JP3147462B2 - ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物

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JP3147462B2 JP02337592A JP2337592A JP3147462B2 JP 3147462 B2 JP3147462 B2 JP 3147462B2 JP 02337592 A JP02337592 A JP 02337592A JP 2337592 A JP2337592 A JP 2337592A JP 3147462 B2 JP3147462 B2 JP 3147462B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアリーレンスルフ
ィド樹脂組成物に関する。更に詳しくは、金属腐蝕性が
著しく低減されたポリアリーレンスルフィド樹脂組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアリーレンスルフィド樹脂は、卓越
した耐熱性、耐薬品性及び難燃性を有するエンジニアリ
ングプラスチックとして近年注目されており、これらの
各種の特性を生かし、自動車部品分野、電気・電子部品
分野等で大きな需要の伸びをみせている。しかしなが
ら、ポリアリーレンスルフィド樹脂をフィルム、繊維或
いは成形体として電気・電子部品類に用いる場合、ポリ
アリーレンスルフィド樹脂本来の成形加工性及び電気絶
縁性を発揮させるには、ポリアリーレンスルフィド樹脂
の腐蝕性を低減させることが必要である。例えば、電子
部品の被覆・封止材料としてポリアリーレンスルフィド
樹脂を用いる場合、部品類の電極,配線,リードフレー
ム等が腐蝕し、トラブルの発生原因になることがしばし
ばある。
【0003】ポリアリーレンスルフィド樹脂の腐蝕性低
減法としては、ポリアリーレンスルフィド樹脂にハイド
ロタルサイト化合物を添加する方法(例えば、特開昭6
0−186561号公報)、炭酸亜鉛,炭酸マンガン,
炭酸マグネシウムを添加する方法(例えば、特開平2−
191655号公報)、IA,IIAの芳香族カルボン
酸塩,IIAの水酸化物,酸化物を添加する方法(例え
ば、特開昭62−109850号公報)等が知られてい
る。しかしながら、いずれの方法においても腐蝕性の低
減効果が不十分である。
【0004】また、ポリアリーレンスルフィド樹脂にア
ルカリ金属の炭酸塩,珪酸塩,水酸化物を添加する方法
(米国特許第4,017,450号公報)が知られてい
る。しかし、この効果は充分ではなく、しかも電気的性
質に悪影響を及ぼすという問題を有している。更に、性
能が比較的よい炭酸リチウムは高価であるという経済的
な問題及び添加による機械的強度の低下という問題を有
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
を改善し、ポリアリーレンスルフィド樹脂の金属腐蝕性
を著しく低減し、従来品より低腐蝕性であるポリアリー
レンスルフィド樹脂を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
現状に鑑みポリアリーレンスルフィド樹脂の金属腐蝕性
の低減を行う為鋭意研究を進めた。その結果、特定の金
属ケイ酸塩を添加することでポリアリーレンスルフィド
樹脂の腐蝕性が著しく低減することを見出し、本発明を
完成した。
【0007】即ち本発明は、(A)ポリアリーレンスル
フィド樹脂100重量部、(B)繊維状充填材及び/又
は無機充填材を0〜300重量部、(C)CuO・Si
2 、ZnO・SiO 2 、Fe 2 3 ・SiO 2 から選ばれ
る一種以上の金属ケイ酸塩0.1〜10重量部よりなる
