JP3148389U - 非常用貯水装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】新鮮な水を常時貯え、非常時に最小限の生活用水の供給を可能にする、簡単な構造で安価な、特に家庭用に適した非常用貯水装置を提供する。【解決手段】非常用貯水装置10は、上方から下方に向かう給水用配管の一部の太さを拡大した状態の貯水タンク1と、貯水タンク1に連通して貯水タンク1よりも上方に設けられた、貯水タンク1内の空気の吸排気を制御する通気弁20とから構成される。貯水タンク1の内部は、上方の配管4につながる部分から下方へ向けて太さが一旦拡大し、その後順次太さが縮小して下方の配管6に至る形状に形成される。通気弁20は、貯水タンク1の満杯時には閉じ、前記満杯時から水位が下がる間、及び水位が下がった状態から満杯に至る間に開いて、貯水タンク1への給水と非常時の水の利用を可能にする。【選択図】図1
Description
本考案は、自然災害等の突発的事由によって給水が突然停止したような非常時に、必要最小限の給水量を確保することができる非常用貯水装置に関する。
地震、台風、洪水などの自然災害時に、給水が突然停止することが起こり得る。水は生活の根幹となるものであり、かかる非常時においても、必要最小限の生活水が確保できれば、緊急時の生活を維持する上で好適である。自然災害は避け難い出来事であり、特に各家庭において緊急時にも対策できる非常用水の確保がされていることが理想である。現実にはそこまでの十分な対策がなされているとは言えず、これは、一般家庭でも手軽に設置が検討できるような簡便で安価な非常用貯水装置が提供されていないことが一因であるものと思われる。
従来技術において、各種形式の非常用貯水装置が開示されてはいる。特許文献1に開示された装置では、水槽内に水道圧により水をくみ上げて注水し、非常時にはその水槽に配管された専用水路を介して非常用水栓から貯えられた水の利用を可能にしている。水槽内への注水は下方から行い、取出しを水槽の上方から行うことで新鮮な水を循環させるものとしている。
特許文献2に開示された装置では、内部に配管を巡らせた貯水タンクを設け、注水は貯水タンク内の上部にある配管の開口部から行い、排水は内部の屈曲管を利用してタンク底面から行うことで常時新鮮な水を循環させる構造としている。また、特許文献3に開示された装置では、プラスチック容器の中に金属製容器を入れた二重構造の容器に給水管と排水管を設け、非常時にその容器内に貯えられた水を利用する構造としている。この例では、明示はされていないが給水管は容器内の高い位置まで導かれて注水は高位より行い、排水は低位より行うことで水の新鮮さを保っているようである。
特開昭63−178980号公報
特開平11−293723号公報
特開2006−348514号公報
しかしながら、これら開示された従来技術による装置には問題があった。特許文献1に開示の装置では、水槽と、その水槽に水を供給する配管と、非常時に使用する水栓に至るまでの配管とを設ける必要があり、装置が大掛かりなものとなって、特に家庭用に簡便に設置できるものではなかった。特許文献2に開示の装置では、通常時、非常時の間で水栓は共用できるようになってはいるものの、配管を内部に巡られた貯水タンクのような大掛かりな装置であることの問題は解消されていなかった。また、特許文献3に開示の装置では、容器そのものが二重構造で煩雑であり、注水管を容器内部に延ばすこと、注水時に空気を抜くための空気抜き弁が必要であること、さらに非常時に水道管への逆流を阻止する逆止弁が必要になるなどの煩雑さもあった。
特に各家庭に非常用の対策設備を設ける場合には、簡単な構造で取扱いが容易であり、メンテナンスなどの負担がかかることなく、そして何よりも安価で取付けも容易であることなどが望まれる。残念ながら、従来技術に開示されている装置はこのような条件を十分に満たすものではなく、上述したように、これがこの種の非常用装置の普及の促進につながらない主な理由であると思われる。
したがって、本考案は、従来技術にあるこれらの問題を解消し、簡単な構造で安価であり、常時新鮮な水を貯えることが可能であって、かつ非常時には最小限の生活用水の給水を可能とする、特には家庭用に適した非常用貯水装置を提供することを目的としている。
