JP2755704B2 - 高▲rバー▼値熱延鋼板の製造方法 - Google Patents
高▲rバー▼値熱延鋼板の製造方法Info
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B21—MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
- B21B—ROLLING OF METAL
- B21B3/00—Rolling materials of special alloys so far as the composition of the alloy requires or permits special rolling methods or sequences ; Rolling of aluminium, copper, zinc or other non-ferrous metals
- B21B3/02—Rolling special iron alloys, e.g. stainless steel
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、熱延鋼板の製造方法に関し、さらに詳しく
は、値の高いプレス加工性に優れた熱延鋼板の製造方
法に関するものである。
は、値の高いプレス加工性に優れた熱延鋼板の製造方
法に関するものである。
(従来の技術) プレス加工用鋼板を多用する自動車メーカなどでは、
製造原価低減のために冷延鋼板に替えてより安価な熱延
鋼板を用いようとする動きがある。しかし、熱延鋼板は
プレス加工性、特に値が冷延鋼板のそれに比較して劣
っている。そこで、熱延鋼板の値を高める方法とし
て、従来から(a)「α域動的再結晶域で圧延」または
(b)「α域未再結晶域で圧延後再結晶焼鈍」が考えら
れている。
製造原価低減のために冷延鋼板に替えてより安価な熱延
鋼板を用いようとする動きがある。しかし、熱延鋼板は
プレス加工性、特に値が冷延鋼板のそれに比較して劣
っている。そこで、熱延鋼板の値を高める方法とし
て、従来から(a)「α域動的再結晶域で圧延」または
(b)「α域未再結晶域で圧延後再結晶焼鈍」が考えら
れている。
高値鋼板を得るためには少なくとも50%以上の加工
歪を加えた後、再結晶させる必要がある。(a)の方法
では圧延中に逐次再結晶が起こり、鋼板に50%以上の加
工歪を残存させることができず高値の鋼板を得ること
はできない。(b)の方法では鋼板に50%以上の加工歪
を残存させることができ高値の鋼板を得ることができ
る。しかし、この方法は熱延後焼鈍する必要があり、高
値熱延鋼板の使用の主目的である製造原価低減の点か
らは効果が小さい。
歪を加えた後、再結晶させる必要がある。(a)の方法
では圧延中に逐次再結晶が起こり、鋼板に50%以上の加
工歪を残存させることができず高値の鋼板を得ること
はできない。(b)の方法では鋼板に50%以上の加工歪
を残存させることができ高値の鋼板を得ることができ
る。しかし、この方法は熱延後焼鈍する必要があり、高
値熱延鋼板の使用の主目的である製造原価低減の点か
らは効果が小さい。
(発明が解決しようとする課題) 上述のように熱延鋼板で高値を得るためには熱延後
鋼板を焼鈍する必要がある。このため、高値熱延鋼板
を製造するに当たっては焼鈍工程が追加され工期の延長
と製造原価上昇の点から問題である。
鋼板を焼鈍する必要がある。このため、高値熱延鋼板
を製造するに当たっては焼鈍工程が追加され工期の延長
と製造原価上昇の点から問題である。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記に説明した高値熱延鋼板の製造方法
の問題点に鑑み、本発明者らが熱延のままで高値熱延
鋼板を得る方法について、鋭意研究を行い、検討を重ね
た結果完成されたもので、その第1発明は、C:0.001〜
0.02%、Mn:0.10〜0.50%、P:0.001〜0.02%、S:0.001
〜0.015%、Al:0.01〜0.05%を含み、さらに、Ti:0.01
〜0.10%、Nb:0.01〜0.05%の内から選んだ1種または
2種を含み、かつ、下記式に示すTi*を満足し、残部
Feおよび不可避不純物からなる鋼片を圧延するに際し、
仕上圧延入側温度(FET)は730℃未満で、仕上圧延出側
温度(FDT)は750℃超えで仕上圧延を終了し、その後、