金属腐蝕性が著しく改良されたポリアリーレンスルフィ
ド樹脂組成物に関する。
【0008】なお、金属ケイ酸塩の金属酸化物とSiO
2のモル比は、15〜85モル%:85〜15モル%で
ある以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明で用いられるポリアリーレンスルフ
ィド樹脂は、繰返単位が一般式−Ar−S− で表され
る一種或いは二種以上の中から選ばれる高分子である。
ここで、具体的に −Ar−S− は、下記の構造単位
で構成されているものが挙げられる。
【0010】
【化1】 (但し、式中R,Rは各々水素原子、アルキル基、
フェニル基、アルコキシル基、ニトロ基、ハロゲン原
子、アルキレングリコール基、ヒドロキシル基、ニトリ
ル基、カルボキシル基、スルホン基又はアミノ基を示
す。また、式中Xはメチレン,エチレン,イソプロピ
ル,エーテル,ケトン又はスルホン基を示す。)しか
し、特に好ましくはポリフェニレンスルフィド樹脂であ
る。ポリフェニレンスルフィド樹脂は、一般式
【0011】
【化2】 で示される繰返単位を持った構造が70モル%以上、好
ましくは90モル%以上含まれているものであれば他の
成分が共重合されたものであっても良い。
【0012】ポリアリーレンスルフィド樹脂は、一般に
特公昭44−2761号公報、特公昭45−3368号
公報、米国特許第3,274,165号公報、特公昭4
6−27255号公報等で代表される製造法により得ら
れる比較的分子量の小さい重合体と特公昭52−122
40号公報に代表される本質的に線状で比較的高分子量
の重合体とがあり、前者の重合体は、酸素雰囲気下或い
は過酸化物等の架橋剤の存在下で加熱することにより高
重合度化して用いることも可能である。
【0013】本発明に使用するに適したポリアリーレン
スルフィド樹脂の溶融粘度(高下式フローテスターによ
り(ダイス:直径=0.5mm,長さ=2mm)300
℃,10kg荷重での測定)は、本質的に線状で比較的
高分子量の重合体であれば50〜50000ポイズ、好
ましくは100〜30000ポイズのものが使用され
る。また、架橋剤などの存在下で加熱することにより高
重合度化した重合体であれば加熱処理前の粘度が50〜
20000ポイズのものであり、加熱処理後の粘度が1
50〜50000ポイズ、好ましくは200〜3000
0ポイズのものが使用できる。ここで、粘度が50ポイ
ズ未満の場合は、機械的強度が低下するため好ましくな
い。また、50000ポイズを越える場合は、成形性に
難点を生じるため好ましくない。
【0014】次に、本発明で用いられる成分(B)の繊
維状充填材及び/又は無機充填材は、特に限定はない
が、以下の充填材が例示できる。
【0015】例えば、繊維状充填材としては、ガラス繊
維,炭素繊維,グラファイト化繊維,ウィスカー,金属
繊維,無機系繊維,有機系繊維,鉱石系繊維等が使用可
能である。
【0016】ガラス繊維として、通常のガラス繊維の他
にニッケル,銅等金属コートしたガラスファイバー、シ
ランファイバー、アルミノケイ酸塩ガラスファイバー、
中空ガラスファイバー、ノンホローガラスファイバー等
が例示できる。
【0017】炭素繊維として、ポリアクリロニトリルを
原料とするPAN系、ピッチを原料とするピッチ系繊維
が例示できる。
【0018】無機系繊維として、ロックウール,ジルコ
ニア,アルミナシリカ,チタン酸バリウム、炭化ケイ
素,アルミナ,シリカ,高炉スラグ等の各種繊維が例示
できる。
【0019】鉱石系繊維として、アスベスト,ワラステ
ナイト,マグネシウムオキシサルフェート等が例示でき
る。
【0020】有機系繊維として、全芳香族ポリアミド繊
維,フェノール樹脂繊維,全芳香族ポリエステル繊維等
が例示できる。
【0021】ウィスカーとして、窒化ケイ素ウィスカ
