JP3147573B2 - 鋼材の熱間加工組織を予測する方法 - Google Patents

鋼材の熱間加工組織を予測する方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、厚板、薄板、線材等の
鋼材を熱間圧延によって製造するとき、或はその他熱間
加工を施すときの鋼材組織を高精度に予測する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば鋼材の熱間加工においては、製造
された鋼材の材料試験を省略して納期の短縮化やコスト
ダウンを図る目的で、熱間圧延鋼材の熱履歴を考慮して
鋼材の熱延組織を予測し、該予測組織に基づいて鋼材材
質の予測を行うことが検討されている。この様な予測の
精度が向上すれば、熱延鋼材の材質がコイル全長に亙っ
て予知的に把握できることとなり、製品歩留りの向上に
寄与するという効果も期待されている。この様な要請は
熱間圧延に限ったことではなく熱間加工全般に共通して
いる。
【0003】例えば特開平4−2957によれば、その
第2図に示された様なフローチャートに従って材質予測
を進めることが提案され、また変態モデルの処理につい
ては同第7図に示す様なフローチャートに従って予測計
算を行うことが記載されている。これらによれば、オー
ステナイト組織を予測すること、またその予測結果に基
づいて鋼の変態を予測することが夫々可能であると述べ
られている。しかしながら当該公開公報の記載では、平
衡状態でフェライトが析出する平衡のA3 点以下ではオ
ーステナイトの組織は変化しないものとして扱われてい
る。
【0004】ところが本発明者らが種々研究したところ
によると、追って詳述する様に、平衡のA3 点以下でも
オーステナイトの再結晶が進行することが突きとめられ
た。従って前記特開平4−2957の方法は、A3 点以
下でのオーステナイトの組織を固定して計算していると
いう点において、精度上の欠陥を内包していることが分
かった。即ち熱延鋼材の冷却工程においては、板温が平
衡のA3 点より低くなるとフェライトの析出が開始され
るので、遅滞なく変態予測の計算に入らねばならない。
その為前記従来技術では、平衡のA3 点以下で生じるオ
ーステナイトの再結晶や粒成長を考慮に入れないままで
予測計算を終了してしまうことになり、変態前のオース
テナイト組織が不十分な精度で予測されてしまうのであ
る。
【0005】一方良く知られている様に、鋼材の組織は
変態前のオーステナイト組織に大きく依存している。そ
して特に再結晶に伴うオーステナイト組織の変化は、鋼
材材質に大きい影響を与えることも知られている。この
点前記特開平4−2957のみならず、特開昭61−1
5915,同62−4823,同62−158816,
特開平1−298114等に記載されている各種の予測
技術は、単に圧延後のオーステナイト粒径や転位密度を
予測するのみであり、どの時点におけるオーステナイト
粒径や転位密度を問題とするかについて明確な技術的思
想は展開されていない。少なくとも、平衡のA3 点以下
で進行するオーステナイト再結晶を予測計算の中に組入
れるという考え方は従来知られていない。その為従来の
予測技術では、未再結晶オーステナイトが平衡のA3
以下まで残留する様なケースに対して、変態直前のオー
ステナイト組織を精度良く予測することができないか
ら、当然に鋼材組織、引いては鋼材材質の予測精度が低
いものにならざるを得ないという問題があったのであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に鑑みてなされたものであって、未再結晶オーステナ
イトが平衡のA3 点以下まで残存する様なケースに対し
ても、鋼材組織や鋼材材質を実用上十分に満足し得る程
度の高精度に予測し得る方法を提供しようとするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成すること
のできた本発明の予測方法とは、未再結晶オーステナイ
トが平衡のA3 点以下まで残存する様な熱延鋼材に対
し、オーステナイトの再結晶予測計算を前記A3 点以下
まで進め、ここに得られたオーステナイト組織情報か
ら、変態後の組織を予測することを要旨とするものであ
る。
【0008】
【作用】まず熱延鋼材におけるオーステナイト再結晶の
進行について説明する。供試鋼材(0.10C−1.0
Si−1.0Mn−0.5Cr−残Fe)を、平衡のA
3 点以下である840℃で熱間加工[ε(真歪)=0.
