JP2005139883A - 給水器及び液体供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水道管を通しての給水が停止されたときに水道水を安定して供給する。
【解決手段】 トイレ19の便器51の上方に第1貯溜容器26を配設する。第1貯溜容器26には、第1水道管15を通して水道水が供給される。第1貯溜容器26に第1流出管29を接続する。第1流出管29は、第1水道管15から第1貯溜容器26への給水が可能なときに、便器51での水道水の使用に応じて第1貯溜容器26に貯溜された水道水を水洗用タンク44へ供給する。第1水道管15から第1貯溜容器26への給水が停止されているときには、第1非常時用配管47の第1バルブ47aを開放することにより、第1貯溜容器26に貯溜された水道水を利用できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、給水器及び液体供給装置に関し、特に液体供給源からの液体供給が停止したときに当該液体を安定して供給するための対策に係るものである。
従来より、水道水等の液体を、この液体が所定の目的に使用される使用場所へ安定して供給するためには、この液体を一旦タンク等に溜めておき、このタンクに貯溜された液体を供給する事が行われている。例えば、特許文献1に開示されているように、マンション等の集合住宅では、屋上に貯水タンクを設置し、この貯水タンクに水道水を一旦貯溜している。そして、貯水タンクの水を集合住宅内の各住戸へ供給するようにしている。
特開2003−211101号公報
ところで、前記従来の高架水槽は、マンション等の屋上に設置されているために、例えば断水時においても、高架水槽に貯溜されている水を重力により流下させて各住戸へ供給することが可能となっている。しかしながら、各住戸へ同時に水を供給可能な構成であるために、非常時において各住戸への水道水の供給能力が同じとはいかないこともある。また、1つの住戸内でも、配管抵抗の違い等により、水の出やすいところと水の出にくいところが生ずるのは避けられない。したがって、各使用場所において水の供給を十分に受けられるとは限らないという問題があった。
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、断水時等の液体供給源からの液体供給が停止されたときに、当該液体が使用される各場所へ確実にこの液体を供給することにある。
前記の目的を達成するため、本発明は、液体を貯溜させる貯溜容器をこの液体の使用場所に応じて設けるとともに、この貯溜容器を液体の使用場所の上方に配置するようにしたものである。
具体的に、請求項1の発明は、水道管を通して供給される水道水を所定の水使用場所へ供給する給水器を前提として、前記所定の水使用場所は1つであり、前記所定の水使用場所の上方に配置され、水道管を通して供給される水道水を貯溜する貯溜容器と、前記水道管から貯溜容器への給水が可能なときに、水使用場所での水道水の使用に応じて前記貯溜容器に貯溜された水道水を前記所定の水使用場所へ供給するための流出管と、前記水道管から貯溜容器への給水が停止されているときに、前記貯溜容器に貯溜された水道水を取出すための非常時用取水手段とが設けられている。
この発明では、水道管からの水道水の給水が可能な通常時においては、貯溜容器に貯溜された水道水は、流出管を通して流下することで所定の1つの水使用場所へ供給される。一方、水道管からの水道水の給水が停止されている非常時、例えば断水時には、水道管を通した水道水の加圧がなされないために、貯溜容器内に溜まっている水道水を流出させることが困難となり得る。しかしながら、本発明では、1つの水使用場所に対して、この水使用場所の上方に貯溜容器を配置する一方、非常時において貯溜容器内の水道水を取出すための非常時用取水手段を設けているので、貯溜容器の水道水を容易に取出すことができる。この結果、水道水の給水が停止されている非常時においても、所定の水使用場所へ確実に水道水を供給できる。そして、例えば、今まで断水時には水道水の供給を十分に得ることができなかった水使用場所にそれぞれ本発明を適用することにより、どの水使用場所においても水道水の供給を十分に受けることが可能となる。したがって、断水時に水使用場所によって水道水の出方が異なるという事態を解消することができる。
また、本発明に係る給水器では、所定の1つの水使用場所に応じた貯溜容器を配設する構成であるので、例えば集合住宅に設けられる高架水槽等のように多数の住戸へ水道水を供給する大型のものとは異なる。したがって、本発明に係る給水器は、例えば戸建て住宅等にも配設することができ、あるいは集合住宅であっても各住戸ごとに個別に設置することも可能である。
また、請求項2の発明は、水道管を通して供給される水道水を所定の水使用場所へ供給する給水器を前提として、前記所定の水使用場所は複数であり、前記所定の水使用場所のそれぞれ上方に配置され、前記水道管を通して供給される水道水を貯溜する複数の貯溜容器と、前記水道管から貯溜容器への給水が可能なときに、水使用場所での水道水の使用に応じて前記貯溜容器に貯溜された水道水を該貯溜容器の下方に位置する所定の水使用場所へ供給するための流出管と、前記水道管から貯溜容器への給水が停止されているときに、前記貯溜容器に貯溜された水道水を取出すための非常時用取水手段とが設けられている。
この発明では、水道管からの水道水の給水が可能な通常時においては、各貯溜容器に貯溜された水道水は、各流出管を通して流下することで前記貯溜容器の下方に配置された所定の水使用場所へそれぞれ供給される。一方、水道管からの水道水の給水が停止されている非常時、例えば断水時には、水道管を通した水道水の加圧がなされないために、貯溜容器内に溜まっている水道水を流出させることが困難となり得る。しかしながら、本発明では、複数の水使用場所の上方に貯溜容器をそれぞれ配置し、非常時においてこの貯溜容器内の水道水を取出すための非常時用取水手段を設けているので、この非常時用取水手段により各貯溜容器の水道水を容易に取出すことができる。この結果、水道水の給水が停止されている非常時においても、所定の水使用場所へそれぞれ確実に水道水を供給できる。したがって、今まで断水時には水道水の供給を十分に得ることができなかった水の使用場所においても、水道水の供給を十分に受けることが可能となり、断水時に使用場所によって水道水の出方が異なるという事態を解消することができる。
また、本発明に係る給水器では、所定の複数の水使用場所に応じ、それぞれ適合する貯溜容器を配設する構成であるので、この貯溜容器は、例えば集合住宅に設けられる高架水槽等のように多数の住戸へ水道水を供給する大型のものとは異なる。したがって、本発明に係る給水器は、例えば戸建て住宅等にも設置することができ、あるいは集合住宅であっても各住戸ごとに個別に設置することも可能である。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の給水器において、前記非常時用取水手段は、前記貯溜容器を流出した水道水が流入するように構成され、下流端が前記所定の水使用場所の上方に開口している非常時用配管と、前記非常時用配管を水道水が流れるときに貯溜容器内を加圧するための加圧用手段とを備えてなる。
この発明では、加圧用手段によって加圧された貯溜容器内の水道水が非常時用配管を流れ、この非常時用配管を流れる水道水は、下流端から所定の水使用場所へ供給される。したがって、本発明によれば、水道管からの水道水の給水が停止されているときにおいて、貯溜容器内を加圧し、この加圧された貯溜容器内の水圧によって水道水を貯溜容器から流出させるようにしているので、非常時用配管における配管抵抗の影響を受けることなく、所定の水使用場所へ確実に水道水を供給することができる。
また、請求項4の発明は、請求項1又は2に記載の給水器において、前記非常時用取水手段は、前記貯溜容器を流出した水道水が流入するように構成され、下流端が前記所定の水使用場所の上方に開口している非常時用配管と、前記貯溜容器の上端部に設けられ、前記非常時用配管を水道水が流れるときに貯溜容器内へ空気を流入させるための調整弁とを備えてなる。
この発明では、貯溜容器内の水道水が非常時用配管を流れるときに、貯溜容器の上端部に設けられた調整弁が開放する。このため、貯溜容器の上端部から空気が流入するので、貯溜容器内の水道水を容易に非常時用配管を流下させることができ、貯溜容器内を加圧することなく、所定の水使用場所へ水道水を安定して供給することができる。