700℃以上の温度で巻き取る高値熱延鋼板の製造方法
である。
の問題点に鑑み、本発明者らが熱延のままで高値熱延
鋼板を得る方法について、鋭意研究を行い、検討を重ね
た結果完成されたもので、その第1発明は、C:0.001〜
0.02%、Mn:0.10〜0.50%、P:0.001〜0.02%、S:0.001
〜0.015%、Al:0.01〜0.05%を含み、さらに、Ti:0.01
〜0.10%、Nb:0.01〜0.05%の内から選んだ1種または
2種を含み、かつ、下記式に示すTi*を満足し、残部
Feおよび不可避不純物からなる鋼片を圧延するに際し、
仕上圧延入側温度(FET)は730℃未満で、仕上圧延出側
温度(FDT)は750℃超えで仕上圧延を終了し、その後、
700℃以上の温度で巻き取る高値熱延鋼板の製造方法
である。
Ti*/C>4.0 …… ただし Ti*=X+(48/93)Nb Xはx=Ti−(48/32)S−(48/14)Nとして x≧0のとき X=x x<0のとき X=0 また、第2発明は、圧延機入側で測定された仕上圧延
入側温度(FET)と仕上圧延機入側板厚と仕上板厚とか
ら求まる歪み量(ε)と過去の操業条件から基まる全仕
上ロールの表面平均温度(TroLL)とを知り、仕上圧延
機通板時間(t)を調整して、下記式を満足する仕上
圧延出側温度(FDT)で仕上圧延を終了する請求項
(1)の高値熱延鋼板の製造方法である。
入側温度(FET)と仕上圧延機入側板厚と仕上板厚とか
ら求まる歪み量(ε)と過去の操業条件から基まる全仕
上ロールの表面平均温度(TroLL)とを知り、仕上圧延
機通板時間(t)を調整して、下記式を満足する仕上
圧延出側温度(FDT)で仕上圧延を終了する請求項
(1)の高値熱延鋼板の製造方法である。
0.43FET+43ε−6.4t+0.2TroLL+300>750 …… ただし ε:仕上圧延での全歪(真歪) t:仕上圧延機通板時間(sec) TroLL:全仕上ロールの表面平均温度(℃) FET:仕上圧延入側温度(℃) (作用) 以下、本発明の作用について発明者らの実験結果等に
基づいて得られた知見を中心に詳述して行くことにす
る。
基づいて得られた知見を中心に詳述して行くことにす
る。
まず、値に及ぼす仕上圧延出側温度(FDT)および
仕上圧延入側温度(FET)の影響について説明する。
仕上圧延入側温度(FET)の影響について説明する。
第1図および第2図は値に及ぼすFDTおよびFETの影
響を示したもので、第1図はFETが730℃未満の場合のFD
Tと値との関係を、第2図はFDTが750超えの場合のFET
と値との関係をそれぞれ示す。なお、第1図および第
2図の鋼板の化学成分はC:0.007%、Si:0.02%、Mn:0.1
2%、P:0.016%、S:0.005%、Al:0.033%、N:0.005%、
Ti:0.051%、Nb:0.012%(後述する第1表のNo.8に同
じ)である。
響を示したもので、第1図はFETが730℃未満の場合のFD
Tと値との関係を、第2図はFDTが750超えの場合のFET
と値との関係をそれぞれ示す。なお、第1図および第
2図の鋼板の化学成分はC:0.007%、Si:0.02%、Mn:0.1
2%、P:0.016%、S:0.005%、Al:0.033%、N:0.005%、
Ti:0.051%、Nb:0.012%(後述する第1表のNo.8に同
じ)である。
第1図からは、FETが730℃未満のときはFDTが750℃超
え、第2図からは、FDTが750℃超えのときはFETが730℃
未満の条件で圧延した場合に高い値が得られることが
わかる。ここで、FDTがFETより高くなる理由は圧延によ
る加工発熱のためである。本発明の骨子はこの現象を有
効に活用するものである。
え、第2図からは、FDTが750℃超えのときはFETが730℃
未満の条件で圧延した場合に高い値が得られることが
わかる。ここで、FDTがFETより高くなる理由は圧延によ
る加工発熱のためである。本発明の骨子はこの現象を有
効に活用するものである。
本発明法の鋼の再結晶温度は750℃付近であり、FETを
730℃未満にすれば圧延の初期段階では再結晶は起こり
得ず、このため、鋼中に50%以上の加工歪を残存させる
ことができる。この50%以上の加工歪が残存している鋼
は加工発熱により再結晶温度まで昇熱し、再結晶するこ
とになる。このことによって熱延のままで高値鋼板を
得ることができるのである。したがって、FETは、730℃
