JP3141476B2 - ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアリーレンスルフ
ィド樹脂組成物に関する。更に詳しくは、金属腐蝕性が
著しく低減されたポリアリーレンスルフィド樹脂組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアリーレンスルフィド樹脂は、卓越
した耐熱性、耐薬品性及び難燃性を有するエンジニアリ
ングプラスチックとして近年注目されており、これらの
各種特性を生かし、自動車部品分野、電気・電子部品分
野等で大きな需要の伸びをみせている。しかしながら、
ポリアリーレンスルフィド樹脂をフィルム、繊維或いは
成形体として電気・電子部品類に用いる場合、ポリアリ
ーレンスルフィド樹脂本来の成形加工性及び電気絶縁性
を発揮させるには、ポリアリーレンスルフィド樹脂の腐
蝕性を低減させることが必要である。例えば、電子部品
の被覆・封止材料としてポリアリーレンスルフィド樹脂
をそのまま用いる場合、部品類の電極,配線,リードフ
レーム等が腐蝕し、トラブルの発生原因になることがし
ばしばある。
【0003】ポリアリーレンスルフィド樹脂の腐蝕性低
減法としては、ポリアリーレンスルフィド樹脂にハイド
ロタルサイト化合物を添加する方法(例えば特開昭60
−186561号公報等)、炭酸亜鉛,炭酸マンガン,
炭酸マグネシウムを添加する方法(例えば特開平2−1
91655号公報等)、活性炭を添加する方法(例えば
特開平1−294770号公報等)、微細炭酸カルシウ
ムを添加する方法(例えば特願平1−281809号公
報等)等が知られている。しかしながら、いずれの方法
においても腐蝕性の低減効果が不十分である。
【0004】また、同様の目的でポリアリーレンスルフ
ィド樹脂にアルカリ金属の炭酸塩,珪酸塩,水酸化物を
添加する方法(米国特許第4,017,450号公報)
が知られている。しかし、これらの効果は十分ではな
く、しかも電気的性質に悪影響を及ぼすという問題を有
している。更に、性能が比較的よい炭酸リチウムは高価
であるという経済的な問題及び添加による機械的強度の
低下という問題を有しており、また腐蝕性の点において
も更なる改良が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
を改善し、ポリアリーレンスルフィド樹脂の金属腐蝕性
を低減し、従来品より低腐蝕性であるポリアリーレンス
ルフィド樹脂を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
現状に鑑みポリアリーレンスルフィド樹脂の金属腐蝕性
の低減を行うため鋭意研究を進めた。その結果、酸化亜
鉛,二酸化チタン及び水からなる複合体を添加すること
で、ポリアリーレンスルフィド樹脂の金属腐蝕性が著し
く低減することを見出だし、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】即ち本発明は、(A)ポリアリーレンスル
フィド樹脂20重量%〜99.9重量%、(B)酸化亜
鉛,二酸化チタン及び水からなる複合体0.1重量%〜
10重量%、(C)繊維状充填材及び/又は無機充填材
0重量%〜70重量%からなる樹脂組成物である。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明で用いられる成分(A)のポリアリ
ーレンスルフィド樹脂は、繰返し単位が一般式 −Ar
−S− で表される一種或いは二種以上の中から選ばれ
る高分子である。ここで、具体的に −Ar−S−
は、下記の構造単位で構成されているものが挙げられ
る。
【0010】
【化1】 (但し、式中R,Rは各々水素原子、アルキル基、
フェニル基、アルコキシル基、ニトロ基、ハロゲン原
子、アルキレングリコール基、ヒドロキシル基、ニトリ
ル基、カルボキシル基、スルホン基又はアミノ基を示
す。また、式中Xはメチレン,エチレン,イソプロピ
ル,エーテル,ケトン又はスルホン基を示す。) しかし、特に好ましくはポリフェニレンスルフィド樹脂
である。ポリフェニレンスルフィド樹脂は、一般式
【0011】
【化2】 で示される繰返し単位を持った構造が70モル%以上、
好ましくは90モル%以上含まれているものであれば他
