JP2597222B2 - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造方法

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JP2597222B2 JP24030690A JP24030690A JP2597222B2 JP 2597222 B2 JP2597222 B2 JP 2597222B2 JP 24030690 A JP24030690 A JP 24030690A JP 24030690 A JP24030690 A JP 24030690A JP 2597222 B2 JP2597222 B2 JP 2597222B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、非磁性支持体と、この支持体上に設けられ
た磁性層とからなる基本構造を有する磁気記録媒体及び
その製造方法に関するものである。
(従来の技術) 一般にオーディオ用、ビデオ用あるいはコンピュータ
用等の磁気記録媒体として、強磁性粉末が結合剤中に分
散されている磁性層を非磁性支持体上に設けた磁気記録
媒体が用いられている。
このような磁気記録媒体は、樹脂成分などの結合剤成
分と強磁性粉末などの粒状成分とを溶剤に分散させた磁
性塗料を、非磁性支持体上に塗布して塗布層を形成し、
この塗布層に磁場配向処理、乾燥処理および表面平滑化
処理などの処理を施したのち、所望の形状に裁断すると
こにより製造されている。
一般に、このようにして製造された磁性層の表面は、
粒状成分が磁性層に強固に固定され、非常に平滑である
と考えられているが、本発明者の検討によれば、磁性層
表面には固定不充分な強磁性粉末などの粒状成分が存在
することが判明した。このような固定不充分な粒状成分
は、走行中に脱離して磁気ヘッドに付着して磁気ヘッド
目詰まりの原因となることがあり、さらに例えばビデオ
テープなどにおいてはドロップアウトの発生原因となる
ことがある。そして、こうした強磁性粉末の脱離により
磁性層表面近傍にある強磁性粉末の量が減少するので、
走行を繰り返すことにより電磁変換特性が低下(出力低
下)するとの問題もある。
本件出願人は、こうしたドロップアウト、目詰まりお
よび出力低下の発生を軽減する方法として磁性層の表面
を研削する方法について発明をし、この発明については
既に出願済である(特開昭62−172532号)。
すなわち、この発明は、表面平滑化された磁性層の表
面をダイヤモンドホイールあるいは固定式のサファイヤ
ブレードなどの高硬度の研削具を用いて研削することに
より、脱離し易い状態にある粒状成分あるいは磁性層表
面の付着物などを除去し、磁性層表面からの脱離物の量
を低減するものである。
このような背景から本発明者は、磁性層表面からの脱
離物の量を低減させる方法についてさらに検討した結
果、磁気記録媒体の磁性層の研削を行なう以外にも有効
な方法があることを見出した。それは、磁気記録媒体の
磁性層を研磨テープにより研磨処理を行なう方法で、こ
の方法によりさらにドロップアウトおよび目詰まり発生
の少ない、そして走行耐久性の良好な磁気記録媒体を製
造することができることが分かった。(特開昭63−2598
30号)。
しかしながら磁性層中の結合剤組成及び比率が変わる
ことにより上記効果が充分得られないことが判った。す
なわち本発明における塩化ビニル系樹脂−ポリウレタン
系樹脂とを含みポリイソシアネート系硬化剤及び研磨剤
を含む磁性層を加熱硬化して得られる磁気記録媒体にお
いて特に磁性層表面をコントロールすることが重要であ
ることを見出した。磁性層表面の不安定な層は上記手段
により低減させることができるが、磁性層表面の状態は
バランスがずれることにより充分満足できるドロップア
ウトの減少および目詰まりのないそして走行耐久性の良
好な磁気記録媒体とはなり得なかった。
(発明の目的) 本発明は、良好な走行耐久性を有する磁気記録媒体を
製造する方法を提供することを目的とする。
さらに詳しくは、本発明は、電磁変換特性、ヘッド汚
れ、ドロップアウトおよび目詰まりの発生が少ない新規
な磁気記録媒体及びその製造する方法を提供することを
目的とする。
(発明の構成) すなわち本発明の上記目的は、 非磁性支持体上に強磁性金属粉末と結合剤として磁性
基を有する塩化ビニル系樹脂及び極性基を有するポリウ
レタン系樹脂とを含み、更にポリイソシアネート系硬化
剤と研磨剤を含む磁性層を加熱硬化して得られる磁気記
録媒体において、前記強磁性金属粉末の結晶子サイズが
250Å以下であり、かつBET吸着法による比表面積が40m2
/g以上であり、前記塩化ビニル系樹脂は前記強磁性金属
粉末に対し、8重量%以上であり、前記磁性層表面にお
けるX線光電子分光法を用いて測定したCl−2Pスペクト
ルとFe−2P(3/2)スペクトルとの積分強度比αが0.35/
1〜0.46/1であり、かつN−1SスペクトルとFe−2P(3/
2)スペクトルとの積分強度比βが0.08/1〜0.15/1であ
ることを特徴とする磁気記録媒体によって達成できる。
更に好ましくは前記結合剤の極性基が−SO3M、−OSO3
M、−PO3M2、−CO2M(Mは水素、アルカリ金属又はアン
モニウムを示す)及びアミノ酸基、水酸基から選ばれた
1種以上であることを特徴とする磁気記録媒体によって
達成できる。
