JP3118573U - 防火水槽兼用受水槽 - Google Patents

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正宏 三田村
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有限会社三田村設備設計事務所
仙都工業株式会社
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Abstract

【課題】防火水槽と上水用受水槽を一つの水槽をもって共用し、防火水槽に貯蔵される水が死水となり腐敗することを防止すると共に、防火水槽に残留する水の水位を保証する。
【解決手段】受水槽1の下部に消火用水送水口5を設け、防火水槽としての必要水量が確保される位置bに受水槽用送水口4を設け、連結部に消火用水水位保持穴10を設ける。吸い上げ管9と下降管11を設けることにより、水位bより下位の任意の位置に受水槽用送水口4を設置することができる。
【選択図】図2

Description

本考案は、防火水槽および受水槽に関するものである。
ホテル、病院、マンション、公共施設などのビルディング等、上水用の受水槽と防火水槽が必要な建築物が多数あるが、従来この二つの水槽は別個のものとして設置されている。そのため、水槽を設置するスペースが二重に必要であった。
防火水槽は火災等緊急の必要時以外には使用せず、水を保存しておくことが必要である。そのため貯蔵した水を長期間にわたり動かすことなく放置することになる。結果貯蔵した水がいわゆる死水となって腐敗し、悪臭を放つなどの問題がある。
水槽の設置スペースを削減するためには、上水用受水槽と防火水槽を1個の水槽で兼用することが発想される。図1は、その構造の概念を示す正面断面図である。受水槽1に、マンホール2、給水口3、通気口7、オーバーフロー6、水抜き口8などとともに、消火用水送水口5を下部に設け、消火用水が残されるように防火水槽の必要水位を示す仮想線bの位置に受水槽用送水口4を設置すれば、受水槽用送水口4から防火水槽部分に貯蔵される消火用水が流出することはなく、初期の目的を達成できることになる。
消火用水送水口5の取り付け位置の水位cから、受水槽用送水口4の水位bの間が、防火水槽となり、受水槽用送水口4の水位bとオーバーフローの水位aとの間の水が上水用受水槽として使用される。しかし、この方法では、消火用水として貯蔵される部分の水は、ほとんど動くことがなく、死水となって腐敗する可能性が大である。そして、時折腐敗した水が上水に混入して流出する恐れがあり問題である。
防火水槽の水が悪臭を放つ問題に対する改善策としては、文献特開平10−102554などにその対策が示されている。
特開2003−000000号公報 しかし、これは単純に、死水の腐敗臭に対する対策であって、設置スペースの削減のため防火水槽と上水用受水槽とを兼用する上での問題との双方を解決するものではない。
防火用水を確実に保存し、かつ水の腐敗を防ぎ、防火水槽と上水用受水槽とを1個の水槽で兼用できるようにすることが本考案の課題である。
また、ステンレスパネルタンク、FRPパネルタンクなどでは、受水槽用送水口4を水位bより下位の任意の位置に設けたいという課題がある。
図2は、本考案による課題解決の手段を示す構造の概念を示す正面断面図である。水槽の下部に消火用送水口5を設け、防火用水の必要量が確保される高さに受水槽用送水口4を設け、防火用水部分のほぼ最下部まで達する吸い上げ管9を設置すると共に、受水槽用送水口4を消火用水の必要水位bが保たれる位置に設置し、吸い上げ管9との連結部9Aの配管の一部に消火用水水位保持穴10を設けるものである。
また、受水槽用送水口4を水位bより下位の任意の位置に設けたいという課題に対する解決手段を図3に示す。これは吸い上げ管9の他に下降管11を設け、吸い上げ管9と下降管11の連結部を水位bに保ち、連結部に消火用水水位保持穴10を設けるものである。