以上では高値熱延鋼板を得るための50%以上の加工歪
を鋼中に残存させることができないため730℃未満とす
る。一方、FDTは、750℃以下では鋼が十分に再結晶せず
高値熱延鋼板を得ることができないため750℃超えと
する。
730℃未満にすれば圧延の初期段階では再結晶は起こり
得ず、このため、鋼中に50%以上の加工歪を残存させる
ことができる。この50%以上の加工歪が残存している鋼
は加工発熱により再結晶温度まで昇熱し、再結晶するこ
とになる。このことによって熱延のままで高値鋼板を
得ることができるのである。したがって、FETは、730℃
以上では高値熱延鋼板を得るための50%以上の加工歪
を鋼中に残存させることができないため730℃未満とす
る。一方、FDTは、750℃以下では鋼が十分に再結晶せず
高値熱延鋼板を得ることができないため750℃超えと
する。
つぎに、値に及ぼす巻取り温度(CT)の影響につい
て説明する。
て説明する。
第3図は値に及ぼす巻取り温度(CT)の影響を示し
たもので、CTが700℃未満の場合は高値は得られな
い。この理由は鋼中に残存する加工歪が、CTが700℃未
満では十分に回復しないためである。このため、巻取り
温度(CT)は700℃以上とする。
たもので、CTが700℃未満の場合は高値は得られな
い。この理由は鋼中に残存する加工歪が、CTが700℃未
満では十分に回復しないためである。このため、巻取り
温度(CT)は700℃以上とする。
さらに、圧延条件から仕上圧延出側温度(FDT)を制
御する方法について説明する。
御する方法について説明する。
第3表は実操業の記録から抽出した仕上圧延時のFDT
(仕上圧延出側温度)、FET(仕上圧延入側温度)、T
roLL(全仕上ロールの表面平均温度)、t(仕上圧延機
通板時間)、ε(仕上圧延での全歪(真歪))の値を示
したものである。これらの値とFDTとの関係を明らかに
するために、第3表の値を多重解析した。
(仕上圧延出側温度)、FET(仕上圧延入側温度)、T
roLL(全仕上ロールの表面平均温度)、t(仕上圧延機
通板時間)、ε(仕上圧延での全歪(真歪))の値を示
したものである。これらの値とFDTとの関係を明らかに
するために、第3表の値を多重解析した。
第3表の値を多重解析した結果、下記の関係式を得
た。
た。
FDT=0.43FET+43ε−6.4t+0.2TroLL+300 第4図はこの式から求めた計算FDTと実測FDTとの関係
を示したもので、両者はよく一致している。したがっ
て、FDTが750℃超えとなる条件は、 0.43FET+43ε−6.4t+0.2TroLL+300>750 …… となる。
を示したもので、両者はよく一致している。したがっ
て、FDTが750℃超えとなる条件は、 0.43FET+43ε−6.4t+0.2TroLL+300>750 …… となる。
つぎに、式を満足させるための各因子の決定方法に
ついて説明する。
ついて説明する。
FET(仕上圧延入側温度)は仕上圧延機入側の鋼板の
温度を放射温度計で測定した値を用いる。ただし、この
ときの値は730℃未満である。
温度を放射温度計で測定した値を用いる。ただし、この
ときの値は730℃未満である。
ε(仕上圧延での全歪(真歪))は仕上圧延機入側板
厚(t1)と仕上板厚(t2)とから求まる値で、ε=1n
(t1/t2)である。なお、圧延機入側板厚(t1)と仕上
板厚(t2)は圧延スケジュールから事前に求まる。
厚(t1)と仕上板厚(t2)とから求まる値で、ε=1n
(t1/t2)である。なお、圧延機入側板厚(t1)と仕上
板厚(t2)は圧延スケジュールから事前に求まる。
全仕上ロールの表面平均温度(TroLL)は冷却水の
量、圧延する鋼板の温度等によってきまるが、同一種類
の鋼をつづけて何本も圧延する実操業ではこれらの条件
はあまり変動しないため、過去の操業条件から求めるこ
とができる。
量、圧延する鋼板の温度等によってきまるが、同一種類
の鋼をつづけて何本も圧延する実操業ではこれらの条件
はあまり変動しないため、過去の操業条件から求めるこ
とができる。
以上のように、t(仕上圧延機通板時間)以外の因子
は仕上圧延以前に求められるため、これらの値を式に
代入し、式が成立するtの値を求める。この値に基づ
いて仕上圧延速度を調整して、仕上圧延を行う。このよ
うにして、仕上圧延出側温度(FDT)を750℃超えに制御
する。
は仕上圧延以前に求められるため、これらの値を式に