又本発明の上記目的は 強磁性金属粉末と極性基含有塩化ビニル系樹脂と極性
基含有ポリウレタン樹脂を結合剤配合重量比8:2〜5:5で
混練分散し、その後ポリイソシアネート硬化剤をポリウ
レタン樹脂とポリイソシアネートの配合重量比1:0.4〜
1:2で加えて撹拌後、得られた磁性塗料を非磁性支持体
上に塗布し、配向、乾燥後、磁性層表面を表面平滑化処
理し、更に加熱硬化した後、前記磁性層の表面を研磨テ
ープにより研磨処理を行ない、次いで前記磁性層を織布
又は不織布で拭き取り処理を行ない、磁性層表面におけ
るX線電子分光法を用いて測定したCl−2Pスペクトルと
Fe−2P(3/2)スペクトルとの積分強度比αが0.35/1〜
0.46/1であり、かつN−1SスペクトルとFe−2P(3/2)
スペクトルとの積分強度比βが0.08/1〜0.15/1であるこ
とを特徴とする磁気記録媒体の製造方法によって達成で
きる。
更に好ましくは前記研磨テープによる研磨処理の後に
研削処理を行ない、次いで前記の織布又は不織布で拭き
取り処理を行なうことを特徴とする磁気記録媒体によっ
て達成できる。
すなわち本件出願人は鋭意検討の結果、X線光電子分
光法を用いて磁性層表面の塩化ビニル系重合体の結合剤
と強磁性金属粉末との割合を定量する方法を見出し、磁
性層全体における塩化ビニル系重合体の結合剤と強磁性
粉末との割合ではなく、磁気記録層表面の塩化ビニル系
重合体の結合剤と強磁性粉末との割合とビデオヘッド目
詰まりとが驚くべきほど良い相関があり、ビデオヘッド
目詰まりの要因であるビデオヘッド汚れの量が、磁性層
表面の塩化ビニル系重合体の結合剤と強磁性粉末との割
合で決まっていることを見出した。またこの磁性層表面
の塩化ビニル系重合体の結合剤と強磁性粉末との割合
は、磁性層全体での結合剤と強磁性粉末との割合とは無
関係に制御できることも見出した。
すなわち、X線光電子分光法を用いて測定したCl−2P
スペクトルとFe−2P(3/2)スペクトルとの積分強度比
α(磁性層表面の塩化ビニル系重合体の結合剤と強磁性
粉末との割合に対応する)が0.51/1以下であると、磁気
記録層表面の結合剤がビデオヘッドによって削られず、
従ってビデオヘッド汚れもおこらず、結果的にビデオヘ
ッド目詰まりもおこらない磁気記録媒体が得られた。ま
た、X線光電子分光法を用いて測定したCl−2Pスペクト
ルとFe−2P(3/2)スペクトルとの積分強度比α(磁性
層表面の塩化ビニル系重合体の結合剤と強磁性粉末との
割合に対応する)が0.35/1以下になると、磁性層表面の
結合剤が結合剤としての役割を果たすのに不十分で磁性
層表面にビデオヘッド傷を生じ、走行耐久性が悪化し
た。
すなわち、特に耐久性を重要視されている従来の製品
はCl−2PスペクトルとFe−2P(3/2)スペクトルとの積
分強度比αが0.52/1〜0.60/1であり、目詰まりがパス回
数の比較的少ない状態で発生し、摩擦係数も比較的高か
った。この理由について解析したところ、明確な理由は
不明であるが、塩化ビニル系バインダーは比較的硬いバ
インダーで主のバインダーとして用いられるものであ
り、耐久性の観点で見た場合、直接磁気ヘッド等と接触
する磁性層表面での膜特性に大きく影響を与えるためと
考えられる。つまり、強磁性粉末を最適に分散させる塩
化ビニル系バインダーと強磁性粉末の使用比率は磁性層
表面で耐久性を確保するのに必要な使用比率とは異なっ
ているためであると考えられる。上記のような比率にす
ると強磁性粉末と塩化ビニル系バインダーとが最適に固
着し、耐久性を上げることができる。また磁性層表面で
のバインダー量が減少するため、溶け込む潤滑剤である
脂肪酸量が少なくなり、そのため磁性層表面に滲み出る
脂肪酸の量が多くなり摩擦係数も低下するものと思われ
る。
更にX線光電子分光法を用いて磁性層表面のポリウレ
タン系樹脂とポリイソシアネート系硬化剤とに対する強
磁性金属粉末との割合を定量できることも判った。すな
わちN−1SスペクトルとFe−2P(3/2)スペクトルとの
積分強度比(β)であらわすことができる。ポリウレタ
ン系樹脂とポリイソシアネート系硬化剤の配合比を変更
し調査した結果では磁性層表面にはポリイソシアネート
系硬化剤の割合が多く存在しているようであり、実質的
にはポリイソシアネート系硬化剤の存在量が上記積分強
度比に支配的にあらわれているようである。積分強度比
(β)が0.15/1以上では磁性層表面がビデオヘッドによ
って削られ、ヘッド汚れをおこし易いことと、経時によ
り磁性層表面の硬化が進展し固くもろくなる傾向にあ
り、ドロップアウトの増加が生じるようになる。又積分
強度比(β)が0.08以下では膜強度が弱くなりビデオヘ
ッド傷を生じ、走行耐久性が悪化する。又研磨テープの
ヤング率が150〜800kg/mm2で総厚みが10〜30μmの研磨
テープで研磨処理をすることによって研磨テープが可撓
性(フレキシビリティー)があり、磁性層表面にうねり
のような大きな凹凸があってもその形状通りに表面に研
磨することができ、磁性層表面に存在する硬化剤や結合
剤などの低分子量成分を効率的に除去できるためと考え
られる。
本発明の製造方法の他の特徴の一つはクリーニング処
理にあるが、ゴミを吸引できるような穴を設けたパッド
を用いて吸引しながら織布又は不織布をテープ走行方向
と逆向きに走らせることにより、研磨テープ処理により
