の数が多く、溝の深さが浅くなるが、
溝に沿ってNi粒子やNi5P4結晶が並んで発生する点では
同一の結果が得られる。
【0045】研磨材粒子には、ダイヤモンド、酸化アル
ミニウム、シリコンカーバイド、酸化シリコン、酸化ク
ロム、酸化鉄又は酸化セリウム又はこれら混合物が使用
される。
ミニウム、シリコンカーバイド、酸化シリコン、酸化ク
ロム、酸化鉄又は酸化セリウム又はこれら混合物が使用
される。
【0046】以下、本発明の実施例について説明する。
【0047】
【実施例】本発明の実施例に使用される研磨装置は、図
4に示すように、ベアリング軸に関して回転可能なゴム
ローラ20と、噴出口を研磨テープ25と磁気ハードデイス
ク基板10表面との接面付近に向けたノズル23とから成
り、研磨テープ25の磁気ハードデイスク基板10表面に対
する圧力が、ベアリング軸に適用される内側圧力21及び
外側圧力22によって調節される。
4に示すように、ベアリング軸に関して回転可能なゴム
ローラ20と、噴出口を研磨テープ25と磁気ハードデイス
ク基板10表面との接面付近に向けたノズル23とから成
り、研磨テープ25の磁気ハードデイスク基板10表面に対
する圧力が、ベアリング軸に適用される内側圧力21及び
外側圧力22によって調節される。
【0048】磁気ハードデイスク基板10の研磨は、ゴム
ローラ20の内側圧力21及び外側圧力22を調節して、磁気
ハードデイスク基板10表面に研磨テープ25を押しつけ、
矢印Tの方向へ研磨テープ25を送るとともに、磁気ハー
ドデイスク基板10を矢印Rの方向に回転し、研磨テープ2
5と磁気ハードデイスク基板10表面との接面付近に冷却
水等24をノズル23から吹き付けることによって行われ
る。
ローラ20の内側圧力21及び外側圧力22を調節して、磁気
ハードデイスク基板10表面に研磨テープ25を押しつけ、
矢印Tの方向へ研磨テープ25を送るとともに、磁気ハー
ドデイスク基板10を矢印Rの方向に回転し、研磨テープ2
5と磁気ハードデイスク基板10表面との接面付近に冷却
水等24をノズル23から吹き付けることによって行われ
る。
【0049】本発明の実施例に使用される磁気ハードデ
イスク基板10は、アルミニウム基板11上にa-Ni-Pをメッ
キし、厚さ約20μmのa-Ni-P被膜層12を形成したもの
である。
イスク基板10は、アルミニウム基板11上にa-Ni-Pをメッ
キし、厚さ約20μmのa-Ni-P被膜層12を形成したもの
である。
【0050】[実施例1]実施例1は、図4の研磨装置
に研磨テープを配置し、研磨テープと磁気ハードデイス
ク基板表面との接面付近に冷却水を吹き付けて行われ
た。
に研磨テープを配置し、研磨テープと磁気ハードデイス
ク基板表面との接面付近に冷却水を吹き付けて行われ
た。
【0051】実施例1で使用される研磨テープは、平均
粒径1μmの酸化アルミニウムと、バインダー接着剤と
の混合物を厚さ90μmのポリエステルシートにコーテ
イングして製造された。
粒径1μmの酸化アルミニウムと、バインダー接着剤と
の混合物を厚さ90μmのポリエステルシートにコーテ
イングして製造された。
【0052】この研磨テープを上述の研磨装置に配置
し、研磨時間、研磨テープ送り速度、磁気ハードデイス
ク基板の回転数、ゴムロール硬度、内側圧力、外側圧
力、冷却水の温度及び流量を以下の表1に示すように設
定して、上述の磁気ハードデイスク基板の研磨を行っ
た。
し、研磨時間、研磨テープ送り速度、磁気ハードデイス
ク基板の回転数、ゴムロール硬度、内側圧力、外側圧
力、冷却水の温度及び流量を以下の表1に示すように設
定して、上述の磁気ハードデイスク基板の研磨を行っ
た。
【表1】 表 1 研磨時間 20秒 研磨テープ送り速度 50cm/分 磁気ハードデイスク基板の回転数 400RPM ゴムロール硬度 40 内側圧力 1.0Kg 外側圧力 1.2Kg 冷却水(温度) 20℃
【0053】研磨後、磁気ハードデイスク基板のエッチ
ングを行った。その表面の拡大写真が図2(a)に示さ
れ、Ni粒子(図2(b)の符号13)と、Ni粒子を中心と
したNi5P4結晶(図2(b)の符号14)とが、研磨によっ
て形成された溝(図2(b)の符号17)に沿って発生し
ていることがわかる。
ングを行った。その表面の拡大写真が図2(a)に示さ
れ、Ni粒子(図2(b)の符号13)と、Ni粒子を中心と
したNi5P4結晶(図2(b)の符号14)とが、研磨によっ
て形成された溝(図2(b)の符号17)に沿って発生し
ていることがわかる。
【0054】[実施例2]実施例2は、実施例1と同様
に、図4の研磨装置に研磨テープを配置し、研磨テープ
と磁気ハードデイスク基板表面との接面付近に冷却水を
吹き付けて行われた。
に、図4の研磨装置に研磨テープを配置し、研磨テープ
と磁気ハードデイスク基板表面との接面付近に冷却水を
吹き付けて行われた。
【0055】実施例2で使用される研磨テープは、平均
