JP3141129B2 - 反射防止膜を有するプラスティックフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

反射防止膜を有するプラスティックフィルムおよびその製造方法

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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
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  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレイ
(LCD)、テレビ・コンピュ−タ−のブラウン管(カ
ソ−ドレイテュ−ブ、すなわちCRT)その他の表示画
面などの前面に装着され、優れた反射防止性能を有する
プラスティックフィルム光学物品に関する。さらにはデ
ィスプレイ面との接着性が良好で、装着しやすくしかも
装着後剥離や目的である反射防止性能の耐久性の良好な
反射防止性を有するるプラスティックフィルムに関す
る。また、この反射防止性を有するるプラスティックフ
ィルムが装着されたLCDやCRTなどディスプレイ装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的には液晶表示板(LCD)、テレ
ビ・コンピュ−タ−のブラウン管(CRT)の表示画面
はガラスである場合が多く、従来はそのガラス面に反射
防止能を付与することで背後光原の反射による障害を避
けてきた。しかし数十cm四方の大きさで、しかも曲面
を持つCRTのようなガラス面に、以下に示すような高
真空中で、金属酸化物や誘電体からなる多層膜を蒸着さ
せて反射防止膜を作るというような生産方式は設備的に
大掛かりとなり、経済性の面では好ましくなかった。か
かる状況で、反射防止性能を有するプラスティックフィ
ルムを用意し、それを表示板ガラス面に装着することが
行われるようになった。しかし、プラスティックフィル
ムとガラスなどディスプレイ面との接着性不良の問題が
あり、装着面および耐久性の点から問題があった。
【0003】特開平1-307701には、プラスティックフィ
ルム表面上の反射防止層形成用薄膜を接着剤層を介して
透明基盤と接着した後、プラスティックフィルムを剥離
することによって、反射防止を目的とする部品、装置表
に形成する方法と反射防止層形成用フィルムが提案さ
れている。しかしこれにおいても、接着の装着性や密着
の耐久性に関しては考慮がなされていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、上
記,製品の取扱いおよび使用段階での問題に対し、従来
技術の範囲では未解決の問題点を解決し、種々のディス
プレイに装着されて使用目的に対して必要十分な反射防
止性能を持ち、しかも経済的にも装置全体の製造費用を
安価にすることができる反射防止膜を有するプラスティ
ックフィルムおよびその製造方法を提供することであ
る。
【0005】すなわち、本発明が目的とする反射防止膜
を有するプラスティックフィルムは、特に、通常のディ
スプレイ装置画面の表面部材であるガラスあるいはポリ
エステル、ポリカ−ボネ−ト、ポリアセテ−ト、ポリメ
タクリル樹脂などの高分子樹脂と、適切な接着剤で接着
したとき、良好な接着性が発現できるものであることが
望まれ、一般には、上記の種々の材料との接着強度が、
500g/25mm以上であることが望れる。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の本発明の目的は、
下記(1)〜(9)の発明によって工業的に有利に達成
された。
【0007】(1)厚みが50〜250μmのポリエチ
レンテレフタレ−トを主成分とする樹脂からなるフィル
ム基材の片面に反射防止膜が形成され、もう一方の面に
は、接着剤を介して接着させるための厚みが0.1〜2
μmの易接着層が形成された反射防止膜を有するプラス