本考案は、給水用配管の一部であって、水栓よりも高い位置にあり、水流が上方から下方へ向かう部位の内部容量を拡大して設けた貯水タンクと、当該貯水タンクの上方側に連通して設けた通気弁とを備えた非常用貯水装置を提供することによって上述した問題を解消するもので、具体的には以下の内容を含む。
すなわち、本考案にかかる1つの態様は、非常時の生活用水を一定量常時貯えておく非常用貯水装置であって、上方から下方に向かう給水用配管の内部容積を部分的に拡大した形態の貯水タンクと、前記貯水タンクに連通して前記貯水タンクよりも上方に設けられた、前記貯水タンク内の空気の吸排気を制御する通気弁とから構成され、前記貯水タンクの内部が、上方の配管につながる部分から下方へ向けて太さが一旦拡大した後、順次太さが縮小して下方の配管に至る形状に形成され、前記通気弁が、給水加圧下で前記貯水タンク内の水が満杯時には閉じ、前記満杯時から水位が下がる間、及び水位が下がった状態から満杯に至るまでの間には開くよう構成されていることを特徴とする非常用貯水装置に関する。
前記通気弁は、前記貯水タンクの上方にある給水用配管から分岐した配管に配置されることが好ましい。これにより、非常時に前記給水用配管が減圧した際には、前記通気弁が開いて導入された空気を前記分岐した部分から前記給水用配管側に流し、前記貯水タンク内に貯えられた水の逆流による流出を阻止するよう構成することができる。
前記通気弁は、上方にバルブシートを備えたハウジングと、前記ハウジング内に浮動する、上方にバルブフェースを備えたフロートとから構成することができる。これにより、前記貯水タンクの水が満杯になる際に前記ハウジング内に浸入する水の作用でフロートが浮上してバルブを閉じ、満杯よりも低い水位の際にフロートが下降してバルブを開くよう自動的に動作させることができる。
前記非常用貯水装置には、前記通気弁を備える配管の外気側にフィルタ装置、及び/又は網状の保護部材をさらに設けることができる。これによって前記通気弁が開いて外気を導入する際に装置内部への異物の侵入を防ぐことができる。
前記貯水タンクは、ステンレス鋼、プラスチック、または強化プラスチックなどの非腐食性材料から作ることができる。前記貯水タンクの容量は任意であるが、特に家庭用の装置とする場合には、約5リットルから約50リットルの間くらいであることが好ましい。
本考案にかかる実施の形態の非常用貯水装置について、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態の非常用貯水装置10の概要を示している。同図において、非常用貯水装置10は、水道水を供給する側の給水管2と、供給された水を使用する側となる末端に位置する水栓3との間であって、水栓3よりも高い位置(以下、高い位置を「上位」、反対に低い位置を「下位」という。)に配置された貯水タンク1と、貯水タンク1の上位側に貯水タンク1に連通して設けられた通気弁20とから主に構成されている。
当該貯水タンク1は、概要としては上位から下位へ向かう給水管の一部の内部容積が拡大して、一定量の水を貯える機能を給水管自身が有しているものと理解することができる。従って、貯水タンク1は、水を貯えるタンクとしての機能を有すると同時に、通常の給水管としての機能も備えたものとなっている。すなわち、貯水タンク1内では、常に一定量の水が貯えられているが、その水は水栓3が開かれるたびに順次使用されて排出され、使用される都度、貯水タンク内の水は新鮮なものに置き換えられている。
貯水タンク1内におけるこの水の置き換えをより確実にするために、貯水タンク1の内部は、上方の配管4につながる部分から内部太さ(断面積)が一旦拡大し、一定量の内部容積を確保した後、太さを順次縮小させ、下方の配管6につながるような形状とすることが好ましい。図1に示す形状は単に一例であって、下方に向けて太さが漸減し、断面で見て傾斜が一定方向となって水が滞留しない形状であれば、例えば球状など他の形状であってもよい。貯水タンク1とその上下にある配管4、6とは、図示の例では接続フランジ7、8を介してつながれている。
貯水タンク1は、好ましくはステンレス鋼又は強化プラスチックなどの非腐食性で、かつ一定の強度が保たれる材料から作られている。容量は必要に応じて任意とすることができるが、例えば家庭用の非常用供給を確保するためであれば、20リットル位の小容量とすることができる。容量がさらに小さければ、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの通常用いられるプラスチック材が使用されてもよい。水栓3の数に対応し、1軒の家に複数の貯水タンク1が設けられてもよい。
