JP5924310B2 - 吹錬制御方法及び吹錬制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、溶銑を脱炭精錬して溶鋼を製造する転炉製鋼にて最適な処理を行うための吹錬制御方法及び吹錬制御装置に関する。
従来の製鋼プロセスでは、転炉以前の工程(以下、溶銑予備処理と称す)で、鋼種によって定められた燐濃度となるまで処理を行ってから、転炉へ溶銑を送り吹錬を開始している。吹錬開始時点では、与えられた溶銑温度・燐濃度で最適な転炉吹錬を実行するための吹錬計算が行われる。
転炉操業では、従来、温度・成分調整を行うための副原料投入量・酸素吹き込み量を算出する方法として、吹錬開始時に行う操業ガイダンスモデル(以下、スタティックモデルと称す)を採用している。スタティックモデルとしては、種々のものが提案されている。
例えば、出鋼目標成分・温度に基づいて出鋼時スラグ量を推定し、転炉への焼石灰投入量を計算する方法(例えば、特許文献1参照)、溶鋼成分濃度を目標値に近づけるため、物質バランスとスラグ平衡反応を考慮した物理モデルを用いて副原料を計算する方法(例えば、特許文献2参照)、転炉吹錬中の排ガスを分析し、その分析した情報から吹錬途中の溶鋼成分中濃度・溶鋼温度を求め転炉吹き込み酸素量を計算する方法(例えば、特許文献3参照)等がある。
特開2000−178630号公報 特開平9−256021号公報 特開2007−238982号公報
しかしながら、上記従来の製鋼プロセスにあっては、与えられた溶銑温度・燐濃度に基づいて、吹錬終点における溶鋼温度・燐濃度が目標値となるよう制御するだけである。すなわち、吹錬開始時の溶銑温度・燐濃度については計算値として使用しているのみで、最適(安価)に吹錬するための設定はなされていない。
そこで、本発明は、最適(安価)に吹錬するための吹錬制御方法及び吹錬制御装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る吹錬制御方法の一態様は、溶銑予備処理開始前に、溶銑予備処理終了後から吹錬開始前までの間に行われる溶銑の温度降下を伴う吹錬前処理による溶銑の温度降下量と、溶銑予備処理終了後から吹錬開始前までの間の溶銑鍋の処理待機及び溶銑予備処理設備から転炉までの溶銑鍋の移動による溶銑の温度降下量とを加算した、溶銑予備処理終了後から吹錬開始前までの間の溶銑の総温度降下量を予測し、溶銑予備処理開始前に、当該総温度降下量を用いて、吹錬中に必要とされる必要昇熱材(FeSi)量必要脱燐材(石灰)量とを含む副原料のを最小とするための、吹錬開始時の目標溶銑温度及び目標溶銑燐濃度を決定することを特徴としている。
これにより、安価な操業が可能となる。また、溶銑予備処理開始前に、溶銑予備処理終了後から吹錬開始前までの間の溶銑の総温度低下量を予測して吹錬開始時の溶銑状態を決定するので、操業毎に吹錬開始時の目標溶銑状態を適切に狙うことができ、最適に吹錬することができる。さらに、溶銑予備処理終了後から吹錬開始前までの間の溶銑の総温度低下量の予測に際し、吹錬前処理による温度降下量と、溶鋼鍋の待機・移動による温度降下量とをそれぞれ個別に予測し、両者を加算するので、溶銑予備処理終了後、転炉へ移動する前に溶銑の温度降下を伴う吹錬前処理をはさむ場合であっても、適切な温度降下予測が可能となる。
また、上記において、前記吹錬前処理は脱硫処理であり、前記脱硫処理による単位時間当たりの溶銑の温度降下量に、転炉の操業条件によって決まる前記脱硫処理の処理時間を乗じることで、前記吹錬前処理による溶銑の温度降下量を予測するようにしてもよい。
このように、転炉の操業条件(転炉の操業方法や鋼種など)に応じて脱硫処理による溶銑の温度低下量を予測するので、操業に則した適切な温度低下予測が可能となる。そのため、吹錬開始時に副原料コストが最小となる最適な溶銑状態を実現する精度を向上させることができる。
さらに、上記において、直近に吹錬処理した溶銑が溶銑予備処理終了後から吹錬開始前までにかかった時間から前記吹錬前処理の処理時間を減じた時間を溶銑鍋の待機・移動時間とし、前記溶銑鍋の処理待機及び移動による単位時間当たりの溶銑の温度降下量に、前記待機・移動時間を乗じることで、前記溶銑鍋の処理待機及び移動による溶銑の温度降下量を予測するようにしてもよい。
このように、溶銑予備処理から吹錬開始までにかかる時間は、直近に転炉処理した溶銑が溶銑予備処理から吹錬開始までにかかった時間と殆ど変わらないことを利用し、直近の溶銑予備処理終了後〜吹錬開始前の時間から吹錬前処理時間を減じることで、今回転炉処理する溶銑鍋の待機・移動時間を算出する。そのため、溶銑鍋の処理待機及び移動による溶銑の温度降下量を適切に予測することができる。したがって、吹錬開始時に副原料コストが最小となる最適な溶銑状態を実現する精度を向上させることができる。
また、上記において、溶銑予備処理開始前に、吹錬開始時の溶銑温度及び溶銑燐濃度を変数として、吹錬反応における熱収支モデル、酸素収支モデル、及び石灰投入量モデルを用いて、必要昇熱材量、必要酸素量、及び必要石灰量を算出する吹錬計算を実行することで、前記副原料のコストを算出するステップと、算出した前記副原料のコストを最小化する吹錬開始時の溶銑温度及び溶銑燐濃度の組み合わせを、前記目標溶銑温度及び前記目標溶銑燐濃度の組み合わせの候補として複数点算出し、前記目標溶銑温度の候補と前記目標溶銑燐濃度の候補との関係を示す目標候補特性線を算出するステップと、溶銑予備処理開始前の溶銑温度と溶銑成分とに基づいて、溶銑予備処理過程で変化する溶銑温度と溶銑燐濃度との関係を示す予備処理動作線を予測するステップと、前記目標候補特性線と前記予備処理動作線とに基づいて、前記目標溶銑温度及び前記目標溶銑燐濃度を決定するステップと、を備え、前記予備処理動作線を前記総温度降下量の分だけ補正し、前記目標候補特性線と補正後の前記予備処理動作線とに基づいて、前記目標溶銑温度及び前記目標溶銑燐濃度を決定するようにしてもよい。