4、εの時間微分値=15sec-1]し、更に同温度で
10秒間(実験A)、5秒間(実験B)、1秒間(実験
C)夫々保持した後水冷した。得られた処理鋼材の金属
組織およびオーステナイト粒径は図4に示す通りであ
り、保持時間が長くなるにつれてオーステナイト粒径が
小さくなっていることが分かる。これらのことより保持
時間の経過と共に未再結晶オーステナイトの再結晶が進
行していることを明瞭に理解することができる。そこで
本発明者らは、オーステナイト再結晶の予測計算をA3
点以下まで進めることによって正確なオーステナイト組
織情報を得ることとし、これによってオーステナイト粒
径や転位密度の変化を予測に取入れることが可能とな
り、これらを基礎としてその後の変態挙動を予測するこ
とができることになったので、変態後の組織を高精度に
予測することができるのである。従って本発明は予測計
算の手法そのものは特に制限されず、前記した様な公知
技術或はそれらの改善手法は全て採用できる。
【0009】
【実施例】表1および図3に示す様な条件に従って供試
鋼材を加工熱処理した。表1には結果も合わせて示し
た。尚本発明法および従来法ともオーステナイト再結晶
の予測計算は文献1の手法に準じ、また変態の予測計算
は文献2の手法に準じた。
【0010】さらに本発明法の予測計算においては、A
3 点以下まで行うオーステナイト再結晶の予測計算を、
鋼材の組織因子中特に重要と考えられるフェライトの析
出開始が予測されるまで進めることとし、フェライトの
粒径と分率を予測した。
【0011】文献1:ISIJ Internatio
nal Vol.132 (1992)No.3 pp261 文献2:ISIJ International Vo
l.132 (1992)No.3 pp306
【0012】
【表1】
【0013】実施例で用いた鋼種A,B,Cの組成及び
3 点は下記の通りである。 鋼種A: 0.10C−1.0Si−1.0Mn−0.7Cr−残
Fe A3 点=860℃ 鋼種B: 0.12C−1.5Si−0.8Mn−残Fe A3 点=860℃ 鋼種C: 0.08C−0.5Si−0.5Mn−残Fe A3 点=880℃
【0014】図1,2は表1に示した結果を図に表した
ものであり、まず図1はフェライト粒径に関して予測値
と実測値の対応をプロットしたものである。○印の従来
法に比べて●印の本発明法では、予測と実測の関係が見
事に合致している。また図2はフェライト変態率に関し
て同様にプロットしたものであり、本発明法の優秀さが
より一層顕著に現われている。この様に平衡のA3 点以
下で未再結晶のオーステナイトが存在する様な場合を含
んで、フェライト粒径およびフェライト分率の予測精度
(実測値との対応性)は極めて高いものであることが分
かった。
【0015】尚実験No.16〜21はT1が高く(8
80〜940℃)、平衡のA3 点以下で未再結晶組織が
存在しないので、従来法と本発明法はいずれも良好な予
測精度を示しており、このことから本発明がその効果を
特に強く示すのは、A3 点以下まで未再結晶オーステナ
イトが残存する場合であることが分かる。
【0016】本発明の実施においてオーステナイトの再
結晶と変態を同時にシミュレートすると、総計算時間が
長くなることがある。そこで総計算時間の短縮化の為に
は、オーステナイトの再結晶計算をできる限り早めに打
ち切りたいという要請が出てくるが、予測精度の向上を
目指す限り、フェライトが5%析出する条件までオース
テナイトの再結晶を進行させることが推奨され、前記実
施例ではこの様にして計算を行った。尚逆にフェライト
が十分析出した後ではフェライト粒がオーステナイトの
再結晶を抑える方向に作用するので、オーステナイトの
再結晶進行を考慮することは必ずしも望ましいことでは
ない。
【0017】
【発明の効果】本発明は上記の様に構成されているの
で、熱間加工鋼材の組織、引いては材質を高精度に予測
することが可能となった。そのため鋼材材質予測技術の
適用可能範囲が拡大されることになり、熱間加工におけ
る製品試験の省略、並びに製品歩留りの向上といった実
用上の顕著な効果が得られることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】フェライト粒径について予測値と実測値の相関
を示す図。
【図2】フェライト変態率フェライト粒径について予測
値と実測値の相関を示す図。
【図3】加工熱処理条件を示す図。
【図4】金属組織の写真とオーステナイト粒径を示す
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−158816(JP,A) 特開 平5−26871(JP,A) 特開 昭59−67324(JP,A) 特開 昭62−4823(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱間加工によって製造された鋼材の熱延
    組織を予測する方法であって、未再結晶オーステナイト
    が平衡のA3 点以下まで残存する様な熱延条件において
    オーステナイトの再結晶予測計算を前記A3 点以下まで
    進め、ここに得られたオーステナイト組織情報から、変
    態後の組織を予測することを特徴とする鋼材の熱間加工
    組織を予測する方法。
  2. 【請求項2】 前記A3 点以下まで行う再結晶予測計算
    を、フェライトの析出開始が予測されるまで進める請求
    項1の予測方法。
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