JP3146581B2 - 化粧材の製造方法 - Google Patents

化粧材の製造方法

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JP3146581B2 JP35302991A JP35302991A JP3146581B2 JP 3146581 B2 JP3146581 B2 JP 3146581B2 JP 35302991 A JP35302991 A JP 35302991A JP 35302991 A JP35302991 A JP 35302991A JP 3146581 B2 JP3146581 B2 JP 3146581B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築物の内装材や家具
などの表面化粧材や、窓ガラスやガラスパーテーション
の装飾に用いられる化粧材の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】建築物の内装材や家具などの表面化粧材
などは、一般に単層あるいは多層の印刷模様が施された
プラスチックフィルムである。またこのようなフィルム
を光の透過する透明あるいは半透明のフィルムとして、
窓ガラスなどに貼着し、装飾を行うようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たフィルムなどの表面化粧材の印刷方法、例えばグラビ
ア印刷などでは、シャープな抜け部分のある多色印刷を
行うと、微妙な見当ずれが生じてしまい、模様柄のエッ
ジがぼやけてしまうという欠点がある。
【0004】また、上記のような多色印刷ではなく、転
写法による抜け部分を有した模様の印刷を行う際も、従
来では転写される基材の表面に部分的に処理を施してい
るため、形状および材質に制約があり、二次加工時にも
注意が必要である。さらに、このような転写柄とぬき柄
とを同調させることは従来の印刷方法では不可能となっ
ている。
【0005】そこで本発明は、上記問題点を解消するた
めに、抜け部分を有する模様の印刷にて、その抜け部分
のエッジがシャープに表現でき、しかも多色印刷を行っ
てもその印刷部分がぼやけることなく印刷模様を強調さ
せることのできる化粧材の製造方法を提供することを目
的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】次に、上記の目的を達成
するための手段を、実施例に対応する図面を参照して説
明する。この発明の化粧材の製造方法は、ポリエステル
フィルムよりなる転写基材1の表面に、少なくとも塩化
ビニル系またはアクリル系からなる熱可塑性樹脂をバイ
ンダーとした印刷インキ2で模様D1を印刷し、その印
刷面上に硬化性樹脂をバインダーとしたインキ3で模様
D2を部分印刷し、該部分印刷されたインキ3を硬化さ
せた後、該印刷面に塩化ビニル系またはアクリル系から
なる熱可塑性樹脂基材4を重ね、加熱圧着し、その後に
前記転写基材1を剥離して、前記基材4に、転写基材1
に印刷されている部分印刷の模様D2を除く印刷模様を
転写させることを特徴としている。また、ポリエステル
フィルムよりなる転写基材1の表面に、少なくとも塩化
ビニル系またはアクリル系からなる熱可塑性樹脂をバイ
ンダーとした印刷インキ2で模様D1を印刷し、その印
刷面上に硬化性樹脂をバインダーとしたインキ3で模様
D2を部分印刷し、該部分印刷されたインキ3を硬化さ
せた後、該印刷面に塩化ビニル系またはアクリル系から
なる熱可塑性樹脂基材4を重ね、加熱圧着させるとも
に、該基材4の転写される面とは反対の面にエンボス加
工を施し、その後に前記転写基材1を剥離して、前記基
材4に、転写基材1に印刷されている部分印刷の模様D
2を除く印刷模様を転写させる製造方法でもよい。さら
に、前記印刷模様が転写された基材4の転写面に、該転
写面を被覆するフィルム8,9を貼着させて化粧材を得
る製造方法でもよい。
【0007】
【作用】ポリエステルフィルムよりなる転写基材1の表
面に、少なくとも塩化ビニル系またはアクリル系からな
る熱可塑性樹脂をバインダーとした印刷インキ2で模様
D1を印刷し、その印刷面上に硬化性樹脂をバインダー
としたインキ3にて模様D2を部分印刷する。次に、部
分印刷されたインキ3を硬化させ、該印刷面に、少なく
とも塩化ビニル系またはアクリル系からなる熱可塑性樹
脂の基材4を重ね、加熱圧着し、または、この加熱圧着
と同時に基材4の転写される面とは反対の面にエンボス
加工を施す。そして、前記転写基材1を剥離して、前記
基材4に、転写基材1に印刷されている部分印刷の模様
D1を除く印刷模様を転写させる。また、前記印刷模様
が転写された基材4の転写面に、該転写面を被覆するフ
ィルム8,9を貼着させる。これにより、模様柄を有す
る印刷部分(転写部分)6と印刷の抜けた部分7とが、
シャープに分割された化粧材が得られる。
【0008】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。 第1の実施例 図1は本発明の第1の実施例に係わる化粧材の断面図、
図2は同実施例による化粧材の製造工程を示す説明図で
ある。 I.まず、厚さ16μのポリエステルフィルムを転写基
材1とし、このポリエステルフィルム1に、150メッ
シュで版深が35μの砂目柄のグラビア版にて、メジュ
ーム66に対し、白32、赤0.6、青0.4、黄1の
各インキを配合したグラビアインキを用いて印刷する。
続いて、150メッシュで版深が35μのチップ柄のグ
ラビア版にて、メジューム72に対し、白26.5、赤
0.5、青0.2、黄0.8の各インキを配合したグラ
ビアインキを用いて印刷し、さらに前述のチップ柄のネ
ガになる150メッシュで版深が35μのグラビア版に
て、メジューム76に対し、白22、赤0.8、青0.