このように、吹錬反応における熱収支モデル、酸素収支モデル及び石灰投入量モデルを用いるので、様々な吹錬開始時の溶銑温度・溶銑燐濃度の組み合わせについて、副原料コストを適切に算出することができる。そのため、目標溶銑状態の候補を適切に設定することができる。また、目標候補特性線と予備処理動作線とに基づいて目標溶銑状態を決定するので、複数の目標溶銑状態の候補の中から確実に狙うことができる溶銑状態を目標溶銑状態として決定することができる。したがって、操業条件に応じた最適なオペレーションを行うことができる。
さらに、上記において、前記目標候補特性線を1次式で近似するようにしてもよい。
これにより、比較的簡易に目標候補特性線を算出することができる。
また、上記において、前記予備処理動作線を回帰式によって予測するようにしてもよい。
これにより、溶銑予備処理過程で変化する溶銑状態を適切に予測することができる。
さらにまた、上記において、前記副原料のコストの指標として、前記必要昇熱材量、前記必要酸素量及び前記必要石灰量に基づいて塩基度を算出し、吹錬開始時の溶銑燐濃度を定めたときの、吹錬処理にて塩基度制約による昇熱材と塩基度調整用の石灰との同時投入が不要な吹錬開始時の溶銑温度のうち、最も低い最低溶銑温度を算出し、前記定めた溶銑燐濃度と前記最低溶銑温度との組み合わせを、前記目標溶銑燐濃度及び前記目標溶銑温度の組み合わせの候補として算出するようにしてもよい。
このように、塩基度を算出することで、設定した吹錬開始時の溶銑状態が、吹錬処理にて塩基度調整用の石灰を投入する必要がある溶銑状態であるか否か、すなわち副原料コストが高くなる溶銑状態であるか否かを判定することができる。そして、これにより、塩基度調整用の石灰投入が必要なコスト高な領域と、塩基度調整用の石灰投入が不要なコスト安な領域との境となる吹錬開始時の溶銑状態を算出することができる。塩基度調整用の石灰投入が不要なコスト安な領域では、吹錬開始時の溶銑温度が高いほど、すなわち転炉昇熱温度が低いほど昇熱材コストは低くなる。したがって、吹錬処理にて塩基度制約による昇熱材と塩基度調整用の石灰との同時投入が不要となる吹錬開始時の溶銑温度のうち最低温度を、目標溶銑温度の候補として設定することで、副原料コストが最小となる目標溶銑状態を適切に設定することができる。
また、本発明に係る吹錬制御装置の一態様は、溶銑予備処理開始前に、溶銑予備処理終了後から吹錬開始前までの間に行われる溶銑の温度降下を伴う吹錬前処理による溶銑の温度降下量を予測する第1温度降下量予測手段と、溶銑予備処理開始前に、溶銑予備処理終了後から吹錬開始前までの間の溶銑鍋の処理待機及び溶銑予備処理設備から転炉までの溶銑鍋の移動による溶銑の温度降下量を予測する第2温度降下量予測手段と、前記第1温度降下量予測手段で予測した前記吹錬前処理による溶銑の温度降下量と、前記第2温度降下量予測手段で予測した前記溶銑鍋の待機及び移動による溶銑の温度降下量とを加算した結果を、溶銑予備処理後から吹錬開始前までの間の溶銑の総温度降下量として予測する総温度降下量予測手段と、溶銑予備処理開始前に、前記総温度降下量予測手段で予測した総温度降下量を用いて、吹錬中に必要とされる必要昇熱材(FeSi)量必要脱燐材(石灰)量とを含む副原料のを最小とするための、吹錬開始時の目標溶銑温度及び目標溶銑燐濃度を決定する目標値決定手段と、を備えることを特徴としている。
これにより、吹錬開始時の溶銑温度及び溶銑燐濃度について、最適(安価)に吹錬するための設定が可能となる。
本発明によれば、操業に則した溶銑予備処理後から吹錬開始までの温度降下予測が可能となる。そのため、吹錬開始時における溶銑温度及び溶銑燐濃度を精度良く制御することができ、副原料コストが最小となる転炉昇熱温度を確実に狙うことが可能となる。したがって、最適(安価)な吹錬処理を行うことができる。
転炉昇熱温度と昇熱材コストとの関係を示す図である。 転炉昇熱温度と脱燐材コストとの関係を示す図である。 転炉昇熱温度とトータルコストとの関係を示す図である。 吹錬制御装置を示すブロック図である。 目標候補算出処理手順を示すフローチャートである。 目標候補特性線を示す図である。 溶銑予備処理での溶銑温度と溶銑燐濃度との推移を示す図である。 目標溶銑燐濃度及び目標溶銑温度の選定方法を説明する図である。 温度降下量予測処理手順を示すフローチャートである。 溶銑予備処理〜吹錬処理の溶銑温度の変化を示す図である。 目標候補算出処理手順の別の例を示すフローチャートである。 目標値の選定方法の別の例を示す図である。 目標値の選定方法の別の例を示す図である。 目標値の選定方法を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
高炉で製造した溶銑は、溶銑予備処理設備に移送され、溶銑予備処理設備にて溶銑の脱燐(脱リン、脱P)が行われる。この処理は溶銑予備処理と呼ばれ、通常、石灰や酸化鉄等を混合した脱リン材をガスと共に溶銑中に吹き込み、溶銑中のリンをスラグ相に移行させたのち、スラグを排出することにより行う。
溶銑予備処理にて脱リン処理が施された溶銑は、転炉へ装入される。転炉では、吹錬処理を行う。この吹錬処理は、溶銑の脱炭を主目的とするものである。吹錬処理では、溶銑予備処理後の溶銑を主原料とし、これにスクラップと、合金鉄や石灰等の副原料(昇熱材や脱リン材などの成分調整用副原料)とを投入したあと、酸素を吹き込み、内部に含まれる硫黄(S)やリン(P)等の不純物を酸化によって除去する。これにより、所望の組成と温度とを有した鋼を精錬する。
吹錬終点における溶鋼温度及び溶鋼P濃度は鋼種によって予め設定されている。そのため、吹錬開始時の溶銑温度が決まると、吹錬開始時の溶銑温度と吹錬終了時の溶鋼温度との差分である転炉昇熱温度も一義的に決まる。そして、この転炉昇熱温度から、吹錬中に必要とされる副原料(昇熱材や脱リン材などの成分調整用副原料)の量が決まる。