ティックフィルム。
【0008】(2)易接着層がポリエステル樹脂からな
る上記(1)記載の反射防止膜を有するプラスティック
フィルム。ポリエステル樹脂としては、架橋成分で変性
された2次転移点が10〜50℃のポリエステル樹脂が
好ましく用いられる。
【0009】(3)反射防止膜が、エレクトロンビ−ム
加熱方式による蒸着方式によって成膜されてなる上記
(1)もしくは(2)記載の反射防止膜を有するプラス
ティックフィルム。
【0010】(4)反射防止膜が、フィルム基材の屈折
率より高い屈折率の透明な金属酸化物からなる層と、フ
ィルム基材の屈折率より低い屈折率の透明な金属酸化物
の層の組み合わせからなる多層膜である上記(1)〜
(3)のいずれかに記載の反射防止膜を有するプラステ
ィックフィルム。
【0011】(5)多層の反射防止膜の第1層とフィル
ム基材の間に、厚み1μm〜7μmの耐擦過性を有し、
その鉛筆硬度が2H以上であるハ−ドコ−ト層が設けら
れている上記(1)〜(4)のいずれかに記載の反射防
止膜を有するプラスティックフィルム。
【0012】(6)ハ−ドコ−ト層とフィルム基材の間
に、厚みが0.1〜2μmの樹脂コ−ト層が形成されて
いる上記(5)記載の反射防止膜を有するプラスティッ
クフィルム。
【0013】(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記
載の反射防止膜を有するプラスティックフィルムを、反
射防止膜側が外側になるように、紫外線硬化型樹脂接着
剤で、易接着層とディスプレイ面を接着してなるカソ−
ドレイテュ−ブ。
【0014】(8)上記(1)〜(6)のいずれかに記
載の反射防止膜を有するプラスティックフィルムを、反
射防止膜側が外側になるように、紫外線硬化型樹脂接着
剤で、易接着層とディスプレイ面を接着してなる液晶デ
ィスプレイ。
【0015】(9)ポリエチレンテレフタレ−トを主成
分とする樹脂からなるフィルムの製膜時に、インライン
方式で、フィルムの両面に架橋成分で変成された2次転
移点が10〜50℃で厚みが0.1〜2μmの易接着層
を形成し、一方の面に厚み1μm〜7μmの耐擦過性を
有する鉛筆硬度が2H以上であるハ−ドコ−ト層を形成
し、ハ−ドコ−ト層の上に、フィルムの屈折率より高い
屈折率の透明な金属酸化物からなる層と、プラスティッ
クフィルムの屈折率より低い屈折率の透明な金属酸化物
の層の組み合わせからなる多層膜反射防止膜を形成する
ことからなる反射防止膜を有するプラスティックフィル
ムの製造方法。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、上記(1)〜(9)項の
各項の内容について詳しく説明する。
【0017】本発明においてプラスティック製フィルム
基材としては、可視光線を透過できる透明性があり、そ
の表面に、以下に示すような反射防止膜を構成する2〜
6層程度の金属酸化物を蒸着などの手段で形成し、また
ディスプレイ前面に接着する工程に耐える熱的、機械
的、形態的安定性のあるものである必要がある。本発明
においては、これらの特性の面と経済性のバランスの面
から、ポリエチレンテレフタレ−トを主体とする樹脂を
使用する。このプラスティック製フィルム基材の厚みは
50〜250μmである必要がある。50μm未満で
は、機械的、形態的安定性に難点があり、また250μ
mを超えるとディスプレイなどに対する装着性が悪くな
り、それぞれ好ましくない。場合によっては、ディスプ
レイの使用目的やデザイン設計の点から、これらのフィ
ルムまたはシ−トは原着や染色によって着色されたもの
も可視光線透過率の許容できる範囲で好ましく使われ
る。
【0018】また本発明の製品をディスプレイなどに装
着する場合、一般的には片面に反射防止膜を形成し、他
の面とディスプレイを密着させて使用するために、その
結合面の接着性をよくするために化学的処理を施すもの
である。さらには物理的表面処理(コ−ティング、コロ
ナ放電処理など)を施すことも好ましい。
【0019】本発明の、反射防止膜を有するプラスティ