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の給水器において、前記調整弁には、貯溜容器内へ流入される空気に含まれる不純物を除去するためのフィルターが設けられている。
この発明では、調整弁にフィルターを設けるようにしているので、貯溜容器内へ清潔な空気を流入させることができる。この結果、貯溜容器内を清潔に維持することができ、清潔な水道水を常に所定の水使用場所へ供給することができる。
また、請求項6の発明は、請求項1から5の何れか1項に記載の給水器において、前記水道管には、貯溜容器からの逆流を防止するための逆止弁が設けられている。
この発明では、水道管に逆止弁を設けるようにしているので、貯溜容器内の水道水が水道管を逆流するのを防止することができる。
また、請求項7の発明は、請求項1又は2に記載の給水器において、前記流出管は、その上流端が貯溜容器の上端部に接続される一方、下流端が前記所定の水使用場所の上方に開口し、前記非常時用取水手段は、上流端が前記貯溜容器の下端部に接続される一方、下流端が前記流出管に接続される非常時用配管と、前記非常時用配管に設けられる開閉弁と、前記流出管の上端部に設けられ、該流出管を水道水が流れるときに貯溜容器内へ空気を流入させるための調整弁とを備えてなる。
この発明では、水道管からの水道水の給水が可能なときには、貯溜容器内の水道水は、その上端部から流出管を通して流出する。一方、水道管からの水道水の給水が停止したときには、貯溜容器内には水道管からの水圧がかからないために、貯溜容器内の水道水は、流出管を通して流出することはほとんどなく、流出管内に溜まっている水のみが所定の水使用場所へ供給される。つまり、貯溜容器内の水道水が流入する流出管の上流端が、貯溜容器の上端部に接続されているために、水道管からの給水が停止しているときには、貯溜容器内の水道水が流出管へ流入することはほとんどない。このとき、流出管の上端部に設けられた調整弁が開放することにより、流出管内へ空気が流入し、この管内の水道水は確実に流出管内を流下する。したがって、本発明によれば、水道水の給水が停止しているときには、流出管内に残っている所定量の水道水のみが水使用場所へ向かって流れるので、例えば断水時に子供が無意識のうちに貯溜容器内の水道水を使い切ってしまうという事態を回避することができる。そして、貯溜容器内の水道水を真に使用したいときには、非常時用配管の開閉弁を開放するようにすればよい。
また、請求項8の発明は、請求項7に記載の給水器において、前記非常時用配管には、分岐管が設けられ、前記分岐管には、開閉弁が設けられている。
この発明では、非常時用配管に分岐管を設けるようにしているので、この分岐管の開閉弁を開放すれば分岐管を通しての水道水の供給が可能となる。
また、請求項9の発明は、請求項1から8の何れか1項に記載の給水器において、前記流出管から流出した水道水を前記所定の水使用場所で使用するまでの間貯溜するタンクが設けられ、前記非常時用取水手段は、前記タンクからのオーバーフローを防止するためのオーバーフロー防止手段を備えている。
この発明では、貯溜容器を流出してタンクへ流入した水道水がこのタンクにおいてオーバーフローしてしまうのを防止すべく、オーバーフロー防止手段を備えているので、水使用場所の上方に貯溜容器を配置したとしても、これによって生ずる弊害を防止することができる。
また、請求項10の発明は、請求項1又は2に記載の給水器において、前記貯溜容器は、貯水量に応じて膨張及び収縮するように構成され、前記流出管は、その上流端が前記貯溜容器の上端部に接続され、下流端が前記所定の水使用場所の上方に開口し、前記非常時用取水手段は、水道水が貯溜容器から流下するように構成された非常時用配管と、この非常時用配管に設けられた開閉弁とを備えてなる。
この発明では、貯溜容器がその貯水量に応じて膨張又は収縮するので、水道管からの水道水の給水が可能な通常時には貯溜容器が膨らんでおり貯水量が増大している。そして、貯溜容器に貯溜された水道水をその上端部から流出させて所定の水使用場所へ供給する。それ故に、貯溜容器内に空気が溜まったとしてもこの空気は水道水と一緒に流出管を通して流出しやすいので、空気が貯溜容器内に溜まるのを回避することができる。一方、水道管からの水道水の給水が停止している非常時には、非常時用取水手段の開閉弁を開放することにより水道水が貯溜容器から非常時用配管へと流下して所定の水使用場所へ供給される。このとき、貯溜容器はその貯水量の減少に伴って縮む。したがって、本発明によれば、貯溜容器内が常に満水状態となって貯溜容器内に空気が溜まるのを回避することができる。この結果、断水状態が長期間に亘って継続するような場合においても水道水に含まれる雑菌の増殖等を抑制できるので、貯溜容器に溜まった水道水の水質が劣化するのを抑制することができる。このため、飲料水の給水器として非常に好ましいものとなる。
また、請求項11の発明は、請求項10に記載の給水器において、前記水道管は、前記流出管に隣接して貯溜容器の上端部に接続され、前記非常時用配管は、その上流端が貯溜容器の下端部に接続されている。
この発明では、水道管及び流出管の双方がそれぞれ貯溜容器の上端部に接続されているために、通常時において貯溜容器内の水道水が攪拌されやすくなる。このため、貯溜容器内の水道水をより清潔に維持することができる。一方、非常時には非常時用配管を通して貯溜容器内の水道水を流下させるので容易かつ確実に給水することができる。
また、請求項12の発明は、請求項10に記載の給水器において、前記水道管は、貯溜容器の下端部に接続され、前記非常時用配管は、その上流端が貯溜容器の下方で前記水道管に接続されている。
この発明では、通常時において水道水は水道管を通して貯溜容器へその下端部から流入する。一方、非常時には水道水は貯溜容器からこの水道管を経由して非常時用配管を流れ、所定の水使用場所へ供給される。したがって、貯溜容器が膨張、収縮するのを維持しつつ、非常時には貯溜容器内の水道水を水使用場所へ確実に給水することができる。
また、請求項13の発明は、液体供給源から液体供給管を通して供給される液体を所定の液体使用場所へ供給する液体供給装置を前提として、前記所定の液体使用場所は1つであり、前記液体使用場所の上方に配置され、液体供給管を通して供給される前記液体を貯溜する貯溜容器と、前記液体供給源から貯溜容器への液体供給が可能なときに、液体使用場所での液体の使用に応じて前記貯溜容器に貯溜された液体を前記所定の液体使用場所へ供給するための流出管と、前記液体供給源から貯溜容器への液体供給が停止されているときに、前記貯溜容器に貯溜された液体を取出すための液体取出し手段とを備えている。
この発明では、液体供給管からの液体の供給が可能な通常時においては、貯溜容器に貯溜された液体は、流出管を通して流下することで所定の1つの液体使用場所へ供給される。一方、液体供給源からの液体の供給が停止されている非常時には、貯溜容器内に溜まっている液体を流出させることが困難となり得る。しかしながら、本発明では、1つの液体使用場所に対して、この液体使用場所の上方に貯溜容器を配置する一方、非常時において貯溜容器内の液体を取出すための液体取出し手段を設けているので、貯溜容器の液体を容易に取出すことができる。この結果、液体供給源からの液体供給が停止されている非常時においても、所定の液体使用場所へ確実に液体を供給できる。そして、例えば、今まで非常時において液体供給を十分に得ることができなかった液体使用場所にそれぞれ本発明を適用することにより、どの液体使用場所においても液体の供給を十分に受けることが可能となる。したがって、非常時に液体使用場所によって液体の出方が異なるという事態を解消することができる。
また、請求項14の発明は、液体供給源から液体供給管を通して供給される液体を所定の液体使用場所へ給水する液体供給装置を前提として、前記所定の液体使用場所は複数であり、前記所定の液体使用場所のそれぞれ上方に配置され、前記液体供給管を通して供給される液体を貯溜する複数の貯溜容器と、前記液体供給管から貯溜容器への液体供給が可能なときに、液体使用場所での液体の使用に応じて前記貯溜容器に貯溜された液体を該貯溜容器の下方に位置する所定の液体使用場所へ供給するための流出管と、前記液体供給管から貯溜容器への液体供給が停止されているときに、前記貯溜容器に貯溜された液体を取出すための液体取出し手段とが設けられている。