ー,塩基性硫酸マグネシウムウィスカー,チタン酸バリ
ウムウィスカー,チタン酸カリウムウィスカー,炭化ケ
イ素ウィスカー,ボロンウィスカー等が例示できる。
【0022】次に、無機充填材としては、板状,粉粒状
の無機物であり、例えば、硫酸カルシウム,硫酸バリウ
ム,炭酸リチウム,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウ
ム,炭酸亜鉛,タルク, マイカ,クレイ,シリカ,アル
ミナ,カオリン,ジルコニア,ゼオライト,石膏,ケイ
酸カルシウム,ケイ酸マグネシウム,ケイ酸アルミニウ
ム,リン酸カルシウム,リン酸マグネシウム,リン酸亜
鉛,アパタイト,酸化チタン,酸化亜鉛,酸化銅,酸化
鉄,酸化スズ,酸化マグネシウム,カーボンブラック,
黒鉛,ガラスパウダー,ガラスバルーン,石英,石英ガ
ラス,ハイドロタルサイト等の充填材が使用可能であ
る。
【0023】繊維状充填材及び/又は無機充填材の添加
量は、ポリアリーレンスルフィド樹脂100重量部に対
して0〜300重量部の範囲であり、好ましくは20〜
200重量部の範囲である。ここで、繊維状充填材及び
/又は無機充填材の配合比は、特に限定はない。但し、
繊維状充填材及び/又は無機充填材の添加量がポリアリ
ーレンスルフィド樹脂100重量部に対して300重量
部を越える場合は、成形に難点を生じるため好ましくな
い。
【0024】また、本発明に用いられる繊維状充填材及
び/又は無機充填材は、ポリアリーレンスルフィド樹脂
との接着性を高めるため、一般に用いられる公知の表面
処理剤、収束剤を併用することが可能であり好ましい。
例を示せば、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合
物、シラン系化合物、チタネート系化合物等の官能性化
合物である。これらの化合物は、充填剤に予め表面処理
又は収束処理を施して用いるか、又は材料調整の際に同
時に添加しても良い。
【0025】次に、本発明で用いられる成分(C)の金
属ケイ酸塩とは、ケイ酸塩水溶液と金属塩水溶液より得
られる化合物であり、CuO・SiO 2 、ZnO・Si
2 、Fe 2 3 ・SiO 2 から選ばれる一種以上の金属ケ
イ酸塩化合物である。
【0026】本発明で用いられる金属ケイ酸塩の金属酸
化物とSiO2のモル比は、15〜85モル%:85〜
15モル%が好ましく、25〜75モル%:75〜25
モル%が特に好ましい。ここで、金属酸化物及びSiO
2のモル比が85モル%を越える場合は、金属腐蝕性の
低減効果が小さく好ましくない。
【0027】
【0028】本発明で用いられる金属ケイ酸塩は、粉粒
体として得られ、上記組成比に相当する量の水溶性ケイ
酸塩と水溶性金属塩等を水の存在下に反応させ、必要に
より得られる沈澱物を水の存在下に加熱することにより
製造される。
【0029】この製造法は、例えば、ケイ酸ナトリウム
等のケイ酸アルカリと金属塩化物,硝酸金属塩,硫酸金
属塩等の水溶性金属塩を用い、これらを水溶液の存在下
に混合し、得るものである。
【0030】上記のケイ酸金属塩を調製する為の好まし
い実施方法は、撹拌機を備えたオーバーフロー型の反応
槽に、撹拌下で両水溶液を同時に且つ連続的に供給して
反応させる方法である。
【0031】ケイ酸金属塩を調製するための別の実施方
法として、反応スラリーを排出することなく両水溶液を
撹拌条件下の反応槽に同時に供給する回分方式の調製方
法ももちろん適用することができる。
【0032】ここで、これら製造は室温から95℃まで
の加熱下で行うことができる。また、これら反応系は、
pH5〜10、特にpH6〜9の範囲が好ましく、必要
に際し、酸あるいはアルカリを反応系に加えて溶液のp
Hを維持するとよい。
【0033】本発明の金属ケイ酸塩は、平均粒径が0.
