JP3149041B2 - スタガ型薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

スタガ型薄膜トランジスタの製造方法

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JP3149041B2
JP3149041B2 JP14571592A JP14571592A JP3149041B2 JP 3149041 B2 JP3149041 B2 JP 3149041B2 JP 14571592 A JP14571592 A JP 14571592A JP 14571592 A JP14571592 A JP 14571592A JP 3149041 B2 JP3149041 B2 JP 3149041B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶ディスプレイを駆
動するのに用いるマトリクスを構成するスタガ型薄膜ト
ランジスタ(thin film transisto
r:TFT)を製造する方法の改良に関する。
【0002】現在、TFTマトリクス駆動液晶ディスプ
レイは、小型テレビジョンなどで実用化されていて、今
後、ラップ・トップ型パーソナル・コンピュータのディ
スプレイや大型テレビジョンへの需要が多くなるものと
見込まれている。
【0003】ところで、液晶ディスプレイを駆動してい
るTFTマトリクスに於けるTFTを構造上からする
と、逆スタガ型とスタガ型とに分けられ、このうち、ス
タガ型は構造が単純であることから、製造する場合の工
程数が少なく、従って、製造歩留りを向上させることが
比較的容易であることが知られているのであるが、その
製造の容易性に随伴する問題があるので、それを解決し
なければならない。
【0004】
【従来の技術】図3乃至図6は従来例を解説する為の工
程要所に於けるスタガ型TFTを表す要部切断側面図で
ある。
【0005】図3参照 3−(1) スパッタリング法を適用することに依り、SiO2 から
なる透明絶縁性基板1上に厚さが例えば500〔Å〕の
ITO(indium tin oxide)膜を形成
する。
【0006】3−(2) リソグラフィ技術に於けるレジスト・プロセス及びエッ
チャントを塩酸系エッチング液とするウエット・エッチ
ング法を適用することに依り、前記工程3−(1)で形
成したITO膜をパターニングし、ソース電極2S及び
ドレイン電極2Dを形成する。
【0007】図4参照 4−(1) ソース電極2S及びドレイン電極2Dが形成された透明
絶縁性基板1を平行平板型プラズマCVD(plasm
a chemical vapour deposit
ion:P−CVD)装置内に配置し、1〔%〕PH3
/Arを200〔sccm〕、圧力0.2〔Tor
r〕、基板温度250〔℃〕、高周波パワー100Wの
プラズマ雰囲気中に曝し、ITO膜からなるソース電極
2S並びにドレイン電極2D上にのみ燐(P)を被着さ
せる。
【0008】4−(2) 20〔%〕SiH4 /H2 を200〔sccm〕、圧力
を0.5〔Torr〕、基板温度を250〔℃〕、高周
波パワーを50〔W〕とする条件でP−CVD法を適用
することに依り、厚さが500〔Å〕のa−Si:Hか
らなる動作半導体層4を成長させる。
【0009】この際、前記工程B−(1)でITO膜か
らなるソース電極2S及びドレイン電極2Dに被着した
Pは、a−Si:Hからなる動作半導体層4の成膜中に
取り込まれ、従って、ITO膜からなるソース電極2S
並びにドレイン電極2Dとa−Si:Hからなる動作半
導体層4との界面には、Pがドーピングされたn+ −a
−Si:Hからなるオーミック・コンタクト層3が薄
く、しかも、確実に生成される。
【0010】4−(3) 引き続いて、20〔%〕SiH4 /H2 を200〔sc
cm〕、NH3 を450〔sccm〕、圧力を1〔To
rr〕、基板温度を250〔℃〕、高周波パワーを50
〔W〕とする条件でP−CVD法を適用することに依
り、厚さが3000〔Å〕のSiNx からなるゲート絶
縁膜5を成長させる。