生じたゴミを効率よく除去することができ、また厚さ10
μm以上、好ましくは50μm以上のものを用いることに
よってむらなくクリーニング処理ができる。好ましくは
吸引パッドを2個以上設けることによりD.0が効率よく
低減できる。
以下に更に詳細に本発明の製造方法について述べる。
磁気記録媒体は、非磁性支持体と、この支持体上に設
けられた磁性層からなる、磁性層は、強磁性粉末などの
粒状成分と、この粒状成分が分散している結合剤からな
る。結合剤は、樹脂成分と、さらに所望により配合され
る硬化剤とにより構成されている。
磁性層の塗設は、通常の方法に従って行なうことがで
きる。たとえば、樹脂成分および強磁性粉末並びに所望
により配合される研磨材および硬化剤などの磁性層形成
成分を溶剤と共に混練分散して磁性塗料を調製し、この
磁性塗料を非磁性支持体上に塗布する方法を利用するこ
とができる。
非磁性支持体としては、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル
類、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルロース
トリアセテート、セルロースジアセテート等のセルロー
ス誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビ
ニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアミ
ドイミド、ポリイミドなどの合成樹脂からなるフィルム
もしくはシート;アルミニウム、銅等の非磁性金属箔;
ステンレス箔などの金属箔;紙、セラミックシート等か
ら選ばれる。
樹脂成分は、塩化ビニル系樹脂及びポリウレタン系樹
脂からなる。樹脂成分の例としては、塩化ビニル系共重
合体(例、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニ
ル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体、塩化ビニ
ル・酢酸ビニル・アクリル酸共重合体、塩化ビニル・塩
化ビニリデン共重合体、塩化ビニル・アクリロニトリル
共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、カルボン酸
基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基
またはその塩、アミノ酸基、水酸基等の極性基およびエ
ポキシ基がポリマー1g当り1×10-5〜50×10-5当量導入
された塩化ビニル系共重合体)、ポリウレタン系樹脂
(例、ポリエステルポリウレタン樹脂、カルボン酸基ま
たはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基また
はその塩、アミノ酸、水酸基等の極性基がポリマー1g当
り0.5×10-5〜50×10-5当量導入されたポリウレタン系
樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂)を挙げるこ
とができる。
また、硬化剤は、ポリイソシアネート化合物が用いら
れる。ポリイソシアネート化合物は、通常ポリウレタン
系樹脂等の硬化剤成分として使用されているもののなか
から選択される。ポリイソシアネート化合物の例として
は、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパ
ン1モルとの反応生成物(例、デスモジュールL−75)
(バイエル社製)、キシリレンジイソシアネートあるい
はヘキサメチレンジイソシアネートなどのジイソシアネ
ート3モルとトリメチロールプロパン1モルとの反応生
成物、ヘキサメチレンジイソシアネート3モルのビュー
レット付加化合物、トリレンジイソシアネート5モルの
イソシアヌレート化合物、トリレンジイソシアネート3
モルとヘキサメチレンジイソシアネート2モルのイソシ
アヌレート付加化合物、イソホロンジイソシアネートお
よびジフェニルメタンジイソシアネートのポリマーを挙
げることができる。
本発明は上記の如く、樹脂成分として塩化ビニル系共
重合体のような硬度の高い樹脂とポリウレタン系樹脂の
ような柔軟性を有する樹脂とを組合わせて使用する。
塩化ビニル系共重合体のような硬度の高い樹脂とポリ
ウレタン系樹脂のような柔軟性を有する樹脂とを組合わ
せて使用するが、前者と後者との配合重量比は通常は8:
2〜5:5の範囲内(好ましくは8:2〜6:4)とする。そし
て、硬化剤を使用する場合には、通常、上記樹脂成分と
硬化剤との配合重量比は、9:1〜5:5(好ましくは9:1〜
6:4)の範囲内に設定される。
ポリウレタン系樹脂とポリイソシアネート化合物との
配合重量比は、通常1:0.4〜1:2(好ましくは1:0.5〜1:
1.5)の範囲内に設定される。このようにすることによ
り硬度の低い強磁性金属粉末を使用した場合にも、ポリ
ウレタン系樹脂を使用することに伴なう結合剤の硬化を
有効に防止することができるようになる。
樹脂成分と硬化剤との合計の重量は、強磁性金属粉末
100重量部に対して、通常10〜100重量部(15〜40重量
部)の範囲内にある。又塩化ビニル系樹脂は強磁性金属
粉末100重量部に対して8重量部以上とする。
本発明で用いる強磁性金属粉末は、鉄、コバルトある
いはニッケルを含む強磁性金属微粉末であって、結晶子