粒径3μmの酸化アルミニウムと、バインダー接着剤と
の混合物をポリエステル長繊維から成る厚さ90μmの
不織布に塗布して製造された(特開平5-253850号を参
照)。
粒径3μmの酸化アルミニウムと、バインダー接着剤と
の混合物をポリエステル長繊維から成る厚さ90μmの
不織布に塗布して製造された(特開平5-253850号を参
照)。
【0056】この研磨テープを上述の研磨装置に配置
し、研磨時間、研磨テープ送り速度、磁気ハードデイス
ク基板の回転数、ゴムロール硬度、内側圧力、外側圧
力、冷却水の温度及び流量を上記の表1に示すように設
定して、上述の磁気ハードデイスク基板の研磨を行っ
た。
し、研磨時間、研磨テープ送り速度、磁気ハードデイス
ク基板の回転数、ゴムロール硬度、内側圧力、外側圧
力、冷却水の温度及び流量を上記の表1に示すように設
定して、上述の磁気ハードデイスク基板の研磨を行っ
た。
【0057】研磨後、磁気ハードデイスク基板のエッチ
ングを行った。その表面は、実施例1と同様に、Ni粒子
と、Ni粒子を中心としたNi5P4結晶とが、研磨によって
形成された溝に沿って発生している。
ングを行った。その表面は、実施例1と同様に、Ni粒子
と、Ni粒子を中心としたNi5P4結晶とが、研磨によって
形成された溝に沿って発生している。
【0058】[実施例3]実施例3は、実施例1と同様
に、図4の研磨装置に研磨テープを配置し、研磨テープ
と磁気ハードデイスク基板表面との接面付近に冷却水を
吹き付けて行われた。
に、図4の研磨装置に研磨テープを配置し、研磨テープ
と磁気ハードデイスク基板表面との接面付近に冷却水を
吹き付けて行われた。
【0059】実施例3で使用される研磨テープは、平均
粒径2μmの酸化アルミニウムと、バインダー接着剤と
の混合物を植毛布に塗布して製造された(国際出願番号
PCT/JP95/00253を参照)。
粒径2μmの酸化アルミニウムと、バインダー接着剤と
の混合物を植毛布に塗布して製造された(国際出願番号
PCT/JP95/00253を参照)。
【0060】この研磨テープを上述の研磨装置に配置
し、研磨時間、研磨テープ送り速度、磁気ハードデイス
ク基板の回転数、ゴムロール硬度、内側圧力、外側圧
力、冷却水の温度及び流量を上記の表1に示すように設
定して、上述の磁気ハードデイスク基板の研磨を行っ
た。
し、研磨時間、研磨テープ送り速度、磁気ハードデイス
ク基板の回転数、ゴムロール硬度、内側圧力、外側圧
力、冷却水の温度及び流量を上記の表1に示すように設
定して、上述の磁気ハードデイスク基板の研磨を行っ
た。
【0061】研磨後、磁気ハードデイスク基板のエッチ
ングを行った。その表面は、実施例1と同様に、Ni粒子
と、Ni粒子を中心としたNi5P4結晶とが、研磨によって
形成された溝に沿って発生している。
ングを行った。その表面は、実施例1と同様に、Ni粒子
と、Ni粒子を中心としたNi5P4結晶とが、研磨によって
形成された溝に沿って発生している。
【0062】[実施例4]実施例4は、平均粒径2μm
の酸化アルミニウムと、冷却水との混合物を、図4に示
す研磨装置のノズルから、磁気ハードデイスク基板表面
に噴射し、ポリエステル長繊維から成る厚さ100μm
の不織布テープで研磨した。
の酸化アルミニウムと、冷却水との混合物を、図4に示
す研磨装置のノズルから、磁気ハードデイスク基板表面
に噴射し、ポリエステル長繊維から成る厚さ100μm
の不織布テープで研磨した。
【0063】ここで、酸化アルミニウムと、冷却水との
混合割合は、水1000cm3に対し酸化アルミニウム2
〜3gであった。
混合割合は、水1000cm3に対し酸化アルミニウム2
〜3gであった。
【0064】研磨時間、不織布テープの送り速度、磁気
ハードデイスク基板の回転数、ゴムロール硬度、内側圧
力、外側圧力、冷却水と研磨材粒子との混合物の温度及
び流量は、以下の表2に示すとおりであった。
ハードデイスク基板の回転数、ゴムロール硬度、内側圧
力、外側圧力、冷却水と研磨材粒子との混合物の温度及
び流量は、以下の表2に示すとおりであった。
【表2】 表 2 研磨時間 20秒 不織布テープ送り速度 1cm/分、 磁気ハードデイスク基板の回転数 400RPM ゴムロール硬度 40 内側圧力 1.0Kg 外側圧力 1.2Kg 冷却水及び研磨材粒子(温度) 20℃ 冷却水及び研磨材粒子(流量) 20cm3/分
【0065】研磨後、磁気ハードデイスク基板のエッチ
ングを行った。その表面は、実施例1と同様に、Ni粒子
と、Ni粒子を中心としたNi5P4結晶とが、研磨によって
形成された溝に沿って発生している。
ングを行った。その表面は、実施例1と同様に、Ni粒子
と、Ni粒子を中心としたNi5P4結晶とが、研磨によって
形成された溝に沿って発生している。
【0066】実施例1、2、3及び4で加工された磁気
ハードデイスク基板表面に強磁性物質層を形成して成る
磁気ハードデイスクの断面図を図3に示す。