この発明では、液体供給管からの液体の供給が可能な通常時においては、各貯溜容器に貯溜された液体は、流出管を通して流下することで前記貯溜容器の下方に配置された所定の液体使用場所へそれぞれ供給される。一方、液体主供給源からの液体の供給が停止されている非常時には、貯溜容器内に溜まっている液体を流出させることが困難となり得る。しかしながら、本発明では、複数の液体使用場所の上方に貯溜容器をそれぞれ配置し、非常時においてこの貯溜容器内の液体を取出すための液体取出し手段を設けているので、この液体取出し手段により各貯溜容器の液体を容易に取出すことができる。この結果、液体供給源からの液体供給が停止されている非常時においても、所定の液体使用場所へそれぞれ確実に液体を供給できる。したがって、今まで断水時等の非常時には液体供給を十分に得ることができなかった液体使用場所においても、当該液体の供給を十分に受けることが可能となり、非常時に液体使用場所によって液体の出方が異なるという事態を解消することができる。
以上説明したように、請求項1、3から12に係る発明によれば、1つの水使用場所に対して、この水時使用場所の上方に貯溜容器を配置する一方、非常時において貯溜容器内の水道水を取出すための非常時用取水手段を設けているので、水道水の給水が停止されている非常時においても、所定の水使用場所へ確実に水道水を供給できる。そして、例えば、今まで断水時には水道水の供給を十分に得ることができなかった水使用場所にそれぞれ本発明を適用することにより、その水使用場所において水道水の供給を十分に受けることが可能となる。したがって、断水時に水使用場所によって水道水の出方が異なるという事態を解消することができる。
また、請求項2、3から12に係る発明によれば、複数の水使用場所の上方に貯溜容器をそれぞれ配置し、非常時においてこの貯溜容器内の水道水を取出すための非常時用取水手段を設けているので、水道水の給水が停止されている非常時においても、所定の水使用場所へそれぞれ確実に水道水を供給できる。したがって、今まで断水時には水道水の供給を十分に得ることができなかった水の使用場所があったとしても、その水使用場所において水道水の供給を十分に受けることが可能となり、断水時に使用場所によって水道水の出方が異なるという事態を解消することができる。
また、請求項13に係る発明によれば、1つの液体使用場所に対して、この液体使用場所の上方に貯溜容器を配置する一方、非常時において貯溜容器内の液体を取出すための液体取出し手段を設けているので、液体供給源からの液体供給が停止されている非常時においても、所定の液体使用場所へ確実に液体を供給できる。そして、例えば、今まで非常時において液体供給を十分に得ることができなかった液体使用場所に本発明を適用することにより、その液体使用場所において液体の供給を十分に受けることが可能となる。したがって、非常時に液体使用場所によって液体の出方が異なるという事態を解消することができる。
また、請求項14に係る発明によれば、複数の液体使用場所の上方に貯溜容器をそれぞれ配置し、非常時においてこの貯溜容器内の液体を取出すための液体取出し手段を設けているので、この液体取出し手段により各貯溜容器の液体を容易に取出すことができる。この結果、液体供給源からの液体供給が停止されている非常時においても、所定の液体使用場所へそれぞれ確実に液体を供給できる。したがって、今まで断水時等の非常時には液体供給を十分に得ることができなかった液体使用場所があったとしても、その液体使用場所において当該液体の供給を十分に受けることが可能となり、非常時に液体使用場所によって液体の出方が異なるという事態を解消することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
図1〜図3に示すように、本実施形態1に係る給水器は、例えば戸建て住宅に設置するためのものであり、住宅内の水道管を通して供給される水道水を各水使用場所へ供給するためのものである。一般的に住宅家屋では、図3においてその左下側に示すように、水道本管11から水道管引き込み12を介して複数の水道管15,16,17(図3では3本の水道管を示している)へ水道水が供給されるようになっている。この給水器は、所定の複数の水使用場所へ水道水を供給するように構成されるものであり、各水使用場所へ給水するための複数(本実施形態では3つ)の給水部22,23を備えている。第1給水部22は、図1に示すように、トイレ19へ給水するためのものであり、第1水道管15を通して給水する。第2給水部23は、図2に示すように炊事場20へ給水するためのものであり、第2水道管16を通して給水する。第3給水部は、図示省略しているが、第3水道管17を通して例えば風呂場へ給水する。
各給水部22,23には、水使用場所19,20の上方に配設され、水道管15,16,17を通して供給される水道水を貯溜するための貯溜容器26,27がそれぞれ設けられている。これら各貯溜容器26,27には、該貯溜容器26,27に貯溜されている水道水を各水使用場所19,20へと流出させるための流出管29,30がそれぞれ接続されている。また、各給水部22,23には、断水時等の給水停止時に貯溜容器26,27内の水道水を取出すための非常時用取水手段32,33がそれぞれ設けられている。尚、第3給水部の貯溜容器、流出管及び非常時用取水手段は図示省略している。
まず、トイレ19へ水道水を給水するための第1給水部22の構成について説明する。図1に示すように、前記トイレ19へと繋がる第1水道管15は、トイレ19の室内を上方へと延び、この第1水道管15の下流端は、トイレ19の室内の上部に配置された第1貯溜容器26の下端部に接続されている。第1水道管15には、開閉弁からなるバルブ41と、逆止弁42とが設けられている。バルブ41は、第1水道管15への水道水の供給が停止されている断水時等に第1水道管15を閉鎖するためのものである。逆止弁42は、水道水が第1水道管15を第1貯溜容器26へ向かって上方へ流れるのを許容する一方、これとは逆向き、即ち第1貯溜容器26から下方へ向かって流れるのを阻止するように構成されている。
第1貯溜容器26の上端部に接続された第1流出管29は、上方へ向かった先で折り曲げられている。そして、第1流出管29は、この折り曲げられた形状の上端部29aから下方に向かって延びており、第1貯溜容器26の下方に配置されたトイレ19の水洗用タンク44に接続されている。この水洗用タンク44は、水道水をトイレ19で使用するまでの所定期間貯溜する。
第1貯溜容器26は、およそ箱形に形成された密閉容器によって構成されている。この第1貯溜容器26は、水洗用タンク44よりも大きな容量を有しており、例えば、数十〜数百リットル程度の大きさに構成されている。尚、図例では、第1貯溜容器26は、トイレ19の室内に設けられているが、これに代え、第1貯溜容器26は、天井裏に配設してもよく、あるいは天井の上下に跨るように配設してもよい。
第1非常時用取水手段32は、第1調整弁46と第1非常時用配管47とを備えている。第1調整弁46は、第1非常時用配管47を水道水が流れるときに外部の空気を第1貯溜容器26内へ流入させるためのものであり、第1流出管29の上端部29aに設けられている。この第1調整弁46は、図3に示すように、上端に開口部が形成された筐体46a内に球状の弁体46bが配設された構成のものである。この筐体46aは、その下端において第1流出管29と連通するように設けられている。弁体46bは、筐体46a内を通過する空気の押圧力を受けて上下に自由に移動可能となっている。筐体46a内の下部には、弁体46bを筐体46a内の所定位置に保持するとともに、弁体46bが落下したときにおいても筐体46a内と第1流出管29との連通を保持するための支持部46cが設けられている。弁体46bが落下したときには、弁体46bは、支持部46cに載置された状態となるが、支持部46cは、この状態のときでも筐体46a内と第1流出管29内との連通状態を保持するように構成されている。これにより第1流出管29内は外部(大気)と連通した状態が維持される。一方、筐体46a上端に設けられた開口部は、弁体46bよりも小径の円形状に形成されており、弁体46bが上方に移動したときには、この開口部は、筐体46a内部と筐体46a外部との連通状態を遮断するように構成されている。これにより、第1流出管29内と外部(大気)との連通状態が遮断される。筐体46a上端の開口部には、フィルター46dが設けられている。このフィルター46dは、外部から筐体46a内へ流入する空気に含有される不純物を除去するためのものである。
