JPH07283147A - 薄膜形成方法 - Google Patents

薄膜形成方法

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JPH07283147A
JPH07283147A JP7673794A JP7673794A JPH07283147A JP H07283147 A JPH07283147 A JP H07283147A JP 7673794 A JP7673794 A JP 7673794A JP 7673794 A JP7673794 A JP 7673794A JP H07283147 A JPH07283147 A JP H07283147A
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reaction
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Kaichi Fukuda
加一 福田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄膜トランジスタなどの薄膜を効率よく成膜
することを目的とする。 【構成】 プラズマエッチングによりクリーニング可能
な複数の反応室13〜16を備える枚葉式プラズマ成膜
装置を用い、複数の反応室においてそれぞれ一定数の基
板上に成膜をおこなったのちに周期的に反応室のクリー
ニングをおこない、複数の反応室を使用して同一基板上
に異なる種類の膜を積層形成する薄膜形成方法におい
て、反応室のクリーニングの周期を規定する成膜基板の
枚数を成膜する薄膜の種類により異ならしめた。 【効果】 装置全体の積層形成のスループットを向上さ
せることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、薄膜形成方法に係
り、特にアクティブマトリックス型液晶表示素子のスイ
ッチング素子として用いられる薄膜トランジスタの製造
に有効な薄膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶を用いた表示素子は、テレビ表示や
グラフィックディスプレイなどを指向した大容量、高密
度化の点から、たとえばラビングによる配向処理が施さ
れた2枚の基板を、配向方向が互いに90°をなすよう
に平行に対向配置し、この対向基板間にネマチックタイ
プの液晶組成物を挟持させた、いわゆるツイストネマチ
ック型(TN型)のアクティブマトリックス型液晶表示
素子が注目されている。このアクティブマトリックス型
液晶表示素子では、クロストークのない高コントラスト
の表示が得られるように各画素の駆動および制御を半導
体スイッチング素子でおこなう方式が採用されている。
その半導体スイッチング素子としては、透過型の表示が
可能であり、また大面積化が容易であるなどの理由か
ら、透明絶縁基板上に形成された非晶質シリコン(a−
Si )系の薄膜トランジスタ(TFT)が用いられてい
る。しかもこのa−Si 系のTFTには、活性層である
a−Si 膜を挟んで、下層にゲート電極、上層にソース
電極およびドレイン電極を配置した逆スタガード構造が
多く用いられている。
【0003】従来、このa−Si 系のTFTの窒化シリ
コン(Si Nx )膜、a−Si 膜、燐(P)ドープa−
Si 膜などは、一度に6〜8枚のガラス絶縁基板をトレ
イに搭載し、このトレイを搬送して連続処理するインラ
イン式プラズマCVD装置により形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、アクテ
ィブマトリックス型液晶表示素子は、半導体スイッチン
グ素子としてa−Si 系のTFTが用いられている。従
来、このa−Si 系のTFTのSi Nx 膜、a−Si
膜、Pドープa−Si 膜などは、一度に6〜8枚のガラ
ス絶縁基板を搭載したトレイを搬送して連続処理するイ
ンライン式プラズマCVD装置により形成されている。
しかしこのインライン式プラズマCVD装置は、量産性
にはすぐれているが、装置が巨大で大きな設置スペース
が必要である。また搬送トレイにも膜が付着し、この付
着膜が剥がれてパーティクルの原因となり、歩留を低下