【0011】図5参照 5−(1) リソグラフィ技術に於けるレジスト・プロセス並びにエ
ッチング・ガスをCF4 +O2 とするRIE法を適用す
ることに依り、ゲート絶縁膜5及び動作半導体層4及び
オーミック・コンタクト層3をパターニングする。これ
で、各TFT間の素子分離が完了する。
【0012】図6参照 6−(1) スパッタリング法を適用することに依り、厚さ3000
〔Å〕のAl膜を形成する。
【0013】6−(2) リソグラフィ技術に於けるレジスト・プロセス及びリン
酸系エッチング液をエッチャントとするウエット・エッ
チング法を適用することに依り、前記工程6−(1)に
於いて形成したAl膜のパターニングを行ってゲート電
極6を形成する。前記のような工程を経ることでスタガ
型TFTが完成する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】前記説明した従来の技
術に於いては、図4について説明した工程で、ITO膜
からなるソース電極2S及びドレイン電極2Dとa−S
i:Hからなる動作半導体層4との界面には、良好なコ
ンタクト特性を示すn+ −a−Si:Hからなるオーミ
ック・コンタクト層3の生成を可能にしている。このn
+ −a−Si:Hからなるオーミック・コンタクト層3
の生成は、云うまでもなく、ITO膜からなるソース電
極2S及びドレイン電極2Dに被着されたPに起因する
ものである。
【0015】ところで、一般に、PはITO膜からなる
ソース電極2S及びドレイン電極2Dにのみ被着すると
されているが、実際には、極微量ではあるがSiO2
らなる透明絶縁性基板1上にも被着し、それが問題を引
き起こすことになる。図7は従来の技術に於ける問題点
を説明する為のスタガ型TFTを表す要部切断側面図で
あり、図3乃至図6に於いて用いた記号と同記号は同部
分を表すか或いは同じ意味を持つものとする。
【0016】図に於いて、3AはSiO2 からなる透明
絶縁性基板1上に極微量被着されたPに起因して生成さ
れたn−a−Siからなる導電性部分を示している。図
示の導電性部分3Aは、オーミック・コンタクト層3に
比較すれば不純物濃度は低いのであるが、オフ電流の上
昇を招来するに充分な程度の電流を流すに足るものであ
る。
【0017】本発明は、簡単な手段で、ソース電極及び
ドレイン電極間の透明絶縁性基板上に導電性部分が生成
されないようにし、その結果、チャネル領域にリーク電
流が流れることを防止する。
【0018】
【課題を解決するための手段】図1はソース電極及びド
レイン電極間の透明絶縁性基板上に於けるPの有無に起
因するTFT特性の変化を説明する為の線図であり、縦
軸にはドレイン・ソース間電流Id 〔A〕を、そして、
横軸にはゲート電圧Vg 〔V〕をそれぞれ採ってある。
【0019】図では、ソース電極及びドレイン電極間の
透明絶縁性基板上に於けるPの存在比を3〔%〕、2
〔%〕、1〔%〕、0〔%〕である場合のTFT特性の
変化を示していて、Pの被着量が少なくなるほどオフ電
流は減少することが顕著に表れていて、Pの存在比が1
〔%〕以下であれば、ゲート電圧Vg =−10〔V〕に
於いて、実用上から好ましいと考えられる1×10-13
〔A〕以下のオフ電流値を達成することができる。
【0020】さて、本発明者等は、多くの実験を行った
結果、オーミック・コンタクト層を生成させる為、IT
O膜からなるソース電極及びドレイン電極にPの被着を
行う際、透明絶縁性基板にもPが被着してしまうのは、
酸素(O)の存在下で発生することを確認した。
【0021】図2は1〔%〕PH3 /Ar雰囲気に曝し
た後にX線光電子分光法(XPS)を適用して得られた
SiO2 からなる透明絶縁性基板上に於けるPの光電子
スペクトルを表す線図であり、縦軸には光電子スペクト
ル強度〔A.U.〕を、そして、横軸には結合エネルギ
〔eV〕をそれぞれ採ってある。
【0022】XPSは、試料にX線を照射し、その際、
放出される電子のエネルギを測定することで元の原子の
結合状態を知ることができるものであり、図2では、1
34〔eV〕〜135〔eV〕のところにピークが見ら