図面では省略しているが、貯水タンク1には取り付け用部材、例えばブラケット、ベルト、支柱などを取付けることが可能であり、家の外壁に直接固定したり、あるいは支柱を介して支持したりするなど、従来から知られた技術で固定することができる。例えば容量が20リットルの貯水タンク1であれば、総重量としても30kg内外となり、外壁などに取付けても過剰な負荷が及ぶことはない。また、台所の流し台の上に設置することなども容易に考えられる。
貯水タンク1の上位には、給水管2からジョイント15により分岐する配管9が延びており、配管9には通気弁20が取付けられている。その詳細を示す図2において、通気弁20は、バルブシート22を内部上方に備えたハウジング21と、ハウジング21内に収納されて浮動する、バルブフェース24を上方に備えたフロート23から構成される。フロート23は、自重により下方に移動した状態でバルブフェース24がバルブシート22から乖離し、通気弁20は開いた状態となる。配管9を通って下方からハウジング21内に水が充填されるとフロート23は浮力により上方に移動し、バルブフェース24がバルブシート22に密着することによって通気弁20が閉じられるよう構成されている。ハウジング21内の下方にはフロート23の下面に対向した複数の突起26が設けられているため、フロート23が下方に移動した際にもハウジング21内の水、空気の流入、流出は可能である。
図1に戻って、配管9のさらに外気側に、フィルタ装置30が取付けられている。配管9は、非常時の給水の際に外気を貯水タンク1内に導入するものであり、フィルタ装置30はこの外気導入時に塵、埃、細菌類の貯水タンク1内への侵入を阻止する。フィルタ装置30内に充填されるフィルタ要素は、不織布、活性炭などの従来技術で知られたものを用途に応じて選択使用可能である。
図示の例では、配管9の最外側端に異物侵入防止用の網状部材40をさらに設けている。この網状部材40を球形状に設けることによって、例えばドロ蜂などが配管内部に巣作りすることを阻止することができる。このように、フィルタ装置30や網状部材40を設置することで、貯水タンク1内が清浄に保たれて望ましいが、本考案においてはこれらはオプション要素として扱うことができる。
貯水タンク1は、破線で示す保護枠50でカバーされていることが望ましい。保護枠50は、地震などの際の落下物等から非常用貯水装置10を保護し、また内部を断熱材で覆うことなどにより、貯水タンク1の結露、凍結を防止することができる。保護枠50の代りに貯水タンク1の外周に密着してこれを覆う保護カバーを施すことでもよい。
以上のように構成された本実施の形態に係る非常貯水装置10の動作、作用を以下に説明する。まず、非常貯水装置10の設置は、通常の水道用配管の設置工事とほぼ同様に行うことができ、すなわち、接続フランジ7、8を介して貯水タンク1が給水管4、6の間に取付けられる。貯水タンク1そのものは、図示しない取付け部、支柱などにより地面又は家の外壁などに支持され、固定される。貯水タンク1の上方には、通気弁20と、好ましくはフィルタ装置30及び/又は網状部材40を備えた配管9が、ジョイント15を介して取付けられる。
非常貯水装置10の設置が完了した後、給水管2を通して水道水(あるいは他の給水装置からの給水であってもよい)の給水が行われる。この時点では貯水タンク1内は空気が詰まった状態にあり、通気弁20のフロート23が自重で下方に移動しているため、通気弁20は開いた状態にある。給水管2からの給水により、水は重力によって貯水タンク1内へ入り、内部にあった空気は押し出されて開いた状態にある通気弁20を通過し、配管9を通って外部へ排出される。
貯水タンク1内の水量増加により、水が下方から通気弁20内に浸入し、フロート23を徐々に押し上げる。そしてバルブフェース24がバルブシール22に密着した時点で通気弁20が閉じられ、排気が止まる。その後は供給される水道圧と供給管2内の圧力とがバランスし、水の供給が停止する。この時点で、貯水タンク1内は水で満たされた状態となる。
通常の水の使用時は、水栓3をひねることによって、給水管2→給水管4→貯水タンク1→配管6→水栓3を経由して水が流れる。これは、貯水タンク1が設けられていない配管時の動作と全く同様であり、貯水タンク1は、単なる給水管の一部となっているにすぎない。また、このため、貯水タンク1の内部に貯えられた水は、順次新鮮な水に置き換えられ、内部に滞留することはない。給水管2からの水道水の供給圧力により、貯水タンク1の内部は常に水が満たされており、また通気弁20は閉じたままの状態に維持される。
