JP3140799B2 - 出鋼温度の管理方法 - Google Patents

出鋼温度の管理方法

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Landscapes

  • Vertical, Hearth, Or Arc Furnaces (AREA)
  • Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)
  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、転炉や電気炉などの製
鋼炉で製造した溶鋼の出鋼温度の目標値の精度を高め、
必要最低限の温度に設定する精度を高めることにより出
鋼温度そのものを低減させる出鋼温度管理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】製鋼工程では一般に、転炉や電気炉など
の製鋼炉で製造された高温の溶鋼は取鍋に移され、RH
脱ガス等の二次精処理後、タンディッシュ、鋳型を経
て連続鋳造鋳片とされる。その際、安定した操業を確保
し、連続鋳造鋳片の品質低下を防ぐうえで取鍋から出鋼
される溶鋼を所定の温度に管理することが重要である。
【0003】出鋼温度は従来、各鋼種ごとに設定した成
分から算出される液相線温度を基にし、これに取鍋〜タ
ンディッシュ間の自然降温、二次精処理中の降温、運
搬時における降温、出鋼時及び二次精時に添加される
合金鉄による降温、出鋼時の自然降温等を加算し、目標
出鋼温度を算出している。従来のこうした降温加算方式
では、取鍋の奪熱による降温が標準的なものとして一義
的に決められており、実操業においては受鋼直前まで取
鍋を予熱するなどして取鍋の含熱量のバラツキを極力押
え、一定の状態を確保するようにして受鋼しているが、
取鍋ごとに耐火物の溶損状況、受鋼、空鍋時間等の熱履
歴が異なるために常に一定の熱的状況の取鍋を確保する
のは非常に困難である。
【0004】この問題を解決するために近年、受鋼直前
に取鍋耐火物の温度を計測し、取鍋耐火物の奪熱による
降温を考慮した出鋼温度の管理方法が提案されている
(特開昭62−297411号、特開平1−24631
3号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、耐火物
の温度挙動を把握するため、レンガの内部の温度を温度
センサーにて測温したところ予熱はレンガ表面のみが加
熱されるだけで、出鋼〜鋳造までの温度降下ΔTに与え
る影響が軽微であること、受鋼直後の温度分布が上記温
度降下ΔTに大きな影響を与え、これが前チャージ或い
はそれ以前のチャージの受鋼時間と空鍋時間のバランス
によりほゞ一義的に決まり、受鋼時間が空鍋時間より長
ければ、耐火物の含熱量が大きいため温度降下ΔTが相
対的に小さく、逆に短かければ含熱量が小さいため温度
降下ΔTが相対的に大きいことなどを知見した。
【0006】本発明は、この知見に基づいてなされたも
ので、取鍋の熱履歴について、鋼種、連々比、定期補修
後の取鍋回転数などの条件に応じてよりきめ細かく取鍋
の奪熱降温量を推測し、またΔTの実績値による補正を
取鍋単位で行うことにより、降温予測の精度向上を図
り、以って出鋼温度をより精度よく管理できるようにし
ようとするものである。
【0007】
【課題の解決手段】本発明は、そのため製鋼炉から出鋼
される出鋼温度を、取鍋からタンディッシュまでの自然
降温量、二次精錬処理中の降温量、運搬時間における降
温量、出鋼時及び二次精錬時に添加される合金鉄による
降温量、取鍋の奪熱による降温量、出鋼時の自然降温量
等の温度降下を考慮して設定するに際し、取鍋の奪熱に
よる降温のばらつきを、連々比、定期補修、取鍋の回転
数等の条件ごとに受鋼時間と空鍋時間に応じて予め設定
された温度補正量を用いることによって求めるようにし
たことを特徴とするものである。
【0008】別の発明は、製鋼炉から出鋼される出鋼温
度を、取鍋からタンディッシュまでの自然降温量、二次
精錬処理中の降温量、運搬時間における降温量、出鋼時
及び二次精錬時に添加される合金鉄による降温量、取鍋
の奪熱による降温量、出鋼時の自然降温量等の温度降下
を考慮して設定するに際し、連々比、定期補修、取鍋の
回転数などの条件ごとに出鋼から鋳造までの温度降下Δ
Tの予測計算値と実績値の残差を学習項として取鍋ごと
に補正するようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】出鋼から鋳造までの温度降下ΔTは、次式によ
って算出される。 ΔTcal =ΣAi ・(各工程の所要時間)+ΣBj ・(合金鉄投入量)+C ・・・(1) ここでAi は温度勾配、Bj は冷却能、Cは図1に示す