ハードデイスク基板表面に強磁性物質層を形成して成る
磁気ハードデイスクの断面図を図3に示す。
【0067】図3に示すように、磁気ハードデイスク
は、アルミニウム基板11に厚さ20μmのa-Ni-P被膜層12
を形成した磁気ハードデイスク基板10と、厚さ500ÅのC
r層15"と厚さ600ÅのCoNiCr層15'から成る強磁性物質層
15と、強磁性物質層15表面に形成された厚さ300Åのカ
ーボン層16とから成り、a-Ni-P被膜層12表面付近には、
Ni粒子13とNixPy化合物結晶14とから成る薄膜13、14が
形成されている。
は、アルミニウム基板11に厚さ20μmのa-Ni-P被膜層12
を形成した磁気ハードデイスク基板10と、厚さ500ÅのC
r層15"と厚さ600ÅのCoNiCr層15'から成る強磁性物質層
15と、強磁性物質層15表面に形成された厚さ300Åのカ
ーボン層16とから成り、a-Ni-P被膜層12表面付近には、
Ni粒子13とNixPy化合物結晶14とから成る薄膜13、14が
形成されている。
【0068】
【発明の効果】本発明の加工方法が以上のように構成さ
れているので、以下のような効果を奏する。
れているので、以下のような効果を奏する。
【0069】研磨によりa-Ni-P被膜層表面付近のみが局
所的に加熱され(つまり、a-Ni-P被膜層表面付近のみが
局所的に発熱し)、a-Ni-P被膜層全体が加熱されること
がないので、a-Ni-Pのもつ強化膜としての力学的強度、
耐食性を保持することができる。
所的に加熱され(つまり、a-Ni-P被膜層表面付近のみが
局所的に発熱し)、a-Ni-P被膜層全体が加熱されること
がないので、a-Ni-Pのもつ強化膜としての力学的強度、
耐食性を保持することができる。
【0070】また、研磨によりa-Ni-P被膜層表面付近の
みにNi粒子とNixPy化合物結晶とを発生させたa-Ni-P被
膜層12表面上に強磁性物質層を形成すると、a-Ni-P被膜
層と強磁性物質層との間にNi粒子とNixPy化合物結晶と
から成る薄膜が形成され、この薄膜が、a-Ni-P被膜層及
び強磁性物質層の相互の固溶化や組成の緩やかな変化に
よる内部歪みを低減するので、a-Ni-P被膜層と強磁性物
質層との付着性を向上することができる。
みにNi粒子とNixPy化合物結晶とを発生させたa-Ni-P被
膜層12表面上に強磁性物質層を形成すると、a-Ni-P被膜
層と強磁性物質層との間にNi粒子とNixPy化合物結晶と
から成る薄膜が形成され、この薄膜が、a-Ni-P被膜層及
び強磁性物質層の相互の固溶化や組成の緩やかな変化に
よる内部歪みを低減するので、a-Ni-P被膜層と強磁性物
質層との付着性を向上することができる。
【0071】さらに、研磨によりa-Ni-P被膜層表面に形
成された溝に沿ってNi粒子(磁性体)とNixPy化合物結
晶とが並んで発生するので、所望の研磨方向(好適に、
円周方向)に従って磁気異方性を生じさせることができ
る。
成された溝に沿ってNi粒子(磁性体)とNixPy化合物結
晶とが並んで発生するので、所望の研磨方向(好適に、
円周方向)に従って磁気異方性を生じさせることができ
る。
【図1】図1は、本発明の方法に従って加工した磁気ハ
ードデイスク基板の平面図である。
ードデイスク基板の平面図である。
【図2】図2(a)は、図1の符号Aで表した部分の磁
気ハードデイスク基板表面の顕微鏡写真(1050倍)
であり、図2(b)は、図2(a)の顕微鏡写真を説明
するための説明図であって、図2(a)の顕微鏡写真の
コピーに符号を付したものである。
気ハードデイスク基板表面の顕微鏡写真(1050倍)
であり、図2(b)は、図2(a)の顕微鏡写真を説明
するための説明図であって、図2(a)の顕微鏡写真の
コピーに符号を付したものである。
【図3】図3は、本発明に従って加工した磁気ハードデ
イスク基板の表面に強磁性物質層を形成して成る磁気ハ
ードデイスクの断面図である。
イスク基板の表面に強磁性物質層を形成して成る磁気ハ
ードデイスクの断面図である。
【図4】図4は、本発明の実施例で使用された、磁気ハ
ードデイスク基板表面を研磨するための研磨装置の概念
図である。
ードデイスク基板表面を研磨するための研磨装置の概念
図である。
10 … 磁気ハードデイスク基板 11 … アルミニウム基板 12 … アモルファス−ニッケル−リン(a−Ni−
P)被膜層 13 … Ni粒子 14 … NixPy化合物結晶 15 … CoNiCr/Cr層(強磁性物質層) 15′… CoNiCr層 15″… Cr層 16 … カーボン層 17 … 溝 20 … ゴムロール 21 … 内側圧力 22 … 外側圧力 23 … ノズル 24 … 冷却水、又は冷却水と研磨材粒子との混合物 25 … テープ、又は研磨テープ A … 磁気ハードデイスクの表面の一部分 B … 研磨方向 T … テープ送り方向 R … 磁気ハードデイスク基板の回転方向