図1は、転炉昇熱温度と昇熱材コストとの関係を示す図である。ここで、横軸は転炉昇熱温度[℃]、縦軸は転炉で用いる昇熱材のコスト[円/t]である。
この図1に示すように、転炉昇熱温度が高いほど(吹錬開始時の溶銑温度が低いほど)、昇熱材コストは高くなることがわかる。これは、転炉昇熱温度が高いほど昇熱材(FeSi、コークスなど)の投入量が必然的に増えるためである。また、転炉昇熱温度が所定温度以上(最大転炉昇熱温度T1以上)となると、塩基度(CaO/SiO2)の下限制約により、塩基度調整用の石灰を同時投入する必要があることから、急激に昇熱材コストが上昇する。
本実施形態では、この昇熱材コストが急激に上昇し始めるポイントを境として、転炉昇熱温度が最大転炉昇熱温度T1を上回る領域を「A領域」、転炉昇熱温度が最大転炉昇熱温度T1以下となる領域を「B領域」とする。A領域における昇熱材コストの上昇の傾きの絶対値は比較的大きく、B領域における昇熱材コストの上昇の傾きの絶対値は比較的小さい。
図2は、転炉昇熱温度と脱リン材コストとの関係を示す図である。ここで、横軸は転炉昇熱温度、縦軸は溶銑予備処理と転炉の両方で用いる脱リン材(石灰)のコストである。
この図2に示すように、転炉昇熱温度が高いほど(吹錬開始時の溶銑温度が低いほど)、脱リン材コストは低くなることがわかる。これは、脱リン処理は、溶銑予備処理にて低温で実施する方が低コストであるためである。すなわち、脱リン材コストだけに着目すれば、転炉到着温度を低くしてでも溶銑予備処理で脱リン処理を行う方が有利である。
このように、昇熱材コストと脱リン材コストとは相反する特性を有する。溶銑予備処理で脱リンを十分に実施せずに熱余裕を残すと、転炉での昇温量は低いものの、転炉での脱リン量が増えるためコスト増となる。逆に、溶銑予備処理で熱余裕が下がってでも脱リンを十分に実施すると、脱リン材コストは下がるが、転炉吹錬開始時の溶銑温度が下がるため転炉での昇温量は多くなり、昇熱材コストが嵩む。
なお、脱リン材コストの減少の傾きの絶対値は、図1のB領域における昇熱材コストの増加の傾きの絶対値よりも大きく、図1のA領域における昇熱材コストの増加の傾きの絶対値よりも小さい。
図3は、転炉昇熱温度とトータルコストとの関係を示す図である。ここで、横軸は転炉昇熱温度、縦軸は図1の昇熱材コストと図2の脱リン材コストとの和であるトータルコストである。
この図3に示すように、トータルコストは、図1における転炉の昇熱材コストが急増し始めるポイント(転炉昇熱温度が最大転炉昇熱温度T1となるポイント)で最小となることがわかる。つまり、トータルコストが最小となるポイントは、塩基度の制約によって決まる。
なお、このトータルコストが最小となるポイント(最大転炉昇熱温度T1)は、吹錬開始時の溶銑P濃度の値によって異なる。
本実施形態では、トータルコスト最小で吹錬処理を行うために、溶銑予備処理開始前に、転炉昇熱温度が最大転炉昇熱温度T1となるような吹錬開始時の溶銑温度及び溶銑P濃度を決定し、これを目標値(目標溶銑温度及び目標溶銑P濃度)とする。そして、吹錬開始時に、溶銑温度及び溶銑P濃度が目標溶銑温度及び目標溶銑P濃度となるように溶銑予備処理を行う。
図4は、吹錬開始時の溶銑温度及び溶銑P濃度を目標値とするための吹錬制御処理を行う吹錬制御装置1のブロック図である。
目標候補特性線算出部10は、目標溶銑温度の候補と目標溶銑P濃度の候補との関係式を示す目標候補特性線を算出する。ここでは、目標溶銑温度と目標溶銑P濃度との組み合わせの候補を複数点算出し、算出した複数の目標候補点をもとに、目標溶銑温度の候補と目標溶銑P濃度の候補との関係を近似関数で求める。これを目標候補特性線という。具体的には、この目標候補特性線算出部10では、図5に示す目標候補算出処理を実行する。
図5の目標候補算出処理では、吹錬開始時の溶銑P濃度の候補を予め複数設定しておき、設定した各溶銑P濃度について、昇熱材(FeSi)と脱リン材(石灰)とをあわせたトータルコストが最小となる吹錬開始時の溶銑温度をそれぞれ算出する。そして、設定した溶銑P濃度と、それに対応するコスト最小となる溶銑温度との組み合わせを、目標溶銑P濃度と目標溶銑温度との組み合わせの候補(目標候補)として設定する。このようにして複数設定された目標候補に基づいて、目標溶銑温度の候補と目標溶銑P濃度の候補との関係式を算出する。
先ずステップS1では、目標候補特性線算出部10は、吹錬開始時の溶銑P濃度を示す変数xtを初期化する。例えば、溶銑P濃度xtの初期値は30[0.001%]とする。
次にステップS2では、目標候補特性線算出部10は、計算パラメータを読み込みステップS3に移行する。計算パラメータとしては、吹錬開始時の溶銑の成分(C、Si、Mn、S、P、Ti)及び装入トン数、スクラップ銘柄別の装入トン数、焼石灰以外の転炉への副原料装入トン数、出鋼目標温度及び成分(C、Si、Mn、S、P、Ti)、上吹き酸素量がある。これらの計算パラメータは、鋼種毎のデータベース値や操業命令値から取得する。
ステップS3では、目標候補特性線算出部10は、スクラップ含有成分量を計算する。スクラップ銘柄毎に装入トン数に対する各成分(C、Si、Mn、S、P、Ti)の含有率が決められているため、前記ステップS2で取得したスクラップ装入トン数から各成分の含有量が計算できる。
ステップS4では、目標候補特性線算出部10は、吹錬中の副原料投入量を決めるモデルである石灰投入量モデルを用いて、焼石灰投入量(必要石灰量)を計算する。ここでは、例えば、特開2000−178630号公報に示される計算方法を用い、吹錬開始時の溶銑温度及び成分、並びに出鋼目標温度及び成分を計算パラメータとして取り込み、出鋼時のスラグ量及びスラグ中(CaO)濃度を計算することで、出鋼目標を満たすため必要な転炉への焼石灰投入量(脱リン材投入量)を計算する。
