JP3147515B2 - フラックス供給装置 - Google Patents

フラックス供給装置

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JP3147515B2 JP21896192A JP21896192A JP3147515B2 JP 3147515 B2 JP3147515 B2 JP 3147515B2 JP 21896192 A JP21896192 A JP 21896192A JP 21896192 A JP21896192 A JP 21896192A JP 3147515 B2 JP3147515 B2 JP 3147515B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフラックス供給装置に係
り、詳しくは、チップを基板に搭載するにあたり、チッ
プの下面に突設された突出電極や転写ピンの下面に半田
付け用フラックスを付着させるためのフラックス供給装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】突出電極(以下、バンプという)が突設
されたチップは一般にフリップチップと呼ばれ、基板の
高密度高集積化に有利なことから、近年、徐々に普及し
てきている。
【0003】図6はこの種フリップチップ(以下単に
「チップ」という)を基板に搭載するための従来装置を
示している。チップ1の下面にはバンプ2が突設されて
いる。チップ1はトレイ3にマトリクス状に収納されて
おり、移動テーブル4に駆動されてXY方向に移動する
ヘッド5のノズル6に真空吸着され、所定の位置へ移送
される。
【0004】ヘッド5の移動路の下方には、フラックス
供給装置の主体となる回転体101が設けられており、
その上面にリング状に形成された溜溝102にフラック
ス7が貯溜されている。この溜溝102には、ディスペ
ンサ8のノズル9からフラックス7が吐出して供給され
る。溜溝102にはスキージ11が配設されており、回
転体101の直下に設けられたモータ16に駆動されて
回転体101が水平回転することにより、溜溝102に
貯溜されたフラックス7の液面を平滑する。Nは回転方
向である。スキージ11の後端部はピン12に軸支され
ており、マイクロメータ13のシャフト14でスキージ
11を押し上げることにより、フラックス7に浸水した
スキージ11の下端部の高さを調整する。10はチップ
1が搭載される基板、17はバンプ2の位置を検出する
カメラである。
【0005】次にチップ1を基板10に搭載する方法を
説明する。移動テーブル4の駆動により、ヘッド5はト
レイ3の上方へ移動し、そこでノズル6が上下動するこ
とにより、トレイ3のチップ1を真空吸着してピックア
ップする。次にヘッド5はカメラ17の上方へ移動し、
カメラ17によりバンプ2の位置を検出した後、ヘッド
5は回転体101の上方へ移動し、そこでノズル6が上
下動することにより、チップ1の下面のバンプ2はフラ
ックス7に着水し(図7鎖線参照)、バンプ2にフラッ
クス7が付着する。
【0006】次にヘッド5は基板10の上方へ移動し、
そこでノズル6が上下動することにより、チップ1は基
板10の所定の座標位置に搭載される。チップ1が搭載
された基板10はリフロー装置(図外)へ送られ、バン
プ2を加熱して溶融させることにより、チップ1は基板
10に半田付けされる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図7におい
て、バンプ2に適量のフラックス7を付着させるために
は、バンプ2の着水点Qの液面のレベルが正しく管理さ
れていなければならない。スキージ11はフラックスの
液面のレベルを管理するためのものであって、マイクロ
メータ13によりスキージ11の高さを調整することに
より、スキージ11よりも下流側の着水点Qの液面のレ
ベルが一定になるようにしている。このような液面の管
理は、例えば特開平2−56944号公報に示されるよ
うな転写ピン方式の場合も厳密に行わねばならない。
【0008】ところがフラックス7の粘性は小さいた
め、スキージ11でその液面を平滑しても、図7におい
て破線矢印Rで示すように、フラックス7は潜流となっ
てスキージ11の下流側へ流動し、所定の液面L1より
も実際の液面L2の方が高くなり、その結果バンプ2や
チップ1の下面にフラックス7が過度に付着し、半田付
け不良を生じやすいという問題点があった。殊に、溜溝