サイズが250Å以下でありそのBET吸着法による比表面積
が40m2/g以上(特に好ましくは45m2/g以上)の強磁性金
属粉末である。結晶子サイズが250Åをこえ、かつ比表
面積が40m2/g未満の強磁性金属粉末はノイズレベルが高
くなり、本発明には適さない。
この強磁性金属粉末の例としては、強磁性金属粉末中
の金属分が75重量%以上であり、そして金属分の80重量
%以上が少なくとも一種類の強磁性金属あるいは合金
(例、Fe、Co、Ni、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Co−Ni−
Fe)であり、該金属分の20重量%以下の範囲内で他の成
分(例、Al、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、
Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、B、Ba、Ta、W、Re、A
u、Hg、Pb、P、La、Ce、Pr、Nd、Te、Bi)を含むこと
のある合金を挙げることができる。また、上記強磁性金
属分が少量の水、水酸化物または酸化物を含むものなど
であってもよい。
これらの強磁性金属粉末の製法は既に公知であり、本
発明で用いる強磁性金属粉末についても公知の方法に従
って製造することができる。
強磁性粉末の形状に特に制限はないが、通常は針状、
粒状、サイコロ状、米粒状および板状のものなどが使用
される。特に針状の強磁性金属粉末を使用することが好
ましい。
研磨剤はモース硬度が5以上、好ましくは8以上がよ
い。モース硬度が5以上の研磨剤の例としてはα−Al2O
3、Cr2O3、TiO、TiO2、SiO2、SnO2、α−Fe2O3、SiC等
を挙げることができる。研磨剤の含有量は強磁性金属粉
末100重量部に対して1〜20重量部の範囲であり、好ま
しくは3〜16重量部である。上記例の1種もしくは2種
の組合わせでも有効である。研磨剤の粒子サイズは0.05
〜0.8μmの範囲であり、好ましくは0.1〜0.5μmであ
る。また研磨剤はあらかじめ結合剤(例えば塩ビ系樹
脂)と溶剤とで分散させペース状にしておくことは有効
な方法である。
上記の樹脂成分、硬化剤、研磨剤および強磁性粉末
を、通常磁性塗料の調製の際に使用されている溶剤
(例、メチルエチルケトン、ジオキサン、シクロヘキサ
ノン、酢酸エチル)と共に混練分散して磁性塗料とす
る。混練分散は通常の方法に従って行なうことができ
る。
なお、磁性塗料中は、上記成分以外に、帯電防止剤
(例、カーボンブラック)、潤滑剤(例、脂肪酸、脂肪
酸エステル、シリコーンオイル)、分散剤など通常使用
されている添加剤あるいは充填材(剤)を含むものであ
ってもよいことは勿論である。特に潤滑剤として、炭素
数が10〜22の飽和脂肪酸を用いた場合、研磨テープによ
り研磨を行なうことにより飽和脂肪酸が磁性層表面に層
状に配向する傾向があり、このように配向した脂肪酸膜
は強度が高く、さらに潤滑性も良好であるので、磁気記
録媒体の走行性が向上するとの利点がある。
このようにして調製した磁性塗料を非磁性支持体上に
塗布する。塗布の方法は、リバースロールを用いる方法
などの通常の塗布方法を利用して行なうことができる。
磁性塗料の塗布量は、得られた磁気記録媒体の磁性層
の厚さが通常0.5〜10μmの範囲内となるように塗布さ
れる。
非磁性支持体は、一般には厚さが3〜100μm(好ま
しくは5〜30μm)のものが使用される。
本発明で用いる非磁性支持体の磁性塗料が塗布されて
いない面にバック層(バッキング層)が設けられていて
もよい。通常バック層は、非磁性支持体の磁性塗料が塗
布されていない面に、研磨材、帯電防止剤などの粒状成
分と結合剤とが有機溶剤に分散してなるバック層形成塗
料を塗布して設けられた層である。
なお、非磁性支持体の磁性塗料およびバック層形成塗
料の塗設面に接着剤層が付設されていてもよい。
通常、塗布された磁性塗料の塗布層は、磁性塗料の塗
布層中に含まれる強磁性粉末を配向させる処理、すなわ
ち磁場配向処理を施した後、乾燥される。
しかるのち平滑化処理(例えば、スーパーカレンダー
処理を施す。5段ロール又は7段ロールのスーパーカレ
ンダーロールなどが利用される。スーパーカレンダー処
理を行なうことにより、乾燥時の溶剤の除去によって生
じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向上
するので、電磁変換特性の改良が得られる。カレンダー
ロール処理の具体的な方法は以下の通りである。
カレンダー処理は少なくとも一対(二段)の、好まし
くは三段以上の金属ロールを使用して加熱、加圧する。
もしくは金属ロール(磁性層側)と弾性ロール(バック
層側)との組合せで使用する。金属ロールとしては例え
ば中心線表面粗さ(Ra)が約20nm以下、より好ましくは
約10nm以下であるものが好ましい。金属ロールの例とし
ては、各種の銅製のロール表面にハードクロムメッキや
セラミックコーティングを施したもの、ロール表面か超
硬合金製のロール等を挙げることができる。
金属ロールは芯金部材とこの芯金部材外周に嵌着され
る円筒部材からなり、この円筒部材は表面硬度(ビッカ
ース硬度)が450度以上、好ましくは1000度以上であ
る。具体的には躯体として金属例えば炭素銅、硬質セラ