P)被膜層 13 … Ni粒子 14 … NixPy化合物結晶 15 … CoNiCr/Cr層(強磁性物質層) 15′… CoNiCr層 15″… Cr層 16 … カーボン層 17 … 溝 20 … ゴムロール 21 … 内側圧力 22 … 外側圧力 23 … ノズル 24 … 冷却水、又は冷却水と研磨材粒子との混合物 25 … テープ、又は研磨テープ A … 磁気ハードデイスクの表面の一部分 B … 研磨方向 T … テープ送り方向 R … 磁気ハードデイスク基板の回転方向
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/84 B24B 21/00 G11B 5/82
Claims (2)
- 【請求項1】表面にアモルファス−ニッケル−リンから
成るa−Ni−P被膜層を形成した磁気ハードディスク
基板の加工方法であって、研磨材粒子を付着した研磨テ
ープを前記a−Ni−P被膜層の表面に圧接し、前記研
磨テープと前記a−Ni−P被膜層の表面との圧接面付
近に冷却水を吹き付け、前記研磨材粒子と前記a−Ni
−P被膜層の表面との接点部分の圧力と、前記冷却水の
温度及び流量を調節して、前記a−Ni−P被膜層の表
面を前記磁気ハードディスク基板の円周方向に研磨し、
この研磨により形成された溝に沿った前記a−Ni−P
被膜層の表面付近のみに、ニッケル粒子と、ニッケル及
びリンの化合物結晶とを発生させ、前記a−Ni−P被
膜層と、このa−Ni−P被膜層の表面に形成される強
磁性物質層との間に、前記ニッケル粒子と、前記ニッケ
ル及びリンの化合物結晶とを介在させる、加工方法。 - 【請求項2】表面にアモルファス−ニッケル−リンから
成るa−Ni−P被膜層を形成した磁気ハードディスク
基板の加工方法であって、前記a−Ni−P被膜層の表
面に圧接したテープに向けて研磨材粒子を混合した冷却
水を吹き付け、前記研磨材粒子と前記a−Ni−P被膜
層の表面との接点部分の圧力と、前記冷却水の温度及び
流量を調節して、前記a−Ni−P被膜層の表面を前記
磁気ハードディスク基板の円周方向に研磨し、この研磨
により形成された溝に沿った前記a−Ni−P被膜層の
表面付近のみに、ニッケル粒子と、ニッケル及びリンの
化合物結晶とを発生させ、前記a−Ni−P被膜層と、
このa−Ni−P被膜層の表面に形成される強磁性物質
層との間に、前記ニッケル粒子と、前記ニッケル及びリ
ンの化合物結晶とを介在させる、加工方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05371196A JP3150898B2 (ja) | 1996-02-19 | 1996-02-19 | 表面にアモルファス−ニッケル−リンから成る被膜層を形成して成る被加工物の加工方法 |
US08/696,648 US5863609A (en) | 1996-02-19 | 1996-08-13 | Method of processing workpiece with amorphous NI-P |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05371196A JP3150898B2 (ja) | 1996-02-19 | 1996-02-19 | 表面にアモルファス−ニッケル−リンから成る被膜層を形成して成る被加工物の加工方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09223312A JPH09223312A (ja) | 1997-08-26 |
JP3150898B2 true JP3150898B2 (ja) | 2001-03-26 |
Family
ID=12950424
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05371196A Expired - Fee Related JP3150898B2 (ja) | 1996-02-19 | 1996-02-19 | 表面にアモルファス−ニッケル−リンから成る被膜層を形成して成る被加工物の加工方法 |
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JPH11339240A (ja) * | 1998-05-27 | 1999-12-10 | Fujitsu Ltd | 磁気記録媒体及び磁気ディスク装置 |
EP0975008A1 (de) * | 1998-07-20 | 2000-01-26 | Alphasem AG | Verfahren und Vorrichtung zum Behandeln eines flächigen Werkstückes, insbesondere eines Halbleiterwafers |