図2に示す本考案の構造の水槽は、給水口3から給水された水が満水時にはオーバーフロー6の位置によって決まる水位aとなる。貯蔵された水は、主に吸い上げ管9を通過して受水槽用送水口4から上水が送水される。従って防火水槽部分に貯蔵される消火用水が死水となることはない。吸い上げ管9の開口部が受水槽1の底に近い位置にあれば、受水槽の底付近の水は吸い上げられる水によって動かされ、死水となることはない。通常は送水されると新たに水が供給されるが、万一給水が停止した状態で上水としての送水が続いた場合、貯蔵してある水の水位は低下し、やがて水位bに達する。水面から上の部分には通気口7から流入した空気で占められるため、水位がbになると消火用水水位保持穴10から空気が受水槽用送水口4内に入り、吸い上げ管9から水を吸い上げることが抑止され、防火水槽部分の水の水位が水位bより低下することはない。
図3に示す本考案の構造の水槽は、受水槽と防火水槽としての作用は図2に示すものと同一であり、かつ下降管11の作用によって受水槽用送水口4を水位bより下位であれば任意の位置に設置することができる。
図4に、受水槽用送水口4を水位bより下位の任意の位置に設けるための第二の手段を示す。これは、二重管型受水槽用送水口15を設けるものであって、吸い上げ管9の内部に下降管11を設ける二重管構造とし、吸い上げ管9の上端にキャップ13を設け、キャップ13に消火用水水位保持穴10を設け、下降管11は受水槽用送水口4と連結して保持し、吸い上げ管9を別に支持材12をもって保持するものである。キャップ13はネジ14をもって吸い上げ管9に締結される。なお支持材12は、下降管11に連結されていてもよい。キャップ13は適宜取り外しできるため、吸い上げ管9、下降管11内に混入した異物やスケールの除去作業をすることができる。
受水槽にはステンレスパネルタンクなどが多く使用される。ステンレスパネルタンクを使用する防火水槽兼用受水槽には、受水槽用送水口が任意の位置に設置できる図4に示す考案が適する。
図5は、ステンレスパネルタンクを使用した本考案の防火水槽兼用受水槽の実施例の正面図であり、図6はその上面図である。受水槽1にマンホール2、給水口3、通気口7、オーバフロー6、水抜き口8、二重管型受水槽用送水口15、消火用水送水口5を設け、架台16上に載置した。この他、給水口3の下部に防波板、水槽の内外にはしごなどを設けたが説明を省略する。本実施例は、考案の効果の説明通りの作用が得られた。
防火水槽と受水槽を1水槽で兼用する構造の概念を示す正面断面図である。 本考案による課題解決の手段を示す構造の概念を示す正面断面図である。 受水槽用送水口4を水位bより下位の任意の位置に設けたいという課題に対する解決手段をに示す図である。 二重管型受水槽用送水口15の構造を示す図である。 ステンレスパネルタンクを使用した本考案の防火水槽兼用受水槽の実施例の正面図である。 ステンレスパネルタンクを使用した本考案の防火水槽兼用受水槽の実施例の上面図である。
符号の説明
1 受水槽
2 マンホール
3 給水口
4 受水槽用送水口
5 消火用水送水口
6 オーバーフロー
7 通気口
8 水抜き口
9 吸い上げ管
9A 連結部
10 消火用水水位保持穴
11 下降管
12 支持材
13 キャップ
14 ネジ
15 二重管型受水槽送水口
16 架台
a 満水時水位を示す仮想線
b 消火用水の必要水位を示す仮想線
c 消火用水送水口の水位を示す仮想線

Claims (3)

  1. 下部に消火用水送水口5を設け、消火用水の必要水位bの位置に受水槽用送水口4を設け、底部に近い位置に開口する吸い上げ管9を設け、吸い上げ管9と受水槽用送水口4を連結し、連結部9Aの水位b近傍の位置に消火用水水位保持穴10を設けたことを特徴とする防火水槽兼用受水槽。
  2. 下部に消火用水送水口5を設け、吸い上げ管9と下降管11を設けてそれらを消火用水の必要水位bの位置で連結し、連結部9Aに消火用水水位保持穴10を設け、下降管11を受水槽用送水口4に連結したことを特徴とする防火水槽兼用受水槽。
  3. 下部に消火用水送水口5を設け、底部に近い位置に開口する吸い上げ管9の内部に下降管11を設け、吸い上げ管9の上端を消火用水の必要水位bの位置にネジ14で締結したキャップ13を設け、キャップ13に消火用水水位保持穴10を設け、下降管11を受水槽用送水口4と連結して保持し、吸い上げ管9を別に支持材12をもって保持する二重管型受水槽用送水口15を設けたことを特徴とする請求項2に記載する防火水槽兼用受水槽。
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