JP3146907B2 - 転炉の吹錬終点制御方法 - Google Patents
転炉の吹錬終点制御方法Info
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Description
よび連続鋳造機を用いる一連のプロセスからなる製鋼プ
ロセスにおける転炉の吹錬終点制御方法に関するもので
ある。
す代表的な実施例の制御ブロック図のように、主とし
て、あらかじめ鋼種別に設定された終点温度、終点炭素
濃度となるように吹錬中のサブランス計測時点から終点
までの吹錬条件(酸素供給量・冷却材投入量)の指示を
実施している。また、転炉終点以降の各プロセスおよび
運搬時の溶鋼温度変動については、吹錬者が各プロセス
スケジュールから推定し、吹錬者の判断にて終点温度の
目標値修正を実施しているのが実状である。
錬炉において、過去の操業要因および予測誤差と当該操
業要因とを考慮した時系列モデル式の予測計算に基づき
フィードバック制御することにより目標値への適中精度
を高める精錬制御方法が提案されている。しかしなが
ら、この方法はあくまで精錬炉単独プロセス系での固定
的な目標値に対する適中精度の向上策であり、下工程
(二次精錬、鋳造)の各プロセスおよび運搬時の要因変
動の影響は考慮されていなかった。
開平01―246313号公報には、取鍋の内壁レンガ
温度に着目し、取鍋の温度降下カーブから各プロセスの
温度降下量を求める方法、および成分に基づく液相線温
度等により決定した目標出鋼温度を取鍋耐火物を測温し
て推定した降温分で補正することにより適正な目標出鋼
温度を決定する方法が提案されている。
して鋼種別に連続鋳造機での鋳込み時点の要求溶鋼温度
により転炉以降の平均的な温度降下量を考慮して決定さ
れる。しかしながら、実際には、各プロセスの設備履歴
による影響ならびに処理ピッチおよび溶鋼運搬時間のば
らつきにより連続鋳造機の鋳込み時点での溶鋼温度は、
そのままでは要求溶鋼温度とは外れたものとなる。この
補償のため、下工程の二次精錬装置等での無駄な昇温ま
たは冷却が必要となり、昇温用Al投入量または冷却材
投入量が増加し、これらの原単位の悪化を招くこととな
る。
うに溶鋼の温度降下量予測に大きな影響を与える出鋼時
間や運搬時間といった時間の予測が考慮されていなかっ
たり、それらの予測精度が不十分であり、吹錬中にリア
ルタイムでかつ高精度に転炉終点溶鋼目標温度を設定す
ることが不可能であった。従来技術では、例えば、転炉
における出鋼孔の断面積がその使用回数が増すに連れて
大きくなるといった転炉構造物の劣化まで考えておら
ず、そのために前記転炉構造物の劣化の影響を強く受け
る出鋼時間の予測精度はかなり不十分なものとなる。
終点温度は安全サイドをみて高目に設定されており、結
果的に必要以上の熱を付与しているために転炉耐火物お
よびO2 原単位を悪くするという問題点があった。
てなされたものであり、転炉吹錬終点以降の溶鋼温度降
下量を予測し、連続鋳造機での鋳込み時点の所定の溶鋼
温度を得るために、転炉終点温度を適正化する制御方法
を提供することを目的とする。
次精錬装置および連続鋳造機(CCM)を有する設備に
おける製鋼プロセスの転炉の吹錬終点制御方法は次の手
順で行うことを特徴とする。
上記転炉、二次精錬装置および連続鋳造機の操業開始予
定時間、操業所要予定時間、運搬時間ならびに過去の転
炉以外の各装置の熱履歴および溶鋼温度昇温量・降下量
実績を収集する。
じて、転炉吹錬終了以後の連続鋳造機鋳込み時点までの
溶鋼温度降下量(△T)を次式により予測する。
始までに生じる溶鋼温度降下量 △TCL:転炉吹錬終了から取鍋受鋼終了までに生じる溶
鋼温度降下量(出鋼時温度降下量) △TLR:取鍋受鋼終了から二次精錬装置での処理開始ま
でに生じる溶鋼温度降下量 (運搬時温度降下量) △TRH:二次精錬装置処理中に生じる溶鋼温度変動量 △TRC:二次精錬装置での処理終了から連続鋳造機での
鋳造開始までに生じる溶鋼温度降下量 前記の予測溶鋼温度降下量(△T)に基づき転炉吹
錬終点での溶鋼目標温度を修正する。
づき転炉の吹錬終点制御を行う。
ッチおよび運搬時間の実績値を前チャージ以前の温度降
下量実績および対象チャージの鋼種、鋳込み目標温度等
から対象チャージの転炉終点以降の温度降下量を予測
