JP3141397B2 - 自動二輪車の燃料タンク - Google Patents

自動二輪車の燃料タンク

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JP3141397B2
JP3141397B2 JP03003348A JP334891A JP3141397B2 JP 3141397 B2 JP3141397 B2 JP 3141397B2 JP 03003348 A JP03003348 A JP 03003348A JP 334891 A JP334891 A JP 334891A JP 3141397 B2 JP3141397 B2 JP 3141397B2
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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の目的〕
【0002】
【産業上の利用分野】この発明は自動二輪車の燃料タン
クに係り、特にタンクボディの下部が左右に分割されて
2室を有する構造の自動二輪車の燃料タンクに関する。
【0003】
【従来の技術】図5に示すように、自動二輪車の燃料タ
ンク1には、タンクボディ2の底部中央に凹部3が形成
されて、タンクボディ2の下部が左右に分割された2室
4Aおよび4Bを有し、上記凹部3内に自動二輪車のタ
ンクレール(図示せず)が配設されて、燃料タンク1が
取り付けられるようにしたものがある。そして、上記タ
ンクボディ2の1室4B側にフューエルコック5が設置
され、このフューエルコック5のオン切換時およびリザ
ーブ切換時に、燃料タンク1内の燃料がフューエルポン
プ(図示せず)を経て、図示しないキャブレタへ導かれ
るようになっている。
【0004】また、燃料タンク1の2室4Aおよび4B
は連結ホース6で連結されて、燃料が1室4A内に残っ
てしまわないよう工夫されている。なお、図中符号7は
インレットキャップである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の燃料
タンク1では、この燃料タンク1をタンクレールから外
す際に連結ホース6も外さなければならず、作業が煩雑
となる。しかも、この連結ホース6の取外しの際、燃料
洩れが起きないよう配慮する必要がある。
【0006】この発明は、上記事情を考慮してなされた
ものであり、燃料タンクに貯溜された燃料を全て使用で
きると共に、燃料タンクの着脱を容易に実施できる自動
二輪車の燃料タンクを提供することを目的とする。 〔発明の構成〕
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、タンクボデ
ィの底部に凹部を形成してこの凹部の左右にタンク室を
分割形成した燃料タンクを、その凹部が後下方に向って
下がり傾斜に延在するタンクレール上に位置して上記左
右のタンク室が跨るように配設した自動二輪車の燃料タ
ンクにおいて、上記タンクボディ内に、フューエルオン
パイプとフューエルリザーブパイプとを配設し、上記フ
ューエルオンパイプは、そのタンクボディから外部に延
在する外端部を切換コックのオン切換ポートに接続する
一方、上記左右のタンク室の一方内に延在する内側開口
端を、上記タンクボディの凹部の上面近傍高さで開口さ
せることにより構成され、一方、上記フューエルリザー
ブパイプは、上記左右のタンク室内を連通するほぼ逆U
字形の吸込パイプを配設すると共に、この逆U字形湾曲
部のほぼ中央部を、上記凹部の頂面が最も低い燃料タン
クの後部に配置し、上記左右のタンク室の各内底面にそ
れぞれ向って延出する上記吸込パイプの両側部の両端
を、上記フューエルオンパイプの内側開口端よりも低い
位置かつ左右ほぼ等しい高さで開口させると共に、これ
ら各開口端から上記吸込パイプのほぼ中央部までの距離
を極力小さく設定する一方、この吸込パイプの上記湾曲
中央位置に導出パイプを連通自在に接続し、この導出パ
イプの上記タンクボディから外部に延出する外端部を上
記切換コックのリザーブ切換ポートに接続することによ
り構成され、上記切換コックのオン切換時に上記フュー
エルオンパイプにより上記タンクボディ内の燃料を外部
へ導く一方、切換コックのリザーブ切換時に上記左右の
タンク室内の燃料を外部へ導くように構成したものであ
る。
【0008】
【作用】したがって、この発明に係る自動二輪車の燃料
タンクによれば、フューエルオンパイプの燃料タンク内
に延在する内側開口端を、燃料タンク内の左右のタンク
室に分岐し始める前の凹部の上面近傍高さで開口させて