ミックなどを用い、Cr、Zn、Sn、Cu、Niのいずれかをメ
ッキしたものが好ましい。
弾性ロールは公知のロールを組合わせて使用すること
ができ、その例としては特公昭60−44725号公報、同61
−15807号公報等に開示されているものがある。すなわ
ち、弾性ロールは、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系
樹脂、架橋型ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂お
よびエポキシ系樹脂等の硬質の樹脂の他、さらに、コッ
トンロール、フィルムマットロール、ウールンロード等
の原綿、脱脂綿、パルプ、木綿、ウール等の材料から製
造されたロールを使用する(特開昭62−12921号公
報)。なお、好ましくはポリアミド系樹脂(特公昭60−
44725号公報)やエポキシ樹脂(特公昭61−15807号公
報)を使用する。
また、弾性ロール形成材料の硬度としてはショアD硬
度で70゜以上、好ましくは70゜〜100゜のものを使用す
る。さらに弾性ロールの表面粗さ(中心線平均粗さ;R
a)は0.03μm以下であることが好ましい。0.03μm以
上では所望の特性を得るのが困難である。処理条件とし
ては、線圧50〜350kg/cm、処理温度については、50〜11
0℃の範囲で行うのが好ましい。カレンダー処理後ひき
続いて硬化処理がなされる。
硬化処理には、加熱硬化処理がある。
この硬化処理により表面平滑化処理された磁性層に含
有される未反応の硬化剤が、たとえば塩化ビニル系共重
合体およびポリウレタン系樹脂のような樹脂成分と三次
元網状の架橋構造を形成するように反応する。
加熱処理の工程自体は既に公知であり、本発明におい
てもこれらの方法に準じて加熱処理を行なうことができ
る。
たとえば、加熱処理は、加熱時間を通常40℃以上(好
ましくは50〜80℃の範囲内)、加熱時間を通常1時間以
上(好ましくは10時間〜7日間)に設定して行なわれ
る。
このようにして硬化処理された磁気テープ原反を次に
所望の形状に裁断する。
裁断はスリッターなどの通常の裁断機などを使用して
通常の条件で行なうことができる。
本発明の製法においては、こうして得られた磁性層の
表面、または磁性層の表面およびバック層の表面を研磨
テープにより研磨処理を行なう。特に、研磨テープによ
り研磨処理された表面を、不織布等による拭き取り処理
を確実に行なう。但し、研磨処理、拭き取り処理を行な
う順序は、上記の順序に限定するものではない。磁性層
の表面、または磁性層の表面とバック層の表面は研磨テ
ープのベルトをゆっくり回転させることによって研磨処
理が行なわれる。その際、ベルトの周速度を磁気記録媒
体のテープの巻き取り方向と逆方向に1〜10cm/分、好
ましくは1〜3cm/分の速さで研磨処理を行なう。研磨時
の磁気テープ原反の張力は4〜10kg/1mの範囲がよい。
第1図は、本発明に従う研磨処理、研削処理および拭
き取り処理工程の一例を示す概略図である。
第1図に示すように、送りだしロール1よりテープが
送りだされ、研磨テープ2で研磨され、必要により固定
ブレード3で研削され、そして不織布4で拭き取られ、
さらに巻きとりロール5で巻きとられて処理は完了す
る。10は送りロールでテープの送りを円滑にしている。
研磨テープ3は、回転ロール8によってテープの送り
と反対方向に1〜10cm/分の速さで移動し、バッド6に
よって研磨テープ3はおさえられ、磁性層表面と接触し
研磨処理を行なう。この際磁性層と反対側(バック層)
にはバッキングロール等を設置せずフリーの状態が好ま
しい。
第1図において、研磨テープによる研磨箇所は2つ以
上あっても良い、また磁性層の表面だけでなくバック層
表面も研磨する場合は反対側にも同様の研磨テープによ
る研磨箇所を備え付ける。
研削処理用の固定ブレード3は、使用しなくても良い
し、固定ブレードの代わりに回転ブレードを使用するこ
ともできる。また固定ブレードと回転ブレードの両方を
使用しても良い。
さらに磁性層の表面だけでなくバック層表面も研削処
理を行なう場合は反対側にも固定ブレードおよび/また
は回転ブレードを備え付ける。
不織布4は、回転ロール9によってテープの送りと反
対方向に0.1〜5mm/分の速さで移動し、バッド7によっ
て不織布4はおさえられ、磁性層表面と接触し抜き取り
処理を行なう。バッド7は多数の穴を有し、吸収するこ
とが好ましい。
また、不織布による拭き取り箇所は2つ以上あっても
良いし、磁性層の表面だけでなくバック層表面も拭き取
り処理を行なう場合は反対側にも同様の不織布による拭
き取り箇所を備え付ける。
本発明の研磨処理に使用される研磨テープは、カセッ
トデッキ、ビデオデッキ等のヘッドを研磨するためのテ
ープであることが好ましい。この研磨テープの主な目的
は、ヘッド面を仕上げる、ヘッドの先端形状を作り出
す、およびヘッドのチッピングをなくすこと等である。
これらの研磨処理に使用される研磨テープは、研磨材
の硬度が、モース硬度で5〜9の範囲内にあるもので、
例えばα−Al2O3、SiO2、Cr2O3、α−Fe2O3、ダイアモ
ンド、ZnO2およびTiO2の群より選ばれる少なくとも一種
の研磨材を含んでいる。
本発明に使用される研磨テープは、例えば以下のよう
に製造される。上記研磨材が結合剤、添加剤等を含むバ
インダーに分散され、支持体に塗布され、次いで乾燥後