し、それに基づき溶鋼目標終点温度を修正し、吹錬終点
制御を行うことにある。なお、この転炉溶鋼目標終点温
度の修正は、転炉吹錬終了以後のプロセスおよび運搬の
状態に変動が生じるたびに行われる。
での吹錬が終了した後、溶鋼は取鍋2に出鋼され二次精
錬装置3まで運搬された後、例えばRHのような二次精
錬装置で二次精錬処理が行われ、さらに溶鋼は連続鋳造
機4まで取鍋で運搬され連続的に鋳込まれる。図4に転
炉終点以降の時刻と溶鋼温度との関係を模式的に示すよ
うに、各プロセスそれぞれにおいて、温度降下(△Tx
x)が発生する。この温度降下量の予測を以下に示すよ
うに定式化する。(1)〜(6)式に示すように連続鋳
造機(CCM)での溶鋼鋳込み目標温度(Tcc)に、予
測した製鋼プロセスで生じる溶鋼温度降下量(△T)を
加算して転炉吹錬終了時および二次精錬装置到着時の溶
鋼目標温度を設定する。なお、溶鋼鋳込み目標温度と
は、製造鋼種により異なる溶鋼凝固温度から予め定めら
れている温度を指す。
関係する溶鋼温度降下要因)(例えば、転炉・取鍋への
伝熱量、輻射放熱量等) ai :各操業要因(転炉出鋼から取鍋受鋼までの時間に
無関係の溶鋼温度降下要因)(例えば、冷却材、合金投
入量等) Bi :各操業要因(受鋼後二次精錬装置到着までの時間
に関係する溶鋼温度降下要因) bi :各操業要因(受鋼後二次精錬装置到着までの時間
に無関係の溶鋼温度降下要因) Ci :各操業要因(二次精錬装置処理中の時間に関係す
る溶鋼温度変動要因) ci :各操業要因(二次精錬処理中の時間に無関係の溶
鋼温度変動要因要因) Di :各操業要因(二次精錬処理後鋳込みまでの時間に
関係する溶鋼温度降下要因) di :各操業要因(二次精錬装置から鋳込みまでの時間
に無関係の溶鋼温度降下要因) time0 :出鋼待ち時間 time1 :出鋼時間 time2 :運搬時間(転炉から二次精錬装置まで) time3 :二次精錬処理時間 time4 :運搬時間(二次精錬装置から連続鋳造機まで) 図1は、本発明方法を実施するための演算装置5の構成
を示すブロック図である。以下に、本発明方法を図1に
より具体的な実施様態に基づいて説明する。
記(7)式により、CCMーRH間運搬時間(time4 )
および温度降下量(△TRC)を予測計算し(S−2
0)、その結果に基づき、一般的なRH脱炭モデル式を
用いてRH到達目標温度、RH処理開始時間ならびに二
次精錬装置処理中に生じる溶鋼温度変動量(△TRH)を
算出する。
を3分割したモデルを用いる。その時、各領域での溶鋼
体積および炭素濃度をVi、Ci (i=1〜3)とする
と、(8)式に基づき、目標炭素濃度になるための二次
精錬処理時間を計算し、その結果と(9)式により、二
次精錬(RH)到達温度(初期温度)を逆算することに
より求める。
各ステップで演算し、上記(1)式に基づき連続鋳造機
(CC)鋳込み温度が要求温度になるよう、転炉終点目
標温度を演算する。この時、二次精錬炉での昇温用Al
投入冷却材投入が0となるように決定することが望まし
い。
プについては以下に示すとおりである。
)は、転炉構造物の一部である出鋼孔の溶損を考慮す
ることにより、すなわち出鋼孔の使用回数が増すに従っ
て、出鋼孔周辺の耐火レンガの溶損により出鋼孔の径が
大きくなるという仮定のもとで、溶鋼の物質収支を用い
ることにより次の(10)式で予測する。
おける予熱開始までに要した時間や予熱時間、予熱前の
待機時での蓋の有無等の操業要因を考慮して、受鋼前の
取鍋温度を次の(11)式で予測する。
した時間 ty :予熱時間 Lk :取鍋使用回数 tmo :取鍋移動時間 tst :取鍋待機時間 qj :操業実績データから得た定数 (j=1〜5) Hcov :予熱前蓋無し時の温度降下補正係数 出鋼時温度降下量予測演算(S−53) 出鋼時に生じる温度降下の影響係数を決めるに当たって
は転炉構造物である転炉炉壁構造物の劣化、取鍋耐火物
の劣化および製造鋼種、副原料投入量等の要因を考慮し
て(12)式により予測する。
係から次の(13)式により予測する。
ータ(鋼種に依存) 運搬時温度降下量予測演算(S−55) 運搬時に生じる温度降下に関しては、前記運搬時間予測
演算(S−54)で予測した運搬時間および取鍋耐火物
の劣化等の要因を考慮して、次の(14)式で予測す
る。
ランス計測値(C%,温度)を初期値として終点までの