させる。さらに装置内壁に付着した膜の剥がれを防止す
るために、定期的に装置を冷却して、クリーニングをお
こなう必要があるため、装置の稼働率が低い、などの問
題がある。
【0005】ところで、半導体素子製造の分野では、ト
レイを用いることなく基板のみを搬送し、一つの反応室
で1度に1枚の基板を処理する枚葉プロセスが主流とな
っている。通常この枚葉プロセスでは、成膜とプラズマ
エッチングによる反応室のクリーニングとを交互に周期
的におこなっている。
【0006】そこで、近年、大型ガラス絶縁基板を用い
るa−Si 系のTFTの製造に、この枚葉プロセスを導
入する開発が進められている。この枚葉プロセスでは、
処理装置が小型化でき、設置スペースを小さくすること
が可能である。またトレイを用いることなく基板のみを
搬送することにより、パーティクルの発生を抑制でき
る。さらにプラズマエッチングにより反応室をクリーニ
ングすることにより、パーティクルを低減できるばかり
でなく、装置の稼働率の大幅な向上が見込まれる。
【0007】ところで、a−Si 系のTFTの主要構造
の一つに、ゲート絶縁膜、真性a−Si 膜、Pドープa
−Si 膜を、チャネル保護膜を用いることなく連続形成
するタイプがある。このようなTFTの真性a−Si 膜
およびPドープa−Si 膜の成膜は、真性a−Si 膜の
P汚染を防ぐため、それぞれ別の反応室で成膜する必要
がある。したがって枚葉式プラズマCVD装置でゲート
絶縁膜、真性a−Si膜、Pドープa−Si 膜を連続し
て積層形成する場合、最も効率的な形成方法としては、
ゲート絶縁膜と真性a−Si 膜とを同一反応室で連続し
て成膜したのち、別の反応室でPドープa−Si 膜を成
膜するようにするとよい。この場合、この種のTFT
は、真性a−Si 膜は、0.3μm 程度の膜厚が必要で
あり、これに対して、Pドープa−Si 膜の膜厚は、
0.05μm 程度と薄い。したがって枚葉式プラズマC
VD装置に複数の反応室を設け、そのうち、多くの反応
室をゲート絶縁膜と真性a−Si 膜の成膜に割当て、そ
れよりも少ない反応室をPドープa−Si 膜の成膜に割
当てることにより、枚葉式プラズマCVD装置の稼働率
を向上させることができる。
【0008】しかしこのようにすると、ゲート絶縁膜お
よび真性a−Si 膜の成膜とのバランスにより、Pドー
プa−Si 膜については、数少ない反応室を多数の基板
を処理しなければならず、プラズマエッチングによる反
応室のクリーニングをゲート絶縁膜および真性a−Si
膜を成膜する反応室の基板の処理枚数と同じ頻度でおこ
なっていては、装置の稼働率が低下し、生産に支障をき
たす。
【0009】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
ものであり、枚葉式プラズマCVD装置(枚葉式プラズ
マ成膜装置)を用いて、薄膜トランジスタなどを構成す
る薄膜を効率よく成膜できる薄膜形成方法を得ることを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】プラズマエッチングによ
りクリーニング可能な複数の反応室を備える枚葉式プラ
ズマ成膜装置を用い、その複数の反応室においてそれぞ
れ一定数の基板上に成膜をおこなったのちに周期的に反
応室のクリーニングをおこない、複数の反応室を使用し
て同一基板上に異なる種類の薄膜を積層形成する薄膜形
成方法において、反応室のクリーニングの周期を規定す
る成膜基板の枚数を成膜する薄膜の種類により異ならし
めた。
【0011】また、同一基板上に膜厚の異なる複数種類
の薄膜を積層形成する場合、反応室のクリーニングの周
期を規定する成膜基板の枚数を膜厚の厚い膜を成膜する
場合に対して膜厚の薄い膜を成膜する場合に多くした。
【0012】さらに、膜厚の薄い膜を成膜する反応室数
に対して膜厚の厚い膜を成膜する反応室数を多くした。
【0013】
【作用】上記のように、プラズマエッチングによりクリ
ーニング可能な複数の反応室を備える枚葉式プラズマ成
膜装置を用いて、同一基板上に異なる種類の薄膜を積層
形成する場合、あるいは同一基板上に膜厚の異なる複数
種類の薄膜を積層形成する場合、たとえばa−Si 系の