ックフィルムは、LCDやCRTの前面に装着して使用
することが本発明の主旨であることから、当然ながらプ
ラスティックフィルムの反射防止膜の形成されていない
裏面とLCDやCRTの表面部材との接着が重要な問題
となる。種々検討の結果、LCDやCRTの表面部材で
ある硝子、ポリエステル、ポリカ−ボネ−ト、ポリアセ
テ−ト、ポリメタクリル樹脂などの種々の高分子樹脂面
と良好な接着性を得るために、特定の化学組成と物性を
供えた、適切な厚みの易接着層をプラスティックフィル
ムの反射防止膜の形成されていない裏面に設けて、透明
な接着剤を用いて、この面と上記LCDやCRTの表面
部材と接着することが、密着性能、その耐久性、そして
広い範囲での適応性の点から最も好ましいことを見出し
【0020】ポリエチレンテレフタレ−トを主体とする
樹脂からなるベ−スフィルムに対応して、易接着層とし
ては、ポリエステル樹脂が望ましい。しかしポリエチレ
ンテレフタレ−ト骨格が主体の高分子では、剛直すぎて
充分な接着性を発現できない。脂肪族を主体とするポリ
エステル樹脂がポリエチレンテレフタレ−トベ−スとも
またLCDやCRTの表面部材とも良好な接着性を発現
できる。適度な剛直柔軟性と接着性を発現するために、
エステル基やその生成反応前段階のヒドロキシル基と反
応しうるメラミン、グアナミン、グアニジン、ポリ尿素
系統の架橋成分を加えて、2次転移点が10〜50℃に
なるように変成したポリエステル樹脂が最も好ましい。
この易接着層の厚みは、0.1〜2μmの範囲が好まし
く、0.1μm以下では充分な接着性が得られず、また
ある程度厚すぎても接着性の効果は飽和して意味がな
い。
【0021】この易接着層は、ポリエチレンテレフタレ
−トフィルムを製造した後、本ポリエステル樹脂の溶液
を塗布、乾燥して成膜してもよいし、またポリエチレン
テレフタレ−トフィルムを製造するときに同時に、イン
ラインで成膜してもよい。後者のほうが好ましい。
【0022】また、次に説明する如く、反射防止膜層と
ベ−スであるポリエチレンテレフタレ−トフィルムの層
間にハ−ドコ−ト層を設ける場合には、ハ−ドコ−ト層
とポリエチレンテレフタレ−トフィルムの層間に、厚み
が2μm以下の樹脂被膜を設けることが好ましいが、こ
の樹脂被膜も上記の2次転移点が10〜50℃になるよ
うに変成したポリエステル樹脂であることが望ましい。
ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのを製造時に表裏
同時にインライン成膜してもよい。
【0023】ハ−ドコ−ト層は、本発明の製品の表面
を、ディスプレイが使用される状態で、本来的には目的
とはしない物品との接触(鉛筆、シャ−ペンシル先端、
爪など)や、また表面を拭いて清浄化するときの摩擦に
よる傷の発生を抑えるためのものである。表面硬度の表
現方法は種々あるが、鉛筆硬度が便利に使われ、少なく
とも2H以上の硬度が好ましい。本来、以下に説明する
本発明の、各種酸化物で構成される反射防止膜自体は充
分硬いものであるが、以下に示すようにその厚みは多層
全体でも0.5μm以下であり、これの下に一般の硬度
の低い20μm以上の厚みのあるプラスティックフィル
ム基材が存在する場合、上記の種々の傷発生原因に対し
てはほとんど効果がない。傷防止の効果を発揮するため
にかなりの厚みを必要とするハ−ドコ−ト層を反射防止
膜の外側に設けることは、反射防止の原理から不可能で
ある。したがって、ハ−ドコ−ト層をフィルム基材と反
射防止膜の間に設けることになる。この厚みは、傷の付
きにくい表面硬度を発揮するために最小限の厚みとして
一般には2μm以上必要であり、厚すぎるとフルム全体
としての柔軟性をなくしたり、また光学特性の点からも
障害原因となりやすいので7μm以下が望ましい。
【0024】ハ−ドコ−ト層の化学的組成としては、ポ
リオルガノシロキサン、シリカ、アルミナなどの無機酸
化物系あるいは有機アクリル系いずれでもよい。またこ
れらのハ−ドコ−ト層の成膜方法としては、真空蒸着方
式も溶液の塗布/乾燥によるいわゆるウヱット・コ−テ