れ、これはPと酸素(O)が結合していることを示すも
のである。尚、この場合に於ける酸素(O)は、プラズ
マ雰囲気中の水蒸気や酸素(O)から供給されるか、或
いは、透明絶縁性基板がSiO2 の場合には、その酸素
(O)が供給されるものである。
【0023】このデータをもとにPの値を定量すると、
全原子に対して約3〔%〕のPが存在している。ここ
で、全原子とは、Si,O,Pを指し、そして、Siが
入っているのは、透明絶縁性基板がSiO2 であること
に依る。この場合、Pは他の元素、即ち、Siとは結合
していないことは明らかである。
【0024】このような知見から、透明絶縁性基板に対
するPの被着は、酸素(O)の存在下で発生すること、
従って、その対策としては、例えば、平行平板型P−C
VD装置にてPH3 /Arプラズマ処理をしてPの被着
を行うに際し、プラズマ雰囲気中に於ける残留している
水蒸気分圧及び酸素分圧の合計をPH3 分圧の1/10
00以下(例えば2×10-6〔Torr〕以下)にする
か、或いは、Pの被着を行ってから(P+O)の除去を
行うか、また、透明絶縁性基板がSiO2 からなるもの
である場合には、プラズマ雰囲気中のイオン性分子が衝
突してSiO2に於けるOとSiとの結合を切ることが
ないような手段を採るなどして、ソース電極及びドレイ
ン電極間の透明絶縁性基板上に於けるPの存在比を1
〔%〕以下にする必要がある。
【0025】このようなことから、本発明に依るスタガ
型TFTの製造方法に於いては、 (1)透明絶縁性基板(例えばSiO2 からなる透明絶
縁性基板1)上にチャネル領域が形成されるべき間隙を
維持して各エッジが対向するソース電極(例えばITO
からなるソース電極2S)及びドレイン電極(例えばI
TOからなるドレイン電極2D)を形成する工程と、次
いで、三族或いは五族の元素を含むプラズマに曝して前
記ソース電極及び前記ドレイン電極上に三族或いは五族
の元素を被着させる工程と、次いで、還元性ガスのプラ
ズマに曝して透明絶縁性基板上の三族或いは五族の元素
を除去してから動作半導体層(例えばa−Siからなる
動作半導体層4)を積層形成すると共に前記ソース電極
及び前記ドレイン電極に被着された三族或いは五族の元
素を前記動作半導体層中に混入してオーミック・コンタ
クト層(例えばn+ a−Siからなるオーミック・コン
タクト層3)を生成させる工程と、次いで、前記動作半
導体層上にゲート絶縁膜(例えばSiNx からなるゲー
ト絶縁膜5)を積層形成してからゲート電極(例えばA
l膜からなるゲート電極6)を形成して完成させる工程
とが含まれてなることを特徴とするか、或いは、
【0026】(2)透明絶縁性基板上にチャネル領域が
形成されるべき間隙を維持して各エッジが対向するソー
ス電極及びドレイン電極を形成する工程と、次いで、三
族或いは五族の元素を含むプラズマに曝して前記ソース
電極及び前記ドレイン電極上に三族或いは五族の元素を
被着させる工程と、次いで、透明絶縁性基板上の三族或
いは五族の元素を除去することが可能な温度に加熱(例
えば350〔℃〕以上)する工程と、次いで、動作半導
体層を積層形成すると共に前記ソース電極及び前記ドレ
イン電極に被着された三族或いは五族の元素を前記動作
半導体層中に混入してオーミック・コンタクト層を生成
させる工程と次いで、前記動作半導体層上にゲート絶縁
膜を積層形成してからゲート電極を形成して完成させる
工程とが含まれてなることを特徴とするか、或いは、
【0027】(3)酸素(O)を含む材料からなってい
る透明絶縁性基板上にチャネル領域が形成されるべき間
隙を維持して各エッジが対向するソース電極及びドレイ
ン電極を形成する工程と、次いで、三族元素或いは五族
元素のラジカル種のみを用いて前記ソース電極及び前記
ドレイン電極上に三族或いは五族の元素を被着させる工
程と、次いで、動作半導体層を積層形成すると共に前記
ソース電極及び前記ドレイン電極に被着された三族或い
は五族の元素を前記動作半導体層中に混入してオーミッ
ク・コンタクト層を生成させる工程と次いで、前記動作
半導体層上にゲート絶縁膜を積層形成してからゲート電
極を形成して完成させる工程とが含まれてなることを特