01〜500μmのものが好ましい。平均粒径0.01
μmより小さいものは、流動性が低下し好ましくない。
また、平均粒径が500μmを越えるものは、表面積が
小さくなり金属腐蝕性の低減効果が小さく好ましくな
い。更に、本発明で用いられる金属ケイ酸塩は、BET
比表面積15m/g以上、好ましくは50m/g以
上、特に好ましくは100m/g以上のものが用いら
れる。ここで、BET比表面積15m/gより小さい
ものは、金属に対する腐蝕性低減効果が乏しく好ましく
ない。
【0034】本発明で用いられる金属ケイ酸塩の添加量
は、ポリアリーレンスルフィド樹脂100重量部に対し
て0.1〜10重量部の範囲であり、好ましくは0.5
〜8重量部の範囲である。ここで、添加量が0.1重量
部未満の場合は、腐蝕性の低減効果が乏しい。また、1
0重量部を越える場合は、成形後の力学強度が低下する
ため好ましくない。
【0035】更に、本発明の組成物に対して、本発明の
目的を損なわない範囲で酸化防止剤、熱安定剤、紫外線
吸収剤、滑剤、離型剤、染料,顔料などの着色剤、難燃
剤、難燃助剤、帯電防止剤などの通常の添加剤を一種又
は二種以上添加することもできる。
【0036】また、必要に応じてポリエチレン、ポリブ
タジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリス
チレン、ポリブテン、ポリαーメチルスチレン、ポリ酢
酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸エステル、
ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ナ
イロン6,ナイロン66,ナイロン610,ナイロン1
2,ナイロン11,ナイロン46等のポリアミド、ポリ
エチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレー
ト,ポリアリレート,液晶ポリマー等のポリエステル、
ポリウレタン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポ
リフェニレンオキシド、ポリスルフォン、ポリエーテル
スルフォン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテ
ルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミ
ドイミド、シリコーン樹脂、フェノキシ樹脂、フッ素樹
脂などの単独重合体、ランダム又はブロック、グラフト
共重合体の一種以上を混合して使用することもできる。
【0037】本発明の樹脂組成物は、上述した成分を溶
融混練することによって得られる。例えば、上述した成
分を予め混合した後バンバリーミキサー、ロール混練
機、一軸混練機、二軸混練機等を用いて溶融混練し、ペ
レット化することができる。
【0038】溶融混練の温度は、一般に290〜370
℃の温度で行うことができる。得られたペレットは、通
常の押出成形、射出成形、圧縮成形等の手段を用いて任
意の形状に成形できる。
【0039】
【実施例】次に、実施例及び比較例を示して本発明を更
に具体的に説明するが、本発明は、これらに限定される
ものではない。尚、以下の実施例で用いたポリアリーレ
ンスルフィド樹脂組成物の腐蝕性試験は、以下の方法に
より行った。
【0040】○腐蝕性試験 (I)ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物ペレット1
0gを図1に示すような秤量瓶に入れ、その中にハンダ
メッキが施されたリードフレームを入れて200℃で4
8時間オーブン中で加熱した。次に、シャーレを85
℃,85RH%の恒温・恒湿槽に入れ10時間処理を行
った。その後、シャーレを室温に冷却し、ハンダメッキ
が施されたリードフレームの腐蝕度の判定を目視にて行
った。
【0041】判定 ◎;変色なし ○;わずかに灰色に変色 △;灰色に変色 ×;黒色に変色 (II)ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物ペレット
30gを図1に示すような秤量瓶に入れ、その中に金型
材(大同特殊鋼製,PD−613,3.0mm(厚み)
×25mm×25mm)を入れて330℃で4時間オー