TFTの真性a−Si 膜とPドープa−Si 膜を異なる
反応室で成膜する場合、真性a−Si 膜を成膜する反応
室のクリーニングするまでの処理枚数とPドープa−S
i 膜を成膜する反応室のクリーニングするまでの処理枚
数とを、膜厚の厚い前者に対して膜厚の薄い後者を多く
して、反応室のクリーニングの頻度を少なくすると、後
者の成膜の処理能力が向上し、少ない反応室で多数の基
板を処理することができる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。
【0015】図1にその一実施例に係るアクティブマト
リックス型液晶表示素子のスイッチング素子として用い
られるTFTを示す。このTFTは、ガラス絶縁基板1
の一主面上に形成されたモリブデン−タンタル(Mo −
Ta )からなる所定形状のゲート電極2と、このゲート
電極2を覆うようにガラス絶縁基板1上に形成された膜
厚0.3μm の酸化シリコン(Si Ox )膜からなるゲ
ート絶縁膜3と、上記ゲート電極2に対応してこのゲー
ト絶縁膜3上に形成された膜厚0.05μm の窒化シリ
コン(Si Nx )膜4と、このSi Nx 膜4上に形成さ
れた膜厚0.3μm の真性非晶質シリコン(a−Si )
膜5(半導体膜)と、このa−Si 膜5上のチャネル領
域以外の部分に形成された膜厚0.05μm の燐ドープ
非晶質シリコン(Pドープa−Si )膜6(低抵抗半導
体膜)と、このPドープa−Si膜6上のソース領域お
よびドレイン領域にそれぞれ形成されたクロム(Cr )
またはアルミニウム(Al )などからなるソース電極7
およびドレイン電極8と、上記チャネル領域のa−Si
膜5、ソース電極7およびドレイン電極8を覆う膜厚
0.3μm のSi Nx 膜からなる絶縁保護膜9とから構
成されている。そのソース電極7は、ゲート絶縁膜3上
に積層形成されたITO(Indium Tin Oxide)からなる
画素電極10に接続されている。
【0016】このTFT製造は、図2(a)に示すよう
に、まずガラス絶縁基板1の一主面上にスパッター法に
よりMo −Ta からなる金属膜を成膜し、フォトリソグ
ラフィ法により所定形状のゲート電極2を形成する。つ
ぎにこのゲート電極2の形成されたガラス絶縁基板1を
400℃に加熱し、常圧熱CVD法により上記ゲート電
極2を覆うようにガラス絶縁基板1上に膜厚0.3μm
のSi Ox 膜からなるゲート絶縁膜3を形成する。
【0017】つぎに後述する枚葉式プラズマCVD装置
により、図2(b)に示すように、上記ゲート電極2お
よびゲート絶縁膜3の形成されたガラス絶縁基板1を3
50℃に加熱し、同一反応室でゲート絶縁膜3上に膜厚
0.05μm のSi Nx 膜4を成膜し、ついでこのSi
Nx 膜4上に膜厚0.3μm のa−Si 膜5を成膜す
る。ついでこのSi Nx 膜4およびa−Si 膜5の形成
されたガラス絶縁基板1を真空を破ることなく別の反応
室に移して、図2(c)に示すように、上記a−Si 膜
5上に膜厚0.05μm のPドープa−Si 膜6を成膜
する。
【0018】そして上記ゲート絶縁膜3上に順次積層成
膜されたSi Nx 膜4、a−Si 膜5およびPドープa
−Si 膜6を、フォトリソグラフィ法により、図2
(d)に示すように、チャネル領域、ソース領域、ドレ
イン領域をもつ所定形状に加工する。その後、スパッタ
ー法によりITOからなる透明導電膜を成膜し、この透
明導電膜をフォトリソグラフィ法により加工して、ゲー
ト絶縁膜3上の所定位置に画素電極10を形成する。
【0019】つぎに上記画素電極10などの形成された
ガラス絶縁基板1上に、スパッター法によりCr または
Al などからなる金属膜を成膜する。そしてこの金属膜
をフォトリソグラフィ法により加工して、図2(e)に
示すように、ソース領域に画素電極10に接続されたソ
ース電極7を形成するとともに、ドレイン領域にドレイ
ン電極8を形成する。その後、図2(f)に示すよう
に、このソース電極7およびドレイン電極8をマスクと
して、これら電極7,8間のチャネル領域にあるPドー
プa−Si 膜6をエッチングにより除去する。その後、
上記ソース電極7およびドレイン電極8の形成されたガ
ラス絶縁基板1上に、プラズマCVD法により膜厚0.