徴とする。
【0028】
【作用】前記手段を採ることに依り、ソース電極並びに
ドレイン電極間に表出されている透明絶縁性基板上に於
けるPの存在比を1〔%〕以下にすることができ、従っ
て、実用上で支障を来すようなオフ電流を流すn−a−
Si:Hが生成されることはなくなり、オン・オフ比は
充分に高くなるので、液晶ディスプレイに用いた場合に
は、その表示特性は良好なものとなり、製造歩留りは向
上する。
【0029】
【実施例】実施例を説明するに先立って、本発明者が行
った基礎的な実験について説明する。前記した通り、I
TO膜にPを被着させる場合、酸素(O)が存在しなけ
れば良いのであるから、ITO膜からなるソース電極及
びドレイン電極が形成された透明絶縁性基板をP−CV
D装置にセットするに際し、従来から多用されている手
段を利用し、可能な限り、酸素(O)のパージにつとめ
ることは有効である。
【0030】それには、例えば、平行平板型P−CVD
装置に透明絶縁性基板を導入するに際し、 放電を行うチャンバとは別の仕込み専用のチャンバ
を経由する 超高真空仕様のチャンバを用いてPH3 /Arプラ
ズマ処理をする 大排気量の排気装置を使用する などの手段を採って、
【0031】 1〔%〕PH3 /Ar:200〔sccm〕 圧力:0.2〔Torr〕 基板温度:250〔℃〕 高周波パワー:100〔W〕
【0032】のプラズマ雰囲気中に残留している水蒸気
分圧及び酸素分圧の合計をPH3 分圧の1/1000以
下とし、ソース電極及びドレイン電極間の透明絶縁性基
板上に被着したPの存在比を1〔%〕以下にすることが
可能である。
【0033】この後、P−CVD法を適用し、 20〔%〕SiH4 /H2 :200〔sccm〕 圧力:0.5〔Torr〕 基板温度:250〔℃〕 高周波パワー:50〔W〕 なる条件で、a−Si:Hからなる動作半導体層4を厚
さ例えば500〔Å〕に成長させた。
【0034】このa−Si:Hの成長段階で、ITO膜
からなるソース電極2S及びドレイン電極2D上に被着
しているPはa−Si:H中に取り込まれ、ソース電極
2S及びドレイン電極2Dと接している界面には、n+
a−Siからなるオーミック・コンタクト層3が生成さ
れ、そして、ソース電極2S及びドレイン電極2D間の
透明絶縁性基板1上には、Pの被着が殆どないことか
ら、そこに導電性部分が生成されることはない。
【0035】次いで、同じくP−CVD法を適用し、 20〔%〕SiH4 /H2 :200〔sccm〕 NH3 :450〔sccm〕 圧力:1.0〔Torr〕 基板温度:250〔℃〕 高周波パワー:50〔W〕 なる条件で、SiNx からなるゲート絶縁膜5を厚さ例
えば3000〔Å〕に連続成長させた。
【0036】この後、通常の技法を適用して完成させた
スタガ型TFTに於けるオフ電流の値は、実用上問題が
ないとされる値、即ち1×10-13 〔A〕を充分に下回
るものにすることができた。
【0037】前記したように、透明絶縁性基板に対する
Pの被着が酸素(O)の存在下で行われていることが判
れば、その対策としては、酸素(O)のパージを充分に
行えば良く、これに依って本発明の目的は達成すること
ができ、しかも、それは、前記,,に記述した従
来の技術を応用して実現することができる。
【0038】然しながら、そのような手段を採っていた
のでは、条件を達成するのに手間が掛かったり、或い
は、大規模の高価な装置が必要である。従って、もっと
簡単な手段で透明絶縁性基板にPが被着されるのを防止
することができれば望ましく、また、オフ電流の厳しい
抑止を必要とする場合には、前記,,に見られる
ような手段を施してから、更に、Pの存在を低減する手
段を講ずることも必要となる。
【0039】本発明に於ける第一実施例を説明する。平
行平板型P−CVD装置を用いてPの被着を行って、a
−Siからなる動作半導体層4の形成と同時にn+ a−
Siからなるオーミック・コンタクト層3の生成を行う
際、先ず、
【0040】(1) ITO膜からなるソース電極2S
及びドレイン電極2Dが形成された透明絶縁性基板1を