第1非常時用配管47は、上流端(流入端)が第1貯溜容器26の下端部に接続される一方、下流端(流出端)が第1流出管29に接続されている。第1非常時用配管47には、開閉弁としての第1バルブ47aと、この第1バルブ47aよりも上流側に配置された分岐管47bとが設けられている。第1バルブ47aは、任意に開閉できるものであり、第1水道管15を通した水道水の供給が可能となっている通常時には、閉鎖されるものである。分岐管47bには、開閉弁としての蛇口47cが設けられている。この蛇口は、前記水洗用タンク44のすぐ真上に配置されており、この分岐管47bの蛇口47cを開放することにより、この蛇口47cを通して水道水を取水することが可能となっている。
第1流出管29は、水洗用タンク44内を通過すると共に、その下流端は、図4にも示すように、水洗用タンク44の上面に形成された水受け面44aへ向かって水道水を放出させるように構成されている。この第1流出管29には、水洗用タンク44内において開閉弁49が設けられている。この開閉弁49は、タンク44内に設けられた浮き球50の上下移動によって開閉するように構成されている。つまり、この浮き球50は、水洗用タンク44に貯溜された水道水の水面を検知するためのものであり、水に浮くことでタンク44内に貯溜している貯溜量に基づいて上下移動する。そして、貯溜量が増えて浮き球50が上方へ移動すると開閉弁49が閉鎖するように構成されており、水洗タンク44には所定量の水道水が貯溜されるようになっている。
水洗用タンク44の下端部には、便器51に接続された排出管52が設けられている。この排出管52には、水洗用タンク44に設けられたレバー53に連動して開放する開閉弁(図示せず)が設けられている。第1給水部22では、トイレ19の便器51が本発明でいう所定の水使用場所を構成している。
また、水洗用タンク44には、オーバーフロー防止手段が設けられている。このオーバーフロー防止手段は、水洗用タンク44に設けられた連絡管55により構成されている。この連絡管55は、水洗用タンク44の外部に設けられるものであり、その上端部が水洗用タンク44の側壁に接続されてタンク44内の上端部近傍に開口する一方、下端部が前記排出管52に接続されている。これにより、連絡管55は、水面が上端部に達するとタンク44内の水道水を排出管52へ向かって流出させる。
次に、炊事場20へ水道水を供給するための第2給水部23の構成について説明する。図2に示すように、前記炊事場20へと繋がる第2水道管16は、炊事場20の壁に沿って上方へと延び、この第2水道管16の下流端は、炊事場20の上方に配設された第2貯溜容器27の下端部に接続されている。第2水道管16には、開閉弁からなるバルブ61と、逆止弁62とが設けられている。このバルブ61を開放することにより、第2貯溜容器27へと水道水を供給できる一方、第2水道管16への給水が停止されている断水時等には、バルブ61を閉鎖することにより第2水道管16を閉鎖できる。逆止弁62は、水道水が第2水道管16を第2貯溜容器27へ向かって上方へ流れるのを許容する一方、これとは逆向き、即ち第2貯溜容器27から下方へ向かって流れるのを阻止するように構成されている。
第2貯溜容器27の上端部に接続された第2流出管30は、上方へ向かった先で折れ曲がっており、この折り曲げ形状の上端部30aから下方へ向かっている。第2流出管30の下流端には、開閉弁としての蛇口65が設けられている。この蛇口65は、流し台63の水受け面63aの上方に配置されている。第2流出管30は、蛇口65を開放することにより、第2水道管16から供給された水道水を第2貯溜容器27を通して流出させる。第2給水部23では、流し台63が本発明でいう所定の水使用場所を構成している。
第2貯溜容器27は、およそ箱形に形成された密閉容器によって構成されている。この第2貯溜容器27は、例えば、数十〜数百リットル程度の容量に構成されている。この第2貯溜容器27は、天井裏に載置してもよく、天井から吊下げてもよく、あるいは天井の上下に跨るように配設してもよい。
第2貯溜容器27に設けられた第2非常時用取水手段33は、第2調整弁67と第2非常時用配管68とを備えている。第2調整弁67は、第2流出管30の上端部30aに設けられている。第2調整弁67は、前記第1調整弁46と同様の構造のものである。
第2非常時用配管68は、上流端(流入端)が第2貯溜容器27の下端部に接続される一方、下流端(流出端)が第2流出管30に接続されている。第2非常時用配管68には、開閉弁としての第2バルブ68aが設けられている。第2バルブ68aは、任意に開閉できるものであり、第2水道管16を通した水道水の供給が可能となっている通常時には、閉鎖されるものである。
次に、本実施形態1に係る給水器の動作及び作用効果について説明する。
本実施形態1に係る給水器では、各給水部22,23において、水道本管11からの水道水の供給が可能な通常時には、各水道管15,16,17の各バルブ41,61を開放しておくことにより、トイレ19、炊事場20あるいは風呂場での水道水の使用に応じて、各水道管15,16,17を通して各貯溜容器26,27に常時水道水が供給される。このため、各貯溜容器26,27には、常に新鮮な水道水が貯溜されている。このとき、非常時用配管47,68のバルブ47a,68aは閉鎖されているために、非常時用配管47,68を水道水が流れることはない。
トイレ19における通常時では、第1貯溜容器26に貯溜された水道水は、水洗用タンク44内の貯溜量が減って浮き球50が下がると、第1流出管29の開閉弁49が開放することにより、第1貯溜容器26の水が第1流出管29を通して水洗用タンク44に供給される。このとき第1貯溜容器26内には水道本管11からの水圧がかかっており、また第1調整弁46が閉鎖されているので、第1貯溜容器26の水道水は、容易に第1流出管29に流入し、この第1流出管29を流下する。
一方、水道本管11からの水道水の供給が停止された非常時、例えば断水時において、水洗用タンク44の浮き球50が下がると、開閉弁49が開放することにより、第1流出管29内の水道水が水洗用タンク44に流入する。このとき、水道本管11からの水圧が低下しているために、第1貯溜容器26内の水道水は、通常時と同じようには流出しない。つまり、第1流出管29の流入端が第1貯溜容器26の上端部に設けられているために、貯溜容器26内の水道水は、僅かに流出するだけである。そして、貯溜容器26内の水圧低下により、第1調整弁46が開放し、外気がこの第1調整弁46を通して第1流出管29へと流入する。これにより、第1流出管29内の水道水は、容易に流れ落ちるものの、第1貯溜容器26内には、所定量の水道水が蓄えられる。
この非常時において、分岐管47bの蛇口47cを開放すれば、この分岐管47bを通して第1貯溜容器26内の水道水を取出すことができるので、水が必要なときは、それに応じて分岐管47bの蛇口47cを開放すればよい。
炊事場20における通常時には、第2水道管16のバルブ61が開放される一方、第2非常時用配管68の第2バルブ68aは閉鎖されている。このときには、第2流出管30の蛇口65を開放することにより、水道水が蛇口65から流出する。そして、この水道水の使用に応じて第2貯溜容器27へ水道水が第2水道管16を通して流入するので、第2貯溜容器27には常に所定量の水が貯溜される。
一方、断水時等の非常時には、第2水道管16のバルブ61が閉鎖される。このとき、第2非常時用配管68の第2バルブ68aも閉鎖されている。そして、蛇口65を開放すると、第2流出管30内の水道水が流出する一方、第2貯溜容器27内の水道水は、ほとんど流出しない。
この非常時において、第2非常時用配管68の第2バルブ68aを開放し、蛇口65を開放することにより、第2貯溜容器27内の水道水を流出させることができる。
以上説明したように、本実施形態1に係る給水器では、水道水の給水が停止されている非常時においても、トイレ19の便器51、炊事場20の流し台63等の所定の水使用場所へそれぞれ確実に水道水を供給できる。この結果、今まで断水時には水道水の供給を十分に得ることができなかった水の使用場所があったとしても、この水使用場所において水道水の供給を十分に受けることが可能となり、断水時に水使用場所51,63によって水道水の出方が異なるという事態を解消することができる。