地震などの非常時、水道水の供給が止まると、給水管2内部の圧力が低下する。非常用貯水装置10がない場合には、この段階で水の供給がストップし、以降は水の供給が絶たれることになる。本実施の形態では、非常用貯水装置10が設置されていることによってこの水道水供給が停止した直後の状態で、貯水タンク1内は水で満たされている。非常用の水が必要な場合には、通常の水道水利用時と全く同様に水栓3をひねることにより、この貯水タンク1内に貯えられた水を流して利用することができる。
貯水タンク1内の水が利用されると、水位が下がって通気弁20内のフロート23が下降して通気弁20が開き、配管9を介して外気が導入される。これによって貯水タンク1内部圧力は常に大気圧に保たれるため、水の排出には何らの障害もなく、貯えられた水の最後の一滴まで利用することができる。この際、フィルタ装置30、網状部材40が設けられていれば、配管9内部、さらには貯水タンク1内部に異物が侵入して汚染されることはない。水道が復旧して水の供給が再開されれば、非常用貯水装置10は自動的に動作し、貯水タンク1内に水が補充され、通気弁20が閉じて元の状態に戻り、次の非常時に備えることができる。
なお、地震などで水道管が破裂したような場合、給水管2内部の水が逆流して圧力が低下することがある。この際、サイホンの原理によって貯水タンク内に貯えられた水が配管2に流れ出て失われることがあり得る。従来技術に示す例においては、この水の流失を阻止するために逆止め弁が設けられることがあった(例えば、特許文献3参照。)。本考案では、給水管2からジョイント15を介して分岐する配管9に通気弁20が配置されているため、給水管2が減圧した場合には通気弁20が開いてそこから導入された空気が配管9→ジョイント15→給水管2へと流れる。これにより、給水管2の減圧が貯水タンク1の側に伝わることはなく、したがって、貯水タンク1にサイホンの原理が及ぶことはない。すなわち、本実施の形態では従来技術に見られるような逆止め弁の設置は不要であり、単なるジョイント15を介することで貯水タンク1内の水の流出を巧みに回避するものとしている。
図1において、本実施の形態では通気弁20にセンサ25が取付けられている。非常時などで通気弁20のバルブが開いたとき、センサ25がこれを検出してブザー等によりユーザに非常時給水であることを警告する。これは、ユーザが通常通りに流れる水のために非常時であることに気付かず、貯水タンク1内にある非常用水を知らずに使い切るような事態を防止するものである。
以上説明してきた本実施の形態にかかる非常用貯水装置1を、従来技術に見られた同様目的の装置と比較すると、以下のような多くの優れた効果を得ることができる。
(1)構造が簡単であり、安価に提供することができる。特に、給水、排水のための特別な配管を要しないことは従来技術に対する優れた改善となる。
(2)例えば、上位から下位に向かう配管中であれば、どのような箇所にも容易に配置することができる。給水側と排水側との配管同士のセンターをずらす必要はなく(特許文献1〜3に示す例では、いずれもセンターがずれている)、給水、排水のための屈曲管なども不要である。このため、既設の配管に対してもいわゆる「後付け」設置が容易である。ただし、必要に応じて上記センターをずらすことも勿論可能であり、容易である。
(3)本考案の非常用貯水装置を設置するための配管は短いものでよく、取付けのための配管が災害時にダメージを受けて給水不能となる恐れを低減している。
(4)貯水タンクの容量、形状などを、使用用途に合わせて自由に変化させることができる。例えば外壁などに取り付ける場合、障害物を回避する形状の製造などは容易である。
(5)容量を変化させることにより、複数の水栓に対応させて複数の非常用貯水装置を配置することも容易である。狭いスペースであっても5〜10リットル用の小型タンクを配置すれば、緊急時にはたとえ容量が僅かであっても極めて有用である。極端には、家庭用のすべての水栓に、スペースに合わせた大小任意の容量の貯水タンク1を設けるようにしてもよい。