平行平板型P−CVD装置内にセットし、 1〔%〕PH3 /Ar:200〔sccm〕 圧力:0.2〔Torr〕 基板温度:250〔℃〕 高周波パワー:100〔W〕 のプラズマ雰囲気に曝し、ソース電極2S及びドレイン
電極2DにPを被着させる。この際、酸素(O)のパー
ジに前記,,に記述したような対策を採らなけれ
ば、透明絶縁性基板1の表面には、(P+O)が被着さ
れる。
【0041】(2) 次いで、 H2 :200〔sccm〕 圧力:0.5〔Torr〕 基板温度:250〔℃〕 高周波パワー:200〔W〕 時間:約1〔分〕 の条件でH2 プラズマに曝す。
【0042】このようにすると、ソース電極2S及びド
レイン電極2D間の透明絶縁性基板1上に被着されたP
の存在比を1〔%〕以下にすることが可能である。ここ
で、H2 プラズマに曝した場合、(P+O)は良好に除
去されるが、(P+In)は除去されない。従って、ソ
ース電極2S及びドレイン電極2D上に被着されたP
は、そのままの状態を維持するものである。
【0043】(3) 次いで、P−CVD法を適用し、 20〔%〕SiH4 /H2 :200〔sccm〕 圧力:0.5〔Torr〕 基板温度:250〔℃〕 高周波パワー:50〔W〕 の条件で、厚さ例えば500〔Å〕のa−Si:Hから
なる動作半導体層4を成長する。
【0044】このa−Si:Hの成長段階で、ITO膜
からなるソース電極2S及びドレイン電極2D上に被着
しているPはa−Si:H中に取り込まれ、ソース電極
2S並びにドレイン電極2Dと接している界面には、n
+ −a−Siからなるオーミック・コンタクト層3が生
成され、そして、この場合には、ソース電極2S並びに
ドレイン電極2D間の透明絶縁性基板1上には、Pの被
着が殆どないことから、そこに導電性部分が生成される
ことはない。
【0045】(4) 次いで、同じくP−CVD法を適
用し、 20〔%〕SiH4 /H2 :200〔sccm〕 NH3 :450〔sccm〕 圧力:1.0〔Torr〕 基板温度:250〔℃〕 高周波パワー:50〔W〕 なる条件で、厚さ例えば3000〔Å〕のSiNx から
なるゲート絶縁膜5を連続成長する。
【0046】(5) この後、通常の技法を適用して完
成させる。このようにして得られたスタガ型TFTに於
けるオフ電流の値は、実用上の目安である1×10-13
〔A〕以下となることは云うまでもない。
【0047】本発明に於ける第二実施例を説明する。平
行平板型P−CVD装置を用いてPの被着を行って、a
−Siからなる動作半導体層4の形成と同時にn+ a−
Siからなるオーミック・コンタクト層3の生成を行う
際、先ず、
【0048】(1) ITO膜からなるソース電極2S
及びドレイン電極2Dが形成された透明絶縁性基板1を
平行平板型P−CVD装置内にセットし、 1〔%〕PH3 /Ar:200〔sccm〕 圧力:0.2〔Torr〕 基板温度:250〔℃〕 高周波パワー:100〔W〕 のプラズマ雰囲気に曝し、ソース電極2S及びドレイン
電極2DにPを被着させる。
【0049】(2) 次いで、 基板温度:350〔℃〕 時間:約30〔分〕 の条件で加熱処理を施す。
【0050】このようにすると、ソース電極2S及びド
レイン電極2D間の透明絶縁性基板1上に被着された
(P+O)は昇華するので、第一実施例と同様、その存
在比を1〔%〕以下に抑えることが可能である。尚、こ
の加熱処理を施した場合、(P+In)は昇華しないの
で、ソース電極2Sとドレイン電極2D上に被着された
Pは、そのままの状態を維持するものである。
【0051】(3) 次いで、P−CVD法を適用し、 20〔%〕SiH4 /H2 :200〔sccm〕 圧力:0.5〔Torr〕 基板温度:250〔℃〕 高周波パワー:50〔W〕 の条件で、厚さ例えば500〔Å〕のa−Si:Hから
なる動作半導体層4を成長する。
【0052】このa−Si:Hの成長段階で、ITO膜
からなるソース電極2S及びドレイン電極2D上に被着
しているPはa−Si:H中に取り込まれ、ソース電極
2S及びドレイン電極2Dと接している界面には、n+
a−Siからなるオーミック・コンタクト層3が生成さ