代入し、式が成立するtの値を求める。この値に基づ
いて仕上圧延速度を調整して、仕上圧延を行う。このよ
うにして、仕上圧延出側温度(FDT)を750℃超えに制御
する。
以下に、本発明の熱延鋼板の製造方法において鋼の化
学組成の限定理由について説明する。
学組成の限定理由について説明する。
Cは、延性、値、穴拡がり限(λ)を劣化させる元
素であり、このため添加量の上限を0.02%とする。しか
し、0.001%未満に下げてもその効果は飽和し、高価と
なるため、その添加量は0.001〜0.02%とする。
素であり、このため添加量の上限を0.02%とする。しか
し、0.001%未満に下げてもその効果は飽和し、高価と
なるため、その添加量は0.001〜0.02%とする。
Mnは、熱間圧延時のSによる赤熱脆性を防止するため
に必要な元素であり、0.10%以上添加する必要がある。
しかし、0.50%を超えて添加すると加工性、特に伸び
(E1)が劣化するため、その添加量は0.10〜0.50%とす
る。
に必要な元素であり、0.10%以上添加する必要がある。
しかし、0.50%を超えて添加すると加工性、特に伸び
(E1)が劣化するため、その添加量は0.10〜0.50%とす
る。
Pは、添加量が0.02%を超えると加工性、特に伸び
(E1)が劣化するため、上限を0.02%とする。また、0.
001%未満に下げてもその効果は飽和し、高価となる。
したがって、その添加量は0.001〜0.002%とする。
(E1)が劣化するため、上限を0.02%とする。また、0.
001%未満に下げてもその効果は飽和し、高価となる。
したがって、その添加量は0.001〜0.002%とする。
Sは、Mnと反応して加工性、特に穴拡がり性を阻害す
るMnSを生成するため、上限を0.015%とする。また、0.
001%未満に下げてもその効果は飽和し、高価となる。
したがって、その添加量は0.001〜0.015%とする。
るMnSを生成するため、上限を0.015%とする。また、0.
001%未満に下げてもその効果は飽和し、高価となる。
したがって、その添加量は0.001〜0.015%とする。
Alは、脱酸元素であり、0.01%以上添加する必要があ
る。しかし、0.05%を超えて添加すると表面疵の原因と
なるため、その添加量は0.01〜0.05%とする。
る。しかし、0.05%を超えて添加すると表面疵の原因と
なるため、その添加量は0.01〜0.05%とする。
Tiは、固溶Cを固定する元素であり、0.01%以上の添
加が必要である。しかし、0.10%を超えて添加すると加
工性が劣化するため、その添加量は0.01〜0.10%とす
る。
加が必要である。しかし、0.10%を超えて添加すると加
工性が劣化するため、その添加量は0.01〜0.10%とす
る。
Nbは、Tiと同じく固溶Cを固定する元素であり、0.01
%以上の添加が必要である。しかし、0.05%を超えて添
加すると靭性が劣化するため、その添加量は0.01〜0.05
%とする。
%以上の添加が必要である。しかし、0.05%を超えて添
加すると靭性が劣化するため、その添加量は0.01〜0.05
%とする。
つぎに、Ti、Nbの添加条件について説明する。
Ti、Nbは、上述のように値の向上を阻害する固溶C
をTiCあるいはNbCとして固定する元素である。このた
め、本発明においては、固溶Cを固定するに必要なTi、
Nb量を添加することが重要な要件である。また、Tiは
S、Nとも結合するため、この量もTi添加量の決定には
考慮しなければならない。したがって、Cを固定する有
効Ti量は Ti−(48/32)S−(48/14)N となる。ただし、この式が負のときはCを固定する有効
Ti量は0である。
をTiCあるいはNbCとして固定する元素である。このた
め、本発明においては、固溶Cを固定するに必要なTi、
Nb量を添加することが重要な要件である。また、Tiは
S、Nとも結合するため、この量もTi添加量の決定には
考慮しなければならない。したがって、Cを固定する有
効Ti量は Ti−(48/32)S−(48/14)N となる。ただし、この式が負のときはCを固定する有効
Ti量は0である。
一方、NbはTiとの原子重量比が93:48のため、(48/9
3)Nb量がTiと同量のCを固定する。また、TiとCとの
原子重量比は48:12であり、Tiは4:1の重量比でCを固定