102にはディスペンサ8によりフラックス7が供給さ
れるので、その液面の変動は大きく、しかもスキージ1
1の前面近傍の水深Hは、図示するようにフラックス7
がスキージ11によりセキ上げられることもあってかな
り深くなることから、上記潜流も大きくなり、実際の液
面L2は相当高くなりやすいものであった。
【0009】そこで本発明は、バンプに適量のフラック
スを付着させることができるフラックス供給装置を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、フラックスが
貯溜される第1の溜溝と第2の溜溝とを回転体の上面に
同心円状に形成している。また第1の溜溝に貯溜された
フラックスをセキ上げて第2の溜溝に供給するセキ上げ
手段をこの第1の溜溝に設けるとともに、第2の溜溝に
貯溜されたフラックスの上面を平滑するスキージをこの
第2の溜溝に設けている。
【0011】
【作用】上記構成において、モータを駆動して回転体を
水平回転させると、第1の溜溝内のフラックスは、セキ
上げ手段にセキ上げられて第2の溜溝へ少量ずつ供給さ
れる。第2の溜溝のフラックスの水深は浅く保たれ、且
つその液面はスキージにより平滑されるので、液面のレ
ベルはきわめて安定しており、チップのバンプや転写ピ
ンの下面を着水させて、適量のフラックスを付着させる
ことができる。また第1の溜溝にはフラックスが供給さ
れるのでその液面の変動は大きいが、第2の溜溝にはセ
キ上げ手段によりほとんど経時変化なく安定してフラッ
クスが供給されるので液面の変動はきわめて小さく、安
定した液面のレベルを保ちながらバンプや転写ピンに適
量のフラックスを付着させることができる。
【0012】
【実施例】次に、図面を参照しながら本発明の実施例の
説明を行う。
【0013】図1はチップ実装装置の全体斜視図、図2
はフラックス供給装置の断面図である。なお上記従来装
置と同一部品には同一符号を付すことにより、詳細な説
明を省略する。回転体20は円板形であって、その上面
には、第1の溜溝21と第2の溜溝22が同心円状に形
成されている。図2に示すように、第1の溜溝21は第
2の溜溝22よりも深く、フラックス7の貯溜容量を大
きくしている。第2の溜溝22は第1の溜溝21の内側
にあり、その仕切壁23には両溜溝21,22を連通さ
せるための連通路24が穿孔されている。第2の溜溝2
2の液面は、第1の溜溝21の液面よりも高く、したが
って第2の溜溝22に貯溜されたフラックス7は、この
連通路24を通って第1の溜溝21に還流される。なお
連通路は、第2の溜溝22内のフラックス7を第1の溜
溝21に還流できるものであればよく、したがって仕切
壁23に部分的にスリットを形成して連通路としてもよ
い。第2の溜溝22の両側部には、細溝25が形成され
ている。この細溝25はフラックス7の液面が不要に流
動するのを防止する作用や、余分なフラックスが連通路
24へ流入しやすくする作用を有する。
【0014】図2において、回転体20は受台31に支
持されている。32は回り止めピンである。この受台3
1に垂設されたシャフト33はモータ16の回転軸に結
合されており、モータ16が駆動すると回転体20は水
平方向に回転する。
【0015】回転体20の下方には、レベル機構41が
設けられている。このレベル機構41は、回転体20の
上面が水平面となるように調整するものであって、台板
42と、この台板42上に設けられた水平板43と、台
板42に螺合して水平板43の下面端部を押し上げるね
じ棒44と、回転体20と水平板43の間に介装された
ベアリング45から成っている。回転体20の上面にダ
イヤルゲージ(図示せず)を当てながら、ねじ棒44を
指先で回して水平板43を揺動させることにより、回転
板20が水平となるよう調整する。
【0016】図1において、第2の溜溝22にはスキー
ジ11が設けられている。また第1の溜溝21には、デ
ィスペンサ8によりフラックス7が供給される。また第
1の溜溝21にはセキ上げ手段としてのセキ上げ板26
aが設けられている。このセキ上げ板26aは、カギ形
のアーム26の先端に屈曲形成されている。図3に示す
ように、このセキ上げ板26aは回転方向Nにやや後傾
させて設けられており、またフラックス7を第2の溜溝
22へセキ上げやすいように、内周側よりも外周側の方
が肉厚になっている。したがってモータ16が駆動して
回転体20がN方向に回転すると、第1の溜溝21に貯