EP1745247B1 (en) * | 2004-04-23 | 2015-11-11 | Philip Morris Products S.a.s. | Aerosol generators and methods for producing aerosols |
US7961431B2 (en) * | 2004-05-04 | 2011-06-14 | Illinois Tool Works Inc. | Additive-free fiber for metal texture of hard disk drives |
US20090004510A1 (en) * | 2004-08-26 | 2009-01-01 | Showa Denko K.K. | Substrate For Perpendicular Magnetic Recording Medium, Method Of Manufacturing The Same, And Perpendicular Magnetic Recording Medium |
WO2019131433A1 (ja) * | 2017-12-26 | 2019-07-04 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 金属膜、金属膜を備える電子部品、及び金属膜の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JPH0741530B2 (ja) * | 1985-11-27 | 1995-05-10 | 株式会社日立製作所 | 磁気デイスクの製造方法 |
DE3629582A1 (de) * | 1986-08-30 | 1988-03-03 | Basf Ag | Verfahren zur oberflaechenbearbeitung scheibenfoermiger vernickelter aluminiumsubstrate |
JPS6362656A (ja) * | 1986-09-02 | 1988-03-18 | Fuji Photo Film Co Ltd | 磁気記録媒体の製造方法 |
DE3726464A1 (de) * | 1987-08-08 | 1989-02-16 | Basf Ag | Verfahren zur herstellung magnetischer aufzeichnungstraeger |
US4929499A (en) * | 1988-04-20 | 1990-05-29 | Magnetic Peripherals Inc. | Use of nickel-phosphorous undercoat for particulate media in magnetic storage devices |
US5088240A (en) * | 1989-09-22 | 1992-02-18 | Exclusive Design Company, Inc. | Automated rigid-disk finishing system providing in-line process control |
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JPH05166176A (ja) * | 1991-12-12 | 1993-07-02 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 磁気ディスクの製造方法 |
JPH05253850A (ja) * | 1992-03-11 | 1993-10-05 | Nippon Micro Kooteingu Kk | ハードディスクの表面をテクスチャー加工するための研磨テープ |
US5307593A (en) * | 1992-08-31 | 1994-05-03 | Minnesota Mining And Manufacturing Company | Method of texturing rigid memory disks using an abrasive article |
JPH06190736A (ja) * | 1992-12-28 | 1994-07-12 | Tokyo Jiki Insatsu Kk | 磁気ディスク用テクスチャリングフィルム及び方法 |
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1996
- 1996-02-19 JP JP05371196A patent/JP3150898B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09223312A (ja) | 1997-08-26 |
US5863609A (en) | 1999-01-26 |
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