3μm のSi Nx 膜を成膜し、このSi N膜をフォトリ
ソグラフィ法により加工して、図1に示したように、ソ
ース電極7、ドレイン電極8およびこれら電極7,8間
のチャネル領域を覆う絶縁保護膜9を形成する。
【0020】ところで、上記Si Nx 膜4、a−Si 膜
5およびPドープa−Si 膜6の成膜には、図3に一例
として示す枚葉式プラズマCVD装置が用いられる。こ
の枚葉式プラズマCVD装置は、中央にガラス絶縁基板
を搬送する搬送機構が設けられた真空の共通室12を備
え、この共通室12を取囲むように、その周囲に4つの
反応室13〜16と1つの加熱室17と2つの搬出入室
18,19とが配置されたている。その各反応室13〜
16内には、図4に示すように、高周波電源21に接続
された高周波電極22および接地電極23が対向して配
置されている。ガラス絶縁基板1は、この接地電極23
の高周波電極22との対向面に固定される。またこの接
地電極23には、固定されたガラス絶縁基板1を所定温
度に加熱するヒーター24が設けられている。また各反
応室13〜16には、シラン(Si H3 )、水素
(H2 )、アンモニヤガス(NH3 )、窒素(N2 )、
フォスフィン(PH3 )、弗化窒素(NF3 )、アルゴ
ン(Ar )などの成膜またはクリーニング用ガスを供給
するガス供給装置25、および反応室13〜16内を排
気するためのルーツブロワーポンプおよびドライポンプ
からなる排気装置26が付設されている。一方、共通室
12、加熱室17および搬出入室18,19には、それ
ぞれN2 ガスを供給するガス供給装置および排気装置が
付設されている。
【0021】この枚葉式プラズマCVD装置によるSi
Nx 膜、a−Si 膜およびPドープa−Si 膜の成膜
は、ガラス絶縁基板をいずれか一方の搬出入室18また
は19に搬入し、共通室12を経て加熱室17に搬送し
て加熱する。約30分加熱したのち、再び共通室12を
経て、たとえば反応室13に搬送する。そしてこの反応
室13の接地電極23上でガラス絶縁基板を330℃に
加熱して、順次膜厚0.03μm のSi Nx 膜および膜
厚0.3μm のa−Si 膜を成膜する。つぎにこのSi
Nx 膜およびa−Si 膜の積層成膜されたガラス絶縁基
板を、共通室12を経て、たとえば反応室16に搬送す
る。そしてこの反応室16の接地電極23上でガラス絶
縁基板を300℃に加熱して、膜厚0.05μm のPド
ープa−Si 膜を成膜する。このPドープa−Si 膜の
成膜されたガラス絶縁基板は、その後、共通室12を経
て、いずれか一方の搬出入室18または19に搬出され
る。
【0022】このように枚葉式プラズマCVD装置によ
りSi Nx 膜、a−Si 膜およびPドープa−Si 膜を
成膜する場合、上記枚葉式プラズマCVD装置では、4
つの反応室13〜16のうち、3つの反応室13、1
4,15をSi Nx 膜およびa−Si 膜の成膜に使用
し、1つの反応室16をPドープa−Si 膜の成膜に使
用し、これら各反応室13〜16において、並列的にガ
ラス絶縁基板に上記各薄膜を成膜する。これは、Si N
x 膜とa−Si 膜との積層膜厚が0.35μm と、Pド
ープa−Si 膜の膜厚0.05μm に対して7倍も厚
く、Pドープa−Si膜の成膜時間にくらべ、Si Nx
膜およびa−Si 膜の成膜に時間が長くかかるためであ
る。
【0023】上記各反応室13〜16は、所定枚数のガ
ラス絶縁基板に薄膜を成膜したのち、クリーニングをお
こなうが、この各反応室13〜16のクリーニングは、
それぞれ反応室13〜16から成膜を終了したガラス絶
縁基板を搬出したのち、反応室13〜16内にガス供給
装置24からNF3 、Ar などのクリーニング用ガスを
導入し、高周波電極22および対向する接地電極23間
にプラズマ放電を発生させて、反応室13〜16内に付
着したSi Nx 、a−Si 、Pドープa−Siをエッチ