ステップS5では、目標候補特性線算出部10は、吹錬開始時の溶銑温度を示す変数ytを初期化する。例えば、溶銑温度ytの初期値は1100[℃]とする。
次にステップS6では、目標候補特性線算出部10は、顕熱計算を行う。ここでは、吹錬開始時の溶銑温度(xt)及び装入トン数に基づいて、溶銑の持つ熱量を計算すると共に、転炉出鋼時の出鋼目標温度及び出鋼トン数に基づいて、出鋼時の溶鋼の持つ熱量を計算する。なお、上記出鋼トン数は、溶銑装入トン数、副原料装入トン数及びスクラップ装入トン数より計算する。
ステップS7では、目標候補特性線算出部10は、熱収支モデル及び酸素収支モデルを用いて、出鋼条件を満たすために必要な必要熱量(必要昇熱材量)及び必要酸素量(底吹き酸素量)を算出する。
その際、副原料、合金鉄、焼石灰の含有成分量を計算する。副原料、合金鉄、焼石灰毎にそれぞれ装入トン数に対する各成分(C、Si、Mn、S、P、Ti)の含有率が決められているため、それぞれの装入トン数から各成分の含有量を計算する。
また、出鋼時の含有成分量と、吹錬開始時の含有成分量との差に基づいて、各含有成分の反応熱を計算する(燃焼量計算)。さらに、出鋼時の含有成分量と、吹錬開始時の含有成分量との差に基づいて、各含有成分が酸化還元反応したときに発生するスラグ量を計算する(スラグ量計算)。
次に、吹錬反応における熱収支式及び酸素収支式を組み立てる。ここで、吹錬反応における酸素収支式は「入酸素=出酸素」として組み立てる。入酸素項は、吹錬酸素量(上吹き酸素、底吹き酸素)、副原料含有酸素量等から構成される。また、出酸素項は、C→CO時の消費酸素量、スラグ含有酸素量、不明酸素量、オペレータによる入力酸素量等から構成される。
また、吹錬反応における熱収支式は「入熱=出熱」として組み立てる。入熱項は、溶銑顕熱、副原料燃焼熱、不明熱量、オペレータによる入力熱量等から構成される。また、出熱項は、溶銑顕熱、副原料燃焼熱、スラグ顕熱、排ガス顕熱等から構成される。
そして、副原料(昇熱材FeSi)を、例えば0kgから2250kgまで25kgずつ加算しながらループ計算を行い、熱収支式、酸素収支式の連立方程式を解くことで、出鋼条件を満たすために必要な必要熱量(昇熱材FeSi)及び必要酸素量(底吹き酸素量)を求める。
次にステップS8では、目標候補特性線算出部10は、前記ステップS4で算出した焼石灰投入量と、前記ステップS7で算出した必要昇熱材量及び必要酸素量とに基づいて、吹錬中の塩基度予測計算を行う。ここで、塩基度=(CaO/SiO2)である。
ステップS9では、目標候補特性線算出部10は、前記ステップS8で求めた塩基度の値が予め設定した閾値(例えば、3.2)以下であるか否かを判定する。ここで、上記閾値は、塩基度(CaO/SiO2)の下限制約に相当する値である。
すなわち、前記ステップS8で求めた塩基度が下限制約以下である場合とは、現在の(xt、yt)の組み合わせを目標候補(目標溶銑P濃度候補,目標溶銑温度候補)として設定すると、塩基度調整用の石灰の投入が必要となること示している。換言すると、現在の(xt、yt)の組み合わせを目標候補(目標溶銑P濃度候補,目標溶銑温度候補)として設定した場合、図3において石灰投入によってコストが嵩むA領域となることを示している。一方、前記ステップS8で求めた塩基度が下限制約を上回っている場合、これは石灰を投入して塩基度調整を行う必要がないこと示しており、図3のB領域に属することを示している。
そして、前記ステップS9で塩基度>閾値である(塩基度調整が必要ないB領域である)と判定した場合には、ステップS10に移行する。ステップS10では、目標候補特性線算出部10は、現在の(xt、yt)の組み合わせを目標候補(目標溶銑P濃度候補,目標溶銑温度候補)として設定すると共に、これまでに設定した複数の目標候補をもとに目標溶銑P濃度候補と目標溶銑温度候補との関係式を求め、後述するステップS13に移行する。
一方、前記ステップS9で塩基度≦閾値であると判定した場合には、ステップS11に移行して、yt=yt+1としてからステップS12に移行する。
ステップS12では、目標候補特性線算出部10は、変数ytが最大値ytmaxを越えたか否かを判定する。ここで、最大値ytmaxは、例えば1350[℃]とする。そして、yt≦ytmaxであるときには前記ステップS7に移行し、yt>ytmaxであるときにはステップS13に移行する。
ステップS13では、目標候補特性線算出部10は、xt=xt+1としてからステップS14に移行する。
ステップS14では、目標候補特性線算出部10は、変数xtが最大値xtmaxを越えたか否かを判定する。ここで、最大値xtmaxは、例えば100[0.001%]とする。そして、xt≦xtmaxであるときには前記ステップS2に移行し、xt>xtmaxであるときには目標候補算出処理を終了する。
このように、上記目標候補算出処理では、吹錬開始時の目標溶銑P濃度の候補として30[0.001%]〜100[0.001%]の範囲内の値を設定する。そして、その範囲内の各溶銑P濃度について、塩基度制約により昇熱用FeSiと塩基度調整用石灰との同時投入が不要となる吹錬開始時の溶銑温度のうち最も低い溶銑温度を求める。
つまり、溶銑P濃度を固定として、吹錬開始時の目標溶銑温度を1100[℃]から1350[℃]まで低い温度から順に設定変更しながら、その溶銑P濃度と溶銑温度との組み合わせがA領域に属する溶銑状態であるか否かを判定し、A領域からB領域に切り替わる境界の溶銑温度を求める。これにより、上記範囲内の各溶銑P濃度について、トータルコストが最小となる溶銑温度が求まり、複数の目標候補が算出される。
そして、算出した複数の目標候補に基づいて、目標溶銑P濃度の候補と目標溶銑温度の候補との関係を示す目標候補特性線を算出する。目標候補特性線は、例えば、図6のαに示すように一次方程式で近似できる。