ような受鋼時間と空鍋時間についての補正テーブル1か
ら求められる取鍋の奪熱による降温補正値で、通常前の
チャージの受鋼時間と空鍋時間から求められる。
【0010】補正テーブルは鋼種、連々比、定期補修な
いし新鍋、鍋の回転ごとに作成され、取鍋の奪熱による
降温Cはこれら条件別補正温度Ck の和からなる。した
がって温度降下ΔTは次のように表される。 ΔTcal =ΣAi ・(各工程の所要時間) +ΣBj ・(合金鉄投入量) +ΣCk ・・・(2) また学習項ΔEi は(2)式で求めたΔTcal と実績値
ΔTobs との差、すなわちΔEi =ΔTobs −ΔTcal
として表される。ここで実績値ΔTobs は出鋼から鋳造
までの溶鋼の温度低下の実績値であり、連鋳タンディッ
シュで実測した温度で計算される。ΔTobs が計算され
ると、その時点で学習項ΔEi が更新される。
【0011】したがってこの発明における温度降下ΔT
は、 ΔTcal =ΣAi ・(各工程の所要時間) +ΣBj ・(合金鉄投入量) +ΣCk + ΔEi ・・・(3) として算出される。図2は本発明方法で用いるシステム
の一例を示すもので、プロセスコンピュータ2には各チ
ャージごとに各工程の所要時間、合金鉄投入量、鋼種、
連々比、定期補修ないし新鍋であるか否か、鍋回転数、
出鋼時と鋳造時における鋼種の計測値等のデータが逐次
入力され、マイコン3に送信されるようになっており、
マイコン3には、出鋼時間、二次精錬時間、取鍋〜タン
ディッシュ時間、運搬時間などの各工程における温度勾
配、合金鉄による冷却能、温度降下ΔTの計算式等が格
納されるとともにプロセスコンピュータ2から得られた
データより蓄積された取鍋奪熱による温度降下のデータ
ベース、すなわち図1に示すような補正テーブルが格納
され、またこれらデータとプロセスコンピュータ2から
得られたデータとにより上記計算式に基づいてΔTの演
算を行うようになっている。そしてその結果が各チャー
ジごとにプロセスコンピュータ2に送られ、プロセスコ
ンピュータ2は鋳造必要温度にマイコン3によって算出
された温度降下ΔTを加えた出鋼温度を算出し、それを
CRT4に表示するようにしてある。
【0012】
【発明の効果】本発明は以上のように、受鋼時間と空鍋
時間のデータを基本として鋼種、連々比、定期補修や新
鍋、取鍋の回転数等条件に応じて作成された補正テーブ
ルより温度補正量を求め、取鍋の奪熱による降温量を実
態に即して精度よく推定することにより、出鋼温度の設
定精度を高め、出鋼温度そのものを低減させることがで
きる。
【0013】また出鋼から鋳造までの温度降下の計算値
と実績値の残差を学習項として取鍋ごとに補正するよう
にすれば、出鋼温度の設定精度をより一層高めることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】補正テーブルを示す図。
【図2】本発明方法で用いるシステムの構成図。
【符号の説明】
2・・プロセスコンピュータ 3・・マイコン 4・・CRT
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21C 5/46,7/00 F27B 1/26 B22D 11/18 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】製鋼炉から出鋼される出鋼温度を、取鍋か
    らタンディッシュまでの自然降温量、二次精錬処理中の
    降温量、運搬時間における降温量、出鋼時及び二次精錬
    時に添加される合金鉄による降温量、取鍋の奪熱による
    降温量、出鋼時の自然降温量等の温度降下を考慮して設
    定するに際し、取鍋の奪熱による降温量のばらつきを、
    連々比、定期補修、取鍋の回転数等の条件ごとに受鋼時
    間と空鍋時間に応じて予め設定された温度補正量を用い
    ることによって求めるようにしたことを特徴とする出鋼
    温度の管理方法。
  2. 【請求項2】出鋼から鋳造までの温度降下の予測計算値
    と実績値の残差である学習項を取鍋ごとに加算する請求
    項1記載の出鋼温度の管理方法。
  3. 【請求項3】製鋼炉から出鋼される出鋼温度を、取鍋か
    らタンディッシュまでの自然降温量、二次精錬処理中の
    降温量、運搬時間における降温量、出鋼時及び二次精錬
    時に添加される合金鉄による降温量、取鍋の奪熱による
    降温量、出鋼時の自然降温量等の温度降下を考慮して設
    定するに際し、出鋼から鋳造までの温度降下の予測計算
    値と実績値の残差である学習項を取鍋ごとに加算するこ
    とを特徴とする出鋼温度の管理方法。
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