の成分が共重合されたものであっても良い。
【0012】ポリアリーレンスルフィド樹脂は、一般に
特公昭44−2761号公報、特公昭45−3368号
公報、米国特許第3,274,165号公報、特公昭4
6−27255号公報等で代表される製造法により得ら
れる比較的分子量の小さい重合体と、特公昭52−12
240号公報に代表される本質的に線状で比較的高分子
量の重合体とがあり、前者の重合体は、酸素雰囲気下或
いは過酸化物等の架橋剤の存在下で加熱することにより
高重合度化して用いることも可能である。
【0013】本発明に使用するに適したポリアリーレン
スルフィド樹脂の溶融粘度(高化式フローテスターによ
り(ダイス:直径=0.5mm,長さ=2mm)300
℃,10kg荷重での測定)は、本質的に線状で比較的
高分子量の重合体であれば100〜50000ポイズ、
好ましくは300〜30000ポイズのものが使用でき
る。また、架橋剤などの存在下で加熱することにより高
重合度化した重合体であれば加熱処理前の溶融粘度が1
0〜10000ポイズのものであり、加熱処理後の溶融
粘度が100〜50000ポイズ、好ましくは200〜
30000ポイズのものが使用できる。ここで、溶融粘
度が100ポイズ未満の場合は、機械的強度が低下し好
ましくない。また、50000ポイズを越える場合は、
成形性に難点を生じ好ましくない。
【0014】次に、本発明で用いられる成分(B)と
は、酸化亜鉛,二酸化チタン及び水からなる複合体であ
り、酸化亜鉛と二酸化チタンの混合体を主成分とし幾分
の水を含んでいてもよい白色微粉末を呈する複合体であ
る。
【0015】この複合体は、水溶性亜鉛化合物と水溶性
チタン化合物の混合水溶液と塩基性水溶液との混合によ
り生成する酸化亜鉛,二酸化チタン及び水からなる白色
沈澱物を補集,洗浄,乾燥して得られるものである。
【0016】本発明に使用するに適した酸化亜鉛,二酸
化チタン及び水からなる複合体の製造における原料とし
ては、亜鉛化合物の水溶性のもの,チタン化合物の水溶
性のもの及び塩基性水溶液が用いられる。亜鉛化合物と
しては、例えば硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜
鉛等を使用することができ、チタン化合物としては、例
えば硫酸チタン、硫酸チタニル、塩化チタン、硝酸チタ
ン等を使用することができ、また塩基性水溶液として
は、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、ア
ンモニア等の水溶液を使用することができる。但し、亜
鉛化合物或いはチタン化合物が硫酸塩の場合には、塩基
性水溶液として水酸化カルシウムや水酸化バリウムを使
用すると、水に不溶性の塩が生成するため好ましくな
い。
【0017】次に上記原料を用いて酸化亜鉛,二酸化チ
タン及び水からなる複合体を調製する方法としては、例
えば撹拌装置を備えたオーバーフロー型の反応槽に撹拌
下で水溶性亜鉛化合物と水溶性チタン化合物の両水溶液
及び塩基性水溶液を同時かつ連続的に供給し反応させて
沈澱物を得る方法、また反応スラリーを系外に排出する
ことなく撹拌条件下の反応槽に水溶性亜鉛化合物と水溶
性チタン化合物の両水溶液及び塩基性水溶液を同時に供
給し反応させて沈澱物を得る方法等が挙げられる。いず
れの方法によっても、反応槽内の混合溶液のpHが6〜
11、好ましくはpHが7〜9になるように混合するこ
とが重要である。反応時における混合溶液のpHが6よ
り低い場合及び11より高い場合には、水溶液中への水
酸化亜鉛の溶解度が大きく、沈澱物への亜鉛の歩留まり
が悪くなるため好ましくない。
【0018】酸化亜鉛,二酸化チタン及び水からなる複
合体の調製時においては、酸化亜鉛(ZnO)と二酸化
チタン(TiO)の混合比率を変えることにより、Z
nO/TiOのモル比を任意に選んだ複合体を得るこ
とが可能である。本発明に使用するに適した酸化亜鉛,
二酸化チタン及び水からなる複合体のZnO/TiO
のモル比は特に限定はないが、1/9から9/1の範囲
が好ましく、特に3/7から7/3の範囲が好ましい。
しかし、ZnO/TiOのモル比が1/9よりもTi
の多い組成領域或いは9/1よりもZnOの多い組
成領域では、ZnOとTiOの複合効果による腐蝕性
改良の性能が十分発揮されにくいため、1/9から9/