図6において、直線αを境として、斜線領域内の溶銑状態は図3のA領域に属する。一方、斜線領域以外の領域内の溶銑状態は図3のB領域に属する。つまり、斜線領域内では、溶銑P濃度を一定とした場合、溶銑温度が下がるほどトータルコストは上がるが、それ以外の領域では、溶銑P濃度を一定とした場合、溶銑温度が下がるほどトータルコストは下がる。また、直線α上では、溶銑P濃度が低いほど(溶銑温度が高いほど)トータルコストは下がる。
図4に戻って、予備処理動作線算出部20は、溶銑予備処理で脱リン処理を行ったときの溶銑温度と溶銑P濃度との推移を示す式を予測する。溶銑予備処理での脱リン反応は吸熱反応であり、脱リン量0.001%あたり1℃〜2℃程度温度が低下する。なお、この温度降下量は、使用する副原料によって異なる。
ここでは、この溶銑温度と溶銑P濃度との推移を示す線を、回帰などによって定める。一般に、脱リン量に対する温度降下量は予備処理時間がほぼ一定と見做せるので、ここでは溶銑温度と溶銑P濃度との推移を示す予備処理動作線を直線で表すものとする。
図7は、溶銑予備処理で脱リン処理を行ったときの溶銑温度と溶銑P濃度との推移を示す図である。この図7の直線βが予備処理動作線である。直線βを表す式を予備処理回帰式という。予備処理回帰式は、試験的に得られた温度勾配係数を用いて求めることもできる。
図4の予備処理動作線補正部30は、予備処理動作線算出部20で算出した予備処理動作線を、後述する温度降下量予測部35で予測した溶銑予備処理終了から吹錬開始までの間の溶銑の総温度降下量ΔTを考慮して補正する。
補正後の予備処理動作線は、図8の直線γに示すようになる。直線γは、予備処理動作線算出部20で算出した予備処理動作線βを、温度降下量予測部35で予測した溶銑予備処理後〜吹錬開始の間の総温度降下量ΔTだけ低温側にオフセットしたものである。
温度降下量予測部35は、溶銑予備処理終了から吹錬開始までの間の溶銑の総温度降下量ΔTを予測する。溶銑予備処理後から吹錬開始までの間には、溶銑払い出し、脱硫処理などの工程をはさむ場合があり、操業毎のフィッティングが重要である。そこで、温度降下量予測部35は、これらを考慮して総温度降下量ΔTを予測する。
図9は、温度降下量予測部35で実行する温度降下量予測処理手順を示すフローチャートである。
先ずステップS31で、温度降下量予測部35は、各パラメータを以下のように設定する。
溶銑予備処理後〜吹錬開始の間の時間:t1[sec]
脱硫処理時間:t2[sec]
溶銑鍋の待機・移動時間の単位時間当たりの熱降下量:U[℃/sec]
脱硫処理の単位時間当たりの熱降下量:V[℃/sec]
ここで、溶銑予備処理後〜吹錬開始の間の時間t1は、直近に転炉処理した溶銑が予備処理から転炉到着(吹錬開始)までにかかった時間とする。これは、溶銑予備処理にて処理された溶銑は連続鋳造までシリーズに処理され、予備処理から吹錬開始までの時間は、直近に処理した溶銑と大きく変わることがないためである。
脱硫処理時間t2は、転炉の処理時間と相関がある。これは、転炉操業が途切れないように溶銑を脱硫処理設備から転炉へ送るようにしているためである。転炉の処理時間は操業方法(1/2基操業か2/2基操業か等)と鋼種によって異なるため、脱硫処理時間t2も転炉の操業方法と鋼種によって決まる。
また、溶銑鍋の待機・移動時間の温度降下に関しては、単純な熱放散による温度降下と考えられるため、溶銑鍋の待機・移動時間の単位時間当たりの熱降下量Uは、実操業データにより求めた固定値とする。同様に、脱硫処理の単位時間当たりの熱降下量に関しても、操業パターンによって温度変化量は変わらないため、実操業データにより求めた固定値とする。
次にステップS32で、温度降下量予測部35は、溶銑予備処理後〜吹錬開始の間の溶銑鍋の待機・移動中における温度降下量ΔT1を算出する。溶銑予備処理後〜吹錬開始の間の溶銑鍋の待機・移動時間は(t1−t2)である。そのため、温度降下量ΔT1は、溶銑鍋の待機・移動時間の単位時間当たりの熱降下量Uに、溶銑鍋の待機・移動時間(t1−t2)を乗じた値とする(ΔT1=U(t1−t2))。
次にステップS33で、温度降下量予測部35は、脱硫処理中の温度降下量ΔT2を算出する。温度降下量ΔT2は、脱硫処理の単位時間当たりの熱降下量Vに脱硫処理時間t2を乗じた値とする(ΔT2=Vt2)。
そして、ステップS34で、温度降下量予測部35は、溶銑予備処理終了後から吹錬開始前までの間の溶銑の総温度降下量ΔTを算出し、温度降下量予測処理を終了する。ここでは、前記ステップS32で算出した溶銑予備処理後〜吹錬開始の間の溶銑鍋の待機・移動中における温度降下量ΔT1と、前記ステップS33で算出した脱硫処理中の温度降下量ΔT2とを加算し、その結果を総温度降下量ΔTとして算出する。
図4の目標値決定部40は、予備処理動作線補正部30で求めた補正後の予備処理動作線γに基づいて、目標値(吹錬開始時の目標溶銑P濃度と目標溶銑温度との組み合わせ)を、目標候補特性線算出部10で算出した目標候補特性線α上の点から選定する。ここでは、図8に示すように、目標候補特性線αとオフセット後の予備処理動作線γとの交点を目標値として選定する。
図4の予備処理制御部50は、目標値決定部40で目標値が選定された後、溶銑予備処理を開始する。そして、溶銑のP濃度が、目標値決定部40で選定した目標溶銑P濃度に達したか否かを判定し、目標溶銑P濃度に達したと判定すると溶銑予備処理を終了する。
なお、図9のステップS32が第1温度降下量予測手段に対応し、ステップS33が第2温度降下量予測手段に対応し、ステップS34が総温度降下量予測手段に対応している。また、図4の目標候補特性線算出部10、予備処理動作線算出部20、予備処理動作線補正部30及び目標値決定部40が目標値決定手段に対応している。
次に、本実施形態の動作について説明する。