また、本実施形態1に係る給水器は、トイレ19、炊事場20等に応じて、それぞれ適合する貯溜容器26,27を配設する構成であるので、例えば集合住宅に設けられる高架水槽等のように多数の住戸へ水道水を供給する大型のものとは異なる。したがって、本実施形態1に係る給水器は、例えば戸建て住宅等にも配設することができ、あるいは集合住宅であっても各住戸ごとに個別に設置することも可能である。
また、本実施形態1では、流出管29,30を貯溜容器26,27の上端部に接続するようにしているので、水道管15,16からの給水が停止しているときには、貯溜容器26,27内の水道水が流出管29,30へ流入することはほとんどない。このとき、流出管29,30の上端部に設けられた調整弁46,67が開放することにより、流出管29,30内へ空気が流入し、この管内の水道水は確実に流出管29,30内を流下する。したがって、水道水の給水が停止しているときには、流出管29,30内に残っている所定量の水道水のみが水使用場所51,63へ向かって流れるので、例えば断水時に子供が無意識のうちに貯溜容器26,27内の水道水を使い切ってしまうという事態を回避することができる。そして、貯溜容器26,27内の水道水を真に使用したいときには、非常時用配管47,68の第1バルブ47a又は第2バルブ68aを開放することにより、貯溜容器26,27内の水道水を利用できる。
また、本実施形態1では、第1給水部22(トイレ19)において、第1非常時用配管47に分岐管47bを設けるようにしているので、この分岐管47bの蛇口47cを開放することにより、水道水を水洗用タンク44に溜めるのではなく、分岐管47bを通して水道水を取出すことができるようになっている。
また、本実施形態1では、通常時において、水使用場所51,63で水が使用されると、それに伴って貯溜容器26,27に貯溜されている水が流出する構成となっているので、貯溜容器26,27には水が長期間滞留しない。しかも、貯溜容器26,27内には常に水が満たされているために、容器内には空気(空気中の雑菌)がほとんど存在せず、水が腐ることはない。さらに、本実施形態1では、調整弁46,67にフィルター46dを設けるようにしているので、非常時において貯溜容器26,27内へ清潔な空気を流入させることができる。この結果、貯溜容器26,27内を清潔に維持することができ、清潔な水道水を所定の水使用場所51,63へ供給することができる。
また、本実施形態1では、水道管15,16に逆止弁42,62を設けるようにしているので、貯溜容器26,27内の水道水が水道管15,16を逆流するのを防止することができる。
また、本実施形態1では、第1給水部22において第1流出管29から流出した水道水を所定の期間貯溜する水洗用タンク44が設けられており、第1貯溜容器26を流出して水洗用タンク44へ流入した水道水がこのタンク44においてオーバーフローしてしまうのを防止すべく、連絡管55を備えているので、トイレ19の上部に第1貯溜容器26を配置したとしても、これによって生ずる弊害を防止することができる。
《発明の実施形態2》
図5は本発明の実施形態2を示す。ここでは、実施形態1と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。この実施形態2では、仮設トイレ70へ水道水を給水するための給水器に構成されている。つまり、本実施形態2に係る給水器は、1つの水使用場所へ水道水を供給するものである。
この給水器は、仮設トイレ70の上部に設けられた貯溜容器26と、この貯溜容器26に接続された流出管29と、非常時用取水手段32とが設けられている。貯溜容器26は、仮設トイレ70内に収容できる大きさに構成されるものであり、例えば、数十〜百リットル程度の容量を有する。貯溜容器26には、水道管15が接続されていて、この水道管15を通して供給された水道水が貯溜される。
流出管29は、貯溜容器26に貯溜されている水道水を水洗用タンク44へ送水するためのものである。流出管29は、その上流端が貯溜容器26の上端部に接続される一方、下流端は貯溜容器26の下方に配置された水洗用タンク44内に開放している。この流出管29には、図示省略しているが実施形態1における水洗用タンク44と同様な開閉弁が設けられている。この開閉弁は、タンク44内に設けられた浮き球(図示省略)の上下移動によって開閉するように構成されている。
水洗用タンク44には、便器51に接続された排出管52が設けられている。この排出管52は、水洗用タンク44内の水道水を便器51へ向かって流出させるものである。この便器51は、本発明でいう所定の水使用場所を構成している。
非常時用取水手段32は、調整弁46と、非常時用配管47と、この非常時用配管47に設けられた開閉弁としてのバルブ47aと、非常用配管47に設けられた分岐管47bと、この分岐管47bに設けられた開閉弁としての蛇口47cとを備えている。調整弁46は、実施形態1における第1調整弁46と同様の構成のものであり、流出管29の上端部29aに配設されている。
非常時用配管47は、その上流端が貯溜容器26の下端部に接続される一方、下流端が水洗用タンク44内に開口している。バルブ47aは、分岐管47bよりも下流側に配置されている。このバルブ47aは、通常時には閉鎖されるものである。分岐管47bは、仮設トイレ70の側壁を貫通しており、この分岐管47bの蛇口47cは、仮設トイレ70の外側に配置されている。この分岐管47bを通して、通常時及び非常時の何れにおいても貯溜容器26内に貯溜された水道水を取水することができる。
本実施形態2に係る給水器では、水道管15を通しての水道水の供給が可能な通常時には、非常時用配管47のバルブ47aが閉鎖されている。この通常時において、貯溜容器26には、水道水が水道管15を通して常時供給されるので、この貯溜容器26には水道水がほぼ満タンに満たされている。そして、水洗用タンク44内の水が使用されると、その使用に応じて貯溜容器26から水道水が水洗用タンク44へ流れ、これに伴い、貯溜容器26には、使用された水量だけ水道管15を通して水道水が給水される。
一方、水道管15を通しての水道水の供給が停止されている非常時には、水洗用タンク44の水が使用されたとしても、貯溜容器26内の水道水は、この貯溜容器26の上端部に接続された流出管29へほとんど流入しない。この非常時において、水洗用タンク44の水が使用されたときには、非常時用配管47のバルブ47aを開放することにより、水洗用タンク44内に水を溜めることができる。
したがって、本実施形態によれば、1つの水使用場所としての仮設トイレ70の便器51に対して、この便器51の上方に貯溜容器26を配置する一方、非常時において貯溜容器26内の水道水を取出すための非常時用取水手段32を設けているので、貯溜容器32の水道水を容易に取水することができる。この結果、水道水の給水が停止されている非常時においても、水洗用タンク44へ確実に水道水を供給できる。
また、本実施形態に係る給水器では、所定の1つの水使用場所51に応じた貯溜容器26を配設する構成であるので、例えば集合住宅に設けられる高架水槽等のように多数の住戸へ水道水を供給する大型のものとは異なる。
その他の構成、作用及び効果は前記実施形態1と同様である。
《発明の実施形態3》
図6は本発明の実施形態3を示す。ここでは、実施形態1と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。この実施形態3では、第1給水部22において、流出管72が貯溜容器26の下端部に接続されている。
流出管72は、その上流端が貯溜容器26の下端部に接続される一方、下方に向かって延びている。そして、流出管72の下端部は、例えば水洗用タンク44の水受け面44aの上方で開口している。この流出管72には、開閉弁72aが設けられている。
非常時用取水手段32は、非常時用配管74と、この非常時用配管74に設けられた開閉弁74aとを備えている。非常時用配管74は、上流端が流出管72における開閉弁72aよりも上流側に接続される一方、下流端が前記水受け面44aの上方で開口している。