する。したがって、固溶Cを固定するためのTiおよびNb
の添加条件を下記の式のように限定する。
3)Nb量がTiと同量のCを固定する。また、TiとCとの
原子重量比は48:12であり、Tiは4:1の重量比でCを固定
する。したがって、固溶Cを固定するためのTiおよびNb
の添加条件を下記の式のように限定する。
Ti*/C>4.0 …… ただし Ti*=X+(48/93)Nb Xはx=Ti−(48/32)S−(48/14)Nとして x≧0のとき X=x x<0のとき X=0 (実施例) 本発明の構成は上記の通りであるが以下に実施例につ
いて説明する。
いて説明する。
実施例1 供試鋼板は第1表に示す化学成分を含有する鋼を常法
により溶製、鋳造し、得られた鋼片を加熱し、仕上圧延
入側温度(FET)が700℃で、仕上圧延出側温度(FDT)
が790℃で、板厚2.0mmに仕上圧延を行い、その後、巻取
り温度(CT)720℃で巻取りを行ったものである。これ
らの鋼板から試験片を採取し値を測定した。なお、参
考までに引張特性と穴拡がり限につても測定した。その
結果を第1表に併記する。
により溶製、鋳造し、得られた鋼片を加熱し、仕上圧延
入側温度(FET)が700℃で、仕上圧延出側温度(FDT)
が790℃で、板厚2.0mmに仕上圧延を行い、その後、巻取
り温度(CT)720℃で巻取りを行ったものである。これ
らの鋼板から試験片を採取し値を測定した。なお、参
考までに引張特性と穴拡がり限につても測定した。その
結果を第1表に併記する。
第1表から明らかなように、本発明法No.8〜14はいず
れも値1.2以上を示している。
れも値1.2以上を示している。
比較法No.1〜7はいずれも仕上圧延条件、巻取り条件
とも本発明法の規定値を満足しているが、化学成分が本
発明法の規定値から外れているため、高い値は得られ
ていない。
とも本発明法の規定値を満足しているが、化学成分が本
発明法の規定値から外れているため、高い値は得られ
ていない。
実施例2 供試鋼には第1表No.8の化学成分のものを用い、第2
表に示す仕上圧延条件で仕上圧延を行った。その結果と
して得られたFDTを第2表に併記する。
表に示す仕上圧延条件で仕上圧延を行った。その結果と
して得られたFDTを第2表に併記する。
第2表から明らかなように、本発明法は式から求め
た仕上圧延機通板時間の最大値tmaxよりも短い時間t
で、鋼板を仕上圧延している。その結果FDTは何れも750
℃超えである。一方、比較法は仕上圧延機板番時間の最
大値tmaxよりも長い時間tで、鋼板を仕上圧延している
ため、FDT温度は750℃以下である。これらの結果から、
式を満足する仕上圧延機通板時間で圧延すると750℃
超えのFDT温度で仕上圧延することが可能である。ま
た、実施例1の結果から判断して、実施例2の本発明法
による鋼板は1.2以上の値を有していることは明白で
ある。
た仕上圧延機通板時間の最大値tmaxよりも短い時間t
で、鋼板を仕上圧延している。その結果FDTは何れも750
℃超えである。一方、比較法は仕上圧延機板番時間の最
大値tmaxよりも長い時間tで、鋼板を仕上圧延している
ため、FDT温度は750℃以下である。これらの結果から、
式を満足する仕上圧延機通板時間で圧延すると750℃
超えのFDT温度で仕上圧延することが可能である。ま
た、実施例1の結果から判断して、実施例2の本発明法
による鋼板は1.2以上の値を有していることは明白で
ある。
以上、二つの実施例の結果からも明らかなように、本
発明に係わる高値熱延鋼板の製造方法は、熱延のまま
で高い値を有する鋼板の製造方法に最も相応しいもの
である。
発明に係わる高値熱延鋼板の製造方法は、熱延のまま
で高い値を有する鋼板の製造方法に最も相応しいもの
である。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明に係わる高値熱延鋼板
の製造方法は、熱延後の再結晶焼鈍を不要とし、熱延の
ままで1.2以上の高い値を有する鋼板を製造すること
ができるため、工期の短縮、製造原価の低減と言った優
れた効果を有するものである。
の製造方法は、熱延後の再結晶焼鈍を不要とし、熱延の
ままで1.2以上の高い値を有する鋼板を製造すること
ができるため、工期の短縮、製造原価の低減と言った優
れた効果を有するものである。
第1図はFETが730℃未満の場合のFDTと値との関係を
示すグラフである。 第2図はFDTが750超えの場合のFETと値との関係を示