吹錬制御装置1は、溶銑予備処理開始前に、吹錬開始時の目標溶銑P濃度と目標溶銑温度とを設定する。具体的には、吹錬開始時の溶銑P濃度及び溶銑温度を変数とし、熱収支モデル、酸素収支モデル及び石灰投入量モデルを用いて、必要石灰量、必要酸素量及び必要昇熱材量を算出する吹錬計算を実行する。そして、予め設定した範囲内の各溶銑P濃度について、昇熱材(FeSi)と脱リン材(石灰量)とをあわせたコストが最小となる溶銑温度を算出し、吹錬開始時の目標溶銑P濃度の候補と目標溶銑温度の候補との関係を示す目標候補特性線を、近似関数(ここでは一次式)を用いて算出する(図8の直線α)。
次に、溶銑予備処理開始前に取得した溶銑P濃度及び溶銑温度に基づいて、溶銑予備処理過程で変化する溶銑温度と溶銑P濃度との関係を予測する(図8の直線β)。そして、溶銑予備処理終了後から吹錬開始直前までの間の溶銑鍋の処理待機及び移動による温度降下量ΔT1と、吹錬前処理(脱硫処理)による温度降下量ΔT2とを加算することで、溶銑予備処理終了後から吹錬開始直前までの間の溶銑の総温度降下量ΔTを予測し、目標候補特性線α上の点から目標値を選定する(図8の直線αと直線γとの交点)。
このようにして吹錬開始時の目標溶銑P濃度及び目標溶銑温度が決定したら、溶銑予備処理を開始する。溶銑予備処理での脱リン反応は吸熱反応であるため、脱リンが進むにつれて溶銑温度は一定の低下率で低下していく。このときの溶銑P濃度と溶銑温度との動作点は、図8の予備処理動作線β上を直線βの矢印の方向に移動する。そして、溶銑のP濃度が目標溶銑P濃度に達すると、溶銑予備処理を終了する。
溶銑予備処理が終了すると、吹錬前処理として脱硫処理を行ってから、溶銑が転炉へ搬送される。このとき、溶銑温度は、溶銑鍋の待機・移動中の温度低下(温度低下量ΔT1)と、脱硫処理中の温度低下(温度低下量ΔT2)とにより、所定の温度降下量(ΔT=ΔT1+ΔT2)だけ低下する。
すなわち、溶銑P濃度と溶銑温度との動作点は、図8の予備処理動作線β上の予備処理終了点から、目標候補特性線α上の点(直線γとの交点)に移動する。したがって、転炉へ装入された吹錬開始時における溶銑のP濃度及び温度は、目標溶銑P濃度及び目標溶銑温度に一致した状態となる。このように、溶銑予備処理終了後から吹錬開始直前までの間の溶銑の総温度降下量ΔTを適切に予測することで、吹錬開始時の溶銑状態を目標溶銑状態に一致させる精度を向上させることができる。
そして、この状態で転炉における吹錬処理を開始する。このとき、吹錬開始時の溶銑P濃度及び溶銑温度は、副原料コストが最小となる目標溶銑P濃度及び目標溶銑温度に一致しているため、吹錬処理にて塩基度調整のための石灰投入を必要としない。したがって、安価に吹錬処理を行うことができる。
図10は、溶銑予備処理開始時から吹錬終了時までの間の溶銑温度の変化を示す図である。この図10の実線矢印に示すように、溶銑予備処理においては、溶銑温度は溶銑予備処理開始時の温度Taから一定の低下率で低下していく。そして、溶銑P濃度が目標溶銑P濃度に達したとき、溶銑予備処理を終了する。すなわち、仮に目標装入P濃度(鋼種毎に設定されるP濃度)に達していない場合であっても、転炉昇熱温度が最大転炉昇熱温度T1となる溶銑状態である場合には、図3のA領域に属さないようにするために、溶銑予備処理を終了する。
この溶銑予備処理終了時の溶銑温度Tbは、吹錬開始時の目標溶銑温度Trefに、溶銑予備処理終了から吹錬開始までの間に溶銑温度が降下する総温度降下量ΔTを加算した温度である。そのため、吹錬開始時には、溶銑温度は目標溶銑温度Trefとなる。その後、転炉における吹錬処理にて脱炭を行う。吹錬終了時には、溶鋼温度は鋼種によって定められた温度Tcに達する。
ここで、吹錬終了時の温度Tcから目標溶銑温度Trefを差し引いた温度は、昇熱材と脱リン材とをあわせたトータルコストが最小となる最大転炉昇熱温度T1に一致する。このように、トータルコストが最小となる条件で操業を行うことができる。
ところで、一般に製鋼プロセスでは、溶銑予備処理にて目標装入P濃度になるまで脱リン処理を行ってから、転炉へ溶銑を搬送するようにしている。この場合、吹錬開始時に、与えられた溶銑温度及び溶銑P濃度で最適な転炉吹錬を実行するための吹錬計算を行う。このように、溶銑予備処理にて目標装入P濃度だけを狙った場合、吹錬開始時に目標装入P濃度が達成された状態とすることができるが、図10の破線矢印に示すように溶銑温度も低下することで昇熱材コストが高くなる。すなわち、この場合、図3のA領域に属する状態となってしまう場合がある。
これに対して、本実施形態では、副原料コストが最小となる吹錬開始時の溶銑温度及び溶銑P濃度を算出し、吹錬開始時にその溶銑温度及び溶銑P濃度を達成するように溶銑予備処理を実施する。したがって、図3のA領域に属する状態を回避することができ、上述した従来手法と比較して安価に操業することができる。
このように、上記実施形態では、昇熱材と脱リン材とをあわせたトータルコストを考慮して吹錬開始時の溶銑P濃度及び溶銑温度を決定するので、吹錬開始時の溶銑温度及び溶銑P濃度について、安価に吹錬するための設定が可能となる。
また、このとき、溶銑予備処理終了後から吹錬開始前までの間の溶銑の総温度降下量ΔTを予測し、その総温度低下量ΔTを用いて吹錬開始時の溶銑P濃度及び溶銑温度を決定する。したがって、副原料コストが最小となる吹錬開始時の溶銑温度及び溶銑P濃度を達成する精度を向上させることができ、副原料コストミニマムを効果的に狙うことが可能となる。
さらに、溶銑予備処理終了後から吹錬開始前までの間に脱硫処理などの吹錬前処理が介入することを考慮し、脱硫処理による温度降下量ΔT2とそれ以外の溶銑鍋の待機・移動中の温度降下量ΔT1とをそれぞれ算出し、両者を足し合わせることで溶銑予備処理終了後から吹錬開始前までの間の溶銑の総温度降下量ΔTを算出する。したがって、操業毎に溶銑の総温度降下量ΔTを適切に予測することができる。