おり、左右のタンク室の一方の内部には、開口させてい
ないので、切換コックをオンポート側に切り換えた場合
には、燃料タンク内の凹部上面近傍の高さの燃料まで外
部のキャブレタ等へ導かれ、左右のタンク室の一方内の
燃料が外部に導かれることもないので、燃料タンク内の
左右の燃料の残量の偏りと、その偏りによる重量バラン
スの左右の不均衡とを防止することができる。また、左
右のタンク室を吸込パイプで連通させると共に、この吸
込パイプが左右のタンク室の内底面近傍に延伸する左右
両端部の開口端を左右ほぼ等しい高さで開口させている
ので、切換コックをリザーブポート側に切り換えた場合
においても、吸込パイプにより左右のタンク室内の燃料
をほぼ均等に外部へ導くことができるので、左右のタン
ク室内の燃料の残量の偏りを自動的に調整することがで
きる。このために、車両の左右の重量バランスが一方に
偏倚して乗り心地を損うことを未然に防止できる。すな
わち、本発明によれば、切換コックをオンポート側に切
り換えた場合と、リザーブポート側に切り換える場合の
両者において、燃料タンクの重量バランスの左右の不均
衡を共に防止できるので、車両の乗り心地を向上させる
ことができる。さらに、吸込パイプの湾曲中央位置に導
出パイプを接続したので、吸込パイプ内の空気を導出パ
イプにより速やかに排出できる上に、左右のタンク室内
にそれぞれ延伸する吸込パイプの左右両側部の通路抵抗
を等しくして、これら両側部から導出する燃料導出流を
ほぼ等しくし、左右のタンク室内の燃料の残量の偏りを
防止できる。また、吸込パイプの逆U字形湾曲部のほぼ
中央部を燃料タンクの凹部の頂面が最も近い燃料タンク
の後部に配置することにより、導出パイプが連結された
吸込パイプの中央位置と、吸込パイプの両側部の両開口
部との距離Lを極力小さい値に設定しているので、フュ
ーエルポンプの揚程を小さくすることができる。
【0009】また、タンクボディの分割された2室がタ
ンクボディ内に配設されたフューエルリザーブパイプを
用いて切換コックに連結されたので、上記タンクボディ
の2室をタンクボディ外に配設される連結ホース等を用
いて連結する必要がない。このため、燃料タンクの着脱
時に上記連結ホースを取り外す必要や、この取外しに伴
う燃料漏洩対策を施す必要が共になく、燃料タンクの着
脱を容易に実施できる。
【0010】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。
【0011】図1は、この発明に係る自動二輪車の燃料
タンクの一実施例を示す側面図であり、図2は図1の燃
料タンクが設置された自動二輪車を示す側面図である。
【0012】図2に示すように、自動二輪車の車体フレ
ーム10はセミダブルクレードルフレームである。この
車体フレーム10のタンクレール11の前方にはヘッド
パイプ12が固着され、後部に左右一対のボディチュー
ブ13が下方へ向って固着される。さらに、ヘッドパイ
プ12にダウンチューブ14が垂設され、このダウンチ
ューブ14の下部に左右一対のロアチューブ15が固着
される。このロアチューブ15のそれぞれは、前記左右
一対のボディチューブ13に固着される。これらタンク
レール11、ダウンチューブ14、ロアチューブ15お
よびボディチューブ13に囲まれた空間にエンジン16
が搭載される。
【0013】ヘッドパイプ12には、フロントフォーク
17が左右方向に揺動可能に支持される。このフロント
フォーク17の上部にハンドルバー18が取り付けら
れ、フロントフォーク17の下部に前輪19が回転自在
に軸支される。また、ボディチューブ13にはリーンフ
ォースメント20が固着され、このリーンフォースメン
ト20にスイングアーム21が上下方向に揺動可能に支
持される。このスイングアーム21の自由端部に、後輪
22が回転自在に軸支される。
【0014】また、タンクレール11には、後方へ延び
るシートレール23が固着され、このシートレール23
はシートピラー24によって支持される。シートレール
23上にシート25が設置される。また、タンクレール
11上に、このタンクレール11を跨ぐようにして燃料
タンク26が設置される。
【0015】つまり、燃料タンク26は図1、図3およ
び図4に示すように、底部中央に深い凹部27が形成さ
れたタンクボディ28を有して構成される。この凹部2
7によって、タンクボディ28の下部が左右に分割され
て、タンク室29Aおよび29Bが構成される。タンク
レール11は上記凹部27内に配設され、このタンクレ
ール11により燃料タンク26が支持される。
【0016】タンク室29Aを構成するタンクボディ2
8の下壁に切換コックとしてのフューエルコック30が