ィング方式など、通常行われているいずれの方式も可能
である。しかし、上記のように一般には2μm以上の厚
みが必要であるので、ウヱット・コ−ティング方式によ
る方が好ましい。その場合は、有機アクリル系が選択し
やすく、メタクリル酸などのアクリル化合物と多官能グ
リコ−ルとのエステル化合物を架橋させて成膜する方法
が好ましく使用される。
【0025】ハ−ドコ−ト層と基材フィルムとの接着性
を高めるために、2μm以下程度の薄いアンカ−コ−ト
層を設けることも好ましく行われる。その場合には、ア
クリル系あるいはポリエステル系樹脂を用いて、基材フ
ィルムの製造時でのインライン方式またはオフライン方
式によるのが望ましい。
【0026】次に反射防止膜の成膜について説明する。
一般的な多層反射防止膜の原理とその成膜方法について
はすでに公知であり、種々の目的に応じて多種多様の方
法と実施例が紹介されている。その余りに多くの公知技
術の例を列挙することは意味が無いが、基本的には、基
材フィルムの、またアンカ−コ−ト層やハ−ドコ−ト層
がある場合は、アンカ−コ−ト層やハ−ドコ−ト層を含
めた基材フィルムの屈折率より、小さい屈折率をもつ透
明な化合物、好ましくは金属酸化物と、基材フィルムの
屈折率より大きい屈折率をもつ透明な化合物、好ましく
は金属酸化物の層を、全体の反射率を極小に近い値にす
るように設計された光学的膜厚み(屈折率nと絶対厚み
dの積)で構成することからなる。そのときに、使用さ
れる目的、許容される生産のための費用、生産のために
採用できる成膜の方法によって、具体的な多層の構成内
容が異なってくる。しかしながら、反射防止膜の成膜が
エレクトロンビーム加熱方式による蒸着方式によって行
われるのが好ましい。
【0027】本発明の最も好ましい態様として、さら
に、反射防止膜の上に、厚みが1nm〜20nmの範囲
の、水の接触角が90deg以上である撥水性の透明層
が設けられている反射防止膜を有するプラスティックフ
ィルムが挙げられる。この目的は、本発明による製品
が、ディスプレイ表面に装着されて使用される場合に、
本来の使用目的ではない、いろいろな使用環境に置かれ
て、表面が汚れ難くするためである。よごれの原因物質
としては、口紅、コ−ヒ−、マジックインキ、マヨネ−
ズ、……などを想定して撥水性、撥油性の被膜を設ける
ことによってもくてきは達成される。この撥水性、撥油
性の被膜の具体的な製膜方法としては、種々の方法が有
り得るが、例えば、特開平6−122776に示される
ようなフルオロアルキルシランなどの表面エネルギ−の
小さい化合物を、反射防止膜層の最外層表面で化学結合
によって高分子化被膜する方法が挙げられる。汚れ防止
性能の尺度として、水の接触角を用いるのが便利であ
り、水の接触角が90deg以上であるときに、上記の
ような汚れ原因に対して効果があり、顕著な汚れ防止効
果が発揮できる。より具体的な被膜方法と効果について
は、実施例の項で記載する。 こうして得られた本発明
による反射防止膜を有するプラスティックフィルムは、
目的とする反射防止性能を供えていることはもちろんで
あるが、LCDやCRTの前面に装着して良好な装着性
と使用耐久性が具備されている。本発明による反射防止
膜を有するプラスティックフィルムをLCDやCRTに
適用する場合、易接着層とLCDやCRTのディスプレ
イ面を紫外線硬化型樹脂接着剤で接着することが好まし
い。
【0028】本発明による反射防止膜を有するプラステ
ィックフィルムは、表面に傷が尽きにくい適度な表面硬
度、さらには撥水性の被膜を設けた場合には、高い汚れ
防止性を供えているだけではなく、膜物性として実用に
耐える密着性、耐候性、耐摩耗性、耐クラック性なども
兼ね備えている。
【0029】
【実施例】以下に本発明の態様を実施例をもって説明す
るが、これによって限定されるものではない。
【0030】[実施例1]ベ−スフィルムには、製膜時
にインラインで、固形重量で15%のトリメチロ−ルメ
ラミンを添加した脂肪族骨格を主体とした2次転移点が
約23℃のポリエステル樹脂を両面に、0.4μmの厚