ここで、脱硫処理による温度降下量ΔT2は、脱硫処理の処理時間が転炉での処理時間と相関があることを利用して、転炉の操業方法や鋼種によって決定した脱硫処理時間t2を操業パターンによって決まる脱硫処理の単位時間当たりの熱降下量Vに乗じた結果とする。したがって、脱硫処理による溶銑の温度降下量ΔT2を精度良く予測することができる。
さらに、溶銑鍋の待機・移動中の温度降下量ΔT1の予測に際し、溶銑予備処理から吹錬開始までにかかる時間が、直近に転炉処理した溶銑が溶銑予備処理から吹錬開始までにかかる時間と殆ど変わらないことを利用し、直近に転炉処理した溶銑が溶銑予備処理から吹錬開始までにかかる時間t1から脱硫処理時間t2を減じた時間(t1−t2)を、溶銑鍋の待機・移動時間とする。そして、溶銑鍋の待機・移動時間の単位時間当たりの熱降下量Uに溶銑鍋の待機・移動時間(t1−t2)を乗じた結果を、溶銑鍋の待機及び移動による溶銑の温度低下量ΔT1とする。したがって、溶銑鍋の待機及び移動による溶銑の温度低下量ΔT1を精度良く予測することができる。
また、吹錬反応における熱収支モデル、酸素収支モデル及び石灰投入量モデルを用いて必要昇熱材量、必要酸素量及び必要石灰量を算出するので、吹錬中に必要とされる副原料コストを適切に算出することができる。溶銑予備処理開始時〜吹錬終了時までに必要とされるトータルコストが最小となるポイントは、吹錬中に必要とされる副原料コストが最小となるポイントと一致しているため、吹錬中に必要とされる副原料コストを適切に算出することで、トータルコストが最小となるポイントを適切に算出することができる。したがって、コスト最小となる目標値(目標溶銑温度及び目標溶銑P濃度)を適切に決定することができる。
さらに、目標値の決定に際し、目標候補特性線と予備処理動作線とを用いるので、予備処理開始時の溶銑状態等の操業条件に応じた目標値を決定することができる。このとき、溶銑予備処理〜吹錬の間の溶銑の総温度降下量ΔTを考慮するので、適切に目標値を決定することができる。また、目標候補特性線を1次式で近似するので、目標候補特性線を比較的簡易に算出することができる。さらに、予備処理動作線を回帰式によって予測するので、溶銑予備処理過程で変化する溶銑状態を適切に予測することができる。
また、副原料コストの指標として塩基度を算出するので、設定した吹錬開始時の溶銑状態について、吹錬中に塩基度調整用の石灰投入が必要な溶銑状態であるか否かを判定することができる。この塩基度の計算を、複数の吹錬開始時の溶銑状態について行えば、塩基度調整用の石灰投入が必要なコスト高な領域と、塩基度調整用の石灰投入が不要なコスト安な領域との境界線を算出することができる。
塩基度調整用の石灰投入が不要な領域では、吹錬開始時の溶銑温度が高いほど、すなわち転炉昇熱温度が低いほど昇熱材コストは低くなる。したがって、吹錬処理にて塩基度制約による昇熱材と塩基度調整用の石灰との同時投入が不要となる吹錬開始時の溶銑温度のうち最低温度を、目標溶銑温度の候補として設定することで、副原料コストが最小となる目標溶銑状態を適切に設定することができる。このように、上記境界線を求めることで、目標溶銑状態の候補と目標溶銑P濃度の候補との関係を示す目標候補特性線を適切に求めることができる。
また、溶銑予備処理では処理開始前に溶銑P濃度を測定し、予備処理動作線を用いることで所望のP濃度を達成することが可能なため、この溶銑予備処理では鋼種毎に設定された目標装入P濃度を狙いつつ、且つ転炉にて昇熱温度が最大転炉昇熱温度T1を上回るようだったら溶銑予備処理を中止するといったオペレーションが可能となる。また、塩基度調整用の石灰投入を必要としない最適な条件で吹錬処理を行うことができる。
(応用例)
上記実施形態においては、目標候補算出処理として、図11に示す処理を実行することもできる。この図11の目標候補算出処理は、目標候補特性線が図6の直線αに示すように次式で表される一次方程式で近似できることを利用し、目標溶銑P濃度と目標溶銑温度との組み合わせの候補を2点のみ導出し、この2点から目標候補特性線を算出するようにしたものである。
(溶銑温度)=A×(溶銑P濃度)+B ………(1)
ここで、A,Bは定数である。
すなわち、図11の目標候補算出処理は、図5の目標候補算出処理において、ステップS1をステップS21に、ステップS13をステップS22に、ステップS14をステップS23に置換したことを除いては、図5の目標候補算出処理と同様の処理を行う。
ステップS21では、xt=0とする。ここでは、xt=0のとき、溶銑P濃度=40[0.001%]とする。
ステップS22では、xt=xt+1としてからステップS23に移行する。
ステップS23では、xtが“1”を越えたか否かを判定する。そして、xt≦1であるときには前記ステップS2に移行し、xt>1であるときには目標候補算出処理を終了する。ここで、xt=1のとき、溶銑P濃度=70[0.001%]とする。
すなわち、xt=0のとき(溶銑P濃度=40[0.001%])と、xt=1のとき(溶銑P濃度=70[0.001%])とで、それぞれA領域とB領域との境界となる溶銑温度を算出する。これら2点の溶銑P濃度及び溶銑温度の値に基づいて上記(1)式の定数A,Bを求めることで、目標候補特性線を算出する。
この手法により、2点の溶銑P濃度のみで目標候補特性線の算出が可能となる。すなわち、図5の目標候補算出処理では、30[0.001%]〜100[0.001%]までの71点の溶銑P濃度で計算が必要であったのに対し、2点のみの計算で済む。したがって、計算処理量を大幅に削減することができ、計算処理時間の短縮とプロセスコンピュータの負荷の軽減とを実現することができる。
(変形例)