所定の大きさに裁断される。結合剤としては、熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂、および反応型樹脂が単独または混
合して用いられる。研磨材と結合剤との混合割合は、研
磨材100重量部に対して結合剤が10〜200重量部の範囲で
使用される。支持体の素材としては、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)等のポリエステル類、ポリプロピレ
ン等のポリオレフィン類、セルロース誘導体、ビニル系
樹脂、ポリカーボネート、ポリアミドなどの合成樹脂か
らなるフィルムもしくはシート;アルミニウム、銅等の
非磁性金属箔;ステンレス箔などの金属箔;紙、セラミ
ックシート等から選ばれる。
また、上記本発明に使用した研磨テープの表面粗さ
(中心線平均粗さ)Raは、0.05〜0.25μmの範囲内にあ
ることが好ましい。研磨テープの表面粗さ(中心線平均
粗さ)Raの測定条件は以下の通りである。
中心線平均粗さ測定機サフコム400B、403B、404Bシス
テムを使用して、カットオフ値:0.8mm、稼働速度:0.3m
m、針圧:0.07g、針系:2μR、レンジ:20K/0.5の条件で
測定した。
上記の性能を有する研磨テープであれば、特に研磨テ
ープを限定するものではなく、市販の研磨テープを使用
することもできる。
上記のような研磨テープを用いた研磨処理により、磁
性層の表面から突出している強磁性粉末あるいは研磨材
のような粒状成分、さらには磁性層の表面に存在する未
反応の硬化剤、表面の付着物(例えば、磁気記録媒体を
製造する際に表面に付着した空気中の粉塵)などは、磁
性層表面近傍(略0.1μm、好ましくは0.05μm、より
好ましくは0.025μm以下)の結合剤と共に削り取ら
れ、磁性層表面が平滑化される。
そして、バック層も研磨処理した場合は、バック層を
研磨することにより非磁性粉末などの粒状成分の脱離が
少なくなるので、たとえば、テープ状に裁断した磁気記
録媒体を巻いた状態で使用しても、バック層の表面から
脱離した粒状成分が磁性層の表面に付着してドロップア
ウトあるいは目詰まりの原因となることが少なくなる。
拭き取り処理に使用する材料の例としては、ポリウレ
タンなどの結合成分を実質的に含むことなくポリエステ
ル繊維が結束されてなる繊維の束が緻密にからみ合った
一層構造のスエード調不織布(例、エクセーヌ(商品
名)、東レ(株)製;クラリーノ(商品名)、クラレ
(株)製)およびポリエステル繊維などをポリウレタン
などの結合成分で結合してなる不織布(例、バイリーン
(商品名)、日本バイリーン(株)製)他に極細繊維を
用いた織布(例トレシー(商品名)東レ(株)製)等を
挙げることができる。
この拭き取り処理によって、磁性層および/またはバ
ック層の付着物および有機物質の除去が完全に行なわれ
ることになり、ドロップアウトあるいは目詰まりが低下
する。
前記の不織布等の拭き取り処理を行なう前に、研削処
理を行なってもよい。研削処理方法については、特開昭
62−172532号に記載されている。すなわち使用する研削
具の例としては、固定ブレード、ダイヤモンドホイール
および回転ブレードを挙げることができる。
ここで、固定ブレードとは、研削対象の磁性層もしく
はバック層の表面に接触する部分が高硬度の物質からな
るブレードである。ブレードは、通常は、サファイヤ、
アルミナ、サーメット、ジルコニア(酸化ジルコニウ
ム)、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ダイヤモンドおよび超
硬合金(WC主成分)などの素材で形成されている。
また、ダイヤモンドホイールとは、周囲にダイヤモン
ドを焼結した回転する円筒状の研削具をいう。
さらに、回転ブレード体とは、回転体と、この回転体
の回転軸に沿ってこの回転体の外周部に備えられた少な
くとも一枚のブレードとからなる研削具である。
上記のような処理により、研磨テープを用いた研磨処
理の効果をさらに高めることができる。磁性層の極表面
を研磨した前後の変化量についてはオージェ電子分光
法、X線光電子分光法等の解析手段により確認すること
ができる。例えば表面のFeに対するCl、N、Al量の割合
で比較すればよい。
(発明の効果) 本発明は磁性基含有結合剤(塩化ビニル、ポリウレタ
ン)を用い、ポリイソシアネートを用いて十分加熱硬化
し、Cl−2PスペクトルとFe−2P(3/2)スペクトルとの
積分強度比αとイソシアネート結合の目安となるN−1S
スペクトルとFe−2P(3/2)スペクトルとの比βをコン
トロールすることにより以下のような効果が達成でき
る。
ヘッド汚れ、シリンダー汚れが少なくなりビデオヘ
ッド目詰まりが良化する。特に耐久性に優れ200パス以
上走行させてもビデオ目詰まりを発生させない。
初期及び200パス走行後においてもドロップアウト
の増加が少ない。
広範囲の環境においてもヘッド摩耗を低く押さえる
ことができ、かつシリンダーへのハリ付も生じない。
(実施例) 次に実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例
中の「部」の表示は「重量部」を示すものとする。
〔実施例1〕 強磁性金属粉末(組成:Fe94%、Zn4%、Ni2%、He150