送酸量、冷却材投入量の演算を行う。本演算は、転炉終
点目標温度の変更があるたびにダイナミックに修正計算
が実施される。
(15)、(16)式(酸素バランス式および温度バラ
ンス式)を用いる。
り得た定数
より、実際に操業を行っている製鋼プロセスにおいて、
吹錬の終了時の転炉から、取鍋への受鋼、取鍋での運搬
を経て二次精錬装置(RH)および連続鋳造機(CC
M)に至るまでの製鋼プロセスに適用した。低炭素鋼5
0チャージに対し、前述の図2の従来の方法と本発明方
法との予測精度比較検証を行ったところ、従来の方法で
は±10℃以内の温度適中率は54%であったが、本発
明方法での適中率は85%の好結果を得た。
570℃として操業した、上記低炭素鋼50チャージの
転炉終点温度実績値のヒストグラムは図6に示す通りで
あり、本発明方法により、12℃の平均転炉終点温度の
低減を確認した。
度の低減により得られた実質効果として、転炉および二
次精錬装置耐火物原単位6%、二次精錬時投入冷材10
%、昇温用Al原単位12%ならびに昇温用酸素原単位
12%の向上がなされた。
終点以降の温度降下量を精度良く予測することで、転炉
吹錬終了温度および二次精錬装置到着温度を適正に設定
することができ、そのために転炉あるいは二次精錬装置
での余分な操業を減少させることが可能となり、製鋼コ
ストおよび製鋼時間において効率化が達成できる。
低減)が達成され、転炉耐火物、O2 原単位および冷却
材原単位の向上という大きな効果が得られる。
ロック図である。
御ブロック図である。
図である。
のヒストグラムである。
Claims (1)
- 【請求項1】転炉、二次精錬装置および連続鋳造機を有
する設備における製鋼プロセスの転炉の吹錬終点制御方
法において、連続鋳造鋳込み時点での要求溶鋼温度、上
記転炉、二次精錬装置および連続鋳造機の操業開始予定
時間、操業所要予定時間、運搬時間ならびに過去の転炉
以外の各装置の熱履歴および溶鋼温度昇温量・降下量実
績を収集し、前記製鋼プロセスおよび運搬の変動に応じ
て、転炉吹錬終了以後の連続鋳造機鋳込み時点までの溶
鋼温度降下量(△T)を下記の式により予測し、前記予
測溶鋼温度降下量(△T)に基づき転炉吹錬終点での溶
鋼目標温度を修正し、前記修正転炉吹錬終点目標温度に
基づき転炉の吹錬終点制御を行うことを特徴とする転炉
の吹錬終点制御方法。 △T=△TCL+△TLR+△TRH+△TRC ここで、 △T :転炉吹錬終了から連続鋳造機における鋳込み開
始までに生じる溶鋼温度降下量 △TCL:転炉吹錬終了から取鍋受鋼終了までに生じる溶
鋼温度降下量 △TLR:取鍋受鋼終了から二次精錬装置での処理開始ま
でに生じる溶鋼温度降下量 △TRH:二次精錬装置処理中に生じる溶鋼温度変動量 △TRC:二次精錬装置での処理終了から連続鋳造機での
鋳造開始までに生じる溶鋼温度降下量
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JP04537995A JP3146907B2 (ja) | 1995-03-06 | 1995-03-06 | 転炉の吹錬終点制御方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP04537995A JP3146907B2 (ja) | 1995-03-06 | 1995-03-06 | 転炉の吹錬終点制御方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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ID=12717643
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP04537995A Expired - Fee Related JP3146907B2 (ja) | 1995-03-06 | 1995-03-06 | 転炉の吹錬終点制御方法 |
Country Status (1)
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-
1995
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