8、黄0.4の各インキを配合したグラビアインキを用
いて印刷し、ポリエステルフィルム1の表面に模様D1
を形成させる(図2(a))。なお、このインキ2は塩
化ビニル系樹脂をバインダーとしたインキを使用する。
【0009】II.前記Iの印刷に連続して、この印刷模
様D1の上に、150メッシュで版深が35μの竹柄の
グラビア版にて、硬化剤を配合したマット剤入り硬化性
フッ素系樹脂をバインダーとしたインキ3で印刷する
(図2(b))。この印刷による模様D2はポリエステ
ルフィルム1の全面ではなく部分的に印刷される部分印
刷である。
【0010】III . 前記IIのフッ素系インキ3の硬化を
促進させるため、前記IIにおいてフッ素系インキ3が印
刷されたポリエステルフィルム1を60〜80°Cに保
たれた恒温槽にて48時間程加熱し、その後自然冷却さ
せる。
【0011】IV.次に、前記III にてフッ素系インキ3
を硬化させた後、ポリエステルフィルム1の印刷面の全
面を被覆するように、厚さ110μの透明な塩化ビニル
樹脂フィルム4を基材として重ね合わせて(図2
(c))、160〜180°Cで予熱された両者のフィ
ルムをラミネーターにて、加熱圧着させる(図2
(d))。
【0012】V.そして、密着した前記IVの各フィルム
1,4を巻き取る前、若しくは、巻き取ったあとに、各
フィルム1,4をそれぞれ剥離させる(図2(e))。
すると、転写基材であるポリエステルフィルム1のフッ
素系インキ3を印刷した部分のインキ2は、このポリエ
ステルフィルム1に残り、フッ素系インキ3のマットな
表面状態のみが基材である塩化ビニル樹脂フィルム4に
転写され、フッ素系インキ3が印刷されなかった部分の
前記Iのインキ2だけが塩化ビニル樹脂フィルム4に転
写され、この塩化ビニル樹脂フィルムよりなる基材4が
図1に示すような化粧材5となる。
【0013】これは、塩化ビニル系の樹脂をバインダー
とした塩化ビニル樹脂用のグラビアインキ2とポリエス
テルフィルム1との密着力が非常に弱いことと、硬化性
フッ素系樹脂をバインダーとしたインキ3を刷り重ね、
加熱硬化させることにより、転写時に加熱圧着しても、
硬化したフッ素系樹脂をバインダーとしたインキ3と塩
化ビニル樹脂フィルム4との密着力がさらに弱いことか
ら、このような転写が可能となるためである。
【0014】この実施例によれば、細かい柄の入った印
刷部分(転写部分)6と印刷の抜けた部分7とが、シャ
ープに分割された化粧材5が得られる。なお、基材4に
転写された部分6の転写面6aは、転写基材(ポリエス
テルフィルム)1の表面が再現されるため光沢が高く形
成され、また印刷が抜けている部分(転写されていない
部分)7は光沢のない面となる。
【0015】第2の実施例 次に、第2の実施例について図3および図4を参照して
説明する。 I.まず、厚さ50μのポリエステルフィルムを転写基
材1とし、このポリエステルフィルム1に、150メッ
シュで版深が35μの砂目柄のグラビア版にて、メジュ
ーム82に対し、黒0.2、赤16、青1.8の各イン
キを配合したグラビアインキを用いて印刷する。続い
て、150メッシュで版深が35μのチップ柄のグラビ
ア版にて、メジューム84に対し、青16の各インキを
配合したグラビアインキを用いて印刷し、さらにこのチ
ップ柄のネガになる150メッシュで版深が35μのグ
ラビア版にて、メジューム66に対し、赤1、黄33の
各インキを配合したグラビアインキを用いて印刷し、ポ
リエステルフィルム1の表面に模様D1を形成させる
(図4(a))。なお、このインキ2は塩化ビニル系樹
脂をバインダーとしたインキを使用する。
【0016】II.前記Iの印刷に連続して、この印刷模
様D1の上に150メッシュで版深が35μの竹柄のグ
ラビア版にて、硬化剤が配合され、マット剤が含まれて
いない硬化性フッ素系樹脂をバインダーとしたインキ3
で模様D2を印刷する(図4(b))。この印刷による
模様D2はポリエステルフィルム1の全面ではなく部分
的に印刷される部分印刷である。
【0017】III .次に、前述した第1の実施例と同様
に、前記IIのフッ素系インキ3の硬化を促進させるため