1の範囲で使用するのが望ましい。
【0019】また、複合体中に存在する水の量は特に限
定はないが、酸化亜鉛及び二酸化チタンの全量(1モ
ル)に対し0〜4モルの範囲が好ましく、特に無水が好
ましい。複合体中に存在する水の量が4モルを越える場
合には、成形性に難点を生じるため好ましくない。
【0020】本発明で用いられる酸化亜鉛,二酸化チタ
ン及び水からなる複合体の添加量は、ポリアリーレンス
ルフィド樹脂と酸化亜鉛,二酸化チタン及び水からなる
複合体と繊維状充填材及び/又は無機充填材の総量に対
して、0.1重量%〜10重量%の範囲であり、好まし
くは0.5重量%〜8重量%の範囲である。ここで、添
加量が0.1重量%未満の場合は、腐蝕性の低減効果が
乏しく、また、10重量%を越える場合は、成形後の力
学強度が低下するため好ましくない。
【0021】本発明で用いられる成分(C)の繊維状充
填材は、ガラス繊維,炭素繊維,グラファイト化繊維,
ウィスカー,金属繊維,無機系繊維,有機系繊維,鉱石
系繊維等が使用可能である。
【0022】これらの繊維状充填材は、以下のものが例
示される。
【0023】ガラス繊維としては、通常のガラス繊維の
他にニッケル,銅等を金属コートしたガラス繊維、シラ
ン繊維、アルミノケイ酸塩ガラス繊維、中空ガラス繊
維、ノンホローガラス繊維等が挙げられる。
【0024】炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル
を原料とするPAN系、ピッチを原料とするピッチ系繊
維が挙げられる。
【0025】無機系繊維としては、ロックウール,ジル
コニア,アルミナシリカ,チタン酸バリウム,炭化ケイ
素,アルミナ,シリカ,高炉スラグ等の各種繊維が挙げ
られる。
【0026】鉱石系繊維としては、アスベスト,ワラス
テナイト,マグネシウムオキシサルフェート等が挙げら
れる。
【0027】有機系繊維としては、全芳香族ポリアミド
繊維,フェノール樹脂繊維,全芳香族ポリエステル繊維
等が挙げられる。
【0028】ウィスカーとしては、窒化ケイ素ウィスカ
ー,塩基性硫酸マグネシウムウィスカー,チタン酸バリ
ウムウィスカー,チタン酸カリウムウィスカー,炭化ケ
イ素ウィスカー,ボロンウィスカー等が挙げられる。
【0029】次に、本発明で用いられる成分(C)の無
機充填剤とは、板状,粉粒状の無機物である。例えば、
硫酸カルシウム,硫酸バリウム,炭酸リチウム,炭酸カ
ルシウム,炭酸マグネシウム,炭酸亜鉛,タルク,マイ
カ,クレイ,シリカ,アルミナ,カオリン,ジルコニ
ア,石膏,ケイ酸カルシウム,ケイ酸マグネシウム,ケ
イ酸アルミニウム,リン酸カルシウム,リン酸マグネシ
ウム,リン酸亜鉛,アパタイト,酸化チタン,酸化亜
鉛,酸化銅,酸化鉄,酸化スズ,酸化マグネシウム,カ
ーボンブラック,黒鉛,ガラスパウダー,ガラスバルー
ン,石英,石英ガラス,ハイドロタルサイト,ゼオライ
ト等の充填材を挙げることができる。
【0030】繊維状充填材及び/又は無機充填材の添加
量は、ポリアリーレンスルフィド樹脂と酸化亜鉛,二酸
化チタン及び水からなる複合体と繊維状充填材及び/又
は無機充填材の総量に対して0重量%〜70重量%の範
囲であり、好ましくは20重量%〜50重量%の範囲で
ある。ここで、繊維状充填材及び/又は無機充填材の配
合比は、特に限定はない。但し、繊維状充填材及び/又
は無機充填材の添加量が70重量%を越える場合は、成
形性に難点を生じるため好ましくない。
【0031】また、本発明に用いられる繊維状充填材及
び/又は無機充填材は、ポリアリーレンスルフィド樹脂
との接着性を高めるため、一般に用いられる公知の表面
処理剤、収束剤を併用することが可能であり、また好ま
しい。例を示せば、エポキシ系化合物、イソシアネート
系化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物等の官
能性化合物である。これらの化合物は、充填材に予め表
面処理又は収束処理を施して用いるか、材料調製の際に
同時に添加しても良い。
【0032】更に、本発明の組成物に対して、本発明の
目的を損なわない範囲で酸化防止剤、熱安定剤、紫外線
吸収剤、滑剤、離型剤、染料,顔料などの着色剤、難燃
剤、難燃助剤及び帯電防止剤などの通常の添加剤を一種
又は二種以上添加することもできる。