みに成膜した188μmポリエチレンテレフタレ−ト
(以下PETと略称)フィルムを用いた。ハ−ドコ−ト
層は、PETフィルムの片面に多官能アクリレ−ト(エ
リスリト−ル系、ポリエステル系、ヒドロキシプロピル
系の混合物)、表面平滑活剤(ポリシロキサン)、光開
始剤(フェニルケトン化合物)のトルエン、メチルエチ
ルケトン混合溶媒の溶液を塗布し、乾燥後、UV照射に
より架橋反応を完結させることにより、鉛筆硬度3H
の、厚み3.5μmの層を形成させた。
【0031】反射防止膜の形成は、ハ−ドコ−ト層の上
に、ITO、SiO2 、ITO、SiO2 の順に4層す
べてを、EB(電子銃)加熱を蒸発エネルギ−源とする
真空蒸着装置を用いて、部分的にRFイオンプレ−ティ
ング方式併用で、各層の膜厚みを光学膜厚(n×d)を
オンラインで計測制御しながら製膜した。
【0032】撥水層の製膜は、(ヘプタデカフロロ−
1,1,2,2−テトラヒドロデシル)−1−トリメト
キシシランを蒸発気化して、真空装置内に放電電極に1
00Wの高周波プラズマを発生させた環境に導入し、反
射防止膜を成膜した上記フィルム表面上に約20オング
ストロ−ムの厚みに反応成膜させることによって行っ
た。得られた物の接触角は108度であった。
【0033】[実施例2]実施例1で得た反射防止膜を
有するプラスティックフィルムを、紫外線硬化型アクリ
ル系接着剤を用いてCRTガラス面に接着して、パソコ
ン画面を映像し、ディスプレイ画面を処理する作業を行
った。この反射防止膜を有するプラスティックフィルム
を無理に剥離しようとしても容易には剥離できず、密着
強度は1900g/25mmで充分に高かった。平行試
料としてガラス板に同じように、本発明の反射防止膜を
有するプラスティックフィルムを貼りつけて、−40〜
60℃、20〜98%RHの環境範囲の組み合わせとそ
れらの環境下の繰り返し保持の試験を行ったが、ガラス
面との剥離も、またPETフィルムとハ−ドコ−ト層の
間の剥離もまったく認められなかった。
【0034】[比較例]フィルム裏面(反射防止膜の形
成されていない面)にメラミン変成された樹脂層の被膜
のない反射防止膜を有するプラスティックフィルムを同
じ接着剤で接着しようとしたがCRTのガラス曲面に充
分な接着性が得られずしように耐える装着はできなかっ
た。種々の接着剤についても検討したが、良好なものは
見出だせなかった。
【0035】[実施例3]実施例1で得た反射防止膜が
片面に形成されたポリエステルフィルムの、反射防止膜
の上に、(ヘプタデカフロロ−1,1,2,2−テトラ
ヒドロデシル)−1−トリメトキシシランを蒸気とし
て、真空装置内に放電電極に100Wの高周波プラズマ
を発生させた環境に導入し、厚みが約40Aの撥水防汚
層を形成した。このフィルムを、反射防止膜/撥水防汚
層の形成されている面が外側になるように、屈折率がC
RTのガラストほぼ同一の多官能アクリル系接着剤を用
いて、15インチCRTに装着した。このCRTを使用
したパソコン画面は、作業者背後の写り込み(反射像)
が極めて少なく、またディスプレイ前面の電磁波はほと
んど検知されず、作業者は安心して長時間作業を疲労間
なく継続できた。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明による光学
物品であるフィルムは、特許請求の範囲の構成を持つこ
とにより、つぎのような優れた効果を発揮することがで
きる。すなわち、各種ディスプレイに装着したときに、
ディスプレイ使用者の目の疲労を防止し、しかも表面に
傷が尽きにくく、しかも手の汗や生活用品による表面汚
れが付きにくく、拭き取りやすい特徴を持つ。また本発
明の物品は、フィルム製品であるために、ガラスなど直
接には反射防止処理を安価に施しにくい各種ディスプレ