に、前記IIにおいてフッ素系インキ3が印刷されたポリ
エステルフィルム1を60〜80°Cに保たれた恒温槽
にて48時間程加熱し、その後自然冷却させる。
【0018】IV.次に、前記III にてフッ素系インキ3
を硬化させた後、ポリエステルフィルム1の印刷面の全
面を被覆するように、厚さ110μの透明な塩化ビニル
樹脂フィルムを基材4として重ね合わせて(図4
(c))、160〜180°Cで予熱された両者のフィ
ルムをラミネーターにて、加熱圧着させる(図4
(d))。
【0019】V.そして、密着した前記IVの各フィルム
1,4を巻き取る前、若しくは、巻き取ったあとに、各
フィルム1,4をそれぞれ剥離させる(図4(e))。
すると、転写基材であるポリエステルフィルム1のフッ
素系インキ3を印刷した部分のインキ2は、このポリエ
ステルフィルム1に残り、フッ素系インキ3の表面状態
のみが基材である塩化ビニル樹脂フィルム4に転写さ
れ、フッ素系インキ3が印刷されなかった部分の前記I
のインキ2だけが塩化ビニル樹脂フィルム4に転写さ
れ、この塩化ビニル樹脂フィルムよりなる基材4が図3
に示すような化粧材10となる。
【0020】この実施例によれば、前述した第1の実施
例と同様の細かい柄の入った印刷部分(転写部分)6と
印刷の抜けた部分7とが、シャープに分割された化粧材
10が得られる。なお、基材4に転写された部分6の転
写面6aは、転写基材(ポリエステルフィルム)1の表
面が再現されるため光沢が高く形成され、また印刷が抜
けている部分(転写されていない部分)7は平滑で透明
な面となる。
【0021】第3の実施例 次に第3の実施例について図5の断面図を参照して説明
する。この実施例の化粧材20は、前述した第1および
第2の実施例の化粧材5,10の製造工程中のIVの段
階、すなわち、転写基材であるポリエステルフィルム1
に印刷が施されたのちに、この印刷模様面に塩化ビニル
樹脂フィルムよりなる基材4を重ね合わせて加熱圧着さ
せる際に、エンボスロールを用い、塩化ビニル樹脂フィ
ルム4側からモザイク柄などのエンボス模様D3を形成
させる。
【0022】そして、互いに密着している各フィルム
1,4を巻き取る前、若しくは巻き取った後に、各フィ
ルム1,4をそれぞれ剥離させ、塩化ビニル樹脂フィル
ムよりなる基材4の化粧材20を得る。
【0023】この実施例によれば、前述した第1および
第2の実施例と同様に、細かい柄の入った印刷部分(転
写部分)6と印刷の抜けた部分7とが、シャープに分割
された模様が表現されるとともに、エンボス加工によっ
て立体感のある模様D3が得られる。
【0024】第4実施例 次に、第4の実施例について図6を参照して説明する。
この実施例の化粧材30は、前述した第1および第2ま
たは第3の実施例の化粧材5,10,20が製造された
後に、この化粧材にさらにPETフィルム等を貼着する
例である。すなわち、前述した第1および第2または第
3の実施例と同様に化粧材を作り、この化粧材の基材で
ある塩化ビニル樹脂フィルム4の模様D1が部分的に転
写された面に市販のハーフミラー蒸着PETフィルム8
をドライラミネートで接着させ、化粧材30とする(図
6(a))。この場合、厚さが25μのハーフミラーフ
ィルム8の金属面に、ドライラミネート接着剤を乾燥状
態で20μ塗布し、乾燥後、塩化ビニル樹脂フィルム4
の転写印刷面と貼り合わせる。
【0025】これによれば、細かい柄の入った印刷部分
(転写部分)6と印刷の抜けている部分7に現れる金属
光沢部分とが、シャープに分割されて表現されるととも
に、図6(b)に示すように塩化ビニル樹脂フィルム4
にエンボス加工が加わると、このシャープな模様の表現
に加えてエンボス模様D3によって強調されるため立体
感がある化粧材30を得ることができる。
【0026】また、前述したハーフミラータイプのフィ
ルムではなく、化粧材の基材である塩化ビニル樹脂フィ
ルム4の模様が転写された面に市販の熱線反射フィルム
をドライラミネートする(図示せず)。この場合、熱線
反射フィルムの金属面に、ドライラミネート接着剤を乾
燥状態で20μ塗布し、乾燥後、塩化ビニル樹脂フィル
ムの転写印刷面と貼り合わせる。これによれば、透過光