れ、そして、この場合、ソース電極2S及びドレイン電
極2D間の透明絶縁性基板1上には、Pの被着が殆どな
いことから、そこに導電性部分が生成されることはな
い。
【0053】(4) 次いで、同じくP−CVD法を適
用し、 20〔%〕SiH4 /H2 :200〔sccm〕 NH3 :450〔sccm〕 圧力:1.0〔Torr〕 基板温度:250〔℃〕 高周波パワー:50〔W〕 なる条件で、厚さ例えば3000〔Å〕のSiNx から
なるゲート絶縁膜5を連続成長する。
【0054】(5) この後、通常の技法を適用して完
成させる。このようにして得られたスタガ型TFTに於
けるオフ電流の値は、第一実施例と同様、実用上の目安
である1×10-13 〔A〕以下となる。
【0055】ところで、前記何れの実施例に於いても、
透明絶縁性基板1はSiO2 からなっているものとして
説明されているが、実際には、その材料に由来する問題
が存在することは前記した通りである。即ち、SiO2
からなる透明絶縁性基板1をPH3 /Arプラズマ処理
を行った場合、イオン性分子が衝突することでSiO2
に於けるSiと酸素(O)との結合が切れ、遊離した酸
素(O)がPと結合する現象が現れる。
【0056】本発明に於ける第三実施例は、そのような
PH3 /Arプラズマ処理時に於けるSiO2 のダメー
ジに対処することができる。即ち、SiO2 からなる透
明絶縁性基板1をPH3 /Arプラズマに曝す際、イオ
ン性元素の直接被爆を受けることがないμ波−CVD装
置、或いはプラズマの発生場所と基板装着場所とが隔離
されているリモート・プラズマCVD装置、或いはPH
3 /Arをレーザ光などで分解する光CVD装置に依
り、PH3 のラジカル種のみを用いて処理することで、
ソース電極2S及びドレイン電極2D間の透明絶縁性基
板1を構成するSiO2 にダメージを与えないようにす
る。
【0057】このようにすれば、SiO2 から酸素
(O)が遊離することはないから、透明絶縁性基板1に
対するPの被着は起こらない。従って、この後、前記他
の実施例と同様にして、スタガ型TFTを完成させれば
良い。この第三実施例は、第一実施例や第二実施例と併
用すると有効であり、若し、平行平板型プラズマCVD
装置に対し、外部から酸素(O)の供給がある場合に
は、単独で所期の目的を達成することは不可能である。
【0058】また、オフ電流の制限が厳しいスタガ型T
FTを製造する場合には、時間や手間が掛かっても、前
記,,に記述したような手段を施した後、更に、
第一実施例乃至第三実施例に見られる手段を講ずること
が有効である。
【0059】
【発明の効果】本発明に依るスタガ型TFTの製造方法
では、透明絶縁性基板上にソース電極及びドレイン電極
を形成し、三族或いは五族の元素を含むプラズマに曝す
か、又は、それ等元素のラジカル種に曝してソース電極
及びドレイン電極上に三族或いは五族の元素を被着さ
せ、還元性ガスのプラズマに曝すか、又は、加熱して透
明絶縁性基板上の三族或いは五族の元素を除去してから
動作半導体層を形成すると共に三族或いは五族の元素を
動作半導体層中に混入してオーミック・コンタクト層を
生成させ、動作半導体層上にゲート絶縁膜を形成してか
らゲート電極を形成して完成させるようにしている。
【0060】前記構成を採ることに依り、ソース電極並
びにドレイン電極間に表出されている透明絶縁性基板上
に於けるPの存在比を1〔%〕以下にすることができ、
従って、実用上で支障を来すようなオフ電流を流すn−
a−Si:Hが生成されることはなくなり、オン・オフ
比は充分に高くなるので、液晶ディスプレイに用いた場
合には、その表示特性は良好なものとなり、製造歩留り
は向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ソース電極及びドレイン電極間の透明絶縁性基
板上に於けるPの有無に起因するTFT特性の変化を説
明する為の線図である。
【図2】1〔%〕PH3 /Ar雰囲気に曝した後にX線
光電子分光法(XPS)を適用して得られたSiO2
らなる透明絶縁性基板上に於けるPの光電子スペクトル
を表す線図である。