設置される。また、タンク室29A内にフューエルオン
パイプ31が配設される。このフューエルオンパイプ3
1はタンク室29A外へ延在されて、フューエルコック
30のオン切換ポートに接続される。さらに、タンクボ
ディ28内にフューエルリザーブパイプ32が配設され
る。
【0017】このフューエルリザーブパイプ32は、吸
込パイプ33および導出パイプ34を備えて構成され
る。吸込パイプ33は、特に図4に示すような逆U字形
状を成し、その両側部33Aおよび33Bがタンク室2
9Aおよび29B内をそれぞれ下方へ延び、これら両側
部33Aおよび33Bの両端がタンク室29Aおよび2
9Bの底面付近まで延びる。また、吸込パイプ33の両
側部33Aおよび33Bが交わる吸込パイプ33の中央
位置に、導出パイプ34の一端が溶接により連結され
る。この導出パイプ34は、タンク室29A内を下方へ
延び、他端がタンク室29A外のフューエルコック30
におけるリザーブ切換ポートに接続される。
【0018】上述のように導出パイプ34の一端を吸込
パイプ33の中央位置に連結したのは、吸込パイプ33
の両側部33Aおよび33Bの通路抵抗を等しくしてこ
れら両側部33Aおよび33Bからの燃料流出量を同程
度とし、タンク室29Aおよび29B内の残留燃料の偏
りを防いで、これらタンク室29Aおよび29B内の全
燃料を使用できるようにするためである。また、導出パ
イプ34が連結された吸込パイプ33の中央位置と、こ
の吸込パイプ33の両側部33Aおよび33Bにおける
両端との距離L(図1)は、極力小さな値となるよう設
定される。
【0019】フューエルコック30の燃料吐出ポートに
はフューエル吐出パイプ35が接続され、このフューエ
ル吐出パイプ35にフューエルフィルタ36およびフュ
ーエルポンプ37が配設される。このフューエル吐出パ
イプ35の他端がキャブレタ(図示せず)に接続され
る。なお、図中符号38はウォータドレンパイプであ
る。
【0020】したがって、フューエルコック30のオン
切換時には、タンクボディ28内の燃料がフューエルポ
ンプ37の作用で、フューエルオンパイプ31を経てフ
ューエルコック30のオン切換ポートからフューエル吐
出パイプ35へ至り、キャブレタへ導かれる。また、フ
ューエルコック30のリザーブ切換時には、タンク室2
9Aおよび29Bに貯溜された残留燃料がフューエルポ
ンプ37の作用で、フューエルリザーブパイプ32の吸
込パイプ33および導出パイプ34を経て、フューエル
コック30のリザーブ切換ポートからフューエル吐出パ
イプ35へ至り、キャブレタへ導かれる。また、フュー
エルコック30のオフ切換時には、タンクボディ28か
らフューエル吐出パイプ35への燃料の吐出が阻止され
る。
【0021】上記実施例によれば、フューエルリザーブ
パイプ32の吸込パイプ33がタンクボディ28のタン
ク室29Aおよび29B内に延びているので、このフュ
ーエルリザーブパイプ32を用いてタンク室29Aおよ
び29B内に貯溜された残留燃料を外部へ導くことがで
きる。この結果、フューエルコック30のリザーブ切換
時にタンクボディ28内に貯溜された残留燃料を全て使
用できる。
【0022】また、タンクボディ28のタンク室29A
および29Bがタンクボディ28内に配設されたフュー
エルリザーブパイプ32を用いてフューエルコック30
に連結されたので、上記タンクボディ28のタンク室2
9Aおよび29Bを、タンクボディ28外に配設される
従来の連結ホース6(図5)等を用いて連結する必要が
ない。このため、燃料タンク26の着脱時に連結ホース
6を取り外す必要がなく、さらに、この取外しに伴う燃
料の漏洩対策を施す必要もない。この結果、燃料タンク
26の着脱を容易に実施できる。
【0023】さらに、燃料タンク26の外部に連結ホー
ス6(図5)が配設されていないので、燃料タンク26
の外観が良好なばかりか、事故時に連結ホース6が外れ
るおそれがなく、安全性も高い。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、フ
ューエルオンパイプの燃料タンク内に延在する内側開口
端を、燃料タンク内の左右のタンク室に分岐し始める前
の凹部の上面近傍高さで開口させており、左右のタンク
室の一方の内部には、開口させていないので、切換コッ
クをオンポート側に切り換えた場合には、燃料タンク内
の凹部上面近傍の高さの燃料まで外部のキャブレタ等へ
導かれ、左右のタンク室の一方内の燃料が外部に導かれ
ることもないので、燃料タンク内の左右の燃料の残量の
偏りと、その偏りによる重量バランスの左右の不均衡と