と、反射光とで見え方が変化する化粧材が得られる。し
かも、紫外線や赤外線を遮断する機能性も付与されてお
り、更に、粘着加工したフィルムにすることでガラス飛
散防止機能も備えることになる。
【0027】第5の実施例 次に第5の実施例について説明する。 I.まず、厚さ50μのポリエステルフィルムを転写基
材1として、このポリエステルフィルム1に、150メ
ッシュで版深が35μの細かい砂目柄のグラビア版に
て、メジューム60に対し、黒0.5、赤3.5、黄3
6の各インキを配合したグラビアインキを用いて印刷す
る。続いて150メッシュで版深が35μの砂目のネガ
柄のグラビア版にて、メジューム45に対し、黒1、赤
3、黄6、シルバー45の各インキを配合したグラビア
インキを用いて印刷し、模様D1を形成させる(図8
(a))。なお、このインキ2は塩化ビニル系樹脂をバ
インダーとしたインキを使用する。
【0028】II.前記Iの印刷に連続して、この印刷模
様D1の上に150メッシュで版深が35μの花柄のグ
ラビア版にて、硬化剤とマット剤が配合された硬化性ウ
レタン系樹脂をバインダーとしたインキ3を用いて印刷
する(図8(b))。この印刷による花柄の模様D2は
ポリエステルフィルム1の全面に対し、部分的に印刷さ
れる部分印刷である。
【0029】III .前記IIのウレタン系インキ3の硬化
を促進させるため、前記IIにおいてウレタン系インキ3
が印刷されたポリエステルフィルム1を60〜80°C
に保たれた恒温槽にて48時間加熱し、その後自然冷却
させる。
【0030】IV.次に、前記III にてウレタン系インキ
3を硬化させたのち、ポリエステルフィルム1の印刷面
の全面を被覆するように、厚さ100μの着色塩化ビニ
ル樹脂フィルム(例えば黒色)4を基材として重ね合わ
せて(図8(c))、160〜180°Cに予熱された
両者のフィルムをラミネーターにて加熱圧着させる(図
8(d))。
【0031】V.次に、前記IVの各フィルムの転写基材
であるポリエステルフィルム1を、基材である着色フィ
ルム4より剥離させる(図8(e))。その後、ポリエ
ステルフィルム1が剥がされた着色塩化ビニル樹脂フィ
ルム4の模様D1が部分的に転写された面に、この面を
被覆するように厚さ60μの塩化ビニル樹脂よりなるク
リヤーフィルム9を重ね合わせるとともに(図8
(f))、ラミネーターにてこのクリヤーフィルム9側
からエンボスロールにて砂目柄のエンボス模様D4を形
成させ、図7に示すような化粧材40を得る。
【0032】この実施例によれば、前述した各実施例と
同様に、転写された模様6と、この模様が抜けている部
分7とが、シャープに分割され、また、模様が転写され
る基材4を着色されている塩化ビニル樹脂フィルムとし
ているので転写された模様が明確となり、金箔細工を施
したようなフィルムとなる。また、インキ2,3が転写
された面を被覆するようにクリヤーフィルム9が貼着さ
れているので、印刷面が汚損されることがない。また、
クリヤーフィルムとしてアクリルフィルムやフッ化ビニ
リデンフィルムを貼り合わせることによって、耐候性や
耐汚染性を付与することができる。
【0033】なお、転写基材1より模様が転写される着
色塩化ビニル樹脂フィルム4の転写面側には、予め印刷
が施された透明若しくは半透明のフィルムなどを貼り合
わせてもよい。
【0034】上述した各実施例では、基材4として塩化
ビニル樹脂よりなる透明または着色されたフィルムを用
いた例について述べたが、この基材4には、塩化ビニル
系共重合樹脂やアクリル樹脂などの材質でもよく、他の
樹脂や強化剤が配合されてもよい。また、フィルム形状
だけでなく、板状に形成されていてもよい。
【0035】また、上記各実施例では、硬化剤を配合し
た硬化性樹脂をバインダーとしたインキについて述べた
が、電子線照射型の硬化性樹脂や紫外線(UV)照射型
の硬化性樹脂をバインダーとしたインキを使用してもよ
い。
【0036】従って本発明の化粧材の製造方法では、例
えば、第1,第2の実施例では、転写基材であるポリエ
ステルフィルム1のフッ素系インキ3を印刷した部分の
インキ2は、このポリエステルフィルム1に残り、フッ