すグラフである。 第3図は値に及ぼす巻取り温度(CT)の影響を示すグ
ラフである。 第4図は計算FDTと実測FDTとの関係を示すグラフであ
る。
示すグラフである。 第2図はFDTが750超えの場合のFETと値との関係を示
すグラフである。 第3図は値に及ぼす巻取り温度(CT)の影響を示すグ
ラフである。 第4図は計算FDTと実測FDTとの関係を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 9/46 C21D 8/04
Claims (2)
- 【請求項1】C:0.001〜0.02%、Mn:0.10〜0.50%、P:0.
001〜0.02%、S:0.001〜0.015%、Al:0.01〜0.05%を含
み、さらに、Ti:0.01〜0.10%、Nb:0.01〜0.05%の内か
ら選んだ1種または2種を含み、かつ、下記式に示す
Ti*を満足し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼片
を圧延するに際し、仕上圧延入側温度(FET)は730℃未
満で、仕上圧延出側温度(FDT)は、750℃超えで仕上圧
延を終了し、その後、700℃以上の巻取り温度(CT)で
巻き取ることを特徴とする高値熱延鋼板の製造方法。 Ti*/C>4.0 …… ただし Ti*=X+(48/93)Nb Xはx=Ti−(48/32)S−(48/14)Nとして x≧0のとき X=x x<0のとき X=0 - 【請求項2】圧延機入側で測定された仕上圧延入側温度
(FET)と仕上圧延機入側板厚と仕上板厚とから求まる
歪み量(ε)と過去の操業条件から求まる全仕上ロール
の表面平均温度(TroLL)とを知り、仕上圧延機通板時
間(t)を調整して、下記式を満足させ仕上圧延出側
温度(FDT)を750℃超えで仕上圧延を終了する請求項
(1)の高値熱延鋼板の製造方法。 0.43FET+43ε−6.4t+0.2TroLL+300>750 …… ただし ε:仕上圧延での全歪(真歪) t:仕上圧延機通板時間(sec) TroLL:全仕上ロールの表面平均温度(℃) FET:仕上圧延入側温度(℃)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1202402A JP2755704B2 (ja) | 1989-08-03 | 1989-08-03 | 高▲rバー▼値熱延鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1202402A JP2755704B2 (ja) | 1989-08-03 | 1989-08-03 | 高▲rバー▼値熱延鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0368718A JPH0368718A (ja) | 1991-03-25 |
JP2755704B2 true JP2755704B2 (ja) | 1998-05-25 |
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Family Applications (1)
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JP1202402A Expired - Fee Related JP2755704B2 (ja) | 1989-08-03 | 1989-08-03 | 高▲rバー▼値熱延鋼板の製造方法 |
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JP (1) | JP2755704B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
KR20010109449A (ko) * | 2000-05-31 | 2001-12-10 | 장석영 | 약 봉투 |
-
1989
- 1989-08-03 JP JP1202402A patent/JP2755704B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0368718A (ja) | 1991-03-25 |
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