【0033】また、必要に応じてポリエチレン、ポリブ
タジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリス
チレン、ポリブテン、ポリα−メチルスチレン、ポリ酢
酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸エステル、
ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ナ
イロン6,ナイロン66,ナイロン610,ナイロン1
2,ナイロン11,ナイロン46,ポリフタルアミド樹
脂等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート,ポリ
ブチレンテレフタレート,ポリアリレート,液晶ポリマ
ー等のポリエステル、ポリウレタン、ポリアセタール、
ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリスル
フォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルケト
ン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエ
ーテルイミド、ポリアミドイミド、シリコーン樹脂、フ
ェノキシ樹脂及びフッ素樹脂などの単独重合体、ランダ
ム又はブロック、グラフト共重合体の一種以上を混合し
て使用することもできる。
【0034】本発明の樹脂組成物は、上述した成分を溶
融混練することによって得られる。例えば、上述した成
分を予め混合した後バンバリーミキサー、ロール混練
機、一軸混練機、二軸混練機等を用いて溶融混練し、ペ
レット化することができる。
【0035】溶融混練の温度は、一般に300℃〜42
0℃の温度で行うことができる。得られたペレットは、
通常の押出成形、射出成形、圧縮成形等の手段を用いて
任意の形状に成形できる。
【0036】
【実施例】次に、実施例及び比較例を示して本発明を更
に具体的に説明するが、本発明は、これらに限定される
ものではない。尚、以下の実施例で用いたポリアリーレ
ンスルフィド樹脂組成物の腐蝕性試験は、以下の方法に
より行った。
【0037】○腐蝕性試験 (I)ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物のペレット
30gを図1に示すような秤量瓶に入れ、その中にハン
ダメッキが施されたリードフレームを入れて200℃,
48時間オーブン中で加熱した。次に、シャーレを温度
85℃,湿度85%の恒温・恒湿槽に入れ10時間処理
を行った。その後、シャーレを室温に冷却し、ハンダメ
ッキが施されたリードフレームの腐蝕度の判定を目視に
て行った。
【0038】 判定 ◎;変色なし ○;わずかに変色 △;灰色に変色 ×;黒色に変色 (II)ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物のペレッ
ト30gを図1に示すような秤量瓶に入れ、その中に金
型材(大同特殊鋼製,PD−613,3.0mm(厚
み)×25mm×25mm)を入れて330℃,4時間
オーブン中で加熱した。次に、シャーレを温度85℃,
湿度85%の恒温・恒湿槽に入れ1時間処理を行った。
その後、シャーレを室温に冷却し、金型材の腐蝕度の判
定を目視にて行った。
【0039】 判定 ◎;変色なし ○;わずかに変色 △;灰色に変色 ×;黒色に変色 参考例1 本発明に用いたポリアリーレンスルフィド樹脂は、以下
のように合成した。15l容量のオートクレーブに硫化
ナトリウムNaS・2.9HO 1.8モル、N−
メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略す)4.5k
gを入れ窒素気流下撹拌して200℃まで昇温し、主に
水からなる留出液636gを留去した。系を170℃ま
で冷却した後、p−ジクロルベンゼン1.8モルをNM
P1.5kgとともに添加し、窒素気流下に系を封入、
昇温して250℃にて3時間重合を行った。重合終了
後、系を冷却し、内容物を水中に投入、ポリマーを沈澱
させた後、沈澱したポリマーをグラスロートで補集し、
約10lの温水で洗浄、瀘過を繰り返し、一晩加熱真空
乾燥し、ポリマーを単離した。得られたポリマーは1.