(6)従来技術に示されたタンクでは、新鮮な水が循環する形式であるとはいえ、局部的に水垢などの堆積は避けられない構造であった。本考案にかかる貯水タンクでは、下方に向けて順次太さが縮小する断面形状を適切に選択することにより、より確実に水の清潔さを保つことができ、より衛生的である。
(7)水道管の一部として機能するため、特別なメンテナンスは全く必要としない。また構造が簡単であり、故障の心配がない。
(1)構造が簡単であり、安価に提供することができる。特に、給水、排水のための特別な配管を要しないことは従来技術に対する優れた改善となる。
(2)例えば、上位から下位に向かう配管中であれば、どのような箇所にも容易に配置することができる。給水側と排水側との配管同士のセンターをずらす必要はなく(特許文献1〜3に示す例では、いずれもセンターがずれている)、給水、排水のための屈曲管なども不要である。このため、既設の配管に対してもいわゆる「後付け」設置が容易である。ただし、必要に応じて上記センターをずらすことも勿論可能であり、容易である。
(3)本考案の非常用貯水装置を設置するための配管は短いものでよく、取付けのための配管が災害時にダメージを受けて給水不能となる恐れを低減している。
(4)貯水タンクの容量、形状などを、使用用途に合わせて自由に変化させることができる。例えば外壁などに取り付ける場合、障害物を回避する形状の製造などは容易である。
(5)容量を変化させることにより、複数の水栓に対応させて複数の非常用貯水装置を配置することも容易である。狭いスペースであっても5〜10リットル用の小型タンクを配置すれば、緊急時にはたとえ容量が僅かであっても極めて有用である。極端には、家庭用のすべての水栓に、スペースに合わせた大小任意の容量の貯水タンク1を設けるようにしてもよい。
(6)従来技術に示されたタンクでは、新鮮な水が循環する形式であるとはいえ、局部的に水垢などの堆積は避けられない構造であった。本考案にかかる貯水タンクでは、下方に向けて順次太さが縮小する断面形状を適切に選択することにより、より確実に水の清潔さを保つことができ、より衛生的である。
(7)水道管の一部として機能するため、特別なメンテナンスは全く必要としない。また構造が簡単であり、故障の心配がない。
以上、本実施の形態にかかる非常用貯水装置について説明してきたが、本考案は図1、2に例示した装置に限定されるものではなく、各種の改造が考えられる。例えば、図2に示すフロート23を利用した通気弁20は単なる一例であって、所定の圧力以上で閉じ、所定の圧力以下で開くバルブであれば他の形式のバルブ装置が用いられてもよい。
また、例示の通気弁20は通常時、非常時とも自動的に動作することで便利ではあるが、必要に応じて手動式とすることができる。すなわち、貯水タンク1内に水を満たした後に通気弁のバルブを閉じて使用し、非常事態となった際にバルブを手動で開いて貯水タンク1内の水を利用するようにしてもよい。また、初期注水時に一時的に給水圧力のために通気弁20内のフロート23が上昇してバルブが閉じられ、円滑な注水に支障が生ずることも起こり得る。このような場合、一旦手動にして通気弁20を開けて注水を行い、その後自動に切り換える、自動/手動切り換え式となっていれば都合がよい。この切り換えは、例えばフロート23の浮動を外部から拘束/解除する機構を設けるなどにより可能である。但し、初期注水時に通気弁20が閉じることによって貯水タンク1内への注水に支障が万一生ずることがあっても、次に水を使用する際に水栓3をひねれば貯水タンク1内部の圧力(空気)が開放され、水が流れ始めるので、実質的な問題が生じることはない。
また、図1に示す形式では、1つの水栓3に対応して1つの非常用貯水装置10が設けられているが、2つまたはそれ以上の数の水栓3に対応して1つの非常用貯水装置10が設けられていても良い。また、本考案の非常用貯水装置10は簡単な構造で約5リットルから50リットルくらいの小型容量のものに特に適しているが、例えば50リットルより大型のタンクとすることも勿論可能である。
ビルやマンションなどの高層住宅では、一般に屋上などに給水塔を設けてそこから各戸に配水するようにしている。この場合には給水塔が一時的な貯水タンクとして機能するものとなるが、これに追加して本考案の非常用貯水装置を設けることも可能であり、この場合には2段階での非常用水の確保が可能となる。
貯水タンク1内の残量を把握するため必要であれば、貯水タンク1と連通管によってつながれた視認性のある管状のレベルセンサを設けることなども可能である。
以上述べたような各種の改造は、本考案の技術的範囲に含まれている。