【図3】従来例を解説する為の工程要所に於けるスタガ
型TFTを表す要部切断側面図である。
【図4】従来例を解説する為の工程要所に於けるスタガ
型TFTを表す要部切断側面図である。
【図5】従来例を解説する為の工程要所に於けるスタガ
型TFTを表す要部切断側面図である。
【図6】従来例を解説する為の工程要所に於けるスタガ
型TFTを表す要部切断側面図である。
【図7】従来の技術に於ける問題点を説明する為のスタ
ガ型TFTを表す要部切断側面図である。
【符号の説明】
1 透明絶縁性基板 2S ソース電極 2D ドレイン電極 3 オーミック・コンタクト層 4 動作半導体層 5 ゲート絶縁膜 6 ゲート電極
フロントページの続き (72)発明者 筧 達也 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−81064(JP,A) 特開 昭59−181064(JP,A) 特開 平4−334065(JP,A) 特開 平4−213430(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/786 H01L 21/336 G02F 1/1368

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明絶縁性基板上にチャネル領域が形成さ
    れるべき間隙を維持して各エッジが対向するソース電極
    及びドレイン電極を形成する工程と、 次いで、三族或いは五族の元素を含むプラズマに曝して
    前記ソース電極及び前記ドレイン電極上に三族或いは五
    族の元素を被着させる工程と、 次いで、還元性ガスのプラズマに曝して透明絶縁性基板
    上の三族或いは五族の元素を除去してから動作半導体層
    を積層形成すると共に前記ソース電極及び前記ドレイン
    電極に被着された三族或いは五族の元素を前記動作半導
    体層中に混入してオーミック・コンタクト層を生成させ
    る工程と次いで、前記動作半導体層上にゲート絶縁膜を
    積層形成してからゲート電極を形成して完成させる工程
    とが含まれてなることを特徴とするスタガ型薄膜トラン
    ジスタの製造方法。
  2. 【請求項2】透明絶縁性基板上にチャネル領域が形成さ
    れるべき間隙を維持して各エッジが対向するソース電極
    及びドレイン電極を形成する工程と、 次いで、三族或いは五族の元素を含むプラズマに曝して
    前記ソース電極及び前記ドレイン電極上に三族或いは五
    族の元素を被着させる工程と、 次いで、透明絶縁性基板上の三族或いは五族の元素を除
    去することが可能な温度に加熱する工程と、 次いで、動作半導体層を積層形成すると共に前記ソース
    電極及び前記ドレイン電極に被着された三族或いは五族
    の元素を前記動作半導体層中に混入してオーミック・コ
    ンタクト層を生成させる工程と次いで、前記動作半導体
    層上にゲート絶縁膜を積層形成してからゲート電極を形
    成して完成させる工程とが含まれてなることを特徴とす
    るスタガ型薄膜トランジスタの製造方法。
  3. 【請求項3】酸素(O)を含む材料からなっている透明
    絶縁性基板上にチャネル領域が形成されるべき間隙を維
    持して各エッジが対向するソース電極及びドレイン電極
    を形成する工程と、 次いで、三族元素或いは五族元素のラジカル種のみを用
    いて前記ソース電極及び前記ドレイン電極上に三族或い
    は五族の元素を被着させる工程と、 次いで、動作半導体層を積層形成すると共に前記ソース
    電極及び前記ドレイン電極に被着された三族或いは五族
    の元素を前記動作半導体層中に混入してオーミック・コ
    ンタクト層を生成させる工程と次いで、前記動作半導体
    層上にゲート絶縁膜を積層形成してからゲート電極を形
    成して完成させる工程とが含まれてなることを特徴とす
    るスタガ型薄膜トランジスタの製造方法。
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