85kg、収率95%であり、溶融粘度(300℃にて
直径=0.5mm,長さ=2mmのダイスを用い、荷重
10kgで高化式フローテスターで測定した値)は25
0ポイズであった。次に、得られたポリマーを空気中2
50℃に設定したオーブンに入れ、そのまま3時間硬化
させ、溶融粘度1400ポイズのポリフェニレンスルフ
ィド樹脂を得た。以下、PPSと略記する。
【0040】参考例2 本発明に用いた酸化亜鉛,二酸化チタン及び水からなる
複合体は、以下のとおりである。
【0041】この複合体は、ZnO原料として硫酸亜鉛
とTiO原料として硫酸チタンとの混合水溶液及びア
ンモニア水溶液とを、全混合液のpHが7.5を維持す
るよう注意しながら、約60℃の純水中に徐々に滴下し
て沈澱物を生成させ、その沈澱物を分離,洗浄,乾燥し
て得られた白色微粉末である。硫酸亜鉛及び硫酸チタン
の混合比率において、各々ZnO及びTiOとして換
算,配合を行うことにより、望むZnO/TiO(モ
ル比)の複合体が得られる。
【0042】以下に、得られた各種複合体のZnO/T
iO(モル比)及びBET表面積を示す。
【0043】実施例1〜6 参考例1で得たPPS,ガラス繊維(チョップドストラ
ンド)及び参考例2で調製した複合体を表1に示す組成
で混合し、二軸押出機(池貝鉄工(株)製,PCM−4
5)を用い、330℃の温度で押出し造粒を行い、ペレ
ットを得た。
【0044】次に、ペレットを120℃で2時間除湿乾
燥した後、腐蝕性の試験(I),(II)を行った。結
果を表1に示す。
【0045】比較例1 参考例1で得たPPS,ガラス繊維(チョップドストラ
ンド)を表1に示す組成で混合し、二軸押出機(池貝鉄
工(株)製,PCM−45)を用い、330℃の温度で
押出し造粒を行い、ペレットを得た。
【0046】次に、ペレットを120℃で2時間除湿乾
燥した後、腐蝕性の試験(I),(II)を行った。結
果を表1に示す。
【0047】比較例2 参考例1で得たPPS,ガラス繊維(チョップドストラ
ンド)及び酸化亜鉛(和光純薬工業(株)製)を表1に
示す組成で混合し、二軸押出機(池貝鉄工(株)製,P
CM−45)を用い、330℃の温度で押出し造粒を行
い、ペレットを得た。
【0048】次に、ペレットを120℃で2時間除湿乾
燥した後、腐蝕性の試験(I),(II)を行った。結
果を表1に示す。
【0049】比較例3 参考例1で得たPPS,ガラス繊維(チョップドストラ
ンド)及び二酸化チタン(石原産業(株)製)を表1に
示す組成で混合し、二軸押出機(池貝鉄工(株)製,P
CM−45)を用い、330℃の温度で押出し造粒を行
い、ペレットを得た。
【0050】次に、ペレットを120℃で2時間除湿乾
燥した後、腐蝕性の試験(I),(II)を行った。結
果を表1に示す。
【0051】比較例4 参考例1で得たPPS,ガラス繊維(チョップドストラ
ンド)及び炭酸リチウム(和光純薬工業(株)製)を表
1に示す組成で混合し、二軸押出機(池貝鉄工(株)
製,PCM−45)を用い、330℃の温度で押出し造
粒を行い、ペレットを得た。
【0052】次に、ペレットを120℃で2時間除湿乾
燥した後、腐蝕性の試験(I),(II)を行った。結
果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、ポリアリーレンスルフ
ィド樹脂に酸化亜鉛,二酸化チタン及び水からなる複合
体を配合することにより腐蝕性が低減したポリアリーレ
ンスルフィド樹脂組成物を得ることができる。これは、
電気・電子部品,自動車部品,OA精密機器等、金属腐
蝕性が問題となる分野で広く利用でき、工業的価値は高
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜6,比較例1〜4の樹脂を加熱処理
したことに対する金属の腐蝕性を調べる試験の概略図で
ある。
【符号の説明】
1;オーブン 2;秤量瓶 3;シャーレ 4;ハンダメッキを施したリードフレーム又は金型材 5;試料(PPSペレット)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂20
    重量%〜99.9重量%、(B)酸化亜鉛,二酸化チタ
    ン及び水からなる複合体0.1重量%〜10重量%、
    (C)繊維状充填材及び/又は無機充填材0重量%〜7
    0重量%からなる樹脂組成物。
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