貯溜容器26の上端部には、非常時用配管74を水道水が流れるときに外部の空気を貯溜容器26内へ流入させるための調整弁76が設けられている。調整弁76は、上端に開口部が形成された筐体76a内に球状の弁体76bが配設された構成のものである。この筐体46aは、その下端において貯溜容器26内と連通している。筐体76a内の下部には、弁体76bを筐体76a内の所定位置に保持するとともに、弁体76bの落下時にも外部(大気)と貯溜容器26内との連通を保持するための支持部76cが設けられている。筐体76a上端に設けられた開口部は、弁体76bよりも小径の円形状に形成されており、弁体76bが上方に移動したときには、この開口部は、筐体76a内部と筐体76a外部との連通状態を遮断するように構成されている。筐体76a上端の開口部には、フィルター76dが設けられている。
したがって、本実施形態3では、水道管15を通した給水が可能な通常時には、流出管72の開閉弁72aが開放されることにより、水道管15内の水道水から受ける水圧によって貯溜容器26内の水道水が流出管72を流下する。このとき、貯溜容器26内の水圧が高くなっているために、調整弁76の弁体76bは、筐体76aの上端開口部に押し付けられている。このため、調整弁76は、閉鎖された状態となっている。
一方、水道管15を通しての給水が停止されているときには、水道管15内の水道水から受ける水圧が低下する。そして、流出管72の開閉弁72aが開放されることにより、流出管72を水道水が流下すると共に、貯溜容器26内の圧力がさらに低下し、調整弁76の弁体76bが落下する。これにより、調整弁76を通して外気が貯溜容器26へ流入するので、流出管72内の水道水を速やかに流下させることができ、貯溜容器26内を加圧することなく所定の水使用場所へ水道水を安定して供給することができる。また、流出管72の開閉弁72aが閉鎖されているときにおいて、必要に応じて非常時用配管74の開閉弁74aを開放することにより、この非常時用配管74を通して水道水を取水することができる。
その他の構成、作用及び効果は前記実施形態1と同様である。
《発明の実施形態4》
図7は本発明の実施形態4を示す。ここでは、実施形態3と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。この実施形態4では、第1給水部22において貯溜容器26内を加圧するための加圧用手段が設けられている。この加圧用手段は、貯溜容器26の上端部に設けられた加圧用配管81と、この加圧用配管81に設けられた逆止弁82とにより構成されている。加圧用配管81は、その内端部が貯溜容器26の上端部に接続される一方、外端部が加圧用ポンプ(図示省略)を接続可能に構成されている。加圧用ポンプとして、例えば足ふみ式の簡易ポンプ等が挙げられる。逆止弁82は、加圧用配管81の外端部から内端部へ向かう空気の流れを許容する一方、内端部から外端部へ向かう空気の流れを阻止するように構成されている。
したがって、本実施形態4では、水道管15からの水道水の給水が停止されているときには、流出管72の開閉弁72aを開放することにより水道管15内の水道水から受ける水圧が低下する。しかしこのとき、加圧用ポンプによって貯溜容器26内を加圧すると、この加圧された貯溜容器26内の水圧によって貯溜容器26から水道水を流出させることができる。これにより、非常時用配管74における配管抵抗の影響を受けることなく、所定の水使用場所へ確実に水道水を供給することができる。
その他の構成、作用及び効果は前記実施形態3と同様である。
《発明の実施形態5》
図8は本発明の実施形態5を示す。ここでは、実施形態1と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。この実施形態5では、第1貯溜容器26を容量可変に構成したものである。
以下具体的に説明する。第1貯溜容器26の上端部には、第1水道管15の下流端と第1流出管29の上流端とがそれぞれ接続されている。つまり、第1水道管15を通して第1貯溜容器26へ水道水が流入する一方、第1貯溜容器26内の水道水は第1流出管29を通して水洗用タンク44へ供給される。このとき、水道水は第1貯溜容器26の上端部から流入するので、第1貯溜容器26内において水道水が流入した勢いで攪拌されるようになっている。
第1貯溜容器26の下端部には、第1非常時用配管47の上流端が接続されている。第1非常時用配管47の下流端は第1貯溜容器26の下方で第1流出管29に接続されている。第1非常時用配管47には開閉弁としての第1バルブ47aと、この第1バルブ47aよりも上流側に配置された分岐管47bとが設けられている。第1流出管29の開閉弁49はタンク44内の浮き球50の上下移動によって開閉するように構成されている。
第1貯溜容器26は、ゴム、ポリエチレン等の伸縮自在な軟質材料により構成されており、水風船状になっている。そして、第1貯溜容器26は、第1水道管15から水道水が流入するにしたがって膨張する一方、第1流出管29から水道水が流出するにしたがって収縮する。つまり、第1貯溜容器26は、貯溜量に応じて内容積が変化するようになっている。これにより、第1貯溜容器26内は常に満水状態となっている。言い換えると、本実施形態5では、第1貯溜容器26が貯水量に応じて膨張収縮するので、第1貯溜容器26内に空気を流入させることなく水道水を流出させることができる。このとき、第1水道管15のバルブ41から第1貯溜容器26を経由して第1流出管29の開閉弁49に至る系の全体に亘って満水状態となっている。
第1水道管15、第1流出管29、第1非常時用配管47は第1貯溜容器26の横方向における略中央部に接続されており、第1貯溜容器26は主として横方向に膨張、収縮する。これにより、これらの配管15,29,47が接続されることで、第1貯溜容器26の膨張、収縮が阻害されないようになっている。
第1貯溜容器26は箱形の外枠85内に配設されている。この外枠85は第1貯溜容器26が膨張し過ぎないように設けられるものであり、また外枠85は第1貯溜容器26が損傷するのを防止する機能をも有している。外枠85の上面には通気孔86が設けられ、また外枠85内の上部には網状の密着防止部87が設けられている。通気孔86は第1貯溜容器26が膨張縮小するのを阻害しないように外枠85の内外の通気を行うためのものである。この通気孔86にはフィルター86aが設けられている。密着防止部87は第1貯溜容器26が膨張した場合でもこの第1貯溜容器26が外枠85の内面に貼り付いてしまうのを防止するためのものである。これにより通気孔86での通過が確実なものとなり、第1貯溜容器26が膨張縮小するのが阻害されないようになっている。
外枠85の上面部には上側貫通孔が、また下面部には下側貫通孔がそれぞれ形成されており、第1水道管15及び第1流出管29は上側貫通孔に挿通される一方、第1非常時用配管47は下側貫通孔に挿通されている。
本実施形態5では、第1水道管15からの水道水の給水が可能な通常時には貯溜容器が膨らんでおり貯水量が増大している。そして、第1貯溜容器26に貯溜された水道水をその上端部から流出させて水洗用タンク44へ供給する。それ故に、第1貯溜容器26内に空気が溜まったとしてもこの空気は水道水と一緒に流出しやすいので、空気が長期間に亘って第1貯溜容器26内に溜まるのを回避することができる。一方、第1水道管15からの水道水の給水が停止している非常時には、第1貯溜容器26が水圧で膨張状態に保たれるが、このとき開閉弁49及び第1バルブ47aが閉鎖されている限り水道水が流出することはない。そして、第1バルブ47aを開放すると、開閉弁49が開放されることを条件として水道水が第1貯溜容器26から第1非常時用配管47を流下して水洗用タンク44へ供給される。このとき、第1貯溜容器26はその貯水量が減少し、それに伴って縮むので、第1貯溜容器26内に空気が入ることはない。このとき容器内の水道水は第1貯溜容器26が収縮しようとする力を受けるので、水道水はこの力をも受けて第1貯溜容器26から流出する。したがって、第1貯溜容器26内が常に満水状態となって第1貯溜容器26内に空気が溜まるのを回避することができる。この結果、断水状態が長期間に亘って継続するような場合においても水道水に含まれる雑菌の増殖等を抑制できるので、第1貯溜容器26に溜まった水道水の水質が劣化するのを抑制することができる。このため、飲料水の給水器として非常に好ましいものとなる。
また、本実施形態5では、第1水道管15及び第1流出管29の双方をそれぞれ第1貯溜容器26の上端部に接続するようにしているために、水道水に使用に応じて第1水道管15から第1貯溜容器26へ水道水が給水される通常時において、第1貯溜容器26内の水道水が攪拌されやすくなる。このため、第1貯溜容器26内の水道水をより清潔に維持することができる。