0Oe、比表面積48m2/g、結晶子サイズ200Å)100部をオ
ープンニーダーで10分間粉砕し、次いで塩化ビニル/酢
酸ビニル/グリシジルメタアクリレート=86/9/5の共重
合体にヒドロキシエチルスルフォネートナトリウム塩を
付加した化合物(SO3Na=6*10-5eq/g、エポキシ=10
-3eq/g、Mw30,000)を12部及びメチルエチルケトン60部
で60分間混練し、次いで SO3Na含有ウレタン樹脂 6部 (東洋紡(株)製 UR8200) (固形分) 研磨剤(Al2O3粒子サイズ0.3μm) 15部 カーボンブラック(粒子サイズ40μm) 2部 メチルエチルケトン/トルエン=1/1 200部 を加えてサンドミルで120分間分散した。これに ポリイソシアネート(日本ポリウ 8 部 レタン(株)製コロネート3041) (固形分) オレイン酸 0.5部 ステアリン酸 0.5部 ブチルステアレート 1.5部 メチルエチルケトン 50 部 を加え、さらに20分間撹拌混合した後、1μmの平均孔
径を有するフィルターを用いてろ過し、磁性塗料を調整
した。得られた磁性塗料を乾燥後の厚さが3.6μmにな
るように、厚さ10μmのポリエチレンテレフタレート支
持体の表面にリバースロールを用いて塗布した。
磁性塗料が塗布された非磁性支持体を、磁性塗料が未
乾燥の状態で3000ガウスの磁石で磁場配向を行い、さら
に乾燥後、スーパーカレンダー処理を行った後、70℃に
て24時間加熱処理を行い、1/2吋幅にスリットした。
次に平均粒子サイズ0.3μのCr2O3を用いた表面粗さRa
が0.07、ヤング率400kg/mm2の研磨テープ(K−10000:
富士写真フイルム(株)製)で以下のように研磨処理及
び研削処理(サファイアブレード処理)を続けて行った
後、織布トレシー〔東レ(株)製〕を用いてクリーニン
グ処理を施し1/2吋ビデオテープを製造した。
研磨処理条件 第1図に示すように、研磨テープ2は、回転ロール8
によってテープの送りと反対方向に1.5cm/分の速さで移
動し、上部からパッド6によって押さえられることによ
りテープの磁性層表面と接触し研磨処理が行なわれる。
サファイヤブレード処理 先端の角度が60度のサファイアブレード(幅:5mm、長
さ35mm、京セラ(株)製)と磁性層とを接触角度80度、
張力6kg/1mにて接触させて研削した。なお、磁性層とサ
ファイアブレードとの接触はサファイヤブレード2枚を
一組として行なった。
織布トレシー処理 穴のあいたパッド7によりゴミを吸引しながら織布を
テープの送りと反対方向に2mm/分の速さで送りクリーニ
ング処理を行なった。
比較例−1 実施例−1において研磨処理を省略した他は実施例−
1と同様にして1/2吋ビデオテープを製造した。
比較例−2 実施例−1において研削処理及びクリーニング処理を
省略した他は実施例−1と同様にして1/2吋ビデオテー
プを製造した。
実施例−2 実施例−1において塩化ビニル・酢酸ビニル樹脂の量
を8部に変更した他は実施例−1と同様にして1/2吋ビ
デオテープを製造した。
実施例−3 実施例−1において研磨剤を3部に変更した他は実施
例−1と同様にして1/2吋ビデオテープを製造した。
実施例−4 実施例−1においてポリイソシアネートを4部に変更
した他は実施例−1と同様にして1/2吋ビデオテープを
製造した。
比較例−3 実施例−1において研磨剤を除いた他は実施例−1と
同様にして1/2吋ビデオテープを製造した。
比較例−4 実施例−1においてポリイソシアネートを12部に変更
した他は実施例−1と同様にして1/2吋ビデオテープを
製造した。
比較例−5 実施例−1において塩化ビニル・酢酸ビニル樹脂の量
を7重量部、ポリウレタン樹脂を7部に変更した他は実
施例−1と同様にして1/2吋ビデオテープを製造した。
実施例−5 実施例−1においてポリウレタン樹脂をTIM3005〔三
洋化成(株)〕に変更した他は実施例−1と同様にして
1/2吋ビデオテープを製造した。
実施例−6 実施例−1において研削処理を除いた他は実施例−1
と同様にして1/2吋ビデオテープを製造した。
比較例−6 実施例−1においてポリイソシアネートを除き塩化ビ
ニル系樹脂を13重量部、ポリウレタン樹脂8部に変更し
た他は実施例−1と同様にして1/2吋ビデオテープを製
造した。
比較例−7 実施例−2において研磨処理における研磨テープをC
−8000〔富士写真フイルム(株)製〕に変更した他は実
施例−2と同様にして1/2吋ビデオテープを製造した。
得られたテープを用いて以下のような測定法により評
価し、その結果を第1表に示した。
測定法 1. DO(ドロップアウト) VTR:CVR−75を使用しY信号を録画し再生時の5μsecで
−16dβにおけるドロップアウトの個数を90分間走行さ
せ1分間当りの個数で示す。
2. 瞬間目詰まり VTR:BVW−75を使用し23℃10%RHの環境28分長で300パス
までくり返し走行させ、瞬間目詰まりが最初に発生した
パス回数で示す。
3. ヘッド汚れ 上記4で30パスまで走行後のヘッド部の汚れ具合を顕
微鏡で観察し5段階評価する。良を5点、悪を1点とし
て示す。
4. ヘッド摩耗 40℃80%RHの環境で未走行テープを25時間走行させた
時の走行へ前後ヘッドの高さを測定し減少分をμmで表
示する。
5. 走行性 得られたビデオテープとステンレスポールとを50gの