ングすることによりおこなわれる。このクリーニング用
ガスとして導入されるAr は、プラズマ放電を安定化
し、プラズマ放電の電子密度を高めて、NF3 の分解効
率を向上させるためである。このNF3 とAr を用いた
プラズマ放電によるエッチング後、ガラス絶縁基板を搬
入することなく、反応室13〜16の内壁をSi Nx 膜
などコーティングしてクリーニングを終了する。
【0024】このような反応室13〜16のクリーニン
グは、数分の時間がかかる。したがって枚葉式プラズマ
CVD装置の稼働率を向上させるためには、クリーニン
グの頻度をできるだけ少なくすることが望まれる。特に
上記Si Nx 膜、a−Si 膜およびPドープa−Si 膜
の成膜のように、Si Nx 膜およびa−Si 膜の成膜に
3つの反応室13,14,15を使用し、Pドープa−
Si 膜の成膜を1つの反応室16を使用しておこなう場
合は、このPドープa−Si 膜を成膜する反応室16
は、他の反応室13,14,15の3倍の枚数のガラス
絶縁基板に薄膜を成膜しなければならないため、クリー
ニングの頻度をできるだけ少なくすることが必要であ
る。
【0025】いま、たとえば反応室13,14,15に
ついては、3枚のガラス絶縁基板にSi Nx 膜とa−S
i 膜を積層成膜するごとにクリーニングをにおこなうと
する。これに対して、反応室16については、18枚の
ガラス絶縁基板にPドープa−Si 膜を成膜するごとに
クリーニングをにおこなうとする。このように反応室1
6のクリーニングするまでの成膜枚数を各反応室13,
14,15の成膜枚数の6倍に伸ばしても、積算膜厚
は、各反応室13,14,15の積算膜厚よりも少なく
て済む。
【0026】表1に、Pドープa−Si 膜を成膜する反
応室16のクリーニングの頻度と単位時間あたりの積層
膜形成能力、すなわちスループット(throughput)の値
との関係を示す。この表1の関係は、表2に示す反応室
13,14,15で成膜されるSi Nx 膜、a−Si 膜
および反応室16で成膜されるPドープa−Si 膜の成
膜速度、各反応室13〜16のエッチング(クリーニン
グ)速度、ガラス絶縁基板の搬送に要する時間、反応ガ
スの調圧時間、クリーニング後のコーティングに要する
時間を基礎に求めたものである。この表1からわかるよ
うに、クリーニングの頻度を、ガラス絶縁基板3枚につ
き1回とすると、毎時20枚のガラス絶縁基板に成膜で
きるが、18枚につき1回とすると、毎時26枚のガラ
ス絶縁基板に成膜することができるようになる。
【表1】
【表2】
【0027】従来のインライン式プラズマCVD装置で
は、反応室をクリーニングするために装置の冷却が必要
であり、クリーニングに長時間を必要とした。そのた
め、反応室により積算膜厚に違いがあっても、通常全反
応室での成膜を中止して同時期にクリーニングをおこな
っていた。これに対し、上記枚葉式プラズマCVD装置
では、各反応室13〜16ごとに設けられたセルフクリ
ーニング機能により、各反応室13〜16の積算膜厚に
応じて、クリーニングの頻度を変えることができ、上述
のa−Si 系のTFTのSi Nx 膜、a−Si 膜および
Pドープa−Si膜の成膜では、装置全体のスループッ
トを律則するPドープa−Si 膜を成膜する反応室16
のクリーニングの頻度を少なくすることにより、装置全
体のスループットを大幅に向上させることができる。
【0028】なお、上記実施例では、アクティブマトリ
ックス型液晶表示素子のスイッチング素子として用いら
れる薄膜トランジスタについて説明したが、この発明
は、a−Si 系の密着センサーの薄膜形成にも適用可能
である。
【0029】
【発明の効果】プラズマエッチングによりクリーニング
可能な複数の反応室を備える枚葉式プラズマ成膜装置を
用いて、同一基板上に異なる種類の薄膜を積層形成する
場合、あるいは同一基板上に膜厚の異なる複数種類の薄