その他の構成、作用及び効果は前記実施形態1と同様である。
《発明の実施形態6》
図9は本発明の実施形態6を示す。尚、ここでは、実施形態5と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。本実施形態6では、実施形態5と異なり、第1水道管15の下流端(上端)が第1貯溜容器26の下端部に接続している。
第1水道管15は第1貯溜容器26の下端部において横方向における一端部(図9における左端部)に接続されている。また、第1流出管29は第1貯溜容器26の上端部において横方向における一端部(図9における左端部)に接続されている。このため、本実施形態6では、水道水は第1貯溜容器26の下端部から流入する一方、第1貯溜容器26の上端部から流出する。
第1貯溜容器26は、主として横方向に膨張、収縮するようになっている。より具体的には、第1貯溜容器26は図9における左端部において第1水道管15及び第1流出管29が接続されることで左端部が固定されている。そして、第1貯溜容器26は水道水が流入すると図9における右方向へ膨張する一方、水道水が流出すると図9における左方向へ収縮する。本実施形態6では、第1水道管15及び第1流出管29がそれぞれ第1貯溜容器26の左端部に接続されることで、第1貯溜容器26の膨張、収縮が阻害されないようになっている。
第1非常時用配管47は、その上流端(流入端)が第1水道管15における逆止弁42の下流側に接続される一方、下流端(流出端)が第1貯溜容器26の下方で第1流出管29に接続されている。
外枠85の上面部には上側貫通孔が、また下面部には下側貫通孔がそれぞれ形成されており、第1流出管29は上側貫通孔に挿通される一方、第1水道管15は下側貫通孔に挿通されている。
本給水器では、通常時において水道水は第1水道管15を通して第1貯溜容器26へその下端部から流入し、第1貯溜容器26は右方向へ膨張する。そして、この容器内の水道水は使用に応じてその上端から第1流出管29を通して流出し水洗用タンク44へ供給される。一方、非常時には第1バルブ47aを開放すると水道水は第1貯溜容器26から第1水道管15を経由して第1非常時用配管47を流れ、水洗用タンク44へ供給される。したがって、本実施形態6によれば、第1貯溜容器26が膨張、収縮するのを維持しつつ、非常時には第1貯溜容器26内の水道水を水使用場所へ確実に給水することができる。
また、本実施形態6においても通常時において第1貯溜容器26内の水道水はその上端部から第1流出管29へと流出するので、第1貯溜容器26内に空気が溜まったとしてもこの空気は水道水と一緒に流出しやすく、空気が長期間に亘って第1貯溜容器26内に溜まるのを回避することができる。この結果、断水状態が長期間に亘って継続するような場合においても水道水に含まれる雑菌の増殖等を抑制できるので、第1貯溜容器26に溜まった水道水の水質が劣化するのを抑制することができる。このため、飲料水の給水器として非常に好ましいものとなる。
その他の構成、作用及び効果は前記実施形態5と同様である。
《発明の実施形態7》
図10は本発明の実施形態7を示す。ここでは、実施形態6と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第1貯溜容器26は、蛇腹状に形成されることで上下方向に伸縮自在に構成された容器本体26aと、この容器本体26aと第1流出管29とを連通させる螺旋管からなる伸縮吸収部26bとからなる。容器本体26aの下端部は、その中央部において第1水道管15の上端部に接続されて固定されている。第1水道管15は枠体85の下面部における中央部の下側貫通孔に挿通されている。第1貯溜容器26は、容器本体26aが伸縮することで内容積が変化するようになっている。
伸縮吸収部26bは外枠85内における上端部に配設さている。そして、伸縮吸収部26bは、その下端部が容器本体26aの上端部における中央部に接続される一方、上端部が第1流出管29の上流端に接続されている。この伸縮吸収部26bは、容器本体26aの伸縮によっても第1流出管29の上流端が上下移動するのを抑止するために設けられるものである。伸縮吸収部26bは容器本体26aの伸縮に伴って上下方向に変形できるように軟質材料によって構成されている。伸縮吸収部26bは上下方向に螺旋径が異なるような形態に形成されている。これにより伸縮吸収部26bがより上下方向に短くなるようになっている。
尚、本実施形態7では、外枠85の通気孔86及び密着防止部87が省略されている。
したがって、本実施形態によれば、通常時において水道水は第1水道管15を通して第1貯溜容器26へその下端部から流入する。これにより第1貯溜容器26の容器本体26aが上方へ伸びるとともに、伸縮吸収部26bが上下方向に短くなるように変形する。これにより第1貯溜容器26の貯水量が増大する。そして、容器内の水道水は使用に応じて第1流出管29を通して水洗用タンク44へ供給される。一方、非常時には第1バルブ47aを開放すると水道水は第1貯溜容器26から第1水道管15を経由して第1非常時用配管47へと流下し、水洗用タンク44へ供給される。このとき水道水は、容器本体26aが縮もうとする力をも受けて第1貯溜容器26から流出する。そして、容器本体26aが下方へ縮むとともに、伸縮吸収部26bが上下方向に長くなるように変形する。したがって、第1貯溜容器26が膨張、収縮するのを維持しつつ、非常時には第1貯溜容器26内の水道水を水使用場所へ確実に給水することができる。
その他の構成、作用及び効果は前記実施形態1と同様である。
《その他の実施形態》
前記実施形態1,3,4,5,6及び7では、複数の水使用場所51,63へ水道水を供給すべく複数の給水部22,23からなる給水器として構成しているが、これに代え、1つの給水部のみを備えた給水器として構成してもよい。つまり、各給水部を単体の給水器として構成してもよい。例えば、トイレ19へ給水するための給水器として構成するときには、この給水器は、水道管15を通して供給された水道水を貯溜する貯溜容器26と、貯溜容器26に貯溜された水道水を通常時にトイレ19へ供給するための流出管29と、貯溜容器26に貯溜された水道水を非常時に取水するための非常時用取水手段32とを備えるように構成すればよい。また、炊事場20へ給水するための給水器として構成するときには、この給水器は、水道管16を通して供給された水道水を貯溜する貯溜容器27と、貯溜容器27に貯溜された水道水を通常時に炊事場20へ供給するための流出管30と、貯溜容器27に貯溜された水道水を非常時に取水するための非常時用取水手段33とを備えるように構成すればよい。
また、前記実施形態3及び4では、実施形態1における第1給水部22の構成を変形した形態について説明したが、これに代え、実施形態1における第2給水部23、第3給水部を同様に変形した構成としてもよい。また、実施形態3及び4では、第1給水部22としての構成について説明したが、この第1給水部22を独立した1つの給水器として構成してもよい。
また、前記実施形態5では、第1貯溜容器26を膨張収縮するように構成したが、これに代え、第2貯溜容器27を膨張収縮するように構成してもよく、また第3貯溜容器を膨張収縮するように構成してもよい。また、給水器が1つだけの給水部を備える構成の場合には、その貯溜容器を膨張収縮するように構成すればよい。
また、前記各実施形態において、水道管15,16,17、流出管29,30、非常時用配管47,68等の各配管の少なくとも一部の配管には図11〜13に示すように変形許容部90を介在させる構成としてもよい。この変形許容部90は直線状に形成されている配管の直線部に設けられる場合には、軸方向に伸縮可能に構成すればよい。例えば図11に示すように変形許容部90は螺旋状の管により構成することができる。配管の直線部に変形許容部90を介在させることにより、地震等の揺れに対しても配管が破断し難くなり、各実施形態における給水器10が非常時に機能しやすくなる。また、変形許容部90は例えば図12に示すように螺旋径が異なるような螺旋状の管によって構成することもできる。こうすることで変形許容部90が縮んだときにも互いに干渉することがなくなるために、変形許容部90の長さを短くすることが可能となる。また、変形許容部90は配管の折れ曲がり部に設けることもできる。この場合、例えば図13に示すように変形許容部90の両端部が互いに角度(例えば90度)を有した状態で旋回部を有する管によって構成することができる。変形許容部90は例えば塩化ビニル、ポリエチレン等からなる管によって構成することができる。