張力(T1)で接触(巻きつけ角180゜)させて、この条
件下で、テープを3.3cm/secの速度で走行させるのに必
要な張力(T2)を測定した。この測定値をもとに、下記
計算式によりテープの摩擦係数μをもとめた。摩擦係数
の測定条件は、25℃70%RH。
μ=1/π・1n(T2/T1) 6. スチル耐久性 前記1のVTRを用いてスチル状態で、再生出力が記録
信号の50%になるまでの時間(スチル耐久時間)を測定
した。このときUnloarding機能は解除した。
〔α及びβの測定方法〕
α及びβの測定には、X線光電子分光装置(PERKIN−
FLMER社製)を用いた。X線源はMgアノードを用い、300
Wで測定した。まず、ビデオテープの潤滑剤をn−ヘキ
サンを用いて洗い流した後、X線光電子分光装置にセッ
トした。X線源と試料との距離は1cmとした。試料を真
空に排気して5分後からCl−2Pスペクトル、N−1Sスペ
クトルとFe−2P(3/2)スペクトルを10分間積算し測定
した。なお、パスエネルギーは100eVで一定とした。
測定したCl−2PスペクトルとFe−2P(3/2)スペクト
ルとの積分強度比を計算で求め、αとした。
又、N−1SスペクトルとFe−2P(3/2)スペクトルと
の積分強度比を計算で求めβとした。
第1表の結果より明らかな如く、実施例においてはド
ロップアウトが少なく、瞬間目詰まりは200パスまで発
生しない。又ヘッド摩耗が少なくかつヘッド汚れも少な
い。又、高湿におけるμ値も低く、シリンダー等への貼
り付きに対しても有利である。更にスチル耐久性は10時
間以上であり全体のバランスがとれた磁気記録媒体であ
ることが明らかである。なお電磁変換特性(Y S/Nで
評価では±1dβ以内のバラツキであり、実施例及び比と
も大きな差は認められていない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に従う研磨処理、研削処理および拭き取
り処理工程の一例の概略図である。 1:送り出しロール、2:研磨テープ、3:固定ブレード、4:
不織布、5:巻き取りロール、6:パッド(研磨テープ
用)、7:パッド(不織布用)、8:回転ロール(研磨テー
プ用)、9:回転ロール(不織布用)、10:送りロール。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 175/04 PHM C09D 175/04 PHM G11B 5/702 G11B 5/702

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に強磁性金属粉末と結合剤
    として磁性基を有する塩化ビニル系樹脂及び極性基を有
    するポリウレタン系樹脂とを含み、更にポリイソシアネ
    ート系硬化剤と研磨剤を含む磁性層を加熱硬化して得ら
    れる磁気記録媒体において、前記強磁性金属粉末の結晶
    子サイズが250Å以下であり、かつBET吸着法による比表
    面積が40m2/g以上であり、前記塩化ビニル系樹脂は前記
    強磁性金属粉末に対し、8重量%以上であり、前記磁性
    層表面におけるX線光電子分光法を用いて測定したCl−
    2PスペクトルとFe−2P(3/2)スペクトルとの積分強度
    比αが0.35/1〜0.46/1であり、かつN−1Sスペクトルと
    Fe−2P(3/2)スペクトルとの積分強度比βが0.08/1〜
    0.15/1であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】前記結合剤の極性基が−SO3M、−OSO3M、
    −PO3M2、−CO2M(Mは水素、アルカリ金属又はアンモ
    ニウムを示す)及びアミノ酸基、水酸基から選ばれた1
    種以上であることを特徴とする請求項(1)記載の磁気
    記録媒体。
  3. 【請求項3】強磁性金属粉末と極性基含有塩化ビニル系
    樹脂と極性基含有ポリウレタン樹脂を結合剤配合重量比
    8:2〜5:5で混練分散し、その後ポリイソシアネート硬化
    剤をポリウレタン樹脂とポリイソシアネートの配合重量
    比1:0.4〜1:2で加えて撹拌後、得られた磁性塗料を非磁
    性支持体上に塗布し、配向、乾燥後、磁性層表面を表面
    平滑化処理し、更に50〜110℃で12〜72時間加熱硬化し
    た後、前記磁性層の表面を研磨テープにより研磨処理を
    行ない、次いで前記磁性層を織布又は不織布で拭き取り
    処理を行ない、磁性層表面におけるX線電子分光法を用
    いて測定したCl−2PスペクトルとFe−2P(3/2)スペク
    トルとの積分強度比αが0.35/1〜0.46/1であり、かつN
    −1SスペクトルとFe−2P(3/2)スペクトルとの積分強
    度比βが0.08/1〜0.15/1であることを特徴とする磁気記
    録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】前記研磨テープによる研磨処理の後に研削
    処理を行ない、次いで前記の織布又は不織布で拭き取り
    処理を行なうことを特徴とする請求項(1)記載の磁気
    記録媒体の製造方法。
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