以上述べたような各種の改造は、本考案の技術的範囲に含まれている。
以上を要約するに、本考案にかかる非常用貯水装置は構造簡単で安価であり、特には各家庭において緊急用として容易に設けることが可能である。例えば比較的小型の20リットル容量の貯水タンクを一定地域の1万所帯(あるいは5千所帯×2基)が設置さていれば、この地域で合計200トンの非常用水が確保されるものとなる。これは、10トン大型給水車20台分の給水量であり、緊急時に7万人分の水を供給することに相当する効果を生む。また、スペースの狭いところであれば、5リットルなどの少容量の本願非常用貯水装置を設置しておくだけで、1人前約5日分の飲料水が確保されるものとなる。緊急用のペットボトルを保管する場合と比べれば、定期的な入れ替えなどの管理面の煩わしさがなく、有利である。
本考案に係る装置は、水を供給する産業分野において幅広く利用することができ、構造簡単で取り付けも容易であることから、特には一般家屋における非常災害時のライフライン維持に有力な助けを提供するものとなる。
1.貯水タンク、 2.給水管、 3.水栓、 4、6.配管、 7、8.接続フランジ、 9.配管、 10.非常用貯水装置、 15.ジョイント、 20.通気弁、 21.ハウジング、 22.バルブシート、 23.フロート、 24.バルブフェース、 25.センサ、 30.フィルタ装置、 40.網状部材、 50.保護枠。
Claims (7)
- 非常時の生活用水を一定量常時貯えておく非常用貯水装置であって、
上方から下方に向かう給水用配管の内部容積を部分的に拡大した形態の貯水タンクと、
前記貯水タンクに連通して前記貯水タンクよりも上方に設けられた、前記貯水タンク内の空気の吸排気を制御する通気弁と、から構成され、
前記貯水タンクは水栓よりも上方に配置され、
前記貯水タンクの内部は、上方の配管につながる部分から下方へ向けて太さが一旦拡大した後、順次太さが縮小して下方の配管に至る形状に形成され、
前記通気弁は、給水加圧下で前記貯水タンク内の水が満杯時には閉じ、前記満杯時から水位が下がる間、及び水位が下がった状態から満杯に至るまでの間には開くよう構成されていることを特徴とする非常用貯水装置。 - 前記通気弁は、前記貯水タンクの上方にある給水用配管から分岐した配管に配置され、非常時に前記給水用配管が減圧した際に、前記通気弁が開いて導入された空気を前記分岐した部分から前記給水用配管側に流し、前記貯水タンク内に貯えられた水の逆流による流出を阻止するよう構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の非常用貯水装置。
- 前記通気弁が、上方にバルブシートを備えたハウジングと、前記ハウジング内に浮動する、上方にバルブフェースを備えたフロートとから構成され、前記貯水タンクの水が満杯になる際に前記ハウジング内に浸入する水の作用でフロートが浮上してバルブを閉じ、逆に満杯よりも低い水位の際にフロートが下降してバルブを開くよう構成されている、請求項2に記載の非常用貯水装置。
- 前記通気弁が、自動、手動の切り換え式であることを特徴とする、請求項1に記載の非常用貯水装置。
- 前記非常用貯水装置が、前記通気弁を備える配管の外気側にフィルタ装置、網状部材のいずれか一方または双方をさらに備えていることを特徴とする、請求項1に記載の非常用貯水装置。
- 前記貯水タンクが、ステンレス鋼、プラスチック、または強化プラスチックのいずれかにより形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の非常用貯水装置。
- 前記貯水タンクの容量が、約5リットルから約50リットルの間であることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか一に記載の非常用貯水装置。
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JP2016033439A (ja) * | 2014-07-31 | 2016-03-10 | 株式会社ガスター | 貯湯システム |
CN108442461A (zh) * | 2018-04-28 | 2018-08-24 | 王启余 | 封闭式自动接替蓄水壶 |
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