膜を積層形成する場合、たとえば非晶質シリコン系の薄
膜トランジスタの真性非晶質シリコン膜と燐ドープ非晶
質シリコン膜を異なる反応室で成膜する場合、真性非晶
質シリコン膜を成膜する反応室のクリーニングするまで
の処理枚数と燐ドープ非晶質シリコン膜を成膜する反応
室のクリーニングするまでの処理枚数とを、膜厚の厚い
前者に対して膜厚い後者の方を多くして、反応室のクリ
ーニングの頻度を少なくすると、成膜の処理能力が向上
し、少ない反応室で多数の基板を処理することができ
る。その結果、枚葉式プラズマ成膜装置全体としての積
層膜形成のスループットを大幅に向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係るアクティブマトリッ
クス型液晶表示素子のスイッチング素子として用いられ
る薄膜トランジスタの構成を示す図である。
【図2】図2(a)ないし(f)はそれぞれ上記薄膜ト
ランジスタの製造方法を説明するための図である。
【図3】この発明の一実施例に係る枚葉式プラズマCV
D装置の構成を示す図である。
【図4】上記枚葉式プラズマCVD装置の反応室の構成
を示す図である。
【符号の説明】
1…ガラス絶縁基板 2…ゲート電極 3…ゲート絶縁膜 4…窒化シリコン膜 5…非晶質シリコン膜(半導体膜) 6…燐ドープ非晶質シリコン膜(低抵抗半導体膜) 7…ソース電極 8…トレイン電極 9…絶縁保護膜 10…画素電極 13…反応室 14…反応室 15…反応室 16…反応室 17…加熱室 18…搬出入室 19…搬出入室 22…高周波電極 23…接地電極 25…ガス供給装置 26…排気装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/786 21/336 9056−4M H01L 29/78 311 Y

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマエッチングによりクリーニング
    可能な複数の反応室を備える枚葉式プラズマ成膜装置を
    用い、上記複数の反応室においてそれぞれ一定数の基板
    上に成膜をおこなったのちに周期的に反応室のクリーニ
    ングをおこない、上記複数の反応室を使用して同一基板
    上に異なる種類の薄膜を積層形成する薄膜形成方法にお
    いて、 上記反応室のクリーニングの周期を規定する成膜基板の
    枚数を成膜する薄膜の種類により異ならしめたことを特
    徴とする薄膜形成方法。
  2. 【請求項2】 プラズマエッチングによりクリーニング
    可能な複数の反応室を備える枚葉式プラズマ成膜装置を
    用い、上記複数の反応室においてそれぞれ一定数の基板
    上に成膜をおこなったのちに周期的に反応室のクリーニ
    ングをおこない、上記複数の反応室を使用して同一基板
    上に膜厚の異なる複数種類の薄膜を積層形成する薄膜形
    成方法において、 上記反応室のクリーニングの周期を規定する成膜基板の
    枚数を膜厚の厚い膜を成膜する場合に対して膜厚の薄い
    膜を成膜する場合に多くしたことを特徴とする薄膜形成
    方法。
  3. 【請求項3】 膜厚の薄い膜を成膜する反応室数に対し
    て膜厚の厚い膜を成膜する反応室数を多くしたことを特
    徴とする請求項2記載の薄膜形成方法。
JP7673794A 1994-04-15 1994-04-15 薄膜形成方法 Pending JPH07283147A (ja)

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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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