ブン中で加熱した。次に、シャーレを85℃,85RH
%の恒温・恒湿槽に入れ1時間処理を行った。その後、
シャーレを室温に冷却し、金型材の腐蝕度の判定を目視
にて行った。
【0042】判定 ◎;変色なし ○;わずかに灰色に変色 △;灰色に変色 ×;黒色に変色 参考例1 本発明に用いたポリフェニレンスルフィド樹脂は、以下
のように合成した。15l容量のオートクレーブに硫化
ナトリウム(NaS・2.9HO)1.8モル、N
−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略す)4.5
kgを入れ、窒素気流下撹拌して200℃まで昇温し、
主に水からなる留出液636gを留去した。系を170
℃まで冷却した後、p−ジクロルベンゼン1.8モルを
NMP1.5kgとともに添加し、窒素気流下に系を封
入、昇温して250℃にて3時間重合を行った。重合終
了後、系を冷却し、内容物を水中に投入、ポリマーを沈
澱させた後、沈澱したポリマーをグラスロートで捕集
し、約10lの温水で洗浄、濾過を繰り返し、一晩加熱
真空乾燥し、ポリマーを単離した。得られたポリマーは
1.85kg、収率95%であり、溶融粘度(300℃
にて直径=0.5mm,長さ=2mmのダイスを用い、
荷重10kgで高化式フローテスターで測定した値)は
250ポイズであった。次に、得られたポリマーを空気
中250℃に設定したオーブンに入れ、そのまま3時間
硬化させ、溶融粘度1400ポイズのポリフェニレンス
ルフィド樹脂を得た。以下、PPSと省略する。
【0043】参考例2 <金属ケイ酸塩の調製>まず、純水125.4mlに3
号ケイ酸ナトリウム100gを溶解させた水溶液A液を
調製する。(SiO=0.488モル)次に、純水3
1.35mlに硫酸銅5水和物 37.92g及び水酸
化ナトリウム0.8gを溶解させた水溶液B液を調製す
る。(CuSO=0.152モル) オーバーフロータイプの反応槽に、A液2.67ml/
分,B液0.67ml/分の速度でそれぞれの水溶液を
供給し、撹拌下で反応させた。このときの該反応液スラ
リーの温度は40℃に保ち、且つpHは7.2であっ
た。
【0044】反応が完了したスラリー状生成物は濾過
し、洗浄液中に硫酸イオンが検出されなくなるまで水洗
し、洗浄ケーキを得た。この洗浄ケーキはケイ酸銅であ
り、原子吸光光度法で求めた化学組成を表1に示す。次
に、得られたケイ酸銅を100℃で乾燥した。
【0045】上記の操作と同様の方法により、試薬のモ
ル比及びB液を硫酸亜鉛,硫酸鉄に変更し、モル比を変
更したケイ酸銅,ケイ酸亜鉛,ケイ酸鉄を調製した。結
果を表1に示す。
【0046】
【表1】 実施例1〜6 参考例1のPPS,ガラス繊維(セントラルガラスファ
イバー(株)製,チョプドストランド),表1に示した
金属ケイ酸塩を表2に示す組成で混合し、二軸押出機
(池貝鉄工(株)製,PCM−45)を用い、330℃
の温度で押出し造粒を行い、ペレットを得た。
【0047】次に、ペレットを150℃で2時間除湿乾
燥した後、腐蝕性の試験(I),(II)を行った。結
果を表2に示す。
【0048】比較例1 参考例1のPPSとガラス繊維(セントラルガラスファ
イバー(株)製,チョプドストランド)を表2に示す組
成で混合し、二軸押出機(池貝鉄工(株)製,PCM−
45)を用い、330℃の温度で押出し造粒を行い、ペ
レットを得た。
【0049】次に、ペレットを150℃で2時間除湿乾
燥した後、腐蝕性の試験(I),(II)を行った。結
果を表2に示す。
【0050】比較例2 参考例1のPPS,ガラス繊維(セントラルガラスファ
イバー(株)製,チョプドストランド)及びシリカ微粉
末(フィラデルフィアクオーツ製,平均粒径12μm,
BET比表面積325m/cm)を表2に示す組成
で混合し、二軸押出機(池貝鉄工(株)製,PCM−4
5)を用い、330℃の温度で押出し造粒を行い、ペレ
ットを得た。
【0051】次に、ペレットを150℃で2時間除湿乾
燥した後、腐蝕性の試験(I),(II)を行った。結
果を表2に示す。
【0052】比較例3 参考例1のPPS,ガラス繊維(セントラルガラスファ
イバー(株)製,チョプドストランド)及び酸化亜鉛
(和光純薬工業(株)製)を表2に示す組成で混合し、
二軸押出機(池貝鉄工(株)製,PCM−45)を用
い、330℃の温度で押出し造粒を行い、ペレットを得
た。