素系インキ3の表面状態のみが基材である塩化ビニル樹
脂フィルム4に転写され、フッ素系インキ3が印刷され
なかった部分のインキ2だけが塩化ビニル樹脂フィルム
4に転写されて化粧材5,10が得られる。つまり、こ
れらの実施例においては、塩化ビニル樹脂用のグラビア
インキ2とポリエステルフィルム1との密着力が非常に
弱いことと、フッ素系インキ3を刷り重ね、加熱硬化さ
せることにより、転写時に加熱しても、硬化性インキ3
と塩化ビニル樹脂フィルム4との密着力がさらに弱いこ
とから、このような転写が可能となるためである。
【0037】このような関係は、各フィルム1,4とイ
ンキ2,3との密着力で表すことができる(図9参
照)。すなわち、ポリエステルフィルム(転写基材)1
と塩化ビニル系またはアクリル系のインキ2との密着力
をFa、塩化ビニル系またはアクリル系のインキ2と基
材4との密着力をFb、フッ素系またはウレタン系の硬
化剤が含まれたインキ3と基材4との密着力をFc、ポ
リエステルフィルム(転写基材)1とフッ素系またはウ
レタン系の硬化剤が含まれたインキ3との密着力をF
d、塩化ビニル系またはアクリル系のインキ2とフッ素
系またはウレタン系の硬化剤が含まれたインキ3との密
着力をFe、とすると、これらの関係は、 Fc<Fa<Fb,Fd,Fe となる。
【0038】従って、本発明の化粧材は、上記のことか
ら、柄の入った印刷部分(転写部分)6と印刷の抜けた
部分7とが、シャープに分割された模様が表現された化
粧材を容易に得ることができるとともに、エンボス加工
を施すことによって立体感のある模様が得られる。ま
た、光を反射させる金属調の光沢面を有したフィルムな
どを貼着させれば、細かい柄の入った印刷部分(転写部
分)と印刷の抜けている部分に現れる金属光沢部分と
が、シャープに分割されて表現されるとともに、エンボ
ス加工が加わると、このシャープな模様の表現に加えて
立体感のある化粧材を得ることができる。
【0039】さらに、模様が転写される基材を着色され
ている塩化ビニル樹脂フィルムとすると、転写された模
様が明確な化粧材を得ることができる。また、転写され
る基材の表面には、インキ以外は残らないよう転写され
るので、この基材の表面にさらに印刷を重ねることが容
易に行え、多重に印刷模様を形成でき応用範囲が広くな
る。また、本発明の方法によれば、例えば細い線が抜け
たネガ調の柄のグラビア版を、硬化性インキで印刷して
転写印刷を行えば、色変化がつけられた細い線状の模様
をその模様のエッジがぼやけることなく、シャープに印
刷が行えるので、従来不可能であったグラビア印刷によ
る見当での多色印刷が精度良く行える。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明による化粧材
の製造方法は、ポリエステルフィルムよりなる転写基材
の表面に、少なくとも塩化ビニル系またはアクリル系か
らなる熱可塑性樹脂をバインダーとした印刷インキで模
様を印刷し、その印刷面上に硬化性樹脂をバインダーと
したインキで模様を部分印刷し、この部分印刷されたイ
ンキを硬化させた後、この印刷面に塩化ビニル系または
アクリル系からなる熱可塑性樹脂基材を重ね、加熱圧着
し、その後に前記転写基材を剥離して、転写させる方法
としたので、各素材の密着力の関係から、転写基材に印
刷されている部分印刷の模様を除く印刷模様を前記基材
に転写させることとなり、これにより得られる化粧材
は、基材に印刷部分(転写部分)と印刷の抜けた部分と
がシャープに分割され、その抜け部分のエッジを明確に
表現できる模様を形成させることができる。また、この
製造方法の転写基材と基材とを、互いに加圧密着させた
状態で加熱させるともに、該基材の印刷面と対向する面
とは反対の面にエンボス加工を施すと、これにより得ら
れる化粧材は、立体感を有する模様を形成させることが
できる。さらに、印刷模様が転写された基材の転写面
に、該転写面を被覆するフィルムを貼着させることで、
さらに深みのある模様を有する化粧材を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係わる化粧材の断面図