溜されたフラックス7はセキ上げ板26aにセキ上げら
れ、矢印Kで示すように仕切壁23を越流して第2の溜
溝22に少量づつ供給される。
【0017】本装置は上記のような構成より成り、次に
動作を説明する。図1において、移動テーブル4の駆動
により、ヘッド5はトレイ3の上方へ移動し、そこでノ
ズル6が上下動することにより、トレイ3のチップ1を
真空吸着してピックアップする。次にヘッド5はカメラ
17の上方へ移動し、カメラ17によりバンプ2の位置
を検出した後、回転体20の上方へ移動し、そこでノズ
ル6が上下動することにより、チップ1の下面のバンプ
2はフラックス7に着水し(図4鎖線参照)、バンプ2
にフラックス7が付着する。
【0018】次にヘッド5は基板10の上方へ移動し、
そこでノズル6が上下動することにより、チップ1は基
板10の所定の座標位置に搭載される。チップ1が搭載
された基板10はリフロー装置へ送られ、バンプ2を加
熱して溶融させることにより、チップ1は基板10に半
田付けされる。
【0019】上記動作において、第1の溜溝21に貯溜
されたフラックス7は、セキ上げ板26にセキ上げられ
てほとんど経時変化なく安定して少量ずつ第2の溜溝2
2に補給される。したがって図4に示すように、第2の
溜溝22の着水点Qの水深hは浅く保たれ、またスキー
ジ11の前面の水深Hも図6に示す従来手段よりも浅く
保たれるので、潜流Rの量もきわめて少なく、着水点Q
の液面レベルを所定のレベルに維持してバンプ2に適量
のフラックス7を付着させることができる。また第1の
溜溝22には、ディスペンサ8からフラックス7が供給
されるので、フラックス7の液面の変動はかなり大きい
が、第2の溜溝21には、第1の溜溝22から少量のフ
ラックス7が補給されるだけであるので、その液面の変
動は小さく、安定した液面を保つことができる。
【0020】図5は他の使用方法を示している。このも
のは、転写ピン51の下面51aを溜溝22のフラック
ス7に着水させてこの下面51aにフラックス7を付着
させた後、このフラックス7を基板に転写するものであ
り、上記実施例と同様の作用効果が得られる。
【0021】本発明は上記実施例に限定されないのであ
って、本発明に係るフラックスの供給装置は、例えば本
出願人が先に提案した特開平2−56944号公報に記
載されたフリップチップの実装装置にも適用できる。ま
たセキ上げ板26aの傾斜角度や回転体20の回転速度
を変えることにより、フラックス7のセキ上げ量を調整
することも可能である。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、第
1の溜溝には、ディスペンサなどによりフラックスが供
給されるのでその液面の変動は大きいが、第2の溜溝に
はセキ上げ手段により少量のフラックスがほとんど経時
変化なく安定して供給されるので、その液面の変動は小
さく、液面を安定したレベルに保ってチップのバンプな
どに適量のフラックスを付着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るチップ実装装置の斜視
【図2】本発明の一実施例に係るフラックス供給装置の
断面図
【図3】本発明の一実施例に係るフラックス供給装置の
要部斜視図
【図4】本発明の一実施例に係るフラックス供給装置の
要部展開断面図
【図5】本発明の他の実施例の要部断面図
【図6】従来のチップ実装装置の斜視図
【図7】従来のフラックス供給装置の要部展開断面図
【符号の説明】
1 チップ 2 突出電極(バンプ) 7 フラックス 8 フラックス供給手段(ディスペンサ) 11 スキージ 16 駆動手段(モータ) 20 回転体 21 第1の溜溝 22 第2の溜溝 26a セキ上げ手段(セキ上げ板)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転体とこの回転体を水平回転させる駆動
    手段とを備え、フラックスを貯溜する第1の溜溝と第2
    の溜溝とをこの回転体の上面に同心円状に形成し、且つ
    この第1の溜溝に貯溜されたフラックスをセキ上げて、
    第2の溜溝に供給するセキ上げ手段をこの第1の溜溝に
    設けるとともに、第2の溜溝に貯溜されたフラックスの
    上面を平滑するスキージをこの第2の溜溝に設けたこと
    を特徴とするフラックス供給装置。
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