イに、易接着層を介して、確実に装着使用することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G02F 1/1335 C23C 14/20 A // C23C 14/20 G02B 1/10 A (56)参考文献 特開 昭52−15580(JP,A) 特開 平7−27902(JP,A) 特開 平5−303004(JP,A) 特開 平7−98401(JP,A) 特開 平8−193140(JP,A) 実開 平4−48243(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 G02B 1/10 - 1/12 G02F 1/1335 - 1/13363

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚みが50〜250μmのポリエチレンテ
    レフタレ−トを主成分とする樹脂からなるフィルム基材
    の片面に反射防止膜が形成され、もう一方の面には、
    着剤を介して接着させるための厚みが0.1〜2μmの
    易接着層が形成された反射防止膜を有するプラスティッ
    クフィルム。
  2. 【請求項2】易接着層がポリエステル樹脂からなる請求
    項1の反射防止膜を有するプラスティックフィルム。
  3. 【請求項3】易接着層が、架橋成分で変性された2次転
    移点が10〜50℃のポリエステル樹脂からなる請求項
    1記載の反射防止膜を有するプラスティックフィルム。
  4. 【請求項4】反射防止膜が、エレクトロンビ−ム加熱方
    式による蒸着方式によって成膜されてなる請求項1〜3
    のいずれかに記載の反射防止膜を有するプラスティック
    フィルム。
  5. 【請求項5】反射防止膜が、フィルム基材の屈折率より
    高い屈折率の透明な金属酸化物からなる層と、フィルム
    基材の屈折率より低い屈折率の透明な金属酸化物の層の
    組み合わせからなる多層膜である請求項1〜のいずれ
    かに記載の反射防止膜を有するプラスティックフィル
    ム。
  6. 【請求項6】多層の反射防止膜の第1層とフィルム基材
    の間に、厚み1μm〜7μmの耐擦過性を有し、その鉛
    筆硬度が2H以上であるハ−ドコ−ト層が設けられてい
    る請求項1〜のいずれかに記載の反射防止膜を有する
    プラスティックフィルム。
  7. 【請求項7】ハ−ドコ−ト層とフィルム基材の間に、厚
    みが0.1〜2μmの樹脂コ−ト層が形成されている請
    求項記載の反射防止膜を有するプラスティックフィル
    ム。
  8. 【請求項8】請求項1〜のいずれかに記載の反射防止
    膜を有するプラスティックフィルムを、反射防止膜側が
    外側になるように、紫外線硬化型樹脂接着剤で、易接着
    層とディスプレイ面を接着してなるカソ−ドレイテュ−
    ブ。
  9. 【請求項9】請求項1〜のいずれかに記載の反射防止
    膜を有するプラスティックフィルムを、反射防止膜側が
    外側になるように、紫外線硬化型樹脂接着剤で、易接着
    層とディスプレイ面を接着してなる液晶ディスプレイ。
  10. 【請求項10】ポリエチレンテレフタレ−トを主成分と
    する樹脂からなるフィルム基材の製膜時に、インライン
    方式で、フィルムの両面に架橋成分で変成された2次転
    移点が10〜50℃で厚みが0.1〜2μmの易接着層
    を形成し、一方の面に厚み1μm〜7μmの耐擦過性を
    有する鉛筆硬度が2H以上であるハ−ドコ−ト層を形成
    し、ハ−ドコ−ト層の上に、フィルム基材の屈折率より
    高い屈折率の透明な金属酸化物からなる層と、フィルム
    基材の屈折率より低い屈折率の透明な金属酸化物の層の
    組み合わせからなる多層膜反射防止膜を形成することか
    らなる反射防止膜を有するプラスティックフィルムの製
    造方法。
JP08024634A 1996-01-18 1996-01-18 反射防止膜を有するプラスティックフィルムおよびその製造方法 Expired - Fee Related JP3141129B2 (ja)

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