【図2】同実施例による化粧材の製造工程を示す説明図
【図3】本発明の第2の実施例に係わる化粧材の断面図
【図4】同実施例による化粧材の製造工程を示す説明図
【図5】本発明の第3の実施例に係わる化粧材の断面図
【図6】本発明の第4の実施例に係わる化粧材の断面図
【図7】本発明の第5の実施例に係わる化粧材の断面図
【図8】同実施例による化粧材の製造工程を示す説明図
【図9】本発明による化粧材の製造時における各素材の
関係を示す説明図
【符号の説明】
1…転写基材(ポリエステルフィルム) 2…インキ(少なくとも塩化ビニル系又はアクリル系の
熱可塑性樹脂をバインダーとしたインキ) 3…インキ(硬化性樹脂をバインダーとしたインキ) 4…基材(塩化ビニル系またはアクリル系の熱可塑性樹
脂) 5,10,20,30,40…化粧材 6…転写部分 7…抜け部分 8,9…被覆フィルム D1…模様 D2…模様(部分印刷) D3,D4…エンボス模様
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B32B 27/36 B32B 27/36 33/00 33/00 (56)参考文献 特開 平1−166996(JP,A) 特開 平4−168098(JP,A) 特開 平4−14450(JP,A) 特開 昭62−111741(JP,A) 特開 昭53−120780(JP,A) 特開 昭53−146762(JP,A) 実公 昭63−45354(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B44C 1/00 B05D 5/06 B32B 27/00 B32B 27/30 B32B 27/36 B32B 33/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムよりなる転写基材
    の表面に、少なくとも塩化ビニル系またはアクリル系か
    らなる熱可塑性樹脂をバインダーとした印刷インキで模
    様を印刷し、その印刷面上に硬化性樹脂をバインダーと
    したインキで模様を部分印刷し、該部分印刷されたイン
    キを硬化させた後、該印刷面に塩化ビニル系またはアク
    リル系からなる熱可塑性樹脂基材を重ね、加熱圧着し、
    その後に前記転写基材を剥離して、前記熱可塑性樹脂
    材に、転写基材に印刷されている部分印刷の模様を除く
    前記熱可塑性樹脂をバインダーとした印刷模様を転写さ
    せることを特徴とする化粧材の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリエステルフィルムよりなる転写基材
    の表面に、少なくとも塩化ビニル系またはアクリル系か
    らなる熱可塑性樹脂をバインダーとした印刷インキで模
    様を印刷し、その印刷面上に硬化性樹脂をバインダーと
    したインキで模様を部分印刷し、該部分印刷されたイン
    キを硬化させた後、該印刷面に塩化ビニル系またはアク
    リル系からなる熱可塑性樹脂基材を重ね、加熱圧着させ
    るともに、該熱可塑性樹脂基材の転写される面とは反対
    の面にエンボス加工を施し、その後に前記転写基材を剥
    離して、前記熱可塑性樹脂基材に、転写基材に印刷され
    ている部分印刷の模様を除く前記熱可塑性樹脂をバイン
    ダーとした印刷模様を転写させることを特徴とする化粧
    材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記印刷模様が転写された熱可塑性樹脂
    基材の転写面に、該転写面を被覆するフィルムを貼着さ
    せることを特徴とする請求項1および請求項2記載の化
    粧材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記硬化性樹脂がウレタン系またはフッ
    素系樹脂からなることを特徴とする請求項1および請求
    項2記載の化粧材の製造方法。
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