また、前記各実施形態について、貯溜容器26,27へ塩素を供給するための塩素供給手段を設けるようにしてもよい。この塩素供給手段は、塩素自体を供給するものでもよく、あるいは次亜塩素酸ソーダを供給するものであってもよい。これにより、貯溜容器26,27内の塩素濃度を所定範囲内に調整できるので、非常時において水道水が貯溜容器26,27に長期間貯溜されるような場合においても貯溜容器26,27から供給される水道水の塩素濃度基準をクリアできるようになる。
また、前記各実施形態では、所定の水使用場所へ水道水を供給する給水器として構成したが、これに代え、所定の液体使用場所へ液体を供給するための液体供給装置として構成してもよい。この場合の液体として不揮発性の液体を使用するとよい。
本発明の実施形態1における第1給水部の全体構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態1における第2給水部の全体構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態1における第1給水部を概略的に示す配管系統図である。 水洗用タンクを示す斜視図である。 本発明の実施形態2に係る給水器の全体構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態3に係る給水器を概略的に示す配管系統図である。 本発明の実施形態4に係る給水器を概略的に示す配管系統図である。 本発明の実施形態5に係る給水器を概略的に示す配管系統図である。 本発明の実施形態6に係る給水器を概略的に示す配管系統図である。 本発明の実施形態7に係る給水器を概略的に示す配管系統図である。 変形許容部の構成の一例を示す図である。 変形許容部の構成の一例を示す図である。 変形許容部の構成の一例を示す図である。
符号の説明
15 第1水道管(水道管)
16 第2水道管(水道管)
26 第1貯溜容器(貯溜容器)
27 第2貯溜容器(貯溜容器)
29 第1流出管(流出管)
30 第2流出管(流出管)
32 第1非常時用取水手段(非常時用取水手段)
33 第2非常時用取水手段(非常時用取水手段)
42 逆止弁
44 水洗用タンク(タンク)
46 第1調整弁(調整弁)
46d フィルター
47 第1非常時用配管(非常時用配管)
47a 第1バルブ(開閉弁)
47b 分岐管
47c 蛇口(開閉弁)
51 便器(水使用場所)
55 連絡管(オーバーフロー防止手段)
62 逆止弁
63 流し台(水使用場所)
67 第1調整弁(調整弁)
68 第2非常時用配管(非常時用配管)
68a 第2バルブ(開閉弁)

Claims (14)

  1. 水道管を通して供給される水道水を所定の水使用場所へ供給する給水器であって、
    前記所定の水使用場所は1つであり、
    前記所定の水使用場所の上方に配置され、水道管を通して供給される水道水を貯溜する貯溜容器と、
    前記水道管から貯溜容器への給水が可能なときに、水使用場所での水道水の使用に応じて前記貯溜容器に貯溜された水道水を前記所定の水使用場所へ供給するための流出管と、
    前記水道管から貯溜容器への給水が停止されているときに、前記貯溜容器に貯溜された水道水を取出すための非常時用取水手段とが設けられている給水器。
  2. 水道管を通して供給される水道水を所定の水使用場所へ供給する給水器であって、
    前記所定の水使用場所は複数であり、
    前記所定の水使用場所のそれぞれ上方に配置され、前記水道管を通して供給される水道水を貯溜する複数の貯溜容器と、
    前記水道管から貯溜容器への給水が可能なときに、水使用場所での水道水の使用に応じて前記貯溜容器に貯溜された水道水を該貯溜容器の下方に位置する所定の水使用場所へ供給するための流出管と、
    前記水道管から貯溜容器への給水が停止されているときに、前記貯溜容器に貯溜された水道水を取出すための非常時用取水手段とが設けられている給水器。
  3. 前記非常時用取水手段は、
    前記貯溜容器を流出した水道水が流入するように構成され、下流端が前記所定の水使用場所の上方に開口している非常時用配管と、
    前記非常時用配管を水道水が流れるときに貯溜容器内を加圧するための加圧用手段とを備えてなる請求項1又は2に記載の給水器。
  4. 前記非常時用取水手段は、
    前記貯溜容器を流出した水道水が流入するように構成され、下流端が前記所定の水使用場所の上方に開口している非常時用配管と、
    前記貯溜容器の上端部に設けられ、前記非常時用配管を水道水が流れるときに貯溜容器内へ空気を流入させるための調整弁とを備えてなる請求項1又は2に記載の給水器。
  5. 前記調整弁には、貯溜容器内へ流入される空気に含まれる不純物を除去するためのフィルターが設けられている請求項4に記載の給水器。
  6. 前記水道管には、貯溜容器からの逆流を防止するための逆止弁が設けられている請求項1から5の何れか1項に記載の給水器。
  7. 前記流出管は、その上流端が貯溜容器の上端部に接続される一方、下流端が前記所定の水使用場所の上方に開口し、
    前記非常時用取水手段は、
    上流端が前記貯溜容器の下端部に接続される一方、下流端が前記流出管に接続される非常時用配管と、
    前記非常時用配管に設けられる開閉弁と、
    前記流出管の上端部に設けられ、該流出管を水道水が流れるときに貯溜容器内へ空気を流入させるための調整弁とを備えてなる請求項1又は2に記載の給水器。
  8. 前記非常時用配管には、分岐管が設けられ、
    前記分岐管には、開閉弁が設けられている請求項7に記載の給水器。
  9. 前記流出管から流出した水道水を前記所定の水使用場所で使用するまでの間貯溜するタンクが設けられ、
    前記非常時用取水手段は、前記タンクからのオーバーフローを防止するためのオーバーフロー防止手段を備えている請求項1から8の何れか1項に記載の給水器。
  10. 前記貯溜容器は、貯水量に応じて膨張及び収縮するように構成され、
    前記流出管は、その上流端が前記貯溜容器の上端部に接続され、下流端が前記所定の水使用場所の上方に開口し、
    前記非常時用取水手段は、水道水が貯溜容器から流下するように構成された非常時用配管と、この非常時用配管に設けられた開閉弁とを備えてなる請求項1又は2に記載の給水器。
  11. 前記水道管は、前記流出管に隣接して貯溜容器の上端部に接続され、
    前記非常時用配管は、その上流端が貯溜容器の下端部に接続されている請求項10に記載の給水器。
  12. 前記水道管は、貯溜容器の下端部に接続され、
    前記非常時用配管は、その上流端が貯溜容器の下方で前記水道管に接続されている請求項10に記載の給水器。
  13. 液体供給源から液体供給管を通して供給される液体を所定の液体使用場所へ供給する液体供給装置であって、
    前記所定の液体使用場所は1つであり、
    前記液体使用場所の上方に配置され、液体供給管を通して供給される前記液体を貯溜する貯溜容器と、
    前記液体供給源から貯溜容器への液体供給が可能なときに、液体使用場所での液体の使用に応じて前記貯溜容器に貯溜された液体を前記所定の液体使用場所へ供給するための流出管と、
    前記液体供給源から貯溜容器への液体供給が停止されているときに、前記貯溜容器に貯溜された液体を取出すための液体取出し手段とを備えている液体供給装置。
  14. 液体供給源から液体供給管を通して供給される液体を所定の液体使用場所へ給水する液体供給装置であって、
    前記所定の液体使用場所は複数であり、
    前記所定の液体使用場所のそれぞれ上方に配置され、前記液体供給管を通して供給される液体を貯溜する複数の貯溜容器と、
    前記液体供給管から貯溜容器への液体供給が可能なときに、液体使用場所での液体の使用に応じて前記貯溜容器に貯溜された液体を該貯溜容器の下方に位置する所定の液体使用場所へ供給するための流出管と、
    前記液体供給管から貯溜容器への液体供給が停止されているときに、前記貯溜容器に貯溜された液体を取出すための液体取出し手段とが設けられている液体供給装置。
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