【0053】次に、ペレットを150℃で2時間除湿乾
燥した後、腐蝕性の試験(I),(II)を行った。結
果を表2に示す。
【0054】比較例4 参考例1のPPS,ガラス繊維(セントラルガラスファ
イバー(株)製,チョプドストランド)及び酸化銅(和
光純薬工業(株)製)を表2に示す組成で混合し、二軸
押出機(池貝鉄工(株)製,PCM−45)を用い、3
30℃の温度で押出し造粒を行い、ペレットを得た。
【0055】次に、ペレットを150℃で2時間除湿乾
燥した後、腐蝕性の試験(I),(II)を行った。結
果を表2に示す。
【0056】比較例5 参考例1のPPS,ガラス繊維(セントラルガラスファ
イバー(株)製,チョプドストランド)及び酸化鉄(和
光純薬工業(株)製)を表2に示す組成で混合し、二軸
押出機(池貝鉄工(株)製,PCM−45)を用い、3
30℃の温度で押出し造粒を行い、ペレットを得た。
【0057】次に、ペレットを150℃で2時間除湿乾
燥した後、腐蝕性の試験(I),(II)を行った。結
果を表2に示す。
【0058】比較例6 参考例1のPPS,ガラス繊維(セントラルガラスファ
イバー(株)製,チョプドストラン)及び炭酸リチウム
(和光純薬工業(株)製)を表2に示す組成で混合し、
二軸押出機(池貝鉄工(株)製,PCM−45)を用
い、330℃の温度で押出し造粒を行い、ペレットを得
た。
【0059】次に、ペレットを150℃で2時間除湿乾
燥した後、腐蝕性の試験(I),(II)を行った。結
果を表2に示す。
【0060】
【表2】 実施例7 参考例1のPPS,ガラス繊維(セントラルガラスファ
イバー(株)製,チョプドストランド),炭酸カルシウ
ム(ホワイトンp−30,平均粒径4.8μm,白石工
業(株)製)及び参考例2で調製したケイ酸銅を表3に
示す組成で混合し、二軸押出機(池貝鉄工(株)製,P
CM−45)を用い、330℃の温度で押出し造粒を行
い、ペレットを得た。
【0061】次に、ペレットを150℃で2時間除湿乾
燥した後、腐蝕性の試験(I),(II)を行った。結
果を表3に示す。
【0062】比較例7 参考例1のPPS,ガラス繊維(セントラルガラスファ
イバー(株)製,チョプドストランド)及び炭酸カルシ
ウム(平均粒径4.8μm,白石工業(株)製)を表3
に示す組成で混合し、二軸押出機(池貝鉄工(株)製,
PCM−45)を用い、330℃の温度で押出し造粒を
行い、ペレットを得た。
【0063】次に、ペレットを150℃で2時間除湿乾
燥した後、腐蝕性の試験(I),(II)を行った。結
果を表3に示す。
【0064】
【表3】
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、ポリアリーレンスルフ
ィド樹脂に金属ケイ酸塩を配合することにより腐蝕性が
著しく低減したポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を
得ることができる。
【0066】これにより、電気・電子部品など金属腐蝕
性が問題となる分野で広く利用され、工業的価値は高
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜7,比較例1〜7の加熱処理した樹
脂の金属に対する腐蝕性を調べる試験の概略図である。
【符号の説明】
1;オーブン 2;秤量瓶 3;シャーレ 4;ハンダメッキを施したリードフレーム又は銀板 5;試料(PPSペレット)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂10
    0重量部、(B)繊維状充填材及び/又は無機充填材を
    0〜300重量部、(C)CuO・SiO 2 、ZnO・
    SiO 2 、Fe 2 3 ・SiO 2 から選ばれる一種以上の金
    属ケイ酸塩0.1〜10重量部からなる樹脂組成物。
    (ここで、金属ケイ酸塩の金属酸化物とSiO2のモル
    比は、15〜85モル%:85〜15モル%である。)
JP02337592A 1992-01-14 1992-01-14 ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3147462B2 (ja)

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