上記実施形態においては、溶銑P濃度が目標溶銑P濃度に達したときに溶銑予備処理を終了する場合について説明したが、鋼種によっては、P濃度を下げすぎてはいけない場合があるため、このように溶銑P濃度に制約がある場合には、目標溶銑P濃度に達する前に溶銑予備処理を終了することもできる。例えば、P濃度をP濃度閾値Pth(例えば30[0.001%])よりも下げてはいけない鋼種の場合、目標溶銑P濃度がP濃度閾値Pthよりも小さい値に設定された場合には、図12に示すようにP濃度がP濃度閾値Pthに達したときに溶銑予備処理を終了するようにする。
また、この場合、図13の点線矢印に示すように、P濃度がP濃度閾値Pthに達したときに処理を中断し、目標候補特性線上の溶銑状態を狙うようにしてもよい。これにより、よりコストが安価となる状態を目標値として選定することができる。
但し、図14に示すように、P濃度に制約がある場合でも、もともと目標溶銑P濃度がP濃度閾値Pth以上に設定されている場合には、点線矢印のように途中で処理を中断して目標候補特性線上の溶銑状態を狙う方法を選択されないものとする。これは、上述したように、目標候補特性線上では、溶銑P濃度が高いほど(溶銑温度が低いほど)コスト高となるためである。
1…吹錬制御装置、10…目標候補特性線算出部、20…予備処理動作線算出部、30…予備処理動作線補正部、35…温度降下量予測部、40…目標値決定部、50…予備処理制御部

Claims (8)

  1. 溶銑予備処理開始前に、溶銑予備処理終了後から吹錬開始前までの間に行われる溶銑の温度降下を伴う吹錬前処理による溶銑の温度降下量と、溶銑予備処理終了後から吹錬開始前までの間の溶銑鍋の処理待機及び溶銑予備処理設備から転炉までの溶銑鍋の移動による溶銑の温度降下量とを加算した、溶銑予備処理終了後から吹錬開始前までの間の溶銑の総温度降下量を予測し、
    溶銑予備処理開始前に、当該総温度降下量を用いて、吹錬中に必要とされる必要昇熱材(FeSi)量必要脱燐材(石灰)量とを含む副原料のを最小とするための、吹錬開始時の目標溶銑温度及び目標溶銑燐濃度を決定することを特徴とする吹錬制御方法。
  2. 前記吹錬前処理は脱硫処理であり、
    前記脱硫処理による単位時間当たりの溶銑の温度降下量に、転炉の操業条件によって決まる前記脱硫処理の処理時間を乗じることで、前記吹錬前処理による溶銑の温度降下量を予測することを特徴とする請求項1に記載の吹錬制御方法。
  3. 直近に吹錬処理した溶銑が溶銑予備処理終了後から吹錬開始前までにかかった時間から前記吹錬前処理の処理時間を減じた時間を溶銑鍋の待機・移動時間とし、
    前記溶銑鍋の処理待機及び移動による単位時間当たりの溶銑の温度降下量に、前記待機・移動時間を乗じることで、前記溶銑鍋の処理待機及び移動による溶銑の温度降下量を予測することを特徴とする請求項1又は2に記載の吹錬制御方法。
  4. 溶銑予備処理開始前に、吹錬開始時の溶銑温度及び溶銑燐濃度を変数として、吹錬反応における熱収支モデル、酸素収支モデル、及び石灰投入量モデルを用いて、必要昇熱材量、必要酸素量、及び必要石灰量を算出する吹錬計算を実行することで、前記副原料のコストを算出するステップと、
    算出した前記副原料のコストを最小化する吹錬開始時の溶銑温度及び溶銑燐濃度の組み合わせを、前記目標溶銑温度及び前記目標溶銑燐濃度の組み合わせの候補として複数点算出し、前記目標溶銑温度の候補と前記目標溶銑燐濃度の候補との関係を示す目標候補特性線を算出するステップと、
    溶銑予備処理開始前の溶銑温度と溶銑成分とに基づいて、溶銑予備処理過程で変化する溶銑温度と溶銑燐濃度との関係を示す予備処理動作線を予測するステップと、
    前記目標候補特性線と前記予備処理動作線とに基づいて、前記目標溶銑温度及び前記目標溶銑燐濃度を決定するステップと、を備え、
    前記予備処理動作線を前記総温度降下量の分だけ補正し、前記目標候補特性線と補正後の前記予備処理動作線とに基づいて、前記目標溶銑温度及び前記目標溶銑燐濃度を決定することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の吹錬制御方法。
  5. 前記目標候補特性線を1次式で近似することを特徴とする請求項4に記載の吹錬制御方法。
  6. 前記予備処理動作線を回帰式によって予測することを特徴とする請求項4又は5に記載の吹錬制御方法。
  7. 前記副原料のコストの指標として、前記必要昇熱材量、前記必要酸素量及び前記必要石灰量に基づいて塩基度を算出し、
    吹錬開始時の溶銑燐濃度を定めたときの、吹錬処理にて塩基度制約による昇熱材と塩基度調整用の石灰との同時投入が不要な吹錬開始時の溶銑温度のうち、最も低い最低溶銑温度を算出し、前記定めた溶銑燐濃度と前記最低溶銑温度との組み合わせを、前記目標溶銑燐濃度及び前記目標溶銑温度の組み合わせの候補として算出することを特徴とする請求項4〜6の何れか1項に記載の吹錬制御方法。
  8. 溶銑予備処理開始前に、溶銑予備処理終了後から吹錬開始前までの間に行われる溶銑の温度降下を伴う吹錬前処理による溶銑の温度降下量を予測する第1温度降下量予測手段と、
    溶銑予備処理開始前に、溶銑予備処理終了後から吹錬開始前までの間の溶銑鍋の処理待機及び溶銑予備処理設備から転炉までの溶銑鍋の移動による溶銑の温度降下量を予測する第2温度降下量予測手段と、
    前記第1温度降下量予測手段で予測した前記吹錬前処理による溶銑の温度降下量と、前記第2温度降下量予測手段で予測した前記溶銑鍋の待機及び移動による溶銑の温度降下量とを加算した結果を、溶銑予備処理後から吹錬開始前までの間の溶銑の総温度降下量として予測する総温度降下量予測手段と、
    溶銑予備処理開始前に、前記総温度降下量予測手段で予測した総温度降下量を用いて、吹錬中に必要とされる必要昇熱材(FeSi)量必要脱燐材(石灰)量とを含む副原料のを最小とするための、吹錬開始時の目標溶銑温度及び目標溶銑燐濃度を決定する目標値決定手段と、を備えることを特徴とする吹錬制御装置。
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