を防止することができる。また、左右のタンク室を吸込
パイプで連通させると共に、この吸込パイプが左右のタ
ンク室の内底面近傍に延伸する左右両端部の開口端を左
右ほぼ等しい高さで開口させているので、切換コックを
リザーブポート側に切り換えた場合においても、吸込パ
イプにより左右のタンク室内の燃料をほぼ均等に外部へ
導くことができるので、左右のタンク室内の燃料の残量
の偏りを自動的に調整することができる。このために、
車両の左右の重量バランスが一方に偏倚して乗り心地を
損うことを未然に防止できる。すなわち、本発明によれ
ば、切換コックをオンポート側に切り換えた場合と、リ
ザーブポート側に切り換える場合の両者において、燃料
タンクの重量バランスの左右の不均衡を共に防止できる
ので、車両の乗り心地を向上させることができる。さら
に、吸込パイプの湾曲中央位置に導出パイプを接続した
ので、吸込パイプ内の空気を導出パイプにより速やかに
排出できる上に、左右のタンク室内にそれぞれ延伸する
吸込パイプの左右両側部の通路抵抗を等しくして、これ
ら両側部から導出する燃料導出流をほぼ等しくし、左右
のタンク室内の燃料の残量の偏りを防止できる。また、
吸込パイプの逆U字形湾曲部のほぼ中央部を燃料タンク
の凹部の頂面が最も近い燃料タンクの後部に配置するこ
とにより、導出パイプが連結された吸込パイプの中央位
置と、吸込パイプの両側部の両開口部との距離Lを極力
小さい値に設定しているので、フューエルポンプの揚程
を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る自動二輪車の燃料タンクの一実
施例を示す側面図。
【図2】図1の燃料タンクが設置された自動二輪車を示
す側面図。
【図3】図1の燃料タンクの平面図。
【図4】図1のIV−IV線に沿う断面図。
【図5】従来の自動二輪車の燃料タンクを示す斜視図。
【符号の説明】
26 燃料タンク 27 凹部 28 タンクボディ 29A,29B タンク室 30 フューエルコック 31 フューエルオンパイプ 32 フューエルリザーブパイプ 33 吸込パイプ 34 導出パイプ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンクボディの底部に凹部を形成してこ
    の凹部の左右にタンク室を分割形成した燃料タンクを、
    その凹部が後下方に向って下がり傾斜に延在するタンク
    レール上に位置して上記左右のタンク室が跨るように配
    設した自動二輪車の燃料タンクにおいて、 上記タンクボディ内に、フューエルオンパイプとフュー
    エルリザーブパイプとを配設し、 上記フューエルオンパイプは、 そのタンクボディから外部に延在する外端部を切換コッ
    クのオン切換ポートに接続する一方、上記左右のタンク
    室の一方内に延在する内側開口端を、上記タンクボディ
    の凹部の上面近傍高さで開口させることにより構成さ
    れ、 一方、上記フューエルリザーブパイプは、 上記左右のタンク室内を連通するほぼ逆U字形の吸込パ
    イプを配設すると共に、この逆U字形湾曲部のほぼ中央
    部を、上記凹部の頂面が最も低い燃料タンクの後部に配
    置し、上記左右のタンク室の各内底面にそれぞれ向って
    延出する上記吸込パイプの両側部の両端を、上記フュー
    エルオンパイプの内側開口端よりも低い位置かつ左右ほ
    ぼ等しい高さで開口させると共に、これら各開口端から
    上記吸込パイプのほぼ中央部までの距離を極力小さく設
    定する一方、この吸込パイプの上記湾曲中央位置に導出
    パイプを連通自在に接続し、この導出パイプの上記タン
    クボディから外部に延出する外端部を上記切換コックの
    リザーブ切換ポートに接続することにより構成され、 上記切換コックのオン切換時に上記フューエルオンパイ
    プにより上記タンクボディ内の燃料を外部へ導く一方、
    切換コックのリザーブ切換時に上記左右のタンク室内の
    燃料を外部へ導くように構成したことを特徴とする自動
    二輪車の燃料タンク。
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DE102019112741B3 (de) 2019-05-15 2020-05-20 Ktm Ag Kraftstofftankanordnung mit mindestens zwei getrennten Tankkörpern
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